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発明の名称 熱延鋼板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−105021(P2001−105021A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−279447
出願日 平成11年9月30日(1999.9.30)
代理人 【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
発明者 石川 秀一 / 永井 秀明 / 工藤 芳郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】鋼材を熱間圧延して熱延鋼板を製造するに際し、ライン進行方向に適宜の間隔を存して配置される複数列のデスケーリング用ノズルより鋼材表面に高圧水ジェットを噴射してデスケーリングを行う熱延鋼板の製造方法において、上記デスケーリングを鋼材表面への衝突圧が3kgf/cm2 以上で、かつライン進行方向に対し前方に位置するデスケーリング用ノズルの鋼材に対する迎え角を0〜5°にして実施することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【請求項2】複数列の各列におけるデスケーリング用ノズルを全て、その迎え角を0〜5°にしたことを特徴とする請求項1記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項3】Si含有量が0.2〜2.0重量%の鋼材に対して実施することを特徴とする請求項1又は2記載の熱延鋼板の製造方法。
【請求項4】Ni含有量が0.2〜2.0重量%の鋼材に実施することを特徴とする請求項1又は2記載の熱延鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、熱間圧延時に鋼材表面に高圧水ジェットを噴射してデスケーリングを行い、スケール疵やスケール模様の発生を防止し、表面性状に優れた熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】鋼板の製造に当たっては、素材の鋼材を加熱炉により通常1100〜1300℃の温度で数時間加熱し、ついでホットストリップミルにて熱間圧延されるのが一般的であるが、この際、鋼材表面に生成した酸化スケールが充分に除去されない状態のまゝで鋼材が圧延されると、酸化スケールが成品の表面に押込まれ、スケール疵やスケール模様として残る。
【0003】このようなスケール疵やスケール模様は、圧延後の成品(黒皮成品)の外観を悪化させるのみならず、酸洗により酸化スケールを除去した後の成品(白皮成品)の表面に凹凸状の欠陥を残存させる原因となり、また曲げ加工時のクラックの起点となったり、熱間圧延工程内の鋼板強制冷却時にスケール残存部と剥離部の冷却能の差により、鋼板の機械的特性値にむらが発生するなど、鋼板の品質に重大な悪影響を及ぼすようになる。
【0004】こうしたスケール疵が発生するのを防止する方法として従来、加熱炉出側、粗圧延機、仕上圧延機入側等にノズルを一定間隔で取付けたヘッダーよりなるデスケーリング装置を設置し、各ノズルから鋼材表面に高圧水ジェットを噴射して鋼材表面の酸化スケールを剥離し除去する方法が採られ、とくに表面品質を重視する鋼材では、スケール剥離性を向上させるため図1に示すように、仕上圧延機1の入側にデスケーリング用のヘッダー2を二列以上配置し、高圧水を複数列から同時噴射させることが通常行われている。
【0005】デスケーリング用ノズルはまた、ライン進行方向に対する迎え角θが通常15°前後となっている。これは高圧水ジェットを鋼材進行方向と逆方向に噴射させることにより高圧水ジェットの衝突力のライン方向の速度成分を増加させ、スケール剥離性を向上させるためである。ノズルから噴射される高圧水ジェットはまた、鋼材表面への衝突力を鋼材幅方向で均一化するため、図2に示すようにライン進行方向と直交する方向に対し、捩れ角γで噴射され、隣合う高圧水ジェットと一定のラップ幅aでラップさせている。一列のノズルではラップ部分以外が高温となり、仕上スタンド噛み込み前及び仕上スタンド間で高温性のスケールが発生し易くなる。そこで通常はノズルを図2に示すように前後に二列配置し、しかも前列のノズルと後列のノズルをライン進行方向と直交する方向にずらし、高圧水ジェットの噴射部をずらして鋼材幅方向の温度を均一化させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】デスケーリング用のヘッダーを二列に配置する場合を例にとっていえば、図3に示すようにライン進行方向に対し、前方に設置されているヘッダー4aのノズルからの高圧水ジェットは鋼材表面に沿って後方に位置しているヘッダー4bのノズルからの高圧水ジェットに干渉し、該ジェットによる鋼材表面への衝突力を低下させる。とくにオフラインテストでの観察によると、図4に示すようにノズルから噴射される高圧水ジェットが鋼材表面に衝突して後方の矢印方向に流れる高圧水の一部が隣の高圧水ジェットで堰止められ、その水が後方に廻り込んで強い水流を生み出すことにより、図5の斜線で示すような強水流域3が発生し、これが後方のノズルから噴射される高圧水ジェットを突き抜ける現象が見られ、該域でのジェットの衝突力を大幅に低下させることが分かった。
