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発明の名称 射出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−30316(P2001−30316A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−209245
出願日 平成11年7月23日(1999.7.23)
代理人 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206 AM32 AR072 AR082 JA07 JD01 JM01 JN06 JQ27 JT02 
発明者 今冨 芳幸 / 平野 智裕
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)加熱シリンダと、(b)スクリュー本体の外周面にフライトが形成されたフライト部、及び該フライト部の前端に配設されたスクリューヘッドを備え、前記加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューと、(c)前記スクリューヘッドの周囲に配設された逆止リングと、(d)前記スクリューを回転させるための第1の駆動手段と、(e)前記スクリューを進退させるための第2の駆動手段と、(f)射出工程において前記第2の駆動手段を駆動して、スクリューを所定のスクリュー速度で前進させるスクリュー前進制御手段と、(g)前記射出工程において前記第1の駆動手段を駆動して、前記フライトを見掛け上後退させるフライト制御手段とを有することを特徴とする射出装置。
【請求項2】 前記逆止リングは、スクリューの回転に伴ってスクリューヘッドに対して所定の角度だけ回動させられ、前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを連通させる連通位置、及び前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを遮断する遮断位置を採る請求項1に記載の射出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機においては、射出装置が配設され、該射出装置の加熱シリンダ内にスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設され、該スクリューを第1、第2の駆動手段によって回転及び進退させることができるようになっている。また、前記スクリューの本体、すなわち、スクリュー本体の外周面には、螺(ら)旋状のフライトが形成され、該フライトによって溝が形成される。
【0003】そして、計量工程時に、スクリューを正方向に回転させると、加熱シリンダに取り付けられたホッパから落下した樹脂が加熱シリンダ内において溶融させられ、前記溝に沿って前進させられる。それに伴って、スクリューは後退させられ、樹脂はスクリューヘッドの前方に蓄えられる。また、射出工程時に、スクリューを前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は射出ノズルから射出され、金型装置内のキャビティ空間に充填(てん)される。その後、キャビティ空間内の樹脂は冷却されて成形品になるが、このとき、冷却に伴って樹脂が収縮する。そこで、収縮した分の樹脂をキャビティ空間に補給するために保圧が行われ、加熱シリンダ内の樹脂の圧力を維持するようにしている。
【0004】ところで、ホットランナ式の金型装置を使用する場合、射出工程時に、射出ノズルから射出された樹脂は、金型装置内のスプルーを通った後、ホットランナを通り、キャビティ空間に充填されるようになっている。この場合、ホットランナ内の樹脂は、射出工程が完了し、計量工程が開始された後も加熱用のヒータによって加熱され、溶融させられた状態に置かれ、しかも、保圧が開始されるのに伴って圧力が維持される。
【0005】したがって、その後、計量工程中に型開きが行われると、前記樹脂がキャビティ空間内に垂れ落ちてしまう。
【0006】そこで、計量工程が開始される前のタイミングでサックバックを行うことによって、ホットランナ内の樹脂の圧力を低くするようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の射出装置においては、サックバックが行われる分だけ成形のための工程が多くなるので、成形サイクルが長くなってしまう。その結果、成形品にシルバーストリーク等の成形不良が発生したり樹脂焼けが発生したりしてしまう。
