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発明の名称 板圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−137924(P2001−137924A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−327683
出願日 平成11年11月18日(1999.11.18)
代理人 【識別番号】100068423
【弁理士】
【氏名又は名称】矢葺 知之 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E024
【Fターム(参考)】
4E024 AA02 AA07 AA19 BB01 EE02 
発明者 東田 康宏 / 小川 茂 / 山田 健二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも上下にワークロール系を備えた圧延機により、板入射角αを付与する状態で板材を圧延する板圧延法において、形状比Γに基づいて、設定する板入射角αを算出することを特徴とする板圧延方法。ただし、形状比Γは圧延材とワークロールとの接触投影弧長を入側と出側板厚の平均値で除した値。
【請求項2】 同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 を予め求めておき、Γ0 以外の形状比Γで圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の板圧延方法。
【請求項3】 形状比Γが、Γ<Γ0 の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御することを特徴とする請求項2に記載の板圧延方法。
【請求項4】 同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 、およびΓ0 に対する許容範囲の指標であるΔΓを予め求めておき、Γ<Γ0 −ΔΓあるいは、Γ>Γ0 +ΔΓとなるような形状比Γで圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の板圧延方法。
【請求項5】 形状比Γが、Γ<Γ0 −ΔΓの場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 +ΔΓの場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御することを特徴とする請求項4に記載の板圧延方法。
【請求項6】 同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 を予め求めておき、Γ<Γ0 −0.1あるいは、Γ>Γ0 +0.1となるような形状比Γで圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の板圧延方法。
【請求項7】 形状比Γが、Γ<Γ0 −0.1の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 +0.1の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御することを特徴とする請求項6に記載の板圧延方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状の金属製品を圧延によって製造する圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】板材の圧延時に発生する反りは、圧延能率の低下、設備事故の発生、精整工程の増加など、製品の生産性に多大な影響を及ぼす。例えば、精整工程に関しては、レベラー、プレス等による反りの矯正が必要となり、極端な場合、不良部を切断しなければならないこともある。また、さらに大きな反りが発生した場合、板の衝突によって、圧延設備が破損することもある。この場合、板自体が製品価値を失うばかりでなく、生産停止、圧延設備の修理など多大の損害をもたらす。
【0003】圧延反りが発生するメカニズムについては、必ずしも全て解明されている訳ではないが、一般に、下記の圧延条件が原因であると言われている。
■上下のワークロールの径差■上下のワークロール周速の差■上下の、ワークロールと圧延材との摩擦係数の差■圧延材の上下の変形抵抗(上下温度差など)の差■幾何学条件【0004】したがって、上記の条件が全て上下対称であれば圧延反りは発生しないが、実際の板の製造においてはいずれかの条件が上下非対称となる場合が多く、その結果として反りが発生する。特に、摩擦係数と温度は上下対称にするのが困難であり、一般には主としてこの2つの原因で反りは発生すると考えられる。この上下摩擦係数差および上下温度差で発生する反りを制御する方法の一つとして、幾何学条件を変化させる方法が考えられ、圧延材がロール間隙に入射する角度(板入射角α)により反りを制御する方法が、特開平5−23722号公報に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開平5−23722号公報では、同一の板入射角αを付与した場合には、反り方向は一定であり、板入射側(上、下)と同じ側に反りが発生すると記述している。しかしながら、後述するように、圧延条件(形状比Γ)によっては、同一の板入射角αを付与した場合においても発生する反り方向は異なる場合もあり、前述の特開平5−23722号公報を実施すれば、却って、反り量が増大することも起こりえる。
【0006】本発明は、以上の点に鑑み、形状比Γに応じて板入射角αを変更することにより、低コストで効率よく、平坦な板状の金属製品を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を解決するため、少なくとも上下にワークロール系を備えた圧延機により、板入射角αを付与する状態で板材を圧延する板圧延法において、形状比Γに基づいて、設定する板入射角αを算出して圧延を行うものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨とする処は、以下の通りである。請求項1に係る発明は、板材を圧延機により圧延する板圧延法において、形状比Γに基づいて、設定する板入射角αを算出することを特徴とする板圧延方法である。ただし、形状比Γは圧延材とワークロールとの接触投影弧長を入側と出側板厚の平均値で除した値とする。
