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発明の名称 蒸留装置及びその蒸留方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−79302(P2001−79302A)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
出願番号 特願平11−258776
出願日 平成11年9月13日(1999.9.13)
代理人 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4D076
【Fターム(参考)】
4D076 AA12 AA13 AA16 AA22 AA23 AA24 BB04 BB05 BB27 CA11 CA12 CB12 CC12 CC24 DA14 DA25 EA03X EA03Z EA04X EA04Z EA12Z EA13Z EA14Z EA16X EA16Z EA17X EA17Z EA20X EA20Z FA31 FA35 
発明者 緑 静男 / 田村 勝典 / 原田 陽一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)塔本体と、(b)該塔本体内を分割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕切りと、(c)上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部と、(d)少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部と、(e)少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部と、(f)前記第1の蒸留部に原液を供給するフィードノズルと、(g)前記塔頂に配設され、留出液を排出する第1の排出手段と、(h)塔サイドに配設され、サイドカット液を排出する第2の排出手段と、(i)前記塔底に配設され、缶出液を排出する第3の排出手段とを有するとともに、(j)前記第2の排出手段は、位置を異ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備えることを特徴とする蒸留装置。
【請求項2】 (a)前記各サイドカットノズルに開閉自在のバルブが接続され、(b)該バルブは運転条件に対応させて開閉される請求項1に記載の蒸留装置。
【請求項3】 前記バルブは塔本体内の温度に対応させて開閉される請求項2に記載の蒸留装置。
【請求項4】 前記中仕切りは塔本体内の中央に配設され、第1室の断面積と第2室の断面積とが等しくされる請求項1に記載の蒸留装置。
【請求項5】 前記中仕切りは偏心させられ、第1室の断面積と第2室の断面積とが異なる請求項1に記載の蒸留装置。
【請求項6】 中仕切りによって分割され、互いに隣接する第1室及び第2室が形成された塔本体、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部、並びに少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部を有する蒸留装置の蒸留方法において、(a)前記第1の蒸留部に原液を供給し、(b)前記塔頂において留出液を排出し、(c)塔サイドに配設された複数のサイドカットノズルのうちの少なくとも一つを選択し、選択されたサイドカットノズルからサイドカット液を排出し、(d)前記塔底において缶出液を排出することを特徴とする蒸留装置の蒸留方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸留装置及びその蒸留方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の成分を含有する原液から各成分を蒸留によって分離させる場合、複数の蒸留塔を組み合わせるようにしている。
【0003】図2は従来の二つの蒸留塔を備えた蒸留装置の概念図である。
【0004】図において、111は第1の蒸留塔、112は第2の蒸留塔、201、203は蒸発器、202、204は凝縮器である。例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液Mを蒸留しようとする場合、成分Aは成分Bより、該成分Bは成分Cより沸点が低いとすると、第1の蒸留塔111において成分Aと成分B、Cとを分離させ、第2の蒸留塔112において成分Bと成分Cとを分離させるようにしている。
【0005】ところが、前記蒸留装置においては、第1、第2の蒸留塔111、112内において加熱及び冷却を繰り返す必要があるので、蒸発器201、203、凝縮器202、204、図示されないポンプ、計装品等が必要になり、占有面積が大きくなるとともに、ユーティリティの使用量及び消費エネルギーが多くなる。したがって、蒸留装置のコストが高くなってしまう。
【0006】そこで、一つの蒸留塔を使用して各成分A〜Cを分離させるようにした蒸留装置が提供されている。
【0007】図3は従来の一つの蒸留塔を備えた蒸留装置の概念図である。
【0008】図において、113は蒸留塔、205は蒸発器、206は凝縮器である。例えば、三つの成分A〜Cを含有する原液Mを蒸留塔113に供給すると、塔頂から成分Aが留出液として、塔底から成分Cが缶出液として、塔サイドから成分Bがサイドカット液として取り出される。
【0009】この場合、一つの蒸留塔113で各成分A〜Cを分離させることができるので、蒸発器205、凝縮器206、ポンプ、計装品等をそれぞれ一つずつ配設するだけでよい。したがって、占有面積を小さくすることができるとともに、ユーティリティの使用量及び消費エネルギーを少なくすることができる。その結果、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の蒸留装置においては、一つの蒸留塔113から三つの成分A〜Cを取り出すようになっているので、例えば、成分Bを製品として取り出そうとしたとき、蒸留塔113を流れる不要な成分A(低沸物)及び成分C(高沸物)が製品に混入してしまう。そして、製品の純度を優先させて蒸留装置を運転すると、製品の回収率が低くなり、製品の回収率を優先させて蒸留装置を運転すると、製品の純度が低くなってしまう。
