米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 株式会社クボタ

発明の名称 金属−セラミックス複合体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−121251(P2001−121251A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−303777
出願日 平成11年10月26日(1999.10.26)
代理人 【識別番号】100084238
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 新八郎
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018 AB01 AB02 AB03 BC12 CA11 FA35 FA36 KA23 KA32 
発明者 浅野 壮一 / 小阪 晃 / 岡野 宏昭 / 船越 淳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 多孔質セラミックス焼結体の気孔内に金属溶湯を含浸することにより形成された金属/セラミックス複合組織を有する複合体において、光学顕微鏡による複合組織の観察視野内に直線を描き、直線と交叉する各金属部(又はセラミックス部)の直線上の長さを測定し、各金属部(又はセラミックス部)の長さの総和を直線上の金属部(又はセラミックス部)の総数で除した値を、組織の大きさの平均値とするとき、複合体の板面に平行な面における、任意方向に描いた直線について測定される組織の大きさの平均値Dpと、該直線と直交する向きの直線について測定される組織の大きさの平均値Dpとの比Pp(但し,DpとDpのうち数値の大きい方を分子とする)が 1.5以下であると共に、複合体の板面と直交する向きの面における、板厚方向に描いた直線について測定される組織の大きさの平均値Dsと、該直線と直交する向きの直線について測定される組織の大きさの平均値Dsとの比Ps(但し,DsとDsのうち数値の大きい方を分子とする)が 1.5以下である複合組織を有する金属−セラミックス複合体。
【請求項2】 多孔質セラミックス焼結体が、炭化珪素,窒化珪素,窒化アルミニウム,アルミナから選ばれる1種または2種以上の混合物からなり、金属がアルミニウムもしくはその合金又は銅もしくはその合金である請求項1に記載の金属−セラミックス複合体。
【請求項3】 熱伝導率 150W/m・K以上,熱膨張率 4×10−6〜8×10−6/Kである請求項2に記載の金属−セラミックス複合体。
【請求項4】 金属溶湯を加圧含浸してなる請求項1ないし3項のいずれか1項に記載の金属―セラミックス複合体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高熱伝導と低熱膨張の両特性を備え、ヒートシンク、特に電子機器の半導体素子搭載用基板,放熱基板,パッケージ材料等として、また軽量性により高出力型インバータなどパワーモジュールの構成部品材料等として有用な金属−セラミックス複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体分野では、集積回路チップの高密度集積,高速演算化、更に高出力型インバータ等のパワーデバイスの用途拡大等に伴い、半導体素子の発熱量は増加の一途にある。発熱による昇温は、誤動作、回路の破壊(熱応力による素子と基板との界面の剥離等)の原因となる。この不具合を防止し動作特性を安定に維持せしめるには、半導体素子搭載用基板は素子の発生熱を効果的に放散させ得る高い熱伝導率と、半導体素子(シリコン等)に近似した低熱膨張率を有することが要求される。
【0003】従来使用されているセラミックス基板や樹脂基板等は、熱伝導率が低く、放熱特性の点で十分とはいえない。その改良として、金属とセラミックスとからなる複合材料の適用が試みられている。これは、セラミックスと金属との複合効果として、高熱伝導率とセラミックス基板に近似した低熱膨張とを具備させることを意図するものである。この複合体の製造法として、多孔質セラミックス焼結体をプリフォームとし、その気孔内に金属の溶湯を非加圧条件下に含浸させる方法(特許第2801302号公報)、または加圧含浸させる方法(例えば,特開平11−116361号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属−セラミックス複合体をヒートシンクとして効果的に機能させ、工業的応用の拡大多様化を可能とするには、高熱伝導率と低熱膨張率、および損傷を生じ難い安定性を保持するための強度等が付与されると共に、これら諸特性のバラツキの小さい安定した品質が確保されなければならない。