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半導体素子用放熱基板 - 株式会社クボタ
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発明の名称 半導体素子用放熱基板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−105124(P2001−105124A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−282605
出願日 平成11年10月4日(1999.10.4)
代理人 【識別番号】100084238
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 新八郎
【テーマコード(参考)】
4K020
5F036
【Fターム(参考)】
4K020 AA22 AB01 AC01 AC04 BA02 BB26 
5F036 AA01 BB05 BB08 BD01 BD03 BD13
発明者 浅野 壮一 / 小阪 晃 / 岡野 宏昭 / 船越 淳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一方の表層がセラミックス単一層、中間層および他方の表層が金属含浸層であるセラミックス−金属複合体からなる半導体素子用放熱基板であって、緻密層である一方の表層と、該一方の表層から他方の表層に向かって気孔率が漸次増加している多孔層を有するセラミックス焼結体をプリフォームとし、プリフォームの多孔層内に金属を含浸してなる半導体素子用放熱基板。
【請求項2】 一方の表層がセラミックス単一層、中間層および他方の表層が金属含浸層であるセラミックス−金属複合体からなる半導体素子用放熱基板であって、第1のセラミックスからなる緻密層である一方の表層と、該一方の表層から、第2のセラミックスからなる他方の表層に向かって、気孔率および第1のセラミックスと第2のセラミックスとの混合量比[第2のセラミックス/第1のセラミックス(体積比)]が漸次増加している多孔層とを有するセラミックス焼結体をプリフォームとし、プリフォームの多孔層内に金属を含浸してなる半導体素子用放熱基板。
【請求項3】 セラミックスは、1014Ω・cm以上の比抵抗を有する、窒化アルミニウム,窒化珪素もしくはアルミナ、または1010Ω・cm以上の比抵抗を有する炭化珪素、金属は180W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性金属 である請求項1に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項4】 第1のセラミックスは、1014Ω・cm以上の比抵抗を有する、窒化アルミニウム,窒化珪素もしくはアルミナ、第2のセラミックスは130W/m・K以上の熱伝導率を有する炭化珪素、金属は180W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性金属 である請求項2に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項5】 セラミックス単一層の熱膨張率が3×10−6〜8×10/K、熱伝導率が40W/m・K以上、金属含浸層の表層の熱伝導率が150W/m・K以上であり、セラミックス単一層から金属含浸層の表層に向かって熱膨張率が漸次増加している請求項3又は請求項4に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項6】 金属はアルミニウムもしくはアルミニウム合金であり、金属含浸層の表層の熱伝導率が150W/m・K以上である請求項5に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項7】 金属は銅もしくは銅合金であり、金属含浸層の表層の熱伝導率が180W/m・K以上である請求項5に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項8】 