【0011】本発明は、前記従来の蒸留装置の問題点を解決して、製品の純度及び回収率を高くすることができる蒸留装置及びその蒸留方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の蒸留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕切りと、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部と、前記第1の蒸留部に原液を供給するフィードノズルと、前記塔頂に配設され、留出液を排出する第1の排出手段と、塔サイドに配設され、サイドカット液を排出する第2の排出手段と、前記塔底に配設され、缶出液を排出する第3の排出手段とを有する。
【0013】そして、前記第2の排出手段は、位置を異ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備える。
【0014】本発明の他の蒸留装置においては、さらに、前記各サイドカットノズルに開閉自在のバルブが接続され、該バルブは運転条件に対応させて開閉される。
【0015】本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記バルブは塔本体内の温度に対応させて開閉される。
【0016】本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記中仕切りは塔本体内の中央に配設され、第1室の断面積と第2室の断面積とが等しくされる。
【0017】本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記中仕切りは偏心させられ、第1室の断面積と第2室の断面積とが異なる。
【0018】本発明の蒸留装置の蒸留方法においては、中仕切りによって分割され、互いに隣接する第1室及び第2室が形成された塔本体、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部、並びに少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部を有する蒸留装置に適用される。
【0019】そして、前記第1の蒸留部に原液を供給し、前記塔頂において留出液を排出し、塔サイドに配設された複数のサイドカットノズルのうちの少なくとも一つを選択し、選択されたサイドカットノズルからサイドカット液を排出し、前記塔底において缶出液を排出する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施の形態における結合型蒸留塔の概念図、図4は本発明の第1の実施の形態における結合型蒸留塔の要部断面図、図5は本発明の第1の実施の形態における第4セクションの第2室の概略図である。
【0022】図において、10は結合型蒸留塔であり、該結合型蒸留塔10は、第1セクション11、第2セクション12、第3セクション13、第4セクション14、第5セクション15、第6セクション16、第7セクション17、第8セクション18及び第9セクション19から成る。
【0023】そして、前記結合型蒸留塔10の塔本体は、前記第4セクション14、第5セクション15及び第6セクション16の上半部にわたって延びる平板状の中仕切り22によって第1室14A〜16Aと第2室14B〜16Bとに区分され、第1室14A〜16Aと第2室14B〜16Bとは互いに隣接させられる。また、前記第1室14A〜16Aによって第1の蒸留部25が、前記第1セクション11、第2セクション12、第3セクション13及び第2室14Bによって第2の蒸留部26が、前記第2室15B、16B、第7セクション17、第8セクション18及び第9セクション19によって第3の蒸留部27がそれぞれ形成される。
【0024】なお、前記中仕切り22を断熱材によって形成したり、中仕切り22の内部を真空にしたりして、中仕切り22を断熱構造にすることもできる。この場合、第1室14Aと第2室14Bとの間、第1室15Aと第2室15Bとの間、及び第1室16Aと第2室16Bとの間の熱伝達をそれぞれ少なくすることができるので、蒸留の効率を高くすることができる。
【0025】そして、結合型蒸留塔10の高さ方向におけるほぼ中央に前記第5セクション15が配設され、第1室15Aにフィードノズル41が配設される。また、結合型蒸留塔10の塔頂に前記第1セクション11が配設され、該第1セクション11に、図示されない凝縮器に接続させて蒸気出口43及び還流液入口44がそれぞれ配設される。さらに、結合型蒸留塔10の塔底に第9セクション19が配設され、該第9セクション19に缶出液出口45及び蒸気入口46がそれぞれ配設される。なお、前記結合型蒸留塔10、凝縮器等によって蒸留装置が構成される。また、前記蒸気出口43及び凝縮器によって第1の排出手段が構成される。
【0026】前記構成の結合型蒸留塔10において、成分A、B1、B2及びCを含有する混合物が原液Mとして前記フィードノズル41に供給され、成分Aが精製された製品として取り出される。この場合、成分Aは成分B1より、該成分B1(中間沸点成分)は成分B2(高沸点成分)より、該成分B2は成分Cより沸点が低い。また、成分B1、B2はいずれも複数の成分を含有する多成分から成る。
【0027】前記第1の蒸留部25内において、前記フィードノズル41より上方に配設された第1室14Aによって濃縮部AR1が、フィードノズル41より下方に配設された第1室16Aによって回収部AR2がそれぞれ形成される。そして、前記第2の蒸留部26内において、前記第1の蒸留部25の上端より上方に配設された第2セクション12によって濃縮部AR3が、前記第1の蒸留部25の上端より下方において、前記濃縮部AR1と隣接させて配設された第2室14Bによって回収部AR4がそれぞれ形成される。さらに、前記第3の蒸留部27内において、前記第1の蒸留部25の下端に接続され、該下端より上方において、前記回収部AR2と隣接させて配設された第2室16Bによって濃縮部AR5が、前記第1の蒸留部25の下端より下方に配設された第8セクション18によって回収部AR6がそれぞれ形成される。
【0028】このようにして、第1の蒸留部25の上端が第2の蒸留部26の高さ方向における中間に、第1の蒸留部25の下端が第3の蒸留部27の高さ方向における中間にそれぞれ接続される。
【0029】そして、前記回収部AR2においては、フィードノズル41から供給された原液Mが下方に移動し、上方において成分A、B1に富んだ蒸気が、下方になるに従って成分B2、Cに富んだ液体が発生させられ、第1の蒸留部25の下端から第3の蒸留部27に成分B2、Cに富んだ液体が供給される。