【0009】また、好ましくは、上記において、同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 を予め求めておき、Γ0 以外の形状比Γで圧延を行うものであり(請求項2)、より好ましくは、形状比Γが、Γ<Γ0 の場合には、板入射側(上、下))予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御して圧延を行うものである(請求項3)。
【0010】さらに好ましくは、上記請求項1において、同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 、およびΓ0 に対する許容範囲の指標ΔΓを予め求めておき、Γ<Γ0 −ΔΓあるいは、Γ>Γ0 +ΔΓとなるような形状比Γで圧延を行うものであり(請求項4)、より好ましくは、形状比Γが、Γ<Γ0 −ΔΓの場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 +ΔΓの場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御して圧延を行うものである(請求項5)。
【0011】さらにより好ましくは、上記請求項1において、同一の板入射角αで形状比Γを変化させて圧延した場合に発生する反りの方向が上下逆転する形状比Γ0 を予め求めておき、Γ<Γ0 −0.1あるいは、Γ>Γ0 +0.1となるような形状比Γで圧延を行うを行うものであり(請求項6)、より好ましくは、形状比Γが、Γ<Γ0 −0.1の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 +0.1の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御して圧延を行うものである(請求項7)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1に、本発明を圧延機に適用する一例を示す。ローラーテーブル4の上に設置された圧延材3は、上ワークロール1と下ワークロール2で所定の板厚に圧延される。上ロール系は、上ワークロール1と上バックアップロール5とから構成され、下ロール系は、下ワークロール2と下バックアップロール6とから構成される。なお、材料の先端が上下ロールに接した時点での材料下面3aがローラーテーブルと平行な面4aとのなす角度を板入射角αと定義する。ここで、αの正負の符号は、材料が上から下に向かってロールバイトに噛み込む場合を正、逆に材料が下から上に向かってロールバイトに噛み込む場合を負と定義する。図1の場合、αは負ということになる。
【0013】図1に示す圧延機においてリバース圧延を行う場合に反りが生じると、前述したように、圧延の中断、大事故の発生等の大きな問題が生じる。この反りを制御する方法として、板入射角αを変化させ、幾何学的な上下差から反りを制御することが考えられるが、板入射角αを変化させて反り制御を実施するためには、板入射角αの付与によって発生する反り挙動を十分に把握する必要がある。
【0014】板入射角αが反りに及ぼす影響に関しては、既に、特開平5−23722号公報に開示されており、同一の板入射角αを付与した場合には、反り方向は一定であり、板入射側(上、下)と同じ側に反りが発生すると記述されている(例えば、材料が上から下に向かってロールバイトに噛み込む場合には、常に、上方向に反りが発生するとしている)。しかしながら、圧延条件が異なれば、ロールバイト内の変形挙動も変化するために、条件によっては、同一の板入射角αを付与した場合においても発生する反り方向は異なる場合もありえると考えられる。
【0015】そこで、発明者らは、板入射角αが反り発生挙動に及ぼす影響を詳細に調べた結果、圧延条件によっては、同一の板入射角αを付与した場合においても、発生する反り方向は異なる場合もあることを見出した。また、その挙動は、形状比Γによって、一律に整理できること、さらには、板厚、温度、速度、板入射角が変化しても、同一圧延機で圧延する限り、反り方向が上下逆転する形状比Γ0 は一定値を示すことを見出した。以下にその詳細を記す。なお、反り曲率κ* の定義は次の通りである。
反り曲率(規格化)κ* =R/ρR :ワークロール半径ρ :反り曲率半径κ* の符号
+ :上反り− :下反り【0016】発明者らは、まず、下記の実験条件に基づき、板入射角α以外の条件を全て上下対称として、板入射角αを変化させた圧延実験を実施した。その結果を図2に示す。図2(a)は、α>0゜(材料が上から下に向かってロールバイトに噛み込む条件)とした場合の反り挙動であり、図2(b)は、α<0゜とした場合の反り挙動である。いずれのαの場合においても、形状比Γ<0.9の圧延条件では、板入射側(上、下)と同じ側に反りが発生するが、形状比Γ>0.9の圧延条件では、板入射側(上、下)と逆側に反りが発生することが分かる。すなわち、同一の板入射角αを付与した場合においても、形状比Γによって反り方向は逆転することになる。
【0017】(実験条件)
ワークロール直径D (mm) : 800入側板厚 H (mm) : 50,100素材温度 t (℃) : 1,000ロール周速度 V (m/min) : 100板入射角 α (゜) : −6〜6圧下率 r (%) : 0〜52【0018】そこで、発明者らは、板入射角αが反り発生に及ぼす挙動をさらに詳細に把握するために、ワークロール直径D、入側板厚H、材料温度t、ロール速度V、圧下率rおよび板入射角αを変化させ、別途、圧延実験を行った。表1に、その実験範囲を示す。なお、図2の実験条件の場合と同様、板入射角α以外の条件は、全て上下対称とした。その結果、表1の全ての条件において、図2の挙動と同様、ある形状比Γ0 以下では、板入射側(上、下)と同じ側に反りが発生し、その形状比Γ0 以上では、板入射側(上、下)と逆側に反りが発生することがを明らかになった。
【0019】
【表1】

