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発明の名称 耐汚れ付着性に優れた塗装金属板及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−301086(P2001−301086A)
公開日 平成13年10月30日(2001.10.30)
出願番号 特願2000−122882(P2000−122882)
出願日 平成12年4月24日(2000.4.24)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
【テーマコード(参考)】
4D075
4F100
4K044
【Fターム(参考)】
4D075 AE03 CA02 DA06 DB02 DC01 DC18 EA02 EA43 EC03 EC17 EC47 EC53 EC54 
4F100 AB01A AB03A AK01B AK19D AK25D AK41D AK52C AK53B AL05D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA13 CA02C CC00B CC00D EH461 EH462 EJ55B EJ551 EJ861 EJ862 JB05C JL06 JM02C
4K044 AA01 AA02 AA06 BA11 BA14 BA21 BB11 BC02 CA16 CA53 CA67
発明者 大崎 勝久 / 小川 健司 / 原 丈人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塗装金属板の塗膜表面に200W/m2/分以上のコロナ放電を施して、この塗膜表面を改質し、その上に乾燥膜厚として0.01μm以上3μm以下の親水性被膜を形成してなる耐汚れ付着性に優れた塗装金属板。
【請求項2】 前記親水性被膜がR14-nSi(OR2n{ただし、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で示されるシラン化合物及び/又はその縮合架橋物を主成分とし、架橋剤、溶剤を配合した親水化処理剤を塗布して乾燥させたものである請求項1に記載の耐汚れ付着性に優れた塗装金属板。
【請求項3】 塗装金属板の塗膜表面に200W/m2/分以上のコロナ放電を施して、この塗膜表面を改質する工程と、表面を改質された塗膜表面の上に乾燥膜厚として0.01μm以上3μm以下の親水性被膜を形成する工程とを含むことを特徴とした耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法。
【請求項4】 前記親水性被膜がR14-nSi(OR2n{ただし、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で示されるシラン化合物及び/又はその縮合架橋物を主成分とし、架橋剤、溶剤を配合した親水化処理剤を塗布して乾燥させたものである請求項3に記載の耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚れ付着性に優れた塗装金属板及びその製造方法に関し、特に、建築物の屋根、壁、屋外構造物の外壁等に用いられるプレコート金属板の塗膜表面に生じる塵挨や油性成分に起因する雨筋汚れ等の汚れ付着を防止した塗装金属板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】外装建材として金属板を使用する場合、耐食性、耐候性、意匠性を付与するために塗装を施すことが一般的になっており、耐久性に優れた種々の塗料が開発され、広く使用されるようになっている。しかし、最近は自動車の排気ガス、工場からの煤煙等に起因する大気汚染がひどくなるにしたがって、これらに含まれるカーボン系汚染物質等による汚れが顕在化してきた。従来の塗装金属板では、汚れ付着防止性が充分でなく、比較的短期間のうちに汚れが目立つようになることは避けられない。そのため、この種の汚れに対する付着防止機能を付与した塗装金属板が要求されるようになった。
【0003】プレコート鋼板の塗膜表面に汚れを付着し難くするには、対水接触角60度以下の親水性にすることが有効であることが判っている。親水性の塗膜表面では、汚染物質が雨水等の水によって浮き上がり洗い流される作用が促進されるため、塗膜表面が清浄に維持される。
【0004】塗膜の表面の親水化手段として、アクリル系樹脂にシラン化合物を配合した塗料用樹脂組成物(特開平7−331136号公報参照)、官能基を含む溶剤可溶型フッ素樹脂にシラン化合物を配合した塗料用樹脂組成物(特開平8−12921号公報参照)等が提案されている。これら塗料用樹脂組成物は、それに配合されているシラン化合物によって、塗膜表面に親水性が付与されている。
【0005】又、プレコート鋼板の塗膜の後処理方法として、塗膜表面上に親水化剤の塗布によって親水性化処理する方法(特開平8−80474号公報参照)やコロナ放電処理での塗膜の表面改質による親水化処理方法(特開平5−59330号公報参照)も報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の課題をまとめて以下に示す。まず、シラン化合物を配合した塗料により親水化塗膜表面を形成し、雨水等の洗浄効果を利用する方法では、塗膜表面を確実に親水性にするにはシラン化合物を極めて多量に添加する必要があるが、それにより、下塗り塗膜と上塗り塗膜の層間密着性の低下や塗膜加工性の低下が起こる。さらに、塗料に配合されたシラン化合物が塗料組成物と反応しやすく、塗料の貯蔵安定性の低下が起こる。それらはプレコート鋼板には不可欠な特性であり、この問題が改善されない限り、実際への適用は困難である。