【0030】次に、該成分B2、Cに富んだ液体は、第3の蒸留部27内において加熱されて成分B2、Cに富んだ蒸気になり、該成分B2、Cに富んだ蒸気は、前記回収部AR2内を上方に移動させられる間に原液Mと接触し、該原液Mから成分A、B1に富んだ蒸気を発生させる。
【0031】続いて、該成分A、B1に富んだ蒸気は、濃縮部AR1内を上方に移動し、前記第1の蒸留部25の上端から第2の蒸留部26に供給される。さらに、前記成分A、B1に富んだ蒸気は、第2の蒸留部26内において冷却されて凝縮させられ、成分A、B1に富んだ液体になる。そして、該成分A、B1に富んだ液体の一部は、濃縮部AR1に還流され、該濃縮部AR1内を上方に移動させられる成分A、B1に富んだ蒸気と接触させられる。このようにして、第1の蒸留部25の上端から第2の蒸留部26に成分A、B1に富んだ蒸気が供給される。
【0032】第2の蒸留部26においては、上方において成分Aに富んだ蒸気が、下方になるに従って成分A、B1に富んだ液体が発生させられる。そして、前記成分Aに富んだ蒸気は、濃縮部AR3内を上方に移動して前記蒸気出口43から排出されて前記凝縮器に送られ、該凝縮器によって凝縮させられて成分Aに富んだ液体になり、留出液として排出される。また、成分A、B1に富んだ液体は回収部AR4内を下方に移動する。
【0033】そして、成分Aの精製の効率を高くするために、前記成分Aに富んだ液体の一部は、還流液入口44から濃縮部AR3に還流され、該濃縮部AR3内を上方に移動させられる成分A、B1に富んだ蒸気と接触させられる。
【0034】一方、第3の蒸留部27において、成分B1、B2、Cに富んだ蒸気の一部は、濃縮部AR5及び回収部AR4内を上方に移動し、回収部AR4内において、濃縮部AR3からの成分A、B1に富んだ液体と接触し、成分A、B1に富んだ液体になる。このようにして、回収部AR4内において得られた成分A、B1に富んだ液体は、前記回収部AR4内に複数個、本実施の形態においては3個配設されたサイドカットノズル53〜55のうちの一つから第1のサイドカット液として排出される。
【0035】また、成分B2、Cに富んだ蒸気は、回収部AR6の上端において第2の蒸留部26からの成分B2、Cに富んだ液体と接触し、成分B2、Cに富んだ液体になる。このようにして、濃縮部AR5と回収部AR6との間において得られた成分B2、Cに富んだ液体は、第2のサイドカット液としてサイドカットノズル56から排出される。
【0036】また、前記回収部AR6においては、成分B2、Cに富んだ液体が下方に移動し、上方において成分B2、Cに富んだ蒸気を、下方になるに従って成分Cに富んだ液体をそれぞれ発生させる。したがって、成分Cに富んだ液体は缶出液として缶出液出口45から排出される。なお、該缶出液出口45によって第3の排出手段が構成される。
【0037】ところで、前記成分Cが水(H2 O)である場合、缶出液出口45から排出された成分Cに富んだ液体は、図示されない廃水処理装置に送られて廃水処理が施される。この場合、第3の蒸留部27内の成分B2、Cに富んだ液体を加熱するに当たり、成分B2、Cに富んだ液体と高温の水蒸気(H2 O)とを直接接触させるようにすると、熱効率を高くすることができる。そこで、前記第9セクション19内の下端の近傍に蒸気噴射ノズル51を配設し、図示されない蒸気供給源から蒸気入口46を介して蒸気噴射ノズル51に水蒸気を供給するようにしている。したがって、蒸気噴射ノズル51から吐出させられた水蒸気は、成分B2、Cに富んだ液体を加熱するとともに、凝縮させられ、成分Cと共に缶出液出口45から排出される。
【0038】なお、成分Cが水でない場合、前記第9セクション19内に蒸気噴射ノズル51は配設されない。この場合、缶出液出口45から排出された成分Cに富んだ液体の一部は図示されない蒸発器に送られ、該蒸発器によって加熱されて成分Cに富んだ蒸気になる。該成分Cに富んだ蒸気は第9セクション19に供給され、該第9セクション19及び前記回収部AR6内を上方に移動させられる間に、成分B2、Cに富んだ液体と接触し、該成分B2、Cに富んだ液体から成分B2、Cに富んだ蒸気を発生させる。なお、前記蒸発器によって蒸気供給源が構成される。
【0039】このように、成分Aに富んだ蒸気は、蒸気出口43から排出され、凝縮させられて留出液になり、成分A、B1に富んだ液体は、サイドカットノズル53〜55のうちの一つから第1のサイドカット液として排出され、成分B2、Cに富んだ液体は、サイドカットノズル56から第2のサイドカット液として排出され、成分Cに富んだ液体は、缶出液出口45から缶出液として排出される。そして、前記留出液は製品になり、第1のサイドカット液は図示されない回収装置に送られ、次の工程において第1のサイドカット液に含有される成分Aが回収される。また、第2のサイドカット液は、成分Cを主成分として含有するが、成分B1、B2を含有するので、図示されない焼却装置に廃液として送られ、焼却される。そして、缶出液は、成分Cが水である場合、前記廃水処理装置に送られ、廃水処理が施される。
【0040】本実施の形態において、前記濃縮部AR3に充填(てん)される充填物として、一つの節から成る規則充填物が使用され、前記濃縮部AR1、AR5及び各回収部AR2、AR4、AR6に充填される充填物として、多数のスリーブ状のポールリング、ラシヒリング等をランダムに詰めることによって形成された不規則充填物が使用される。不規則充填物は、腐食性の液体又は蒸気によって劣化した場合に、容易に交換することができる。なお、前記規則充填物に代えて不規則充填物を使用したり、前記不規則充填物に代えて規則充填物を使用したりすることができる。また、複数の節から成る充填物を使用することもできる。
【0041】このように、複数の蒸留塔を使用することなく、原液Mを各成分A、B1、B2、Cに分離させることができるので、凝縮器、蒸発器、ポンプ、計装品等を多数配設する必要がなくなる。したがって、占有面積を小さくすることができるだけでなく、ユーティリティの使用量及び消費エネルギーを少なくすることができるので、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0042】ところで、第3セクション13にライザートレイ65が、第5セクション15の第1室15Aにおけるフィードノズル41の下にライザートレイ66が、第5セクション15の第2室15Bにライザートレイ67が、第7セクション17にライザートレイ68がそれぞれ配設される。なお、各ライザートレイ65〜68はいずれもチムニーハット型のコレクタを構成して、液体を集めるとともに、蒸気を通過させる。
