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発明の名称 被覆工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−9605(P2001−9605A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−185394
出願日 平成11年6月30日(1999.6.30)
代理人
発明者 植田 広志
要約 目的
切削工具の耐欠損性と耐溶着性を向上させる。

構成
被覆工具において、工具の刃先近傍の最外層をTiN及び/又はZrNから構成し、該刃先近傍の最外層を研磨し、該刃先近傍の最外層の研磨面積率を20%以上、80%以下として構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 硬質材料からなる工具基体の表面に化学蒸着法によって周期律表第4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物およびAl23から選ばれる少なくとも1種の化合物からなる厚膜の被覆層を形成してなる被覆工具において、工具の刃先近傍の該被覆層の最外層がTiN及び/又はZrNから構成され、該刃先近傍の最外層が研磨され、該刃先近傍の最外層の研磨面積率が20%以上、80%以下であることを特徴とする被覆工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆工具およびその製造方法に関し、詳細には、耐衝撃性を改良した切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、切削工具としてはWCを主成分として、Co等の金属を配合してなる超硬合金が主流であったが、最近では、切削時の耐摩耗性を向上させることを目的としてこの超硬合金やサーメットからなる基体の表面にTiC、TiCN、TiNあるいはAl23等の硬質材料を化学気相成長法により被覆した、被覆工具が多く用いられている。
【0003】この被覆工具の表面に形成される被覆層は、工具の耐摩耗性を左右する大きな要因であることから各種の改善がなされている。具体的には、基体表面に高硬度のTiC層を形成して耐摩耗性を改善したもの、あるいはこのTiC膜の表面にさらにAl23からなる外層を形成し耐摩耗性および耐酸化性を改善したもの、さらに外層として靱性に優れ摩擦係数が小さいTiNやTiCNを被覆したものなどがある。また被覆層の厚さによる改善も提案されており、特開平11−58104号公報に記載された被覆工具はAl23外層の厚さを部位によって変化させている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上記従来技術では、最外層をTiNやTiCNとした場合、溶着、チッピングが多く、被削面の荒れも目立つ。また酸化アルミニウム外層の厚さを部位によって変化させたものは被削面が良好な仕上げとなるが、Al23自体の靭性に難があり、チッピングしやすい。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の問題点に対して分析した結果、TiN等は従来から言われているように物質としての摩擦係数が低く靭性が高い反面、CVD法で蒸着した場合、表面に鋭い形状の凹凸が甚だしく、上記の特長は充分に活かされていないことがわかった。即ち、鋭い凸部が被削材に喰いつくため切削抵抗の増加、溶着、チッピング、欠損、被削面の荒れ等の原因となる。また、凹部において応力がかかりやすく、粒界に亀裂が生じ、剥離につながることがわかった。
【0006】そして上記問題点を解消するには、切削加工において最も衝撃、摩擦が生ずる刃先表面において、最外層をTiN及び/又はZrNとし、切屑が接触する部分の表面をわずかに研磨すればよく、そのようにした被覆工具では上記TiN最外層の問題点が全て解決され、最外層に靭性に問題のあるAl23を用いなくても良好な被削面が得られる、という知見を得た。
【0007】即ち本発明は、硬質材料からなる工具基体の表面に化学蒸着法によって周期律表第4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物およびAl23から選ばれる少なくとも1種の化合物からなる厚膜被覆層を形成してなる被覆工具において、工具の刃先近傍の最外層がTiN及び/又はZrNから構成され、該刃先近傍の最外層が研磨され、該刃先近傍の最外層の研磨面積率が20%以上、80%以下であることを特徴とする被覆工具である。
【0008】本発明の被覆工具に用いる基体としては、代表的にWC−Co系超硬合金やサーメット等の硬質材料が挙げられる。基体を構成する成分としては公知の超硬合金、あるいはTiC基、TiCN基サーメットが使用できる。具体的には、超硬合金としては、WC−Coを主成分とし、さらに周期律表第4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物を添加したもの、サーメットとしてはTiCあるいはTiNを主成分とし、これに周期律表第4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物を添加したもの等が使用できる。これらの基体はいずれも相対密度99%以上の高強度、高靱性材料であることが望まれる。
【0009】
【作用】本発明の被覆工具によれば、刃先部の最外層はTiN及び/又はZrN膜より構成されていることから耐衝撃性に優れ、刃先近傍において最外層の表面が研磨されていることから耐剥離性、耐溶着性に優れ、被切削面の面粗度を向上させることができ、耐チッピング性も向上する。
【0010】なお、研磨の程度は研磨面積率によって表される。研磨面積率の測定は次のように行う。まず、研磨面を走査型電子顕微鏡で5000倍程度の倍率で撮影する。その一例を図1に示す。同様に撮影した未研磨面の写真、図2と比較すると鋭利な凸状部分が平坦に研磨されて島状に分布しており、それらの間に研磨されていない結晶粒が存在する。研磨面積率は研磨されている部分の面積の、視野面積に占める割合であり、走査型電子顕微鏡で撮影した写真に基づいて通常の面積測定を行う。図1に示した写真では40.7%であった。
【0011】刃先近傍の研磨面積率は20%以上とするのが好ましく、20%未満の場合は効果が不十分となる。また、研磨面積率は80%以下とするのが好ましく、その理由は(1)適度に未研磨部分が残っていることにより被削材乃至切屑との接触面積が減らせること、(2)80%を超えるまで研磨すると、平均層厚、層厚のばらつき、工具の形状などによっては下地が露出してしまう場合があること、(3)研磨の時間とコストがかかること、などによる。即ち、本発明は最外層の結晶の凸部を平坦に研磨することを旨とし、従来技術のように層厚が大きく変わるような研磨は必要としないのである。さらに好ましい範囲は30〜60%であり、この範囲では特に被削面の溶着跡が少ない。
【0012】
【実施例】実施例1超硬合金基体の表面に公知のCVD法を用いて基体側からTiNを0.2μm、TiCNを6μm、TiCを0.5μm、Al23を2μm、TiNを1.5μmの計10.2μmの被覆層を設けた。工具形状はCNMG432スローアウェイチップとした。
【0013】その後、刃先部をバフ研磨した。研磨時間、圧力を変化させて研磨面積率が異なるチップを表1に示すように作成した。
【0014】
【表1】

