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発明の名称 異種金属の半溶融鍛造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−121234(P2001−121234A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−301730
出願日 平成11年10月22日(1999.10.22)
代理人 【識別番号】100094972
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
【テーマコード(参考)】
4E087
【Fターム(参考)】
4E087 AA10 BA21 CA07 CA51 CB02 CB04 DB15 DB23 DB24 HB15 
発明者 加田 修 / 戸田 正弘 / 三木 武司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9の重複しない高融点金属と低融点金属からなる鍛造部品の製造方法において、それぞれの金属に対して固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9の重複する単数の金属をインサート材として用い、高融点金属とインサート材を、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造して中間製品を製造した後、前記中間製品と低融点金属を、インサート材と低融点金属の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造して、一体化することを特徴とする半溶融鍛造方法。
【請求項2】 固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9の重複しない高融点金属と低融点金属からなる鍛造部品の製造方法において、それぞれの金属に対して固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9が重複する融点の異なる複数のインサート材を用い、高融点金属材料と高融点インサート材を、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造型内に挿入、鍛造して第1中間製品を製造し、前記第1中間製品と低融点インサート材を、高融点インサート材と低融点インサート材の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造型内に挿入、鍛造し第2中間製品を製造した後、前記第2中間製品と低融点金属を、低融点インサート材と低融点金属の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造して一体化することを特徴とする半溶融鍛造方法。
【請求項3】 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が異形状であることを特徴とする請求項1記載の半溶融鍛造方法。
【請求項4】 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が同径であることを特徴とする請求項1記載の半溶融鍛造方法。
【請求項5】 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が円筒状及び円柱状であり、円筒内径と円柱外径が実質的に同径であることを特徴とする請求項1記載の半溶融鍛造方法。
【請求項6】 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が異形状であることを特徴とする請求項2記載の半溶融鍛造方法。
【請求項7】 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が同径であることを特徴とする請求項2記載の半溶融鍛造方法。
【請求項8】 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が円筒状及び円柱状であり、円筒内径と円柱外径が実質的に同径であることを特徴とする請求項2記載の半溶融鍛造方法。
【請求項9】 高融点金属、インサート材、低融点金属の初期高さh0と高融点金属、インサート材、低融点金属の鍛造後高さhとの関係が、高融点金属、インサート材、低融点金属を加熱した際の固相率fsのうち一番小さいfsminとの関係において、ln(h0/h)≧1.5×fsmin2を満たすような形状の高融点金属、インサート材、低融点金属を用いることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法。
【請求項10】 平均500mm/s以上の加工速度で成形することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法。
【請求項11】 予め200℃以上に加熱された鍛造型を用いて、平均200mm/s以上の加工速度で成形することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法。