【0007】本発明は、デスケーリング用ノズルを複数列配置した場合において生ずる上記の問題を解消することができる熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1記載の発明は、鋼材を熱間圧延して熱延鋼板を製造するに際し、ライン進行方向に適宜の間隔を存して配置される複数列のデスケーリング用ノズルより鋼材表面に高圧水ジェットを噴射してデスケーリングを行う熱延鋼板の製造方法において、上記デスケーリングを鋼材表面への衝突圧が3kgf/cm2 以上で、かつライン進行方向に対し前方に位置するデスケーリング用ノズルの鋼材に対する迎え角を0〜5°にして実施することを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数列の各列におけるデスケーリング用ノズルを全て、その迎え角を0〜5°にしたことを特徴とする。本発明者らは、難スケール剥離材である、Si含有鋼及びNi含有鋼について、デスケーリング用ノズルをライン進行方向に対し適宜の間隔を存して二列配置した場合の各ノズルのライン進行方向に対する迎え角θ及びデスケーリング時の高圧水ジェットの衝突圧を変えた調査を種々行った。
【0010】調査は、表1に示す組成の鋼材A及びBに対して行い、その結果、ライン進行方向の後方に位置するノズルからの高圧水の噴射を停止し、高圧水ジェットを一列にした場合は、衝突圧が3kgf/cm2 以上で、かつ迎え角θが5°以下でもスケール残存率が大きくなり、また高圧水ジェットを二列にした場合、衝突圧が3kgf/cm2 未満では迎え角θが5°以下でもスケール残存率が大きくなること、衝突圧を3kgf/cm2 以上に上げ、迎え角θを5°以下にすると、スケール残存率が1%未満となることを見出した。
【0011】ライン進行方向に対し、前方に位置するノズルの迎え角θの上限を5°としたのは、5°を越えると、後方に位置するノズルからの高圧水ジェットに干渉し、該ジェットの衝突力を低下させるためで、水流干渉による衝突力の低下をより少なくするには迎え角θを0°にするのが望ましい。因みにノズルを二列に配置する場合、前方及び後方に位置するノズルの迎え角θを0°にすると、図6に示すように後方のヘッダー4bのノズルから噴射される高圧水ジェットが鋼材5の表面に当たってライン後方に流れる水量と、前方のヘッダー4aのノズルから噴射される高圧水ジェットが鋼材表面に当たってライン前方に流れる水量とが等しくなり、したがって前後の水流が両ヘッダー間の中間点で干渉されるようになり、後方のノズルから噴射される高圧水ジェットの衝突力低下を防止する。
【0012】また迎え角θの下限を0°としたのは、0°未満、すなわちノズルをライン進行方向に向けると、デスケーリングによって鋼材表面から剥離し、除去された酸化スケールが圧延機のロールに噛み込み、成品の表面品質を著しく悪化させるためである。なお、ノズルの迎え角を変えるには、ヘッダーと配管を連結するフランジ部分での連結を一旦解除し、ヘッダーを軸心の回りに必要量回動させて向きを調整し、その後、フランジ部分を締結するとよい。これによりヘッダーの角度調整をするだけで、ノズルの向きが異なるヘッダーと取換える必要がなくなり、経済的である。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明のデスケーリングをSi含有量が0.2〜2.0重量%の鋼材に対して実施することを特徴とし、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明のデスケーリングをNi含有量が0.2〜2.0重量%の鋼材に実施することを特徴とする。Si含有鋼はSiの含有量が0.2重量%以上になると、加熱時のスケールや二次スケール中にファイアライト2FeO・SiO2 が生成して地鉄界面に深く進入し、スケール剥離が困難となる。またNi含有鋼もNiの含有量が0.2重量%以上になると、地鉄界面の凹凸が激しくなり、スケール剥離が困難となる。
【0014】請求項1及び2記載の発明は、Si及びNiの含有量がそれぞれ0.2重量%以上あるような鋼材に対して実施してもスケール剥離効果が十分にあることが分かった。請求項3記載の発明において、Siの含有量は上限を本来限定する必要がないが、Siの含有量が増えると、溶接性及び冷間加工性が悪化するため、Si含有量を2.0重量%以下とした。
【0015】また請求項4記載の発明において、Niの含有量も上限は本来限定する必要がないが、靱性、延性、経済性等を総合的に考慮してNi含有量を2.0重量%以下とした。
【0016】
【実施例】以下の表1に示す鋼材A及びBについて、ヘッダーを二列に配置したデスケーリング装置を用い、表2に示した条件によりデスケーリングを実施したのち仕上圧延を行い、得られたコイルをリコイルし酸洗したのち、コイル表裏面の単位面積当たりのスケール残存率%を目視にて点検した。結果を表2に併記した。
【0017】
【表1】

