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発明の名称 軽圧下兼用酸洗設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−71021(P2001−71021A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−247634
出願日 平成11年9月1日(1999.9.1)
代理人 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3B116
4K053
【Fターム(参考)】
3B116 AA02 AA47 AB14 BB24 BB62 CD22 
4K053 PA02 PA12 QA01 SA05 TA16 XA22 XA41 YA19 YA24
発明者 太田 仁史 / 原田 喜弘 / 交告 鶏二 / 浅野 弘揮
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】単スタンド圧延機が配設された軽圧下兼用酸洗設備において、単スタンド圧延機の前に、蛇行を防止するための複数本のロールからなるロール群と、前記ロール群への圧延用クーラントの逆流を阻止するための複数個の流体噴射ノズルを配設したことを特徴とする軽圧下兼用酸洗設備。
【請求項2】流体噴射ノズルよりの流体の噴射角度は、水平より下向きに15〜75°の間であることを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備。
【請求項3】噴射される流体は、圧延用クーラントであることを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備。
【請求項4】流体噴射ノズルは、パスラインの上方にのみ配設したことを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板表面の酸化スケールを連続して除去する酸洗設備のなかで同時に1パスの軽圧下を行う軽圧下兼用酸洗設備に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延薄板、亜鉛メッキ鋼板、ブリキ、ティンフリースチ−ル等の各種の冷延製品は、熱延工場で造られた熱延鋼板を酸洗によりスケール除去後冷間圧延して製造される。従来の酸洗設備においては、熱延鋼板の表面に付着している酸化スケールを酸洗して除去するのみで、圧延機を装備していないのが一般的であって、冷間圧延は酸洗後防錆処理、乾燥して一旦巻き取ったコイルを、別ラインにて再び巻き戻して行っていた。こうした冷間圧延ラインには通常4〜6スタンドからなる多段冷間圧延機が配備され、60〜80%の高い圧下率で鋼板を圧延するものである。したがって通常の冷延ラインは高い圧下を必要とする鋼板の製造には好ましいものであるが、1〜50%の軽圧下圧延を行う場合には、中間スタンドを飛ばして圧延を行うための補助機能の設置、飛ばし圧延への切り替えのための段取り、熱延鋼板の横持ち搬送等を行う必要が生じ、生産コストを上昇させていた。
【0003】上記のような酸洗と冷間圧延を分割して冷延鋼板を製造する方法の欠点を解消するために、特開平11−57841には、スケール除去装置の後段に1パスで圧下率1から50%の圧延を付与する単スタンド圧延機を配備させた酸洗設備が開示されている。図1にその設備のレイアウトを示すが、上記開示の設備においては、熱延鋼板をペイオフリール1に挿入した後、アンコイラー2により巻き戻して、シャー3、ウエルダー4、ブライドルロール5、入り側ル−プカー6、ブライドルロール7を経て酸洗装置8を通して鋼板表面の酸化スケールを除去し、次いで、ブライドルロール9を経て、単スタンド圧延機10により鋼板は圧下されて、表面を平滑にするとともに寸法精度を整える。その後ブライドルロール11、出側ル−プカー12、ブライドルロール13を経た後、熱延鋼板のエッジをトリマー14でスリットし、検査セクション15、シャー16を経てテンションリール17に巻き取られる。すなわち、本開示の設備は、酸洗装置8の後のブライドルロール9−11の間に単スタンド圧延機10を配備した設備である。
【0004】また特開平9−164415には、スケールの除去効率を上げるために、酸洗装置に入る前にスケール層を粉砕するための高圧下圧延機を配備させた酸洗設備が開示されている。本開示の設備は、酸洗装置の前のブライドルロール間に、30%以上の圧下を行うための単スタンド圧延機と、粉砕したスケールを吹き飛ばすためのスプレー帯とを配備した設備である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した開示技術の如く、熱延鋼板を緊張させるためのブライドルロール間に単に単スタンド圧延機のみを配備しただけでは、鋼板の左右への移動を拘束する力が不十分で、板厚の僅かの変動が蛇行を引き起し、一旦蛇行が発生するとこれを終息させるのは極めて困難なことであった。したがって従来の開示技術においては、何ら蛇行の発生を防止するための方策が講じられていないために蛇行が発生しやすく、板厚の寸法精度が低いのみならず、鋼板が波打ったり、端部がガイド部材と擦れあって耳割れを起こしたりする。さらに極端なばあいには鋼板が前後に緊張される張力に負けて耳割れを起点に破断してしまう等の問題を有していた。