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発明の名称 内面ブローチ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−113412(P2001−113412A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−295996
出願日 平成11年10月18日(1999.10.18)
代理人
発明者 西村 顕
要約 目的
ブロ−チの切れ刃構成を改善することによって、HRC45を超える硬さの加工物であってもチッピングの発生を抑えて加工寸法が安定した状態で大量個数の加工ができ、これまで必要とした付帯の調質工程、矯正工程を廃して加工工数の短縮が達成できる内面ブローチを提供することを目的とする。

構成
丸穴、角穴、スプライン穴、セレーション穴等の内面を切削する一連の切れ刃群を備えた内面ブローチにおいて、該ブローチの切れ刃のすくい角を−18゜以上、+10゜以下とし、かつ切れ刃の全面にTiAlNコーティングを施し、該ブローチの各切れ刃群の切れ刃ピッチPを、切削長さをLとしたとき、P≦1.2√L、の関係とし、硬さHRC35〜55相当の高硬度加工物の加工に用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】 丸穴、角穴、スプライン穴、セレーション穴等の内面を切削する一連の切れ刃群を備えた内面ブローチにおいて、該ブローチの切れ刃のすくい角を−18゜以上、+10゜以下とし、かつ切れ刃の全面にTiAlNコーティングを施し、該ブローチの各切れ刃群の切れ刃ピッチPを、切削長さをLとしたとき、P≦1.2√L、の関係とし、硬さHRC35〜55相当の高硬度加工物の加工に用いることを特徴とする内面ブローチ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、丸穴、角穴、スプライン穴、セレーション穴等の内面の成形に用いるブローチに関するものであり、とくには高硬度加工物の切削に適するブローチに関する。
【0002】
【従来の技術】一般の単体ブロ−チは、その切れ刃にそれぞれ切り込み量の異なる切削刃群、中仕上げ刃群、仕上げ刃群からなる一連の切れ刃群を備えていて、1駆動の工程で加工を終了することができ、成形品の量産工程に適するものである。とくに内面加工においては他の加工方法では対応できない異形形状が容易に成形でき、作業に熟練を要することなく優れた加工寸法、仕上げ面粗さが得られるという特徴をもつものである。このような特徴は、切れ刃の形状、配置等を加工物に合わせて適切に構成することによって得られるものであるが、内面ブローチにおいては切屑処理とブローチ本体強度との関係から適応加工物が制約を受ける。ブローチ加工に適する加工物は硬さが一般にHRC20以下であって、HRC30程度までが実用されている。しかし近来、加工物の硬さが上昇する傾向があり、これにはコーティング等で対応がなされている。例えば特開平7−195228号には、切れ刃にねじれを有し、コ−ティングを施したHRC35〜55相当の高硬度材加工用ブロ−チ工具が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】上述のように従来の加工物の硬さはHRC20〜30程度であって、とくにHRC45を超える硬さの加工物は内面ブローチ加工を行うことができないという問題があった。これは内面ブローチにおいては本体強度を高めることがむつかしいという理由に加えて、切れ刃にねじれを設けることができないから切削が断続的にならざるを得ず、切れ刃のチッピングが早期に発生して工具寿命が短く、かつ加工寸法にバラ付きがでて正しい精度を得ることができないのが主因である。このためこのような硬さのものは、予め焼戻しをして硬さを下げてブローチ加工を行ない、加工後に再度焼入れを行うなど、多大の工数を要するという問題があった。しかし、この方法であっても加工後の焼入れに伴う熱的な寸法変化が大きく、依然加工寸法が安定しないという問題があった。そのため矯正加工までが必要となり、ますます工数が増大するという問題があった。
【0004】
【本発明の目的】本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、ブロ−チの切れ刃構成を改善することによって、HRC45を超える硬さの加工物であってもチッピングの発生を抑えて加工寸法が安定した状態で大量個数の加工ができ、これまで必要とした付帯の調質工程、矯正工程を廃して加工工数の短縮が達成できる内面ブローチを提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために、丸穴、角穴、スプライン穴、セレーション穴等の内面を切削する一連の切れ刃群を備えた内面ブローチにおいて、該ブローチの切れ刃のすくい角を−18゜以上、+10゜以下とし、かつ切れ刃の全面にTiAlNコーティングを施し、該ブローチの各切れ刃群の切れ刃ピッチPを、切削長さをLとしたとき、P≦1.2√L、の関係とし、硬さHRC35〜55相当の高硬度加工物の加工に用いるものである。
【0006】
【作用】先ず、本発明を適用することにより、内面ブローチにおいてその切れ刃のすくい角を−18゜以上、+10゜以下と小さくしたからすくい面と逃げ面とが挟む刃物角が大きくなり、刃先強度が強くなってチッピングに耐えることができる。すくい角を−18゜以上としたのは、これを下回ると切削抵抗の増加が無視できなくなるためであり、+10゜以下としたのは、これを超えると強度が不足し、チッピング等を生じやすくなるため−18゜以上、+10゜以下とした。
