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発明の名称 処分済み廃棄物の再処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−232325(P2001−232325A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−42461(P2000−42461)
出願日 平成12年2月21日(2000.2.21)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【テーマコード(参考)】
3K061
3K065
4D002
4D004
【Fターム(参考)】
3K061 AA23 AB03 AC20 BA05 CA01 DA01 
3K065 AA23 AB03 AC20 BA05 CA01
4D002 AA21 AA29 AC04 BA02 BA04 BA12 BA13 BA14 CA06 CA07 CA13 DA03 DA11 DA24 DA41 EA02 GA02 GA03 GB03
4D004 AA36 AA43 AA46 AB03 AB07 AC05 AC08 BB03 CA28 CA29 CA30 CA41 CA47 CA48 CB09 CB34 CC06 CC11 DA02 DA06
発明者 鎌田 充彦 / 土本 正明 / 松川 英次
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 最終処分場(1)に投棄された処分済み廃棄物の再処理方法であって、前記最終処分場(1)に埋立処分された投棄廃棄物(2)を前記最終処分場(1)から掘り出し、掘り出した投棄廃棄物(2)を加熱処理炉(4)に投入して前記掘り出した投棄廃棄物(2)に加熱処理を施し、前記加熱処理炉(4)から排出される廃棄物の処理済み残渣(3)を、改めて埋立処分する処分済み廃棄物の再処理方法。
【請求項2】 最終処分場(1)に不適正に投棄された処分済み廃棄物の再処理方法であって、前記最終処分場(1)に不適正に埋立処分された投棄廃棄物(2)を前記最終処分場(1)から掘り出し、掘り出した投棄廃棄物(2)を加熱処理炉(4)に投入して前記掘り出した投棄廃棄物(2)に加熱処理を施し、前記加熱処理炉(4)から排出される廃棄物の処理済み残渣(3)を溶融処理炉(6)に投入して溶融処理を施し、前記溶融処理炉(6)から排出される溶融スラグ(7)を、改めて適正に埋立処分する処分済み廃棄物の再処理方法。
【請求項3】 前記処理済み残渣(3)に対して、前記溶融処理炉(6)に投入する前に選別処理を施して、金属残骸(5)を除去した後に前記溶融処理炉(6)に投入する請求項2記載の処分済み廃棄物の再処理方法。
【請求項4】 前記加熱処理炉(4)が、前記最終処分場(1)に仮設置される分解組立可能な可搬性の処理炉である請求項1〜3の何れか1項に記載の処分済み廃棄物の再処理方法。
【請求項5】 前記加熱処理炉(4)が、廃棄物焼却処理設備(30)に併設され、排ガス処理設備(31)を前記廃棄物焼却処理設備(30)と共用する処理炉である請求項1〜3の何れか1項に記載の処分済み廃棄物の再処理方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処分済み廃棄物の再処理方法に関し、詳しくは、最終処分場に適正に、或いは不適正に投棄された処分済み廃棄物の再処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物が投棄された最終処分場には、適正に投棄された廃棄物の他、最終処分場としての防水処理等の施されていない状態で、違法に、或いは不適正に投棄された廃棄物が処分済み廃棄物として各所に投棄されている。ところで、こうした中の不適正に投棄された処分済み廃棄物は、遮水工や浸出水処理の施されていない状態で、日本全国で500余箇所に投棄されているとされ、その環境汚染が懸念されている。また、清掃工場内及び周辺の土壌のダイオキシン類による汚染が報告されており、その対策も大きな課題となっている。