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ケミカルフィルタ、その使用方法、クリーンルーム、半導体製造装置およびファンフィルタ - 東レ株式会社
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発明の名称 ケミカルフィルタ、その使用方法、クリーンルーム、半導体製造装置およびファンフィルタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−62237(P2001−62237A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−241876
出願日 平成11年8月27日(1999.8.27)
代理人
発明者 藤村 洋一 / 猿山 秀夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが異なる複数の濾材で構成されていることを特徴とするケミカルフィルタ。
【請求項2】フィルタの外枠内で濾材のエアが流れる下流部分に接するように濾材保持枠を配したことを特徴とする請求項1記載のケミカルフィルタ。
【請求項3】濾材保持枠が、少なくとも不織布とフレームとにより構成されており、かつ少なくとも濾材のエアが流れる下流側に接する部分に不織布を配したことを特徴とする請求項2記載のケミカルフィルタ。
【請求項4】短い濾材のエアが流れる下流側に、エアの吸引口を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のケミカルフィルタ。
【請求項5】エア吸引用のチューブをフィルタの外枠内部に有するフィルタであって、チューブの一端を濾材保持枠内部に配し、チューブの他端を濾材のエアが流れる上流側の外部に突出させて配した請求項2または3に記載のケミカルフィルタ。
【請求項6】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠長さより短い濾材で構成されていることを特徴とするケミカルフィルタ。
【請求項7】フィルタの外枠内で濾材のエアが流れる下流部分に接するように濾材保持枠を配したことを特徴とする請求項6記載のケミカルフィルタ。
【請求項8】濾材保持枠が、少なくとも不織布とフレームとにより構成されており、かつ少なくとも濾材のエアが流れる下流側に接する部分に不織布を配したことを特徴とする請求項7記載のケミカルフィルタ。
【請求項9】濾材のエアが流れる下流側に、エアの吸引口を設けたことを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載のケミカルフィルタ。
【請求項10】エア吸引用のチューブをフィルタの外枠内部に有するフィルタであって、チューブの一端を濾材保持枠内部に配し、チューブの他端を濾材のエアが流れる上流側の外部に突出させて配した請求項7または8に記載のケミカルフィルタ。
【請求項11】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、請求項1〜5のいずれかに記載のケミカルフィルタまたは請求項6〜10のいずれかに記載のケミカルフィルタを1個以上組み合わせて用いることを特徴とするケミカルフィルタの使用方法。
【請求項12】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、請求項1〜5のいずれかに記載のケミカルフィルタまたは請求項6〜10のいずれかに記載のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなることを特徴とするクリーンルーム。
【請求項13】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、請求項1〜5のいずれかに記載のケミカルフィルタまたは請求項6〜10のいずれかに記載のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項14】フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、請求項1〜5のいずれかに記載のケミカルフィルタまたは請求項6〜10のいずれかに記載のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなり、さらに通風装置を有することを特徴とするファンフィルタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケミカルフィルタの改良に関し、フィルタ寿命を判別・予測することに優れ、例えばクリーンルーム、半導体製造装置等に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ケミカルフィルタの寿命判別方法としては、特開平9−250973号公報でフィルタの上流側及び下流側に空気汚染物質捕捉装置を一対配置し、前記空気汚染物質捕捉装置に吸着された物質量の差が小さいときに、フィルタのフィルタが寿命に達したと判断する方法があった。
