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発明の名称 高Si鋼の熱間圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−113305(P2001−113305A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−298792
出願日 平成11年10月20日(1999.10.20)
代理人 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【テーマコード(参考)】
4K032
【Fターム(参考)】
4K032 AA31 AA32 BA01 CA00 
発明者 水橋 恒司 / 松尾 慎二 / 野口 浩嗣 / 中村 隆彰
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Siを0.1〜4.0重量%含む鋼片を加熱炉で加熱後、粗圧延機で粗圧延し、更に、仕上圧延機で仕上圧延する熱間圧延方法において、前記加熱炉での鋼片の加熱温度を、該鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物の化合物の融点以下とすると共に、前記粗圧延機と前記仕上圧延機の間に設けた加熱装置で、前記粗圧延後の鋼片を前記仕上圧延機で仕上圧延するのに必要な温度に加熱することで、前記鋼片表面に付着したSiスケールの剥離性を良好にすることを特徴とする高Si鋼の熱間圧延方法。
【請求項2】 請求項1記載の高Si鋼の熱間圧延方法において、前記粗圧延機と前記仕上圧延機の間に設けた加熱装置が誘導加熱装置であることを特徴とする高Si鋼の熱間圧延方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延ラインにおいて、鋼片表面に付着したSiスケールの剥離性を良好にする高Si鋼の熱間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延において鋼片は、加熱炉で加熱され、その後、粗圧延機、仕上圧延機を順次介して薄鋼板となり、巻取機で巻取られている。このため鋼片は、粗圧延前に加熱炉で、仕上圧延を実施できる温度まで加熱しなければならない。このとき、鋼片は酸化性雰囲気中で1200℃程度まで加熱されるため、鋼片表面、及び鋼片内の元素が酸化され易い。特に、高Si鋼の熱間圧延については、高温酸化に際して、鋼中に含まれるSiが選択酸化を受け、鉄酸化物とSi酸化物との化合物を作るため、鋼表層の結晶粒界、及び鋼表面にはSiスケールが生成する。このSiスケールが除去されないまま熱間圧延を実施すると、製品の表面にスケールが喰い込み、スケール疵となって残るため、表面性状が損なわれたり、曲げ加工の際などに亀裂の起点として作用し、製品の品質に重大な弊害を及ぼす原因となる。
【0003】そこで、スケール疵の発生を防止する目的で、熱間圧延ラインに水ジェットデスケーリング(以下、デスケーラーという)を設け、これによって鋼表面上のスケールを剥離、除去しながら圧延を行っていた。しかし、Siスケールの剥離性は、デスケーラーの操業条件や、Siスケールの組成、及び構造等に強く影響を受けやすい。このことから、特公昭60−1085号公報に記載の鋼片の累積圧下率、鋼片温度、水圧、及び放水時間を調節した方法や、特開平8−318307号公報に記載のデスケーリングノズルの設置位置、及び稼動方法について提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の方法においては、以下の問題点がある。
(1)デスケーラーによる冷却で、鋼片が失った熱エネルギーを補給するため、熱間圧延に必要な大きな熱エネルギー加えることが必要となる。
(2)強力な水圧を発生できるデスケーラーの設備、及び稼動に、大きなコストがかかる。