金属含浸層の表層に、金属からなる層状またはフィン形状を有する放熱層が積層形成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項9】 放熱層は180W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性金属からなる請求項8に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項10】 放熱層は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなり、180W/m・K以上の熱伝導率を有する請求項9に記載の半導体素子用放熱基板。
【請求項11】 放熱層は、銅もしくは銅合金からなり、240W/m・K以上の熱伝導率を有する請求項9に記載の半導体素子用放熱基板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高熱伝導率と低熱膨張率とを備えた、セラミックス−金属複合材料からなる半導体素子用放熱基板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の集積回路チップは、高密度集積・高速度演算等に伴い、半導体素子からの発熱密度が飛躍的に増大している。チップの昇温は誤動作の原因となり、チップ(シリコン等)とこれを搭載する基板との熱膨張率の差異による熱応力は、チップの剥離の原因となる。従って、基板は素子の発生熱を効果的に放散させ得る高い熱伝導率を有すると同時に、半導体素子の熱膨張率に近似した低熱膨張率を具備することが要求される。
【0003】従来より使用されているセラミックス基板や樹脂基板等は、熱伝導率が低く、放熱特性は十分でない。その改良材として、金属とセラミックスとからなる複合材料の適用が試みられている。例えば、アルミニウムや銅などの金属粉末とセラミックスの粉末の混合物を原料とし、焼結体として複合材料を製造する(特開平9−232483号公報,特開平10−231175号公報等)、セラミックスからなる多孔質体をプリフォームとし、これに金属の溶湯を自発含浸させて複合材料を得る(特許第2801302号公報)等の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セラミックス−金属 複合材料からなる放熱基板について、その熱放散性と低熱膨張性とを改良ことを目的とするものであり、セラミックスと金属の複合構造を制御することにより、その目的を達成し得るとの知見に基づいて完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体素子用放熱基板は、一方の表層が緻密質であり、他方の表層に向かって気孔率が漸次増加している多孔層を有するセラミックス焼結体をプリフォームとし、その多孔層内に金属を含浸することにより形成されるセラミックス−金属複合体である。この放熱基板は、一方の表層がセラミックス単一層であり、中間層および他方の表層がセラミックスと金属とからなる混合層(金属含浸層)であると共に、金属含浸層におけるセラミックスと金属の量比[金属/セラミックス(体積比)](金属含有率)が、セラミックス単一層の側から金属含浸層の表層に向かって層厚方向に漸次増加した傾斜構造を有している。
【0006】本発明の放熱基板は、所望により、プリフォームとして、一方の表層が第1のセラミックスからなる緻密層であり、該表層から第2のセラミックスからなる他方の表層に向かって、気孔率および第1と第2のセラミックスの配合量比[第2のセラミックス/第1のセラミックス(体積比)]が漸次増加している多孔層を有するセラミックス焼結体が使用される。このプリフォームの多孔層内に金属を含浸することにより形成される放熱基板は、層厚方向に、セラミックスの組成および金属含有率が漸次変化した傾斜構造を有している。
【0007】また、本発明の放熱基板は、所望により、金属含浸層の表層に金属からなる層状またはフィン形状の放熱層を積層形成された形態が与えられる。放熱基板のセラミックス単一層は半導体素子の搭載面となる側の層であり、金属含浸層の表層は放熱面となる側の層である。金属含浸層に、金属からなる層又はフィンが積層形成された放熱基板ではこの金属部分が放熱面となる。