【0003】また、寿命判別用ケミカルフィルタとしては特開平8−266831号公報で枠と該枠内に着脱手段を介して着脱自在に収められた濾材からなり、またその一部を寿命試験用メディアとして取り外すことを特徴とするケミカルフィルタが知られている。
【0004】しかしながら、特開平9−250973号公報の技術にはフィルタ本体とは別に空気汚染物質捕捉装置を装着する必要があり、半導体製造装置内などの限られたスペースにおいては設置しづらいという欠点があった。さらに、この方法では最終的に寿命がきたことは測定できるが、使用途中であとどれくらい使用できるかという寿命予測が難しいという観点からは不十分であった。
【0005】一方、特開平8−266831号公報の技術では、寿命予測のために本体濾材部と別に構成された寿命予測用の部分を抜き出す必要があり、抜き出しのためにフィルタへの送風を一時止めるか、フィルタ全体を取り出して改めて抜き出すなどの作業を行う必要があり、極めて手間がかかるという問題点があった。さらに当該技術では抜きだし部と本体部を別々に構成する必要があるため両部分のエアの流れを同一に保つことは難しく、正確な寿命予測ができないという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の技術では、設置性や寿命予測の正確性、寿命予測のための作業の簡便性などの改善には限界があった。すなわち、本発明は、特に寿命予測のための作業性が改良されたケミカルフィルタおよびこのケミカルフィルタの使用方法ならびにこのケミカルフィルタの用途であるクリーンルーム、半導体製造装置、ファンフィルタを提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明のケミカルフィルタは、主として次の(1)、(2)のいずれかの構成を有する。すなわち、(1)フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが異なる複数の濾材で構成されていることを特徴とするケミカルフィルタ、または、(2)フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠長さより短い濾材で構成されていることを特徴とするケミカルフィルタである。
【0008】また、本発明のケミカルフィルタの使用方法は主として次の構成を有する。すなわち、フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、上記(1)のケミカルフィルタまたは上記(2)のケミカルフィルタを1個以上組み合わせて用いることを特徴とするケミカルフィルタの使用方法である。
【0009】本発明のクリーンルームは主として次の構成を有する。すなわち、フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、上記(1)のケミカルフィルタまたは上記(2)のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなることを特徴とするクリーンルームである。
【0010】本発明の半導体製造装置は主として次の構成を有する。すなわち、フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、上記(1)のケミカルフィルタまたは上記(2)のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなることを特徴とする半導体製造装置である。
【0011】本発明のファンフィルタは主として次の構成を有する。すなわち、フィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材表面に沿って略平行に流れる平行流型フィルタであって、エアが流れる方向の長さが同一であって、エアが流れる方向のフィルタ外枠とほぼ同一長さの濾材で構成されている1個以上のケミカルフィルタに、上記(1)のケミカルフィルタまたは上記(2)のケミカルフィルタを1個以上組み合わせてなり、さらに通風装置を有することを特徴とするファンフィルタである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明でいうケミカルフィルタとは、空気中のガス状汚染物質を除去することを目的とするフィルタを指す。本発明に関するケミカルフィルタは寿命を予測することに優れ、クリーンルーム、半導体製造装置等に用いられる。