【0043】そして、ライザートレイ65によって集められた液体は、第4セクション14の第1室14A及び第2室14Bに分配されるが、前記第1のサイドカット液がサイドカットノズル53〜55のうちの一つから、第2のサイドカット液がサイドカットノズル56から排出されるので、第1室14Aに分配される液体の量を第2室14Bに分配される液体の量より多くする必要がある。
【0044】そこで、前記中仕切り22をフィードノズル41の無い側、すなわち、第2室14B〜16B側に偏心させるようにしている。そして、第1室14A〜16Aの断面積S1と第2室14B〜16Bの断面積S2との断面積比γ1γ1=S1/S2は、原液M中の成分B1、B2の成分組成が大きいほど小さい値にされ、成分B1、B2の成分組成が小さいほど大きい値にされる。
【0045】このように、断面積S1、S2を異ならせることによって、第1室14A〜16A内を流れる蒸気及び液体の量と、第2室14B〜16B内を流れる蒸気及び液体の量とが異なっても、第1室14A〜16A及び第2室14B〜16Bを有効に利用することができる。したがって、前記蒸気供給源に加わる熱負荷を小さくすることができるので、蒸留のための消費エネルギーを少なくすることができる。なお、第1室14A〜16A内を流れる蒸気及び液体の量、並びに第2室14B〜16B内を流れる蒸気及び液体の量によっては、中仕切り22を塔本体内の中央に配設して断面積S1、S2を等しくしたり、第1室14A〜16A側に偏心させて断面積S1を断面積S2より小さくしたりすることができる。
【0046】次に、第4セクション14の第2室14Bについて説明する。
【0047】図5において、60は第4セクション14の下端に配設されたグリッド、61は第2室14B内の3箇所に配設され、第2室14B内を4個の領域に区分するグリッドであり、各グリッド60、61によって充填物63が支持される。また、62は各グリッド61の直下に配設されたライザートレイであり、該ライザートレイ62は、第2室14B内を下方に移動する液体を受けて、下方の充填物63に分配するとともに、第2室14B内を上方に移動する蒸気を通過させる。そのために、前記各ライザートレイ62はチムニーハット型のコレクタを構成する。
【0048】また、前記ライザートレイ62には、サイドカットノズル53〜55の先端が開口させられる。サイドカットノズル53〜55の先端は、各ライザートレイ62の底面よりわずかに突出させて配設され、ライザートレイ62に落下した成分A、B1に富んだ液体は、ライザートレイ62上に溜(た)まり、サイドカットノズル53〜55から排出される。
【0049】ところで、前記構成の結合型蒸留塔10において、成分B1は多成分であるので、成分B1の濃縮段、すなわち、第1のサイドカット液を取り出すのに最適な位置が結合型蒸留塔10の運転条件、例えば、成分B1に含有される各成分の成分組成によって異なる。そこで、成分B1の成分組成に対応させてサイドカットノズル53〜55のうちの一つを選択し、選択されたサイドカットノズルから第1のサイドカット液を排出するようにしている。
【0050】そのために、前記サイドカットノズル53〜55には、図示されないバルブが配設され、該各バルブを手動で、又は図示されない制御装置からの信号によって自動で開閉することができるようになっている。そして、前記塔本体内におけるフィードノズル41の近傍に運転条件検出手段としての図示されない温度センサが配設され、該温度センサによって塔本体内の温度が検出される。塔本体内の温度は、前記成分B1の成分組成に対応して変化するので、塔本体内の温度を検出することによって成分B1の成分組成を検出することができる。なお、前記フィードノズル41に供給される原液Mを溜める図示されない貯留槽が配設される場合、該貯留槽内の原液Mの成分組成を運転条件検出手段としての図示されない分析器によって検出し、検出結果に基づいて前記バルブを開閉することもできる。また、サイドカットノズル53〜55、バルブ等によって第2の排出手段が構成される。
【0051】このように、サイドカットノズル53〜55のうちの一つが選択され、第1のサイドカット液を排出する位置が最適になるので、第1のサイドカット液は濃縮され、しかも、排出される量が少なくなる。したがって、留出液の純度を高くすることができるだけでなく、留出液の量、すなわち、留分を多くすることができ、留出液の回収率を高くすることができる。
【0052】また、第1のサイドカット液には成分B1のほかに成分Aが含有されるので、前記回収装置において第1のサイドカット液から成分Aを回収するようにしているが、第1のサイドカット液の量が少ない分だけ成分Aの回収量を少なくすることができる。したがって、回収装置において成分Aを回収するために必要なエネルギーを少なくすることができるので、成分Aのコストを低くすることができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、サイドカットノズル53〜55は回収部AR4に配設されるようになっているが、回収部AR4及び濃縮部AR5にわたって配設したり、濃縮部AR5に配設したりすることもできる。また、本実施の形態においては、サイドカットノズル53〜55のうちの一つが選択されるようになっているが、二つ以上を選択することもできる。
【0054】次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0055】図6は本発明の第2の実施の形態における結合型蒸留塔の要部概略図である。
【0056】図において、71は第4セクション14の下端に配設されたグリッド、72は第2室14B内の1箇所に配設され、第2室14B内を2個の領域に区分するグリッドであり、各グリッド71、72によって充填物63が支持される。前記グリッド71の直下には、ライザートレイ76、77が配設され、ライザートレイ76は、フィードノズル41に供給された原液Mを受けて、第6セクション16の第1室16Aの充填物63に分配するとともに、第5セクション15の第1室15A内を上方に移動する蒸気を通過させ、ライザートレイ77は、第2室15Bを下方に移動する液体を受けて、第2室16Bにおける上方の充填物63に分配するとともに、第2室16B内を上方に移動する蒸気を通過させる。そして、前記グリッド72の直下には、ライザートレイ78が配設され、ライザートレイ78は、第2室14B内を下方に移動する液体を受けて、第2室14Bにおける下方の充填物63に分配するとともに、第2室14B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0057】また、73は第6セクション16の下端に配設されたグリッド、74は第2室16B内の1箇所に配設され、第2室16B内を2個の領域に区分するグリッドであり、各グリッド73、74によって充填物63が支持される。