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発明の名称 ガスバリアフィルム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−9983(P2001−9983A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−185163
出願日 平成11年6月30日(1999.6.30)
代理人 【識別番号】100091384
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
【テーマコード(参考)】
3E086
4F006
4F100
【Fターム(参考)】
3E086 AD01 BA04 BA15 BB01 BB41 BB90 CA01 CA28 
4F006 AA02 AA12 AA13 AA15 AA16 AA17 AA19 AA22 AA31 AA35 AA36 AA38 AA39 AA40 AB03 AB12 AB20 AB24 AB32 AB37 AB43 AB76 BA05 CA07
4F100 AA00B AA00C AA00H AC10B AC10H AK01A AK01B AK01C AK07A AK21B AK21C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA15 CC00B CC00C DD07B DD07C DE02B DE02C DE02H EJ38A GB15 GB23 GB66 JB09B JB09C JB16A JD02 JK06 JK14 JK15B JK15C YY00B YY00C
発明者 原田 裕 / 田中 茂 / 永井 逸夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面上に無機板状粒子及び水溶性高分子を主たる構成成分とする塗膜を形成したフィルムであって、該塗膜における高さ1.5μm以上の表面突起の個数が100個/mm2 以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。
【請求項2】 塗膜の表面平均粗さRaが0.01〜0.1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
【請求項3】 水溶性高分子がポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
【請求項4】 熱可塑性樹脂基材がポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリアフィルムに関するものであり、さらに詳しくは高湿度下での高いガスバリア性、塗膜の耐削れ性及び基材との密着性に優れたガスバリアフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品や薬品などの包装分野では、外気からの酸素などの侵入があると内容物の変質によって長期保存ができないことから、外気の混入を防ぐことができるガスバリア性をもったフィルムの開発が行われている。
【0003】ポリマー エンジニアリング アンド サイエンス、20巻、22号、1543〜1546頁(1986年、12月)によると、従来より開発されたガスバリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどがある。しかし、ポリ塩化ビニリデンは塩素原子、ポリアクリロニトリルは−CN基を含有しているため、廃棄の際に環境に対する問題が近年持ち上がっている。また、ポリビニルアルコールは−OH基を含有しているため、ガスバリア性の湿度依存性が大きく、高湿度ではガスバリア性が著しく低下してしまう。ポリビニルアルコールの湿度依存性を改良したエチレンービニルアルコール共重合体においても、高湿度でのガスバリア性はまだ十分とは言えない。
【0004】一方、酸化珪素(特公昭53−12953号公報等)や酸化アルミニウム(特開昭62−179935号公報等)などの無機物を基材の表面に蒸着したフィルムが開発されている。しかし、これらのフィルムの形成には蒸着過程が加わるのでコストが非常に高くなる欠点や、無機被膜の可とう性の無さ、基材との接着性が悪い等によるフィルムとしての取り扱いにくさの問題が生じている。
【0005】これらの問題を解決する手段として、基材に金属酸化物及びポリビニルアルコールからなる塗膜を設けたフィルム(特開昭56−4563号公報等)が開発されているが、高湿度下でのガスバリア性に関してはまだ満足のいくレベルではない。
【0006】また、無機層状化合物及び高水素結合性化合物からなるガスバリア層を有するフィルム(特開平6−93133公報、特開平7−41685公報等)がある。しかし、高水素結合性化合物に対して無機層状化合物を高濃度含有しているため両者の凝集物が多く、それが原因の粗大突起が塗膜表面に形成される。その結果、塗膜形成後の巻き取り時及び包装袋へ加工される時のロール等との接触により塗膜表面が削れてしまうので塗膜の耐削れ性が悪く、信頼性のある包装袋が得られない。また、削れてしまった塗膜が粉として表面に残ってしまうために他の素材とラミネートした際の密着不良の原因となることもある。なお、これらの現象は実際の生産工程におけるような高速加工において顕著に現れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、信頼性のある包装袋を提供できる均一なガスバリア塗膜を形成させるには塗膜表面における一定の高さ以上の突起の分布状態が重要であることを見出し,本発明に至ったものである。