【請求項12】 成形終了後固相線温度以下となるまで最大鍛造荷重の50%以上の荷重を保持することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異種金属からなる部品の製造法、特に複雑な形状を有する部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、異種金属同士を接合,一体化する方法は、固相温度域、液相温度域あるいは固液共存温度域での接合法などが開示されている。例えば固相温度域では特開昭56−128688号公報において、接合する金属表面に微細な凹凸を形成した後、熱間静水圧処理を行い接合面強度を高める方法が開示されている。また、液相温度域では特開昭63−295077号公報において、接合する金属の一方の表面を溶融させた後、もう一方の金属を押しつけ冷却する方法が開示されている。さらに固液共存温度域では、文献(塑性加工連合講演会講演論文集VOL.48th PAGE.407‐408 1997)において、接合する一方の金属を固液共存温度域に加熱し、もう一方の金属を挿入後冷却する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、特開昭56−128688号公報及び特開昭63−295077号公報では、複雑形状部品を異種金属を接合,一体化して製造する場合、予めそれぞれの金属体を最終形状を構成する形状に仕上げておく必要があり、その後異種金属を接合する方法を採らざるを得ず、製造コストの上昇につながる。また、文献ではフィン付き部品等ある特定形状の部品においては低コストでの製造が可能であるが、積極的に部品形状を創製するものではなく、他形状の部品に適用することは困難であり、また接合強度も不十分である。本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、極めて単純な形状である2種類以上の異種金属素材を用いて、異種金属からなる複雑形状部品を歩留まり良くかつ少数回の鍛造工程で成形し、しかも接合面の強度を向上させることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨とするところは、1) 固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複しない高融点金属と低融点金属からなる鍛造部品の製造方法において、それぞれの金属に対して固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する単数の金属をインサート材として用い、高融点金属とインサート材を、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造して中間製品を製造した後、前記中間製品と低融点金属を、インサート材と低融点金属の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9の重複する温度に加熱、鍛造して、一体化することを特徴とする半溶融鍛造方法2) 固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複しない高融点金属と低融点金属からなる鍛造部品の製造方法において、それぞれの金属に対して固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 が重複する融点の異なる複数のインサート材を用い、高融点金属材料と高融点インサート材を、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造型内に挿入、鍛造して第1中間製品を製造し、前記第1中間製品と低融点インサート材を、高融点インサート材と低融点インサート材の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造型内に挿入、鍛造し第2中間製品を製造した後、前記第2中間製品と低融点金属を、低融点インサート材と低融点金属の固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する温度に加熱、鍛造して一体化することを特徴とする半溶融鍛造方法3) 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が異形状であることを特徴とする上記1)記載の半溶融鍛造方法4) 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が同径であることを特徴とする上記1)記載の半溶融鍛造方法5) 高融点金属とインサート材及び中間製品と低融点金属の少なくとも1組の形状が円筒状及び円柱状であり、円筒内径と円柱外径が実質的に同径であることを特徴とする上記1)記載の半溶融鍛造方法6) 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が異形状であることを特徴とする上記2)記載の半溶融鍛造方法7) 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が同径であることを特徴とする上記2)記載の半溶融鍛造方法8) 高融点金属と高融点インサート材、第1中間製品と低融点インサート材及び第2中間製品と低融点インサート材の少なくとも1組の形状が円筒状及び円柱状であり、円筒内径と円柱外径が実質的に同径であることを特徴とする上記2)記載の半溶融鍛造方法9) 高融点金属、インサート材、低融点金属の初期高さh0と高融点金属、インサート材、低融点金属の鍛造後高さhとの関係が、高融点金属、インサート材、低融点金属を加熱した際の固相率fsのうち一番小さいfsminとの関係において、ln(h0/h)≧1.5×fsmin2を満たすような形状の高融点金属、インサート材、低融点金属を用いることを特徴とする上記1)乃至8)の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法10) 平均500mm/s以上の加工速度で成形することを特徴とする上記1)乃至9)の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法11) 予め200℃以上に加熱された鍛造型を用いて、平均200mm/s以上の加工速度で成形することを特徴とする上記1)乃至11)の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法12) 成形終了後固相線温度以下となるまで最大鍛造荷重の50%以上の荷重を保持することを特徴とする上記1)乃至12)の何れか1項に記載の半溶融鍛造方法にある。
