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発明の名称 接合鋼板の加熱方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−105004(P2001−105004A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−289813
出願日 平成11年10月12日(1999.10.12)
代理人 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002 AA07 AD01 BA01 BC07 BD05 BD08 CB04 CB08 
発明者 中村 隆彰 / 松尾 慎二 / 麻生 洋祐
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Mn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む複数の鋼板を接合し、連続して熱間圧延するときに、先行鋼板の後端と後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部に発生する割れを防止する方法であって、前記接合部及びその近傍部を前記熱間圧延の前に1150〜1400℃に加熱することを特徴とする接合鋼板の加熱方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合鋼板を連続して熱間圧延するときに、その接合部及びその近傍部に発生する割れを防止する加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の熱間圧延は、鋼板を一枚一枚断続的に行っていたが、この方法では、鋼板の前端部と後端部の非定常部の熱張力により、鋼板に擦り傷や形状不良が発生し易かった。また、鋼板は、スレッディング速度の変化により板幅、及び板厚に不良が発生し、更に、熱間圧延速度の加速により圧延温度不良や、表面品位不良を発生し、歩留まりの悪化を招いていた。このため、不良部除去作業、精整通板作業等に作業時間や労力を費やさなけらばならなかった。そこで、上記のことを改善するため、近年複数の熱間圧延用鋼板を順次接合し、連続して所定の速度で圧延処理する、いわゆる連続熱間圧延方法が試みられていた。
【0003】連続熱間圧延方法は、例えば特公平7−63724号公報に記載のように、以下の手順で実施している。
(1)連続式熱間圧延機に供給する粗熱間圧延済みの鋼板、又は高温薄肉連続鋳造鋳片(フラット又はコイル状)等の熱間圧延用鋼材を、事前に先端部と後端部をフライングクロップシャーにて切断する。
(2)鋼板間の後端切断面と先端切断面の全域又は一部を溶接接合処理する。
(3)多数の熱間圧延用鋼板を順次同一圧延スケジュールで、又は複数のスケジュールで連続的にリレー変更しながら熱間圧延する。
(4)熱間圧延後分割切断し複数台の巻き取り機で交互に巻き取り処理する。これにより、鋼板を一枚一枚断続的に熱間圧延することによって発生する、不良部除去作業、精整通板作業等に作業時間や労力を費やすことなく、鋼板を熱間圧延することが可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む鋼板を接合すると、先行鋼板の後端と、後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部は、1400℃超(融点付近)の温度まで上昇するため、鋼板中に存在するMnSが分解する。このようにMnSが分解すると、Sは鋼板中の結晶の粒界に濃化し、溶接後の急激な冷却により、SはMnSとして析出せず、仕上圧延が開始される1150〜950℃の範囲では、MnとSとがそれぞれ単独の状態で存在することとなる。その後、単独の状態のままで鋼板を熱間圧延することとなる。また、このSは、Mn、又はTiの添加により、MnS、TiSの化合物を形成することで、鋼板中に安定に存在させることができるが、熱間圧延中に、鋼板の接合部及びその近傍部にMn、又はTiを添加することはできないため、Sは単独で存在することとなる。
【0005】上記のことが原因で、接合した鋼板は、熱間圧延中において、接合部及びその近傍部で発生する脆化部分から破断し、連続した熱間圧延を中断しなければならない状態が発生していた。その結果、圧延中の鋼板は、熱間圧延機内で噛み込んだ状態になるだけでなく、各スタンド間でアコーディオン状態に変形し、鋼板取り出し復旧に、多大な労力と時間を費やし、しかも設備稼働率を著しく低下させていた。更に、これにより、本来の連続化操業による歩留まり向上のメリットが享受できなくなる問題も発生していた。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、熱間圧延中に鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れを防止でき、しかも、連続化操業による歩留まり向上のメリットが享受できる接合鋼板の加熱方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に係る接合鋼板の加熱方法は、Mn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む複数の鋼板を接合し、連続して熱間圧延するときに、先行鋼板の後端と、後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部に発生する割れを防止する方法であって、接合部及びその近傍部を熱間圧延の前に1150〜1400℃に加熱する。