【0008】すなわち本発明の課題は,高湿度下でのガスバリア性、塗膜の耐削れ性及び基材との密着性に優れたガスバリアフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、本発明に係るガスバリアフィルムは、熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面上に無機板状粒子及び水溶性高分子を主たる構成成分とする塗膜を形成したフィルムであって、該塗膜における高さ1.5μm以上の表面突起の個数が100個/mm2 以下であることを特徴とするものからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。本発明における水溶性高分子とは、常温で水に完全に溶解もしくは微分散可能な高分子のことであり、例えば、ポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体、カルボチシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、酸化でんぷん、エーテル化でんぷん、デキストリンなどのでんぷん類、ポリビニルピロリドン、スルホイソフタル酸等の極性基を含有する共重合ポリエステル、ポリヒドロキシエチルメタクリレートまたはその共重合体などのビニル系重合体、アクリル系高分子、ウレタン系高分子、エーテル系高分子あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、アミノ基、メチロール基など官能基変性重合体などが挙げられる。好ましくはポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体であり、特に好ましくはけん化度80モル%以上のポリビニルアルコール、ビニルアルコール単位が60モル%以上の共重合ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコール系重合体またはその誘導体の重合度は、1500以下が好ましく、1200以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。
【0011】本発明における無機板状粒子とは極薄の単位結晶層が重なって一つの板状粒子を形成している無機粒子のことであり、溶媒に膨潤・へき開するものが好ましい。これらの中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物が好ましく用いられる。本発明における溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物とは極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収・膨潤する性質を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO2-に対して配位し4面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li+等がO2-およびOH-に対して配位し8面体構造を構成する層とが、1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものでもよい。代表的なものとしては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。特にスメクタイト群と呼ばれているモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライトやサポナイトが好ましく用いられる。無機板状粒子の粒子径は特に限定されないが、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
【0012】本発明においては、無機板状粒子及び水溶性高分子を主たる構成成分とする塗膜の高さ1.5μm以上の表面突起の個数が100個/mm2 以下であることが必要である。好ましくは、80個/mm2 以下、さらに好ましくは50個/mm2 以下である。高さ1.5μm以上の表面突起の個数が100個/mm2 を越えてしまうと、包装袋へ加工されるときのロールとの接触等により塗膜表面が削れてしまうので塗膜の耐削れ性及び基材との密着性が悪化する。
【0013】表面突起高さの個数を上記範囲内にする方法としては、平滑な熱可塑性樹脂基材上に、塗膜構成成分を極めて均一に分散させた塗剤を作製し、塗膜面の温度が180℃以下、乾燥時間30秒以内の短時間で乾燥させた塗膜を形成する方法等が好ましく用いられる。塗膜構成成分を均一に分散させるためには、塗剤をせん断力、ずり応力のかかるホモミキサー、ジェットアジター、ボールミル、ニーダー、サンドミル、3本ロール等を用いて機械的な強制分散処理を行う方法、中でも板状粒子を二次凝集が無いように均一に分散させる方法、塗剤を濾過するなどして凝集物を濾過する方法、水溶性高分子、無機板状粒子を分散させるときにそれらと親和性の高い溶媒を用いる方法、塗剤濃度を低くする方法、水溶性高分子の水分散液中の粘度を低くする方法及びこれらの併用が好ましく用いられる。
【0014】また、本発明において、ガスバリア性及び塗膜の耐削れ性の観点から、該塗膜の表面粗さRaが0.01〜0.1μmであることが好ましく、0.03〜0.08μmがより好ましい。表面粗さRaが0.01μm以下の場合、塗膜表面の滑り性が極端に低く、塗膜表面に傷が入ってしまいガスバリア性が悪化することがある。0.1μm以上であればガスバリア性、塗膜の耐削れ性が悪化する場合がある。Raは中心線平均粗さである。なお、このパラメータの詳細は奈良治朗著「表面粗さの測定法・評価法」(総合技術センター、1983)等に示されている。
【0015】表面粗さRaを上記範囲内にする方法としては、平滑な熱可塑性樹脂基材上に、無機板状粒子を水溶性高分子に対して1%以上含有させ、かつ塗膜構成成分を極めて均一に分散させた塗剤を作製し、塗膜を形成する方法等が好ましく用いられる。塗膜構成成分を均一に分散させるためには、塗剤をせん断力、ずり応力のかかるホモミキサー、ジェットアジター、ボールミル、ニーダー、サンドミル、3本ロール等を用いて機械的な強制分散処理を行う方法、中でも板状粒子を二次凝集が無いように均一に分散させる方法、水溶性高分子、塗剤濃度を低くする方法、及びこれらの併用が好ましく用いられる。
