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発明の名称 金属管のハイドロフォーム加工法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−150050(P2001−150050A)
公開日 平成13年6月5日(2001.6.5)
出願番号 特願平11−334570
出願日 平成11年11月25日(1999.11.25)
代理人 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4K042
【Fターム(参考)】
4K042 AA06 BA05 DA06 
発明者 菱田 博俊 / 弘重 逸朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金属管をハイドロフォーミング成形するに際し、膨出または拡管変形を予定されている金属管の部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に軟化処理を施す事を特徴とする、金属管のハイドロフォーミング加工法。
【請求項2】 金属管をハイドロフォーミング成形するに際し、膨出と拡管変形のいずれも予定されていない金属管の部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に硬化処理を施す事を特徴とする、金属管のハイドロフォーミング加工法。
【請求項3】 金属管をハイドロフォーミング成形するに際し、膨出または拡管変形を予定されている金属管の部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に軟化処理を施し、且つ、膨出と拡管変形のいずれも予定されていない金属管の部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に硬化処理を施す事を特徴とする、金属管のハイドロフォーミング加工法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフォーミング又は液圧バルジ加工と呼ばれるパイプの塑性加工用の素材である金属管の加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属管を素材として素材長手方向中間に膨出部を持つト型、人型、Y型等の形状の部品を製造する為に、従来からハイドロフォーミング又は液圧バルジ加工と呼ばれる塑性加工法が知られている。この方法は、例えば図1に示す様に人型の空洞部1を持つ金型2の内部に素材となる金属管Pをセットし、その両端を液圧供給孔3を備えた軸押し金具4により軸押しする方法である。金属管Pは内部に液圧が加えられた状態で端面を軸押しされ、金型2の空洞部1の形状に沿って塑性変形する。
【0003】この際、金属管Pは全体が均一な変形(歪)状態になるのではなく、ある部分は軸押し過剰(絞り歪)状態となり、別のある部分は内圧過剰(二軸引張歪)状態となる。例えば図2に示す直角枝張出体型のハイドロフォーミングの場合には、金型2との摩擦により金属管Pの両端部Aは集中して軸押しされるので軸押し過剰となり、逆に中央部Bは軸力が伝達されないので内圧過剰状態となる。軸押し過剰状態では座屈(図3)し易く、内圧過剰状態では破裂(図4)し易いので、適当な軸押し内圧バランスを見出す事は容易ではない。また仮に適当な軸押し・液圧バランスを見出したとしても、製造現場でそのバランスを保つ事は容易ではない。この軸押し・液圧バランス許容範囲は空洞部1の形状が金属管Pに比して複雑になる程狭くなっている事が経験的に知られており、さまざまな工夫に拘わらず現在加工可能な形状は限られている。
【0004】発明者らは、この課題に対して過去に、使用する金属管に直接作用しない加工法の工夫により改善策を求め、例えば特願平11−55059、特願平11−105109等の如く発明をしてきた。しかしながらこれらの発明は、あらゆるハイドロフォーミング加工体系に対して完璧な効果を示すものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来の問題点を解決し、座屈や破裂を発生させる事無く、複雑な形状を実用的に成形加工できる、使用する金属管に直接作用する工夫を凝らした加工法を提供する為になされたものである。本発明は、先に記述した金属管に直接作用しない工夫を凝らした加工法と両輪で、あらゆるハイドロフォーミング加工に対して有効に適用し得るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為になされた本発明のハイドロフォーム加工法は、金属管をハイドロフォーミング成形するに際し、金属管の膨出または拡管変形のいずれかを予淀されている部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に軟化処理を施し、且つ、あるいはまたは、金属管の膨出と拡管変形のいずれも予定されていない部位に対して、ハイドロフォーミング成形工程前に局部的に硬化処理を施した事を特徴とするものである。金属管は、硬化処理により座屈しにくくなる。ハイドロフォーミングにおいて軸押し過剰状態になる範囲を予め硬化処理する事により、従来より大きな軸押し量まで金属管が座屈せずに耐えられる事になり、結果としてより大きな変形を金属管に与えられる。