【0018】
【表2】

【0019】ここで衝突圧は、一本のノズルからの噴射水による荷重を受圧センサーにより測定し、荷重/噴射水の衝突面積、により単位面積当たりの衝突圧を実測により求めたものである。表中、ノズルAはライン進行方向前方に位置するノズルを示し、ノズルBはライン進行方向後方に位置するノズルを示す。
【0020】また迎え角θは、鋼材に対し高圧水ジェットが垂直に噴射されるときを0°とし、ライン進行方向と逆向きに噴射されるときを+、同じ向きに噴射されるときを−とする。表2に示されるように、請求項1記載の発明の範囲内にあるNo.2、No.6及びNo.8の鋼材はそれぞれスケール残存率が1%未満であり、請求項2記載の発明の範囲内にあるNo.6及びNo.8の鋼材ではスケール残存率が更に低下し、前後のノズルの迎え角θをそれぞれ0°にした場合、スケール残存率は0%となった。これに対し、一列のノズルでデスケーリングを実施したNo.5及びNo.10の鋼材は、スケール残存率がそれぞれ5.9%及び12.2%に達し、衝突圧で請求項1記載の発明の範囲を外れたNo.5及びNo.9の鋼材はスケール残存率がそれぞれ6.8%及び9.5%に達し、また迎え角で請求項1記載の発明の範囲を越えたNo.1、No.3及びNo.7の鋼材はスケール残存率がそれぞれ、11.2%、29.9%及び14.9%に達した。とくに迎え角θを−にしたNo.3の鋼材は、デスケーリングしたスケール片が仕上圧延機に噛み込み、その際に発生したロール疵が成品に転写し、スケール噛み込み疵の程度が大となった。
【0021】
【発明の効果】本発明によると、従来スケール除去が困難と考えられていた高Si含有鋼及びNi含有鋼に対してもデスケーリング用ヘッダーを複数列配置し、デスケーリング衝突圧を3kgf/cm2 以上で、かつ前方に位置するデスケーリング用ノズルの迎え角を0〜5°にしてデスケーリングを実施することによりスケール疵の少ない表面性状の良好な熱延鋼板を得ることができ、更に請求項2記載の発明のように、各列のノズルの迎え角をそれぞれ0〜5°にすると、スケール疵の少ない表面性状のより良好な熱延鋼板を得ることができる。とくに各列のノズルの迎え角を0°にすると、高圧水ジェット水流の干渉による衝突圧の低下を最も効果的に防止することができる。




 

 


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