【0016】さらに、本発明では塗膜中に架橋剤を含んでいてもよい。混合比は塗膜構成成分に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%である。用いられる架橋剤としては、水溶性高分子と反応性を有するものであればとくに限定されないが、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、シランカップリング剤などが使用される。
【0017】本発明における無機板状粒子/水溶性または水分散性ポリマーの混合比率は、重量比で1/99〜70/30の範囲内が好ましく、5/95〜60/40の範囲内がより好ましい。1/99より小さいときはガスバリア性が低下し、60/40より大きいときは密着性が低下する場合がある。
【0018】本発明における該塗膜の厚さは特に限定されないが、ガスバリアフィルムの観点から、0.1〜5μmが好ましく、0.2〜3μmがより好ましい。
【0019】また本発明は無機板状粒子及び水溶性高分子を主たる構成成分を塗膜とするフィルムであり、主たる構成成分とは塗膜構成全成分に対して無機板状粒子及び水溶性高分子が70重量%以上であることを示す。ガスバリア性及び透明性を損なわない範囲内であれば各種の添加剤を30重量%以下含まれていてもよい。該各種の添加剤としては、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤等である。また、透明性及びガスバリア性を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子が20重量%以下含まれていてもよい。例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。
【0020】さらに、該塗膜を形成させる上で板状粒子−ポリマ間、ポリマ間または板状粒子間等の相互作用を高めるために、2価以上の金属塩、触媒成分などを添加しても良い。カルシウム、マグネシウム、アルミニウム元素などを有する酢酸塩、硫酸塩、または硝酸塩などを用いると耐湿性が向上するので望ましい。その量としては、塗膜に対して1〜10000ppm程度である。
【0021】本発明において用いられる熱可塑性樹脂基材は、主として機械的性質やフィルムの加工性等を付与するために必要であり、一般に市販されている各種の熱可塑性樹脂フィルムが含まれる。特に限定されないが代表的なものとして、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体またはそのけん化物、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなど、およびこれらの共重合体が挙げられる。コストパフォーマンス、透明性、ガスバリア性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンがさらに好ましい。。
【0022】熱可塑性樹脂基材としてポリプロピレンが用いられる場合には、塗膜面側表面の窒素と炭素の原子数比N/C値が0.001〜0.1、より好ましくは0.0015〜0.08、特に好ましくは0.002〜0.05であると密着性が向上するので好ましい。N/C値は、X線光電子分光法(ESCA)によって求めることができる。塗膜を形成したフィルムのN/Cの値を求めるには、熱水処理やスパッタリング等で塗膜を除去し該基材表面のスペクトルを測定しても良い。また、2次イオン質量分析計(SIMS)を用いて深さ方向への組成分布を測定してもよい。N/C値を上記の範囲内とするには、塗膜層形成前の基材表面にコロナ放電処理あるいは減圧下において希薄ガス中でのプラズマ処理を施すことで達成される。コロナ放電処理時の雰囲気は窒素ガス(酸素濃度が3vol%以下)、炭酸ガスあるいは窒素/炭酸ガスの混合ガスが好ましく、窒素/炭酸ガスの混合ガス(体積比=95/5〜50/50)がさらに好ましい。また、プラズマ処理は10-2Pa程度の真空度の容器内に少量のアルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどを導入しながら高電圧を印加した電極からフィルムの表面に向けてグロー状放電させながら処理する。この時、処理効果及び経済性の点で炭酸ガスが好ましい。処理強度は、電圧×電流/(電極幅×フィルム走行速度)(W・min/m2)から算出するが、5〜400が好ましく、10〜200がより好ましく、20〜100がさらに好ましい。また、塗膜形成したフィルムの120℃における熱収縮率が1%以下であることがガスバリア性を安定させる上で好ましい。
【0023】これらの熱可塑性樹脂基材は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、寸法安定性および機械特性の観点から、二軸延伸されたものが特に好ましい。また熱可塑性樹脂基材には、各種の添加剤が含まれていてもよい。例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤等である。また、透明性を損なわない程度であれば、無機または有機の粒子を含んでいても良い。例えば、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カルシウム、架橋ポリスチレン系粒子などである。平均粒子径としては好ましくは0.001〜10μm、さらに好ましくは0.003〜5μmである。なお、平均粒子径は透過型顕微鏡などを用いて10000〜100000倍の写真を撮影し、数平均により求めた粒子径である。