【0020】次に、発明者らは、表1の実験におけるΓ0 の値を調べた。そのΓ0 の挙動を表2に示すが、板厚、温度、速度、板入射角αが変化しても、同一圧延機で圧延する限り、反り方向が上下逆転する形状比Γ0 は一定値を示すことが分かる。したがって、一度ある一定のαでΓを変化させてΓ0 を求めれば、圧延機が同一である限り、このΓ0 は、あらゆる条件に対して、反りが反転するΓとして用いることができることになる。
【0021】
【表2】

【0022】以上の結果から、発明者らは、予め一定の板入射角αの条件で、形状比Γを変化させた実験、あるいは有限要素法によるモデル計算等を行ってΓ0 を求めた上で、形状比ΓがΓ≠Γ0 となるように圧延すれば、板厚、温度、速度、板入射角が変化しても、板入射角αの設定のみで、反り制御が可能となることを見出した。そして、いずれの圧延条件においても、Γ<Γ0 の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と同じ側になるように板入射角αを制御し、Γ>Γ0 の場合には、板入射側(上、下)が、予測した反り側(上、下)と逆側になるように板入射角αを制御すれば良いことも見出した。
【0023】さらに、初期板厚H(例えばスラブ厚)から複数パスで最終板厚hまで圧延する場合においても、全パスの形状比ΓがΓ≠Γ0 となるように、パス間の圧下スケジュールを設定すれば、全てのパスで板入射角αによる制御が可能である。これは、形状比Γは、入側板厚、出側板厚、ワークロール直径のみで決定できるので、各パスの圧延荷重、圧延トルク、クラウン制御能力等を考慮して、圧延実行前に各パスの形状比Γを決めることができるからである。なお、この時に設定するパススケジュールの形状比Γは、反り制御の安定性の観点からは、Γ0 との差が大きい方が望ましい。しかしながら、Γ0 との差を大きくすると、パススケジュールの制約が強くなる。表2の結果によれば、全てのΓ0 が平均値のΓ0 ±0.1以内に含まれることから、その範囲をΓ0 ±ΔΓで表示すると、形状比ΓがΓ<Γ0 −ΔΓ、Γ0 +ΔΓ<Γ(ここで、ΔΓ=0.1)とすることが好ましい。ただし、Γ0 の許容範囲の指標であるΔΓは、反り制御の安定性への要求度などにも依存するので、適宜、必要な値を用いれば良い。
【0024】各パスの圧下スケジュール決定後は、実際の圧延時に、板入射角αによる反り制御を実施すれば良い。付与すべき板入射角αに関しては、予め、反り曲率、圧延条件および板入射角αの関係を実験等で求めておき、その結果から算出すれば良い。板入射角αの値自体は、例えばローラーテーブル4を上下させること等で、変化させることができる。本制御手順をまとめて、図3にフローチャートの例を示す。
【0025】なお、同じミルであっても、大幅に圧延条件が異なる場合には(例えば、材質が大きく異なる等)、Γ0 も変化する可能性もあるので、その場合は別途、その条件でΓ0 を求めておけば良い。また、上記の説明では、リバース圧延を例に用いたが、各スタンドでのΓ0 を求めれば、タンデム圧延に用いることが可能なことはいうまでもない。
【0026】
【実施例】ロール径1000mmのワークロール系を備えた圧延機を用いて、板厚150mm、板幅1760mmのスラブを板厚60mmまで圧延した。スラブの加熱条件は全て同一とした。実施例では、まずは、この圧延機でのΓ0 を調べるために、板入射角α=4゜の圧延を実施した。その結果Γ0 =1.00であった。そこで、各パスの形状比ΓがΓ≠Γ0 =1.00となるように、パススケジュールを調整した上で、板入射角αによる反り制御を実施した。条件1(制御前)では、板入射角α=0゜として、全パスを圧延した。その結果を表3に示すが、全てのパスにおいて、上下温度差あるいは上下摩擦係数差が原因と推定される上反りが発生した。条件2(制御後)では、各パスに対して、形状比Γに対応した板入射角αを設定することにより反り制御を行った。反りを解消する板入射角αは、予め実施しておいた圧延実験に基づく回帰式を用いて算出した。その結果、表3から分かるように、板入射角αよる反り制御は有効に作用し、いずれのパスにおいても圧延反りは極めて微少なものになった。
【0027】一方、比較例でも、実施例と同じミルで5パスの圧延を行った。パススケジュールは特に形状比Γを考慮せずに設定した。条件1(制御前:α=0゜)では、表3に示すように、全てのパスで上反りが発生した。制御前の圧延では全パス上反りであったので、特開平5−23722号公報に基づき、条件2(制御後)では、全パスα=−2゜として、反り制御を実施した。しかしながら、Γ≒Γ0 =1.00となった3パス目と4パス目では、板入射角αの効果はなく、そのパスでは、反りを低減することはできなかった。さらに、Γ>Γ0 となった5パス目では、逆効果の制御を実施したことになり、制御前よりも大きな反りが発生した。
【0028】
【表3】

【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る圧延方法によれば、反りの無い板を容易に製造できることを可能としたので、形状の優れた板状の金属製品を効率よく生産できる効果がある。




 

 


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