【0008】本発明の放熱基板は、プリフォーム(セラミックス焼結体)の多孔層内に金属を含浸したセラミックス−金属複合体であることにより、金属は、多孔層(セラミックスからなる三次元網目構造)の網目を含浸経路とする連続形態を有すると共に、網目構造に包囲拘束された形態を有する。セラミックスの網目構造内に金属が包囲拘束されていることは、金属の熱膨張を抑制し、放熱基板の熱膨張率を低く維持することに奏効し、金属が連続形態を有していることは、放熱基板内の熱伝導性を高めるのに有利である。
【0009】放熱基板の一方の表層をセラミックス単一層としているのは、半導体素子の搭載面として必須の電気絶縁性を確保し、かつ該表層の熱膨張率を半導体素子のそれに近似させるためである。また、金属含浸層の金属含有率が、放熱面となる側に向かって漸次増加した傾斜構造を有していることにより、層厚方向の熱膨張率の変化は緩徐であり、熱膨張率の差に起因する応力が緩和される。金属含浸層を構成するセラミックスと金属の材種の選択及び金属含有率の調節により、放熱基板に要求される高熱伝導率と低熱膨張率の両特性をバランスよく具備させることができる。プリフォームとして複数のセラミックス材種からなる焼結体を使用する場合は、その材種の選択と組み合わせにより、熱伝導率と熱膨張率とを制御するための基板の設計の自由度が増し、その制御が容易になる。また、金属含浸層に金属からなる層又はフィンを積層形成して放熱層とすることは、基板の熱放散性を高めるの有利である。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の放熱基板の層構造を模式的に示している。(11)はセラミックス単一層、(12)は金属含浸層である。セラミックス単一層(11)は半導体素子を搭載される側の層、金属含浸層(12)の表層は放熱面となる側の層である。金属含浸層(12)の金属含有率は、層厚方向に漸次変化している。図は、金属含浸層(12)が、金属含有率の異なる4つの層(12)〜(12)からなる例を示している。金属含有率は、層(12)〜層(12)の順に段階的に増加している。図2は、金属含浸層の表層(12)に、金属からなる放熱層(13)を設けた例を示している。同図(1)は、放熱層(13)が層形状を有する例、同図(2)はフィン形状を有する例である。
【0011】セラミックス単一層(11)および金属含浸層(12)のセラミックスの材種は、窒化物,炭化物,酸化物等、広範囲に選択される。その好ましい例として、1014Ω・cm(RT)以上の比抵抗を有する、窒化アルミニウム(AlN),窒化けい素(Si),アルミナ(Al)等が挙げられる。これらは半導体素子の搭載面に必要な電気絶縁性の確保を容易にする。また、1010Ω・cm(RT)以上の比抵抗を有する炭化珪素(SiC)が使用される場合も有る。
【0012】セラミックスは、所望により、比抵抗値、熱伝導率に基づいて類別される2つの群から選ばれる複数の材種が複合的に使用される。すなわち、比抵抗値の大きい材種を第1のセラミックスとし、熱伝導率の高い材種を第2のセラミックスとする。第1のセラミックスの例として、1014Ω・cm以上の比抵抗を有する、窒化アルミニウム,窒化けい素,もしくはアルミナ、第2のセラミックスの例として、130W/m・K以上の熱伝導率を有する炭化珪素が挙げられる。
【0013】そして、半導体素子を搭載される側のセラミックス単一層(11)に第1のセラミックスを、放熱面となる側の金属含浸層の表層(12)に第2のセラミックスをそれぞれ適用すると共に、中間の層(12)〜(12)を、第1と第2のセラミックスの混合組成とし、かつ表層(12)に向かって第2のセラミックスの量比が増大する傾斜構造をもたせる。このようにセラミックス組成を層厚方向に変化させる場合は、セラミックス組成の傾斜構造と、金属含有率の傾斜構造との重畳効果として、半導体素子搭載面の電気絶縁性および熱伝導率と熱膨張率等の諸物性を制御するための基板の設計の自由度が増し、その制御が容易になる。
