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発明の名称 積層白色フィルム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−187433(P2001−187433A)
公開日 平成13年7月10日(2001.7.10)
出願番号 特願2000−31(P2000−31)
出願日 平成12年1月4日(2000.1.4)
代理人
発明者 大渡 寿士 / 関 重己 / 三村 尚
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 二軸延伸された熱可塑性白色フィルムの少なくとも片面に、双極性非プロトン溶媒に可溶な耐熱性樹脂を主成分とする耐熱性樹脂層が積層された積層白色フィルムであって、該耐熱性樹脂層は、実質的に接着層を介さずに熱可塑性白色フィルムに直接積層されており、かつ該双極性非プロトン溶媒に耐熱性樹脂を溶解せしめた塗液を塗布後、少なくとも一方向に延伸されて形成されたものであることを特徴とする積層白色フィルム。
【請求項2】 熱可塑性白色フィルムが白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層白色フィルム。
【請求項3】 耐熱性樹脂が、芳香族ポリアミド系樹脂および/または芳香族ポリイミド系樹脂であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項4】 耐熱性樹脂が、パラ系芳香族ポリアミド系樹脂および/またはパラ系芳香族ポリイミド系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項5】 耐熱性樹脂層中に無機系微粒子が添加されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項6】 熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層との界面に双方の樹脂の混在相が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項7】 熱可塑性白色フィルムが内部に微細なボイドを含有して成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項8】 熱可塑性白色フィルムに、該熱可塑性白色フィルムを形成する樹脂とは非相溶性の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項9】 熱可塑性白色フィルムが2層以上の構成を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項10】 耐熱性樹脂層の厚みが0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の積層白色フィルム。
【請求項11】 耐熱性樹脂層/熱可塑性白色フィルムの厚み比が0.0001〜0.2であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の積層白色フィルム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層白色フィルムに関し、詳しくは、耐熱性に優れた樹脂層を接着層を介することなく熱可塑性白色フィルム上に設けた積層白色フィルムであって、各種工業材料、特に感熱転写などの印刷用基材として好適な、白色性、耐熱性、平面性、印字性および生産性に優れた積層白色フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステルやポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を白色化せしめた白色フィルムが、白色性、機械的特性および電気的特性などの点から電気絶縁材料、印刷材料などの工業材料、磁気記録材料および包装材料として使用されている。特に工業材料の中でも、感熱転写、感熱発色、インクジェット、銀塩写真および電子写真など各種方式における印刷材料の基材としてよく用いられ、その使用量は近年ますます増大している。
【0003】フィルムを白色化せしめる方法としては、屈折率差の大きな無機系微粒子を多量添加する方法、あるいは無機系微粒子および/または非相溶性の熱可塑性樹脂を含有せしめ、製膜時の延伸によりフィルム内部に微細な気泡(ボイド)を発生させる方法が一般的に用いられる。特に、内部に微細なボイドを含有せしめる方法を採用した場合には、低比重化により、軽量性、クッション性および取扱い性が向上するなどの効果が得られ、該方法により製造されたフィルムは各種方式の印刷用基材としてよく用いられている。このような方法による白色フィルムの具体例としては、特公平7−17779号公報、特開平6−322153号公報および特開平7−118433号公報などに開示されている白色フィルムがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の印刷分野では、より高精細、より高品位の印刷を目指してハード面での開発が盛んに行なわれており、技術向上がめざましい。感熱転写方式もその例外ではなく、サーマルヘッドの微細化、印加エネルギーコントロール等の高精度化が進んでいる。一方でサーマルヘッドを微細化することにより単位密度当たりの印加エネルギーが大きくなり、基材への熱的影響は大きくなってくる。しかしながら、上記白色フィルムを基材としてそのまま用いた場合、主成分の熱可塑性樹脂が熱によって軟化し、フィルム表面が変形しやすいという欠点がある。特に、昇華型感熱転写方式の場合には、相対的に印加エネルギーが大きいため、この傾向が顕著である。
【0005】上記の欠点を改善するには、少なくともフィルム表面の耐熱性を向上させる必要がある。その方法としては、例えば、芳香族ポリアミドのような耐熱性樹脂フィルムと熱可塑性白色フィルムとを接着層を介して、あるいは接着性組成物を添加し加熱・加圧して貼合せて積層白色フィルムとする方法がある。しかしながら、このような方法では、耐熱性樹脂中の他成分(接着性組成物)の影響により耐熱性樹脂の持つ機能を阻害したり、貼合せ時に高温の熱に晒されることにより積層白色フィルムの平面性が悪くなったりする問題がある。
【0006】また、熱可塑性白色フィルムが延伸により結晶配向している場合には、接着が不十分なものとなることがある。さらに貼合せ工程中に塵埃が付着したり、気泡が混入したりして高度に平面性の良好なものを得ることは困難であり、コストを考え合わせると生産性の点でも不十分なものである。この他にも積層白色フィルムの白色性、あるいはフィルム中に含有せしめたボイドによる断熱性の効果を低下させないためには、耐熱性樹脂フィルムや接着層を出来るだけ薄くする必要があるが、耐熱性樹脂フィルムを薄くしたため取扱い性が低下して貼合せがさらに難しくなったり、接着層を薄くしたため接着強度が低下してに接着が不十分となることがある。
