米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 京セラ株式会社

発明の名称 切削工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−179508(P2001−179508A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願平11−371734
出願日 平成11年12月27日(1999.12.27)
代理人 【識別番号】100104318
【弁理士】
【氏名又は名称】深井 敏和
【テーマコード(参考)】
3C046
4K018
【Fターム(参考)】
3C046 FF35 FF40 FF42 FF43 FF55 FF57 HH04 
4K018 AD02 AD14 BA11 BB04 CA11 EA01 FA06 JA07 KA15
発明者 野田 謙二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】立方晶窒化硼素30〜90体積%と、B1型結晶構造を有する(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)の5〜69体積%とを有し、残部に周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物及び/又は窒化物を含む立方晶窒化硼素質焼結体からなる切削工具。
【請求項2】前記(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)は格子定数が0.416〜0.422nmである請求項1記載の切削工具。
【請求項3】前記立方晶窒化硼素の平均粒径が10μm以下である請求項1または2記載の切削工具。
【請求項4】CuのKα線を用いたX線回折において、前記周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物の示す最大ピーク強度(I1)と、前記立方晶窒化硼素および(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)のうち最大ピーク強度を示すものの当該最大ピーク強度(I2 )との比率(I1 /I2 )が0.05〜0.5である請求項1〜3のいずれかに記載の切削工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れた立方晶窒化硼素質焼結体から成る切削工具に関する。
【従来の技術】
【0002】立方晶窒化硼素(Cubic Boron Nitride、以下cBNという) はダイヤモンドに次ぐ硬度を有し、しかもダイヤモンドと異なり鉄系金属との親和性を有しないため、特に高硬度焼き入れ鋼や鋳鉄の研削工具、切削工具等に使用されている。
【0003】このようなcBNを使用した工具としては、cBN粒子をコバルトCo等の金属で結合したcBN質焼結体、炭化チタンTiC、窒化チタンTiN等のセラミックスで結合したcBN質焼結体等で形成されたものが知られている(特公昭52−43846号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなcBN質焼結体では、耐摩耗性、耐熱性を損なわないようにするため結合材をできるだけ少量にし、残部のcBNが直接結合した組織を形成するようにしている。しかしながら、このような焼結体からなる切削工具で高硬度焼き入れ鋼や鋳鉄を切削すると、切削中にcBN粒子が脱落することによって工具摩耗が大きく進行するという問題があった。
【0005】一方、cBN粒子の脱落を抑制するために、結合材を多量に加え該結合材中にcBN粒子が分散した組織のcBN質焼結体では、結合材はcBN粒子と比較すると硬度が低くかつ機械的特性や熱的特性(被削材に対する耐反応性、耐酸化性等)にも劣るため、結合材粒子の摩耗、脱落による工具の摩耗が大きいという問題があった。
【0006】従って、本発明の目的は、耐摩耗性に優れた立方晶窒化硼素質焼結体(cBN質焼結体)から成る切削工具を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高硬度で熱的特性に優れたB1型結晶構造の(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)をcBN粒子の主結合材に用いる場合には、従来の結合材に比べて、熱的特性が向上しかつ機械的摩耗や熱的摩耗(拡散摩耗)に対する抵抗力も増大し、その結果、得られる焼結体自体の耐摩耗性が向上するという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の切削工具は、cBN30〜90体積%と、B1型結晶構造を有する(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)の5〜69体積%とを有し、残部に周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物を含むcBN質焼結体からなることを特徴とする。
【0009】(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)は、本来、TiN、TiC、TiCNとAlNあるいは六方晶結晶構造のTi2AlNとして存在する方が熱力学的に安定であり、これらをcBNの主結合材として使用すると、硬度や熱的安定性(被削材に対する耐反応性、耐酸化性等)が低く、結合材粒子の摩耗、脱落による工具の摩耗が大きいという問題があった。本発明者は前記のようにB1型結晶(立方晶)構造の(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)を主結合材として残存させることにより硬度や熱的安定性(被削材に対する耐反応性、耐酸化性等)が高い緻密な焼結体を得ることに成功したものである。
【0010】具体的には、前記(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)は、CuのKα線を用いたX線回折によって測定される格子定数が0.416〜0.422nmのものが好ましい。
【0011】さらに、本発明では、前記主結合材に加えて、残部に周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物及び/又は窒化物を含むため、cBN粒子の保持性が一層向上する。
