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発明の名称 クロム含有溶鋼の鋳造方法及びそれを用いたシームレス鋼管
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−58242(P2001−58242A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願平11−237031
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004 MB12 MB14 MC07 NC04 
発明者 諸星 隆 / 瀬々 昌文 / 岡 正春 / 楠 伸太郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型による冷却と支持セグメントに布設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって凝固させながら鋳片を連続して引き抜く溶鋼の鋳造方法において、前記溶鋼には、クロムが11〜20重量%、Mgが0.0005〜0.010重量%含まれていることを特徴とするクロム含有溶鋼の鋳造方法。
【請求項2】 請求項1記載のクロム含有溶鋼の鋳造方法において、前記鋳型を含む連続鋳造装置内に配置した電磁攪拌装置により、前記溶鋼を攪拌しながら鋳造することを特徴とするクロム含有溶鋼の鋳造方法。
【請求項3】 請求項1又は2記載のクロム含有溶鋼の鋳造方法において、前記鋳片の固相率が0.2〜0.7の範囲から該鋳片の軽圧下を開始することを特徴とするクロム含有溶鋼の鋳造方法。
【請求項4】 クロムを11〜20重量%含み、Mgを0.0005〜0.010重量%添加した溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型による冷却と支持セグメントに布設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって凝固させながら連続鋳造した鋳片を直接製管工程により穿孔して製造することを特徴とするシームレス鋼管。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な凝固組織を備え表面及び内部欠陥が少なく、酸化物に起因する耐食性の低下を防止するクロム含有溶鋼の鋳造方法及びそれを用いたシームレス鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼管用の鋳片は、溶鋼を造塊法や連続鋳造法により、ブルームやビレットに鋳造し、この鋳片を加熱炉等を用いて加熱した後に、粗圧延が施され、製管工程に搬送される。そして、再加熱され、矩形や円形に成形し、プラグを用いて穿孔を行ってシームレス鋼管が製造される。しかし、鋳片の凝固組織が粗大な場合は、表面割れやへこみ疵等の表面欠陥や内部割れ、空洞(ザク)、中心偏析(偏析)、センターポロシティー等の内部欠陥が生じる。このような鋳片を用いて製造した鋼管は、鋳片に起因するヘゲ疵や割れ等の表面欠陥、あるいは内部割れ、空洞、中心偏析(偏析)等の内部欠陥が残存しており、更に、成形や穿孔によって前記欠陥が増長され、内面に割れやヘゲ疵等の欠陥が生じ、研削等の手入れの増加、あるいは屑化等による歩留りの低下等を招くことになる。特に、この傾向は、クロムを含有するフェライト系のステンレスのシームレス鋼管(鋼管)に顕著に現れる。この対策として、例えば、特開昭49−52725号公報、特開平2−151354号公報に記載されているように、鋳型あるいは鋳型の下流側の凝固過程の溶鋼に電磁攪拌を行って、介在物の浮上を促進し、成長する柱状晶を抑制して、鋳片の凝固組織を改善することが行われている。更に、特開昭53−90129号公報には、溶鋼に鉄粉、Co、B、W、Mo等の金属や酸化物を添加し、この添加物が溶解する位置に電磁攪拌による攪拌流を付与し、鋳片の厚み方向の全断面の凝固組織を殆ど等軸晶にすることが記載されている。