【0007】本発明の目的は、これら種々の問題がなく、実質的に接着層を介さずに熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層とが高い界面接着性を有する他、耐熱性、白色性、印字性、平面性および生産性の良好な積層白色フィルムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本発明の積層白色フィルムは、二軸延伸された熱可塑性白色フィルムの少なくとも片面に、双極性非プロトン溶媒に可溶な耐熱性樹脂を主成分とする耐熱性樹脂層が積層された積層白色フィルムであって、該耐熱性樹脂層が実質的に接着層を介さずに熱可塑性白色フィルムに直接積層されており、かつ該双極性非プロトン溶媒に耐熱性樹脂を溶解せしめた塗液を塗布後、少なくとも一方向に延伸されて形成されたものであることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の積層白色フィルムは、基本的に熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層とで構成されている。
【0010】本発明の熱可塑性白色フィルムは、熱可塑性樹脂を白色化せしめることにより得られるものであり、該熱可塑性樹脂は溶融押出が可能で、かつ二軸延伸により結晶配向するものである。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリフェニルスルフィドなどが好ましく、特にポリエステルが寸法安定性、機械的特性および積層する耐熱性樹脂層との界面接着性などの点で最も好ましい。
【0011】本発明において、ポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等で代表されるものであり、またジオールとは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等で代表されるものである。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)等を使用することができる。
【0012】もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよく、コポリエステルの場合の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。この場合には、結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が25%以上が好ましく、より好ましくは30%以上、更には35%以上のものが最も好ましい。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすい。上述のポリエステルを使用する場合、その極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gであることがより好ましい。
【0013】また、熱可塑性白色フィルムは、表層部と内層部の2層以上の複合フィルムであってもよい。この場合には、表層部に耐熱性樹脂層が設けられるか(2層複合の場合)、あるいは少なくとも一方の表層部に耐熱性樹脂層が設けられる必要がある(3層以上の複合の場合)。
【0014】また、上記複合フィルムは、内層部と表層部が同一のポリエステル組成物であっても、異種のポリエステル組成物であってもよい。特に異種のポリエステル組成物とした場合、表層部がコポリエステルで、内層部がホモポリエステルからなる場合、耐熱性樹脂層との界面接着性が向上する他、3層以上の複合フィルムの一方の表層部に耐熱性樹脂層を設けたときに、もう一方の表層部が他の樹脂組成物もしくは他の素材との接着性に優れたものとすることができる点でより好ましい。また、表層部に用いられるポリエステルがポリエチレンナフタレートで、内層部に用いられるポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合、耐候性、剛性などの向上効果が得られるため、より好ましい。
【0015】本発明における積層白色フィルムは、耐熱性樹脂層が設けられた状態で熱可塑性白色フィルムが二軸延伸されているものである。二軸延伸されているとは、未延伸すなわち結晶配向が完了する前の熱可塑性白色フィルムを、長手方向(縦方向)および長手方向に垂直な方向(横方向)にそれぞれ延伸し、その後の熱処理により結晶配向を完了させたものであり、X線回折あるいはマイクロ波方式の分子配向計で測定したとき二軸配向のパターンを示すものをいう。熱可塑性白色フィルムが二軸延伸されていない場合には、積層白色フィルムとした場合の寸法安定性、特に高温、高湿下での寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなるので好ましくない。
【0016】本発明においては、上記熱可塑性白色フィルムの少なくとも片面に、双極性非プロトン溶媒に可溶な耐熱性樹脂を主成分とする耐熱性樹脂層が積層されるが、双極性非プロトン溶媒の一例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどを用いることができる。これらの溶媒は単独で用いても混合して用いてもよく、製造条件や用途などによって適宜選択される。
【0017】本発明においては、耐熱性樹脂をこれらの双極性非プロトン溶媒に溶解せしめた溶液(塗液)を熱可塑性白色フィルムに塗布後、少なくとも一方向に延伸して耐熱性樹脂層を形成せしめることが、耐熱性樹脂層と熱可塑性白色フィルムとの接着において極めて重要な意味をもち、これ以外の溶媒を用いた場合、あるいは延伸されていない場合には、目的とする界面接着性を得ることが非常に困難である。
【0018】本発明において、熱可塑性白色フィルムに積層される耐熱性樹脂は、その耐熱性からガラス転移点(以降、Tgと省略する)が170℃以上および/または300℃以下に融点もしくは分解点を持たないものが好ましい。本発明の耐熱性樹脂としては、上記の要件を満足する樹脂であれば特に限定されないが、その一例を挙げれば、芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド系樹脂およびその前駆体、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリベンゾイミダゾールおよびその前駆体、ポリベンゾオキサゾールおよびその前駆体、ポリベンゾチアゾールおよびその前駆体、ポリスルホン系樹脂などを用いることができる。特に、熱可塑性白色フィルムとして白色ポリエステルフィルムを選択した場合には、界面接着性、積層白色フィルムの耐熱特性、寸法安定性、再溶解による回収性などの点で芳香族ポリアミド系樹脂および/または芳香族ポリイミド系樹脂が好適である。