【0013】本発明のケミカルフィルタはフィルタを通過するエアの流れがフィルタを構成する濾材と略平行に流れるように構成されている。フィルタ濾材には、その内部もしくは表面に空気中のガス成分を吸着する機能性物質が含まれている。ガス状汚染物質を含有する被処理空気は、フィルタ上流側からユニット内に流入し、濾材に略平行に流れながら徐々に濾材の吸着作用によりガス状汚染物質が除去されて下流側に至る。この場合、長期使用により濾材の吸着作用は上流側から徐々に活性を失い、ついには期待される一定以上の除去効率を保てなくなり寿命となる。
【0014】図1は本発明のケミカルフィルタの一例であり、エアの流れ方向上流側からみた正面図である。図1に示すように濾材1は、外枠2で囲われ、フィルタを構成している。フィルタを通過するエアの流れは、外枠2の中で、濾材1の間を、紙面に垂直方向に手前側から流れる。図2は、本発明のケミカルフィルタにおいて、ユニット内部構造の概略の一例を示すものである。図2の例では、フィルタは、エア流れ方向Xの濾材の長さにおいて、長い濾材部分4と短い濾材部分5の異なる2種類の長さ部分を有している。なお、図2においてフィルタの内部構造をわかりやすく図示するためにフィルタ外枠2は描いていない。
【0015】本発明の平行流型フィルタを用いた場合の寿命予測方法は、濾材の吸着作用が上流側から徐々に活性を失っていく平行流型フィルタの特性を生かしている。すなわち図2の例において、濾材長さが短い濾材部分5は長い濾材部分4に比べてわずかに寿命が短くなるのを利用し、短い濾材部分5の寿命を測定することにより本体部分の長い濾材部分4の寿命予測を行うのである。本発明のケミカルフィルタの具体的な寿命測定・判別方法としては、フィルタ上流の対象汚染物質濃度と短い濾材部分5の下流側の対象汚染物質濃度を定期的に測定して次式に基づき除去効率を計算し、寿命を予測・確認する方法と、長い濾材部分5の下流と短い濾材部分5の下流の対象汚染物質濃度を定期的に測定して濃度レベルに差が生じたところを寿命間近と判別する方法などがある。
除去効率(%)=(1−「下流濃度」/「上流濃度」)×100【0016】また、本発明のケミカルフィルタは上述した1枚を単独で使用しても良いが、複数のケミカルフィルタを並べて使用する場合に用いる使用方法も極めて有益である。すなわち、複数のケミカルフィルタのなかで、1枚を図2に一例を示した本発明のケミカルフィルタを用い、他のフィルタには図3に示すケミカルフィルタを用いる方法である。図3に示すケミカルフィルタは、図2に示したフィルタと濾材の種類・構造は同一であって、かつエアの流れ方向の濾材の長さが図2の長い濾材部分4と同じ長さを有するフィルタである。本発明の使用方法によれば、図2に一例を示した本発明のケミカルフィルタの本体部分である長い濾材部分5の寿命を判別・予測できるとともに、他のフィルタ全体の寿命を判別・予測することができるので極めて有用である。また、複数のケミカルフィルタを並べて使用する場合には、1枚のフィルタの濾材すべてを図2の短い濾材部分5と同じ長さに構成し、他のフィルタを第2図の長い濾材部分4と同じ長さに構成して用いても、同様の寿命予測・判別ができて好ましい。
【0017】図2に一例を示した本発明のフィルタにおいて、短い濾材部分5のフィルタ内下流側には、スペース3を有している。スペース3には、フィルタ外枠内で濾材下流部分に接するように濾材保持枠を配すことが、短い濾材部分5を固定する上で好ましい。濾材保持枠のエアの流れ方向の圧力損失は、長い濾材部分と短い濾材部分の圧力損失差に相当する圧力損失を有することが、フィルタ上流側からのエアの流れを均一に出来るので好ましい。濾材保持枠に必要な圧力損失を与える方法は任意であるが、濾材保持枠を少なくとも不織布とフレームにより構成し、かつ少なくとも風の流れ方向上流側の濾材に接する部分に不織布を配した濾材保持枠を用いることがフィルタを制作する上で簡便であり最も好ましく用いられる。本発明に用いる濾材保持枠の一例を図4に示す。図4において、濾材保持枠は不織布6とフレーム7より構成されており、通気方向は矢印に示すとおり図面上部よりエアが流れる。不織布6及びフレーム7を通気する際の圧力損失は、ほぼ長い濾材部分と短い濾材部分の圧力損失差に相当する圧力損失を有することが望ましい。また、フレーム7の上面は、金網状であることが、通気性を損なわずかつ不織布6を支えることができ好ましい。また、本フレームにおいて上下2面を除くエアが通気しない残る4面のうち、少なくとも長い濾材に接する1面は通気性を有さないことが正確な寿命判別をする上で望ましい。さらにエアが通気する上下2面を除く4面すべてを通気性のない部材で構成することが、長い濾材側に接触する面の影響をほとんど受けずより好ましい。図4のフレーム上面に不織布6を配した濾材保持枠は、例えば図2のスペース3部分に挿入し用いることが出来る。