こうした処分済み廃棄物を管理処分場に移すことは、少なくとも不適正に投棄された処分場と同等の容量の管理処分場が新たに必要となり、投棄場所の確保に苦慮している現状にはそぐわないという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の問題を解決するために、不適正に投棄された廃棄物を掘り起こし、これに対してキルン炉等の小型の加熱処理炉を現地に設置して前処理を施した後、処理済みの廃棄物を適正に設備した投棄場所に再度埋め立てることが一部に行われたが、前記加熱処理炉の排ガス処理等が不完全で、投棄されていた廃棄物の中には、PCBを含んでいたり、クレゾール等の有機化合物を含んでいたりするため、ダイオキシン類やその他有害物質が排ガス中に伴われて排出されるおそれがあった。また、クロム、水銀等の重金属を含む有害金属物質の処理が困難であり、飛灰以外に処理残渣にもこうした有害金属物質が残るという問題もあった。こうした有害金属物質が含まれた処理残渣を再投棄すれば、これら有害金属の土中への溶出が懸念され、再投棄のための処分場に止水工、浸出水処理等の公害防止設備を必要とする。
【0004】これら有害物質の排出を防止しながら有害金属を無害化処理するために、投棄廃棄物を溶融処理しようとすれば、排ガス処理設備を完備し、かつ溶融炉を備える廃棄物処理設備に掘り起こした投棄廃棄物を輸送する必要があり、これには輸送コストが嵩み、また、多種多様の廃棄物が含まれているために、これを焼却して溶融炉に投入する場合には、焼却残渣を溶融炉に投入する前に、この焼却残渣を分別することが必要となり、人手と時間を要するという問題や、前記溶融炉に投入された焼却残渣中に金属質のものが残存する場合には、金属の溶融に伴って溶融炉の操業が困難になるという問題が新たに生ずる。これに対処するために、このように掘り起こした処分済み廃棄物を問題なく処理できる処理設備を上述の問題を有する処分場に設置しても、その総処理量が限られているために、短期間で処理設備を廃棄しなければならず、設備コストの無駄を伴って処理コストが嵩むようになるという問題がある。因みに、日本国内における現在の最終処分場では、埋め立てた廃棄物の量が3000トン以下の規模のものが多く見られるのである。
【0005】そこで、本発明の処分済み廃棄物の再処理方法は、上記の問題点を解決し、最終処分場から搬出する投棄廃棄物を減容化でき、かつ、搬出する減容化した投棄廃棄物の性状も安定化できる手段を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】〔本発明の特徴構成〕本発明に係る処分済み廃棄物の再処理方法は、コスト上昇を抑制しながら再処理すべき処分済み廃棄物を加熱処理した後に改めて最終処分場に適正に埋立処分する点に特徴を有するものであり、夫々に以下のような特徴を備えるものである。
【0008】上記の目的のための本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の第1特徴構成は、請求項1に記載の如く、最終処分場に投棄された処分済み廃棄物を再処理するにつき、前記最終処分場に埋立処分された処分済み廃棄物である投棄廃棄物を前記最終処分場から掘り出し、掘り出した投棄廃棄物を加熱処理炉に投入して前記掘り出した投棄廃棄物に加熱処理を施し、前記加熱処理炉から排出される廃棄物の処理済み残渣を、改めて埋立処分する点にある。ここに、前記投棄廃棄物には不適正に投棄されたものの他、適正に投棄されたものも含む。
【0009】上記の目的のための本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の第2特徴構成は、請求項2に記載の如く、最終処分場に不適正に投棄された処分済み廃棄物の再処理するにつき、前記最終処分場に不適正に埋立処分された処分済み廃棄物である投棄廃棄物を前記最終処分場から掘り出し、掘り出した投棄廃棄物を加熱処理炉に投入して前記掘り出した投棄廃棄物に加熱処理を施し、前記加熱処理炉から排出される廃棄物の処理済み残渣を溶融処理炉に投入して溶融処理を施し、前記溶融処理炉から排出される溶融スラグを、改めて適正に埋立処分する点にある。
【0010】上記の目的のための本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の第3特徴構成は、請求項3に記載の如く、前記第2特徴構成における処理済み残渣に対して、溶融処理炉に投入する前に選別処理を施して、金属残骸を除去した後に前記溶融処理炉に投入する点にある。