【0019】本発明において芳香族ポリアミドとは、次の一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を単独あるいは共重合の形で50モル%以上含むものであることが望ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0020】
【化1】

【0021】
【化2】

ここで、Ar1、Ar2、Ar3としては、例えば一般式(3)に示すような各種の芳香環が用いられ、X,Yとしては、−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−、−C(CH32−などから選ばれるが、これらに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含むものである。
【0022】
【化3】

また、本発明における芳香族ポリイミドとしては、ポリアミック酸のイミド化物が好ましい。ここで、ポリアミック酸とは、次の一般式(4)で表される繰り返し単位を単独あるいは共重合の形で50モル%以上含むものであることが望ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0023】
【化4】

ここでRとしては、例えば上述の一般式(3)に示される基が好ましく用いられる。
【0024】本発明においては、特に上記の一般式(2)もしくは一般式(4)の芳香環がパラ位で結合されたものが全芳香環の50モル%以上、より好ましくは70モル%以上を占めることが耐熱性、難燃性、寸法安定性の点で好ましい。また、芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換された芳香環が全体の30モル%以上、さらには50モル%以上であると、耐湿性、吸湿での寸法安定性などが改善されるのでより好ましい。
【0025】本発明では、芳香族ポリアミドにおいては一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位、芳香族ポリイミドにおいては一般式(4)で表される繰り返し単位が、単独あるいは共重合の形で各々50モル%以上含まれることが望ましいが、50モル%未満の範囲において他の化合物が共重合されても、あるいは他の樹脂組成物が混合されていてもよい。
【0026】ここで、本発明におけるポリアミック酸のイミド化物とは、ポリアミック酸成分が脱水閉環されているものである。本発明における耐熱性樹脂層中のポリアミック酸のイミド化の割合(イミド化率)は10%以上が好ましく、より好ましくは20%以上、さらには30%以上が最も好ましい。イミド化率が10%未満であると、耐熱性、難燃性機能の発現が不十分となる傾向がある。またイミド化率の上限は70%以下であることが好ましい。イミド化率が70%より大きい場合、耐熱性樹脂層の回収が困難になるからである。
【0027】本発明において、耐熱性樹脂を「主成分」とする層とは、上記耐熱性樹脂が該層中に70重量%以上、好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含まれることを意味するものであり、特に好ましくは100重量%である。
【0028】本発明の熱可塑性白色フィルムおよび耐熱性樹脂層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有せしめてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、有機の易滑剤、無機系微粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。また、樹脂組成物としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂およびワックス組成物などを使用することができる。さらに、架橋剤としては、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤および各種チタネート系カップリング剤などを使用することができる。
【0029】これらの中でも無機系微粒子、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末などを添加した場合には、積層白色フィルムの易滑性および耐傷性などが向上するので特に好ましい。特に、易滑性の向上により、例えば、印刷用基材に用いたときには取扱性や給紙性などの実用特性をより向上させることができる。該無機系微粒子の平均粒子径としては0.005〜3μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2μm、さらには0.03〜1μmが最も好ましい。またその添加量は0.02〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%、さらには0.1〜5重量%が最も好ましい。
【0030】更に、芳香族ポリアミド樹脂等の耐熱性樹脂の双極性非プロトン溶媒への溶解性を向上させる目的で塩化リチウムなどの溶解助剤が含有されていてもよい。
【0031】本発明においては、二軸延伸された熱可塑性白色フィルムの少なくとも片面に上記耐熱樹脂層が実質的に接着層を介さずに積層されるが、ここで実質的に接着層を介さないとは、熱可塑性白色フィルム上に耐熱樹脂層が積層された状態において、その界面に該フィルムおよび耐熱性樹脂層形成物質以外の物質による層が形成されていないことを意味するものである。ただし、その界面においてフィルムおよび耐熱性樹脂層の樹脂成分の混在相が形成されている場合には、より接着性が向上するので特に好ましく、該混在相は接着層の定義から外れるものである。 本発明において、熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層との界面接着性の程度を表す界面接着力としては、例えば、T字剥離により測定したとき100g/25mm以上が好ましく、さらには200g/25mm以上がより好ましい。100g/25mm未満では、各種用途に使用したときに耐熱性樹脂層が剥離する問題が生じる場合がある。
【0032】本発明において、熱可塑性樹脂を白色化せしめて熱可塑性白色フィルムを得る方法としては、まず■熱可塑性樹脂との屈折率差を有する無機系微粒子、いわゆる白色顔料を添加せしめ、該屈折率差により光を散乱させ白色化させる方法、■フィルムを形成する熱可塑性樹脂とは異種であって、かつ非相容性の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)および/または大量の無機系微粒子を含有せしめ、さらにフィルム製膜時の延伸により内部に微細な気泡(ボイド)を発生させ、該ボイドにより光を散乱させ白色化させる方法がある。上記■の方法は、内部に形成せしめたボイドによって光を散乱させ白色化させるものである。内部にボイドを形成せしめる方法としては他にも、■ポリエステル層中に発泡剤を含有せしめ、主に押出時の加熱による発泡によりボイドを発生させる方法や、■ガス注入によりボイドを発生させる方法、等を用いることができる。