【0014】金属含浸層(11)の金属の材種は、放熱基板に高い熱放散性を付与するために、熱伝導率 180W/m・K以上の高熱伝導性金属が好適である。代表例として、アルミニウムもしくはアルミニウム合金(Al: 熱伝導率=約234W/m・K,熱膨張率=約23.5×10−6/K)、または銅もしくは銅合金(Cu:熱伝導率=約393W/m・K,熱膨張率=約17×10−6/K)が挙げられる。金属含浸層(12)の金属含有率は、適用される金属の材種等に応じて適宜設定される。例えば、アルミニウムもしくはその合金、銅もしくはその合金等の場合は、セラミックス単一層(11)に接する側において約5〜20体積%、放熱面となる側の表層(12)において約20〜50体積%となる勾配を与えるのが適当である。
【0015】本発明の放熱基板は、好ましくは半導体素子の搭載面となる側のセラミックス単一層(11)が、熱膨張率3×10−6〜8×10−6/K、熱伝導率40W/m・K以上であり、放熱面となる側の金属含浸表層(12)が150W/m・K以上の熱伝導率を有し、セラミックス単一層(11)から金属含浸層の表層(12)に向かって熱膨張率が漸次増加している複合体として構成される。
【0016】プリフォームのセラミックス材種として、窒化アルミニウム,窒化珪素,アルミナ,炭化珪素等を適用し、含浸金属としてアルミニウムもしくはアルミニウム合金を適用する場合は、セラミックス単一層(11)の熱膨張率 3×10−6〜8×10−6/K、熱伝導率 40W/m・K以上であって、熱膨張率はセラミックス単一層(11)から金属含浸層の表層(12)に向かって漸次増加していると共に、セラミックス単一層(11)から金属含浸表層(12)にかけて熱伝導率が漸次増加し、該表層(12)の熱伝導率が150W/m・K以上である層厚方向の勾配をもたせることができる。
【0017】また、プリフォームに上記と同じセラミックス材種を使用し、含浸金属として銅もしくは銅合金を適用する場合は、セラミックス単一層(11)の熱膨張率3×10−6〜8×10−6/K、熱伝導率 40W/m・K以上で、熱膨張率はセラミックス単一層(11)から金属含浸層の表層(12)に向かって漸次増加していると共に、セラミックス単一層(11)から金属含浸表層(12)にかけて漸次増加する熱伝導率を有し、該表層(12)の熱伝導率が180W/m・K以上となる層厚方向の勾配をもたせることができる。
【0018】放熱基板として、前記図2に示したように、金属含浸層(12)の表層(12)に金属の放熱層(13)を積層形成する場合、該放熱層(13)の金属材種は、前記金属含浸層(12)の金属成分と同じように、アルミニウムもしくはその合金、または銅もしくはその合金等に代表される、約180W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性金属が好ましく適用される。放熱層(13)を、アルミニウム(もしくはその合金)で形成した場合、放熱層の熱膨張率は、約20×10−6〜30×10−6/Kであり、銅(もしくはその合金)で形成される放熱層(13)の熱膨張率は、約10×10−6〜20×10−6/Kである。
【0019】放熱層(13)の金属材種は、金属含浸層(12)の金属と同一材種とするのが放熱基板の製造工程上便宜であるが、必ずしもそれに限定されず、異種材の組合せとすることもできる。例えば、金属含浸層(12)の金属がアルミニウム(もしくはその合金)であって、放熱層(13)を銅(もしくはその合金)とする場合などが挙げられる。
【0020】次に、本発明の放熱基板の製造方法について説明する。プリフォームとして使用されるセラミックス焼結体は、緻密質の表層(素子が搭載される側のセラミックス単一層11となる層)と、多孔層(金属含浸層12となる層)とを有する。多孔層は、気孔径が7〜50μmであるのが好ましい。7μmより小さい気孔径では、金属を含浸する際の含浸抵抗が大きく,空隙を残さないように確実に含浸(緻密な金属含浸層を形成)することが困難となる。他方、50μmを越える粗大な気孔を有するものである場合は、焼結体の強度が不足し、例えば金属の含浸処理を加圧鋳造法等で行う場合、金属溶湯の圧力作用で焼結体の折損を生じる危険がある。