【0012】本発明における前記硼化物の存在量はごく微量であるため、これをX線回折測定で得られるピーク強度で規定するのが好適である。具体的には、CuのKα線を用いたX線回折測定において、前記周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物の示す最大ピーク強度(I1 )と、前記cBNおよび(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)のうち最大ピーク強度を示すものの当該最大ピーク強度(I2 )との比率(I1 /I2)が0.05〜0.5である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のcBN質焼結体から成る切削工具はcBN粒子を30〜90体積%含有する。cBN粒子が30体積%未満であると、相対的に結合材の割合が多くなるため、結合材の摩耗により耐摩耗性が低下し、またcBN本来の高硬度、高熱伝導性等の優れた特性を発揮させることができなくなる。一方、cBN粒子が90体積%を超えると、結合材がcBN粒子を保持できなくなり、切削中等にcBN粒子の脱落が発生する。cBN粒子は40〜60体積%で含有されているのがより好ましい。
【0014】使用するcBN粒子は平均粒径が10μm以下であるのが好ましい。cBN粒子の平均粒径が10μmを越えると、結合材によるcBN保持力が低下し、cBN粒子の脱落が生じるおそれがある。cBN粒子の平均粒径は8〜0.5μmであるのがより好ましい。
【0015】また、本発明では、B1型結晶構造を有する(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)を主結合材とする。これらの化合物は、高硬度でかつ熱的特性(耐反応性、耐酸化性)に優れているため、結合材の機械的摩耗、熱的摩耗(拡散摩耗)に耐する抵抗力が増強され、耐摩耗性が向上する。この主結合材は5〜69体積%の割合で焼結体内に含有される。含有量が5体積%未満であると熱的特性が向上せず、また含有量が69体積%を超えると、より高硬度なcBN粒子を含有させる効果が発揮できなくなり、耐摩耗性の向上が認められないためである。(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)は35〜55体積%で含有されているのがより好ましい。
【0016】本発明における(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)はいずれもB1型結晶構造を有し、適量のAl(またはAlN)をTiN格子中に固溶していることが必要である。(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)がどの程度のAl(またはAlN)を固溶しているかは、CuのKα線を用いた外部標準法によるX線回折分析により格子定数を測定することにより知ることができる。本発明では、前記X線回折により測定される格子定数が0.416〜0.422nmである(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)を使用するのが好ましい。
【0017】格子定数が0.416nm未満の領域である場合には、異なる結晶構造相の増加などにより硬度が低下するおそれがある。一方、格子定数が0.422nmを超える領域である場合には、Al(またはAlN)の固溶による高硬度化および熱的特性向上の効果が小さくなり、耐摩耗性を向上できないおそれがある。
【0018】原料となる(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)の粉末は、物理的蒸着(PVD)法、化学的蒸着(CVD)法等の種々の方法により製造することができる。PVD法にて(Ti,Al)Nを製造する場合には、例えばTiAlの金属間化合物をターゲットにして、窒素ガスを導入した減圧雰囲気下にてSi等の基材表面に(Ti,Al)Nを蒸着させる。このようなPVD法には、スパッタリング法やイオンプレーティング法等が使用可能である。蒸着処理後、基材をフッ硝酸などで溶解し、残った(Ti,Al)Nを所望の粒径に粉砕する。さらに、TiN、AlN、Al、TiAlなどの原料粉末を高温超高圧で処理することにより作製可能である。
【0019】PVD法にて(Ti,Al)(C,N)を製造する場合には、前記窒素ガスと共に、例えばCH4 ガス、C22 ガスを導入し、前記と同様にして(Ti,Al)(C,N)を基材表面に蒸着させる。
【0020】また、CVD法にて(Ti,Al)Nを製造する場合には、例えば原料ガスとしてTiCl4 、AlCl3 およびNH3 もしくはN2 を用い、キャリアーガスとしてAr、H2 を用いるプラズマCVD法等が採用可能である。(Ti,Al)(C,N)を製造する場合には、原料ガスとして上記のガスと共にCH4ガス、C22 ガス等を使用すればよい。
【0021】原料となる(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)の粉末として、B1型結晶構造であり、且つ(Ti,Al)に対するNまたは(C,N)の量比はモル比で約1:0.5〜0.9であるのが好ましい。すなわち、(Ti,Al)量をNまたは(C,N)よりも多くすることにより、Ti,AlがcBNと反応相を形成し、cBNと(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)を強固に結合することができる。また、焼結後もB1型結晶構造を維持しておくためにも(Ti,Al)に対するNまたは(C,N)の前記量比をモル比で約1:0.5〜0.9とすることが好ましい。
【0022】Ti:Alの量比はモル比で0.30:0.70〜0.95:0.05程度であるのがよい。TiとAlの量比を制御するには、PVD法の場合、組成が上記範囲内となるようにTiAlの金属間化合物を作成し、成膜条件等を調整する方法等が挙げられる。
【0023】得られる(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)はいずれも平均粒径がcBN粒子の平均粒径と同等以下が好ましく、cBN粒子の平均粒径よりも大きい場合には主結合材としてcBN粒子の周囲に密に分布させることが困難になり、cBN粒子の結合力が低下するおそれがある。具体的には(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)の平均粒径は10μm以下、好ましくは8〜0.5μmであるのがよい。
