米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 日新製鋼株式会社

発明の名称 耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−137773(P2001−137773A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−323795
出願日 平成11年11月15日(1999.11.15)
代理人
発明者 圓谷 浩 / 大崎 勝久 / 菅原 和良
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】金属板表面に、シラン化合物を加水分解・縮合させる触媒を配合した下塗り塗膜を形成した後、式R1mSi(OR2n[ただし、R1:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、m:0又は1、n:3又は4、m+n:4]で示されるシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物を配合した上塗り塗料を塗布し、焼付けてなる耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗装金属板に関し、詳しくは建築物の屋根、壁、屋外構造物の外壁等の外装建材に好適な耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】外装建材として金属板を使用する場合、耐食性、耐候性、意匠性を付与するために塗装を施すことが一般的になっており、耐久性に優れた種々の塗料が開発され、広く使用されるようになってきている。しかし、最近は自動車の排気ガス、工場からの煤煙等に起因する大気汚染がひどくなるにしたがって、これらに含まれるカーボン系汚染物質等による汚れが顕在化してきた。従来の塗装金属板では汚れ付着防止が十分でなく、比較的短期間のうちに汚れが目立つようになることは避けられない。そのため、この種の汚れに対する付着防止機能を付与した塗装金属板が要求されるようになった。
【0003】屋外での汚れ付着を低減する方法として、アクリル系樹脂にシラン化合物を配合した塗料用樹脂組成物(特開平7−331136号公報)、官能基を含む溶剤可溶型フッ素樹脂にシラン化合物を配合した塗料用樹脂組成物(特開平8−12921号公報)等が提案されている。これらの塗料用樹脂組成物は、何れも配合されている加水分解性アルコキシル基をもつシラン化合物によって塗膜表面に親水性が付与されている。ただし、塗膜表面を確実に親水性にするにはシラン化合物を極めて過剰に添加する必要があるが、シラン化合物の過剰添加によって塗膜の加工性が大幅に低下し、加工性が要求されるプレコート金属板には使用することができない。塗料に配合されたシラン化合物が塗料組成物と反応し易く、塗料の貯蔵安定性が劣る。
【0004】一方、上塗り塗料を焼付ける前にシラン化合物又は溶媒に分散又は溶解したシラン化合物を塗装し焼付けることにより、塗膜表層付近にシラン化合物を選択的に分布させ、比較的少量のシラン化合物で塗膜表面に親水性を付与する方法(特開平10−309522号公報)を提案した。親水性の表面には大気汚染の主な原因である油性のカーボン系汚染物質が定着し難いため、汚れ付着に対する抵抗が高い塗膜表面となる。また、親水性の塗膜表面では汚染物質を雨水によって洗い流す作用が促進されるため、これによっても塗膜表面が清浄に維持されるものと考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来から提案されているシラン化合物を配合した塗料組成物を種々の形状に後加工されるプレコート金属板に適用した場合、塗膜の密着性が不十分で加工部で塗膜が剥離してしまう。本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、下塗り塗膜中に、上塗り塗膜に配合したシラン化合物を加水分解・縮合させるための触媒を配合し、両塗膜界面で加水分解により縮合物を形成するとともにヒドロキシル基を生成させて塗膜密着性を改善した耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のプレコート金属板は、その目的を達成するため、金属板表面に、シラン化合物を加水分解・縮合させる触媒を配合した下塗り塗膜を形成した後、式R1mSi(OR2n[ただし、R1:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、m:0又は1、n:3又は4、m+n:4]で示されるシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物を配合した上塗り塗料を塗布し、焼付け、塗膜界面と上塗り塗膜の表層近傍にシラン化合物の縮合物層を形成させることを特徴とする。
【0007】本発明者等は、耐汚れ付着性と塗膜密着性に優れたプレコート金属板について種々調査検討した。従来から提案されている加水分解性アルコキシル基をもつシラン化合物を配合した上塗り塗料をプレコート金属板に適用した場合、配合されたシラン化合物が下塗り塗膜との結合性が低いため、上塗り塗膜の密着性を低下させていた。したがって、該プレコート金属板を成形加工すると、上塗り塗膜が剥離してしまう。そこで、本発明においては、上塗り塗料に配合したシラン化合物を加水分解・縮合させるための触媒を、下塗り塗料中に配合し、金属板表面に下塗り・上塗り塗料を順次塗布、焼付けを繰返し行って塗膜密着性と耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板を得た。上塗り塗料中にシラン化合物を加水分解・縮合させる触媒を配合する方法も考えられるが、上塗り塗料の貯蔵安定性を低下させるので好ましくない。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の上塗り塗料には、プレコート金属板で一般的に使用される公知の塗料、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)系フッ素塗料、溶剤可溶型フッ素樹脂塗料、ポリエステル塗料、シリコンポリエステル塗料、アクリル塗料、ウレタン塗料、塩化ビニル塗料等に下記の一般式で示されるシラン化合物を配合した汚れ防止用塗料を使用することができる。
シラン化合物:R1mSi(OR2n又はその部分加水分解縮合物[ただし、R1:アルキル基又はアルコキシル基、R2:アルキル基、m:0又は1、n:3又は4、m+n:4]
【0009】シラン化合物の例を挙げると、テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロキシシラン、テトラブトキシシラン等及びこれらの部分加水分解縮合物等がある。また、トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等及びこれらの部分加水分解縮合物等がある。これらの中で、耐汚れ付着性の観点からテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物が好ましい。
【0010】これらの部分加水分解縮合物は、常法により製造することができるが、市販品(例えばコルコート社製メチルシリケート51、エチルシリケート48、三菱化学製MKCシリケートMS51、MKCシリケートMS56等)を使用することもできる。前記シラン化合物は、上塗り塗料中の塗料樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部の割合で配合される。配合量が0.5重量部未満では、十分な親水性を塗膜面に与えることができない。逆に50重量部を越えると塗膜の加工性が低下し、或いは塗膜にクラックが発生したり塗膜が剥離することがある。
