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発明の名称 耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−79489(P2001−79489A)
公開日 平成13年3月27日(2001.3.27)
出願番号 特願平11−260523
出願日 平成11年9月14日(1999.9.14)
代理人 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4D075
4F100
【Fターム(参考)】
4D075 AA01 AC12 AC23 AC47 AC64 BB24Z BB33Z BB46Z CA13 CA33 DA06 DB02 DB07 DC42 EA07 EB43 EB60 EC37 
4F100 AA21B AA21J AB01A AB03 AH06B AH06J AH08B AH08J AK52B AK80B AL01B BA02 DA01 GB16 JB02 JL11 JM02B
発明者 落合 忠昭 / 伊藤 陽一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、1種もしくは2種以上の官能基を含有するシリケート皮膜を形成したことを特徴とする耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板。
【請求項2】 金属板の少なくとも片面に、1種もしくは2種以上の官能基を含有するシリケートとチタネートの共重合体皮膜を形成したことを特徴とする耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板。
【請求項3】 シリケート皮膜量が珪素換算で0.1〜1000mg/m2である請求項1記載の耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板。
【請求項4】 シリケートとチタネートの共重合体皮膜量が珪素とチタンの換算合計で0.1〜1000mg/m2 である請求項2記載の耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属容器を缶体という点で分類すると、天蓋、地蓋と缶胴からなる3ピース缶と、地蓋と缶胴が一体となった2ピース缶に大別される。これらの天蓋、地蓋と缶胴に錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板またはアルミ合金が使用される。該金属板は金属板と塗料やフィルム等の樹脂皮膜との密着性を良くするために、電解クロム酸処理、クロム酸塩処理、リン酸塩処理等の化成処理が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、塗装工程の省略による金属缶のコスト低減を目的に、金属板を樹脂皮膜で被覆した後、多段階の深絞り加工、絞り加工としごき加工の組み合わせ等で2ピース缶を製缶する方法が用いられている。該製缶方法は、製缶加工後に塗装を施す従来の方法と異なり、樹脂皮膜と金属板の間に高度な密着性が要求される。特に、容器用金属板の製造コスト低減のため樹脂皮膜を薄膜化するには、従来の化成処理を施した金属板では密着性が不足することがあるので好ましくない。本発明の目的は、上記の問題点を克服し、耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属板の少なくとも片面に、1種もしくは2種以上の官能基を含有するシリケート皮膜を形成したことを特徴とする耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板、金属板の少なくとも片面に、1種もしくは2種以上の官能基を含有するシリケートとチタネートの共重合体皮膜を形成したことを特徴とする耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板である。更には、シリケート皮膜量が珪素換算で、或いはシリケートとチタネートの共重合体皮膜量が珪素とチタンの換算合計で、0.1〜1000mg/m2 である前記の耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳細に説明する。本発明は、電解クロム酸処理、クロム酸塩処理、リン酸塩処理等、従来の化成処理皮膜と比較し、著しく密着性に優れたシリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜を新たに見出したものである。本発明者らは、シリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜の組成および構造が、樹脂皮膜との密着性に及ぼす影響に着目し検討を重ねた結果、密着性の良好な皮膜は、珪素、チタンの酸化物塩が重合し高分子量のネットワーク構造を形成したものであり、該ネットワーク構造内に樹脂および金属と結合力を有する官能基を導入すると密着性が飛躍的に向上することを新たに見出した。本発明者らは、前記の皮膜を形成する方法を種々検討した結果、加水分解性シラン誘導体、加水分解性水素化チタン誘導体を加水分解および脱水縮重合することで、高分子量のネットワーク構造を形成し、前記ネットワーク構造内に樹脂および金属と結合力を有する有機官能基を導入した皮膜が耐錆性、耐食性および密着性に優れることを見出した。