【0007】図2の直角枝張出体型において、より解りやすい説明を行う。一般には、金型2と金属管Pとの接触摩擦により軸押し量δは金属管の端面から徐々にロスしていくので、金属管Pの端部近傍Aの軸押し量が最大となり、軸押し量が金属管Pの耐軸押し量を超えた時点で図3の如く提灯座屈する。また逆に中央部Bでは軸押し量が不足するので最も内圧過剰となり、図4の如く破裂する。
【0008】これらを防止する為の思想は、端部近傍Aにおいては硬質で中央部Bにおいては軟質である事を同時に満足する素材を用いる事である。その様な素材を造ってもよいが、実際にはいろいろな形状のハイドロフォーム成形体系があり、最終形状によっては必ずしも処理部が中央部や端部にならない事もある等、体系ごとに軟質であるべき領域と硬質であるべき領域は異なる。そこでむしろ工程に軟質化もしくは硬質化工程を付す事により、ハイドロフォーム設計の際に処理部を適切に決定できる様にする事が重要である。全体的に硬質な素材の中央部Bを軟化処理しても良いし、全体的に軟質な素材の端部Aを硬化処理しても良い。複雑形状なハイドロフォームを行う場合には、中間的な素材に対して軟化処理と硬化処理の両方を施す事も有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態を、最も単純な直角枝張出体型について示す。軟化処理の代表的な手法は、金属をAc1変態温度以下まで加熱し、然る後に徐冷する、所謂焼鈍である。この手法は多くの金属について適用可能な手法である。硬化処理の代表的な手法は、金属をAc1変態点以上まで加熱し、然る後に急冷する、所謂焼入や、上記軟化処理の徐冷時間を短くして析出硬化を狙う手法である。硬化はむしろ特定の金属しかできず、前者は炭素鋼、後者はTi、Cu等の析出硬化添加物を含有する適切に成分設計された金属に対して適用可能である。
【0010】図5は端部硬化タイプの例であり、レーザー照射装置10と冷水プール11を備えた予処理装置内部である。所定の長さに切断された金属管Pをホルダー12にセットし、両管端をレーザー照射加熱する。温度がAc1変態点を超えた時点でレーザー照射を終了し、金属管P全体を冷水プール11に浸す。以上の前処理を終了してから、金属管Pをハイドロフォーム用金型2にセットする。この結果端部は焼入処理され、座屈が抑制されながら加工が良好に継続される。図5のレーザー照射装置の代わりに、例えば高周波加熱装置やプラズマジェット照射装置等も、急速加熱の為の装置として有効である。また図5の冷水プールの代わりに、冷風装置や冷固体への接触装置等も、急速冷却の為の装置として有効である。
【0011】図6は中央部軟化タイプの例であり、冷却配管13により一定温度に保持された保持台14と赤外線加熱装置15を備えた予処理装置内部である。所定の長さに切断された金属管Pを保持台14にセットし、中央部を赤外線加熱する。温度がAc1変態点に達する前に加熱を終了し自然冷却をする。以上の前処理を終了してから、金属管Pをハイドロフォーム用金型2にセットする。この結果中央部は焼鈍され、破裂が抑制されながら加工が良好に継続される。同様に、加熱装置は赤外線加熱装置に限った事ではない。
【0012】図7は端部硬化、中央部軟化タイプの例であり、高周波加熱装置16、冷却水放水装置17、台18および放水遮断壁19を備えた予処理装置内部である。所定の長さに切断された金属管Pを台18にセットし(図7(a))、端部と中央部を加熱する(図7(b)) 。端部はAc1変態点以上の温度まで上げ、一方中央部はAc1変態点に達する前に加熱を停止する。次に端部を水冷し中央部は徐冷する。(図7(c))。この際冷却水が中央部にかからない様に放水遮断壁19をセットする。以上の前処理を終了してから、金属管Pをハイドロフォーム用金型2にセットする(図7(d))。この結果端部が焼入処理されると共に中央部が焼鈍処理され、座屈と破裂の両方が抑制されながら加工が良好に継続される。