前記グリッド73の直下には、ライザートレイ68が配設され、ライザートレイ68は、第7セクション17内を下方に移動する液体を受けて、第8セクション18内の充填物63に分配するとともに、第7セクション17内を上方に移動する蒸気を通過させる。そして、前記グリッド74の直下には、ライザートレイ82が配設され、ライザートレイ82は、第2室16B内を下方に移動する液体を受けて、第2室16Bにおける下方の充填物63に分配するとともに、第2室16B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0058】また、前記ライザートレイ77、78、82にはサイドカットノズル53〜55の先端が開口させられる。ライザートレイ77、78、82に落下した成分A、B1に富んだ液体は、ライザートレイ77、78、82上に溜まり、サイドカットノズル53〜55から排出される。なお、各充填物63は不規則充填物から成る。
【0059】そして、成分B1の成分組成に対応させてサイドカットノズル53〜55のうちの一つを選択し、選択されたサイドカットノズルから第1のサイドカット液を排出するために、前記サイドカットノズル53〜55には、バルブV1〜V3が配設され、該各バルブV1〜V3を手動で、又は図示されない制御装置からの信号によって自動で開閉することができるようになっている。
【0060】このように、サイドカットノズル53を第2室14Bに、サイドカットノズル54を第2室15Bに、サイドカットノズル55を第2室16Bに配設することができる。
【0061】次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0062】図7は本発明の第3の実施の形態における結合型蒸留塔の要部概略図である。
【0063】図において、71は第4セクション14の下端に配設されたグリッド、72は第2室14B内の1箇所に配設され、第2室14B内を2個の領域に区分するグリッドであり、各グリッド71、72によって充填物63が支持される。第1室15Aにおけるグリッド71の直下には、コレクタラミナ176、コレクタボックス351及びディストリビュータ352が配設され、コレクタラミナ176は、第1室14Aからの液体を受けてコレクタボックス351に集め、ディストリビュータ352は、コレクタボックス351に集められた液体及びフィードノズル41に供給された原液Mを受けて、第1室16Aの充填物63に分配するとともに、第1室15A内を上方に移動する蒸気を通過させる。また、第2室15Bにおけるグリッド71の直下には、コレクタラミナ177が配設され、コレクタラミナ177は、第2室15B内を下方に移動する液体を受けてコレクタボックス353に集め、ディストリビュータ354は、コレクタボックス353に集められた液体を受けて、第2室16Bにおける上方の充填物63に分配するとともに、第2室15B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0064】そして、前記グリッド72の直下には、コレクタラミナ178が配設され、コレクタラミナ178は、第2室14B内を下方に移動する液体を受けてコレクタボックス355に集め、ディストリビュータ356は、コレクタボックス355に集められた液体を受けて、第2室14B内における下方の充填物63に分配するとともに、第2室14B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0065】また、73は第6セクション16の下端に配設されたグリッド、74は第2室16B内の1箇所に配設され、第2室16B内を2個の領域に区分するグリッドであり、各グリッド73、74によって充填物63が支持される。前記グリッド73の直下には、コレクタラミナ168が配設され、コレクタラミナ168は、第7セクション17内を下方に移動する液体を受けてコレクタボックス357に集め、ディストリビュータ358は、コレクタボックス357に集められた液体を受けて、第8セクション18内の充填物63に分配するとともに、第7セクション17内を上方に移動する蒸気を通過させる。そして、前記グリッド74の直下には、コレクタラミナ182が配設され、コレクタラミナ182は、第2室16B内を下方に移動する液体を受けてコレクタボックス359に集め、ディストリビュータ360は、コレクタボックス359に集められた液体を受けて、直下の充填物63に分配するとともに、第2室16B内を上方に移動する蒸気を通過させる。
【0066】また、前記コレクタボックス353、355、359にはサイドカットノズル53〜55の先端が開口させられる。コレクタボックス353、355、359に集められた成分A、B1に富んだ液体はサイドカットノズル53〜55から排出される。なお、各充填物63は規則充填物から成る。
【0067】そして、成分B1の成分組成に対応させてサイドカットノズル53〜55のうちの一つを選択し、選択されたサイドカットノズルから第1のサイドカット液を排出するために、前記サイドカットノズル53〜55には、バルブV1〜V3が配設され、該各バルブV1〜V3を手動で、又は図示されない制御装置からの信号によって自動で開閉することができるようになっている。
【0068】このように、サイドカットノズル53を第2室14Bに、サイドカットノズル54を第2室15Bに、サイドカットノズル55を第2室16Bに配設することができる。
【0069】次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0070】図8は本発明の第4の実施の形態における結合型蒸留塔の概略図、図9は本発明の第4の実施の形態におけるサイドカットノズルの平面図、図10は本発明の第4の実施の形態におけるサイドカットノズルの断面図である。なお、図9及び10において、サイドカットノズル53〜55は同じ構造を有するので、サイドカットノズル53についてだけ説明する。
【0071】この場合、第2の蒸留部26の回収部AR4と第3の蒸留部27の濃縮部AR5とは一体にされ、回収部AR4及び濃縮部AR5に充填される充填物として不規則充填物が使用される。