【0011】上記の目的のための本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の第4特徴構成は、請求項4に記載の如く、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける加熱処理炉が、最終処分場に仮設置される分解組立可能な可搬性の処理炉である点にある。
【0012】上記の目的のための本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の第5特徴構成は、請求項5に記載の如く、前記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかにおける加熱処理炉が、廃棄物焼却処理設備に併設され、排ガス処理設備を前記廃棄物焼却処理設備と共用する処理炉である点にある。
【0013】〔特徴構成の作用及び効果〕上記本発明に係る処分済み廃棄物の再処理方法によれば、前記処分済み廃棄物が投棄されている最終処分場が、廃棄物を適正に投棄した場所であっても、不適正に投棄された場所であっても、再処理して投棄する処理済み残渣を減容化でき、最終処分場に新たに投棄可能な許容投棄量を生み出すもので、夫々に、以下のような独特の作用効果を奏する。
【0014】上記第1特徴構成によれば、不適正に投棄された適正に投棄された投棄廃棄物であっても、加熱処理によって減容化し、最終処分場に新たに投棄可能な許容投棄量を生み出すようになる。つまり、一旦投棄された処分済み廃棄物を加熱処理して減容化した後の処理済み廃棄物を改めて埋立処分するから、新たに廃棄物を投棄する余地を生み出すのである。また、灰分は溶融処理することが可能であり、さらに減容化でき、しかも、重金属等の有害物質の浸出のおそれもなくすることが容易になる。殊に、再処理すべき投棄廃棄物のある最終処分場に加熱処理炉を設置すれば、加熱処理後の処理済み残渣を溶融処理してさらに減容化しようとする場合でも、溶融処理設備がそこから離れた位置にあっても、投棄廃棄物を減容化して処理済み残渣とした後に輸送できるから、溶融処理のための輸送を容易にし、輸送コストを低減できる。
【0015】上記第2特徴構成によれば、不適正に投棄された投棄廃棄物を、加熱処理及び溶融処理によって減容化した溶融スラグを埋立処分するから、前記投棄廃棄物の埋立処分のための投棄量を少なくでき、不適正に投棄されていた処分場に新たに適正な処分空間を生成出来て、最終処分場に新たに投棄可能な許容投棄量を生み出す。また、前記投棄廃棄物を加熱処理の後に溶融処理するから、加熱処理炉と溶融処理炉とが離れた場所に設置されていても、減容化した後の処理済み廃棄物を輸送すればよいから、輸送の負荷を低減でき、再処理コストを低減できる。しかも、溶融スラグを再投棄するのであるから、新たに投棄する最終処分場における重金属等の有害金属物質の浸出を防止できる。従って、遮水工、浸出水処理等の液状有害物質に対する浸出防止処置への負荷を軽減できる。
【0016】上記第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成の作用効果を一層高めることが出来る。つまり、投棄廃棄物を加熱処理すれば、可燃物或いは熱分解可能な物質が分離された後であるから、金属残骸を処理済み残渣から分離し易くなり、前記金属残骸を除去した後に前記処理済み残渣を溶融処理すれば、溶融処理炉の中で溶融金属が生成して溶融処理に支障を来すことを防止できる。また、前記金属残骸が前記溶融処理炉中で溶融して、炉内における被処理物の減容が激しくなって前記溶融処理炉の操業に支障を来すことがあり、通常は予め金属類を溶融処理炉の被処理物から選別除去するが、この選別除去が容易になると共に、金属残骸として確実に金属類を除去でき、さらに可燃分は完全に灰分とするかもしくは炭化させることが出来るので、前記溶融処理炉に投入する被処理物の性状(発熱量等)比重を安定化させることが出来て、その溶融処理炉の操業を安定化させることが出来るようになる。
【0017】上記第4特徴構成によれば、上記第1特徴構成〜第3特徴構成の何れかの作用効果を奏する中で、再処理すべき最終処分場の規模に関わらず同様な処理が可能となる。つまり、最終処分場の投棄容量が大きい場合でも、通常の規模の加熱処理炉を設置すれば、数年以内に処理が完了する。これが、国内に散在する3000トン以下の投棄量の最終処分場であれば、0.5トン/h程度の小型の加熱処理炉を用いても、約3年以下の極短期間で加熱処理炉が不要になるが、その不要になる加熱処理炉を他の最終処分場における再処理に転用できるから、最終処分場における再処理の度に加熱処理設備を新たに製作して設ける必要がなく、設備コストを含む処理コストを低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】上記本発明の処分済み廃棄物の再処理方法の実施の形態の幾つかの例について、以下に、図面を参照しながら説明する。
