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発明の名称 連続圧延における後行材の速度制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−71002(P2001−71002A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−249267
出願日 平成11年9月2日(1999.9.2)
代理人 【識別番号】100062421
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弘明 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002 AD02 BA01 BC01 BC02 BC05 BD03 BD05 
発明者 高橋 航也 / 清水 理史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 圧延ラインにて複数の帯板を接合しつつ連続的に圧延するに際し、走行中の先行材に後行材を追付かせる方法において、後行材先端速度を、一定加速度の加速域、定速域、および減速域からなる基準パターンの速度に設定し、該加速域において先行材後端と後行材先端の間隔D1 を演算し、間隔D1 にて定速域に移行させ、所定の保持時間T保持したのち減速域に移行させ、所定の減速パターンで先行材後端速度まで減速した場合の間隔D3 を演算して目標ギャップ値Gと比較し、間隔D3 が目標ギャップ値G以下となったときに、前記加速域から前記定速域に移行させることにより、目標区間内で後行材を先行材に追付かせることを特徴とする連続圧延における後行材の速度制御方法。
【請求項2】 定速域において先行材後端と後行材先端の間隔Dを演算し、該間隔Dが、定速域における先行材後端と後行材先端の速度差Vk−Vsおよび減速域における減速パターンによって定まる間隔Dd に達するまで、定速域の保持時間Tを延長することを特徴とする請求項1記載の連続圧延における後行材の速度制御方法。
【請求項3】 前記間隔D1 、間隔D1 での先行材後端速度 Vs および後行材先端速度Vk1 、巻戻されるコイルのサイズを因子とし、これら因子の1種または2種以上に応じて、減速域の減速パターンを定めることを特徴とする請求項1または2記載の連続圧延における後行材の速度制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の熱間圧延ラインなどの圧延ラインにて、複数の帯板を接合しつつ連続的に圧延するに際し、走行中の先行材に後行材を追付かせ接合する方法において、限られた目標区間内で後行材先端を先行材後端に追い付かせるための、後行材の速度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄鋼業では、鋼板の圧延歩留まりおよび生産性を飛躍的に向上させるために、連続熱間圧延ラインにおける帯板の連続化技術が行われ始めている。この技術は、仕上圧延機の前に接合機を設け、仕上圧延されつつある先行材の後端に後行材の先端を突合わせ接合することにより、粗圧延後の帯板を連続化し、接合部を含めて連続的に仕上圧延を行うものである。
【0003】この連続化技術では、加熱した鋳片を1枚ずつ粗圧延し、粗圧延後の帯板をコイルボックス内で巻取り、これを巻戻し、帯板先端部および後端部のクロップを切断除去して仕上圧延機に送るまでは、従来の連続熱間圧延と同様である。帯板を連続化するには、仕上圧延されつつある先行材の後端クロップを切断した後、先行材後端が仕上圧延機に達する前に、後行材の先端クロップを切断して後行材先端を先行材後端に追付かせて接合する。
【0004】このとき、クロップ切断後の後行材をまず加速し、ついで減速して先行材に追付かせるが、先行材はすでに仕上圧延機で圧延中であり、先行材後端は走行しているので、その走行に合わせて後行材先端をタイミングよく追い付かせ、接合機を走行させつつ接合する。仕上圧延機では、接合され連続化された帯板を接合部を含めて連続的に圧延し、冷却ゾーンで冷却したのち巻き取り、切断して、例えば素材鋳片単位のコイルとする。