【0024】原料としては、WC、(Ti,Al)、(Ti,Al)(C,N)の他に、周期律表4a、5a、6a族元素の硼化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、酸化物と鉄族金属の中から量比5%以下で適宜加えることができる。
【0025】また、本発明では、前記cBNとその主結合材に加えて、周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物及び/又は窒化物を含む。この化合物を含有することによりcBN粒子の保持性が高まり、耐摩耗性が一層向上する。
【0026】周期律表4a、5a、6a族元素としては、Ti,V,Cr,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wがあり、特にTi,Zr,Hfが好ましい。
【0027】CuのKα線を用いたX線回折測定において、前記周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物及び/又は窒化物の示す最大ピーク強度(I1 )と、前記cBNおよび(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)のうち最大ピーク強度を示すものの当該最大ピーク強度(I2)との比率(I1 /I2 )は0.05〜0.5であるのが好ましい。ここで、前記最大ピーク強度(I1 )は、異なる硼化物及び/又は窒化物が複数存在する場合の各硼化物及び/又は窒化物のピークのうち最大のピーク強度をいう。
【0028】かかるI1 /I2は前記硼化物及び/又は窒化物の含有量を示すものである。I1 /I2が0.05未満であると、cBNと主結合材との反応の不足あるいは反応相の未結晶化により、cBN粒子を主結合材が強固に保持できなくなり、cBN粒子が脱落するおそれがある。一方、I1 /I2が0.5を超えると、結合相中の前記硼化物及び/又は窒化物の含有量が多くなり、主結合材の有する熱的特性が低下するおそれがある。
【0029】また、本発明のcBN質焼結体から成る切削工具は、前記した各成分のほかに、必要に応じて、周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の炭化物、炭窒化物および酸化物の少なくとも1種、さらに鉄族金属等を含有していてもよい。鉄族金属としては、Fe,Co,Niが挙げられる。さらに、本発明のcBN質焼結体から成る切削工具には不可避不純物が含有される。
【0030】本発明のcBN質焼結体から成る切削工具を製造するには、まず平均粒径10μmのcBN粉末と、(Ti,Al)に対するNまたは(C,N)の量比がモル比で約1:0.5〜0.9であるB1結晶構造の(Ti,Al)Nおよび/または(Ti,Al)(C,N)と、周期律表4a、5a、6a族元素およびAlから選ばれる少なくとも1種の硼化物と、その他の原料粉末とを準備し、これらをそれぞれ所定量に秤量し、例えば超硬合金製のボールミルで混合し、ついで必要に応じて所定形状に成形する。成形には、プレス成形、射出成形、鋳込み成形、押出し成形等の周知の成形手段を用いることができる。しかるのち、成形体を高温高圧で焼成して焼結体を得る。焼成は、圧力4GPa以上、温度1300℃以上で5〜60分間保持して行う。ただし、温度が高くなると、(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)が分解しやすくなるために、温度は1300〜1800℃、好ましくは1300〜1400℃であるのがよい。また、圧力が低くなると(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)が分解しやすくなるために、圧力は5〜10GPaであるのがよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明のcBN質焼結体からなる切削工具を詳細に説明する。
【0032】実施例原料粉末として、cBN粉末と、(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)(C,N)の各粉末と、Ti,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびAlの硼化物、窒化物、炭化物、炭窒化物および酸化物と、Coと,Niとをそれぞれ準備した。これらの原料粉末を表1に示す組成となるように秤量した後、超硬合金製のボールミルにて10時間混合した。ついで、混合した粉体を圧力1トン/cm2 で加圧成形し、得られた成形体を超高圧高温装置を用いて、圧力6GPa、温度1400℃で30分間保持することにより焼成し、cBN質焼結体を得た。
【0033】得られた焼結体を研削後、CuのKα線を用いたX線回折分析(XRD)によるピークトップ法にて、Ti,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WまたはAlの硼化物、または該硼化物およびそれら金属の窒化物の示す最大ピーク強度(I1 )と、cBNおよび(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)のうち最大ピーク強度を示すものの当該最大ピーク強度(I2 )との比率(I1/I2 )を求めた。また、含有される(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)(C,N)の格子定数はCuのKα線を用いたX線回折分析による外部標準法(外部標準試料:Si)にて求めた。それらの測定結果を表1に示す。
【0034】また、得られた焼結体を用いて切削工具を作成し、下記の条件で連続切削試験を行い、摩耗幅を測定した。その結果を表1に併せて示す。
被削材:金型用炭素鋼(HRC60)
切削速度:150m/分切込み量:0.5mm送り:0.1mm/rev切削時間:20分【0035】
【表1】

【0036】表1から明らかなように、本発明品である試料No. 1〜20のものは、150m/分という高速度での連続切削試験にもかかわらず、摩耗幅が0.20mm以下と小さかった。これに対して、本発明の比較例となる試料No. 21〜30のものは、摩耗幅が0.20mmを超えており、耐摩耗性に劣っていた。
【0037】
【発明の効果】本発明のcBN質焼結体から成る切削工具は、優れた耐摩耗性を発揮し、その優れた耐摩耗性により高速度での連続切削作業が可能となるとともに、作業効率が向上するという効果がある。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013