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発明の名称 ケミカルフィルターユニット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−821(P2001−821A)
公開日 平成13年1月9日(2001.1.9)
出願番号 特願平11−174055
出願日 平成11年6月21日(1999.6.21)
代理人
発明者 藤村 洋一 / 猿山 秀夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】複数の濾材からなり、フィルターを通過するエアの流れがフィルターを構成する濾材と略平行に流れる平行流型フィルターユニットであって、少なくとも一部の濾材が脱離可能となっているケミカルフィルターユニット。
【請求項2】ユニット内にシート状濾材の一部を抜き出すための仕切り板が設けられていることを特徴とする請求項1記載のケミカルフィルターユニット。
【請求項3】フィルターユニットの上流側又は下流側に空気流れ遮断用シャッタを挿入するスリット及び/または空気流れ遮断用シャッタが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のケミカルフィルターユニット。
【請求項4】濾材がシート状3次元構造体であってコルゲート構造である請求項1〜3いずれかに記載のケミカルフィルターユニット。
【請求項5】フィルター濾材として少なくとも一部に繊維状のイオン交換体を含む請求項1〜4いずれかに記載のケミカルフィルターユニット。
【請求項6】繊維状のイオン交換体が、多芯海島構造を有しフィブリル化していることを特徴とする請求項5記載のケミカルフィルターユニット。
【請求項7】請求項1〜6いずれかの記載のケミカルフィルターユニットを用いたクリーンルーム。
【請求項8】請求項1〜6いずれかの記載のケミカルフィルターユニットを用いた半導体製造装置。
【請求項9】請求項1〜6いずれかの記載のケミカルフィルターユニットおよび通風装置を有するファンフィルターユニット。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は新規なケミカルフィルター、およびそれを用いたクリーンルーム、半導体製造装置、ファンフィルターユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケミカルフィルターの寿命判別方法としては、特開平9−250973号公報でフィルターの上流側及び下流側に空気汚染物質捕捉装置を一対配置し、前記空気汚染物質捕捉装置に吸着された物質量の差が小さいときに、フィルターのフィルターが寿命に達したと判断する方法があった。
【0003】また、寿命判別用ケミカルフィルターとしては特開平8−266831号公報で枠と該枠内に着脱手段を介して着脱自在に収められた濾材からなり、またその一部を寿命試験用メディアとして取り外すことを特徴とするケミカルフィルターが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平9−250973号公報の技術にはフィルター本体とは別に空気汚染物質捕捉装置を装着する必要があり、半導体製造装置内などの限られたスペースにおいては設置しづらいという欠点があった。さらに、本方法では最終的に寿命がきたことは測定できるが、使用途中であとどれくらい使用できるかという寿命予測という観点からは不十分であった。
【0005】一方、特開平8−266831号公報の技術では、抜き出す濾材の外側に可撓性発泡体のガスシールを用いるために当該発泡体から不必要な空気汚染物質を発生させてしまうという問題があった。さらに、当該技術では抜きだし部と本体部を別々に構成する必要があるため両部分のエアの流れを同一に保つことは難しく、実用としては正確な寿命予測ができないという欠点があった。
【0006】すなわち従来の技術では、設置性や寿命予測の正確性、汚染物質発生の抑制などの改善には限界があった。
【0007】このような観点から、本発明では設置性や寿命予測の正確性の改良されたケミカルフィルターユニットを提供することを目的とし、その解決を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するためのケミカルフィルターについて鋭意検討した結果、次の発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は1「複数の濾材からなり、フィルターを通過するエアの流れがフィルターを構成する濾材と略平行に流れる平行流型フィルターユニットであって、少なくとも一部の濾材が脱離可能となっているケミカルフィルターユニット。」