【0008】また、サックバックに伴ってスクリューが後退させられるので、続いて開始される計量工程において、スクリューヘッドの前方に蓄えられる樹脂の量にばらつきが生じ、安定して成形を行うことができなくなってしまう。
【0009】本発明は、前記従来の射出装置の問題点を解決して、成形サイクルを短くすることができ、成形不良が発生したり樹脂焼けが発生したりすることがなく、安定して成形を行うことができる射出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の射出装置においては、加熱シリンダと、スクリュー本体の外周面にフライトが形成されたフライト部、及び該フライト部の前端に配設されたスクリューヘッドを備え、前記加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューと、前記スクリューヘッドの周囲に配設された逆止リングと、前記スクリューを回転させるための第1の駆動手段と、前記スクリューを進退させるための第2の駆動手段と、射出工程において前記第2の駆動手段を駆動して、スクリューを所定のスクリュー速度で前進させるスクリュー前進制御手段と、前記射出工程において前記第1の駆動手段を駆動して、前記フライトを見掛け上後退させるフライト制御手段とを有する。
【0011】本発明の他の射出装置においては、さらに、前記逆止リングは、スクリューの回転に伴ってスクリューヘッドに対して所定の角度だけ回動させられ、前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを連通させる連通位置、及び前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを遮断する遮断位置を採る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】図2は本発明の実施の形態における射出装置の要部拡大図、図3は本発明の実施の形態における射出装置の概念図である。
【0014】図において、11はシリンダ部材としての加熱シリンダ、12は該加熱シリンダ11内に回転自在に、かつ、進退自在に配設された射出部材としてのスクリュー、13は前記加熱シリンダ11の前端(図2における左端)に形成された射出ノズル、14は該射出ノズル13に形成されたノズル口、15は前記加熱シリンダ11の後端(図2における右端)の近傍の所定位置に形成された樹脂供給口、16は該樹脂供給口15に取り付けられ、樹脂を収容するホッパである。
【0015】前記スクリュー12は、フライト部21、及び該フライト部21の前端に配設されたスクリューヘッド27を備える。そして、前記フライト部21は、スクリュー本体の外周面に螺旋状に形成されたフライト23を備え、該フライト23によって螺旋状の溝24が形成される。また、フライト部21には、後方(図2における右方)から前方(図2における左方)にかけて順に、ホッパ16から落下した樹脂が供給される樹脂供給部P1、供給された樹脂を圧縮しながら溶融させる圧縮部P2、及び溶融させられた樹脂を一定量ずつ計量する計量部P3が形成される。前記溝24の底、すなわち、溝底の外径は、樹脂供給部P1において比較的小さくされ、圧縮部P2において後方から前方にかけて徐々に大きくされ、計量部P3において比較的大きくされる。したがって、加熱シリンダ11の内周面とスクリュー12の軸部の外周面との間の間隙(げき)は、前記樹脂供給部P1において比較的大きくされ、圧縮部P2において後方から前方にかけて徐々に小さくされ、計量部P3において比較的小さくされる。
【0016】計量工程時に、前記スクリュー12を正方向に回転させると、ホッパ16から落下した樹脂が樹脂供給部P1に供給され、溝24内を前進(図2における左方に移動)させられ、それに伴って、スクリュー12が後退(図2における右方に移動)させられ、樹脂がスクリューヘッド27の前方に蓄えられる。なお、前記溝24内の樹脂は、前記樹脂供給部P1において図に示されるようにペレット状の形状を有し、圧縮部P2において半溶融状態になり、計量部P3において完全に溶融させられて液状になる。
【0017】射出工程時に、前記スクリュー12を前進させると、スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、図示されない金型装置内のキャビティ空間に充填される。このとき、スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂が逆流しないように、スクリューヘッド27の周囲に逆流防止装置が配設される。