【0072】そして、前記回収部AR4及び濃縮部AR5内にプレート型のサイドカットノズル53〜55が傾斜させて配設され、該サイドカットノズル53〜55上に落下した成分A、B1に富んだ液体を第1のサイドカット液として排出する。前記サイドカットノズル53〜55は、いずれも、中央に軸方向に延在する半円形の溝90を備えたプレート部94、該プレート部94の両縁に形成されたフランジ部91、及び前記溝90を覆う網93から成り、塔本体の中心に近いほど高くなるように傾斜させられる。
【0073】したがって、前記成分A、B1に富んだ液体は、サイドカットノズル53〜55上に落下すると、プレート部94によって集められ、溝90に沿って流れる。なお、81は凝縮器である。
【0074】
【実施例】〔参考例1〕図11は中仕切りを備えない一つの蒸留塔を備えた参考例の蒸留装置の概念図、図12は参考例の蒸留装置による蒸留結果を示す図である。
【0075】図において、313は蒸留塔、306は凝縮器、351は蒸気噴射ノズルであり、図示されない蒸気供給源から蒸気噴射ノズル351に水蒸気が供給される。
【0076】成分A、B1、B2、Cを含有する原液Mを蒸留塔313に供給すると、塔頂から成分Aに富んだ液体が留出液として、塔サイドから成分A、B1に富んだ液体、及び成分B2、Cに富んだ液体が、第1、第2のサイドカット液として、塔底から成分Cに富んだ液体が缶出液としてそれぞれ取り出される。
【0077】前記蒸留塔313における蒸留条件を次のように設定した。
【0078】
成分A:アセトアルデヒド成分B1:中間沸点成分(ジクロロメタン、クロロホルム、クロルアセトアルデヒド等)
成分B2:高沸点成分(ジクロルアセトアルデヒド、酢酸等)
成分C:水原液Mの成分組成:成分A:77.00〔wt%〕
成分B1:0.59〔wt%〕
成分B2:1.62〔wt%〕
成分C:20.79〔wt%〕
理論段数:30段原液供給量:10400〔kg/h〕
還流比:1.4塔頂圧力:1.20〔kg/cm2 G〕(219〔kPaA〕)
塔頂温度:43〔℃〕
加熱源:水蒸気を直接塔底に吹き込む方式塔径 濃縮部:ID 1800(棚段方式:目皿塔)
回収部:ID 1550(不規則充填物:ポールリング)
その結果、図12に示されるように成分Aを99.97〔wt%〕で精製することができた。
〔実施例1〕図13は本発明の第1の実施の形態における蒸留装置による蒸留結果を示す図である。
【0079】結合型蒸留塔10(図1)における蒸留条件を次のように設定した。
【0080】
成分A:アセトアルデヒド成分B1:中間沸点成分(ジクロロメタン、クロロホルム、クロルアセトアルデヒド等)
成分B2:高沸点成分(ジクロルアセトアルデヒド、酢酸等)
成分C:水原液Mの成分組成:成分A:77.00〔wt%〕
成分B1:0.59〔wt%〕
成分B2:1.62〔wt%〕
成分C:20.79〔wt%〕
理論段数:30段原液供給量:10400〔kg/h〕
還流比:1.4塔頂圧力:1.20〔kg/cm2 G〕(219〔kPaA〕)
塔頂温度:43〔℃〕
加熱源:水蒸気を直接塔底に吹き込む方式塔径 濃縮部AR3:ID 1650(規則充填物):メラパック250Y(住友重機械工業株式会社製)
濃縮部AR1、AR5、回収部AR2、AR4:ID 1650(不規則充填物):ポールリング回収部AR6:ID 1550(不規則充填物:ポールリング)
断面積比γ1:70/30液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=62/38≒1.63158その結果、図13に示されるように成分Aを99.97〔wt%〕で精製することができた。
【0081】第1、第2のサイドカット液の排出量が少ないので、中仕切り22が配設される位置を塔本体の中央より偏心させ、第1室14A〜16A及び第2室14B〜16Bを流れる蒸気及び液体の量を異ならせることによって、結合型蒸留塔10の塔仕様を従来のものと等しくすることができる。
【0082】この場合、原液Mにおける成分Aの成分組成をpA〔wt%〕とし、成分B1の成分組成をpB1〔wt%〕とし、成分B2の成分組成をpB2〔wt%〕とし、成分Cの成分組成をpC〔wt%〕とすると、成分組成pA、pB1、pB2、pCは、pA>pC>pB1、pB2であるので、中仕切り22を中央から第2室14B〜16B側に偏心させた偏心型の結合型蒸留塔10が使用される。
【0083】なお、成分組成pA、pB1、pB2、pCが、pB1、pB2>pA、pCである場合、中仕切り22は中央に配設される。
【0084】実施例1の蒸留装置と参考例1の蒸留装置とを比較すると、いずれも水蒸気の質量流量を2200〔kg/h〕にして加熱エネルギー量を等しくすると、留出液の質量流量は、参考例1の蒸留装置の場合、7860〔kg/h〕であるのに対して、実施例1の蒸留装置の場合、7895〔kg/h〕になり、35〔kg/h〕増産することができる。
【0085】したがって、年間で成分Aをほぼ35〔kg/h〕×8000〔h〕=280〔t/y〕
多く得ることができる。
【0086】また、水蒸気の量を減少させ、成分Aを1〔kg/h〕増産するのに必要な水蒸気の量、すなわち、製品原単位を少なくすることができる。該製品原単位は、〔水蒸気の量〕×〔成分Aの増産量〕/〔参考例1の蒸留装置における成分Aの量〕で表すことができるので、2200〔kg/h〕×35〔kg/h〕/7860〔kg/h〕≒9.8〔kg/h〕
になる。
【0087】そして、第1のサイドカット液の質量流量は、参考例1の蒸留装置の場合、200〔kg/h〕であるのに対して、実施例1の蒸留装置の場合、165〔kg/h〕になり、35〔kg/h〕少なくすることができる。
【0088】したがって、年間で第1のサイドカット液を35〔kg/h〕×8000〔h〕=280〔t/y〕
少なくすることができるので、次の工程における成分Aの回収量を少なくすることができる。その結果、回収装置において次の工程で使用される加熱用の水蒸気の量を少なくすることができ、製品原単位を少なくすることができる。該製品原単位は、〔加熱用の水蒸気の量〕×〔第1のサイドカット液の減少量〕/〔参考例1の蒸留装置における第1のサイドカット液の量〕で表すことができるので、160〔kg/h〕×35〔kg/h〕/200〔kg/h〕=28〔kg/h〕
になる。
【0089】この場合、結合型蒸留塔10はアセトアルデヒドを蒸留によって精製するために使用され、塔頂においてアセトアルデヒドを、塔サイドにおいてジクロロメタン、クロロホルム、クロルアセトアルデヒド等、及びジクロルアセトアルデヒド、酢酸等を、塔底において水をそれぞれ得ることができるようになっているが、他の物質を蒸留によって精製したり凝縮させたりすることができる。