【0033】これらの方法のうち、フィルム製膜時の製膜安定性および/またはボイド形成性(本発明では、ボイド量の調整しやすさ、より微細なボイドの形成しやすさを表すものとする)等の点で上記■または■の方法がより優れている。
【0034】本発明において、上記■または■の方法における無機系微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、タルク、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、アルミナ、リン酸カルシウムおよびマイカなどを用いることができる。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。上記■の方法においては、これらの粒子の中でも特に、白色度、光学濃度など総合的効果の点から酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛がより好ましく、さらには酸化チタン系のものが最も好ましい。また上記■の方法においてはタルク、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムがより好ましい。また、該無機系微粒子は多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには本発明の効果を阻害しない範囲内において、樹脂に対する分散性を良化せしめるために、表面処理が施されていてもよい。
【0035】本発明においては、上記■または■の方法における無機系微粒子の平均粒子径は、0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.07〜3μm、さらには0.1〜2μmの範囲にあるものが最も好ましい。平均粒子径が上記範囲外では均一分散化が難しくなったり、フィルム表面の平滑性が悪化したり、さらにはこれらが原因となって、白色度と光沢度が低下したりする場合があるので好ましくない。
【0036】また、上記■または■の方法における無機系微粒子の添加量は、特に限定されないが、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%、さらには5〜25重量%の範囲にあるものが最も好ましい。添加量が上記範囲より少ない場合には、フィルムの白色度と光学濃度等の特性を向上させることが難しく、逆に上記範囲より多い場合には延伸時のフィルム破れや、後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。
【0037】また、内部にボイドを含有せしめて白色化する上記■の方法は、特に本発明の積層白色フィルムを印刷用基材として用いる場合には、白色度、軽量性、クッション性、断熱効果等の総合的な点からより好ましく採用されるが、中でも非相溶樹脂を含有せしめる方法が最も好ましい。該方法は印刷方式が感熱転写である場合には、クッション性や断熱効果が印字性に重要な影響を与える点から特に好ましい。
【0038】ところで本発明におけるボイドとは、上述したように白色化、クッション性付与に寄与することのできるものを言うのであって、具体的には、ポリエステル中に含有せしめた該非相溶樹脂あるいは無機系微粒子、特に非相溶樹脂を核として生成されたものであることが好ましい。さらに具体的には、ボイドの断面積の平均値が0.5〜25μm2にあるものが好ましく、更には1〜20μm2の範囲内にあるものが最も好ましい。
【0039】本発明における「非相容樹脂」とは、例えば、示差走査型熱量計(DSC)等を用いた公知の方法での測定において、フィルムを形成する熱可塑性樹脂と共に溶融した系において、該熱可塑性樹脂に相当するTg以外に非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
【0040】特に、本発明においては、フィルムを形成する樹脂として寸法安定性、機械的特性および積層する耐熱性樹脂層との界面接着性などの点でポリエステルが最も好ましいことは前述したとおりである。そこで、非相溶樹脂としてポリエステルに対して非相溶性である樹脂について以下に詳述する。
【0041】該非相溶樹脂は、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりポリエステルフィルム中にボイドを形成せしめる効果の大きいことが好ましい。また、このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点よりも低温であり、かつフィルムを配向せしめる温度よりも高温であることが好ましい。かかる点から、該非相溶樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル、あるいはフッ素系樹脂などが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよい。これらの中でも臨界表面張力の小さなオレフィンが好ましく、更にはポリプロピレン、ポリメチルペンテンが好ましい。特に、ポリメチルペンテンはポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いことにより添加量当たりのボイド形成の効果が大きいので、特に好ましい。
【0042】本発明においては、該非相溶樹脂の含有量は特に限定されないが、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、更には3〜28重量%の範囲にあるものが最も好ましい。含有量が上記範囲より少ない場合には、フィルムの白色度、光学濃度等の特性を向上させることが難しい。逆に上記範囲より多い場合には、フィルム表面の平滑性(光沢度)低下により感熱転写などの印刷用基材として適さなくなるだけでなく、製膜中の延伸時にフィルム破れ等の不都合を生じることがある。
【0043】本発明においては、該非相溶樹脂に、さらにカルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体及び共重合体、あるいはポリアルキレングリコール等を分散剤として併用した場合、非相溶樹脂の分散径が小さくなり、ひいては延伸により生成するボイドをより微細化でき製膜安定性が向上するとともに、白色度、青味、光学濃度がさらに優れたものとなるので好ましい。該分散剤の添加方法は、ポリエステルに共重合した形であっても、ポリエステルとの混合によるポリマーブレンドであってもよく、あるいはまた両者が混在した形であってもよい。また、その添加量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜7重量%、さらには0.3〜5重量%が最も好ましい。添加量が0.1重量%より少ない場合には、分散剤としての効果が小さく、添加した分のコストが高くなることがある。一方、10重量%より多い場合には、非相溶樹脂の添加効果が低下すると共にコスト高となりやすいという問題がある。