【0005】接合に際しては、接合機の走行範囲のうち接合に要する区間を残した目標区間内で、先行材後端に後行材先端を追付かせることが必要である。さらに先行材後端の走行速度は、仕上圧延速度や板厚の変化等により変動することがある。したがって、限られた目標区間内で後行材先端を先行材後端に確実に追付かせるために、後行材の速度制御が必要である。後行材の速度は通常、搬送テーブルに設けたピンチロールの回転速度を調整することにより制御される。この速度制御に関する従来技術として、特開平9−19703号公報には、CCDカメラ等により先行材後端の位置および後行材先端の位置を検出し、検出した位置に応じて後行材の搬送速度を制御することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示されている制御は、後行材の速度を一定のパターンにして先行材に追付かせるものである。しかし、例えば後行材と先行材の間隔が短い場合、後行材の搬送速度を、加速状態から減速状態へと急激に移行させなければならないが、一定のパターンで後行材先端の搬送速度を急激に大きく変化させると、コイルボックス内のコイル回転速度がその変化に追従できないことになる。つまり後行材を減速させるためにピンチロールの回転を減速しても、コイルは慣性により搬送速度よりも速い速度で回転するため、巻緩みが生じてコイル形状が崩れ、帯板形状が悪化して突合わせ接合に支障をきたすおそれが生じる。さらに、後行材の全長が長くなるとコイルボックスでの巻取り時間が長くなり、そのため巻戻し開始時間が遅れて、先行材後端と後行材先端の間の間隔が広がる。この場合は後行材の搬送速度をより高速化しなければならず、一定のパターンでは目標区間内での追付きが困難となる。
【0007】そこで本発明が解決しようとする課題は、鋼帯熱間圧延ラインなどの圧延ラインにおいて、複数の帯板を接合しつつ連続的に圧延するに際し、限られた目標区間内で後行材先端を先行材後端に確実に追い付かせるとともに、帯板形状を良好に保ち、安定した確実な接合を行うことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明法は、圧延ラインにて複数の帯板を接合しつつ連続的に圧延するに際し、走行中の先行材に後行材を追付かせる方法において、後行材先端速度を、一定加速度の加速域、定速域、および減速域からなる基準パターンの速度に設定し、該加速域において先行材後端と後行材先端の間隔D1を演算し、間隔D1 にて定速域に移行させ、所定の保持時間T保持したのち減速域に移行させ、所定の減速パターンで先行材後端速度まで減速した場合の間隔D3 を演算して目標ギャップ値Gと比較し、間隔D3 が目標ギャップ値G以下となったときに、前記加速域から前記定速域に移行させることにより、目標区間内で後行材を先行材に追付かせることを特徴とする連続圧延における後行材の速度制御方法である。
【0009】そして、定速域において先行材後端と後行材先端の間隔Dを演算し、該間隔Dが、定速域における先行材後端と後行材先端の速度差Vk−Vsおよび減速域における減速パターンによって定まる間隔Dd に達するまで、定速域の保持時間Tを延長することができる。また、前記間隔D1 、間隔D1 での先行材後端速度 Vs および後行材先端速度Vk1 、巻戻されるコイルのサイズを因子とし、これら因子の1種または2種以上に応じて、減速域の減速パターンを定めることができる。
