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発明の名称 保護皮膜被覆金属板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−138435(P2001−138435A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−321966
出願日 平成11年11月12日(1999.11.12)
代理人 【識別番号】100080713
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 満
【テーマコード(参考)】
4F100
4K044
【Fターム(参考)】
4F100 AA21B AA21H AB01A AB04 AK01B AK51A AK51K BA02 CA23B DE01B DE01H GB32 GB48 JK07B JL00 JL01 JN28 YY00B YY00H 
4K044 AA02 AB02 BA10 BA21 BB03 BC02 BC05 CA11 CA18 CA53
発明者 梶本 淳 / 森 浩治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 100℃における弾性率が500〜10000N/cm2である有機樹脂および粒径が200nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を含有し、TiO2粒子が5〜70重量%である樹脂組成物の保護皮膜を金属板表面に0.2〜10μm形成したことを特徴とする保護皮膜被覆金属板。
【請求項2】 有機樹脂が有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂であって、ウレタン結合含有量がイソシアネ−ト基(NCO)換算で5〜30重量%で、かつ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重量%以上が脂環族ジイソシアネ−トのものであることを特徴とする請求項1に記載の保護皮膜被覆金属板。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工時の耐カジリ性に優れ、成形加工後は自然崩壊性により除去される保護皮膜を形成した金属板に関する。
【0002】
【従来技術】金属板を裸で使用する建材等の分野などにおいては、金属板特有の美麗な外観を維持するため、表面に透明もしくは半透明クリヤ−の保護皮膜を塗装やラミネ−ト等により形成して、取り扱いや成形加工の際の指紋付着や傷付きを防止している。この保護皮膜の形成にはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂またはエポキシ系樹脂等を含有する樹脂組成物が使用されていたが、ロ−ル成形加工などで保護皮膜にカジリが発生して、金属板表面が損傷され、また、保護皮膜が容易に剥離しないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形加工でカジリが発生しにくく、成形加工後は剥離しなくとも自然崩壊性により除去される保護皮膜を形成した金属板を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の金属板は、100℃における弾性率が500〜10000N/cm2である有機樹脂および粒径が200nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を含有し、TiO2粒子が5〜70重量%である樹脂組成物の保護皮膜を金属板表面に0.2〜10μm形成したことを特徴としている。ここで、有機樹脂としては、有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂であって、ウレタン結合含有量がイソシアネ−ト基(NCO)換算で5〜30重量%で、かつ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重量%以上が脂環族ジイソシアネ−トのものであるのが好ましい。
【0005】
【作用】本発明者らは、ロ−ル成形加工などでカジリが発生しにくく、しかも、自然崩壊で除去できる保護皮膜材料を開発すべく種々検討した結果、樹脂組成物として、100℃における弾性率が500〜10000N/cm2である有機樹脂を含有するものを使用すれば、保護皮膜の耐カジリ性が向上し、また、この樹脂組成物に粒径が200nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を5〜70重量%含有させれば、保護皮膜が自然崩壊することを見いだしたのである。
【0006】すなわち、ロ−ル成形加工などで保護皮膜被覆金属板にカジリが発生しないようにするには、保護皮膜の強度をあまり低下させない範囲でその延性を大きくして、保護皮膜が金属板変形に追従するようにすればよい。本発明者らは金属板にカジリの発生しにくくなる保護皮膜の強度と延性を調和させる範囲を検討した結果、使用有機樹脂を100℃における弾性率が500〜10000N/cm2のものにすればよいことを見いだしたのである。100℃での弾性率が500N/cm2未満であると、保護皮膜が金属板変形に追従しにくく、10000N/cm2を超えると、皮膜の凝集力が増加し、カジリが発生し易くなる。ここで言う有機樹脂の弾性率とは、樹脂を動的粘弾性測定装置(例えばORIENTEC社製、レオバイブロン DDV−01−FP)で加振周波数=3.5Hz、測定温度=−50〜200℃、昇温速度=5℃/分で測定した100℃におけるEs(貯蔵弾性率)の値を言い、弾性率は分子量、架橋量などにより調整する。
【0007】保護皮膜の自然崩壊については、TiO2の公知酸化分解作用を利用するものである。TiO2粒子は光触媒機能を有するので、水分存在下に有機樹脂と共存させると、有機樹脂は次第に酸化分解されて、自然崩壊する。しかし、この自然崩壊現象が保護皮膜被覆金属板の製造から起こるまでの期間は使用有機樹脂の種類や分子量などにより調整できるので、その期間内に金属板を成型加工するようにすればよい。そして、加工後は放置しておけば、保護皮膜は自然崩壊により除去される。なお、TiO2粒子をアナタ−ゼ型に限定したのは、この型のものは他の型のものより光触媒作用が大きいからである。