【0011】前記下塗り塗膜を形成するための下塗り塗料の種類は特に限定はなく、プレコート金属板で一般的に使用されているエポキシ塗料、エポキシウレタン塗料、ウレタン塗料、ポリエステル塗料、アクリル塗料等を使用することができる。この下塗り塗料に前記シラン化合物を加水分解・縮合させる触媒を配合する。触媒としては、例えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート等の有機スズ化合物、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート等の有機アルミニウム化合物、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機チタネート化合物、【0012】ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物、ホウ素ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェート等のリン酸又はリン酸エステル、ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ性化合物、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、酢酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の酸性化合物等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0013】これらの触媒は、下塗り塗料中の樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部の割合で配合することが好ましい。配合量が0.01重量部未満では十分な塗膜密着性が得られず、10重量部を越えても塗膜密着性を改善できるもののそれ以上の改善効果は期待できない。
【0014】本発明にしたがったプレコート金属板は、一般的な連続塗装設備で製造することができる。例えば、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等により下塗り塗料を塗布し焼付けた後、同様の塗装方式で上塗り塗料を塗布し焼付けて製造される。塗装原板である金属板としては、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板等が使用される。これらの金属板に塗膜密着性や防食性を高めるために表面調整処理、クロメート処理等の塗装前処理を施したものを適用してもよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
塗装試験板の作製実施例1:板厚0.5mm,亜鉛付着量が両面で250g/m2の溶融亜鉛めっき鋼板に常法にしたがって表面調整及びクロメート処理を施し、エポキシ系塗料(大日本インキ化学工業社製800Pプライマー)に、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを触媒として、塗料樹脂100重量部に対して3重量配合した下塗り塗料を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、最高到達板温200℃で40秒間焼付けた後、上塗り塗料としてPVdF系フッ素塗料(大日本インキ化学工業社製ディックフローC)の白エナメルに、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製エチルシリケート48)をシラン化合物として、塗料樹脂100重量部に対して10重量部配合した塗料を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、最高到達板温250℃で60秒間焼付け、水冷した。
【0016】実施例2:上塗り塗料としてPVdF系フッ素塗料(大日本インキ化学工業社製ディックフローC)の白エナメルに、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製エチルシリケート51)をシラン化合物として、塗料樹脂100重量部に対して10重量部配合したものを使用する以外は、実施例1と同じ条件下で作製した。
【0017】実施例3:下塗り塗料としてエポキシ系塗料(大日本インキ化学工業社製700Pプライマー)に、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを触媒として、塗料樹脂100重量部に対して3重量配合したものを使用し、上塗り塗料としてポリエステル系フッ素塗料(大日本インキ化学工業社製CA)の白エナメルに、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(コルコート社製エチルシリケート48)をシラン化合物として、塗料樹脂100重量部に対して10重量部配合したものを使用する以外は、実施例1と同じ条件下で作製した。
【0018】実施例4:下塗り塗料としてエポキシ系塗料(大日本インキ化学工業社製800Pプライマー)に、ジブチルスズジラウレートを触媒として、塗料樹脂100重量部に対して3重量配合したものを使用する以外は、実施例1と同じ条件下で作製した。
【0019】比較例:実施例1〜3の下塗り塗料に、触媒が含まれないものを使用する以外は、実施例1と同じ条件下で作製した。実施例1〜3に対しそれぞれ比較例1〜3とした。
【0020】塗装試験板の評価方法得られた各塗装試験板について、次のようにして塗膜密着性、耐汚れ付着性を調査した。
塗膜密着性の評価:(1)曲げ加工試験JIS G3312に準拠した180度曲げ試験により密着曲げ加工を行った後、凸部にセロハン粘着テープを貼付し強制剥離し塗膜の剥離状態を観察した。全く剥離がないものを○印、一部剥離があるものを△印、殆ど剥離したものを×印で表記した。
(2)ゴバン目エリクセン押し出し試験JIS K5400に準拠した1mm間隔の桝目100としたゴバン目を作製し、塗膜面を凸部として押し出し距離6mmのエリクセン試験を行った後、凸部にセロハン粘着テープを貼付し強制剥離し塗膜の剥離していない桝目の数をカウントした。数が100(全く剥離がないもの)を○印、数が99〜95を△印、数が94以下を×印で表記した。
耐汚れ付着性の評価:南向き90度(垂直)に取り付けた塗装試験片上に雨水が流れ落ちるように、長さ20cmの塩化ビニル製波板を角度10度で塗装試験板に取り付け、千葉県市川市で屋外暴露試験を1年間実施した。試験後の塗装試験板を2m離れた位置で目視判定によって雨筋状汚れの程度を判定した。
【0021】塗装試験板の評価結果各塗装試験板の評価結果を表1に示す。本発明にしたがった試験板では表1にみられるように、塗膜の剥離は認められず、下塗り塗料に触媒を含まない比較例に対して塗膜密着性の改善効果が顕著であった。
【0022】
【表1】

【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば加工部での塗膜剥離を防止することができ、屋外での汚れ防止するために従来から用いられているシラン化合物を配合した塗料組成物をプレコート金属板に適用しても塗膜密着性に優れる他、本来の塗装機能を損なうことがない。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013