【0015】このようにして得られた被覆工具を用い、耐欠損性を調べる目的で、被削材としてSCM435(5mm幅の溝4本入り)を用いて切削速度250m/min、切り込み1.5mm、送り0.4mm/rev、湿式切削で6コーナー加工し、欠損に至るまでの衝撃回数について評価した。
【0016】比較例の試料1では6コーナー全てにおいて、試料2では2コーナーにおいて衝撃回数100回以下の切削初期段階において欠損した。これに対し、本発明例では初期欠損は起こらず2200〜6100回まで欠損せず、特に研磨面積率が50%前後のものは耐欠損性に優れることがわかった。
【0017】実施例2実施例1と同様のチップを用い、切削時の溶着状況を調べる目的で、被削材としてS53Cを用いて切削速度220m/min、切り込み2.0mm、送り0.4mm/rev、湿式切削、として5分間の切削を行った。切削後、被削面を走査型電子顕微鏡で観察し、溶着跡面積の相対比で評価した。比較のために研磨加工を施さなかった工具を用い、このときの溶着跡面積比を100とした。結果を表1に併記する。また、本発明例である試料5及び比較例である試料1による被削面の走査型電子顕微鏡写真を図3及び図4に示す。
【0018】表1及び図3、図4から明らかなように本発明は耐溶着性に対し顕著な効果を示す。また、研磨面積率が大きく、平坦な部分の面積が広いチップが必ずしも耐溶着性に対しベストではないことがわかる。これは、接触面積が大きいことによる摩擦に原因があると思われる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば工具の耐欠損性、耐溶着性を格段に改善することができる。又、研磨工程は比較的短時間で済み、生産性を阻害しない。




 

 


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