【0044】本発明の熱可塑性白色フィルムは、白色度が70%以上であることが好ましく、75%以上がより好ましい。白色度が70%より小さい場合には、耐熱性樹脂層を積層して積層白色フィルムとしたときの白色性が低く、さらには該積層白色フィルムを印刷用基材に用いたとき印刷画像の鮮明性に劣る傾向がある。
【0045】また、本発明の熱可塑性白色フィルムは、色調b値が+2以下であることが好ましく、さらには+1.5以下がより好ましい。色調b値が+2より大きい場合には、耐熱性樹脂層を積層して積層白色フィルムとしたときに全体が黄味がかって見え、さらには該積層白色フィルムを印刷用基材に用いたとき印刷画像の鮮明性に劣る傾向がある。
【0046】本発明では、積層白色フィルムに、より鮮明で青味のある白色性(具体的には白色度がより高く、色調b値がより小さいこと)を与え、高級なイメージを持たせるために、熱可塑性白色フィルムおよび/または耐熱性樹脂層に蛍光増白剤を含有せしめることが望ましい。特に、印刷用基材として用いる場合には、耐熱性樹脂層の特性を生かすため、熱可塑性白色フィルムのみに含有せしめることがより好ましい。
【0047】本発明において、蛍光増白剤とは、太陽光中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫〜青色の可視光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により高分子物質の明度を低下させることなく白色度、青味指数(色調b値)を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック”(チバガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“TBO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン(株))等を用いることができる。蛍光増白剤は、特に限定されるものではなく、単独、場合によっては2種以上の併用であってもよいが、本発明では特に、耐熱性に優れ、フィルムを形成する樹脂(特に前述のポリエステル)との相溶性がよく均一分散できると共に、着色が少なく、樹脂に悪影響を及ぼさないものを選択することが望ましい。
【0048】蛍光増白剤の含有量は、0.005〜1重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲にあるものがより好ましい。含有量が上記範囲より少ない場合には十分な増白効果を得にくく、また上記範囲を超えるものは均一分散性の低下や、いわゆる「濃度消光」と呼ばれる増白効果の低下あるいは着色による白色度の低下等を招き易いため好ましくない。
【0049】本発明においては、熱可塑性白色フィルムが2層以上の複合フィルムである場合には、白色度、色調b値などをより向上させる効果の点で、表層部の蛍光増白剤含有量を内層部よりも多くしたものが、より好ましい。また、該効果とコストとを両立させる場合には表層部にのみ蛍光増白剤を含有せしめる方法も好ましく採用される。
【0050】積層白色フィルムの好ましいフィルム構成をより具体的に述べれば、耐熱性樹脂層の厚みは、0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.03〜3μm、さらには0.05〜2μmが最も好ましい。耐熱性樹脂層の厚みが0.01μmより薄い場合には、積層白色フィルム表面に耐熱性を付与する効果が小さくなり、例えば、感熱転写方式の印刷用基材に使用した場合、高濃度印字部分がサーマルヘッドの加熱により変形しやすくなり、時には印刷画像の鮮明性まで低下することがある。一方、5μmより厚くした場合には、積層白色フィルムとしての白色性や印刷画像の鮮明性が低下する傾向にある。
【0051】また本発明においては、積層白色フィルムの耐熱性樹脂層と熱可塑性白色フィルムとの厚み比(耐熱性樹脂層/熱可塑性白色フィルム)は、0.0001〜0.2であることが好ましく、より好ましくは0.0002〜0.15、さらには0.0005〜0.1が最も好ましい。厚み比が0.0001より薄い場合には、積層白色フィルム表面の耐熱性が低下して、感熱転写印刷時のサーマルヘッドの加熱により変形したり、さらには印刷画像の鮮明性が低下しやすくなる傾向がある。一方、0.2より大きくした場合には、積層白色フィルムとしての白色性、あるいは印刷画像の鮮明性が低下する傾向にある。
【0052】さらに本発明における熱可塑性白色フィルムの厚みは、特に限定されないが、取扱性、印刷用基材としたときの実用適性などの点から20〜500μmが好ましく、さらには30〜300μmがより好ましい。
【0053】本発明の積層白色フィルムは、二軸延伸された熱可塑性白色フィルムの少なくとも片面に耐熱性樹脂層が設けられる必要があるが、フィルムの耐カール性や平坦性などの点で両面に積層されていることが好ましい。特に耐熱性樹脂層/熱可塑性白色フィルムの厚み比が大きい場合には、より好ましい態様となる。もちろん、耐カール性や平坦性などを満足していれば、片面積層であっても何ら差し支えない。
【0054】本発明の積層白色フィルムを使用目的に応じて他の素材、例えば紙、不織布、合成紙と貼合せて使用することは、何ら差し支えない。ただし、積層白色フィルムの表側、裏側のいずれか片面に耐熱性樹脂層が設けられている場合には、貼合せ面は耐熱性樹脂層を設けた側と反対面とすることが好ましい。
【0055】本発明の積層白色フィルムにおいては、ボイドを含有せしめて白色化した場合、そのボイド含有率が5〜45%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜45%、更には15〜40%が最も好ましい。ボイド含有率が5%より小さい場合、白色度や光学濃度に劣ることにより印刷画像の鮮明性が低下する傾向がある。一方、ボイド含有率が45%より大きい場合には、フィルム全体としての強度が低下し、製膜中に破れやすくなる等の問題がある。
【0056】さらに本発明の積層白色フィルムは、耐熱性樹脂層側より求めた表面の光沢度が好ましくは50%以上、より好ましくは60%、最も好ましくは70%以上であるものが、平滑性に優れ、印刷用基材として用いたときの印刷画像を高精細にすることができる他、より高級なイメージを与えることができる。
【0057】本発明の積層白色フィルムは、耐熱性樹脂層側より求めた白色度が60%以上であることが好ましく、より好ましくは65%以上である。白色度が60%より小さい場合には、白色性が低く、印刷用基材に用いたとき印刷画像の鮮明性に劣ったり、イメージが低下する傾向がある。また、耐熱性樹脂層側より求めた色調b値が+3以下であることが好ましく、さらには+2以下がより好ましい。色調b値が+3より大きい場合には、全体が黄味がかって見え、印刷用基材に用いたとき印刷画像の鮮明性に劣る他、イメージが低下する傾向がある。
