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発明の名称 液体分離フィルタおよびそれを用いた液体分離方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−212401(P2001−212401A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2000−27288(P2000−27288)
出願日 平成12年1月31日(2000.1.31)
代理人
発明者 由宇 喜裕
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】多孔質支持体の表面に、平均細孔径が10nmより小さい多数の細孔を有する無機酸化物からなり、複数の液体を含む被処理溶液から特定の液体のみを透過して分離できる分離膜を被着形成したことを特徴とする液体分離フィルタ。
【請求項2】前記無機酸化物がSiを含有する非晶質の酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の液体分離フィルタ。
【請求項3】前記分離膜が水と水溶性溶剤とからなる前記被処理溶液から水のみを透過して分離できることを特徴とする請求項1または2記載の液体分離フィルタ。
【請求項4】請求項1乃至請求項3に記載された液体分離フィルタの一方の表面に複数の液体を含む被処理溶液を供給して、特定の液体のみを前記液体分離フィルタの他方の表面に透過して分離することを特徴とする液体分離方法。
【請求項5】前記被処理溶液が水と水溶性溶剤とからなり、前記液体分離フィルタによって水のみを透過して分離することを特徴とする請求項4記載の液体分離方法。
【請求項6】前記液体分離フィルタの前記被処理溶液供給側表面における前記特定の液体の圧力が前記液体分離フィルタの他方の表面側における前記特定の液体の圧力よりも高いことを特徴とする請求項4または5記載の液体分離方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の液体を含有する被処理溶液から特定の液体のみを分離する液体分離フィルタおよびそれを用いた液体分離方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、複数の液体を含む被処理溶液から特定の液体のみを抽出、分離する液体分離方法が知られており、例えば、水溶性溶液と非水溶性溶液との被処理溶液を相分離させて分液ロート等によって分離する方法や特開平4−334505号公報のように、被処理溶液中の水を水分吸着剤によって吸着して分離する方法が記載されている。
【0003】また、樹脂系の液体フィルタや、特開平4−305203号公報や特開平8−155209号公報のように平均細孔径が10nm以上の多孔質アルミナの表面を疎水性処理剤または親水性処理剤で処理して疎水性または親水性を付与する液体分離フィルタを用いて、被処理溶液から親水性液体と疎水性液体とを分離することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の分液ロート等を用いる方法や特開平4−334505号公報のように水分除去剤を用いる方法では大量の被処理溶液を連続的に処理することが困難であり、また樹脂系の液体フィルタは経時変化によって変質、劣化したり、溶剤によってはフィルタが膨潤して所望の特性を得られないという問題があった。
【0005】また、特開平4−305203号公報や特開平8−155209号公報に記載された液体分離フィルタでは、アルミナ表面に疎水性処理剤または親水性処理剤として有機物を被覆した構成からなるために、該フィルタを長時間使用すると前記処理剤が劣化したり、被処理溶液中に含有される溶剤によっては処理剤が溶出しフィルタの性能が劣化するという問題があった。
【0006】本発明は上記の課題に対してなされたものであり、その目的は、特定の液体を含む被処理溶液中から特定の液体のみを分離する液体分離フィルタにおいて、選択的、効率的に、かつ連続的に、大量の液体の分離が可能であるとともに、耐久性に優れた液体分離フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、多孔質支持体の表面に平均細孔径が10nmより小さい多数の細孔を有する無機酸化物からなり、複数の液体を含む被処理溶液から特定の液体のみを透過して分離できる分離膜を被着形成したものを液体分離フィルタとして使用することにより上記目的が達成されることを知見した。
【0008】ここで、前記無機酸化物がSiを含有する非晶質の酸化物からなることが望ましく、前記分離膜が水と水溶性溶剤との前記被処理溶液から水のみを透過して分離できることが望ましい。
【0009】さらに、上記液体分離フィルタを用いた液体分離方法は、液体分離フィルタの一方の表面に複数の液体を含む被処理溶液を供給して、特定の液体のみを前記液体分離フィルタの他方の表面に透過して分離することを特徴とするものである。