【0024】さらに、これらの熱可塑性樹脂基材は、透明であることが好ましい。光線透過率が、40%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。また熱可塑性樹脂基材は、平滑であることが好ましい。熱可塑性樹脂基材の厚さは、特に限定されないが2〜1000μmが好ましい。
【0025】また、必要に応じて、熱可塑性樹脂基材と塗膜との間に公知のアンカー剤によるアンカー層を設けてもよい。アンカー層の厚さは特に限定されないが、生産性の観点から、0.1〜1μmが好ましい。
【0026】次に、本発明のガスバリアフィルムの代表的な製造方法について述べるが、下記に限定されるものではない。
【0027】熱可塑性樹脂基材上に塗膜を形成する方法は特に限定されず、押し出しラミネート法、メルトコーティング法を用いても良いが、高速で薄膜コートする事が可能である点で、塗膜の構成成分を各種溶媒に分散させた分散溶液をグラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キッスコート、コンマコート、ダイコート、ナイフコート、エアーナイフコートあるいはメタリングバーコートするのが好適である。熱可塑性樹脂基材は塗布前に公知の接着促進処理、例えば空気中、窒素ガス中、窒素/炭酸ガスの混合ガス、その他の雰囲気下でのコロナ放電処理、減圧下でのプラズマ処理、火炎処理、紫外線処理等を施していてもよい。もちろん、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンイミンなどの公知のアンカー処理剤を用いてアンカー処理を施しておいてもよい。
【0028】塗膜の乾燥方法は特に限定されず、熱ロール接触法、熱媒(空気、オイル等)接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等が利用できる。塗膜の乾燥は、ガスバリア性の観点から、60℃〜160℃の範囲内で行われることが好ましく、乾燥の時間としては1〜60秒、好ましくは3〜30秒である。
【0029】塗膜の構成成分を含んだ塗剤は、溶媒に無機板状粒子が均一に分散もしくは膨潤しかつ水溶性高分子が均一に溶解もしくは分散した溶液が好ましい。溶媒としては、水または水/低級アルコール混合溶液が用いられる。水/低級アルコール混合溶液を用いると乾燥が短時間で行うことが可能になる。低級アルコールとは炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を有するアルコール性化合物のことであり、例えばメタノール、エタノール、n−またはイソ−プロパノールが好ましく用いられる。また、水/低級アルコールの混合比率は重量比で100/0〜20/80が好ましく、99/1〜50/50がさらに好ましい。混合比率が20/80より小さいと塗膜構成成分の溶媒中での分散性が悪化する。
【0030】塗剤の濃度は特に限定されないが、塗剤の粘度、乾燥効率等の生産性の観点から2.5重量%以上で行うことが好ましい。2.5重量%未満の低濃度塗剤を用いる場合は、塗剤の溶媒に水との親和性のある揮発性の高い低沸点溶媒を加える方法、塗膜の乾燥を水の沸点以上の温度で行う方法等が用いられる。
【0031】また、フィルムへの塗布性を付与するために、分散溶液の安定性が維持される範囲内であれば、混合溶媒中に第3成分として他の水溶性有機化合物が含まれていてもよい。上記水溶性有機化合物としては例えば、メタノール、エタノール、n−またはイソ−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセルソルブ等のグリコール誘導体、グリセリン、ワックス類等の多価アルコール類、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。また、分散溶液のpHは溶液の安定性の面から2〜11が好ましい。
【0032】該塗剤の調整方法は特に限定されないが、板状粒子を溶媒に均一に分散させた後に水溶性または水分散性ポリマーを溶媒に均一に溶解させた溶液と混合する方法等が有効に用いられるが、塗剤中で水溶性または水分散性ポリマーと板状粒子が極めて均一に分散していることが好ましい。
【0033】特に無機板状粒子は、分散液液中で二次凝集している可能性があるために、板状粒子を溶媒に分散させた後に、せん断力、ずり応力のかかるホモミキサー、ジェットアジター、ボールミル、ニーダー、サンドミル、3本ロール等の装置を用いて機械的な強制分散処理を行う方法が好ましく用いられる。例えば、板状粒子を数重量%の濃度で水に均一に分散させた後にホモミキサー等を用いて分散処理を行い、数重量%濃度に水に均一に分散させたポリマー水溶液と混合した後に再度分散処理を行い、低級アルコール及び水を加えて濃度を調整する方法等が好ましく用いられる。また,フィルターによって凝集物を濾過しても良い。さらに、この塗剤に架橋剤、粒子等を含有させてもよい。
【0034】〔特性の評価方法〕本発明にて用いた特性の評価方法は以下の通りである。
(1)ガスバリア性ASTM−D−3985に準じて酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN2/20)を用いて酸素透過率を測定した。測定条件は温度23℃、相対湿度75%である。
【0035】(2)塗膜の耐削れ性巻き出し装置、フリーロール3本、巻き取り装置を有する検反機の塗膜面に接するフリーロール1本(ロール表面材質:ハードクロムメッキ)を回転しないように固定する。この検反機にフィルムを50m/分で走行させ,巻き取った後のフィルムのガスバリア性を上述の方法で測定した。