【0019】〔第一の実施の形態〕本発明に係る処分済み廃棄物の再処理方法の第一の実施の形態は、その基本的処理の流れの例を図1に示すように、最終処分場1に投棄処分された処分済み廃棄物である投棄廃棄物2を再処理するために、前記投棄廃棄物2を前記最終処分場1から掘り出し(第一ステップ)、掘り出した投棄廃棄物2を加熱処理炉4に投入して前記掘り出した投棄廃棄物2に加熱処理を施し、可燃分を熱分解もしくは燃焼させて減容化した処理済み残渣3を生成し(第二ステップ)、前記加熱処理炉4から排出される前記処理済み残渣3を、改めて新たな処分場8に埋立処分する(第三ステップ)のである。この新たな処分場8としては、全く別の処分場を用いてもよいが、例えば図2に示すように、同一最終処分場1内で前記投棄廃棄物2を掘り出す埋立領域1aとは区画可能な新たな投棄領域1bに投棄するようにしてもよいのである。
【0020】以上のようにして、上記第二ステップに於いて前記投棄廃棄物2を加熱処理することで、掘り出した投棄廃棄物2に比して減容化した処理済み残渣3を新たな処分場8(或いは新たな処分場8としての新たな投棄領域1b)に埋め立てれば、全体として廃棄物の投棄量を減少できるから、前者の例に於いては、前記処分済み廃棄物を掘り出した最終処分場1は全体が新たな処分場8として利用でき、前記処理済み残渣3を投棄する新たな処分場8は、前記投棄廃棄物2より投棄量を少なくできるから、全体としての廃棄物の処分量を大きくできる。殊に、後者の例によれば、前記投棄廃棄物2を、新たに処分場8を求めなくても前記投棄廃棄物2を掘り出した埋立領域1aよりも小容量の新たな投棄領域1bに処分できるから、その最終処分場1において後から投棄できる廃棄物の処分量を実質的に増大できる。つまり、投棄廃棄物2には不適正に投棄されたものの他、適正に投棄されたものも含むが、適正に投棄された投棄廃棄物2を対象とした場合でも、前記第二ステップで加熱処理によって減容化出来て、最終処分場1に新たに投棄可能な許容投棄量を生み出すことが出来るのである。尚、前記加熱処理炉4は、前記投棄廃棄物2を加熱して、燃焼させ、或いは乾留し、前記投棄廃棄物2中の有機物を燃焼或いは部分燃焼させるものを指し、キルン炉或いはばい焼炉等が好適に用いられる。
【0021】例えば図3に示すように、前記処分済み廃棄物を掘り出す最終処分場1に仮設置される可搬性の加熱処理炉4を備える分解組立可能な加熱処理装置を用いて前記投棄廃棄物2を処理すれば、排ガス処理も出来ながら前記最終処分場1が小規模のものであっても、処理終了後に前記加熱処理炉4を廃棄することなく前記加熱処理装置を分解して他の処分場に移設できて好都合である。前記加熱処理装置は、加熱処理炉4と、この加熱処理炉4から排出される有害な汚染物質を含む排ガスから前記汚染物質であるダイオキシン類を除去する後述の第一ガス処理装置P1と、前記加熱処理炉4から排出される有害な汚染物質を含む排ガスから前記汚染物質である水銀を除去する後述の第二ガス処理装置とを切替接続可能に構成してあり、前記汚染物質のうちダイオキシン類を前記第一ガス処理装置P1により除去するダイオキシン除去状態と、前記汚染物質のうち水銀を前記第二ガス処理装置により除去する水銀除去状態とに切り替え自在に構成してある。前記加熱処理炉4は、キルン10で構成してある。
【0022】前記キルン10は、トラックで運搬可能な大きさのロータリキルンであって、例えば図4及び図5に示すように、横置き円筒形の炉本体12と、この炉本体12で囲まれた炉内に軸心方向に挿入され、炉内を加熱するラジアントチューブ13(図7参照)と、炉内の一端部側の被処理物供給部11に被処理物として前記投棄廃棄物2を供給する供給フィーダ16と、炉内で生成する排出ガスを排出する排気口14と、その排気口14を備える他端部側に設けられた排出部15から加熱処理を終えた処理済み残渣3を排出する排出コンベア17とを備えている。