【0058】また本発明の積層白色フィルムの光学濃度(OD)は、厚み100μm相当において0.5〜2.0であることが好ましく、0.7〜1.8であることがより好ましい。光学濃度が0.5未満であると、フィルムの隠蔽性が小さいため裏側が透けて見え、例えば、印刷用基材として使用する場合には印刷画像が見えにくくなり好ましくない。また、光学濃度が2.0を超えるものとするためには、非相溶樹脂や無機系微粒子を多量に含有せしめねばならず、結果としてフィルムの強度が弱くなったり製膜性が低下する場合があり好ましくない。
【0059】本発明の積層白色フィルムを得る好ましい製造方法について、熱可塑性白色フィルムが白色ポリエステルフィルムとした例を以下に示すが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0060】積層白色フィルムの製造方法については、押出機を有する製膜装置において、ポリエステルのチップと無機系微粒子および/または非相溶樹脂のマスターチップを、無機系微粒子および/または非相溶樹脂の含有量が1〜35重量%となるよう混合し、十分に真空乾燥した後に、270〜300℃に加熱された押出機に供給し、溶融する。該溶融物をT字型口金内を通してシート状に成形し、溶融シートを得る。
【0061】この溶融シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気で密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。該未延伸フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
【0062】続いてこの縦延伸フィルムの少なくとも片面に、耐熱性樹脂を双極性非プロトン溶媒に溶解せしめた溶液(塗液)を塗布する。この溶媒が乾燥する前にフィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の予熱・延伸ゾーンに導き85〜140℃に加熱した雰囲気中で、長手方向に垂直な方向(横方向)に延伸し、その後に溶媒を蒸発揮散させて白色フィルムの結晶配向を完了させる。
【0063】上記延伸における延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は、6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの白色度、光学濃度が不十分となり、逆に20倍を越えると延伸時に破れを生じやすくなる傾向がある。
【0064】このようして得られた縦×横の二軸延伸フィルムの平面性、寸法安定性を付与するために、引き続いてテンター内の熱処理ゾーンで150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取り、本発明の積層白色フィルムを得ることができる。
【0065】また、熱可塑性白色フィルムを2層以上の複合フィルムとする場合には、上記の方法によって得られたフィルムを貼合せても、共押出による複合製膜としてもよいが、コストの点で後者の方がより好ましい。
【0066】このような製造方法に使用される溶媒は、溶液塗布後の予熱工程、延伸工程ではその殆どが残存し、延伸後の熱処理工程で蒸発揮散させる必要がある。上述のように熱可塑性白色フィルムが白色ポリエステルフィルムの場合、予熱、延伸温度は85〜140℃であり、熱処理温度は通常150〜230℃となるため、使用する溶媒は、沸点が140℃以上230℃以下のものが好ましい。この要件を満たし、かつ芳香族ポリアミドや芳香族ポリイミドのような耐熱性樹脂を溶解させる双極性非プロトン溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、もしくはN−メチル−2−ピロリドンを主体としたものが特に好ましい。
【0067】また、塗液の塗布方法は、厚みを均一に塗布することができれば特に限定されないが、一例を挙げれば、リバース(ロール)コート、グラビアコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ロールコート、ブレードコート、ビードコート、回転スクリーンコート、スロットオリフィスコート、ロッドコート、バーコート、ダイコート、スプレーコート、カーテンコート、ダイスロットコート、チャンプレックスコート、ブラシコート、ツーコート、メータリングブレード式のサイズプレスコート、ビルブレードコート、ショートドウェルコート、ゲートロールコート、グラビアリバースコート、エクストルージョンコート、押出コートなどの方法を用いることができる。これらの方法の中でも塗布性の点からダイコート、あるいはバーコートが好ましく採用される。
【0068】このようにして得られた積層白色フィルムは、熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層との界面接着性に優れたものであり、かつ界面に接着層を介さないため、表面の耐熱性、白色性、平面性などにおいて従来の白色フィルムでは達成できない特性を有し、感熱転写を初めとする印刷材料の印字性に優れるものである。また、印刷材料以外にも電気絶縁材料などの他の工業材料や、磁気記録材料、包装材料などにも好適に使用することができる。
【0069】[特性の測定方法および効果の評価方法]本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は、次のとおりである。
【0070】(1)無機系微粒子の平均粒子径および耐熱性樹脂層の厚み透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、本発明の積層白色フィルムの断面を1,000〜200,000倍に拡大観察した断面写真から下記の方法にて求めた。
(無機系微粒子の平均粒子径)断面写真の粒子部分をマーキングして、その粒子部分をハイビジョン画像解析処理装置PIAS−IV((株)ピアス製)を用いて画像処理を行ない、測定視野内の計100個の粒子を真円に換算した時の平均径を算出し、無機系微粒子の平均粒子径とした。
(耐熱性樹脂層の厚み)断面写真から任意の10箇所を選んで、平均値として求めた。なお混在相が認められる場合には混在相を含めて測定した。
【0071】(2)イミド化率(耐熱性樹脂が芳香族ポリイミド系樹脂のとき)
ガラス板上に、ポリアミック酸を主成分とする溶液を、乾燥後の膜厚みが3μmになるようにバーコーターで塗布し、220℃で30分、引き続き300℃で20分間熱処理して試料を作製した。次に、日本分光(株)社製フーリエ変換型赤外吸収分光光度計FT/IR−5000を用い、該試料の赤外吸収スペクトルをATR法にて測定し、1770cm-1付近の吸収の大きさを100%イミド化した場合の吸収強度基準とした。また、耐熱性樹脂層の赤外吸収スペクトルを上記と同様に測定し、得られた吸収の大きさと、該吸収強度基準との比率の%表示よりイミド化率を求めた。