これにより、単独の状態で存在し、しかも鋼板中の結晶の粒界に濃化することで、鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れの原因となるSを、安定したMnSの形態にすることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。本発明の一実施の形態に係る接合鋼板の加熱方法においては、まず、粗熱間圧延済みのMn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む複数の鋼板を接合した。
【0008】この接合は、レーザー溶接機の一例である走間式レーザー溶接機を使用して行っている。そして、鋼板接合後、先行鋼板の後端と後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部は、走間式レーザー溶接機の直後に設置してある誘導加熱装置の一例であるバー加熱装置を使用して1150〜1400℃に加熱し、その後、連続して熱間圧延した。以下、レーザー溶接したときの鋼板、及びその後に行うバー加熱装置での処理を行ったときのSの形態について説明する。レーザー溶接機を用いて鋼板を接合する場合、接合部及びその近傍部の温度は1400℃を超える温度まで上昇する。そのため、鋼板中に存在するMnSが分解し、鋼板中の結晶の粒界にSが濃化する。このように濃化したSは、溶接部及びその近傍部の冷却速度が速いため、ほとんどMnSとして析出せず、熱間圧延中はMnとSとしてそれぞれ単独に存在する。
【0009】即ち、接合部及びその近傍部(接合部から10mm以内の部分)が急速に冷却されると、図2に示すように、冷却線AのようにMnS析出領域Bを通過しないので、MnSは析出せず、Sが単独で存在することになる。一方、接合部及びその近傍部がゆっくりと冷却された場合は、冷却線CのようにMnS析出領域Bを通過するので、MnSは析出し、SはMnとの化合物として鋼板中に存在する。つまり、熱間圧延中の脆化は、接合後、接合部及びその近傍部が急速に冷却されて、図2に示す冷却線AのようにMnS析出領域Bを通過しないために生じていることが分かった。
【0010】このことから、鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れの原因を、以下のように推定した。鋼板中に存在するMnSは、接合時の加熱によって分解する。また、このとき、接合後の冷却速度が速いため、分解したSは、鋼板中の結晶の粒界に濃化する。このように濃化したSは、溶接部及びその近傍部の冷却速度が速いため、ほとんどMnSとして析出せず、熱間圧延中はMnとSとしてそれぞれ単独で鋼板中に存在する。そのため、材質脆化を発生させる原因となる。その結果、熱間圧延に必要な鋼板の絞り値(脆化を示す指標)は小さくなり、鋼板の接合部及びその近傍部に割れが発生することとなる。
【0011】そこで、鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れの発生を防止する方法について検討した。図1は材料の絞り値と加熱温度との関係を示す試験結果のグラフである。なお、材料の絞り値は脆化を示す指標であって、数値が高いほど脆化が小さいことを示している。また、測定の方法は、熱間圧延引張り試験を行い、材料の絞り値は材料破断時の断面減少率として算定した。図1に示すように、鋼板を接合(溶接)した後に、鋼板の接合部及びその近傍部を加熱する場合、その加熱温度を変化させることで、材料の絞り値は変化する。このとき、材料の絞り値は、加熱温度が1100℃程度で最も低く、1150℃程度に上昇させることで高くなることを示している。これは、鋼板の接合部及びその近傍部を1150℃程度以上に加熱することで、接合時の加熱によって分解、そして単独で存在するSを、再びMnSの安定な形態にすることができたことに起因する。つまり、接合後に1150℃以上に加熱することで、図2に示す冷却線Aから冷却線Cに冷却の軌跡を変えることができる。その結果、MnSの析出を促進できるので、鋼板の割れの発生原因となる単独で存在するSを低減することが可能となる。
【0012】続いて、鋼板の接合部及びその近傍部の加熱温度を限定した理由について述べる。鋼板の接合後の接合部及びその近傍部の加熱温度が、1100℃程度から1150℃程度へと上昇するに伴って、材料の絞り値は急激に上昇している。これから、接合部及びその近傍部の脆化を小さくできる数値、つまり、鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れを防止できる下限値として、加熱温度を1150℃とした。一方、上限値は、接合部及びその近傍部を加熱したとしても、鋼板の品質を変えることなく安定に熱間圧延できること、また、鋼板の接合部及びその近傍部に加える熱エネルギーのランニングコスト等を考慮して、加熱温度を1400℃とした。以上のことより、加熱温度は1150〜1400℃、より好ましくは1150〜1250℃とすることが望ましい。