【0005】
【発明の実施の形態】鍛造品の部位の必要特性に応じて異なる成分を有する金属素材を用いるが、図1のグラフに示すように、高融点金属素材Aと低融点金属素材Bの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 が重複しない場合、それぞれの金属素材に対して固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 が重複するような金属をインサート材として用いる。これは、後述するように、金属素材同士を健全に一体化するにはそれぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 に加熱した後、鍛造することが望ましいからである。異種金属は成分の異なる鋼同士でもよく、その他、鋳鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン等を使用することができる。インサート材は1種類あるいは2種類以上でも良い。
【0006】次に加熱温度範囲を異種金属とインサート材の組合せにおいて、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する範囲に限定する理由を述べる。図2のグラフに示すように、異種金属素材あるいはインサート材の組合せのうち、融点の低い材料Eの固相率が0.3になる温度TB0.3より加熱温度が高い場合、材料Eが加熱炉内で自立出来ず、鍛造型内に搬送できない。また異種金属素材あるいはインサート材の組合せのうち、融点の高い材料Dの固相率が0.9になる温度TA0.9より加熱温度が低い場合、材料Dの液相成分が少なく、金属素材が鍛造により健全に一体化しない。そのため異種金属素材あるいはインサート材の組合せのうち、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する範囲の温度に加熱する。
【0007】異種金属とインサート材の組合せにおいて、それぞれの固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の重複する範囲の温度が高い順に、順次加熱、鍛造を行う。これは2回目以降の加熱において、既に鍛造された異種金属あるいはインサート材の組合せのうち、固相率fsが0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 の低い材料が加熱炉内で溶け落ちるのを防止するためである。
【0008】異種金属、インサート材あるいは中間製品の形状は、例えば図3ないし図5(いずれも(a)は平面図、(b)は側面図)に示すように、一回目の鍛造を行った後、異形状であっても、同径形状であっても、円筒及び円柱であり円筒内径と円柱径が実質的に同径である場合でもよい。
【0009】前記高融点金属、インサート材、低融点金属の初期高さh0と高融点金属、インサート材、低融点金属の鍛造後高さhとの関係が、高融点金属、インサート材、低融点金属を加熱した際の固相率fsのうち一番小さいfsminとの関係において、ln(h0/h)≧1.5×fsmin2を満たすような形状の高融点金属、インサート材、低融点金属を用いる各金属素材を用いるのは、各金属素材が十分な加工を受け、液相同士を十分に混合し一体化させるためである。
【0010】鍛造時に平均500mm/秒以上の加工速度で成形するのは、これより遅い加工速度では鍛造型との接触により加熱された金属素材の温度が低下し、金属素材同士が十分に一体化しないからである。加工速度の上限は、本発明の効果を得るためには特に制限する必要はなく、設備能力に依存する。
【0011】予め200℃以上に加熱された型を用いる場合には、鍛造型との接触による金属素材の温度低下が緩和されるため、鍛造時の加工速度は平均200mm/秒以上で十分である。加熱温度の上限は、本発明の効果を得るためには特に制限する必要はないが、金型の焼き戻し軟化を防止するため、500℃以下とすることが好ましい。
【0012】成形終了後固相線温度以下となるまで最大鍛造荷重の少なくとも50%以上の荷重を保持させるのは、凝固収縮による鋳巣の発生を防止し、鍛造後の材質特性を向上させるためである。最大鍛造荷重の50%未満の荷重ではその効果は十分ではない。保持荷重の上限は、本発明の効果を得るためには特に制限する必要はなく、最大鍛造荷重の100%でも構わない。
【0013】
【実施例】(実施例1)実施例として、2種類の金属4A、4B及びインサート材4Cで構成される図6((a)は平面図、(b)は側面図)に示すような形状の鍛造品の鍛造を実施した。素材には表1の化学成分を有する高融点材料である素材A、低融点材料である素材B及びインサート材料である素材Cを用いた。また示差熱分析により測定した固相線温度と液相線温度をそれぞれ表2に示した。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】鍛造素材として、図7に示すように、外径DA0、内径dA0、高さhA0の円筒形状である素材5Aと、外径DB0、高さhB0の円柱形状である素材5B、外径DC0、内径dC0、高さhC0の円筒形状である素材5Cを準備した。
【0017】1回目の鍛造で素材5Aと素材5Cの鍛造を行い図8に示すように素材5Aと素材5Cからなる中間製品5Dを成形した後、2回目の鍛造で中間製品5Dと素材5Bの鍛造を行い図6に示す鍛造品1を成形した。表3に1回目の鍛造条件を、表4に2回目の鍛造条件を示す。加熱時における金属素材の固相率は、金属素材を加熱後速やかに水冷することにより組織を凍結、光学顕微鏡にて観察し、固相部分の面積率を測定することにより求めた。
【0018】
【表3】