2「ユニット内に濾材の一部を抜き出すための仕切り板が設けられていることを特徴とする前記ケミカルフィルターユニット。」
3「フィルターユニットの上流側又は下流側に空気流れ遮断用シャッタを挿入するスリットまたは空気流れ遮断用シャッタ設けたことを特徴とする前記いずれかのケミカルフィルターユニット。」
4「濾材がシート状3次元構造体であってコルゲート構造である前記いずれかに記載のケミカルフィルターユニット。」
5「フィルター濾材として少なくとも一部に繊維状のイオン交換体を含む前記いずれかのケミカルフィルターユニット。」
6「繊維状のイオン交換体が、多芯海島構造を有しフィブリル化していることを特徴とする前記いずれかのケミカルフィルターユニット。」
7「前記いずれかのケミカルフィルターユニットを用いたクリーンルーム。」
8「前記いずれかのケミカルフィルターユニットを用いた半導体製造装置。」
9「前記いずれかのケミカルフィルターユニットおよび通風装置を有するファンフィルターユニット。」
【0010】
【発明の実施の形態】ここで述べるケミカルフィルターとは、空気中のガス状の不要物質を除去する機能を有するフィルターを指す。本発明に関するケミカルフィルターは寿命を予測することに優れ、クリーンルーム、半導体製造装置等に用いられる。
【0011】本発明のケミカルフィルターはフィルターを通過するエアの流れがフィルターを構成する濾材と略平行に流れるように設計されている。図1は本発明のケミカルフィルターの一例であり、シート状物である中芯2とライナ3とからなる濾材から構成され、これらがフィルター外枠4の中に充填されている。また、フィルター外枠の中に、仕切り板5を有する。フィルターを通過するエアの流れは、外枠4の中で、中芯2とライナ3との間を、図面に垂直方向にあり、かつ仕切り板を隔てたいずれの部位も同じようにエアが流れる。本発明では、図1の一部の濾材が脱離可能であり、一部の濾材を取り出して、すでに吸着している量、または吸着可能な量を測定することにより、ユニットに残存している他の濾材やほぼ同様の構造を有するまたは配置にある別のユニットの、残された吸着性能を推定することが可能である。本発明においては脱離可能な構造のみならず着脱可能とすることも好ましい形態である。
【0012】特にコルゲート構造を有する濾材を使用する場合、仕切り板5が存在することにより、抜き出した際に、残った濾材の変位を防止することができる。
【0013】図2は、本願発明のケミカルフィルターユニットにおいて、寿命測定のためにシート状3次元構造体の一部を仕切り部を境に抜き出した状態を示すものである。図3は、抜き出されたシート状3次元構造体の一部を示したものである。
【0014】本フィルターを構成する濾材としては、繊維状や粒状・粉状の活性炭、繊維状や粒状・粉状のイオン交換体、ゼオライトなどガスを吸着する物質を単用もしくは他の骨材となる物質も含めて組み合わせて用いることができる。本願発明において、特にイオン交換繊維を含む濾材はガス吸着速度が早く、正確に寿命を判別・予測する点で優れる。さらに好ましくは、濾材は、アニオン交換基および/またはカチオン交換基を有するイオン交換繊維ならびに補強用繊維から構成されるものである。イオン交換繊維の直径は、高比表面積を有する点から15〜100μmが好ましい。より好ましくは20〜70μm、特に30〜50μm(乾燥状態)が最も好ましい。イオン交換用ポリマと補強用ポリマの混合態様は特に問わないが、例えばイオン交換ポリマを鞘成分の主成分に補強用ポリマを芯成分にした芯鞘型繊維,多芯型混合及び多芯型複合繊維が好ましく用いられる。特に多芯海島型複合繊維が十分な機械強度を有しており、様々な形態付与を行った際の強度安定性その他に優れており、イオン交換体としての比表面積が大きく好ましい。さらに、形態付与を行う際に機械的な力が加えられることにより、当該多芯海島型複合繊維はフィブリル化しやすく、イオン交換体としての比表面積がさらに大きくなるので極めて好ましい。また、補強用ポリマとしてはポリ−α−オレフィン,ポリアミド,ポリエステル,ポリアクリル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、イオン交換繊維の製造上ポリ−α−オレフィンが耐薬品性に優れていて好ましい。