本発明者等は、上記目的のもとに種々検討を重ねた結果、金属/セラミックス複合組織の均質性を定量的に表示する特定の数値を指標とすることにより、複合体の諸特性を的確に評価判定し、高品質を確保することが可能になるという知見を得た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔質セラミックス焼結体の気孔内に金属溶湯を含浸することにより形成された金属/セラミックス複合組織を有する複合体において、光学顕微鏡による複合組織の観察視野内に直線を描き、直線と交叉する各金属部(又はセラミックス部)の直線上の長さを測定し、各金属部(又はセラミックス部)の長さの総和を直線上の金属部(又はセラミックス部)の総数で除した値を、組織の大きさの平均値とするとき、複合体の板面に平行な面における、任意方向に描いた直線について測定される組織の大きさの平均値Dpと、該直線と直交する向きの直線について測定される組織の大きさの平均値Dpとの比率Pp(但し,DpとDpのうち数値の大きい方を分子とする)が 1.5以下であると共に、複合体の板面と直交する向きの面における、板厚方向に描いた直線について測定される組織の大きさの平均値Dsと、該直線と直交する向きの直線について測定される組織の大きさの平均値Dsとの比率Ps(但し,DsとDsのうち数値の大きい方を分子とする)が 1.5以下である 組織的均一性を有している。
【0006】多孔質セラミックス焼結体に金属を含浸して形成される複合体は、セラミックス焼結体(三次元網目構造体)と金属(含浸経路に沿う三次元連続形態を有する)とからなる複合組織を有する。その複合組織の金属とセラミックスの分布にムラがあると、熱伝導率の部分的な高低の差異となり、熱膨張も同様に場所によりバラツキを生じ、製造工程での反り変形や半導体基板等の実使用に必要なめっき性に悪影響を及ぼす。セラミックスの比率が大きい部分は相対的に強度が低く、加熱・冷却に伴う熱応力が集中し破壊の起点となる。また、複合体の面方向と板厚方向とにおける金属とセラミックスの分布が異なると、その異方性は実使用時の熱応力による複合体の破壊を引き起こす原因となる。複合体のこのような物性のバラツキ・欠陥は、複合組織の均一性を表示する前記PpおよびPsの規定を満たすことにより回避され、その複合組織に基づく高熱伝導率・低熱膨張率および機械強度等の諸特性が高位安定化される。
【0007】
【発明の実施の形態】複合体の組織の大きさの測定は、複合体の板面に平行な向きの面(以下「平面」とも称する)と、板面に垂直な向きの面(以下「板厚面」とも称する)のそれぞれについて行われる。図1は、組織の大きさの測定要領を模式的に示している。Pは複合体(10)の平面、Sは板厚面である。平面Pおよび板厚面Sのそれぞれは、検鏡面として、金属部とセラミックス部とが明瞭に識別され得るように、予め適宜の研磨処理が施されている。組織の大きさを求めるための計測は、組織を構成する金属部(11)とセラミックス部(12)のいずれか一方を選んで行う。いずれを選ぶかは任意であるが、ここでは金属部(11)を計測対象として説明する。
【0008】まず、複合体の平面Pにおける組織の大きさの測定について説明する。光学顕微鏡による平面Pの観察視野内の組織面に、任意の方向の直線Lpを描き、該直線Lpが各金属部(11,11…11)と重なっている各部分の線分の長さ(a,a,…a)を、各金属部の大きさの代用値として計測する。その総和を直線Lp上の金属部の総個数(n)で除した値Dpを、直線Lp上の組織の大きさの平均値とする(式[1])。また、上記直線Lpと直交する向きに描いた直線Lpが横切る各金属部(11,11…11)について、上記と同じように各金属部と重なっている線分の長さ(b,b,…b)を計測し、その総和をその金属部の総個数(n)で除した値Dpを、直線Lp上の組織の大きさの平均値とする(式[2])。そして、DpとDpとの比Ppを、板面の組織の均一性の程度を表す指数とし、この値を1.5以下に規定する(式[3])。
【0009】
Dp=(a+a+…+a)/n … [1]Dp=(b+b+…+b)/n … [2]Pp = Dp/Dp ≦ 1.5 … [3](但し、Ppの算出は Dp,Dpのうち数値の大きい方を分子とする)
【0010】板厚面における組織の平均の大きさと均一性の指標は次のように求める。板厚面Sの顕微鏡観察視野内の組織面に、板厚方向の直線Ls1を描き、各金属部(11,11…11)と重なっている各部分の線分の長さ(c, c,…c)を計測し、その総和を金属部の総個数(n)で除した値Dsを、直線Ls上の組織の大きさの平均値とする(式[4])。また、上記直線Ls1と直交する向き(板面と平行)の直線Ls2と重なる各金属部(11,11…11)の線分の長さ(d,d,…d)を計測し、その総和をその金属部の総個数(n)で除した値Dsを、直線Ls上の組織の大きさの平均値とする(式[5])。そして、DsとDsとの比Psを、板厚面の組織の均一性の程度を表す指数とし、この値を1.5以下に規定する(式[6])。
【0011】
Ds=(c+c+…+c)/n … [4]Ds=(d+d+…+d)/n … [5]Ps = Ds/Ds ≦ 1.5 … [6](但し,Psの算出は Ds,Dsのうち数値の大きい方を分子とする)