また、特開昭57−62804号公報には、鋳片の空洞、センターポロシティー等の内部欠陥を無くすため、内部に未凝固が存在している状態で、鋳片を圧下して、中心近傍を圧着する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭49−52725号公報、特開平2−151354号公報では、鋳型近傍の溶鋼に電磁攪拌により攪拌流を付与した場合は、鋳片の表層部を微細な凝固組織に改善できるが、内部の凝固組織の改善は十分でない。更に、鋳型の下流側に位置する溶鋼に攪拌流を付与した場合は、内部の凝固組織を微細にできるが、鋳片の表層部に粗大な柱状晶が形成され、鋳片の表層部と内部の凝固組織を同時に微細にすることができない。しかも、凝固過程の溶鋼に電磁攪拌による攪拌流を付与しただけでは、所定の粒径を備えた微細な凝固組織の鋳片にすることが困難であり、微細化そのものに限界がある。更に、特開昭53−90129号公報では、鋳型内の溶鋼に凝固核になる酸化物を添加し、酸化物が溶解する近傍の溶鋼を電磁攪拌しているので、鋳片の表層部には、柱状晶が存在しており、柱状晶に起因した表面欠陥が生じ、しかも、電磁攪拌を行う位置や攪拌推力により、等軸晶が形成される範囲や等軸晶の大きさが異なる難点がある。また、特開昭57−62804号公報では、圧下により鋳片の中心近傍を圧着するため、未凝固部が大きい場合は、脆弱な凝固層に大きな圧下力がかかり、内部割れや中心偏析等の原因になったり、圧下不足が生じ易くなり、空洞やセンターポロシティ等の内部欠陥が残存し、製管工程で穿孔した際に、割れやヘゲ疵などの内面欠陥が発生して鋼管の品質低下を招く等の問題がある。このように、従来の方法では、微細な凝固組織を備え、表面及び内部欠陥を防止したクロムを含有する鋳片を製造すること、更に、連続鋳造された鋳片のブレークダウン(大圧下)を行わないで製管することが困難である。しかも、クロム含有鋼(フェライト系ステンレス鋼)の鋼管を工業的に、無欠陥で安定して製造するには、如何なる鋳造や鋳片の処理等を行えば良いかについて明確になされていない。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳片を微細な凝固組織にして割れや偏析等の表面及び内部欠陥を抑制し、製管した鋼管に発生する欠陥を防止して良製品の歩留り等を向上できるクロム含有溶鋼の鋳造方法及びそれを用いた鋼管を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に係るクロム含有溶鋼の鋳造方法は、溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型による冷却と支持セグメントに付設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって凝固させながら鋳片を連続して引き抜く溶鋼の鋳造方法において、前記溶鋼には、クロムが11〜20重量%、Mgが0.0005〜0.010重量%含まれている。この方法により、溶鋼中に分散性の高いMgOを含有する酸化物を形成し、凝固核の生成の促進作用及びピンニング作用(凝固直後における組織の成長を抑制する)により凝固した鋳片を微細な凝固組織にすることができる。そして、鋳片の表層部に発生する表面欠陥や内部に発生する割れや空洞、センターポロシティ等の欠陥を抑制できる。しかも、この鋳片を製管工程に通して穿孔を行った際に、内面に発生する割れやヘゲ疵を防止して鋼管の品質を向上できる。Mgの含有量が0.0005重量%より少ないと、溶鋼中のMgOが少なくなり、凝固核の生成及びピンニング作用が低くなって凝固組織を微細にできない。一方、Mgの含有量が0.010重量%を超えると、凝固組織の微細化の効果が飽和して顕著な効果が発現できず、金属Mg等の合金コストが増加する。また、クロムの含有量が11重量%より少ないと、鋼管の耐食性が低下したり、凝固組織を微細にする効果が小さくなる。クロムの含有量が20重量%を超えると添加するクロム合金が増加してコストが上昇する。
【0006】ここで、本発明に係るクロム含有溶鋼の鋳造方法において、前記鋳型を含む連続鋳造装置内に配置した電磁攪拌装置により、前記溶鋼を攪拌しながら鋳造しても良い。この方法により、凝固する際に生成した柱状晶の先端を攪拌流により分断し、柱状晶の成長の抑制と、分断片による凝固核の相互作用により、鋳片の凝固組織をより微細にすることができる。