ポリ−α−オレフィンとしてはポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ−3−メチルブテン−1,ポリ−4−メチルペンテン−1等が挙げられるが強度や製造性の点からポリエチレンが好ましい。上記繊維を適度な長さにカットし、その後イオン交換基を導入する。イオン交換基にはカチオン交換基とアニオン交換基があり、それぞれの機能を発揮する。カット長は任意であるが、短かすぎると形態化しても繊維の脱落が起こり好ましくなく、長すぎると反応の均一差に支障が出るため、0.1〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5mmさらには0.3〜1mmの範囲が好ましい。アニオン交換基としては、ハロアルキル化物をトリメチルアミン等の第3級アミンで処理することによって得られる強塩基性アニオン交換基、及びイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、モルホリン等の2級以下のアミンで処理することによって得られる弱塩基性アニオン交換基があげられるが、本発明における処理性能の点で強塩基性アニオン交換基が好ましい。カチオン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、イミノジ酢酸基等のアミノカルボン酸基が好ましくもちいられるが、本発明における処理性能の点でスルホン酸基がより好ましい。本発明におけるイオン交換繊維の具体的な製造法としては、ポリスチレン系化合物とポリ−α−オレフィンからなる多芯型混合もしくは複合繊維を酸触媒下でホルムアルデヒド源でポリスチレン部を架橋不溶化し、次に公知の方法でイオン交換基を導入して製造する方法が挙げられるが、これに限るものでは無い。
【0015】また、本願発明の濾材の構造は、一部がシート状もしくはシート状3次元構造体の積み重ね構造から成る。積み重ね構造をとることにより、抜きだし部分と本体部分のエアの流れの差は全く生じないため、抜きだし部分の濾材のガス吸着量はきわめて正確に本体部分のガス吸着量を反映させることができる。積み重ね構造の具体例としては、ガスを吸着するシート状濾材を山谷折りした金網などのスペーサを介して積みかさねたスペーサ構造や、ガスを吸着するシート状濾材をハニカム状に一次成形した上で積み重ねたハニカム積み重ね構造、ガスを吸着するシート状濾材を段ボール断面状に一次成形した上で積み重ねたコルゲート積み重ね構造などが挙げられる。特にコルゲート積み重ね構造は、単位濾材あたりの吸着効率を高めるのに適しており、長寿命化をはかれるとともに正確な寿命予測ができる点で優れる。
【0016】さらに、シート状濾材の一部を抜き出すため部分において、エアの上流側または下流側、特に下流側に、可動式のシャッタあるいはシャッタ挿入用のスリットを設けることが好ましい。当該シャッタは、濾材抜きだし時に閉めることにより、濾過工程を稼働したまま濾材の抜きだしが可能となる。図4および図5にシャッタを使用する例を示す。なお、図4および図5において、わかりやすく図示するために濾材は描いていない。なお、シャッタ挿入用のスリットを設ける場合は、通常使用時には何らかの方法でシールしておくことはもちろんである。
【0017】本発明のケミカルフィルターユニットは、クリーンルームやクリーンブース、半導体製造装置や他の電子機器・部品製造装置、ファンとフィルターとを有するファンフィルターユニット等に好ましく用いられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】実施例1海成分にスルホン基を付与したポリスチレン、島成分に補強・分割用のポリプロピレンを配した多芯海島型イオン交換繊維と天然パルプ及び外側鞘部に低融点成分を配したポリエステル系熱融着繊維を、60:20:20(重量%)の比率で湿式抄紙を行い、目付約200g/m2のカチオン交換シートを得た。本シートの単位重量あたりのイオン交換容量は1.6meq/gであった。なお、イオン交換容量は、0.1Nの水酸化ナトリウム50mlに当該シートを約1g入れ、23℃、2時間振とうし、5ml正確にはかりとって中和滴定し、本滴定量とサンプル重量から計算して求めた。
【0020】上記カチオン交換シートを中芯用基材及びライナー用基材に用い、コルゲート加工マシン(5号段用シングルフェーサ)において波形の表面形状を有するロール(120℃)、中芯、ライナー用基材およびフラットな表面形状をもつプレッシャロールの順となるようにして、ロール間に圧力を与えながらそれぞれのロールを回転し、中芯用基材とライナー用基材とを加熱、加圧接着し、コルゲート構造シートを製造した。