【0021】プリフォーム(セラミックス焼結体)は、例えば、放電プラズマ焼結法により製造される。図3は放電プラズマ焼結の要領を示している。(21) は焼結ダイ、(22)(23)はそれぞれ上部パンチ電極および下部パンチ電極、Pはセラミックス粉末である。セラミックス粉末Pは、プリフォームに緻密層と多孔層とが形成されるように、粒径等を調整された粉末が層状に積層充填される。図は、P〜Pの5層に積層充填した例を示している。粉末層Pは、プリフォームの緻密層となる部分、粉末層P〜Pは多孔層となる部分である。緻密層となる粉末層Pは、微細粉末(例えば、粒径20μm以下)が使用され、多孔層となる粉末層P〜Pは、比較的粗粒の粉末(例えば,粒径 20〜300μm)が適用される。
【0022】プリフォームとして、層厚方向にセラミックス組成が変化したセラミックス焼結体を製作する場合には、その層厚方向の組成変化に応じてセラミックスの混合量比を段階的に変化させた粉末P〜Pを調製し、多層に積層充填する。この場合も、プリフォームの緻密層となる部分の粉末と多孔層となる部分の粉末は、その粗密に応じた粒度調整を施されることは前記と同じである。
【0023】上記のように積層装填したセラミックス粉末Pは、上下の電極先端のパンチ(22)(23)を介して押圧され、加圧制御装置(24)による制御された加圧力の作用下に、焼結電源(25)からの電力供給により加熱されて焼結される。得られるプリフォームの層厚方向の粗密,気孔率の勾配は、原料粉末の粒度調整、および通電時の加圧力や電流等の焼結条件を調節し層厚方向に温度勾配を与えることにより制御される。
【0024】プリフォームの製作には、このほかに常圧焼結法、再結晶法、反応焼結法等、セラミックスの焼結手法として公知の各種方法を適用することができる。常圧焼結は、セラミックス粉末に適宜の成形および焼結助剤を配合した混合物を加圧成形し、脱脂後、焼結温度に加熱保持することによりを行われる。再結晶焼結は、セラミックス粉末に成形助剤を添加して成形し、脱脂後、加熱保持して焼結する方法であり、焼結温度の調整および焼結後の熱処理による気孔径の制御が可能である。反応焼結は、セラミックス粉末に成形助剤を配合して成形し、脱脂後、焼結し、ついでセラミックスとの反応性を有する物質(例えばSi粉末)を接触させて反応を行わせるものである(反応性物質は原料粉末中に配合しておいてもよい)。
【0025】プリフォームとしてのセラミックス焼結体は、約5MPa以上の曲げ強度を有することが望ましい。セラミックス焼結体が強度に乏しいものであると、製品放熱基板の実機使用において、熱サイクルの作用等に起因する損傷を生じ易く、放熱基板としての機能の安定性が損なわれるおそれが有るからである。セラミックス焼結体の強度は、焼結処理条件により制御される。
【0026】次に、プリフォームの金属含浸処理について説明する。含浸処理は、例えば加圧鋳造の手法を適用して効率的に行うことができる。図4は、加圧鋳造法による含浸処理を模式的に示している。(30)は金型であり、下型(31)と上型(32)とが型合わせされてキャビティ(37)を形成している。(33)は金属溶湯をキャビティ(37)に供給する湯道、(34)はキャビティ内の空気や溶湯から発生するガスを排出するガス抜き孔である。プリフォーム(セラミックス焼結体)(S)は、ピン(35)で隅部を挟持されると共にピン(35)で下面側から支承されてキャビティ(37)内に保持されている。
【0027】金型(30)およびプリフォーム(S)は、金属溶湯の注入開始に際して加熱保持(例えば、金型:150℃程度,プリフォーム:400℃程度)しておくのがよい。予備加熱は、金属溶湯の降温(粘性増加による含浸抵抗の増大)を抑制すると共に、焼結体(S)の水分等の不純物を除去し、製品基板の品質を高めるのに有効である。金属溶湯は、まず緩徐にキャビティ内に充満され、ついでプリフォーム(S)に対する溶湯含浸を促進するための加圧力が加えられる。
【0028】アルミニウム(合金),銅(合金)などの溶湯の加圧含浸処理は、加圧力50〜100MPa、含浸速度(金属溶湯の湯口部の通過速度)1.0m/sec以下に調節することにより首尾よく達成され、プリフォーム(S)の多孔層内に、空隙の残留させずに含浸させ、緻密な金属含浸層とすることができる。加圧含浸操作は、好ましくはスクイズキャスト装置を用いて行われる。加圧含浸は極く短時間で完結する。加圧状態を保持して金属溶湯を凝固させ、その後抜型し、適宜の機械加工(板面に残留する金属分の切削除去等)を施して、前記図1に示す形態を有する放熱基板を得る。