【0007】更に、前記鋳片の固相率が0.2〜0.7の範囲から該鋳片の軽圧下を開始することが好ましい。これにより、鋳片の内部に残存する未凝固部が凝固して収縮することにより生じる空洞やセンターポロシティを圧着でき、未凝固の溶鋼が流動することによって生じる中心偏析等を防止することができる。固相率が0.2より小さい範囲から圧下すると、未凝固域が多過ぎるため、圧下しても圧着効果が得られず、脆弱な凝固殻に割れが生じ易くなる。固相率が0.7より大きい範囲から圧下すると、空洞やセンターポロシティを圧着するのに大きい圧下力が必要となり、圧下装置が大型化したり、空洞やセンターポロシティの未圧着が生じる。
【0008】前記目的に沿う本発明に係るシームレス鋼管は、クロムを11〜20重量%含み、Mgを0.0005〜0.010重量%添加した溶鋼を鋳型に注湯し、該鋳型による冷却と支持セグメントに布設した冷却水ノズルからの散水による冷却により凝固させながら連続鋳造した鋳片を直接(すなわちブレークダウンしないで)製管工程により穿孔を行って製造している。この鋼管は、凝固組織が微細な鋳片を用いているので、製管工程を通して穿孔した際に、表面及び内面に発生する割れやヘゲ疵を防止し、研削等の手入れや屑化を防止して、良品質の鋼管にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の鋳造方法に用いる連続鋳造装置の断面図、図2は同連続鋳造装置の鋳型近傍の部分断面図、図3は図1のA−A矢視断面図、図4は鋳片の凝固組織の模式図である。図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るクロム含有溶鋼の鋳造方法に用いる連続鋳造装置10は、溶鋼11を一端貯湯するタンディッシュ12と、タンディッシュ12から溶鋼11を鋳型13に注湯する吐出口14を設けた浸漬ノズル15と、鋳型13内の溶鋼11を攪拌する電磁攪拌装置16と、図示しない冷却水ノズルからの散水により溶鋼11を凝固させる支持セグメント17と、凝固した鋳片18の中央部を圧下する圧下セグメント19と、圧下した鋳片18を引き抜くピンチロール20、21を備えている。一対の電磁攪拌装置16は、鋳型13の長片13a、13bの外側に設けられている。圧下セグメント19は、図3に示すように、鋳片18の下面を支持ロール22によって保持し、鋳片18の上面側には凸部23を有する圧下ロール24を設けており、この圧下ロール24によって図示しない油圧装置で鋳片18の未凝固部18bを圧下し、所定深さ位置まで凸部23を押し込むようにしている。なお、18aは鋳片18の凝固殻である。
【0010】次に、連続鋳造装置10を用いたクロム含有溶鋼の鋳造方法について説明する。クロムを11〜20重量%含有した溶鋼11は、浸漬ノズル15の吐出口14から鋳型13内に注湯され、電磁攪拌装置16により攪拌されながら、鋳型13による冷却と、支持セグメント17に付設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって、凝固殻18aを形成し、引き続き鋳片18として凝固しながらピンチロール20、21により引き抜かれる。溶鋼11には、0.0005〜0.010重量%のMgを含有させ、このMgは、溶鋼11中に含有されているO、SiO2 、MnO等の酸化物と反応してMgOあるいはMgO・Al23 等の高い融点の酸化物を形成している。このMgOあるいはMgO・Al23 等の酸化物は、凝固核として働き、凝固直後における組織の成長を抑制するいわゆるピンニング作用も発現する。更に、等軸晶の生成を促進して、全断面の60%以上を微細な凝固組織(等軸晶)にすることができる。鋳片の微細な凝固組織(等軸晶)が60%未満になると、全断面の結晶粒径が大きくなり、表面及び内部欠陥が発生し易くなる。なお、Mgの含有量が0.0005重量%より少ないと、溶鋼中のMgOが少なくなり、凝固殻の生成及びピンニング作用が低下して凝固組織を微細にできない。一方、Mgの含有量が0.010重量%を超えると、凝固組織の微細化する効果が飽和して顕著な効果が発現できず、金属Mg等の合金コストが増加する。