【0010】ここで、前記被処理溶液が水と水溶性溶剤とからなり、前記液体分離フィルタによって水のみを透過して分離すること、また、前記液体分離フィルタの前記被処理溶液供給側表面における前記特定の液体の圧力が前記液体分離フィルタの他方の表面側における前記特定の液体の圧力よりも高いことが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の液体分離フィルタの一例について、その一部拡大図を図1に示す。本発明の液体分離フィルタ(以下、フィルタと略す。)1は、多孔質支持体(以下、支持体と略す。)2と、支持体2の少なくとも一方の表面に形成された無機酸化物からなる分離膜(以下、分離膜と略す。)3とからなるものである。
【0012】分離膜3は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアの群から選ばれる少なくとも1種の平均細孔径が10nmより小さい多数の細孔5を有する無機酸化物からなり、特に所定の細孔径に容易に制御可能な点でSi−O−Siで表される環状のシロキサン結合を有する非晶質シリカからなることが望ましい。また、前記非晶質シリカはコロイド粒子状の凝集体あるいは集合体からなり、該コロイド粒子間の隙間によって細孔5が形成される構造であってもよい。
【0013】上記細孔5内を被処理溶液中の特定の液体のみが選択的に透過することによって、前記被処理溶液中から特定の液体のみを分離して除去または濃縮することができる。なお、細孔5内を特定の液体が透過する場合には分子状またはクラスタ状で透過することが可能であるが、本発明によれば細孔5より大きい特定溶液のクラスタであってもフィルタ1の両面に後述する差圧を設けることによって該クラスタを変形せしめて細孔5内を透過せしめることも可能である。
【0014】フィルタ1にて分離可能な液体としては、水またはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、またジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリジン、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等の多価アルコール、フェノール、ホルムアルデヒド、アセトン、尿素、酢酸等の親水性溶液、またはシクロヘキサン、ベンゼン、n−ヘプタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、アニリンやイソパラフィン系溶剤、四塩化炭素等のフロン系溶剤等の疎水性液体が挙げられ、これらの混合溶液のうちから特定の液体、特に水、メタノール、エタノール等の比較的分子量の小さい特定の液体のみを透過して分離することが可能である。すなわち、本発明によれば、特に、親水系液体同士または疎水系液体同士から上記特定の液体のみを分離することが可能であり、例えば水と水溶性溶剤との混合液体から水のみを透過して分離できる。
【0015】分離膜3の平均細孔径は特定の液体の分離性能を高めるために10nmより小さく、望ましくは5nm以下、さらに3nm以下であることが重要であり、特に液体分離性能の向上を考慮すると0.6〜3nmであることが望ましく、その膜厚は、0.05〜0.5μm、特に0.1〜0.2μmであることが望ましい。
【0016】さらに、前記非晶質シリカのSiの一部をZrで置換した構造であることが、耐久性、耐薬品性、耐熱性および耐水性を高める上で望ましく、前記Siと前記Zrとの原子比(Zr/Si)は、耐久性等の向上と製造時に生じるゾルの安定性の点で、0.01〜0.5、特に0.1〜0.3の割合からなることが望ましい。
【0017】また、支持体2の表面に被着形成される分離膜3は支持体2の表面に層状に被覆され、均一な厚みを有することが望ましい。
【0018】一方、支持体2は、特定の液体を透過でき、かつ構造体として必要な強度を有するとともに、分離膜3の成膜性を高める点で、0.1〜10μmの細孔径を有することが望ましい。また、高い圧力をかけることなく被処理溶液が支持体2中を透過するためには、支持体2は20%以上の気孔率を有することが望ましく、また、支持体2の強度を確保し、フィルタ1を組み立てる際に、支持体の破損や操作中に支持体2を構成する粒子が脱粒することを防止するためには、支持体2の気孔率が50%以下であることが望ましく、特に30〜40%程度であることが望ましい。
【0019】支持体2は、α−アルミナや安定化ジルコニアを主成分とするセラミックスやシリカ系ガラス(分相ガラス)等によって形成できるが、耐熱性が高いこと、容易に作製できること、コストの点でα−アルミナを主成分とするセラミックスからなることが望ましい。支持体2の形状は、特に限定されるものではなく、平板状や管状体のいずれでも良いが、液体の分離効率およびフィルタの取り扱いを考慮すれば管状体であることが望ましい。