したがって本発明の解決すべき課題は、熱延鋼板を連続して酸洗する一連の設備の中に単スタンドの圧延機を設けた軽圧下兼用酸洗設備において、圧延の際に発生する蛇行を防止して、寸法精度、平坦性に優れた鋼板を安価に製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような従来技術の欠点に鑑み,発明者らは鋭意研究を重ねた結果、単スタンド圧延機の前に複数本のロールからなるロール群を配設し、さらに該ロール群に単スタンド圧延機の圧延用クーラント(水と油のエマルジョン液)の逆流を防止するための流体噴射ノズルを配設することによって上記課題を解決した。すなわちロール群により鋼板を緊張させて鋼板の横方向のずれに対する拘束力を強めるとともに、圧延機の圧延用クーラントが前記ロール群に流れ込むのを阻止して、摩擦抵抗の低下による該拘束力の低下を抑えて、蛇行を防止しようとするものである。
【0007】単スタンドの圧延機においては、圧延用クーラントはスタンド前面から吹き掛けられる。すなわち多段スタンド冷間圧延機の場合と同じように、単スタンド圧延機においても圧延機前面側から少量の潤滑剤を掛け、後面側からロール冷却用に大量のクーラントを掛けると、スタンド後面の水切りが極めて困難となり、板面上にクーラントが残ってしまい、鋼板が汚れる、錆びるといった問題が生ずる。したがって、特に単スタンド圧延機で20〜50%の高い圧下率で冷間圧延を行う場合には、圧延ロールを冷却するために圧延機の前面側で大量のクーラントを使用せざるを得ない。この場合スタンド前面側で上側圧延ロールに吹き付けられたクーラントは、鋼板の上に落下し鋼板の両エッジから下に落下するほかに、鋼板の上を入り側方向に逆流し、スタンド前面に設置してある蛇行防止用ロール群をクーラントで濡らす。さらに大量のクーラントが流れ込むとロールと鋼板の間にク−ラント溜まりができてしまい、クーラントには油分が含まれているから、ロールの摩擦係数が著しく低下し、鋼板の横方向の拘束力が低下し、蛇行防止効果が低下してしまうことになる。そこで本発明においては、蛇行を防止するための複数本のロールからなるロール群を配設するとともに、さらに単スタンド圧延機の前面側にクーラントの逆流を阻止するための複数個の流体噴射ノズルをヘッダーに取り付けて配設する。
【0008】すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、単スタンド圧延機が配設された鋼板の軽圧下兼用酸洗設備において、単スタンド圧延機の前に、蛇行を防止するための複数本のロールからなるロール群と、前記ロールへの圧延用クーラントの逆流を阻止するための複数個の流体噴射ノズルを配設したことを特徴とする軽圧下兼用酸洗設備である。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、流体噴射ノズルよりの流体の噴射角度を水平下向きに15〜75°の間として圧延ロール冷却剤の逆流を阻止して蛇行を防止しようとするものである。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、噴射される流体は、圧延用クーラントをそのまま用いることによって、逆流阻止力を損なうことなく、且つ新規に増設される配管数を極力少なくしてコストの上昇を抑えんとするものである。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、流体噴射ノズルをパスラインの上方にのみ設置したことを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に従って詳細に説明する。図2に示すように、酸洗装置8、ブライドルロール9のあとに蛇行を防止するための3本のロールからなるロール群18と、流体噴射ノズル20を複数個有するヘッダー19を単スタンド圧延機10の前に配設した。図2におけるブライドルロール9〜11の間の詳細を図3に示す。酸洗を終えた熱延鋼板はブライドルロール9、および11により緊張状態で単スタンド圧延機10によって軽圧下圧延される。単スタンド圧延機10は本図においては補強ロール23、中間ロール24、作業ロール25の3種のロールを主体に構成されている。冷間圧延によってこれらのロールは温度がかなり高温まで上昇するから、温度上昇を抑えるためのクーラントが、鋼板とロールの摩擦を減少させるための潤滑剤としての役目も兼ねてヘッダー21に取り付けられた流体噴射ノズル22から吹き付けられる。
【0013】スタンド前面側で補強ロール23、中間ロール24、作業ロール25の上側ロールに吹き付けられたクーラントは、鋼板の上に落下し、鋼板の両エッジから下に落下するとともに、鋼板の上を入り側方向に逆流し蛇行防止のロール群18に流れ込もうとする。そこでこの流れ込みを阻止するために、ロール群18と単スタンド圧延機10の間に、クーラントの逆流を阻止するための複数個の流体噴射ノズル20をヘッダー19に取り付けて配設する。ヘッダーは鋼板横方向に必要な本数、すなわち1本でも複数本でも配設してよい。
【0014】以上の如く、圧延機の上下ロール冷却および逆流防止のために噴射されたクーラントは圧延機下方のトレイ26により集められて配管27を経てクーラントタンク29に回収され、再度ポンプ30により送り出されて噴射され、循環使用される。