【0018】そのために、前記スクリューヘッド27は、前半部に円錐(すい)形のヘッド本体部25を、後半部に円柱部26を有する。そして、該円柱部26の周囲に環状の逆止リング28が回動自在に配設され、前記フライト部21の前端に押金29が固定される。なお、逆止リング28及び押金29によって逆流防止装置が構成される。
【0019】また、前記逆止リング28には、円周方向における複数箇所に軸方向に延びる穴28aが、前端に所定の角度にわたって切欠28bがそれぞれ形成される。そして、前記ヘッド本体部25に係止突起25aが形成され、該係止突起25aが前記切欠28b内に置かれる。この場合、前記逆止リング28はスクリュー12の回転に伴ってスクリューヘッド27に対して所定の角度θだけ回動させられ、それ以上の回動が規制される。
【0020】一方、前記押金29には、円周方向における複数箇所に、前記穴28aと対応させて軸方向に延びる穴29aが形成される。したがって、逆止リング28がスクリューヘッド27に対して回動させられると、前記穴28a、29aが選択的に連通させられる。そして、逆止リング28は、前記スクリューヘッド27の前方とフライト部21とを連通させる連通位置、及び前記スクリューヘッド27の前方とフライト部21とを遮断する遮断位置を採る。
【0021】ところで、前記加熱シリンダ11の後端(図3における右端)は前方射出サポート31に取り付けられ、該前方射出サポート31と所定の距離を置いて後方射出サポート32が配設される。そして、前記前方射出サポート31と後方射出サポート32との間にガイドバー33が架設され、該ガイドバー33に沿ってプレッシャプレート34が進退自在に配設される。なお、前記前方射出サポート31及び後方射出サポート32は、図示されないボルトによって図示されないスライドベースに固定される。
【0022】また、前記スクリュー12の後端にドライブシャフト35が連結され、該ドライブシャフト35は、ベアリング36、37によってプレッシャプレート34に対して回転自在に支持される。そして、スクリュー12を回転させるために、第1の駆動手段としての電動の計量用モータ41が配設され、該計量用モータ41とドライブシャフト35との間に、プーリ42、43及びタイミングベルト44から成る第1の回転伝動手段が配設される。したがって、前記計量用モータ41を駆動することによって、スクリュー12を正方向又は逆方向に回転させることができる。なお、本実施の形態においては、前記第1の駆動手段として電動の計量用モータ41を使用しているが、電動の計量用モータ41に代えて油圧のモータを使用することもできる。
【0023】また、前記プレッシャプレート34より後方(図3における右方)に、互いに螺合させられたボールねじ軸45及びボールナット46から成るボールねじ47が配設され、該ボールねじ47によって回転運動を直線運動に変換する運動方向変換手段が構成される。そして、前記ボールねじ軸45はベアリング48によって後方射出サポート32に対して回転自在に支持され、前記ボールナット46はプレート51及びロードセル52を介してプレッシャプレート34に固定される。さらに、スクリュー12を進退させるために、第2の駆動手段としての射出用モータ53が配設され、該射出用モータ53とボールねじ軸45との間に、プーリ54、55及びタイミングベルト56から成る第2の回転伝動手段が配設される。したがって、前記射出用モータ53を駆動し、ボールねじ軸45を回転させることによってボールナット46及びプレッシャプレート34を移動させ、スクリュー12を前進(図3における左方に移動)又は後退(図3における右方に移動)させることができる。なお、本実施の形態においては、前記プレッシャプレート34を移動させる手段として射出用モータ53を使用しているが、射出用モータ53に代えて射出用シリンダを使用することもできる。
【0024】次に、前記構成の射出装置の制御回路について説明する。
【0025】図1は本発明の実施の形態における射出装置の制御回路の要部ブロック図、図4は本発明の実施の形態における射出装置の制御回路の概略図、図5は本発明の実施の形態における射出装置の動作を示す第1のタイムチャート、図6は本発明の実施の形態における射出装置の動作を示す第2のタイムチャートである。