【0020】上記の場合、管状体の径は、液体の分離効率を高める上では、内径0.5〜30mm程度が望ましく、また、取り扱いに支障のない強度を保つため、管状体の肉厚が0.2〜3mmであることが望ましい。また、平板形状のフィルタの場合には、強度の点で、支持体の厚みは、0.5mm以上であることが望ましい。また、分離膜3の成膜性を高める上で、支持体2は表面粗さ(Ra)0.1〜2μmの平滑な表面を有することが望ましい。
【0021】なお、分離膜3は管状の支持体2の内壁面または外壁面のいずれかに被着形成される。
【0022】他方、支持体2と分離膜3との間には細孔を有する中間層(以下、中間層と略す。)4が介在することが望ましい。これにより、分離膜3の支持体2への成膜性が向上することから、分離膜3の厚みを薄くすることができ、特定の液体の透過速度、すなわち特定の液体分離の処理速度が向上する。
【0023】ここで、中間層4の平均細孔径は、特定の液体の透過速度と分離膜3の成膜性とを高めるために、支持体2の平均細孔径よりも小さくかつ分離膜3の平均細孔径よりも大きいことが望ましく、具体的には1〜100nm、特に3〜30nm、さらに3〜10nmであることが望ましい。また、中間層4は、膜厚が0.1〜3μmであることが望ましく、また支持体2の表面を層状に覆い平滑な表面を形成するものであればよい。
【0024】かかる中間層4としては、例えば、支持体2としてα−アルミナ質セラミックスを用いる場合、γ−アルミナが好適である。
【0025】次に、上記液体分離フィルタ1を作製する方法の一例について説明する。まず、シリコンのアルコキシドと、ジルコニウムのアルコキシドを準備する。シリコンのアルコキシドとしては、テトラアルコキシシランと一般式が下記式1【0026】
【化1】

【0027】で表される有機官能基を有するトリアルコキシシランとからなることが望ましい。
【0028】具体的には、テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびテトラプロポキシシラン等が挙げられ、原料のコストおよび成膜性の点でテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランを用いることが望ましい。
【0029】また、前記トリアルコキシシランとしては、有機官能基がゾル形成時に立体的な障害となり、ゾル中に所望の大きさの細孔骨格を形成できるが、液体の分離性能を高める上では細孔径を10nm以下に制御する必要があり、例えば、フェニル基、ビニル基、プロピル基等の適当な大きさの有機官能基を有するシリコンのアルコキシドが望ましい。
【0030】また、所望の細孔径を有する分離膜を得るためには前記シリコンのアルコキシド全量中のおける前記トリアルコキシシランの含有量が、3〜50モル%であることが望ましい。
【0031】また、ジルコニウムのアルコキシドとしては、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が使用できるが、アルコールへの溶解性、ゲルの成膜性の点から、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウムが望ましく、前記総Siと前記Zrとの原子比(Zr/Si)は、耐久性、耐薬品性、耐熱性および耐水性向上と製造時に生じるゾルの安定性の点で、0.01〜0.5、特に0.1〜0.3の割合からなることが望ましい。
【0032】次に、上記それぞれのアルコキシドを溶媒に溶解させる。該溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2ーメトキシエタノール、2ーエトキシエタノール等のアルコールが好適に用いられるが、前記アルコシキドの溶解性およびゲルの支持体への親和性および乾燥性等の成膜性の点で、メタノールまたはエタノール等の低級アルコールが最適である。
【0033】また、テトラアルコキシシランについては、溶媒とともにテトラアルコキシシラン1molに対して1〜3molの水を酸等とともに添加し、部分的に加水分解することが望ましく、これによりテトラアルコキシシランの加水分解された部分が前記トリアルコキシシランおよびジルコニウムのアルコキシドと反応することによって溶液中の組成の均質性を高めることができる。
【0034】次に、上記のアルコキシド溶液を混合し、窒素気流下で攪拌して複合アルコキシドを作製した後、これに所定の濃度の水、酸等を添加する公知の加水分解方法によって加水分解し、ゾルを作製する。なお、前記加水分解のために添加する水の量としては、加水分解を適度に進行させて沈殿等を生じることなく、また成膜性を高めて膜中にクラックや剥離等の発生しない安定したゾルを得るためにアルコキシド溶液中の全シリコンのアルコキシド1モルに対して1〜20モルが望ましい。
【0035】一方、支持体2を製造するには、例えば、平均粒径0.1〜2μmのアルミナ原料に、所定量のバインダ、潤滑剤、可塑剤、水等を添加、混合した後、該混合物をプレス成形、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧成形等の公知の成形手段によって成形する。その後、該成形体を大気中、1000〜1400℃にて焼成することにより支持体2を得ることができる。