【0019】
【表4】

【0020】鍛造品の品質を評価するため、内部空孔有無の観察及び引張試験を実施した。内部空孔に関しては、鍛造品1の断面を切断,研磨し、光学顕微鏡にて空孔の有無を観察した。鍛造品1の図6に示す位置からφ6のサンプル42を切り出し、ねじ部を圧接することにより引張試験片を作製した。引張試験は常温で行った。表5に評価結果を示す。
【0021】
【表5】

【0022】試験No.1〜4では、いずれの場合も鍛造品に内部空孔は見られず完全に一体化しており、引張強さが400MPa以上を示した。また破断位置は強度の低い金属Bの位置であった。
【0023】1回目の鍛造での対数ひずみが小さい試験No.5、6では、素材Aと素材Cの一体化がやや不十分で、素材Aと素材Cの境界にわずかな空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Bの境界から破断した。2回目の鍛造での対数ひずみが小さい試験No.7、8では、素材Bと素材Cの一体化がやや不十分で、素材Bと素材Cの境界にわずかな空孔が見られ、引張試験では素材Bと素材Cの境界から破断した。
【0024】1回目の鍛造での加工速度が小さい試験No.9、10では、加工中に鍛造型との接触により温度低下が生じ、液相部分が減少したため、素材Aと素材Cの一体化がやや不十分であり、素材Aと素材Cの境界にわずかに空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Cの境界から破断した。
【0025】1回目の鍛造後の荷重保持が小さい試験No.11では、素材Aと素材Cの境界に凝固収縮に伴う微細な鋳巣と思われる空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Cの境界から破断した。
【0026】2回目の鍛造での加工速度が小さい試験No.12、13では、加工中に鍛造型との接触により温度低下が生じ、液相部分が減少したため、素材Bと素材Cの一体化がやや不十分であり、素材Bと素材Cの境界にわずかに空孔が見られ、引張試験では素材Bと素材Cの境界から破断した。
【0027】2回目の鍛造後の荷重保持が小さい試験No.14では、素材Bと素材Cの境界に凝固収縮に伴う微細な鋳巣と思われる空孔が見られ、引張試験では素材Bと素材Cの境界から破断した。。
【0028】1回目の鍛造で、素材Aの固相率が1.0となる温度に加熱した試験No.15では、素材Aと素材Cの一体化が不十分であり、素材Aと素材Cの境界に空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Cの境界から破断した。
【0029】2回目の鍛造で、素材Aと素材Cからなる中間製品のうち素材Cの固相率が1.0となる温度に加熱した試験No.17では、素材Bと素材Cの一体化が不十分であり、素材Bと素材Cの境界に空孔が見られ、引張試験では素材Bと素材Cの境界から破断した。
【0030】1回目の鍛造で、素材Bの固相率が0.1となる温度に加熱した試験No.16では、加熱炉内で金属素材Bが部分的に熔け落ち、鍛造型への搬送が出来なかった。2回目の鍛造で、素材Aと素材Cからなる中間製品のうち素材Cの固相率の固相率が0.1となる温度に加熱した試験No.18では、加熱炉内で金属素材Cが部分的に熔け落ち、鍛造型への搬送が出来なかった。したがって、試験No.16、18は鍛造品の引張試験を実施できなかった。
【0031】(実施例2)本発明外の実施例として、実施例1と同様に2種類の金属及びインサート材で構成される図6に示すような形状である鍛造品の鍛造を実施した。素材は実施例1で用いた表1と同じである。鍛造素材として、図9に示すように、外径DA0、内径dA0、高さhA0の円筒形状である素材6Aと、外径DB0、高さhB0の円柱形状である素材6B、外径DC0、内径dC0、高さhC0の円筒形状である素材6Cを準備した。
【0032】1回目の鍛造で素材6Bと素材6Cの鍛造を行い図10に示すように素材6Bと素材6Cからなる中間製品6Dを成形した後、2回目の鍛造で中間製品6Dと素材6Aの鍛造を行い第4図に示す鍛造品1を成形した。表6に1回目の鍛造条件を、表7に2回目の鍛造条件を示す。鍛造品の品質を評価するため、実施例1と同様に、内部空孔有無の観察及び引張試験を実施した。表8に評価結果を示す。
【0033】
【表6】

【0034】
【表7】

【0035】
【表8】

【0036】2回目の鍛造で、素材Bと素材Cからなる中間製品Dのうち素材Bの固相率が0.0となる温度に中間製品Dを加熱した試験No.19では、加熱炉内で金属素材Bが熔け落ち、鍛造型への搬送が出来なかった。したがって、試験No.19は鍛造品の引張試験を実施できなかった。
【0037】2回目の鍛造で、素材Aの固相率が1.0となる温度に加熱した試験No.20では、素材Aと素材Cの一体化が不十分であり、素材Aと素材Cの境界に空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Cの境界から破断した。
【0038】実施例2では、2回目の鍛造で、素材Bと素材Cからなる中間製品Dのうち素材Bの固相率が0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 と素材Aの固相率が0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 が無いため、健全な鍛造品を得ることは出来なかった。
【0039】(実施例3)本発明外の実施例として、図11((a)は平面図、(b)は側面図)に示すような形状をもつ2種類の金属で構成される鍛造品の鍛造を実施した。素材は実施例1で用いた表1の内、素材Aと素材Bである。表9に鍛造条件を示す。
【0040】
【表9】

【0041】鍛造素材として、図12に示すように、外径DA0、内径dA0、高さhA0の円筒形状である素材8Aと、外径DB0、高さhB0の円柱形状である素材8Bを準備した。鍛造品の品質を評価するため、実施例1と同様に、内部空孔有無の観察及び引張試験を実施した。表10に評価結果を示す。
【0042】
【表10】

【0043】素材Bの固相率が0.0となる温度に素材Bを加熱した試験No.21では、加熱炉内で金属素材Bが熔け落ち、鍛造型への搬送が出来なかった。したがって、試験No.21は鍛造品の引張試験を実施できなかった。素材Aの固相率が1.0となる温度に加熱した試験No.22では、素材Aと素材Bの一体化が不十分であり、素材Aと素材Bの境界に空孔が見られ、引張試験では素材Aと素材Bの境界から破断した。
【0044】実施例3では、インサート材を用いておらず、素材Aの固相率が0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 と素材Bの固相率が0.3以上0.9未満となる温度域T0.3-0.9 が無いため、健全な鍛造品を得ることは出来なかった。
【0045】
【発明の効果】本発明では、融点の大きく異なる異種金属からなる鍛造品を成形する際、インサート材を加えて順次固液共存温度域に加熱して、鍛造,一体化させることにより、高歩留まりかつ少数回の鍛造工程で部位に応じた金属素材を用いた複雑形状部品を鍛造でき、自動車,機械用部品等を低コストで提供できる。




 

 


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