【0010】さらに、定速域において先行材後端と後行材先端の間隔Dを演算し、該間隔Dが、定速域における先行材後端と後行材先端の速度差Vk−Vsおよび減速域における減速パターンによって定まる間隔Dd に達するまで、定速域の保持時間Tを延長し、かつ前記間隔D1 、間隔D1 での先行材後端速度 Vs および後行材先端速度Vk1 、巻戻されるコイルのサイズを因子とし、これら因子の1種または2種以上に応じて減速域の減速パターンを定めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明法を図面に示す例により説明する。図1のように、粗圧延機6で粗圧延された帯板の先行材1および後行材2は、コイルボックス7内で巻取られてコイル5となり、巻戻されて、搬送テーブル上を No.1ピンチロール8および No.2ピンチロール10で速度制御されつつ搬送され、その間のシャー9により先端クロップおよび後端クロップが切断されて、接合機11により先行材後端3と後行材先端4が接合され、仕上圧延機12により接合部を含めて連続的に仕上圧延される。
【0012】接合に際しては、仕上圧延されつつある先行材1の後端部と同速度で接合機11を走行させ、まず先行材1の後端部をクランプする。次いで追付いてきた後行材2の先端部をクランプし、先行材後端3に後行材先端4を押付けつつ溶接等により接合する。接合機11は破線の位置で接合完了したのち、引き返して次の接合のため待機させる。図1は、先行材1の後端部が接合機11にクランプされ、後行材2がコイル5から巻戻されつつ、後行材先端4が No.2ピンチロール10を出た状態を示している。先行材後端3および後行材先端4は、シャー9での切断により突合わせ接合し得る形状になっている。
【0013】本発明法は、このように先行材1に後行材2を接合して連続的に圧延するに際し、走行中の先行材1に後行材2を追付かせる方法において、接合に必要な区間を残した目標区間内で確実に追付かせるための、後行材2の速度制御法である。図1の例では、シャー9での切断位置を基点aとし、後行材先端4が基点aを通過する時点、すなわち後行材2の先端クロップをシャー9で切断した時点を制御開始時点として速度制御を行い、接合開始限界点bまでの間を目標区間とし、この区間内で追付かせる。接合開始限界点bから接合終了限界点cまでの間が、接合に必要な最低限の区間である。速度制御は、制御装置15からの指令によりNo.1ピンチロール8、No.2ピンチロール10の一方または双方の回転速度を調整することにより行うことができる。
【0014】本発明法における後行材先端速度Vkの基準パターンの例を図2(a)に示し、それに対応する先行材1と後行材2の間隔Dの変化を図2(b)に示す。本発明法は、この例のように、後行材先端速度Vkを、まず加速域A、定速域Bおよび減速域Cからなる基準パターンの速度に設定し、加速域Aにおける速度Vk1 での先行材後端3と後行材先端4の間隔D1 を演算する。次いで間隔D1 にて定速域Bに移行させ、所定の保持時間T保持したのち減速域Cに移行させ、所定の減速パターンで先行材後端速度 Vs まで減速した場合の間隔D3 を演算する。そして、この間隔D3 を目標ギャップ値Gと比較し、間隔D3 が目標ギャップ値G以下となったときに加速域Aから定速域Bに移行させることにより、目標区間内すなわち接合開始限界点bに至るまでに後行材2を先行材1に追付かせる。
【0015】図2の例では、先行材後端速度Vsは一定である。横軸は時間を示し、t0 は後行材先端4が図1の基点aを通過する制御開始時点、t1 は加速域Aから定速域Bへの移行時点、t2 は定速域Bから減速域Cへの移行時点、t3 は後行材先端速度Vkが先行材後端速度Vsと等しくなる減速終了時点であり、tL は接合開始限界点bに対応する追付き目標区間の限界時点である。D0 は制御開始時点t0 における間隔、D2 は定速域Bから減速域Cへの移行時点t2 における間隔である。本例では、制御開始時点t0 における後行材速度Vk0 は先行材速度Vsよりも速い。
【0016】基準パターンにおいて、加速域Aの加速度α、定速域Bの保持時間T、減速域Cの減速パターンは一定とし、後行材2のコイル5の巻き緩みや巻き締まりなどによる帯板形状の悪化を招くような急激な速度変化を避けるように、また、先行材1と後行材2の間の間隔D0 や先行材後端速度Vsおよび後行材先端速度Vkが多少変動しても、加速域Aから定速域Bに移行する時点を上記のように決定することで、目標区間の限界時点tL でに追付くように、あらかじめ定めておいたものを制御装置15に入力する。