【0018】フィルタの寿命予測・判別のために濾材下流側のエアをサンプリングするが、その方法は任意であり例えばフィルタの下流外側から長い濾材部分下流と、短い濾材部分下流とに分けてサンプリングを行うことが出来る。しかしながら、設置の形態によって、例えばケミカルフィルタの下流側に粒子除去用フィルタ配置した使用方法をとる場合には、フィルタ下流面から正確なサンプリングが出来ないケースがある。このため、濾材の下流側にエアの吸引口を設けることがより望ましい。図5に濾材下流側にエアの吸引口を設けた一例を示す。図5において、短い濾材下流側にエア吸引口8を設けたが、もちろん同様の吸引口が長い濾材下流側にあっても良い。なお、第5図においてフィルタの内部構造をわかりやすく図示するためにフィルタ外枠は描いていない。
【0019】また、エア吸引用のチューブをユニット内部に有し、かつチューブの一端がフィルタ下流側内部に配し、チューブのもう一端はフィルタ上流側外部に配したケミカルフィルタが、複数のフィルタを並べて設置するときに下流側濃度を上面から測定できるのでより好ましい。本発明のケミカルフィルタを図6に示した。なお、図6においてフィルタの内部構造をわかりやすく図示するためにフィルタ外枠は描いていないが、サンプリング用のチューブ9は濾材下流側からフィルタ外枠の内側に沿うようにしてフィルタ上面に配することがフィルタ内のエアの流れを損なうことがなく望ましい。さらにフィルタ外枠上面の耳の部分に穴をあけて、その穴にサンプリング用チューブを通してチューブの一端をフィルタ上面に配することが、並べて設置するときにチューブ部分がじゃまにならず特に好ましい。
【0020】本発明のフィルタを構成する濾材としては、ガスを吸着除去する性質を有するものであれば特に種類は問わないが、例えば繊維状や粒状・粉状の活性炭、繊維状や粒状・粉状のイオン交換体、ゼオライトなどガスを吸着する物質を単用もしくは他の骨材となる物質も含めて組み合わせて用いることができる。しかし、本発明において、特にイオン交換繊維を含む濾材はガス吸着速度が早く、正確に寿命を判別・予測する点で優れる。さらに好ましくは、濾材は、アニオン交換基および/またはカチオン交換基を有するイオン交換繊維ならびに補強用繊維から構成されるものである。イオン交換繊維の直径は、高比表面積を有する点から15〜100μmが好ましい。より好ましくは20〜70μm、特に30〜50μm(乾燥状態)が最も好ましい。イオン交換用ポリマと補強用ポリマの混合態様は特に問わないが、例えばイオン交換ポリマを鞘成分の主成分に補強用ポリマを芯成分にした芯鞘型繊維,多芯型混合及び多芯型複合繊維が好ましく用いられる。特に多芯海島型複合繊維が十分な機械強度を有しており、様々な形態付与を行った際の強度安定性その他に優れており、イオン交換体としての比表面積が大きく好ましい。さらに、形態付与を行う際に機械的な力が加えられることにより、当該多芯海島型複合繊維はフィブリル化しやすく、イオン交換体としての比表面積がさらに大きくなるので極めて好ましい。また、補強用ポリマとしてはポリ−α−オレフィン,ポリアミド,ポリエステル,ポリアクリル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、イオン交換繊維の製造上ポリ−α−オレフィンが耐薬品性に優れていて好ましい。ポリ−α−オレフィンとしてはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ−3−メチルブテン−1,ポリ−4−メチルペンテン−1等が挙げられるが強度や製造性の点からポリエチレンが好ましい。上記繊維を適度な長さにカットし、その後イオン交換基を導入する。イオン交換基にはカチオン交換基とアニオン交換基があり、それぞれの機能を発揮する。カット長は任意であるが、短かすぎると形態化しても繊維の脱落が起こり好ましくなく、長すぎると反応の均一差に支障が出るため、0.1〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5mmさらには0.3〜1mmの範囲が好ましい。アニオン交換基としては、ハロアルキル化物をトリメチルアミン等の第3級アミンで処理することによって得られる強塩基性アニオン交換基、及びイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、モルホリン等の2級以下のアミンで処理することによって得られる弱塩基性アニオン交換基があげられるが、本発明における処理性能の点で強塩基性アニオン交換基が好ましい。カチオン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、イミノジ酢酸基等のアミノカルボン酸基が好ましくもちいられるが、本発明における処理性能の点でスルホン酸基がより好ましい。本発明におけるイオン交換繊維の具体的な製造法としては、ポリスチレン系化合物とポリ−α−オレフィンからなる多芯型混合もしくは複合繊維を酸触媒下でホルムアルデヒド源でポリスチレン部を架橋不溶化し、次に公知の方法でイオン交換基を導入して製造する方法が挙げられるが、これに限るものでは無い。