【0036】(3)基材との密着性上述の方法で検反機を走行させたフィルムの塗膜面と未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、東レ合成フィルム(株)製T3501、50μm)をポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーターにより貼り合わせ、40℃で48時間エージング後に、接着剤に接する面とは反対側の各面をセロテープで補強し15mm幅に切断してCPPと本フィルムの180゜剥離をテンシロンを用いて行い、その時の剥離強度を求めた。なお、剥離は剥離速度10cm/分、23℃、相対湿度65%雰囲気下で行った。
【0037】(4)表面突起個数(株)小坂研究所製3次元微細形状測定器(ET−30HK)を用いて測定し,1.5μm以上の突起高さの個数を単位面積あたりに換算し算出した。測定条件は下記の通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
触針先端半径:2μm触針荷重 :16mg測定面積 :0.3mm2カットオフ :0.25mm【0038】(5)表面粗さRa上述と同様の方法で測定し,20回の測定の平均値をもって値とした。
【0039】
【実施例】実施例1無機板状粒子としてモンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピア−G)を3重量%になるようを水に分散させた(A液)。水溶性高分子としてけん化度98モル%、重合度500のポリビニルアルコール(以下PVAと略す)を3重量%になるよう水に分散させた(B液)。A液とB液を重量比で45/55に混合した後、塗剤の固形分濃度3重量%、溶媒組成が水/イソプロピルアルコール(以下IPA)=90/10になるように塗剤を調製した。コロナ放電処理(炭酸ガス/窒素混合ガス(体積比83:17)中、処理強度=60W・min/m2)した2軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製“トレファン”、厚さ20μm,Ra0.03nm)表面に,該塗剤をリバースコーター(塗工速度20m/分)にて塗布後、熱風乾燥式ドライヤー内に導き低張力下で120℃、15秒間乾燥し、塗膜厚さ0.4μmのガスバリアフィルムを巻取った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性、密着性に優れるフィルムが得られた。
【0040】実施例2無機板状粒子と水溶性高分子の組成比が40/60になるように塗剤を調整した後、フィルター(200メッシュ)にて濾過し、塗膜厚さを0.35μmとしたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性、密着性に特に優れるフィルムが得られた。
【0041】実施例3無機板状粒子として合成ヘクトライト(トピー工業(株)製,Na−HT)、水溶性高分子としてけん化度88モル%、重合度1200のPVA、無機板状粒子と水溶性高分子の組成比を60/40、塗剤の溶媒組成が水/IPA=70/30になるように塗剤を調製し,熱可塑性樹脂基材として2軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製“ルミラー”,厚さ11μm,Ra0.1μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性、密着性に優れるフィルムが得られた。
【0042】実施例4塗膜厚さを0.25μmにしたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを得た。ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性、密着性に優れるフィルムが得られた。
【0043】実施例5熱可塑性樹脂基材としてコロナ放電処理(大気中、処理強度=60W・min/m2)した2軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製“トレファン”、厚さ20μm,Ra0.03nm)を用い,その処理面にポリウレタン系アンカー剤(武田薬品工業(株)製,タケラック)を0.2μmコーティングした表面に塗工したこと以外は実施例1と同様にして,サンプルを得た。ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性、密着性に特に優れるフィルムが得られた。
【0044】比較例1板状粒子を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。表2から明らかなように得られたフィルムはガスバリア性、塗膜の耐けずれ性が劣っていることがわかった。
【0045】比較例2水溶性高分子を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして塗剤を作成し塗工したが,均一な塗膜が形成できず,ガスバリア性、塗膜の耐けずれ性,密着性が劣っていることがわかった(表2)。
【0046】比較例3塗剤の溶媒組成を水/酢酸エチル=70/30になるように塗剤を調製したこと以外は実施例1と同様にして塗剤を得たが,塗剤が増粘しゲル化したので,塗工できなかった(表2)。
【0047】比較例4無機板状粒子として合成ヘクトライト(トピー工業(株)製,Na−HT),水溶性高分子としてけん化度99モル%,重合度1700のPVA(固形分濃度10重量%における粘度300cps),塗剤の溶媒として水のみを用い,固形分濃度5重量%の塗剤を作成したこと以外は,実施例1と同様にしてサンプルを得た。塗膜のけずれ性が劣っていることがわかった(表2)。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【発明の効果】本発明のガスバリアフィルムによれば、ガスバリア性に優れるだけでなく、塗膜の耐けずれ性と密着性に優れることから、信頼性の高い包装材料として使用することができる。




 

 


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