【0026】図において、41は計量用モータ、53は射出用モータ、62は制御装置、64は射出用サーボアンプ、65は計量用サーボアンプ、66はスクリュー速度設定手段としてのスクリュー速度設定器、67は記憶手段としてのメモリ、68はフライト速度設定器、71は射出用モータ回転数nI を検出する射出用モータ回転数検出器、72は計量用モータ回転数nM を検出する計量用モータ回転数検出器、81はスクリュー12(図3)の位置を検出するスクリュー位置検出器である。
【0027】そして、前記制御装置62は、射出用モータ回転数設定器73、減算器74、78、計量用モータ回転数算出手段としてのゲイン設定器(−K)75及び計量用モータ回転数設定器77から成る。なお、前記フライト速度設定器68及びゲイン設定器75によってフライト速度設定手段が構成される。
【0028】前記構成の制御回路において、計量工程時に、計量用モータ回転数設定器77はあらかじめ設定された計量用モータ回転数指令NM を減算器78に送る。該減算器78は、前記計量用モータ回転数指令NM 及び計量用モータ回転数nM を受け、計量用モータ回転数指令NM と計量用モータ回転数nM との偏差ΔnM を算出し、該偏差ΔnM を電流指令IM として計量用サーボアンプ65に送る。このようにして、制御装置62は計量用モータ41を駆動する。
【0029】また、射出工程時に、スクリュー速度Vsをスクリュー位置Si (i=1、2、…)に対応させて多段で変更するようになっている。そのために、前記スクリュー速度設定器66は、各スクリュー位置Si に対応させてスクリュー速度指令Vsoi(i=1、2、…)を発生させ、該スクリュー速度指令Vsoiを射出用モータ回転数設定器73に送る。該射出用モータ回転数設定器73は、スクリュー速度指令Vsoiを受けると、該スクリュー速度指令Vsoiに対応させて図6に示されるような射出用モータ回転数指令NIi(i=1、2、…)を発生させ、該射出用モータ回転数指令NIiを減算器74に送るとともに、ゲイン設定器75に送る。前記減算器74は、前記射出用モータ回転数指令NIi及び射出用モータ回転数nI を受け、射出用モータ回転数指令NIiと射出用モータ回転数nI との偏差ΔnI を算出し、該偏差ΔnI を電流指令II として射出用サーボアンプ64に送る。このようにして、制御装置62は射出用モータ53を駆動し、スクリュー12を前進させる。
【0030】この場合、スクリュー12を前進させるのに伴って、スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂による反力が発生させられ、プレッシャプレート34及びドライブシャフト35を介してロードセル52が押圧される。このとき、ロードセル52の歪(ひず)みが電気信号に変換され、該電気信号に基づいて、前記スクリュー12を後方から所定の圧力で押すための射出力が算出される。
【0031】また、フライト速度設定器68は、あらかじめ設定された速度比γをゲイン設定器75に送る。該ゲイン設定器75は、速度比γ、及び射出用モータ回転数設定器73から送られた射出用モータ回転数指令NIiを受けると、前記速度比γをゲインとして、各スクリュー位置Si に対応させてフライト速度指令としての図6に示されるような計量用モータ回転数指令NFi(i=1、2、…)を算出し、計量用モータ回転数指令NFiを減算器78に送る。該減算器78は、前記計量用モータ回転数指令NFi及び計量用モータ回転数nM を受けると、計量用モータ回転数指令NFiと計量用モータ回転数nM との偏差ΔnF を算出し、該偏差ΔnFを電流指令IF として計量用サーボアンプ65に送る。このようにして、制御装置62は計量用モータ41を駆動し、前記スクリュー12をスクリュー回転数Nfで回転させる。なお、前記ゲイン設定器75及び減算器78によってフライト制御手段が構成され、該フライト制御手段によってフライト速度Vfが制御される。
【0032】なお、メモリ67に、計量用モータ回転数指令NFiの回転数パターンを格納し、該回転数パターンを読み出してフライト速度Vfを制御することもできる。
【0033】次に、射出装置の動作について説明する。
【0034】前記構成の射出装置において、制御装置62の図示されない連通制御手段は、タイミングt1で前記計量用モータ41を正方向に駆動してスクリュー12を時間τ1だけスクリュー回転数N1で正方向に回転させる。したがって、逆止リング28は、スクリュー12の回転に伴ってスクリューヘッド27に対して角度θだけ回動させられて連通位置に置かれ、穴28a(図2)、29aが連通させられる。続いて、タイミングt2で計量工程が開始され、制御装置62の図示されない計量制御手段は、前記計量用モータ41を正方向に駆動してスクリュー12を時間τ2だけスクリュー回転数N2で正方向に回転させることによって計量を行う。この間、逆止リング28は連通位置に置かれ、前記穴28a、29aが連通させられる。その結果、加熱シリンダ11内の樹脂は、溝24に沿って前進するとともに、加熱シリンダ11によって加熱され、溶融させられた後、穴28a、29aを通って前方に流れ、スクリューヘッド27の前方に蓄えられる。これに伴って、射出用モータ53が駆動され、スクリュー12は後退させられる。