前記供給フィーダ16はスクリューフィーダで構成し、その排出端部を前記被処理物供給部11に接続するが、前記被処理物供給部11に対して、縦軸周りに接続方位角を変更自在に接続できるように構成してある。また、前記排出コンベア17も複数のスクリューコンベアで構成してある。さらに、前記排出コンベア17を構成する搬送終端側に配置されるスクリューコンベアの出口部18には、図6に示すように、ロータリバルブ19を備えている。前記排出側のスクリューコンベアは、前記キルン10の排出部15に接続された上流側のスクリューコンベアの排出筒17aに対して縦軸周りに方位角度を変更自在に接続してある。このキルン10は、前記投棄廃棄物2にダイオキシン生成物質或いはダイオキシン類が含まれている場合には、そのダイオキシン生成物質或いはダイオキシン類を蒸発分離できるように、炉内温度を500〜600℃に調節して運転される。また、前記投棄廃棄物2中に水銀が含まれている場合には、その水銀を蒸発分離できる300℃に炉内温度を調節して運転される。
【0023】前記第一ガス処理装置P1は、例えば図7に示すように、前記キルン10の排気口14から排出される排出ガスをバーナ22による燃焼火炎と接触させて、前記排出ガスの温度を900℃以上に維持し、前記排出ガス中のダイオキシン類を加熱分解する二次燃焼室21と、その二次燃焼室21からの燃焼排ガス中に水を噴霧して、前記燃焼排ガスを250℃以下、好ましくは160℃程度に急冷して、前記燃焼排ガスの冷却過程でダイオキシン類が再合成されることを防止する冷却塔23と、その冷却塔23で冷却した排ガス中のダストを捕集除去するバグフィルタ24と、そのバグフィルタ24を通過したダイオキシン類を吸着除去する活性炭吸着塔25とで構成してある。前記排ガスは、吸引ブロワー29により吸引されて煙突に排出される。この第一ガス処理装置P1を前記キルン10に接続した燃焼処理装置は、例えば図8に示すように平面配置される。前記二次燃焼室21、前記冷却塔23、前記バグフィルタ24、前記活性炭吸着塔25を夫々接続する位置関係は任意に選択できる。尚、図示の例に於いては、前記吸引ブロワー29は前記活性炭吸着塔25の下に配置されている。
【0024】前記キルン10に投入される投棄廃棄物2が可燃性物質を多く含む場合には、前記可燃性物質を熱分解させ、前記二次燃焼室21で、前記キルン10からの排出ガスに空気を加えて自燃させ、所定の温度に維持するようにしてもよく、また、前記投棄廃棄物2中の可燃性物質を炉内で燃焼させてもよい。前記キルン10内に投入された投棄廃棄物2を熱分解させる場合には、炉内への空気供給を断ち、前記ラジアントチューブ13(図7参照)による熱供給で炉内温度を維持する。前記ラジアントチューブ13への燃料ガスには、炉内からの熱分解ガスを清浄化して用いることも可能である。また、前記キルン10内で投棄廃棄物2中の可燃物を燃焼させる場合には、炉内に空気を供給して前記可燃物を燃焼させ、炉内温度が所定範囲に維持できるようになれば、前記ラジアントチューブ13による加熱を停止する。この場合には、前記二次燃焼室21のバーナ22は消火することなく、そのバーナ22による火炎の熱により、前記キルン10からの排出ガスを所定温度に維持する。
【0025】投棄廃棄物2中の水銀が問題になるほど多くない場合には、加熱処理装置ではダイオキシン除去状態が選択される。前記ダイオキシン除去状態では、キルン10の排気口14は第一ガス処理装置P1の二次燃焼室21に接続を切り替える。そして、炉内で可燃物を燃焼させる場合に於いても、可燃物を乾留する場合に於いても、炉内温度を500〜600℃に維持して、前記投棄廃棄物2中のダイオキシン類を蒸発させて生成する処理済み残渣3から分離する。この炉内で生成する排出ガスは、前記二次燃焼室21内で前記バーナ22による火炎の燃焼熱或いは排出ガス自身の自然による燃焼熱によって900℃以上に加熱され、その温度に維持されて、前記蒸発分離した燃焼ガス中のダイオキシン類を加熱分解した後、前記二次燃焼室21からの燃焼排ガスは、前記冷却塔23内で水の噴霧により急冷されて、250℃以下に冷却される。ここで、前記燃焼排ガスは、デノボ生成の温度域を急速に温度低下することで、前記二次燃焼室21内で分解したダイオキシン類を冷却過程で再合成することが防止できる。しかし、極微量ではあるが未分解のダイオキシン類が残存している可能性があるから、煤塵等をバグフィルタ24で除去した後に、前記バグフィルタ24を通過した残存ダイオキシン類を活性炭吸着塔25で吸着除去する。このようにして有害物質の排出を防止しながら、処理する投棄廃棄物2を減容化するのである。