【0036】また、中間層を形成するには、例えば、アルミニウムセカンダリーブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを加水分解することによってアルミナベーマイトゾルを作製し、上記支持体2の表面に前記アルミナベーマイトゾルを被着形成する。
【0037】支持体2表面に前記アルミナベーマイトゾルを被着する方法としては、前記アルミナベーマイトゾルを塗布または注入する方法、または前記アルミナベーマイトゾル溶液中に支持体2を含浸して引き上げる方法が好適に用いられる。
【0038】その後、前記被着形成したアルミナベーマイトゾルを乾燥しゲル化し、これを大気中、400〜900℃、特に400〜600℃で熱処理することにより、支持体表面に剥離等を生じることなく、所定の細孔経を有する中間層を被着形成することができる。
【0039】次に、上記支持体2または中間層4の表面に前記SiとZrとを含むゾルを塗布または注入する方法、または前記SiとZrとを含むゾル溶液中に支持体2を含浸して引き上げる方法によって分離膜形成用のゾルを被着形成し、これを乾燥してゲル化する。
【0040】そして、前記SiとZrとを含むゲルを被着形成した支持体を、大気中、例えば、350〜700℃、特に400〜500℃で熱処理することによりゲル内でSi−Oのシロキサン結合が進行し強固な膜となるとともに、前記有機官能基が熱処理により分解、除去され所定の大きさの細孔が生成する。
【0041】この時、前記有機官能基の一部が焼成後も残存してもよく、これにより、シロキサン結合の過度の進行を防止し、細孔径を所望の範囲に制御することが可能となる。
【0042】すなわち、かかる系においては、所定の温度で焼成することにより前記膜中の前記有機官能基の少なくとも一部を分解揮散せしめることによって所定の大きさの細孔を形成することができ、平均細孔径が10nmより小さい細孔を多数有する分離膜を被着形成した液体分離フィルタを作製することができる。
【0043】また、上述したゾル溶液に支持体を浸積する方法以外にも、前記ゾル溶液を原料としてCVD法によって支持体表面に被着形成することも可能である。
【0044】次に、上記フィルタ1を用いて被処理溶液中から特定の液体のみを分離する方法は、フィルタ1の一方の表面に特定の液体を含む被処理溶液を流すとともに、フィルタ1の反対側の面で前記被処理溶液中における特定の液体の濃度を低めることにより、該特定の液体を支持体2および分離膜3を介して選択的に他方の表面へ透過、分離し、前記被処理溶液から特定の液体を効率よく分離することができる。
【0045】また、本発明によれば、例えばクラスター状態で存在する特定の液体のフィルタ1への透過速度を高めるために、フィルタ1の被処理溶液供給面の圧力、すなわち被処理溶液の圧力を特定の液体排出面側の圧力よりも高めることにより、より効率的に特定の液体の分離が可能である。
【0046】また、上記差圧を設ける方法としては、特定の液体排出面側を減圧する方法、被処理溶液供給面側を加圧する方法、さらに、上記2つの方法を併用する方法が挙げられる。
【0047】液体の透過経路としては、支持体2を透過した後分離膜3を透過してもよく、逆に、分離膜3を透過した後支持体2を透過してもよい。また、支持体2が管状体形状からなるフィルタ管である場合には、フィルタ管内に被処理溶液を流し、フィルタ管の外部に特定の液体を透過させ、分離、回収することもでき、逆に、フィルタ管の外部に被処理溶液を流しながら、フィルタ管の内部に特定の液体を透過させることもできる。
【0048】上記液体分離フィルタを用いて特定の液体を分離する液体分離装置の一例を図2に示す。図2によれば、液体分離装置11は、例えば、内径0.5〜30mm、肉厚0.2〜3mm、長さ150〜500mmの円筒管形状の液体分離フィルタ(以下、フィルタ管と略す。)12を数本〜数百本程度が、固定用部材13で固定され、更にハウジング14中に接着固定されている。
【0049】固定用部材13およびハウジング14は、塩化ビニルやポリウレタン等の樹脂、ステンレス等の金属、アルミナやジルコニア等の緻密質セラミックスあるいはガラス等の液体を透過しないものによって形成されるが、ハウジング14については、系内を加圧または減圧する場合または装置を加熱する場合には、金属やセラミックス、ガラス等の機械的強度が高いものが好適である。
【0050】また、固定用部材13については、高温で利用する場合、フィルタとハウジングの熱膨張率の差による応力を緩和するような構造で接着、固定することが望ましい。
【0051】さらに、ハウジング14には、系内に被処理溶液を導入するための被処理溶液導入口15、分離膜を透過した液体を分離、回収するための透過液体排出口16およびフィルタ管12表面を通過した被処理溶液を系外へ排出するための残部溶液排出口17が形成され、上記3個所にてのみ液体が出入りする。