【0013】ステンレス鋼管を用いる湯合には、加工硬化処理以外の硬化処理が難しいので、固めのステンレス鋼管を用いて中央部のみを加熱軟化処理をする事が簡便となる。また炭素鋼管であれば、析出硬化やマルテンサイト硬化等と急熱徐冷とを組み合わせる事もできる。熱処理以外にも軟化硬化処理が適切に実施できる手法であれば、本発明の手法には同様に適用可能である。
【0014】
【実施例】1) 金属管としてステンレス鋼管を用い、直角枝張出部を設けるハイドロフォーミング加工を実施する。鋼管は直径31.8mm×肉厚0.8 mmであり、既に絞り等により加工硬化が大きく入っているものを用いる。最終形状は図8に示す通り、張出部21は中央部に位置して直径25.0 mm で張出高さ25.0 mm とし、本管長さLは300mm である。図6に示す通り、先ず300 mmに切断したステンレス系鋼管を金型にセットする。然る後に中央部を張出予定長である25mmの倍の50mm幅を、赤外線加熱装置により全周に渡り融点を超えない1000℃程度まで加熱する。次に中央部を冷却する事により再結晶し、軟化処理が施される。この後ハイドロフォーム加工をしたところ、元の全体が固いステンレス鋼管が張出高さ8.2 mmの時点で割れたが、本発明によれば予定の張出高さ25.0 mm を達成した。
【0015】2) 金属管として炭素鋼管を用い、45°斜め枝張出部22を設けるハイドロフォーミング加工を実施する。炭素鋼管は、直径31.8mm×肉厚1.0 mmのプレーン鋼材である。最終形状は図9に示す通り、張出部22は中央部に位置して直径31.8mmで張出高さ20.0 mm とし、本管長さLは300mm である。図5に示す通り、先ず300mmに切断した炭素鋼管をホルダーにセットする。然る後に両端部において張出部22までの長さ150mm より直径31.8mmと張出予定長さ20mmの和だけ小さい98.2 mmの幅を、レーザー加熱装置により全周に渡りAc1変態点と超える780 ℃まで加熱し、然る後に急冷却してマルテンサイト硬化処理を行う。この後ハイドロフォーム加工をしたところ、硬化処理を施さない元の炭素鋼管が張出高さ5mmの時点で座屈したのに対し、本発明によれば、予定の張出高さ20mmを達成することができた。
【0016】3) 金属管として炭素鋼管を用い、直角枝張出部21および45°斜め枝張出部22を設ける。炭素鋼管は、直径31.8mm×肉厚1.0 mmのプレーン鋼材である。最終形状は図10に示す通り、張出部21および22は中央を挟み左右50mmに位置する直径31.8mmで張出高さ30mmとし、本管長さは300mm である。本例においては、図7と類似の予処理装置を用いるが、張出部が2個所にあるので図7と異なり台18と放水遮断壁19が4組、高周波加熱装置16が5箇所に、放水冷却装置17が左右両端と中央の高周波加熱装置に対応して3個所ある事になる。
【0017】図7(a)の様に、先ず300mm に切断した炭素鋼管を金型にセットする。然る後に図7(b)の様に、左端においては張出部21までの距離100mm から張出部21の張出予定高さ30mmを引いた70mmを、中央部においては両張出部21および22の間に存在する直管部距離52.3mmを、右端においては張出部22までの距離100mm から張出部22の張出予定高さ30mmを引いた70mmを、それぞれ硬化範囲として、同時に両張出部の中心軸点eおよびfにおいては、それらを中央としてそれぞれの張出部の径長の31.8mmの幅である領域を軟化範囲として、それぞれ高周波加熱装置により全周に渡り急速加熱する。次に図7(c)の様に、硬化範囲は780 ℃到達後直ちに、軟化範囲は720 ℃到達後直ちに、それぞれ急冷および徐冷する事により、それぞれを硬化処理および軟化処理する。この後ハイドロフォーム加工をしたところ、軟化処理および硬化処理を施さない炭素鋼管は張出部22において張出高さ18mmの時点で座屈が発生し、ハイドロフォーム加工を中断した。その時、張出部21の張出高さは11mmであった。
【0018】これに対して、本発明のように軟化処理および硬化処理を施した炭素鋼管は、張出部21および張出部22のいずれも予定の張出高さ30mmを割れが発生することなく加工することができた。尚、本発明によるハイドロフォーム加工は両端を同時にそれぞれ3mm押し、内圧を上昇させ400 気圧で軸押し速度を増し、左押し量22mm右押し量26mmの時点で内圧を再び上昇加速させて加工を行った。
【0019】
【発明の効果】以上に説明した様に、本発明によればハイドロフォーム工程の中に金属管に軟化または硬化処理を組み入れる事により、従来不可能であった複雑形状のハイドロフォーム張出高さを得る良好な成形加工が可能となった。




 

 


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