【0090】そして、高品位ベンゼンを精製する場合、塔頂において排ガスとしての不活性ガスが、塔頂の近傍の塔サイドにおいて第1のサイドカット液としてのベンゼン(製品)が、塔底の近傍の塔サイドにおいて第2のサイドカット液としてのトルエンが、塔底において少量の重質油がそれぞれ得られる。
【0091】また、酢酸ビニルを精製する場合、塔頂において軽質分及び酢酸ビニルが、塔サイドにおいてサイドカット液としての精製酢酸ビニル(製品)が、塔底において残留物がそれぞれ得られる。なお、次の工程において軽質分及び酢酸ビニルから精製酢酸ビニルが蒸留によって得られる。
【0092】そして、β−メチルナフタレンを濃縮する場合、塔頂において95〔%〕のナフタレン(製品)が、塔サイドにおいてサイドカット液としての油分が、塔底においてメチルナフタレン残油がそれぞれ得られる。なお、前記油分は、β−メチルナフタレンを濃縮することによって形成され、次の工程において油分から精製β−メチルナフタレンが精製される。
【0093】さらに、トール油を精製する場合、塔頂において初留トール油(軽い脂肪酸ヘッド)が、塔サイドにおいてサイドカット液としての精製脂肪酸(ロジンの含有量が少ない極めて純度が高い脂肪酸)が、塔底において精製蒸留トール油がそれぞれ得られる。
〔参考例2〕図2に示されるような、従来の二つの第1、第2の蒸留塔111、112を備えた蒸留装置における蒸留条件を、ケース1及び2で原液Mの成分組成、すなわち、成分Bの組成を異ならせて、次のように設定した。
【0094】
成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1)
84.85〔wt%〕(ケース2)
成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1)
0.05〔wt%〕(ケース2)
2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1)
0.10〔wt%〕(ケース2)
成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1)
12.00〔wt%〕(ケース2)
成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1)
3.00〔wt%〕(ケース2)
なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性があるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとした。
【0095】
第1塔(第1の蒸留塔111)
理論段数 濃縮部:10段 回収部:15段 原液供給量:2000〔kg/h〕
留出液:1697.2〔kg/h〕
還流比:1.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.8〔℃〕
第2塔(第2の蒸留塔112)
理論段数 濃縮部:10段 回収部:15段 原液供給量:302.8〔kg/h〕
留出液:5.0〔kg/h〕
還流比:500 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:116〔℃〕(ケース1)
118〔℃〕(ケース2)
加熱エネルギー量: 第1塔 300000〔kcal/h〕
第2塔 260000〜268000〔kcal/h〕
合計 560000〜568000〔kcal/h〕
その結果、成分Aを99.99〔wt%〕で精製することができた。
【0096】この場合、本工程であるシクロヘキサン回収工程で精製された成分Aは、前の工程である酸化反応工程に戻され、原料として再び利用される。
【0097】また、高沸点成分である成分C1は、次の工程において成分C2が分離精製され、高純度の成分C1が製品として得られる。このとき、中間沸点成分(不純物)である成分Bを、前記シクロヘキサン回収工程で濃縮し除去することが重要である。
〔参考例3〕図14は他の参考例の蒸留装置によるケース1の蒸留結果を示す図、図15は他の参考例の蒸留装置によるケース2の蒸留結果を示す図である。
【0098】図3に示されるような、従来の一つの蒸留塔113を備えた蒸留装置における蒸留条件を、ケース1及び2で原液Mの成分組成、すなわち、成分Bの組成を異ならせて、次のように設定した。
【0099】
成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1)
84.85〔wt%〕(ケース2)
成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1)
0.05〔wt%〕(ケース2)
2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1)
0.10〔wt%〕(ケース2)
成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1)
12.00〔wt%〕(ケース2)
成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1)
3.00〔wt%〕(ケース2)
なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性があるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとした。
【0100】
理論段数:35段 還流比:2.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.7〔℃〕
塔底温度:155.1〔℃〕
加熱エネルギー量:444000〔kcal/h〕
断面積比γ1:100/73.6 液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=55/100 =0.55その結果、図14及び15に示されるように、成分Aを99.99〔wt%〕で精製することができた。
〔実施例2〕図16は本発明の第1の実施の形態における他の蒸留装置によるケース1の蒸留結果を示す図、図17は本発明の第1の実施の形態における他の蒸留装置によるケース2の蒸留結果を示す図である。
【0101】結合型蒸留塔10(図1)における蒸留条件を、ケース1及び2で原液Mの成分組成、すなわち、成分Bの組成を異ならせて、次のように設定した。
【0102】
成分A:シクロヘキサン 84.85〔wt%〕(ケース1)