【0035】このようにして、タイミングt3で計量工程が完了すると、制御装置62の図示されない遮断制御手段は、タイミングt4で前記計量用モータ41を逆方向に駆動してスクリュー12を時間τ3だけスクリュー回転数N3で逆方向に回転させる。したがって、逆止リング28は、スクリュー12の回転に伴ってスクリューヘッド27に対して角度θだけ回動させられて遮断位置に置かれ、前記穴28a、29aが遮断される。
【0036】続いて、タイミングt5で射出工程が開始され、制御装置62の図示されない射出制御手段及びスクリュー前進制御手段は、射出用モータ53を駆動してスクリュー12をスクリュー速度Vsで前進させ、前記スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂を射出ノズル13から射出する。この間、前記ゲイン設定器75及び減算器78は、計量用モータ41を計量用モータ回転数指令NFiに従って逆方向に駆動してフライト23を見掛け上後退させる。
【0037】このとき、スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂の一部は、逆流して後方に移動しようとするが、前記穴28a、29aが遮断されているので、前記樹脂がフライト部21に逆流するのが防止される。したがって、射出工程時における樹脂の充填量を安定させることができ、成形品の品質を向上させることができる。また、射出工程時のフライト部21における樹脂を安定させることができるので、計量工程時に計量を安定して行うことができ、樹脂の熱履歴を安定させることができ、さらに、樹脂の温度を安定させることができる。
【0038】そして、前記制御装置62は、スクリュー速度設定器66によってあらかじめ設定されたスクリュー速度Vsの速度パターンに基づいて速度制御を行い、スクリュー位置検出器81によって検出されたスクリュー位置Si が所定の位置になると、速度制御から圧力制御に切り換え、前記射出力に基づいて保圧制御を行い、タイミングt6で射出工程を完了する。
【0039】なお、本実施の形態においては、前記スクリュー12を時間τ1だけ正方向に回転させた後、計量工程が開始されるまでにわずかな時間を置くようにしているが、前記スクリュー12を時間τ1だけ正方向に回転させた後、直ちに計量工程を開始することもできる。また、計量工程が完了した後、スクリュー12を時間τ3だけ逆方向に回転させるまでにわずかな時間を置くようにしているが、計量工程が完了した後、直ちにスクリュー12を時間τ3だけ逆方向に回転させることもできる。さらに、前記スクリュー12を時間τ3だけ逆方向に回転させた後、射出工程が開始されるまでにわずかな時間を置くようにしているが、前記スクリュー12を時間τ3だけ逆方向に回転させた後、直ちに射出工程を開始することもできる。
【0040】ところで、図示されないホットランナ式の金型装置を使用する場合、射出工程時に、射出ノズル13から射出された樹脂は、図示されない金型装置内のスプルーを通った後、ホットランナを通り、キャビティ空間に充填されるようになっている。この場合、ホットランナ内の樹脂は、射出工程が完了し、計量工程が開始された後も加熱用のヒータによって加熱され、溶融させられた状態に置かれ、しかも、保圧が開始されるのに伴って圧力が維持される。
【0041】したがって、その後、計量工程中に型開きが行われると、前記樹脂がキャビティ空間内に垂れ落ちてしまう。
【0042】そこで、射出工程において、射出用モータ53を駆動してスクリュー12を前進させる際に、前記ゲイン設定器75及び減算器78によって、計量用モータ41を駆動してスクリュー12を逆方向に回転させ、フライト23を見掛け上後退させるようにしている。
【0043】したがって、スクリュー12が前進するのに対し、溝24内の樹脂は後退させられる。この場合、逆止リング28は遮断位置に置かれ、前記穴28a、29aが遮断されるので、スクリューヘッド27の前方に蓄えられた樹脂がフライト部21側に逆流することはない。したがって、逆止リング28及び押金29より後方の前記樹脂供給部P1から計量部P3にかけて、特に、計量部P3の前端の近傍において、樹脂の圧力が低下させられ、負圧領域が形成される。