【0021】このコルゲート構造シートを幅600mm×通気方向の長さ60mmのサイズにカットし、フィルター用濾材として準備した。
【0022】また、アルミを材料として高さ610mm×幅610mm×奥行き70mmのフィルター外枠を作成し、上記定長カット済みのコルゲート構造シート264枚を積み重ねて充填し、ケミカルフィルターユニットを製作した。
【0023】このケミカルフィルターユニットを用いて、アンモニア寿命予測モデル試験を行った。試験は、アンモニア濃度100μg/m3に調整したエアを面風速0.5m/sになるように試験用フィルターに流し、一定時間ごとにケミカルフィルターユニットの前後のガスをサンプリング・分析し、除去効率を測定するとともに、一定時間毎にフィルター濾材を1枚ずつ抜き取り残存イオン交換容量を測定した。なお、残存イオン交換容量は、図7の形状の濾材を図8に示す形態で、エアの流れ方向に3分割して、それぞれの部位のイオン交換容量を測定した。なお、各部位の名称を入口側から1段目、2段目、3段目とした。サンプリングはインピンジャーと呼ばれる補集器具に超純水を充填し、そこに対象エアを通気させることによりアンモニアを溶解させて捕集した。分析はイオンクロマトグラフィーを用いた微量分析を行った。なお、アンモニア除去効率はスタート時はほぼ100%であるが、時間経過に従って徐々に除去効率は低下してくる。そこで、テスト開始から除去効率が90%まで低下するまでの日数を本フィルターの寿命と仮定して、本寿命に至るまでのエアの流れ方向に3分割した各段の残存吸着容量と残存寿命日数の測定結果を図1にまとめた。
【0024】なお、残存イオン交換容量はイオン交換シートでの測定と同様に、0.1Nの水酸化ナトリウム50mlに約1gのサンプルを入れ、23℃、2時間振とうし、5ml正確にはかりとって中和滴定し、本滴定量とサンプル重量から計算して求めた。さらに、この測定値から次式に基づき、残存吸着量を計算した。
【0025】「残存吸着量」=「残存イオン交換量」/「当初イオン交換量」
一方、上記ケミカルフィルターユニットと全く同じユニットを、クリーンルームにあわせて取り付けた。本クリーンルームでの条件は、フィルター面風速は0.5m/s、フィルター上流の平均アンモニア濃度は10μg/m3であった。本フィルターを装着してから10ヶ月後(300日後)に濾材の一部を抜き取り、エアの流れ方向に3分割して寿命予測用サンプルとした。サンプルの順番はモデルテストと同様入口側から1段目、2段目、3段目である。なお、濾材を抜き出したフィルターユニットは、抜き出した濾材と同じ枚数の新品の濾材をあらためて挿入し、引き続き使用した。この抜きだし濾材を上記モデルテストと同様の方法で残存吸着量を測定したところ、2段目の残存吸着量は0.7であった。
【0026】この測定結果から残存寿命は次のように予測した。すなわち、アンモニア寿命予測モデル試験テストの結果から、2段目の残存吸着量が0.7のところの残存寿命日数を求める。図1の結果から、2段目の残存吸着量が0.7のところの残存寿命日数は20日であることが分かる。一方、アンモニア寿命予測モデル試験テストでの上流のアンモニア濃度は、実際に設置したクリーンルームのアンモニア濃度10μg/m3の10倍である。そこで濃度補正として、アンモニア寿命予測モデル試験テストでの残存寿命日数は20日を10倍して、今回抜き出したクリーンルーム設置のケミカルフィルター残存寿命は20日×10で約200日であることが予測できた。
【0027】なお、今回はクリーンルームに設置したケミカルフィルターの上流アンモニア濃度を常時モニターしていたため、抜き出した時点の残存吸着容量もほぼモデルテストの結果通りであったが、通常はクリーンルームに設置したケミカルフィルターの上流アンモニア濃度を常時モニターすることは少なく、本方法以外の方法で、残存寿命を正確に予測することは極めて難しいことは容易に推察できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のケミカルフィルターユニットによれば、一部の濾材を抜き出して、その吸着量または残された吸着性能を測定することにより、他の濾材または他のフィルターユニットの寿命を予測することができる。またさらに、仕切り板が存在することにより、濾材の脱離操作が容易となり、またシャッターを有することにより、稼働したまま濾材の脱離が可能となる。




 

 


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