84.85〔wt%〕(ケース2)
成分B:2−ヘキサノン 0.10〔wt%〕(ケース1)
0.05〔wt%〕(ケース2)
2−ヘキサノール 0.05〔wt%〕(ケース1)
0.10〔wt%〕(ケース2)
成分C1:シクロヘキサノン 12.00〔wt%〕(ケース1)
12.00〔wt%〕(ケース2)
成分C2:シクロヘキサノール 3.00〔wt%〕(ケース1)
3.00〔wt%〕(ケース2)
なお、成分Bに1−ヘキサノン、3−ヘキサノン、1−ヘキサノール及び3−ヘキサノールが存在する可能性があるが、2−ヘキサノン及び2−ヘキサノールだけとした。
【0103】
理論段数:35段 還流比:2.0 塔頂圧力:常圧 塔頂温度:80.7〔℃〕
塔底温度:155.1〔℃〕
加熱エネルギー量:444000〔kcal/h〕
断面積比γ1:100/73.6 液分配比γ2:フィード側/サイドカット側=55/100 =0.55その結果、図16及び17に示されるように、成分Aを99.99〔wt%〕で精製することができた。
【0104】この場合、参考例2の蒸留装置と比べて、必要な加熱エネルギー量を少なくすることができる。すなわち、444000/560000〜568000=79〜78〔%〕
であるので、加熱エネルギー量を約20〔%〕強(116000〜124000〔kcal/h〕)少なくすることができる。
【0105】また、参考例3の蒸留装置と比べると、必要な加熱エネルギー量は等しいが、中間沸点成分(不純物)である成分Bの濃度を高くすることができる。すなわち、参考例3において、成分Bの濃度は51.5〜54.2〔wt%〕であるのに対して、実施例2において、成分Bの濃度は57.7〜58.8〔wt%〕である。したがって、成分Bがその分少なくなるので、次の工程において成分C2を十分に分離精製することができる。その結果、成分C1の純度を高くすることができる。また、中間沸点成分(不純物)が少ないので、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールとの分離が容易になる。
【0106】なお、成分Bの組成をケース1からケース2に変化させる場合、サイドカット液を取り出す段、すなわち、サイドカット段(回収部AR4と濃縮部AR5との間)が切り替えられる。この場合、サイドカット段は1段下に切り替えられる。
【0107】ところで、塔頂から排出される成分Aに成分Bが含まれると、成分Bは、成分Aと共に前の工程の酸化反応工程に戻され、原料として再び利用されてしまう。その結果、成分Bは循環系に蓄積され、酸化反応を悪化させてしまう。
【0108】ところが、図14及び15に示されるように、参考例3の蒸留装置において、留出液における成分Bの濃度は100〜104〔ppm〕であるのに対して、図16及び17に示されるように、実施例2の蒸留装置において、成分Bの濃度は587〔ppb〕〜1〔ppm〕になり、極めて低くすることができる。
【0109】また、参考例3及び実施例2の蒸留装置において、成分Bが塔底から排出されると、成分Bは、次の工程において成分C1に混入し、後の工程におけるアジピン酸の製造に悪影響を及ぼすが、参考例3の蒸留装置において、缶出液における成分Bの濃度は363〜864〔ppm〕であるのに対して、実施例2の蒸留装置において、成分Bの濃度は185〜393〔ppm〕になり、極めて低くすることができる。
【0110】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、蒸留装置においては、塔本体と、該塔本体内を分割し、互いに隣接する第1室及び第2室を形成する中仕切りと、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第1の蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔頂と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第2の蒸留部と、少なくとも一部が前記塔本体の塔底と隣接させて配設され、上方に濃縮部を、下方に回収部を備えた第3の蒸留部と、前記第1の蒸留部に原液を供給するフィードノズルと、前記塔頂に配設され、留出液を排出する第1の排出手段と、塔サイドに配設され、サイドカット液を排出する第2の排出手段と、前記塔底に配設され、缶出液を排出する第3の排出手段とを有する。
【0112】そして、前記第2の排出手段は、位置を異ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備える。
【0113】この場合、フィードノズルから原液が第1の蒸留部に供給され、第1の排出手段によって留出液が、第2の排出手段によってサイドカット液が、第3の排出手段によって缶出液がそれぞれ排出される。
【0114】そして、第2の排出手段は、位置を異ならせて配設された複数のサイドカットノズルを備えるので、該サイドカットノズルのうちの一つを選択することによって、サイドカット液を排出する位置を最適にすることができる。
【0115】したがって、サイドカット液は濃縮され、しかも、排出される量が少なくなるので、缶出液の純度を高くすることができるだけでなく、第1の排出手段によって排出される留分を多くすることができ、留出液の回収率を高くすることができる。
【0116】また、サイドカット液に含有される所定の成分を回収する場合に、サイドカット液の量が少ない分だけ前記成分の回収量を少なくすることができる。したがって、前記成分を回収するために必要なエネルギーを少なくすることができるので、前記成分のコストを低くすることができる。
【0117】本発明の他の蒸留装置においては、さらに、前記各サイドカットノズルに開閉自在のバルブが接続され、該バルブは運転条件に対応させて開閉される。
【0118】この場合、運転条件に対応させてサイドカットノズルのうちの一つを選択することができるので、サイドカット液を排出する位置を最適にすることができる。
【0119】本発明の更に他の蒸留装置においては、さらに、前記中仕切りは偏心させられ、第1室の断面積と第2室の断面積とが異なる。
【0120】この場合、第1室内を流れる蒸気及び液体の量と、第2室内を流れる蒸気及び液体の量とが異なっても、第1室及び第2室を有効に利用することができる。したがって、蒸気供給源に加わる熱負荷を小さくすることができるので、蒸留のための消費エネルギーを少なくすることができる。




 

 


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