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発明の名称 塗膜に梱包資材の転写模様が発生し難いプレコート鋼板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−46960(P2001−46960A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−226196
出願日 平成11年8月10日(1999.8.10)
代理人
発明者 坂本 佳子 / 坂井 哲男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】鋼板表面に熱硬化型樹脂の下塗り塗膜を形成し、その上に熱硬化型ポリエステル系樹脂を主成分とする塗料を加熱乾燥することにより上塗り塗膜を形成したプレコート鋼板であって、上塗り塗料の主成分である熱硬化型ポリエステル系樹脂の分子量が10,000〜30,000、ガラス転移温度(Tg)が5〜40℃、体質顔料が樹脂100重量部に対して5〜10重量部含有し、該顔料の一次平均粒子径D(μm)が0.001<D<0.1、上塗り塗膜の塗膜押込み硬さH(μm)が0.8<H<1.5であることを特徴とする塗膜に梱包資材の転写模様が発生し難いプレコート鋼板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧による部分的な梱包資材の転写模様が塗膜に発生することを防止したプレコート鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】プレコート鋼板を家電製品や暖房機器の外装部材、器物などに使用すると、冷延鋼板やめっき鋼板を部材に加工後塗装するポストコートに比べると生産性が優れている。プレコート鋼板の塗装体系は塗膜の曲げ加工や絞り加工性などを考慮して表側がエポキシ樹脂やポリエステル樹脂のような下塗り塗膜と、その上にポリエステル樹脂を主成分とする上塗り塗膜を形成した2層構造で、裏側が1層塗装もしくは無塗装のものが従来より多く使用されている。
【0003】この家電製品や暖房器具などに用いられるプレコート鋼板は、通常ダンボール箱に入れて出荷するが、輸送中に損傷防止のために製品とダンボール箱との間に緩衝作用を有する梱包資材を挿入している。この梱包資材としては、小型製品の場合は合成樹脂シートを使用することもあるが、多くの場合は内側に製品の外形に合せた孔や窪みを形成し、外側をダンボール箱の寸法に合せた発泡スチロール成形体が使用されている。しかし、この発泡スチロール成形体は表面にポリスチロールビーズを発泡させたときの粒界が亀甲模様になって存在し、その亀甲模様が製品の保管中や輸送中にプレコート鋼板製の外装部材に転写され、外観が損なわれるという問題があった。プレコート鋼板の塗膜に発泡スチロールが強く押圧し、塗膜が変形するためと考えられる。
【0004】プレコート鋼板製の外装部材に発泡スチロール成形体の転写模様を緩和する方法としては、(1)表側の上塗り塗膜のガラス転移温度又は硬度を裏側塗膜より高くする方法、(2)表側に保護フィルムを貼り付ける方法、(3)塗料に充填剤を多く配合する方法などが提案されている。しかし、(1)の方法は裏側が無塗装のものには適用できず、裏側が塗装されていても塗膜加工性が損なわれる。(2)の方法は保護フィルムの貼り付け、剥離を必要とするため、製造費、加工費が高価になる。(3)の方法は色相により規定される顔料等の配合量を越えると、塗料が増粘し塗装できなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、すべてのプレコート鋼板に適用でき、しかも製造費や加工費が高くならずに塗膜に発泡スチロール等の包装材表面の転写模様が発生し難いプレコート鋼板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板表面に熱硬化型樹脂の下塗り塗膜を形成し、その上に熱硬化型ポリエステル系樹脂を主成分とする塗料を加熱乾燥することにより上塗り塗膜を形成したプレコート鋼板であって、上塗り塗料の主成分である熱硬化型ポリエステル系樹脂の分子量が10,000〜30,000、ガラス転移温度(Tg)が5〜40℃、体質顔料が樹脂100重量部に対して5〜10重量部含有し、該顔料の一次平均粒子径D(μm)が0.001<D<0.1、上塗り塗膜の塗膜押込み硬さH(μm)が0.8<H<1.5のものにしたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】発泡スチロール等の梱包資材による転写模様の発生は、前述の如く上塗り塗膜が圧力により変形し、圧力の解除後も塗膜の変形が回復せず、転写した亀甲模様のまま残ることによる。そこで、本発明者等は外部圧力による塗膜変形を抑制し、かつ加工性に優れた上塗り塗膜の得られる塗料について検討した結果、塗料樹脂の熱硬化型ポリエステル系樹脂の分子量、ガラス転移温度(Tg)及び上塗り塗膜に含有される体質顔料の平均粒子径を規定することにより、塗膜中の充填剤増量効果で塗膜を高硬度化し塗膜外観を損なうことなく目的の塗膜を形成することができることを見出した。
【0008】すなわち、上塗り塗料の主成分である熱硬化型ポリエステル系樹脂の分子量を10,000〜30,000、ガラス転移温度(Tg)を5〜40℃、体質顔料を樹脂100重量部に対して5〜10重量部含有させ、該顔料の一次平均粒子径D(μm)を0.001<D<0.1、上塗り塗膜の塗膜押込み硬さH(μm)を0.8<H<1.5にしたのである。熱硬化型ポリエステル系樹脂の分子量が10,000未満であると、上塗り塗膜に伸びがなくなるのでプレコート鋼板の加工性が劣り、30,000を越えると、塗料粘度が高くなるので塗料の塗装性が低下し外観不良になる。ガラス転移温度(Tg)は5℃より低いと、塗膜の加工性は良好であるが硬度が柔らかいので傷付き易い塗膜になり、40℃より高いと、塗膜硬度が高くなるのでプレコート鋼板としての加工性が維持できない。ガラス転移温度を調整するには、分子主鎖、側鎖を熱運動し易い分子鎖にすればよく、例えば、主鎖をポリオレフィン基、側鎖をアルキル基などがあり、範囲内のポリエステル系樹脂は既に多数あるので分子量の適合するものを適用する。