【0021】また、本願発明の濾材の構造は、平行流型であれば特に種類を問わず、例えば濾材の断面が略6角形のハニカム構造、略3角形のコルゲート構造、略4角形の角柱構造、全く折り加工を施さないシート構造や、これらを単独でもしくは複合して積み重ねた積み重ね構造などが挙げられる。特にコルゲート積み重ね構造は、単位濾材重量あたりの吸着効率を高めるのに適しており、長寿命化をはかれるとともに正確な寿命予測ができる点で優れる。
【0022】本発明のフィルタは、クリーンルームやクリーンブース、半導体製造装置や他の電子機器・部品製造装置、ファンとフィルタが一体化したファンフィルタ等に好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】
【0024】(実施例1)海成分にスルホン基を付与したポリスチレン、島成分に補強・分割用のポリプロピレンを配した多芯海島型イオン交換繊維と天然パルプ及び外側鞘部に低融点成分を配したポリエステル系熱融着繊維を、60:20:20(重量%)の比率で湿式抄紙を行い、目付約200g/m2のカチオン交換シートを得た。本シートの単位重量あたりのイオン交換容量は1.6meq/gであった。なお、イオン交換容量は、0.1Nの水酸化ナトリウム50mlに当該シートを約1g入れ、23℃、2時間振とうし、5ml正確にはかりとって中和滴定し、本滴定量とサンプル重量から計算して求めた。上記カチオン交換シートを中芯用基材及びライナー用基材に用い、コルゲート加工マシン(5号段用シングルフェーサ)において波形の表面形状を有するロール(120℃)、中芯、ライナー用基材およびフラットな表面形状をもつプレッシャロールの順となるようにして、ロール間に圧力を与えながらそれぞれのロールを回転し、中芯用基材とライナー用基材とを加熱、加圧接着し、コルゲート構造シートを製造した。このコルゲート構造シートを幅600mm×通気方向の長さ60mmのサイズにカットし、フィルタ用濾材として準備した。また、同じコルゲート構造シートを幅600mm×通気方向の長さ40mmのサイズにカットし、寿命予測用の短いフィルタ用濾材として準備した。また、アルミを材料として高さ610mm×幅610mm×奥行き70mmのフィルタ外枠を作成し、上記定長カット済みのコルゲート構造シート2種を図2に示すように積み重ねて充填し、ケミカルフィルタを製作した。なお、濾材長さ40mm部分の下流側には、風の流れ方向上流側の濾材に接する部分に不織布を配した濾材保持枠を設置した。なお、使用した不織布は、濾材60mm部分の風速0.5m/s時の圧力損失値と、濾材40mm部分の風速0.5m/s時の圧力損失値との差に相当する値になるよう不織布を選定した。
【0025】このケミカルフィルタを用いて、アンモニア寿命予測モデル試験を行った。試験は、アンモニア濃度100μg/m3に調整したエアを面風速0.5m/sになるように試験用フィルタに流し、一定時間ごとにケミカルフィルタ上流及び濾材長さ60mm部分と40mm部分の下流側それぞれのエアをサンプリングして各アンモニア濃度を測定し、次式に基づき除去効率を計算した。
除去効率(%)=(1−「下流濃度」/「上流濃度」)×100なお、サンプリングはインピンジャーと呼ばれる補集器具に超純水を充填し、そこに対象エアを通気させることによりアンモニアを溶解させて捕集した。分析はイオンクロマトグラフィーを用いた微量分析を行った。濾材長さ60mm部分と40mm部分それぞれの除去効率測定結果を表1にまとめた。アンモニア除去効率は、スタート時はいずれの部分もほぼ100%であるが、時間経過に従って徐々に除去効率は低下し、かつ40mm部分は60mm部分に比べ早く除去効率は低下した。本実験では、例えば60mm部分の除去効率が90%を下回ったのは、40mm部分が50%を下回った4日後であった。
【0026】一方、本実施例のモデル実験に用いた同じ寿命予測フィルタ1枚と濾材長さ60mmの図3に示す通常のフィルタ8枚それぞれ新品を用いてクリーンルーム供給用外気処理装置を作製した。取り付けたフィルタを通過するエアの面風速はすべて0.5m/sになるよう調整し、本装置に取り付けた寿命予測フィルタの濾材長さ60mm部分と40mm部分それぞれの除去効率を3ヶ月おきに測定した。さらに装置全体を1ユニットとしたときの除去効率もあわせて測定した。その結果、21ヶ月後には、装置全体の除去効率は96%とほとんど低下していないデータが得られたが、濾材長さ40mmの部分は除去効率が60%に低下しており、寿命が近いことを事前に予測することが出来た。この結果をもとに、交換用フィルタをすぐ手配し、22ヶ月後寿命予測用フィルタ1枚と通常のフィルタ8枚とをそれぞれ新品に交換することができた。
【0027】
【発明の効果】本発明のケミカルフィルタによれば、エアの流れ方向の長さが短い濾材部分の除去性能を測定することにより、他の濾材または他のフィルタの寿命を、フイルタの取り外し等の煩わしい作業なしに容易に予測・判別することができる。




 

 


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