【0011】電磁攪拌装置16は、鋳型13内の湯面(メニスカス)25から下流側500mmの位置に配置しており、鋳型13内の溶鋼11に鋳型13の内壁に沿って旋回する攪拌流を付与する。この攪拌流は、電磁攪拌装置16の電磁コイルに位相の異なる3相交流を通し、フレミングの法則で知られる移動磁界を溶鋼11に作用させることにより発生する推力(5〜90mmFe)により付与される。推力の強さは、電磁コイルに流す電流値を変えることにより調整し、通常10〜40cm/秒の流速になるように調整している。そして、攪拌流によって、凝固中に生成したデンドライト(柱状晶)の先端を分断したり、組織的過冷(凝固界面での固液分配に伴う溶質成分の濃化により局部的に融点が低下する)の増大により、微細な凝固組織である等軸晶化を促進することができる。更に、凝固殻18aの近傍に存在する酸化物を洗い流すことができるので、酸化物が凝固殻18aに捕捉されるのを防止し、酸化物の少ない表層部にすることができ、添加したMg、あるいはCaOやAl23 等の酸化物に起因するヘゲ疵等の欠陥の発生を防止することができる。また、凝固殻18aの近傍から洗い流された酸化物は、一部が浮上して湯面25上の図示しないパウダーに捕捉されるが、殆どが内部に残存して凝固核として働くので、電磁攪拌との相乗作用により、内部をより微細な凝固組織(等軸晶)にすることができる。その結果、鋳片18は、図4に示すように、攪拌流が作用する表層部が極めて微細な等軸晶26aになり、内部が微細な等軸晶26bとなった凝固組織を有することができる。しかも、微細な等軸晶26bの凝固組織は、鋳片18の内部の未凝固部18bの溶鋼の流動性を良好にし、凝固する際の収縮が小さいので、空洞(ザク)や中心偏析を解消し、鋳片18や鋼管に発生す割れやヘゲ疵等の表面及び内部欠陥を無くすことができる。
【0012】この鋳片18には、鋳造速度や支持セグメント17に付設した冷却水ノズルからの散水の不均一等により、鋳片18の内部に未凝固部18bが残存したり、鋳造速度や鋳造温度等の何らかの原因で空洞が存在する場合がある。従って、圧下セグメント19を用いて、鋳片18の下面を支持ロール22により保持し、圧下ロール24の凸部23により、上部中央を3〜10mm程度の押し込み量になるように軽圧下をすることにより、鋳片18の内部の未凝固部18bや生成した空洞やセンターポロシティ等を確実に圧着している。軽圧下を開始するのは、鋳片18の固相率(凝固厚み/鋳片厚み)が0.2〜0.7の範囲とする。なお、固相率は、鋳片にくさびを打ち込み、その先端の溶損状態を判定して、鋳片の凝固(固相)域と未凝固域を測定して求めることができる。この鋳片18は、圧下比が0.90を超えるブレークダウン(大圧下)を行う必要がなく、一般に行われている分塊工程等の圧延機で行われる圧延の工程を省略することができ、製造コストを大幅に節減できる。
【0013】次に、このように鋳造された鋳片18を所定の長さに切断し、製管工程により、再加熱を行ってから成形した後、プラグにより穿孔を行って、シームレス鋼管を製造する。この鋼管製造に使用される鋳片18は、凝固組織が微細であることに加えて軽圧下により、空洞やセンターポロシティ等を確実に圧着しているので、プラグで内部を拡張して穿孔した際に、容易に加工変形し、内面の割れやヘゲ疵の発生を確実に防止して優れた品質の鋼管にすることができる。しかも、製管後に研削等の手入れを行う必要がなく、欠陥による屑化を防止して、良製品の歩留りや生産性等を向上することができる。特に、鋳型13の近傍で電磁攪拌を行った鋳片18を用いて製管した場合は、前記効果に加えて鋳片18の表層部に含まれる酸化物が少ないので、製管工程により穿孔した鋼管の表面やその近傍に存在する酸化物を少なくでき、表面が酸や塩水等に接触した際に、溶出する酸化物(MgOを含む酸化物)を抑制して、これを起点にした鋼管の腐食を抑制して耐食性を向上することができる。
【0014】