【0017】定速域Bでの後行材先端速度Vk1 は、設備上あるいは操業上とり得る最大値VkM を超えないように設定する。減速域Cの減速パターンは、図2(a)のように減速率を一定にしたもの、複数の減速率を組合わせたもの、あるいは減速途中のある速度で一時的に保持するもの等、何種類か用意しておいたものから、適宜選択することができる。
【0018】先行材1と後行材2の間の間隔Dは、先行材後端3の位置および後行材先端4の位置をトラッキングすることにより求めることができる。図1の例では、シャー9による先行材後端3のシャーカット信号を制御装置15に入力し、入力時点からNo.2速度計14の計測値Vsを積算することで、先行材後端3の位置Xsを基点aからの距離として求める。また、後行材先端4のシャーカット信号を制御装置15に入力し、入力時点からNo.1速度計13の計測値Vkを積算することで、後行材先端4の位置Xkを基点aからの距離として求める。そして、加速域Aにおける後行材先端速度Vk1 のときのXsおよびXkから、D1 =Xs−Xkを求める。間隔D3 は、後行材先端4を速度Vk1 で時間T保持した場合に縮まる間隔と、Vk1 からVsまで所定の減速パターンで減速した場合に縮まる間隔の和をD1 から減じることで求めることができる。
【0019】目標ギャップ値Gは、接合機11で後行材先端部をクランプするときのギャップであり、これがG以下でないと突合わせ接合が困難となる限界の値である。得られた間隔D3 をこの目標ギャップ値Gと比較し、D3 >Gであれば、加速域Aでの加速を継続して演算を繰返す。そしてD3 ≦Gとなった時点を図2のt1 として加速域Aから定速域Bに移行させる。上記間隔D1 の演算およびそれに続く間隔D3 の演算は、図1の制御装置15にて、制御開始時点t0 以降、すなわちシャー9による後行材2の先端シャーカット信号が入力された以降、直ちに行うことができ、繰返し演算のピッチは短いほどよく、例えば20msec. で行うことができる。
【0020】このような本発明法によれば、接合に必要な区間を残した目標区間内にて、後行材先端4を先行材後端3に確実に追付かせることができる。そして、加速域A、定速域Bおよび減速域Cからなる基準パターンの設定に際し、急激な速度変化を避けることで、後行材2のコイル5の巻き緩みや巻き締まりなどによる帯板形状の悪化を防止でき、安定した確実な突合わせ接合が行える。したがって、引き続く仕上圧延においては接合部破断のおそれが確実に解消される。接合部破断のおそれをより確実に解消するため、定速域Bの保持時間Tは1秒以上とすることが望ましい。
【0021】つぎに本発明法の第1の態様として、定速域Bにおいて先行材後端と後行材先端の間隔Dを演算し、該間隔Dが、定速域Bにおける先行材後端と後行材先端の速度差Vk−Vsおよび減速域Cにおける減速パターンによって定まる間隔Dd に達するまで、定速域Bの保持時間Tを延長する。加速域Aにおいて前述の演算を繰返し、加速を継続したとき、後行材先端速度Vkが、設備上あるいは操業上とり得る最大値VkM となっても、あらかじめ設定した基準パターンでは目標区間内で追付けないと判断される場合がある。このような場合、VkM に達した時点で定速域Bに移行させ、定速域Bにおいて上記のような演算を行い、保持時間Tを延長する。
【0022】具体例を図3に示す。図3(a)のように、あらかじめ設定した基準パターンの加速域Aにおいて、最大速度VkM で定速域Bに移行し、所定の保持時間T1 だけ保持した後、破線で示すように減速域Cに移行し、所定の減速パターン(本例では減速率一定)で後行材先端速度Vkを先行材後端速度Vsまで減速する。このときの先行材後端と後行材先端の間隔Dの変化を示すと、図3(b)のようにD1で定速域に移行しD21で減速域に移行したのち、破線で示すように、減速終了時点t3 での間隔D31が、目標区間の限界時点tL までに目標ギャップGに達しない場合がある。この現象は、制御開始時点t0 における間隔D0 が過大のとき、t0 における後行材先端速度Vk0 が過小のとき、あるいは先行材後端速度Vsが過大のときなどに生じる。