【0008】TiO2粒子は、粒径があまり大きいと、比表面積が小さくなるため、含有量の割りには触媒作用が弱くなる。このため、十分なる触媒作用を発揮させて、短期間に保護皮膜の自然崩壊が起こるようにするには、保護皮膜にTiO2粒子を多量に含有させなければならない。しかし、これは保護皮膜の延性を低下させることになる。そこで、本発明者らは含有量と粒径との関係を種々検討したところ、保護皮膜延性を低下させない70重量%以下にするには粒径は200nm以下のものにすればよいことを見いだしたのである。しかし、TiO2粒子は粒径を小さくしても、5重量%以上含有させないと、自然崩壊が容易に起こらない。
【0009】保護皮膜の有機樹脂としては、有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂で、その固形分当たりのウレタン結合含有量がイソシアネ−ト基(以下NCOという)換算で5〜30重量%のものを使用すると、ロ−ル成形加工などで保護皮膜にカジリが発生しにくくなる。樹脂固形分当たりのウレタン結合含有量がNCO換算で5重量%より少ないと、皮膜強度が低下し、ロ−ル成形加工などでカジリが発生し、逆に、ウレタン結合含有量をNCO換算で30重量%より多くしても、皮膜の凝集力が大きくなり、延性が低下するため、カジリが発生し易くなる。ここで、ウレタン樹脂のウレタン結合含有量とは、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量を樹脂固形分中に添加したイソシアネ−ト(NCO)基の含有量で表したものを言い、下記の計算方法で得ることができる。
【0010】
【数1】

A:有機ポリイソシアネ−ト化合物B:ポリオ−ル化合物【0011】ところで、有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂は、従来より塗料に使用されているが、塗料に使用されているものは耐候性、耐熱性を高めるため、有機ポリイソシアネ−ト化合物として、イソシアネ−ト基が芳香環に結合した芳香族ジイソシアネ−トのものが使用されている。この芳香族ジイソシアネ−トを使用したウレタン樹脂の塗料は塗料が通常の着色塗料であれば、不都合な欠点はなかったが、クリヤ−塗料にして、直接塗装により金属板に保護皮膜を形成すると、屋外に暴露した場合、保護皮膜に黄変や白化が生じて、保護皮膜が自然崩壊により完全に除去されるまでの期間に外観が損なわれてしまうことが判明した。
【0012】そこで、耐熱性は低下するが、芳香族ジイソシアネ−トの一部を脂環族ジイソシアネ−トで置換したところ、偶然にも暴露による樹脂皮膜の黄変や白化が軽くなり、脂環族ジイソシアネ−トを有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重量%以上にすれば、黄変や白化が極めて少なくなることを見いだしたのである。なお、脂肪族ジイソシアネ−トで置換したのでは黄変や白化は改善されない。有機ポリイソシアネ−ト化合物は脂環族ジイソシアネ−トが40重量%以上であればよく、残部は芳香族ジイソシアネ−ト、脂肪族ジイソシアネ−トの一方または両方であってもよい。ここで、脂環族ジイソシアネ−トとはイソシアネ−ト基が脂環またはその側鎖に結合したもので、例えば、シクロヘキサンジイソシアネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト等が挙げられる。
【0013】有機ポリイソシアネ−ト化合物の脂環族ジイソシアネ−トと反応させるポリオ−ル化合物としては、例えば、ポリエステルポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル等のポリオレフィンポリオ−ル等が挙げられる。
【0014】保護皮膜は、厚みが0.2μm未満であると、保護皮膜としての機能を発揮せず、10μmを超えると、金属板の光沢感の低下が著しくなるので、厚みは0.2〜10μmにする。
【0015】保護皮膜は、普通鋼板、Zn系めっき、Al系めっき、Zn−Al系合金めっき浴などの各種めっき鋼板、ステンレス鋼板、Al板、Cu板などを成型加工する場合にも使用でき、保護皮膜の形成は、特に制限はなく、例えば、有機樹脂とアナタ−ゼ型TiO2粒子とを含有する樹脂組成物を刷毛、ロ−ラ−、ロ−ルコ−タ−、スプレ−のような塗装方法から経済性と生産性を考慮して塗装方法を選択し、その方法で金属板に塗装後、乾燥すればよい。
【0016】
【実施例】(A)ウレタン樹脂処理液の調製有機ポリイソシアネ−ト化合物として、フェニレンジイソシアネ−ト(芳香族ジイソシアネ−ト)、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(脂肪族ジイソシアネ−ト)およびシクロヘキサンジイソシアネ−ト(脂環族ジイソシアネ−ト)を用いて、これらの配合割合を変化させたものとエチレングリコ−ル系ポリエステルポリオ−ルとを反応させ、全有機ポリイソシアネ−ト化合物に占める脂環族ジイソシアネ−トの割合、ウレタン結合含有量、100℃での弾性率を調整したウレタン樹脂のエマルジョン処理液をまず準備した。そして、次に、それらの処理液にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。
【0017】(B)アクリル樹脂処理液の調製イソシアネ−トを架橋剤に用いてメタアクリル酸エステルを重合させることによりアクリル樹脂を合成して、この樹脂のエマルジョン溶液にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。
(C)ポリエステル樹脂処理液の調製メラミンを架橋剤に用いてグリコ−ル、無水フタル酸、無水マレイン酸、スチレンを重合させることによりポリエステル樹脂を合成して、この樹脂のエマルジョン溶液にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。
(D)エポキシ樹脂処理液の調製イソシアネ−トを架橋剤に用いてビスフェノ−ルAとエピクロルヒドリンを重合させることによりエポキシ樹脂を合成して、この樹脂のエマルジョン溶液にアナタ−ゼ型TiO2粒子を添加した。