【0013】次に、鋼板に含まれるS量、Mn量を限定した理由について述べる。Sは鋼板に脆化を及ぼす原因の元素であることが分かる。よって、鋼板にSが含まれていなければ、鋼板の接合部及びその近傍部が脆化を起こすことはない。つまり、鋼板に含まれるSが0.001重量%未満においては、鋼板の接合部及びその近傍部で、脆化による割れが発生しないことから、鋼板に含まれるS量の下限値を、0.001重量%と限定した。一方、上限値は、鋼板に必要となる熱間での靱性を確保するため、0.03重量%以下に限定した。なお、Sはできるだけ低いほど好ましいが、経済性も考慮する場合は、溶接性・加工性の点から0.008重量%以下が好ましい。
【0014】また、Mnは、鋼板に含まれるSをMnSとして安定な状態に保つための元素である。なお、Tiについても鋼板に含まれるSと化合し、TiSとして安定な状態を保つ。しかしながら、溶接時、接合部及びその近傍部は1400℃超の温度に加熱される。この温度においてTiSは分解しないが、MnSはMnとSとに分解する。つまり、鋼板に脆化が起こる対象となるSは、Mnと化合しているSのみとなるので、単独で存在するSと化合していたMn量の下限値を0.1重量%と限定した。一方、2.0重量%超の添加は鋼板の靱性・溶接性を阻害するため、上限値を2.0重量%とした。
【0015】これにより、Mn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む複数の鋼板を接合し、連続して熱間圧延しても、熱間圧延前に接合部及びその近傍部を1150〜1400℃に加熱することによって、割れを発生させることなく、連続化操業による歩留まり向上のメリットを享受できる。前記実施の形態においては、接合する複数の鋼板として、粗熱間圧延済みの鋼板を使用しているが、他の鋼板、例えば高温薄肉連続鋳造鋳片(フラット又はコイル状)等を使用することも可能である。なお、前記実施の形態においては、先行鋼板の後端と後行鋼板の前端との接合方法として、レーザー溶接法を使用して接合しているが、他の接合方法、例えば、アーク溶接法やプラズマ溶接法等を使用することも可能である。なお、このレーザー溶接法で使用している溶接機は、走間式レーザー溶接機であるが、固定式とすることも可能である。また、前記実施の形態においては、先行鋼板の後端と後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部の加熱方法として、誘導加熱装置の一例であるバー加熱装置を使用しているが、他の加熱装置、例えば高周波加熱装置等を使用して加熱することも可能である。
【0016】そして、前記実施の形態においては、鋼板の接合部及びその近傍部の加熱は、レーザー溶接機の直後に設置した誘導加熱装置により行っているが、レーザー溶接機と誘導加熱装置とを距離をおいて設置し、接合、加熱をそれぞれ離れた場所で実施することも可能である。更に、前記実施の形態においては、鋼板の接合部及びその近傍部の加熱は、熱間圧延(仕上熱間圧延)前に行い、その後は実施していない。これは、脆化による鋼板の割れが、熱間圧延開始時に起こり易く、その後は、鋼板の接合部及びその近傍部が順次熱間圧延されていくことで、鋼板中の結晶の粒径が細かくなるため、脆化による鋼板の割れが発生しにくくなることに起因するからである。しかしながら、熱間圧延の操業条件の変化により、鋼板の接合部及びその近傍部に割れが発生し易くなる場合は、熱間圧延の途中で加熱することも可能である。また、鋼板が熱間圧延されるために必要な温度を確保するために、熱間圧延の途中で加熱装置により、鋼板を加熱することも可能である。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の接合鋼板の加熱方法においては、Mn:0.1〜2.0重量%、S:0.001〜0.03重量%を含む複数の鋼板を接合し、連続して熱間圧延するときに、先行鋼板の後端と、後行鋼板の前端との接合部及びその近傍部に発生する割れを防止する方法であって、接合部及びその近傍部を熱間圧延の前に1150〜1400℃に加熱するので、単独の状態で存在し、しかも鋼板中の結晶の粒界に濃化することで、鋼板の接合部及びその近傍部に発生する割れの原因となるSを、安定したMnSの形態にすることが可能となる。これにより、熱間圧延中に脆化を起こすことがなくなるため、複数の接合した鋼板の接合部及びその近傍部に割れが発生しない。よって、熱間圧延を中断することなく、連続して実施することができる。その結果、圧延中の鋼板が、熱間圧延機内で噛み込んだ状態で停止することなく、また、各スタンド間でアコーディオン状態に変形することもないため、鋼板取り出し復旧に、多大な労力と時間を費やすことがなくなり、設備稼働率を向上させることが可能となる。更に、これにより、本来の連続化操業による歩留まり向上のメリットが享受できるので、多大な効果を得ることができる。




 

 


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