【0007】第2に、本発明では内面ブローチの切れ刃の全面にTiAlNコーティングを施したから、切れ刃が皮膜で保護される結果、チッピングを減じて安定した加工精度を持続することができる。すなわち、本発明においては切れ刃の刃物角が大きいからエッジ効果が出にくくて滑らかな皮膜が得られ、またすくい角が小さいからすくい面にも逃げ面等その他の面と均等な膜厚とすることができ、切れ刃保護の作用をなして高硬度材切削用として顕著な効果を現すのである。これまでブロ−チに施されたコ−ティングは逃げ面、あるいは逃げ面と側面において切れ刃加工物の摩擦を抑制する手段として供されていて、切れ刃の全面に施したコ−ティングは切れ刃部分がエッジ効果を得て皮膜が厚くなりやすく、皮膜剥離を生じやすいなどの理由から好まれるものではなかったが、本発明のように刃形、用途を限定することによって効果を導くことができるのである。コ−ティングの皮膜組成をTiAlNに限ったのは、他のコ−ティン皮膜組成に比べて皮膜の耐圧強度が大きく、また耐酸化性が優れて大きな潤滑効果が期待でき、高硬度材加工用として顕著な効果を得るからである。工具寿命が到来したブロ−チは再研削を行なうことで再生できるが、本発明においては、再研削後に皮膜除去と再コ−ティングを行なうものである。この手段によって新たな皮膜が再現され、再研削毎の工具寿命が保証されるという効果を表わす。切れ刃の全面にコーティングを施したからすくい面に存する皮膜が切り屑とすくい面との摩擦を減じて切削抵抗を軽減させる作用を有する。本体強度に制約がある内面ブロ−チの設計に当っては、切削抵抗を小さく抑えることが必須要件であり、高硬度材のように比切削抵抗の大きい材料に対してすくい角を小さくすることは、切削抵抗を大きくするから要件に反すると言えなくないが、上述の効果により切削抵抗が格別増加することはない。
【0008】第3に、内面ブローチにおいて、各切れ刃群の切れ刃ピッチPを、切削長さをLとしたとき、P≦1.2√Lとしたものである。ブローチ設計において切れ刃ピッチPと切削長さLとの関係は知られるところであり、通常、P=(1.25〜2)√Lが選ばれる。ここで内面ブローチに対しては比較的小さな数値が推奨されるが、本発明においてはさらに小さな値にするものである。すなわち、本発明ではすくい角を小さくしたからそれに伴ってすくい面のアンダーカットを小さくでき、さらに切れ刃全面にコ−ティングがなされていて十分な潤滑効果を有しているから、切れ刃ピッチが小さく、したがって刃厚が薄くとも切れ刃強度は維持されるのである。これはま同一全長において刃数を増加できることを表わし、高硬度材切削において1刃の切削量を減じて切削抵抗を調整できるという作用をもたらすのである。
【0009】上記のように、本発明によれば加工物が高硬度材であってもチッピングの発生を抑制して、加工精度の安定した状態を持続させることができ、大量個数の加工を可能にする。またこれによって、従来の高硬度材のブロ−チ加工で常識とされていたブロ−チ加工前後の調質作業を廃することができ、これに要していた加工工数を全て省略することができるという格段の効果を得るのである。以下、本発明をその実施例に基づいて説明する。
【0010】
【実施例】図1〜図3は本発明を適用した自動車部品のインボリュートスプライン穴加工用のスプラインブローチを示す。このブローチは最大径25.6mm、全長1000mm、スプライン歯形のビトウィーンピン径が21.3mmであって、前方に53刃のスプライン切削刃と5刃のスプライン仕上げ刃、その後方に8刃の丸刃と5刃の丸仕上げ刃を備えるものである。すくい角は0゜、切れ刃ピッチは7mmであって、刃部全面にはTiAlNコーティングを施してある。
【0011】図4の工程の様に、本発明例では高硬度材の加工を加工を行うことが出来るため、旋削による成形ののち、雰囲気中で光輝焼入れを行なって部品全体をHRC40〜55に調質し、ブローチ加工を行うことが出来る。それに対し、従来から行われている工程を図5に示すが、調質後、穴部分のみをHRC25に焼戻しし、ブローチ加工を行い、ブローチ加工後、強度を回復するために、再び高周波焼入れにより部分焼入れを行なっている。
【0012】加工数と寸法変化の結果を図6および図7に示す。図5の従来方法と比較して、当初目標とした1000箇は言うに及ばず、従来と同じく2000箇の加工を行なっても依然切削が可能な状態であった。図6は本発明品と従来品との切れ刃摩耗の比較を示すが、従来品が加工数の増加とともに摩耗が増大しているのに対して、本発明品は2000箇加工において僅かな摩耗であった。これは図7に示す加工精度にも反映していて、スプライン精度をビトウィーンピン径で評価したところ、2000箇切削において初期とほとんど変化のない安定した状態であった。
【0013】このように、これまで要していた焼戻し工程と高周波焼入れ工程の全てを省略することができ、著しい工程短縮を実現できたばかりでなく、加工個数の増加にも寄与できるのである。本発明の適用により、コーティング物質にTiAlNを用いているから皮膜の耐圧強度が大きく、また耐酸化性に優れ潤滑効果が期待できるという特性のみでなく、ブローチの素材である高速度工具鋼との親和性がよいから、膜の剥離が生じにくく、切れ刃を長期間保護して、高硬度材加工用として顕著な効果を得るのである。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、HRC45を超える硬さの加工物であっても加工寸法が安定した状態で大量個数の加工ができ、これまで必要とした付帯の工程を廃して加工工数の短縮が達成できる内面ブローチを得ることができた。




 

 


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