【0007】塗料や塗膜の性能を低下させずに塗膜表面の親水性を向上させる方法としては、親水化処理剤の塗布やコロナ放電処理等の塗装後処理が有効である。しかし、塗膜表面に親水化処理剤を塗布する方法では、親水化し塗膜表面への汚れが付着し難くなるが親水層が剥離や減耗により消失しやすく、長期間の親水性保持は困難でありその効果が長続きしない。それは、プレコート鋼板の塗膜表面は樹脂の架橋密度が高いものであったり、フッ素樹脂系塗膜では表面張力が低いために、親水化処理剤等の塗装後処理剤との密着性が不充分であるためである。
【0008】塗膜表面をコロナ放電処理により改質する方法でも塗膜表面は親水化し、濡れ性が高くなる。その塗膜表面ではコロナ放電処理により樹脂の分子結合が分断され、カルボニル基等の官能基が生成した活性な表面となって親水化する。しかし、時間経過と共にその表面に付着する水分や汚染物質で失活し親水性が低下するため耐汚れ付着性は長続きしない。
【0009】本発明は、前記従来技術の持つ欠点を解消し、塗膜表面が親水化し、長期間雨水等による汚れの洗浄効果を持続することの可能な耐汚れ付着性に優れた塗装金属板及びその製造方法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発明の第1の態様は、塗装金属板の塗膜表面に200W/m2/分以上のコロナ放電を施して、この塗膜表面を改質し、その上に乾燥膜厚として0.01μm以上3μm以下の親水性被膜を形成してなる耐汚れ付着性に優れた塗装金属板である。
【0011】前記課題を解決した本発明の第2の態様は、前記第1の態様において、前記親水性被膜がR14-n(OR2n{ただし、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で示されるシラン化合物及び/又はその縮合架橋物を主成分とし、架橋剤、溶剤を配合した親水化処理剤を塗布して乾燥させたものである耐汚れ付着性に優れた塗装金属板である。
【0012】前記課題を解決した本発明の第3の態様は、塗装金属板の塗膜表面に200W/m2/分以上のコロナ放電を施して、この塗膜表面を改質する工程と、表面を改質された塗膜表面の上に乾燥膜厚として0.01μm以上3μm以下の親水性被膜を形成する工程とを含むことを特徴とした耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法である。
【0013】前記課題を解決した本発明の第4の態様は、前記第3の態様において、前記前記親水性被膜がR14-nSi(OR2n{ただし、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で示されるシラン化合物及び/又はその縮合架橋物を主成分とし、架橋剤、溶剤を配合した親水化処理剤を塗布して乾燥させたものである耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明する。発明者らは、プレコート塗装鋼板の塗膜表面の親水化処理と、対水接触角及び耐雨筋汚れ性との関係について検討したところ、塗膜表面に汚れを付着し難くするには、対水接触角60度以下の親水性にすることが有効であることが判った。
【0015】又、塗膜表面をコロナ放電処理により改質したところ200W/m2/分以上の条件で親水化し、濡れ性が高くなることが判っている。その塗膜表面ではコロナ放電処理により樹脂の分子結合が分断され、カルボニル基等の官能基が生成した活性な表面となって対水接触角が低下するが、時間経過と共にその表面に付着する水や持染物質で失活し親水性が低下するため耐雨筋汚れ性は長続きしない。
【0016】そこで、塗膜表面をコロナ放電処理し、活性な状態にした上に親水化処理剤を塗布することを試みた。その結果、塗膜と親水化剤の密着性が良好で、長期にわたり親水性が保持され、雨筋汚れ防止効果が縦続する塗装鋼板が得られた。
【0017】(塗料)なお、塗膜を形成する塗料は、屋外で使用されるものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂の混合樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を含有するものが挙げられ、必要に応じて、顔料、溶剤、塗面調整剤等の添加剤を配合することもできる。
【0018】顔料として、例えば、タルク、バリタ、クレー、炭酸カルシウム、シリカ等の体質顔料、酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ブラバンスエロー、有機系赤色顔料、金属酸化物焼成顔料等の各種着色顔料、パール状マイカ粉、雲母状酸化鉄、アルミニウム粉、ステンレス鋼粉等の光輝性粉末等を配合できる。溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチレンケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ブタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤を配合できる。
【0019】(コロナ放電処理)塗膜表面へのコロナ放電処理は、絶縁された電極と、接地された対極誘電体ロールとの間に、通常1〜600kHz、5〜30kVの高周波、高電圧を印加しコロナ放電を生じさせて行う。コロナ放電処理装置としては、スパークギャップ方式、真空管方式、ソリッドステート方式等がある。コロナ放電処理条件は、200W/m2/分以上で行い、好ましくは200〜800W/m2/分で行う。200W/m2/分未満であると、表面での活性官能基の生成が不充分であり、塗膜の上に塗布する親水化剤との密着性向上が見られない。800W/m2/分を超えると、処理が過剰となるので経済上好ましくない。