【0044】そして、続いて開始される計量工程の前に、スクリュー12を正方向に回転させ、逆止リング28を連通位置に置き、逆流防止装置のシールを解除すると、前記負圧領域の負圧がホットランナに及ぶので、ホットランナの圧抜きを行うことができる。
【0045】したがって、その後、型開きが行われ、キャビティ空間内の圧力が低くなった場合、その時点でホットランナ内の樹脂の圧力が低くなっているので、前記樹脂がキャビティ空間内に垂れ落ちるのを防止することができる。
【0046】また、スクリュー12を正方向に回転させ、逆止リング28を連通位置に置くだけでホットランナ内の樹脂の圧力を低くすることができるので、サックバックを行う必要がない。したがって、成形のための工程を少なくすることができるので、成形サイクルを短くすることができる。その結果、成形品にシルバーストリーク等の成形不良が発生したり、樹脂焼けが発生したりすることがなくなる。
【0047】また、ホットランナ内の樹脂の圧力を低くするためにサックバックを行う必要がないので、続いて開始される計量工程において、スクリューヘッド27の前方に蓄えられる樹脂の量にばらつきが生じることがない。したがって、安定して成形を行うことができる。
【0048】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出装置においては、加熱シリンダと、スクリュー本体の外周面にフライトが形成されたフライト部、及び該フライト部の前端に配設されたスクリューヘッドを備え、前記加熱シリンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設されたスクリューと、前記スクリューヘッドの周囲に配設された逆止リングと、前記スクリューを回転させるための第1の駆動手段と、前記スクリューを進退させるための第2の駆動手段と、射出工程において前記第2の駆動手段を駆動して、スクリューを所定のスクリュー速度で前進させるスクリュー前進制御手段と、前記射出工程において前記第1の駆動手段を駆動して、前記フライトを見掛け上後退させるフライト制御手段とを有する。
【0050】この場合、射出工程において、前記フライト制御手段はフライトを見掛け上後退させるので、スクリューが前進するのに対し、フライト間の溝内の樹脂は後退させられる。そして、逆止リングは遮断位置に置かれるので、逆流防止装置より後方の樹脂の圧力が低下させられ、負圧領域が形成される。
【0051】そして、続いて開始される計量工程の前に、逆止リングを連通位置に置くと、前記負圧領域の負圧がホットランナに及ぶので、ホットランナの圧抜きを行うことができる。
【0052】したがって、その後、型開きが行われ、キャビティ空間内の圧力が低くなった場合、その時点でホットランナ内の樹脂の圧力が低くなっているので、ホットランナ内の樹脂がキャビティ空間内に垂れ落ちるのを防止することができる。
【0053】本発明の他の射出装置においては、さらに、前記逆止リングは、スクリューの回転に伴ってスクリューヘッドに対して所定の角度だけ回動させられ、前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを連通させる連通位置、及び前記スクリューヘッドの前方とフライト部とを遮断する遮断位置を採る。
【0054】この場合、スクリューを逆方向に回転させるだけで樹脂がフライト部側に逆流するのを防止することができ、また、スクリューを正方向に回転させるだけでスクリューヘッドの前方とフライト部とを連通させることができる。
【0055】また、逆止リングを連通位置に置くだけでホットランナ内の樹脂の圧力を低くすることができるので、サックバックを行う必要がない。したがって、成形のための工程を少なくすることができるので、成形サイクルを短くすることができる。その結果、成形品にシルバーストリーク等の成形不良が発生したり、樹脂焼けが発生したりすることがなくなる。
【0056】また、ホットランナ内の樹脂の圧力を低くするためにサックバックを行う必要がないので、続いて開始される計量工程において、スクリューヘッドの前方に蓄えられる樹脂の量にばらつきが生じることがない。したがって、安定して成形を行うことができる。




 

 


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