【0015】ヘッダーに取り付けた逆流防止流体噴射ノズルの角度は板の進行方向に向けて水平より下向きに15〜75°の間で設置するのが望ましい。15°より小さい角度ではノズルから鋼板までの距離が長くなって逆流阻止力が弱まるために、大量の流体を噴射せねばならず効率的ではない。一方75°を越える角度では低速圧延時や圧延停止時にノズルから噴射した流体が鋼板の上を逆流することになってしまう。したがってノズルの角度は板の進行方向に向けて水平下向きに15〜75°の間とするのが望ましい。
【0016】逆流防止流体噴射ノズルより噴射する流体は圧延用クーラントを使用するのが望ましい。高圧のエアを噴射しても十分クーラントの逆流を阻止することはできるが、密度が高い液体を用いることによって、高い逆流防止効率が得られる。また水を用いた場合には、圧延用クーラントと混ざって回収後にクーラント中の油の濃度が低下してしまうので好ましくない。したがってノズルより噴射する流体は圧延用クーラントを使用するのが望ましい。
【0017】上記の流体噴射ノズルを設ける位置は蛇行防止のロール群の後で、パスラインより上側にのみ設置すれば十分である。補強ロール、中間ロール、作業ロールの下側ロール冷却用のクーラントはスタンド下に落下してしまい、クーラントの逆流はないので、パスラインより上側のみで逆流を阻止すればよいからである。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。図2に示す如く単スタンドの圧延機を有する軽圧下兼用酸洗設備に、3本のロールからなるロール群と、複数個のノズルを有するヘッダーを、ロール群の最終ロールとの水平距離を250mm、パスラインとの垂直距離を250mmとして配設した。ノズルはスプレー領域が狭く、スプレーパターンの明確なフラット型スプレーを使用し、ノズルの取り付けは150mm間隔で横一列に配置した。そして15μmの酸化スケール厚みを有する板厚3.2mmの熱延鋼板を酸洗後に25%の圧下率で圧延を行った。試験としては、圧延ロールに吹き付ける圧延用クーラントの流量を1400l/min、逆流防止ノズルからのクーラントの流量を100l/minとし、ノズルの取り付け角度を種々変化させた。そのほかに、一部の試験においては逆流防止ノズルからクーラントの替わりにエア、あるいは水を噴射した。流量は100l/minで同じとした。
【0019】
【表1】

【0020】その試験の結果を表1に示す。試験No.1は、ノズルの噴射角度が10°と本発明の範囲を外れて小さく、したがってノズルと鋼板の距離が長くなり、逆流防止効果が小さくなってしまい、蛇行防止用ロール群にクーラントが流れ込んで板の幅方向の拘束力が小さく、したがって蛇行が発生し、鋼板が圧延スタンドに接触して耳割れが発生した。試験No.2は、ノズルの噴射角度を15°、試験No.3は、該角度を30°、試験No.4は、該角度を45°とした実施例であるが、いずれの試験においても圧延機のクーラントの逆流を阻止することができ、蛇行の発生はなく、良好な結果を得ることができた。試験No.5は、ノズルの噴射角度を60°と設定しクーラントの替わりにエアを噴射した比較例であるが、圧延用クーラントの逆流を阻止する力が弱かったために、鋼板の横方向の拘束力が小さくなって蛇行が発生し鋼板エッジに耳割れが発生した。試験No.6は、ノズルの噴射角度60°と設定しクーラントの替わりに水を噴射した比較例である。圧延用クーラントの逆流は阻止できて蛇行は発生しなかったものの、圧延用クーラント中の油の濃度が低下して潤滑状態が悪くなり、鋼板が波打ってしわが発生してしまった。これに対してノズルの噴射角度が60°でクーラントを噴射した試験No.7は、蛇行、エッジの耳割れ、しわの発生はなく、良好な結果を得ることができた。また同様にノズルの噴射角度を75°とした試験No.8も、蛇行の発生はなく良好な試験の結果であった。しかしながらノズルの噴射角度が80°と本発明の範囲を外れて大きい試験No.9においては、ノズルから噴射したクーラントが蛇行防止用ロール群に流れ込んで摩擦抵抗が減少し、蛇行が発生してしまった。
【0021】図4には酸洗装置の前に、蛇行を防止するためのロール群ならびに逆流防止用流体噴射ノズルを配設した軽圧下兼用酸洗設備のレイアウトを示す。すなわちブライドルロール7の後に、蛇行防止用ロール群18、流体噴射ノズル20を有するヘッダー19、単スタンド圧延機10の順に配設し、さらにスプレー帯32、ブライドルロール31、酸洗装置8、ブライドルロール11を順に従って配設した。該軽圧下兼用酸洗設備を用いて、2.8mmの熱延鋼板を15%軽圧下後酸洗した。本発明に掛かる蛇行防止用ロール群並びに逆流阻止用流体噴射ノズルを配設したことによって、蛇行の発生のない良好な圧延を酸洗前に行うことができた。したがって軽圧下によってスケールに亀裂を入れ、次いでスプレー帯32でこれを吹き飛ばすことによって、酸洗時間を大幅に短縮することができ、同時に寸法精度が高く、且つ凹凸の少ない表面の平坦な鋼板を安価に製造することができた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に掛かる蛇行を防止するための複数本のロールからなるロール群と、圧延用クーラントの逆流を阻止するための複数個の流体噴射ノズルを、軽圧下兼用酸洗設備に配設することにより、蛇行を発生することなく酸洗前、あるいは酸洗後に軽圧下することが可能になった。これにより、安価に鋼板の寸法精度、表面品質を格段に向上させることができ、本発明は産業界の発展に寄与するところ大である。




 

 


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