【0072】(3)白色度JIS L−1015に準じて、(株)島津製作所製UV−260を用いて耐熱性樹脂層側より反射率を測定して求めた。波長450nmおよび550nmにおける反射率を、各々B%、G%とすると、白色度は下記式で表される。
白色度(%)=4B−3G。
【0073】(4)光学濃度(OD)
光学濃度計TR927(マクベス社製)を用いて透過方式で測定した。測定値が大きい程、隠蔽性が高いことを表す。
【0074】(5)光沢度デジタル変角光沢度計UGV−5B(スガ試験機(株)製)を用いて、耐熱性樹脂層側よりJIS Z−8741に準じて測定した。なお、測定条件は入射角60゜、受光角60゜とした。
【0075】(6)界面接着性積層白色フィルムの耐熱性樹脂層側に1mm2のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製のセロハン粘着テープ“セロテープ”を貼付けた後、ゴムローラーで圧着(19Nで3往復)し、その後テープを90度方向に急激に剥離し、積層白色フィルム側に残存した耐熱性樹脂層の個数より以下の3段階評価を行なった。○以上を良好とした。
○:90個以上△:70個以上90個未満×:70個未満。
【0076】(7)平面性積層白色フィルム表面を目視観察し、熱可塑性白色フィルムと耐熱性樹脂層との界面への空気の噛み込みによる気泡、あるいは表面の凹凸などの有無について以下の3段階評価を行なった。○以上を良好とした。
○:気泡、表面の凹凸が全く認められず良好。
△:気泡、あるいは表面の凹凸が所々に認められる。
×:気泡、あるいは表面の凹凸が多数認められ不良。
【0077】(8)耐熱性カラープリンターとして「Professional Color Point 2」(セイコー電子工業(株)製)、感熱転写インキリボンとして専用のCH722(イエロー、マゼンタ、シアン セイコー・アイ・サプライ(株)製)を用いて、本発明の積層白色フィルムの耐熱性樹脂層側を印字面として昇華モードで4階調のテストパターン印刷を行なった。そして印刷面を反射型光学顕微鏡を用いて100〜300倍に拡大して観察し、サーマルヘッドの加熱による印字部分の熱変形について以下の4段階価を行なった。○以上を良好と判定した。
◎:熱変形が全く認められず、極めて良好。
○:わずかに熱変形が認められるものの良好。
△:熱変形が所々に認められる。
×:熱変形が多数認められる。
【0078】(9)印刷画像の鮮明性まず、本発明の積層白色フィルムの耐熱性樹脂層側に、下記の受容層形成用塗液を、乾燥後の厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布した後、120℃で2分間乾燥させ、感熱転写記録用の印刷用シート(受容シート)を得た。
【0079】[受容層形成用塗液]
(A)変性ポリオレフィン:ウレタン変性ポリエチレン水分散体(ウレタン変性比率=20重量%、アンモニア水溶液中で加熱することにより乳化させ、水分散体としたもの)
(B)ポリエステル:ポリエチレングリコール(以下、PEGと省略する)共重合ポリエステル水分散体(テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/PEG=50/49/1/55/42.3/2.7(モル比)の比率で共重合したもの、PEGの分子量=4000、PEGの含有量=30重量部、Tg=−16℃)
(A)/(B)を固形分重量比50/50で混合し、水で希釈して固形分濃度を3%とした。
【0080】次に、カラープリンターとして「Professional Color Point 2」(セイコー電子工業(株)製)、熱転写インキリボンとして専用のCH705(イエロー、マゼンタ、シアン セイコー・アイ・サプライ(株)製)を用いて、上述の受容シートの受容層側に4階調のテストパターン印刷を行なった。そして印刷面を目視観察し、印刷画像の鮮明性について以下の4段階評価を行なった。○以上を良好と判定した。
◎:画像全体が非常に鮮明であって、極めて良好。
○:鮮明な画像であり、良好。
△:画像がやや透けて見える、あるいは非印刷部分が若干黄味がかっており、鮮明性に劣る。
×:画像が透けて見える、あるいは非印刷部分が黄味がかって全体的に画像が暗い印象であって、鮮明性が全く不良。
【0081】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0082】(実施例1)ポリエチレンテレフタレート(以降、PETと省略する)に、ポリメチルペンテン(以降、PMPと省略する)を5重量%、さらに相溶化剤として分子量4000のポリエチレングリコール(以降、PEGと省略する)を1重量%となるよう添加した原料チップを180℃で3時間真空乾燥した後、押出機に供給し、常法により285℃で溶融してT字型口金に導入し、シート状に押出して溶融シートとした。この溶融シートを静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストドラムに巻付けて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、90℃に加熱したロール群で長手方向(縦方向)に3.2倍延伸し、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。さらに該一軸延伸フィルムの両面に、下記の耐熱性樹脂層形成塗液A(5重量%溶液)をダイコート方式で最終積層厚みが0.3μmとなるように塗布した。塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しつつ100℃の予熱ゾーンに導き、引き続き110℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.4倍延伸した。更に、連続的に220℃の熱処理ソーンで10秒間の熱処理を施し、熱可塑性白色フィルムの結晶配向を完了させた。この積層白色フィルムは、熱可塑性白色フィルムの厚みが100μm、耐熱性樹脂層の厚みが片面あたり0.3μmであって、界面接着性と平面性に優れたものであった。また、白色度、光学濃度および光沢度に優れた白色フィルムであった。さらに印刷時の耐熱性、および印刷画像の鮮明性にも優れており、印刷用基材として好適なものであった。なお、フィルム構成および組成については表1に、特性の評価結果については表2に各々まとめて示す。 [耐熱性樹脂層形成塗液A]実質的にTgおよび融点を有しないパラ系芳香族ポリアミド二軸延伸フィルム(東レ(株)製“ミクトロン”)を、N−メチル−2−ピロリドンに固形分濃度が5重量%となるように60℃で溶解した後、常温まで冷却し、粘度55ポイズの塗液を作製した。また、耐熱性樹脂層の厚みに応じてこの塗布液をN−メチル−2−ピロリドンで適宜希釈して用いた。