【0023】このような場合、図3(a)のように、加速域Aにおいて後行材先端速度Vkが最大速度VkM に達した時点で定速域Bに移行させ、定速域Bにおいて間隔Dを演算して、保持時間TをT1 からT2 に延長する。保持時間Tの延長に際しては、定速域Bにおける先行材後端と後行材先端の速度差Vk−Vsを因子とし、減速域Cにおける減速パターンに応じた関数F(Vk−Vs)によりDd を求め、上記演算結果のDがDd になるまでの時間をT2 とする。その後、減速域Cに移行させ、実線のように所定パターンで減速する。すると、図3(b)の実線のように、減速域Cに移行するときの間隔がD22まで狭まり、限界時点tL 以内で、減速終了時点t3 での間隔D32を目標ギャップG以下とすることができ、目標区間内で追付き可能となる。
【0024】また第1の態様では、あらかじめ設定した基準パターンにおいて、目標区間内で十分な余裕をもって追付き可能であることが制御開始時の状況などにより判断される場合、加速域Aでの速度Vk1 が最大速度VkM に達するより前の小さい段階で定速域Bに移行させ、上記のようにして定速域Bの所定保持時間Tを延長することもできる。これにより後行材2の速度変動がより緩和され、より安定した操業が可能となる。
【0025】つぎに本発明法の第2の態様として、前記間隔D1 、間隔D1 での先行材後端速度 Vs および後行材先端速度Vk1 、巻戻されるコイルのサイズを因子とし、これら因子の1種または2種以上に応じて減速域Cの減速パターンを定める。減速パターンは、減速率を一定にしたもの、複数の減速率を組合わせたもの、あるいは減速途中のある速度で一時的に保持するもの等、何種類か用意しておいたものから適宜選択して定めることができる。さらに、上記第1の態様と第2の態様の双方を行うこともできる。
【0026】上記のように加速域Aの加速を継続したとき、後行材先端速度Vkが、設備上あるいは操業上とり得る最大値VkM になっても、あらかじめ設定した基準パターンでは目標区間内で追付けないと判断される場合、定速域Bの保持時間Tは変更せず、減速域Cの減速パターンを変えることでも、追付き可能とすることができる。また定速域Bの保持時間Tを延長し、かつ減速域Cの減速パターンを変えても、追付き可能とすることができる。
【0027】たとえば図3(a)において、定速域Bで時間T1 保持後、減速域Cの減速パターンを一点鎖線のように変更して緩やかに減速することにより、図3(c)の一点鎖線のように限界時点tL 以内で、Vk=Vsとした減速終了時点t33での間隔D33を目標ギャップGとすることができる。また限界時点tL に余裕があれば、減速域Bの保持時間をT2 に延長したのち、減速域Cの減速パターンを同様に変更することもできる。
【0028】この第2の態様では、後行材2の巻戻されるコイルサイズに応じて減速域Cの減速パターンを定めることにより、帯板形状の悪化を防止できる。図1において、後行材2のコイル5が大径で初期の間隔D0 が大きくなった場合、減速域Cの減速パターンを緩やかな減速を行うパターンとすることにより、コイル5の巻き緩みを防止できるからである。この場合、限界時点tL に余裕があれば、定速域Bの保持時間Tを延長し、加速域Aでの速度Vk1 が小さいときに定速域Bに移行させ、かつ減速域Cでの減速パターンを緩やかなものとすることもできる。これにより後行材2の速度変動がより緩和され、より安定した操業が可能となる。
【0029】
【実施例】図1のような鋼帯の熱間圧延ラインにおいて、本発明法により速度制御を行って後行材先端4を先行材後端3に追付かせ、接合機11によりレーザ溶接で突合わせ接合を行い、仕上圧延機12では接合部の圧延速度を低下させることなく連続的に仕上圧延を行った。本発明法の速度制御は図4に示すフローにより行い、その結果の後行材先端速度Vkの変化と先行材後端速度Vsを図5に示す。基準パターンは図5の太線で示すように、加速域Aの加速度は一定、定速域Bの保持時間Tを17sec 、減速域Cの減速パターンを図示の2段減速とし、あらかじめ制御装置15に入力した。