【0018】実施例1ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の63重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で13重量%、100℃での弾性率が5100N/cm2のものにした。また、アナタ−ゼ型TiO2粒子の添加は粒径が200nmのものが保護皮膜の5重量%になるようにした。そして、この処理液を板厚0.5mmのステンレス鋼帯(SUS304の2B仕上げ材)表面にロ−ルコ−タ−で塗装して、オ−ブンで乾燥し、厚さ2.1μmの保護皮膜を形成した。
【0019】実施例2実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の60重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で20重量%、100℃での弾性率が9800N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.5μmであった。
【0020】実施例3実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の63重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で5重量%、100℃での弾性率が500N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。また、保護皮膜の厚さは2.6μmであった。
【0021】実施例4実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の81重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で29重量%、100℃での弾性率が3900N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.0μmであった。
【0022】実施例5実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の88重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で3重量%、100℃での弾性率が600N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.3μmであった。
【0023】実施例6実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の76重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で34重量%、100℃での弾性率が1000N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0024】実施例7実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の41重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で16重量%、100℃での弾性率が5700N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.2μmであった。
【0025】実施例8実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の31重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃での弾性率が6200N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0026】実施例9実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の65重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で11重量%、100℃での弾性率が4900N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは0.2μmであった。
【0027】実施例10実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の47重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で9重量%、100℃での弾性率が4400N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは9.8μmであった。
【0028】実施例11実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の51重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で12重量%、100℃での弾性率が2200N/cm2のものに変更するとともに、アナタ−ゼ型TiO2粒子を粒径が7nmのものにして、添加量を保護皮膜の70重量%に変更し、ウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.2μmであった。
【0029】実施例12実施例1において、ウレタン樹脂処理液をイソシアネ−ト量が20重量%で、100℃での弾性率が5400N/cm2のアクリル樹脂処理液に変更した。保護皮膜の厚さは2.0μmであった。
【0030】実施例13実施例1において、ウレタン樹脂処理液をメラミン量が20重量%で、100℃での弾性率が6000N/cm2のポリエステル樹脂処理液に変更した。保護皮膜の厚さは2.5μmであった。
【0031】実施例14実施例1において、ウレタン樹脂処理液をイソシアネ−ト量が20重量%で、100℃での弾性率が3500N/cm2のエポキシ樹脂処理液に変更した。保護皮膜の厚さは2.2μmであった。
【0032】比較例1実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の75重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で7重量%、100℃での弾性率が300N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.4μmであった。