【0012】組織の計測算定を、複合体の平面と板厚面のそれぞれについて行うこととしているのは、平面に観察される組織と板厚面に観察される組織とが必ずしも同一ではなく、一方の面の計測算定だけでは、組織の均一性を正当に評価することができないからである。この平面と板厚面の組織の相違は、金属溶湯の含浸処理におけるプリフォーム(多孔質セラミックス焼結体)内への溶湯含浸に異方性を伴うことに起因している。これは、板幅方向(ないし板長さ方向)に比し、板厚方向の溶湯含浸の行程が短く含浸抵抗が相対的に低いためであり、プリフォームの強度が低い場合の溶湯含浸は主として板厚方向に進行する。この溶湯の含浸形態に付随して、形成される複合体の平面の組織と板厚面とにおける組織の相違が生じる。
【0013】また、複合体の板厚面の組織において、その組織を計測するための2つの直線LsとLsの一方の直線を板厚方向(従って他方は板面に平行)と規定しているのは、板厚方向と平面方向との組織の異方性(前述の溶湯含浸形態に起因する)を包括した指数Ppを得るためであり、他方平面の組織観察では、直交する2つの直線Lp,Lpの描画を任意方向としているのは、上記板厚面と異なって平面の組織が等方的であるからである。
【0014】組織の均一性指数Pp,Psを求めるための平面及び板厚面の組織の計測算定は、画像処理装置を用いて行うことができ、あるいは複合体の平面および板厚面のそれぞれの組織を撮像した顕微鏡写真上に直線を描いて計測・算出するようにしてもよい。組織の観察および指数の計測算定は、数値の信頼性を高めるために、倍率は50倍以上、直線の長さは、直線上の金属部(11)の総個数が10個以上である長さとするのが好ましい。セラミックス部(12)を計測対象とする場合も同じである。
【0015】複合体のセラミックスの材種は、窒化アルミニウム(AlN),アルミナ(Al),窒化珪素(Si),炭化珪素(SiC)等が挙げられる。これらは比較的高い熱伝導率を有し、複合体の熱放散性を高める点で有利である。金属は、高熱伝導率、好ましくは180W/m・K以上の熱伝導率を有する材種が使用される。具体例として、アルミニウムを主成分とする金属(純アルミニウム,アルミニウム合金)、銅を主成分とする金属(純銅,銅合金)等が挙げられる。
【0016】プリフォーム(多孔質セラミックス焼結体)の気孔径,気孔率は、複合体の組織性状に影響する。プリフォーム内に空隙を残さず溶湯が緻密に含浸されるように、気孔径は7μm以上であることを要する。しかし、粗大な気孔が分散すると、プリフォームの強度が不足し、溶湯含浸の圧力作用でプリフォームの亀裂(セラミックス粒子結合部の切断)や破損を生じ易くなるので50μm以下とすべきである。プリフォーム内の亀裂は、製品複合体の熱膨張率、機械強度を損なう要因となる。製品複合体の低熱膨張率,機械強度等の確保の観点から、気孔径は10〜30μmであるのが好ましい。また、複合体の金属含有率はプリフォームの気孔率に等しい。金属含有率の増加に伴い、熱伝導率は高く熱膨張率は大きくなる。高熱伝導率と低熱膨張率の両特性をバランスよく兼備させるには、金属含有率を20〜45体積%とするのが好ましい。このプリフォームの気孔径,気孔率は、焼結原料であるセラミックスの粒度調整,焼結条件等により制御される。
【0017】金属溶湯の含浸方法は、特に限定されないが、ダイキャスト,スクイズキャスト等の加圧鋳造法を適用することにより、効率よく含浸処理を達成することができる。アルミニウムを主成分とする金属の加圧含浸処理は、例えば、加圧力約50〜100MPa、含浸速度(金型湯口鋳込み速度)約1.0m/秒以下に制御される。加圧保持時間は約5〜15秒とすればよい。なお、加圧鋳造法を適用する場合、金型のキャビティの形状設計により、キャビティ内のプリフォームへの金属の含浸と同時にフィンの鋳造を行わせ、フィン付き複合体を得ることもできる。
【0018】本発明によれば、複合組織の均一性を表示する前記指数PpおよびPsの規定を満たすことにより、金属/セラミックスの複合組織に基づく材料特性が十分に発現される。アルミニウムや銅を主成分とする金属を含浸した複合体では、150W/m・K以上の高熱伝導率および4×10−6〜8×10−6/Kの低熱膨張率等、半導体装置等のヒートシンクに望まれる諸特性を確保することができる。
【0019】
【実施例】多孔質セラミックス焼結体(板状体)をプリフォームとし、加圧鋳造機(スクイズキャスト)の金型内に設置して金属溶湯を加圧含浸して複合体を得る。
(1) プリフォーム材 種:炭化珪素(SiC)
サイズ:幅100×長さ150×厚さ5(mm)
【0020】(2) 含浸処理金 属:アルミニウム加圧力:70〜100MPa加圧保持時間:15秒【0021】表1に、各供試材について、組織の均一性を表示する指数Pp,Psおよび物性等を一括して示す。発明例は、高熱伝導率,低熱膨張率,高強度等の諸特性を兼ね備えている。本発明の組織均一性指数Pp,Psの規定を満足しない比較例との差異は明瞭である。
【0022】
【表1】

【0023】
【発明の効果】本発明によれば、金属−セラミックス複合体の諸特性を的確に評価判定することができ、半導体装置を構成する素子搭載基板,パッケージ材料等のヒートシンクに望まれる高熱伝導率,低熱膨張率,高強度等の諸特性を保証し、複合体の工業部材としての信頼性を高めることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013