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発明の名称 レーザ穴あけ加工方法及び加工装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−38483(P2001−38483A)
公開日 平成13年2月13日(2001.2.13)
出願番号 特願平11−212098
出願日 平成11年7月27日(1999.7.27)
代理人 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E068
【Fターム(参考)】
4E068 AF00 CA02 CA14 CC02 CC06 CD05 CD10 CD13 CE04 DA11 
発明者 礒 圭二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被加工基板にレーザ光を照射して複数の穴あけ加工を行うレーザ穴あけ加工方法において、レーザ発振器からのレーザ光を、前記被加工基板における1つの加工領域に対応するサイズを持つ線状あるいは矩形状ビームに整形し、前記線状あるいは矩形状ビームを、複数の穴による加工パターンを有するマスク及び加工レンズを通してマスク投影法により前記被加工基板の加工領域に照射することにより、前記被加工基板に複数の穴あけを同時に行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工方法。
【請求項2】 請求項1記載のレーザ穴あけ加工方法において、前記被加工基板を搭載してX軸方向及びY軸方向に可動とするX−Yステージに搭載して加工領域の移動を行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工方法。
【請求項3】 請求項2記載のレーザ穴あけ加工方法において、前記マスクは複数種類の加工パターンを有し、該マスクを前記線状あるいは矩形状ビームの光軸方向に垂直な方向に可動として前記被加工基板に対する複数の穴あけのパターンを変更できるようにしたことを特徴とするレーザ穴あけ加工方法。
【請求項4】 請求項3記載のレーザ穴あけ加工方法において、前記被加工基板は樹脂基板であり、前記レーザ発振器としてTEACO2 パルスレーザ発振器を用い、1パルス当たりのエネルギーが1000mJ以上、パルス幅10μsec以下、周波数100Hz以上で、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することを特徴とするレーザ穴あけ加工方法。
【請求項5】 請求項4記載のレーザ穴あけ加工方法において、1パルス当たりのエネルギーが2000mJ、パルス幅10μsec以下、周波数150Hzで、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することを特徴とするレーザ穴あけ加工方法。
【請求項6】 被加工基板にレーザ光を照射して複数の穴あけ加工を行うレーザ穴あけ加工装置において、レーザ発振器と、該レーザ発振器からのレーザ光を、前記被加工基板における1つの加工領域に対応するサイズを持つ線状あるいは矩形状ビームに整形するビーム整形光学系と、前記線状あるいは矩形状ビームを、複数の穴による加工パターンを有するマスク及び加工レンズを通してマスク投影法により前記被加工基板の加工領域に照射する光学系と、前記被加工基板を搭載してX軸方向及びY軸方向に可動とすることにより加工領域の移動を行うX−Yステージと、を備えることにより、前記被加工基板に複数の穴あけを同時に行うことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項7】 請求項6記載のレーザ穴あけ加工装置において、前記マスクは複数種類の加工パターンを有し、該マスクを前記線状あるいは矩形状ビームの光軸方向に垂直な方向に可動する駆動機構を備えることにより、前記被加工基板に対する複数の穴あけのパターンを変更できるようにしたことを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項8】 請求項7記載のレーザ穴あけ加工装置において、前記被加工基板は樹脂基板であり、前記レーザ発振器としてTEACO2 パルスレーザ発振器を用い、1パルス当たりのエネルギーが1000mJ以上、パルス幅10μsec以下、周波数100Hz以上で、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項9】 請求項8記載のレーザ穴あけ加工装置において、1パルス当たりのエネルギーが2000mJ、パルス幅10μsec以下、周波数150Hzで、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項10】 請求項6記載のレーザ穴あけ加工装置において、前記ビーム整形光学系として、集光レンズあるいはシリンドリカルレンズを用いることを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項11】 請求項8あるいは9記載のレーザ穴あけ加工装置において、前記X−Yステージは、X軸方向駆動用のリニアモータ及びY軸方向駆動用のリニアモータを駆動源として備えると共に、X軸方向の位置及びY軸方向の位置を計測する手段としてX軸方向用のリニアエンコーダ及びY軸方向用のリニアエンコーダを備えていることを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