【0006】本発明の容器用金属板のシリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜は、例えば、基板表面にコーティング液を塗布し、乾燥・硬化させて該皮膜を形成することが出来る。コーティング液の塗布方法としては、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法が好適である。また、乾燥・硬化の方法としては、熱処理、送風、紫外線照射等により行うことができる。特にチタネートの共重合体皮膜の場合、紫外線照射で皮膜構造が緻密化され、光触媒作用(抗菌性、超親水性)や高屈折率などの機能性、意匠性に優れた金属板が得られる。
【0007】シリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜の形成に用いるコーティング液の原料としては、4官能加水分解性シラン誘導体またはシリケート、4官能加水分解性水素化チタン誘導体またはチタネートが望ましい。4官能加水分解性シラン誘導体としてテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が、シリケートとして上記4官能加水分解性シラン誘導体の部分加水分解および脱水縮重合等で作成することができるアルキルシリケート、水ガラス等が好適に利用できる。4官能加水分解性水素化チタン誘導体としてテトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジエトキシジメトキシチタン等が、チタネートとして4官能加水分解性水素化チタン誘導体の部分加水分解および脱水縮重合等で作成することができるアルキルチタネート等が好適に利用できる。
【0008】本発明で使用するコーティング液には、上記以外に、水・エタノール・プロパノール等の溶媒、塩酸・硝酸・硫酸・酢酸・マレイン酸等のシラン誘導体および水素化チタン誘導体の加水分解を促進する触媒、トリブチルアミン・ヘキシルアミン等の塩基性化合物類・アルミニウムトリイソプロポキシド・チタンテトライソプロポキシド等の酸性化合物類等のシラン誘導体および水素化チタン誘導体を縮重合させる触媒、およびシランカップリング剤等のコーティング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加してもよい。シリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜中に上記物質やコーティング液に含まれる不可避的な不純物を含有しても、本発明の効果に影響はない。コーティング液は、被塗布材である金属板やコーティング液の塗布設備を劣化させないため、pHを3以上にすることが望ましく、pHが高すぎるとコーティング液が凝集し易いため、pHを10以下にすることが望ましい。
【0009】シリケートとチタネートの共重合体皮膜は、シリケートの単独皮膜と比較し、耐食性・密着性に更に優れるだけでなく、コーティング後の成膜速度が速くなる利点がある。この理由として本発明者らは、4官能加水分解性水素化チタン誘導体の加水分解および脱水縮重合速度が速いため、ネットワーク促進物質として機能し、シリケートとチタネートの共重合体が高分子量化することで化学的に安定な皮膜となるためと考えている。チタネートの重合量としては、少なすぎると上記の効果が得られ難いため、1molの珪素に対し0.01mol以上のチタンが好ましいが、多過ぎると成膜性が低下する場合があるので1molの珪素に対し1mol以下のチタンにすることが望ましい。
【0010】シリケート皮膜またはシリケートとチタネートの共重合体皮膜は、耐錆性、耐食性および密着性を確保するために、金属板表面をほぼ均一に被覆する。そのため、シリケートの皮膜量またはシリケートとチタネートの共重合体の皮膜量は、珪素換算または珪素とチタンの換算合計で0.1mg/m2 以上が好ましいが、多すぎても効果が飽和し経済的でないため、1000mg/m2 以下が望ましい。