【0030】速度制御を図4のフローで説明する。シャー9での先行材後端シャーカット信号が制御装置15に入力されると、直ちに先行材後端速度VsをNo.2速度計14で計測開始する。そして、先行材後端シャーカット信号入力後のVsの積算値により、先行材後端位置Xsを、シャー9の位置からの距離として演算する。また、シャー9での後行材先端シャーカット信号が制御装置15に入力されると、直ちに後行材先端速度VkをNo.1速度計13で計測開始するとともに、この時点を制御開始時点t0 とし、後行材について加速域での加速を開始する。そして後行材先端シャーカット信号入力後のVkの積算値により、後行材先端位置Xkを、シャー9の位置からの距離として演算する。制御開始時点t0 から加速開始し、20msec毎に、先行材後端3と後行材先端4の間隔Dを、D=Xs−Xkにより演算する。
【0031】加速域Aにおいて、後行材先端速度Vk1 、間隔D1 で定速域Bに移行させ、あらかじめ設定した基準パターンで減速域Cに移行させて、後行材先端速度Vkを変化させた場合のVkが、先行材後端速度Vsと等しくなるときの間隔D3 を演算し、D3 を追付き完了時の目標ギャップGと比較する。D3 >Gなら加速域Aでの加速を継続し、D3 ≦Gとなったとき定速域Bに移行させ、あらかじめ設定した時間だけ定速を保持して減速域Cに移行させる。そして、あらかじめ設定した基準パターンで減速し、Vk=Vsとなったとき、Vkを一定にして追付き完了する。このとき間隔D3 =Gとなる。この間、上記のように20msec毎にVkおよびVsを計測し、Vk−Vs、およびD=Xs−Xkを演算して制御する。
【0032】図4の制御フローにおいて、演算結果、D3 >Gのとき、加速継続するにあたり、そのときの速度Vkが、あらかじめ設定した設備上あるいは操業上とり得る最大値VkM よりも小さいか否かを判定し、小さい場合は加速を継続する。演算結果、D3 >Gのときに、加速域での速度VkがVkM に達した場合は、直ちに定速域に移行し、第1の態様により、定速域における保持時間を延長する。すなわち定速域における先行材と後行材の間隔Dを演算し、定速域での速度差Vk−Vsを因子とし、減速パターンに応じた関数F(Vk−Vs)により定まる間隔Dd とDを比較する。D>Dd なら定速を保持し、D≦Dd となった時点で減速域に移行し、あらかじめ設定した基準パターンで減速する。減速域に移行したのち、後行材先端速度Vkが先行材後端速度Vsよりも大きい間は減速を継続し、Vk=Vsとなった時点で、Vkを一定にして追付き完了する。
【0033】この本発明法により、接合機11での突合わせレーザ溶接に必要な区間を残した目標区間内で、後行材先端4を先行材後端3に追付かせることができた。追付き終了後ただちに接合機11で接合し、引続き仕上圧延機12により圧延した。仕上圧延では、接合部も先行材1および後行材2と同じ圧下率および圧延速度で圧延でき、接合部での板破断などのトラブルは生じなかった。また後行材2のコイル5に巻き緩みなどは発生せず、帯板形状の悪化や表面疵の発生も見られなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明法により、鋼帯熱間圧延ラインなどの圧延ラインにおいて、複数本の帯板を接合しつつ連続的に圧延する際、限られた長さの目標区間内で後行材先端を先行材後端に確実に追い付かせることができる。このため安定した確実な接合を行うことができる。さらに、コイルボックス内での後行材コイルの巻緩み発生を防止でき、帯板形状悪化による接合不良やスリップ疵発生を防止することができる。したがって、接合に引続く圧延においては、接合部の圧下率や圧延速度を低下させなくても、板破断等トラブル発生のおそれが解消される。このため製造歩留まりが向上し、熱間圧延ラインにおける圧延材連続化のメリットが十分に発揮される。




 

 


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