【請求項12】 請求項11記載のレーザ穴あけ加工装置において、前記X−Yステージの位置決め制御を行うために、前記樹脂基板を含む領域を撮像し得られた画像を処理して前記樹脂基板と前記マスクの相対誤差を検出する画像処理装置を備えていることを特徴とするレーザ穴あけ加工装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光によりプリント配線基板のような樹脂層に穴あけ加工を行うレーザ穴あけ加工方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、高密度実装化に伴い、プリント配線基板には高密度化が要求されている。このような要求に伴い、例えば、CSPやフリップチップと呼ばれるチップ搭載用のプリント配線基板(パッケージ基板)には、多数のビアホールと呼ばれる穴あけを小径かつ微小ピッチで行うことが必要となる。
【0003】このような穴あけ加工は、機械的な微細ドリルを用いる機械加工や露光(フォトビア)方式が主流であったが、最近ではレーザ光が利用されはじめている。レーザ光を利用した穴あけ加工装置は、微細ドリルを用いる機械加工に比べて加工速度や、穴の径の微細化に対応できる点で優れている。レーザ光としては、レーザ発振器の価格、ランニングコストが低いという点からCO2 レーザや高調波固体レーザが一般に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これまでのレーザ穴あけ加工装置では、レーザ発振器からのレーザビームを反射ミラー等を含む光学経路を経由させてX−Yスキャナあるいはガルバノスキャナと呼ばれるスキャン光学系に導き、このスキャン光学系によりレーザビームを振らせて加工レンズを通してプリント配線基板に照射することにより穴あけを行っている(例えば、特開平10−58178号公報参照)。すなわち、プリント配線基板にあけられるべき穴の位置はあらかじめ決まっているので、これらの穴の位置情報に基づいてスキャン光学系を制御することで穴あけが1個ずつ行われている。
【0005】しかしながら、X−Yスキャナあるいはガルバノスキャナによるスキャン光学系を使用した1個ずつの穴あけ加工では、プリント配線基板における穴の数の増加に比例して加工時間が長くなる。因みに、ガルバノスキャナの応答性は500pps程度であるため、毎秒500穴以上の穴あけは困難である。また、例えば、一辺が10mmの正方形のパッケージ基板に、50μm径の穴が0.2mmのピッチで配列されるとすると、2500個の穴が存在する。この場合、毎秒500穴の穴あけを行ったとしても、2500/500=5secの加工時間を必要とする。
【0006】そこで、本発明の課題は、これまでのレーザ穴あけ加工装置に比べて短い時間で多数の穴あけ加工を行うことのできるレーザ穴あけ加工方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の課題は、上記の加工方法に適したレーザ穴あけ加工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被加工基板にレーザ光を照射して複数の穴あけ加工を行うレーザ穴あけ加工方法において、レーザ発振器からのレーザ光を、前記被加工基板における1つの加工領域に対応するサイズを持つ線状あるいは矩形状ビームに整形し、前記線状あるいは矩形状ビームを、複数の穴による加工パターンを有するマスク及び加工レンズを通してマスク投影法により前記被加工基板の加工領域に照射することにより、前記被加工基板に複数の穴あけを同時に行うことを特徴とする。
【0009】また、本発明によるレーザ穴あけ加工装置は、レーザ発振器と、該レーザ発振器からのレーザ光を、被加工基板における1つの加工領域に対応するサイズを持つ線状あるいは矩形状ビームに整形するビーム整形光学系と、前記線状あるいは矩形状ビームを、複数の穴による加工パターンを有するマスク及び加工レンズを通してマスク投影法により前記被加工基板の加工領域に照射する光学系と、前記被加工基板を搭載してX軸方向及びY軸方向に可動とすることにより加工領域の移動を行うX−Yステージとを備えることにより、前記被加工基板に複数の穴あけを同時に行うことを特徴とする。
【0010】本発明によるレーザ穴あけ加工装置においては、前記マスクは複数種類の加工パターンを有し、該マスクを前記線状あるいは矩形状ビームの光軸方向に垂直な方向に可動する駆動機構を備えることにより、前記被加工基板に対する複数の穴あけのパターンを変更することができる。