【0052】そして、図2によれば、被処理溶液導入口15から導入された被処理溶液はフィルタ管12の管内へと導かれ、被処理液体中の特定の液体のみが優先的にフィルタ管12壁面を透過してフィルタ管12の外周表面から透過液体排出口16へと導出されることによって特定の液体のみを分離して除去または濃縮することができる。そして、フィルタ管12内部を透過しない残部液体は、残部液体排出口17から液体分離装置11の系外へ排出される。
【0053】液体分離装置11によれば、系内に差圧を設けることができ、例えば、被処理液体導入口15側にコンプレッサ(図示せず。)を取りつけたり、または残部液体排出口17から排出される液体流量を制限して被処理液体の圧力を高めたり、透過液体排出口16に真空ポンプ等(図示せず。)を接続してフィルタ管12の外周表面における液体の圧力を下げることができ、さらには両者を併用することにより特定の液体の分離効率を高めることができる。
【0054】
【実施例】(実施例)先ず、テトラエトキシシランに対して、水0.7molおよびHClを含むエタノール溶液を添加、混合して部分加水分解ゾルを作製し、これに0.3molのフェニルトリエトキシシランのエタノール溶液を添加し、窒素気流下で攪拌し、次いで0.25molのテトラプロポキシジルコニウムのエタノール溶液を添加して複合アルコキシドを作製した。次に、上記複合アルコキシドに水9.3molとエタノールの被処理溶液を添加し加水分解して、更に攪拌し、前駆体ゾルを作製した。
【0055】一方、純度99.9%、平均粒径1.2μmのアルミナに対し、所定量の有機バインダ、潤滑剤、可塑剤および水を添加、混合し、押し出し成形にて管状体に成形した後、大気中、1300℃にて焼成して、内径2mm、肉厚0.5mm、長さ300mmの管状体で、平均粒径1μm、気孔率30%を有するα−アルミナ質多孔質支持体を作製した。さらに、この外表面を表面粗さ(Ra)が0.5mとなるように研磨した。
【0056】また、水110molに対してアルミニウムセカンダリーブトキシドを1mol添加して加水分解し、さらに硝酸を添加した後、還流してアルミナベーマイトゾルを作製した。そして、上記の支持体の先端部に栓をして、前記アルミナベーマイトゾル溶液内に含浸して60秒間保持し、5mm/secの速度で排出し、室温で2時間乾燥してアルミナベーマイトゾルをゲル化した後、前記ゲルを被着形成した支持体を大気中、500℃で焼成する工程を4回繰り返して前記α−アルミナ質多孔質支持体の表面にγ−アルミナからなる中間層を被着形成した。
【0057】そして、上記シリカとジルコニアとを含む前駆体ゾル溶液中に、前記中間層を被着形成した支持体を30秒間浸漬し、5mm/secの速度で引き上げ、室温で1時間乾燥した後、引き続いて500℃で1時間焼成した。この浸漬、乾燥、焼成の一連の操作を4回繰り返し、γ−アルミナ層上にSiとZrとを含有する分離膜を被着形成して特定の液体分離フィルタを作製した。
【0058】得られた試料に対して、分離膜の表面について外観を観察したところ、クラックやピンホール等の欠陥は見られず平滑な表面を有するものであった。また、分離膜の膜厚をフィルタ断面についてのSEM観察から求めたところ2.0μmであった。また、アルゴン吸着法により分離膜の平均粒径を求めた結果、平均細孔径は0.6nmであった。
【0059】また、得られたフィルタ37本を用いて前述の液体分離装置11を作製し、該フィルタをハウジング内に設置するとともに、被処理溶液導入口より液体Aと濃度が15重量%の液体Bの2種類の液体を含有する混合溶液を100ml/minの流速で導入するとともに、被処理溶液導入口側から混合溶液を5MPaに加圧し、残部液体排出口17で回収される液体について液体クロマトグラフィを用いて残部液体中の液体Bの濃度を測定した。結果は、表1に示した。
【0060】
【表1】

【0061】表1から明らかなように、混合溶液中の液体Aが選択的にフィルタを透過、分離して、残部液体中の液体Bの濃度がいずれも高くなって液体Bが濃縮されており、本発明の液体分離フィルタを用いることによって親水性または疎水性によらず液体の分離、除去、濃縮が可能であることがわかった。
【0062】(比較例)実施例の中間層であるγ−アルミナの作製方法として、水110molに対してアルミニウムセカンダリーブトキシドを2mol添加して加水分解し、かつ実施例の分離膜であるSiとZrとを含有する膜を形成しない以外は実施例と同様に液体分離モジュールを作製し、実施例の試料No.4同じ条件で液体Bの測定した結果、液体Bの濃度は18重量%と分離性能の低いものであった。なお、アルゴン吸着法によってγ−アルミナ膜の平均細孔径を測定したところ、10nmであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、連続的に、かつ大量の液体の分離が可能であるとともに、耐久性に優れた液体分離フィルタを提供することができる。




 

 


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