【0009】上塗り塗料中には着色顔料と体質顔料が配合され、体質顔料の一次平均粒子径D(μm)を0.001<D<0.1、体質顔料の配合量を樹脂100重量部に対して5〜10重量部としている。一次平均粒子径Dが0.001μmより小さいと、凝集力が極めて大きくなり、使用に際して塗料ワニスや溶剤への分散が困難となり配合できない。逆に、一次平均粒子径Dが0.1μmより大きいと、顔料が可視光を吸収または反射するので塗膜光沢の低下など外観上の不具合を生じる。体質顔料の配合量が樹脂100重量部に対して5重量部未満であると、充填剤増量効果が少なく、10重量部を越えると、塗料が増粘したり塗膜加工性が低下する。具体的に適用できる体質顔料として、微粒子酸化チタン、微粒子マグネシア、微粉末珪酸、炭酸カルシウムなどがあり、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
【0010】上塗り塗膜は、上記のような顔料を配合した塗料を塗装し加熱乾燥することにより形成するが、上塗り塗膜の塗膜押込み硬さH(μm)を0.8<H<1.5にした。塗膜押込み硬さとは、測定温度20℃で三角圧子(115°)を用いて一定荷重(1g)に対する塗膜の押込まれる変位であり、押込まれる変位が少ない程硬い塗膜といえる。この塗膜押込み硬さHが0.8μmより小さいと、塗膜が硬いので梱包資材による塗膜への模様転写を防止できるが、プレコート鋼板としての加工性を維持できない。逆に、1.5μmより大きいと、塗膜が柔らかいので加工性は維持できるが、梱包資材による塗膜への模様転写を防止することができない。なお、配合する着色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化クロムなど公知のものでよく、隠蔽性を考慮して適宜調整して配合すればよい。また、着色顔料や体質顔料の表面は、無処理のもの、シリカやアルミナなどで処理したものの何れを適用してもよい。
【0011】本発明の基材鋼板はとくに制限がなく、例えば冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、銅めっき鋼板、アルミめっき鋼板等でよい。また、下塗り塗膜の塗料樹脂も、上塗り塗膜の塗膜性能を阻害しない程度のものであれば、とくに制限はなく、公知のものでよい。例えば、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、高分子ポリエステル系樹脂を使用することができる。硬化剤にはメチル化メラミン、ブチル化メラミンなどを適用すればよく、その配合量はプレコート鋼板としての塗膜性能が損なわれないように適宜調整すればよい。
【0012】プレコート鋼板の塗膜厚は、従来、下塗り塗膜が3〜15μm、上塗り塗膜が10〜25μmにしていたが、本発明の場合も同様でよい。また、下塗り塗膜には必要に応じて着色顔料、防錆顔料、体質顔料等を配合してもよい。プレコート鋼板の製造も従来と同様でよく、例えば、鋼板に反応型もしくは塗布型のクロメート処理を施した後、ロールコート法、カーテンコート法、スプレー法などのような公知塗装法で下塗り塗料を塗装し、加熱乾燥した後、上塗り塗料を同様の公知塗装法で塗装し、加熱乾燥すればよい。
【0013】
【実施例】溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.5mm、亜鉛付着量片面45g/m2)に塗布型クロメートを施して、乾燥した後、種々のポリエステル系樹脂の下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μmになるように塗装し、215℃で50秒間焼付け乾燥し、その上に種々の一次平均粒子径の顔料を添加した上塗り塗料を乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装し、230℃で50秒間焼付け乾燥した。表1に上塗り塗料樹脂の分子量、ガラス転移温度(Tg)、種々の顔料成分と塗料性状を示し、表2に次のようにして実施した押込み硬さ、塗膜加工性、塗膜への梱包材模様転写性、外観試験結果を示す。なお、表1の塗料性状の評価は、問題なく塗装できるものを○印、増粘などで塗装できなかったものを×印とした。
【0014】(1)押込み硬さ試験20℃の雰囲気下で微小硬さ計DUH50(島津製作所製)を用いて一定荷重1gを与えたときの押込み深さを測定した。
(2)塗膜加工性試験試験片の温度20℃の状態で試験片と同一厚の板を1枚挟み込んで180折り曲げ試験(1T)を行い、折り曲げ部の塗膜にクラックが発生しないものを○印、クラックの発生したものを×印で評価した。
(3)塗膜への梱包資材模様転写性試験プレコート鋼板の表面に合成樹脂シートを載置し、その上に発泡スチロールブロックを重ねた後、プレス機で1kg/cm2の圧力にて加圧した状態で、温度4 0℃、湿度90%の雰囲気中に72時間放置した。その後加圧力を開放して直ち に塗膜面を観察し、塗膜表面に亀甲模様が転写されていないものを○印、亀甲模 様が薄く見えるものを△印、亀甲模様がはっきり確認できるものを×印で評価し た。
(4)外観プレコート鋼板の鏡面光沢度を測定し、体質顔料の無添加のものと比べて、光沢値の変化が10未満のものを○印、10以上変化したものを×印で評価した。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のプレコート鋼板は、上塗り塗膜の樹脂や配合する体質顔料の粒子径を調整することにより発泡スチロール成形体の亀甲模様に代表される梱包資材の模様が塗膜へ転写することを防止でき、製造費や加工費も高くならない。




 

 


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