(3)操業条件の変化(圧延の板厚の変化)に対して、デスケーラーの運転条件が幾つも必要となり、作業性が悪い。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、熱間圧延工程において、高Si鋼表層に生成するSiスケールの剥離性を良好にでき、大きな熱エネルギーも必要とせず、また、特殊なデスケーラーの設備コスト、及びランニングコストもかからず、しかも、作業性も良好な高Si鋼の熱間圧延方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に係る高Si鋼の熱間圧延方法は、Siを0.1〜4.0重量%含む鋼片を加熱炉で加熱後、粗圧延機で粗圧延し、更に、仕上圧延機で仕上圧延する熱間圧延方法において、加熱炉での鋼片の加熱温度を、鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物の化合物の融点以下とすると共に、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けた加熱装置で、粗圧延後の鋼片を仕上圧延機で仕上圧延するのに必要な温度に加熱することで、鋼片表面に付着したSiスケールの剥離性を良好にする。これにより、鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物の化合物は、液相となることがないため、鋼片中の結晶粒界に浸入することで生成するSiスケール(根)の発生を防止することが可能となる。
【0006】ここで、本発明に係る高Si鋼の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けた加熱装置は誘導加熱装置であることが望ましい。これにより、短時間に粗圧延鋼の内部まで、均一に加熱することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここで図1は本発明の一実施の形態に係る高Si鋼の熱間圧延方法の説明図、図2は液相状態のファイアライトを有する高Si鋼の側断面図である。通常、熱間圧延される鋼片は、まず加熱炉で加熱され、続いて粗圧延、その後仕上圧延へと順次移動していく。このため、鋼片を加熱炉で約1200℃に加熱することで、仕上圧延において熱間圧延可能な温度、約1000℃を確保しなければならない。
【0008】しかしながら、高Si鋼を加熱すると、Siスケールが発生するという問題が発生する。このSiスケールの代表的な物質として、鉄酸化物とSi酸化物との化合物の一例であるファイアライト(Fe2 SiO4 )が挙げられる。このファイアライトの融点は、SiO2 −FeO系の平衡状態図より、1173℃である。図2に示すように、1173℃以上に加熱することで、鋼片中に存在するファイアライト20は液相状態となり、鋼片中の存在しやすい場所、つまり鋼片中の結晶粒22の粒界に浸入する。
【0009】このように浸入することで、鋼中に存在するファイアライトは、鋼片表面に生成したファイアライト20の根21のようになる。このように、鋼中に浸入したファイアライト20の根21は、高圧水によるデスケーリング方法を用いても、容易に除去することはできない。そこで、鉄酸化物とSi酸化物との化合物の融点以下、つまり、ファイアライトを固相の状態で維持したまま、熱間圧延を実施できる方法を考えた。
【0010】図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る高Si鋼の熱間圧延方法は、粗圧延工程と仕上圧延工程とを有し、粗圧延工程ではSiを0.1〜4.0重量%含む鋼片11を、加熱炉13によって1100℃程度に加熱した後、粗圧延機14によって粗圧延を行い、仕上圧延工程では、粗圧延した鋼片11を誘導加熱装置の一例であるバー加熱装置15によって1000℃程度に加熱した後、仕上圧延機16によって仕上圧延を行い、850〜950℃程度で圧延を終了している。
【0011】これにより、従来、仕上圧延で必要となる温度1000℃程度を維持するために、加熱炉において鋼片を1200℃程度に加熱していたものを、本実施の形態では、加熱炉13でファイライトの融点以下である1100℃程度に加熱すればよくなる。この1100℃程度に加熱された鋼片11は、粗圧延機14で粗圧延し、バー加熱装置15へと熱間圧延ライン12上を移動する。この粗圧延後の鋼片11の温度は950℃程度まで低下するため、バー加熱装置15により鋼片11を加熱することで、鋼片11の温度を950℃程度から1000℃程度まで上昇させ、仕上圧延が施される。鋼片11の加熱温度がファイアライトの融点(1173℃)以下であるので、ファイアライトは固相状態のままであり、その流動を抑制でき、鋼片11の結晶粒の粒界におけるSiスケールの発生を防止できる。即ち、鋼11中に存在するファイアライトは、液相となることがないため、鋼片11中の結晶粒の粒界に浸入し、製品の品質に重大な欠陥をもたらすことがなくなる。なお、ここで鋼片11は、酸化雰囲気である加熱炉13で加熱しているため、鋼片11の表面にSiスケールが発生する。しかし、鋼片11中のファイアライトの根21の発生は防止できているため、鋼片11の表面に生成付着しているSiスケールの除去は容易に実施できる。