【0011】シリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合体皮膜に含有される官能基としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アミノ基、クロロプロピル基、メルカプト基、グリシジル基が密着性および耐食性の点で望ましい。皮膜中に含まれる官能基の量は、珪素1mol又は珪素とチタン合計で1molに対し、密着性および耐食性の点では、0.001mol以上が好ましいが、多過ぎると珪素の重合構造又は珪素とチタンの共重合構造が低分子量化し前記特性が低下する場合があるため2mol以下とすることが望ましい。更に、耐食性・密着性および経済的な面を考慮すると、0.005mol以上0.5mol以下が望ましい。また、皮膜中に上記以外の官能基や更に水素基が含まれても、本発明を逸脱するものではない。
【0012】本発明の容器用金属板は、金属板を樹脂皮膜で被覆した後、多段階の深絞り加工、絞り加工としごき加工の組み合わせ等で2ピース缶を製缶する方法に最適である。また、本発明の金属板は、従来の容器用金属板と比較し、樹脂皮膜との密着性に優れるため、接着缶や溶接缶等の3ピース缶に適用しても、樹脂皮膜の薄膜化が可能となり経済的なメリットが期待出来る。本発明に使用する金属板としては、冷延鋼板、鋼板の少なくとも片面にクロム、ニッケル、錫等の拡散層を有する冷延鋼板、クロム、ニッケル、錫等のめっき鋼板、アルミ合金板等が好適である。また、前記金属板に電解クロム酸処理、クロム酸塩処理、リン酸塩処理等の化成処理を施した金属板を本発明に用いれば、更に耐錆性、耐食性および密着性に優れた鋼板となる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を述べる。板厚0.24mmの冷延鋼板、クロムめっき鋼板、錫めっき鋼板およびアルミ合金(A3004)板を基材とし、テトラエトキシシラン、チタンイソプロポキシド、シランカップリング剤、加水分解触媒、重縮合触媒、エタノールと水を混合した溶液をスプレーコーティング法で塗布した後、温風乾燥を行った。上記工程で得られた鋼板を230℃に加熱し、両面に着色顔料を含まない15μmのポリエステルフィルムを熱融着で接着した後、絞り加工としごき加工(しごき率50%)で製缶し、缶内面の耐食性、缶外面の耐糸錆性およびフィルムの密着性を評価した結果を表1に示す。実施例1〜13はいずれも、加工後の耐食性(鉄、錫およびアルミ溶出量が1ppm以下)、フィルム密着性(フィルムの剥離やクラック無し)および耐糸錆性に優れ、ラミネート用金属板として好適である。
【0014】
【表1】

【0015】表1のSi、Tiの皮膜量は、理学電機製蛍光X線分析装置型式RIX2000を用い、各種金属板について下記の方法で各々検量線を作成し定量を行った。各種金属板(10cm角)に珪素、珪素とチタンを各種比率で含むコーティング液を塗布後、脱水縮重合反応が始まる前にエタノールで溶解し、溶解した溶液中の珪素、チタンをICP発光分光分析で定量することにより、珪素、チタンの付着量が既知の各種金属板を作成する。前記金属板を用い、蛍光X線装置で各種金属板について珪素,チタンの検量線を作成した。また、官能基の量は島津製作所製赤外線分光分析装置FTIRー8200Dを用い、シリケート皮膜、シリケートとチタネートの共重合皮膜を有する金属板について赤外線吸収スペクトル法(ATR法)でスペクトルを測定し、下記の方法で作成した検量線を用いて定量した。Si(OR)4 とXSi(OR)3 (X;官能基、Rアルキル基) を各種比率で混合し、水とエタノールの1:1混合溶液で希釈し、珪素濃度が0.1mol/lとした溶液を各種金属板に塗布、乾燥し官能基の量が既知の各種金属板を作成する。前記金属板のIRスペクトルを測定し、Si−Oの吸光度と官能基の特性吸収の吸光度の比をとることにより検量線を作成した。
【0016】表1中の特性評価は以下の方法で行った。
1)耐糸錆性缶胴の中央部を5cm角に切り出し、カッターナイフでフィルムに欠陥を与えた。その試験片に5%塩水を1時間噴霧した後、38℃、湿度85%の恒温恒湿室で4週間保持し、糸錆の広がりで評価した。表中の○は糸錆の広がりが2mm未満のもの、△は糸錆の広がりが2mm以上のものである。
2)耐食性缶胴の中央部を5cm角に切り出し、5℃で硬球による落下デントを行いフィルムに微細なクラックを与えた。その試験片を1.5%のクエン酸と1.5%の食塩を含む38℃の水溶液100mlに1週間浸漬し、フィルムに生じた微細なクラックから溶出した鉄、錫またはアルミの量を化学分析で定量した。表中の◎は溶出した鉄、錫およびアルミの量が0.1ppm以下、○は0.1ppm超1ppm以下、△は1ppm超である。
3)密着性フィルムと鋼板の剥離および/またはフィルムにクラックが有るか否かでフィルムの密着性を評価した。表中の○は剥離および/またはクラックが無いもの、×は剥離および/またはクラックが有るものである。
【0017】
【発明の効果】本発明により始めて、耐錆性、耐食性および密着性に優れた容器用金属板が得られる。




 

 


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