【0083】(実施例2)実施例1において、耐熱性樹脂層形成塗液Aを下記のものに変えたこと以外は、実施例1と同様にして表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを得た。この積層白色フィルムの耐熱性樹脂層は、ポリアミック酸のイミド化した芳香族ポリイミドであって、そのイミド化率は30%であった。また、表2に示すように、その特性はいずれも良好であった。
【0084】「耐熱性樹脂層形成塗液B」N−メチル2−ピロリドンを、溶媒として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物を既知の方法で重合反応させ、一定時間反応させることにより、20重量%のポリアミック酸溶液を得た。この溶液を、N−メチル2−ピロリドンで希釈して5重量%とした。
【0085】(実施例3)実施例1において、塗液の固形分濃度を2重量%に希釈して用い、塗布方法をメタリングバーを用いたバーコート方式として一軸延伸フィルムの片面に耐熱性樹脂層の厚みを0.05μmとなるよう積層したこと以外は、実施例1と同様にして表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを得た。この積層白色フィルムは表2に示すようにいずれの特性も良好であった。
【0086】(実施例4)実施例1において耐熱性樹脂層の厚みを2μmとなるよう積層し、さらに塗液を両面に塗布して耐熱性樹脂層を熱可塑性白色フィルムの両面に積層したこと以外は、実施例1と同様にして表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを得た。この積層白色フィルムはいずれの特性も良好であった。評価結果を表2に示す。
【0087】(実施例5)実施例1で用いた耐熱性樹脂層形成塗液Aの中に樹脂固形分に対して平均粒子径0.25μmのシリカ粒子を0.5重量%添加したこと以外は、実施例1と同様にして表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを作製した。この積層白色フィルムは表2に示すように各特性に優れ、印刷用基材として好適なものであった。
【0088】(実施例6)2台の押出機が合流して積層シートを押出可能な複合押出機において、一方の押出機(主押出機:内層部形成)にPETに対してPMPを5重量%、PEGを1重量%添加せしめた原料チップを180℃で3時間真空乾燥して供給した。また、他方の押出機(副押出機:表層部形成)にPETに対して平均粒子径0.2μmの酸化チタンを10重量%含有させた原料チップを上記と同様に真空乾燥した後、供給した。2台の押出機を各々285℃に加熱して原料チップを溶融し、両押出機からの溶融体を合流させた後にT字型口金より押出して、副/主/副の3層構成の溶融複合シートを得た。この溶融複合シートを、静電印加キャスト法により表面温度20℃の鏡面ドラム上に巻付け、冷却固化せしめて未延伸複合フィルムを作製した、この未延伸複合フィルムを85℃に加熱したロール群で縦方向に3.2倍延伸し、25℃のロール群で冷却して一軸延伸複合フィルムを得た。この一軸延伸複合フィルムの両面に、実施例1と同様にして耐熱性樹脂層形成塗液を塗布した。この塗布された一軸延伸複合フィルムを実施例1と同様にして横方向に延伸し、熱処理を施した。得られた積層白色フィルムは、内層部が90μm、外層部が片面あたり5μmの3層積層の熱可塑性白色フィルムに片面あたり0.3μmの耐熱樹脂層が積層されたものであった。フィルム構成および組成については表1にまとめて示す。この積層白色フィルムは、表2に示すように各特性に非常に優れ、印刷用基材として特に好適なものであった。
【0089】(比較例1)実施例1において、押出機にPETチップのみを供給したこと以外は、実施例1と同様にして透明PETフィルムの両面に耐熱性樹脂層を設けた積層フィルムを得た。フィルム構成および組成を表1に示す。この積層フィルムは、表2に示すように白色度、光学濃度、印刷画像の鮮明性などに劣るものであった。
【0090】(比較例2)実施例1において、耐熱性樹脂層形成塗液を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして厚み100μmの二軸延伸白色PETフィルムを得た。このフィルムの片面に実施例1と同様の耐熱性樹脂層形成塗布液を、耐熱性樹脂層の最終厚みが0.3μmとなるように塗布した後、150℃で20分間乾燥して表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを得た。このフィルムは表2に示すように特に界面接着性に劣るものであった。
【0091】(比較例3)実施例1において、耐熱性樹脂層形成塗液を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして得られた厚み100μmの二軸配向延伸PETフィルムに、バイロン200(東洋紡(株)製ポリエステル共重合体)100重量部と、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製)20重量部とをトルエン/酢酸エチル(1/1)の混合溶媒に溶解せしめた溶液を塗布し、乾燥して厚み2μmの接着層を設けた。次に、厚み4.5μmのパラ系芳香族ポリアミドフィルム(東レ(株)製“ミクトロン”)を重ね合わせ、ロールラミネーターにて150℃、荷重1kg/cmの線圧でラミネートした。その後、80℃で24時間熱処理を行ない、表1に示した構成および組成の積層白色フィルムを作製した。このようにして得られたフィルムは、表2に示すように界面接着性や平面性に劣るものであった。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【発明の効果】本発明の積層白色フィルムは、耐熱性樹脂層が熱可塑性白色フィルム上に接着層を介さずに設けられているにも係わらず、優れた界面接着性と平面性を有しており、また、積層白色フィルム表面の耐熱性、白色性、生産性にも優れるものである。
【0095】本発明の積層白色フィルムは、上記のような優れた特性を有するので、感熱転写を初めとする印刷材料の印字性に優れ、また、印刷材料以外にも電気絶縁材料などの他の工業材料や、磁気記録材料、包装材料などにも好適に使用することができる。
【0096】具体的には、感熱転写、感熱発色、インクジェットおよびオフセット印刷などの各種方式の印刷記録に供される印刷用基材として最適であり、さらに上記印刷記録を利用したラベル、シール、ポスター、磁気カードやICカードなどの各種カード、バーコードプリンター用紙、ビデオプリンター用紙、感熱記録紙、フォーム印刷用紙、印画紙、複写用紙、配送伝票、地図、無塵紙、白板、表示板、包装紙、化粧紙、建材および反射板などの基材として幅広く利用可能である。




 

 


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