【0011】また、前記被加工基板が樹脂基板である場合、前記レーザ発振器としてTEACO2 パルスレーザ発振器を用い、1パルス当たりのエネルギーが1000mJ以上、パルス幅10μsec以下、周波数100Hz以上で、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することを特徴とする。
【0012】特に、1パルス当たりのエネルギーが2000mJ、パルス幅10μsec以下、周波数150Hzで、前記樹脂基板の加工領域に1パルス以上を照射することが好ましい。
【0013】前記ビーム整形光学系は、集光レンズあるいはシリンドリカルレンズで実現することができる。
【0014】前記X−Yステージは、X軸方向駆動用のリニアモータ及びY軸方向駆動用のリニアモータを駆動源として備えると共に、X軸方向の位置及びY軸方向の位置を計測する手段としてX軸方向用のリニアエンコーダ及びY軸方向用のリニアエンコーダを備えている。
【0015】前記X−Yステージの位置決め制御を行うために、前記樹脂基板を含む領域を撮像し得られた画像を処理して前記樹脂基板と前記マスクの相対誤差を検出する画像処理装置を備えていることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、パッケージ基板に多数の穴を同時加工する場合の実施の形態について説明する。図1を参照して、本発明によるレーザ穴あけ加工装置は、TEA CO2 レーザ発振器(以下、レーザ発振器と呼ぶ)10と、反射ミラー11、12、13を含む光学経路とを備えている。この光学経路中には、レーザ発振器10からのレーザ光を、パッケージ基板20における1つの加工領域に対応するサイズを持つ矩形状ビームに整形するビーム整形光学系14が配置されている。光学経路中にはまた、ビーム整形光学系14からの矩形状ビームをマスク投影法によりパッケージ基板20の加工領域に照射するためのマスク15とプロジェクションレンズ16とが配置されている。プロジェクションレンズ16は、マスク15による加工パターンを等倍あるいは縮小して加工領域に投影するためのものである。
【0017】マスク15は、パッケージ基板20の加工領域に多数の穴を同時に形成するためのものであり、多数の透過穴から成る加工パターンを持つ。加工パターンが1種類だけの場合には、図2に示されるように、多数の透過穴が定ピッチで形成されているもので良い。しかし、加工パターンは、パッケージ基板20の加工領域に設ける穴の数や径及びピッチを規定するためのものであり、複数種類を用意しておくことが好ましい。ここでは、図3に示されるように、4種類の加工パターンを持つマスク15を使用する場合について説明する。
【0018】本形態では、マスク15を矩形状ビームの光軸方向に垂直な方向に移動可能にする駆動機構を備えることにより、パッケージ基板20に対する穴あけのパターンを変更することができる。マスク15の加工パターンは、3μm程度の誤差の範囲内で製作することができる。一方、マスク15の位置決め精度を向上させる観点から、マスク15の駆動機構にはリニアモータを使用することが望ましい。すなわち、図1に示すX軸方向への駆動用のリニアモータとZ軸方向への駆動用のリニアモータとを備え、X軸方向の位置及びZ軸方向の位置を計測する手段としてX軸方向用のリニアエンコーダ及びZ軸方向用のリニアエンコーダを備えることにより、マスク15を3μm程度の誤差の範囲内で位置決めすることができる。リニアエンコーダは、可動部分、例えばマスク15の側縁部に設けられたリニアスケールを含み、このリニアスケールを光学的に読み取って位置を検出するものである。いずれにしても、この種のリニアモータによる駆動機構は周知であるので、図示、説明は省略する。
【0019】レーザ穴あけ加工装置は更に、パッケージ基板20を搭載してX軸方向及びY軸方向に可動とすることにより加工領域の移動を行うX−Yステージ30を備えている。X−Yステージ30は、X軸方向への駆動用のリニアモータ及びY軸方向への駆動用のリニアモータを駆動源として備えると共に、X軸方向の位置及びY軸方向の位置を計測する手段としてX軸方向用のリニアエンコーダ及びY軸方向用のリニアエンコーダを備えている。このようなX−Yステージ30においても、後述する画像処理装置との組合わせにより、パッケージ基板20を3μm程度の誤差の範囲内で位置決めすることができる。そして、このようなX−Yステージ30も周知であるので、詳しい説明は省略する。
【0020】X−Yステージ30の位置決め制御を行うために、ここでは、パッケージ基板20の上方に画像処理装置40が配置されている。画像処理装置40は、パッケージ基板20を含む領域を撮像し、得られた画像を処理してパッケージ基板20とマスク15の相対誤差を検出するためのものである。