【0020】コロナ放電処理により、塗膜表面が活性化し濡れ性が向上する機構は、コロナ放電により空気中にラジカルが発生し、ラジカル及び加速電子が塗膜表面に衝突し、分子結合切断やラジカル付加等が起きると考えられる。その際、塗膜表層にカルボニル基等の活性な官能基や二重結合等を生成し、塗膜の表面エネルギーが増大する。
【0021】(親水化処理剤)次に、コロナ放電処理された塗膜表面上に式R14-nSi(OR2n{ただし、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で示されるシラン化合物及び/又はその縮合架橋物を主成分とし、架橋剤、溶剤を配合した親水化処理剤を塗布して乾燥させる。その被膜は硬く加工性が劣るため被膜が厚くなると加工部が割れて剥離の原因となるので0.01μm以上3μm以下の薄膜で使用することが好ましい。この被膜により、塗膜表面への汚染物の付着を抑制し、長期間の耐汚れ付着性に優れた塗膜表面が得られる。なお、親水化被膜の厚みが、0.01μm未満であると、均一な被膜が形成されず、穴状欠陥が多くなる。その穴状欠陥部で、期待する汚れ付着防止が発現せず、プレコート金属板の汚れ防止性能が満足のいくものでなくなる。又、親水化被膜の減耗による消失も早くなるので汚れ付着防止効果の持続性が極端に短くなる。
【0022】架橋剤には低分子量のシラン化合物、一般式R14-nM(OR2n{ただし、M:すず、チタン、ジルコニウム等の4配位の金属元素、Rl:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、n:3又は4}で表される金属化合物、一般式R13-nAl(OR2nで表されるアルミニウム化合物、ジエタノールアミン、アミノアルキシラン等のアミノ基含有化号物、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等、一般式R−SH{R:炭化水素基又は官能基含有炭化水素基}で示されるメルカプタン類、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸等、一般式R−SO2H{R:炭化水素基又は官能基含有炭化水素基}で示されるスルホン酸類、硫酸等が使用できる。
【0023】溶剤にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤が使用される。
【0024】(実施例)亜鉛アルミニウム合金めっき鋼板に、塗布型クロメート処理を施し、表1に示すとおりエポキシ樹脂系下塗り塗料を乾燥膜厚5μm塗布・乾燥し、その上にポリエステル系上塗り塗料を乾操膜厚で18μm塗布し250℃×60秒で乾燥するか、又は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とアクリル樹脂混合の上塗り塗料を22μm塗布し250℃×60秒で乾燥して、塗装鋼板を準備した。次いで、各塗装鋼板の塗膜表面に処理量を変化させてコロナ放電処理を施した後、(MeO)2(SiO2nSi(MeO)2で表されるテトラメトキシシランオリゴマーを10%、触媒としてパラトルエンスルホン酸又はパラフェノールスルホン酸を1%含有し、残りがエタノール、プロパノールの混合液の溶剤成分からなる親水化処理剤を乾燥膜厚0.5μmになるように塗布し、室温に放置して乾燥させた。その塗装鋼板から試験片を採取して対水接触角、耐雨筋汚れ性の調査に供した。
【0025】対水接触角はコロナ放電処理後及び親水化処理剤塗布・乾燥後に測定した。耐雨筋汚れ性は、垂直暴露台に塗装鋼板の試験片を取り付け、15度の角度に設置された波板の凹部に人工的な汚染物を配し、汚染物を含有する雨水等が塗装鋼板の適切な部位に軌跡を持つように屋外暴露試験を3ケ月間行い、汚れの付着状態を見た。耐雨筋汚れ性の評価は、暴露前後の塗装鋼板について明度差(△L)で行い、△Lが2を越える場合、汚れの目立つものとして記号×で示し、△Lが2以下の場合、汚れの目立たないものとして記号○で示した。以上の調査結果を下記表1に示した。
【0026】
【表1】

【0027】前記表1に示すとおり、本発明の条件の範囲内でコロナ放電処理を施し親水化処理剤を塗布した実施例1〜7のものは、耐雨筋汚れ性が良好であった。これに対して、コロナ放電処理のみの比較例2、コロナ放電処理量が本発明の条件に満たない比較例4及び比較例7、コロナ放電処理を行わず親水化処理剤塗布のみを行った比較例3及び比較例6は初期〜1ケ月の耐雨筋汚れ性は良好だが3ケ月でその効果は消失し汚れが目立つようになった。又、コロナ放電処理を行わず親水化処理剤塗布も行わない比較例1及び比較例5は初期〜1ケ月の耐雨筋汚れ性も不良であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜表面を所定の条件でコロナ放電処理し、さらにシラン化合物含有の親水化処理剤を乾燥後塗膜厚みが所定の範囲に入るように塗布、乾燥することにより、塗膜と親水化処理剤の密着性が高まると同時に塗膜表面が親水化し、長期間雨水等による汚れの洗浄効果が持続する。その結果、外装建材等の塗膜表面の雨筋汚れを長期間防止することが可能で、良好な塗装外観を長期間保持できる。




 

 


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