【0026】例えば図9に示すように、前記第二ガス処理装置P2は、前記キルン10からの排出ガス中の煤塵等を除去する高温バグフィルタ26と、この高温バグフィルタ26で除塵後の排出ガスを過マンガン酸カリウム溶液と接触させて水銀を除去する湿式洗浄装置27と、この湿式洗浄装置27で水銀を除去した後の排ガス中に残存する水銀を吸着除去する活性炭吸着塔28とで構成してある。前記排ガスは、吸引ブロワー29により吸引されて煙突に排出される。
【0027】前記掘り出した投棄廃棄物2中に水銀が存在するおそれのある場合には、先ず前記加熱処理装置では前記水銀除去状態が選択される。この水銀除去状態では、前記キルン10の排気口14は第二ガス処理装置P2の高温バグフィルタ26に接続を切り替える。そして、炉内で可燃物を燃焼させる場合に於いても、可燃物を乾留する場合に於いても、炉内に水蒸気を供給しながらラジアントチューブ13による加熱により炉内温度を約300℃に維持して水銀を蒸発させる。この状態では一部の可燃物が熱分解するが、このキルン10からの排出ガスを高温バグフィルタ26で除塵した後、湿式洗浄装置27に導き、バブリングさせて過マンガン酸カリウム溶液と導いた排出ガス中の水銀とを反応させ、前記排出ガスから水銀を除去する。尚、この湿式洗浄装置27で完全に水銀を除去できない場合があるので、水銀除去後の排ガスを活性炭吸着塔28に導き、残存する水銀を活性炭に吸着させて、水銀を十分に除去した後の排ガスを煙突に送り出す。
【0028】上記のようにして水銀を除去した後、加熱処理装置をダイオキシン除去状態に切り替え、前記キルン10の排気口14を第一ガス処理装置P1の二次燃焼室21に切り替え接続し、上述のダイオキシン除去状態の説明と同様に処理する。
【0029】前記キルン10、前記二次燃焼室21、前記冷却塔23、前記バグフィルタ24、前記第一ガス処理装置P1の活性炭吸着塔25、前記高温バグフィルタ26、前記湿式洗浄装置27、前記第二ガス処理装置P2の活性炭吸着塔28は、何れもトラックで運搬可能な大きさのものであって、何れも運搬設置が容易なように、フレームに支持させてあり、夫々を流路接続するダクト20を流路方向に分割して、相互に接続・取り外し自在に構成してある。従って、これらを前記キルン10と共に、夫々をトラックに乗せて運搬し、対象の最終処分場1に搬入して組み立て、投棄廃棄物2を逐次掘り出して加熱処理することが出来る。また、前記ダクト20は、後続の機器を異なる方向にでも接続可能なように分割して連結するようにしてある。
【0030】〔第二の実施の形態〕本発明に係る処分済み廃棄物の再処理方法の第二の実施の形態は、その処理の流れを図10に示すように、最終処分場1に不適正に投棄された処分済み廃棄物である投棄廃棄物2を再処理するために、前記投棄廃棄物2を前記最終処分場1から掘り出し(第一ステップ)、掘り出した投棄廃棄物2を加熱処理炉4に投入して前記掘り出した投棄廃棄物2に加熱処理を施してガス化可能なものを気体として分離して減容化した処理済み残渣3を生成し(第二ステップ)、前記加熱処理炉4から排出される廃棄物の処理済み残渣3を溶融処理炉6を備える廃棄物処理施設9に移送し(第三ステップ)、前記溶融処理炉6に投入して溶融処理を施し(第四ステップ)、前記溶融処理炉6から排出される溶融スラグ7を、新たな処分場8に運搬して(第五ステップ)、改めて新たな処分場8に適正に埋立処分する(第六ステップ)のである。
【0031】以上のようにして、不適正に投棄された投棄廃棄物2を、上記第二ステップに於いて加熱処理することで、掘り出した投棄廃棄物2に比して減容化した処理済み残渣3となるから、前記処理済み残渣3を前記廃棄物処理施設9に移送する運搬量を少なくでき、上記第四ステップに於いて前記廃棄物処理施設9で溶融処理炉6に前記処理済み残渣3を投入して溶融処理すれば、前記溶融処理炉6から排出される溶融スラグ7が前記処理済み残渣3に比してさらに減容化し、新たな処分場8に投棄処分する廃棄物の量を少なくできるから、前記新たな処分場8には元の最終処分場1に比して小さな処理容量でよく、しかも、再処理後には元の最終処分場1は管理処分場としても新たな廃棄物を投棄できるから、全体として最終処分場1に新たに投棄可能な許容投棄量を生み出す。尚、前記処理済み残渣3に対して、前記溶融処理炉6に投入する前に前記第四ステップに先立ち、選別処理を施して金属残骸5を除去した後に前記溶融処理炉6に投入することが好ましい(図11参照)。前記選別処理に先立ち加熱処理を施してあることで非金属物質から金属残骸5を分離し易くなっており、前記選別処理に於いて加熱処理後の処理済み残渣3から金属残骸5を選別することは容易となる。前記金属残骸5は回収金属として再利用してもよいが、最終処分場1に投棄処分してもよい。