【0021】このような相対誤差を検出する方法の一例について簡単に説明する。マスク15には、その加工パターンの周辺に複数個のアライメント用の穴があらかじめセットされている。これらの穴は、実基板にあらかじめ設けられているアライメント用マークと対応するようにされている。はじめに、相対誤差検出のために、X−Yステージ30上にマスクアライメント用の樹脂基板がセットされる。次に、マスク15が移動し、アライメント部にレーザを当てて、樹脂基板に加工を行う。その結果、樹脂基板にはマスクアライメントマーク部が加工される。次に、画像処理装置40で樹脂基板を撮像し、画像処理により樹脂基板上に加工されたマスクアライメントマーク部の箇所を認識する。これにより、マスク15の位置が認識される。続いて、実基板をセットし、実加工を行う前に、画像処理装置40により実基板(パターン)上のアライメント用マークを認識し、実パターン位置を認識する。上記の2つの認識結果よりマスク15に対する実パターン位置のずれ量を相対誤差として検出する。
【0022】図示しない制御装置は、この相対誤差に基づいてX−Yステージ30を制御してずれ量が0となるように実基板の位置調整を行う。なお、X−Yステージ30は2軸の制御機構であり、これに加えて、実基板を水平面において微小角度回転させるための、いわゆるθテーブルを備えていても良い。
【0023】レーザ発振器10は、パルスレーザ発振器であり、図4(a)に示すようなマルチモードのビームプロファイルを持ち、その1パルス当たりのエネルギーが2000(mJ)であるものを使用する。マルチモードのビームプロファイルというのは、単一のエネルギーピーク値を持つ尖頭波形のビームプロファイルとは異なり、一定のエネルギー値が持続する台形状波形のことである。一方、ビーム整形光学系14は、マルチモードのビームプロファイルを持つレーザビームに対して、通常の集光レンズを使用することにより、図4(c)に示すような矩形状ビームに整形することができる。この場合、ビームサイズは、一辺が数(mm)程度である。
【0024】一方、集光レンズに代えて、シリンドリカルレンズを使用することにより、断面円形状のレーザビームを、図4(b)に示すような線状ビームに整形することができる。シリンドリカルレンズによれば、線状ビームのサイズを、幅1/10(mm)〜数(mm)、長さ数(cm)に整形することができる。線状ビームを使用する形態については後述する。また、図4(a)〜図4(c)においては、それぞれの寸法が対応しているわけではない。
【0025】本形態による穴あけ加工は、通常、図5に示すように、パッケージ基板20の他、複数の加工領域51が区画されている多面取り用の樹脂材料による母板50に対して加工領域毎に行われる。母板50は、X−Yステージ30上に設けられた真空チャック機能を持つ加工テーブル上に搭載されている。X−Yステージ30は、図示しないフレームに取付けられている。
【0026】本形態によるレーザ穴あけ加工装置は、上記のような矩形状ビームをマスク15を通して母板20における加工領域51に照射することにより、この照射域に多数の穴を一括してあけることができる。言い換えれば、矩形状ビームのサイズに応じたマスク15が用意され、このマスク15の加工パターンに応じて形成される穴の数が決まり、この穴の数分だけパッケージ基板20の樹脂層に一括して穴あけを行うことができる。しかも、X−Yステージ30によって矩形状ビームが母板20における1つの加工領域51の全域をスキャンするように加工テーブルを駆動することにより、1つの加工領域51の全域に対する穴あけを行うことができる。ここでは、1つの加工領域51のサイズは、一辺が数cm以下の四角形領域である。
【0027】例えば、加工領域51のサイズが一辺10mmの正方形であり、プロジェクションレンズ16を通過して加工領域51上に投影される矩形状ビームの断面サイズが一辺5mmの正方形である場合、図6に示すように、加工領域51は4つの領域51−1〜51−4に等分される。そして、最初に領域51−1にパルス状の矩形状ビームが少なくとも1回照射されて、領域51−1に一括してマスク15の加工パターンで決まる数の穴あけが行われる。次に、X−Yステージ30により、領域51−2が矩形状ビームの照射域にくるようにパッケージ基板20を移動させ、領域51−2に対する穴あけが行われる。以下、同様にして、領域51−3、51−4に対する穴あけが行われる。ここで、1つの領域に対するパルス状の矩形状ビームの照射回数は、穴あけを行う樹脂層の材料や厚さに応じて決まる。
【0028】上記のようなスキャンを可能にするために、図示しない制御装置が、X−Yステージ30を制御すると共に、レーザ発振器10に対してパルスの発振周期を決めるトリガーパルスを出力する。また、図6に示す各領域に異なる加工パターンによる穴あけを行う場合には、X−Yステージ30の移動に同期させてマスク15における切り替えが行われる。このような制御装置自体は周知である。