【0029】図5および図6(図5のA−A矢視図)は、金属からなる放熱層(13)を有する放熱基板(図2(2))を、上記と同様の加圧鋳造法で製造する場合の金型構成とプリフォーム(S)の設置態様の例を示している。金型(30)のキャビティ(37)は、そこに設置されるプリフォーム(S)の板面と直交する向きに、フィン形成空間部(37)が形設されている。フィン形成空間部(37)を有する点を除いて、金型構成およびプリフォーム(S)の設置形態等は前記図4のそれと異ならない。
【0030】プリフォーム(S)は、多孔層の表層がフィン形成空間部(37)に対面する向きに、キャビティ(37)に設置される。キャビティ内に供給される金属溶湯は、プリフォーム(S)を包囲し、かつフィン形成空間部(37)に充填される。加圧力を加えることにより、プリフォーム(S)の多孔層内への溶湯の含浸とフィンの加圧鋳造とが達成される。溶湯の凝固後、抜型し余剰の付着金属分を機械加工で除去することにより、フィン形状の放熱層(13)を備えた製品放熱基板を得る。
【0031】従来のフィン付き放熱基板は、基板とフィンとを個別に用意し、ロウ付けにより両者を接合することにより形成されているが、本発明の放熱基板は、一工程の鋳造操作で一体品として製作することができる。しかも、基板の金属含浸層の表層(12)とこれに積層形成された金属からなるフィン(13)は、完全な連続的一体性を有しているので、従来のフィン付き構造の放熱基板(フィンの接合界面にろう層が介在する)と異なって、フィンへの熱伝達の障壁がなく、熱放散性が高められる。
【0032】
【実施例】(実施例1)
[1]プリフォームの作製放電プラズマ焼結を適用し、粒度調整等を施されたセラミックス粉末を、図3に示すように層状に積層充填し、緻密層と多孔層とを有するセラミックス焼結体(層厚5mm)を作製した。
【0033】(1.1) 各粉末層の充填層厚は、プリフォームの各層の層厚が1mmとなるように調整した。プリフォームの緻密層となる粉末層(P)および多孔層となる粉末層(P〜P)の粉末粒度は下記のとおりである。
: 20 μm以下、P:10〜50 μmP:10〜100 μmP:10〜200 μmP:50〜300 μm【0034】(1.2) 焼結処理加圧力 :30〜50 MPa焼結温度:1500〜1800 ℃【0035】[2]金属含浸処理加圧鋳造機(スクイズキャスト)による加圧含浸処理(およびフィンの加圧鋳造)を行って、供試放熱基板(図1および図2(2))を得る。

【0036】表1,2は、プリフォームのセラミックス組成と含浸された金属材種および金属含有率、並びに放熱基板の物性を示している。表1は、プリフォームとして1種のセラミックスからなる焼結体を使用した放熱基板、表2は、プリフォームとして2種のセラミックスからなる焼結体を使用した放熱基板(セラミックス組成と金属含有率が層厚方向に傾斜した構造を有している)である。
【0037】本発明の放熱基板は、良好な熱伝導率および熱膨張率を備えている。この改良された物性は、プリフォームとして使用されるセラミックス焼結体の骨格構造による金属の包囲拘束効果、層厚方向に金属含有率が漸次変化している傾斜構造、セラミックス組成の層厚方向の傾斜構造等に基づくものである。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【発明の効果】本発明の放熱基板は、セラミックス焼結体をプリフォームとして金属を含浸することにより形成されたセラミックス−金属 複合体であり、かつ金属含有率(およびセラミックス組成)が層厚方向に漸次変化した傾斜構造を有することにより、高熱伝導率と低熱膨張率の改良された物性を備えている。また、本発明によれば、粉末冶金法のような煩瑣な工程を必要とせず、プリフォームであるセラミックス焼結体の多孔層に対する金属の含浸処理も短時間で完結することができるほか、放熱層として金属からなる層状ないしフィン形状を有する放熱基板を効率的に製造することができる。




 

 


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