【0033】比較例2実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の79重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で22重量%、100℃での弾性率が11000N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.3μmであった。
【0034】比較例3実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の49重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で15重量%、100℃での弾性率が5200N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは0.1μmであった。
【0035】比較例4実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の63重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃での弾性率が3900N/cm2のものに変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは12.5μmであった。
【0036】比較例5実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の55重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で14重量%、100℃での弾性率が900N/cm2のものに変更するとともに、アナタ−ゼ型TiO2粒子を粒径が7nmのものにして、添加量を保護皮膜の80重量%に変更し、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.3μmであった。
【0037】比較例6実施例1において、ウレタン樹脂処理液のウレタン樹脂をシクロヘキサンジイソシアネ−トが全有機ポリイソシアネ−ト化合物の58重量%、ウレタン樹脂固形分中のウレタン結合量がNCO換算で10重量%、100℃での弾性率が4400N/cm2のものに変更するとともに、アナタ−ゼ型TiO2粒子の添加量を保護皮膜の3重量%に変更して、このウレタン樹脂処理液を用いた。保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0038】比較例7実施例12において、アクリル樹脂処理液のアクリル樹脂を、架橋剤のイソシアネ−トを使用せずに合成し、100℃での弾性率が100N/cm2のものに変更した。保護皮膜の厚さは2.1μmであった。
【0039】比較例8実施例13において、ポリエステル樹脂処理液のポリエステル樹脂を、架橋剤のメラミンを使用せずに合成したもので、100℃での弾性率が300N/cm2のものに変更した。保護皮膜の厚さは2.3μmであった。
【0040】比較例9実施例14において、エポキシ樹脂処理液のエポキシ樹脂を、架橋剤のイソシアネ−トを使用せずに合成したもので、100℃での弾性率が200N/cm2のものに変更した。保護皮膜の厚さは2.2μmであった。表1に得られた保護皮膜被覆ステンレス鋼板の保護皮膜をまとめて示す。また、表2にこの鋼板について下記の特性を調査した結果を示す。
【0041】(1)耐カジリ性試験ロ−ルフォ−ミングで90゜曲げ加工(曲げコ−ナ−部;1R)を施して、加工部外側の保護皮膜残存状態を目視観察し、保護皮膜にカジリのないものを記号○、若干のカジリが認められるもの(下地金属のカジリなし)を記号△、カジリの著しいもの(下地金属に僅かでもカジリの認められる)を記号×で評価した。耐カジリ性としては、除去を自然崩壊による場合、記号△以上の評価を必要とする。
(2)自然崩壊性試験63℃のサンシャインウエザ−促進試験機で50時間試験した後、保護皮膜の残存状態を評価した。評価は保護皮膜の全てが崩壊除去されたものを記号○で、保護皮膜が一部残存しているものを記号△で、全面残存しているものを記号×で行った。自然崩壊性は実用上記号○以上の評価を必要とする。
【0042】(3)耐黄変性試験上記自然崩壊性試験を行う前と後の試験片色調を色差計によりLab法で測定して、試験前後のb値の差Δbが1以下のものを記号○、1超、3以下のものを記号△、3超のものを記号×で評価した。耐黄変性は実用上記号△以上の評価を必要とする。
(4)耐指紋性試験人工指紋液(塩化ナトリウム:7g/L、尿素:1g/L、乳酸:4g/L、残り1:1メタノ−ル)に浸漬したゴム栓を試験片に押し付けて、試験前後の明度差をLab法によるL値から測定し、試験前後の差ΔLが2以下のものを記号○で、2超、4以下のものを記号△で、4超のものを記号×で評価した。耐指紋性は実用上記号○以上の評価を必要とする。
【0043】
【表1】

(注1)脂環族ジイソシアネ−ト含有量は、芳香族、脂肪族および脂環族ジイソシアネ−トの合計量に対する脂環族ジイソシアネ−トの重量%である。
(注2)ウレタン結合含有量は、(数1)により算出した。
(注3)弾性率は、ORIENTEC社製のレオバイブロン DDV−01−FPを用いて、加振周波数3.5Hzで測定した。なお、弾性率は貯蔵弾性率の値を示している。
【0044】
【表2】

【0045】
【発明の効果】以上のように、保護皮膜の有機樹脂成分を100℃における弾性率が500〜10000N/cm2であるものにすると、保護皮膜被覆金属板は成形加工でカジリが発生しにくくなる。また、粒径が200nm以下のアナタ−ゼ型TiO2粒子を保護皮膜に5〜70重量%含有させると、保護皮膜を自然崩壊により除去することができ、剥離の必要がない。さらに、有機樹脂を有機ポリイソシアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物とを反応させたウレタン樹脂であって、ウレタン結合含有量がイソシアネ−ト基(NCO)換算で5〜30重量%で、かつ、前記有機ポリイソシアネ−ト化合物の40重量%以上が脂環族ジイソシアネ−トのものにすると、保護皮膜をクリヤ−にした場合の黄変や白化を減少させることができる。




 

 


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