【0029】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0030】レーザ発振器10としては、平均出力300W、1パルス当たりのエネルギーが1000mJ以上、好ましくは2000mJ、パルス幅が10μsec以下、好ましくは0.2μsec、周波数は100Hz以上、好ましくは150Hzとする。そして、加工面でのエネルギー密度を、2J/cm2 以上とする。
【0031】一方、1つの加工領域51には、ピッチが0.2〜0.3mm、直径が50〜150μm、というように、小径かつ高密度で穴が形成される。
【0032】例えば、一辺が10mmの正方形の加工領域51に50μm径の穴が0.2mmピッチで配列されると、2500個の穴が存在する。
【0033】本発明によるレーザ穴あけ加工装置の特徴は、一穴加工方式ではなく、同時多穴加工方式を採用した点にある。
【0034】加工領域51への穴あけ加工の場合、加工面のエネルギー密度は10J/cm2 で可能である。例えば、8J/cm2 で加工する場合、上記のレーザを用い、加工領域51上での投影サイズ、すなわち加工スポットサイズを、一辺が5mmの正方形状とすることができる。この場合、図6で説明したように、1つの加工領域を4分割して順に穴あけ加工を行うことができる。そして、8J/cm2 の場合、1つの領域に対して10ショット程度で穴あけを完了できるため、一辺が5mmの領域に対するレーザ穴あけ時間は、10/150Hz=66msecである。一方、X−Yステージ30(あるいはマスク駆動機構による加工パターンの切替時間)による次領域への移動所要時間は、リニアモータの採用により、100msec以下である。また、互いに隣接し合う領域において隣接している穴のピッチには若干の誤差が生じるが、前述したように、X−Yステージ30の位置決め誤差が3μm程度であるので、この誤差は穴のピッチが0.2mmの場合には問題とならない。
【0035】したがって、一辺が10mmの正方形の加工領域51に2500穴をあける場合、加工時間は、66msec×4=0.264sec程度となる。
【0036】これに対し、一穴加工方式(ガルバノスキャナ方式)の場合、前述したように、ガルバノスキャナの応答性が500pps程度のため、毎秒500穴の穴あけをしたとしても、加工時間は、2500/500=5secとなる。
【0037】次に、線状ビームにより穴あけ加工を行う場合について説明する。ビーム整形光学系14としてシリンドリカルレンズを用いることにより、幅1/10(mm)〜数(mm)、長さ数(cm)の線状ビームを得ることができることは前述した通りである。このような線状ビームにより穴あけ加工を行う場合、マスクとして、図7に示すように、レーザ光透過用の穴を一列に配列した加工パターンを持つマスク15´が使用される。勿論、異なる加工パターンを複数種類用意する場合には、異なる加工パターンを一軸方向に配列して形成したマスクが用意される。この場合、マスクの駆動機構は、図1のX軸あるいはZ軸の一軸方向に駆動可能であれば良い。
【0038】例えば、ビーム整形光学系14からの線状ビームがマスク及びプロジェクションレンズ16を通して加工領域上に幅0.6mm、長さ30mmのサイズで投影される場合、一辺が30mmの正方形の加工領域に適している。すなわち、この場合には、X−Yステージ30で加工テーブルを一軸方向に駆動することにより、線状ビームが正方形の加工領域全面を一軸方向にスキャンするようにされる。この場合、加工テーブルは連続移動するので、前述した形態よりも加工速度は向上する。
【0039】また、例えば幅0.6mm、長さ30mmのサイズを持つ線状ビームで、一辺が60mmの正方形の加工領域51´を加工する場合には、図8に示すように、加工領域51´を2つに領域51−1´、51−2´に等分し、はじめに領域51−1´全面を線状ビームで一軸方向に連続スキャンして穴あけを行い、次に加工テーブルを上記の一軸方向に直角な方向に30mmずらして領域51−2´全面を一軸方向と反対の方向に線状ビームによる連続スキャンを行えば良い。
【0040】上記の2つの形態の数値、特に矩形状ビーム及び線状ビームのサイズは一例であり、加工領域上に投影されるビームサイズは、プロジェクションレンズの縮小比を選択することにより任意に設定できる。
【0041】なお、上記の形態では、プリント配線基板への穴あけ加工について説明したが、被加工部材はプリント配線基板の樹脂層に限られるものではない。また、レーザ発振器もTEA CO2 レーザ発振器に限られるものではない。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、これまでのレーザ穴あけ加工装置に比べて短い時間で多数の穴あけ加工を行うことのできるレーザ穴あけ加工方法及び加工装置を提供することができ、高密度で多数の穴を形成されることが要求されるプリント配線基板での分野において、高速穴あけ加工が可能となる。




 

 


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