【0012】本発明に係る高Si鋼の熱間圧延方法において、鋼片のSi量を限定する理由について述べる。鋼片のSi量が少ないと、鉄酸化物とSi酸化物との化合物が液相となり、鋼片中の結晶粒界に浸入する量は僅かとなる。つまり、熱間圧延時において、製品の表面にSiスケールが喰い込むことは考えられない。よって、鋼片の表面性状が損なわれたり、曲げ加工の際などに亀裂の起点として作用することで、製品の品質に重大な弊害を及ぼす恐れのあるSi量として下限値を0.1%とした。一方、鋼中のSi量が4.0%を超えても、特別の効果が生み出されるものでもないため製造していない。よって、上限値を4.0%とした。
【0013】これにより、Siを0.1〜4.0重量%含む鋼片を熱間圧延しても、鋼片の結晶粒界へのSiスケール、即ち前記した根21の発生を防止できるため、製品の表面性状が損なわれたり、曲げ加工の際などに亀裂の起点として作用することがなくなる。よって、製品の品質に重大な弊害を及ぼす原因を防止できる熱間圧延を実施することができる。
【0014】前記実施の形態においては、Siスケールの代表的な物質として、鉄酸化物とSi酸化物との化合物の一例であるファイアライトについて説明したが、他の鉄酸化物とSi酸化物との化合物であってもよい。また、前記実施の形態においては、鋼片を加熱炉で加熱した後、粗圧延を行う工程と、この工程で粗圧延した鋼片を誘導加熱装置で加熱した後仕上圧延を行う工程とを有していればよいので、前記工程の間に、他の装置、例えば鋼板を巻取る装置や、鋼板と鋼板とを接合する接合機、そしてデスケーラー等を設置することも可能である。なお、このデスケーラーは、鋼片の結晶粒界中のSiスケールを除去する必要がないため、強力な高圧水を発生できる特殊なデスケーラーでなくてよい。よって、デスケーラーによる冷却で、鋼片が失った大きな熱エネルギーを補給する必要がなく、50℃程度温度を上昇させればよいので、加える熱エネルギーが少なくて済む。
【0015】そして、前記実施の形態においては、加熱炉における鋼片の加熱温度を1100℃程度、バー加熱装置における鋼片の加熱温度を1000℃程度としたが、鋼片を熱間圧延でき、しかも、鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物との化合物の融点以下であればよいため、熱間圧延の操業条件等を考慮して、他の温度に変えることも可能である。更に、前記実施の形態においては、粗圧延した鋼片を加熱する方法として、バー加熱装置を使用しているが、他の誘導加熱装置や加熱装置を使用することも可能である。
【0016】
【発明の効果】請求項1及び2記載の高Si鋼の熱間圧延方法においては、加熱炉での鋼片の加熱温度を、鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物の化合物の融点以下とすると共に、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けた加熱装置で、粗圧延後の鋼片を仕上圧延機で仕上圧延するのに必要な温度に加熱することで、鋼片に含まれる鉄酸化物とSi酸化物の化合物は、液相となることがないため、鋼片中の結晶粒界に浸入することで生成するSiスケール(根)の発生を防止することが可能となる。このように、鋼中のSiスケール(根)の発生が防止できているため、鋼片表面に付着したSiスケールの剥離性を良好にでき、鋼片の表面に生成(付着)したSiスケールは容易に除去できる。よって、熱間圧延時において、製品の表面へのスケールの喰い込みが防止できるので、表面性状が損なわれたり、曲げ加工の際などに亀裂の起点として作用することがなくなるため、製品の品質に重大な弊害を及ぼす原因を防止できる。また、デスケーラーによる冷却で鋼片が失った大きな熱エネルギーを補給する必要がなく、特殊なデスケーラーの設備コスト、及びランニングコストもかからず、作業性も良好となる。
【0017】特に、請求項2記載の高Si鋼の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機の間に設けた加熱装置は誘導加熱装置であるので、短時間に粗圧延鋼の内部まで、均一に加熱することが可能となる。よって、Siスケール(根)の発生を防止し、仕上圧延を実施する温度を維持できる。




 

 


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