【0032】前記金属残骸5を除去した後の処理済み残渣3は、前記加熱処理が燃焼を伴うものであれば、主として不燃物であり、性状が安定化されているから、前記溶融処理炉6の操業条件が安定する。また、前記加熱処理が乾留処理であれば、前記処理済み残渣3には多くの炭素質物質が含まれるが、乾留残渣であるから、急激な燃焼反応はなく、可燃物を許容する溶融処理炉6を用いれば、操業に大きな支障は来さない。尚、前記加熱処理炉4が、上記第一の実施の形態に示したような、前記最終処分場1に仮設置される分解組立可能な可搬性の処理炉であればさらに好ましい。
【0033】上記両実施の形態に於いては、加熱処理炉4としてキルン10を用いてあるから、処分場への投棄或いは溶融処理炉6への投入に際して、性状の安定した処理済み残渣3が得られるという特徴を備えている。つまり、最終処分場1へはダンプカーなどの運搬車両を用いて廃棄物を投入するのであるが、前記運搬車両毎に或る程度同質の廃棄物が投棄され、その結果、投棄廃棄物2は掘り出す位置によって異なる種類の廃棄物に偏って掘り出されることになる。従って、これを再投棄する場合にも、溶融処理炉6に投入する場合にも、廃棄物の種類が偏在するようになりやすいが、加熱処理をキルン10によって施せば、炉体が回転しているから、前記投棄廃棄物2が炉内で攪拌されて、排出される処理済み残渣3は時間経過に関わらず均質化されたものとなるのである。従って、最終処分場1における土質は偏りのないものになり、また、溶融処理炉6に投入した場合にも、炉に対する負荷変動が抑制され、炉の操業を安定して行えるようになるのである。尚、前記加熱処理炉4が多段式のばい焼炉であっても、ばい焼中に攪拌されるから、上記実施の形態におけると同様の効果を発揮する。
【0034】〔別実施形態〕上記実施の形態に於いては、加熱処理炉4を処理対象の最終処分場1に設置する例について説明したが、前記加熱処理炉4が、廃棄物焼却処理設備30に併設され、排ガス処理設備31を前記廃棄物焼却処理設備30と共用する処理炉であってもよい。例えば、処理の流れを図11に示すように、最終処分場1に投棄処分された投棄廃棄物2を再処理するために、前記投棄廃棄物2を前記最終処分場1から掘り出し(第一ステップ)、前記掘り出した投棄廃棄物2を前記廃棄物焼却処理設備30に移送し(第二ステップ)、前記移送した投棄廃棄物2を前記廃棄物焼却処理設備30に併設された、或いは前記廃棄物焼却処理設備30の備える加熱処理炉4に投入する(第三ステップ)ようにしてもよい。その後に処理済み残渣3を埋立処分してもよく、また、前記処理済み残渣3を溶融処理した後に、溶融スラグ7を埋立処分するようにしてもよい。このようにすることで、前記廃棄物焼却処理設備30への投棄廃棄物2の運搬量は減量できなくても、例えば図12に示すように、前記加熱処理炉4から排出される排出ガスを処理するための排ガス処理設備31が前記廃棄物焼却処理設備30と共用できるから、加熱処理に伴う排出ガスの処理設備を簡素化できる。仮に、前記廃棄物焼却処理設備30に加熱処理炉4を備えていなくても、上記実施の形態に説明したような可搬性のキルン10等、移動可能な可搬性の加熱処理炉4を用いて、前記廃棄物焼却処理設備30の備える排ガス処理設備31に接続すればよいのである。このように、可搬性の加熱処理炉4を用意しておけば、処理対象の最終処分場に最寄りの廃棄物焼却処理設備を利用することが出来るのである。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、簡便な溶融処理炉を用意するだけで、不適正に埋立処分された投棄廃棄物を適正に処理することが出来る上に、最終処分場の許容処分量をことさら増大することなく、従来よりも多くの廃棄物を処分できるようになる。
【0036】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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