【実施例】次に、クロム含有溶鋼の鋳造及びシームレス鋼管の製造の実施例について説明する。クロムを13.0重量%を含有した溶鋼に金属Mgを0.0010重量%添加した後、幅が600mm、厚み250mmの内寸法の振動鋳型を用いて連続鋳造を行い、鋳型による冷却と支持セグメントからの散水による冷却で、鋳片を凝固させ、ピンチロールにより引き抜きを行った。そして、鋳片の凝固組織、製管工程を通して穿孔したシームレス鋼管の表面及び内部欠陥の発生を調査した。その結果を表1に示す。実施例1は、溶鋼に金属Mgを0.0010重量%添加して鋳造し、製管工程を通して穿孔した場合であり、鋳片の凝固組織を微細にでき(○)、穿孔した際の鋼管の表面及び内部に発生する割れやヘゲ疵が無く(○)、総合評価として良い(○)結果であった。実施例2は、鋳型内のメニスカスから下流側500mmの位置に電磁攪拌装置を設置して溶鋼を攪拌しながら鋳造し、固相率が0.5となった位置から軽圧下を開始した場合であり、鋳片の表層のMgOを含む酸化物の個数を少なくし、鋳片全体の凝固組織を微細にでき(◎)、穿孔した際の鋼管の表面及び内部に発生する割れやヘゲ疵が全く無く(◎)、総合評価として優れた(◎)結果であった。実施例3は、溶鋼に金属Mgを0.0010重量%添加して鋳造し、固相率が0.4となった位置から凝固するまでの範囲を全押し込み深さ7mmで軽圧下を行った場合であり、鋳片の凝固組織を微細にでき(○)、穿孔した際の鋼管の表面及び内部に発生する割れやヘゲ疵が無く(◎)、総合評価として優れた(◎)結果であった。
【0015】
【表1】

【0016】これに対し、比較例1は、溶鋼に金属Mgを添加しないで鋳造し、メニスカスから下流側500mmの位置で電磁攪拌を行って、製管工程を通して穿孔した場合であり、鋳片の凝固組織が粗大になり(×)、穿孔した際に鋼管の表面及び内部に割れやヘゲ疵が発生し(×)、総合評価として悪い(×)結果であった。比較例2は、溶鋼に金属Mgを添加しないで鋳造し、固相率が0.4となる位置から凝固するまでの範囲を全押し込み深さ7mmで軽圧下を行った場合であり、鋳片の凝固組織が粗大になり(×)、穿孔した際の鋼管の表面及び内部に割れやヘゲ疵が発生し(×)、総合評価として悪い(×)結果であった。
【0017】以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。例えば、溶鋼に添加するMgは、金属Mg、AL−Mg、Fe−Si−Mg、Ni−Mg等の粒、あるいはこれ等を鉄板等の金属で覆ったワイヤ等を用いることができ、添加する位置についても取鍋、タンディッシュ、鋳型等に添加することができる。また、鋳片の軽圧下は、凸部を有するロールの他に、フラットロールにより圧下を行うことができる。
【0018】
【発明の効果】請求項1〜4記載のクロム含有溶鋼の鋳造方法は、溶鋼を鋳型に注湯し、鋳型による冷却と支持セグメントに布設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって凝固させながら鋳片を連続して引き抜く溶鋼の鋳造方法において、溶鋼には、クロムが11〜20重量%、Mgが0.0005〜0.010重量%含まれているので、鋳片を微細な凝固組織にし、割れや空洞、センターポロシティ等の欠陥を抑制して鋳片の手入れや屑化を防止し、鋼管に発生する割れやヘゲ疵等の欠陥も防止することができ、鋼管の手入れや屑化を抑制して良製品の歩留りを向上することができる。
【0019】特に、請求項2記載のクロム含有溶鋼の鋳造方法は、鋳型を含む連続鋳造装置内に配置した電磁攪拌装置により、溶鋼を攪拌しながら鋳造しているので、鋳片の凝固組織をより微細にでき、鋳片や鋼管に発生する割れやヘゲ疵等の欠陥を安定して防止することができる。しかも、鋳片や鋼管の表層やその近傍の酸化物を少なくして酸化物に起因する耐食性の低下を防止することができる。
【0020】請求項3記載のクロム含有溶鋼の鋳造方法は、鋳片の固相率が0.2〜0.7の範囲から鋳片の軽圧下を開始するので、鋳片の内部に残存する未凝固部を圧着して溶鋼の流動に伴う中心偏析等が発生するのを抑制でき、鋳片や鋼管に発生する割れやヘゲ疵等の欠陥をより安定して防止して、良製品の歩留り等を向上することができる。
【0021】請求項4記載のシームレス鋼管は、クロムを11〜20重量%含み、Mgを0.0005〜0.010重量%添加した溶鋼を鋳型に注湯し、鋳型による冷却と支持セグメントに布設した冷却水ノズルからの散水による冷却によって凝固させながら連続鋳造した鋳片を直接製管工程により穿孔を行って製造しているので、製管工程を通した際に鋼管に発生する割れやヘゲ疵等の表面及び内部欠陥を防止し、耐食性に優れた鋼管を製造することができる。




 

 


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