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発明の名称 加工性が良好な樹脂フィルム表面被覆金属板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−47553(P2001−47553A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−226007
出願日 平成11年8月10日(1999.8.10)
代理人 【識別番号】100074790
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100 AA17D AA17E AA36A AA37A AB01A AB01D AB01E AB11A AB12A AB13A AB14A AB16A AB20A AB24A AK01B AK01C AK04 AK07 BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C BA13 DC11B DC11C DC21B DC21C EH71A GB32 JL01 YY00A YY00B YY00C 
発明者 村上 英邦 / 末廣 正芳 / 高田 良久
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 樹脂皮膜を除いた金属板の板厚が0.4〜2.0mmでその片面または両面に金属板の0.5%以上の厚さの樹脂皮膜を有する樹脂フィルム表面被覆金属板。
【請求項2】 樹脂皮膜を除いた金属板の板厚が0.4〜2.0mmでその片面または両面に金属板の0.5〜30%の厚さの樹脂皮膜を有する樹脂フィルム表面被覆金属板。
【請求項3】 樹脂皮膜を除いた鋼板の板厚が0.4〜2.0mmでその片面または両面に鋼板の0.5〜30%の厚さの樹脂皮膜を有する樹脂フィルム表面被覆鋼板。
【請求項4】 鋼板の成分が重量%で、C:0.0002〜0.800%、Si:0.001〜5.00%、Mn:0.01〜5.00%、P:0.001〜1.00%、S:0.001〜0.050%、Al:0.001〜5.00%、N:0.0002〜0.0800%を含有する請求項3記載の加工性が良好な樹脂フィルム表面被覆鋼板。
【請求項5】 鋼板の成分が重量%で、C:0.0002〜0.800%、Si:0.001〜5.00%、Mn:0.01〜5.00%、P:0.001〜1.00%、S:0.001〜0.050%、Al:0.001〜5.00%、N:0.0002〜0.0800%、更にTi:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Cr:0.001〜30.0%、Ni:0.001〜30.0%、Mo:0.001〜0.50%、B:0.0001〜0.020%、V:0.001〜0.50%の1種以上を含有する請求項3の加工性が良好なフィルム表面被覆鋼板。
【請求項6】 金属板または金属板の加工部材として使用する部位の片面または両面の全面が樹脂皮膜で覆われている請求項1、2、3、4又は5記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
【請求項7】 金属板の加工部材として使用する部位の片面または両面の一部が樹脂皮膜で覆われている請求項1、2、3、4又は5記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
【請求項8】 JIS5号引張試験片における全伸びに関して、樹脂皮膜を有する金属板と樹脂皮膜を剥離した金属板の特性値の差が1.0%以上である請求項1〜7記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
【請求項9】 金属板の上を直接、有機皮膜が覆っている請求項1〜8記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
【請求項10】 金属板と有機皮膜の間に金属板とは異なる金属または金属酸化物、金属化合物などが存在する請求項1〜9記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
【請求項11】 金属板を覆っている有機皮膜の構造が単層である請求項1〜8記載の加工性が良好なフィルム表面被覆の金属板。
【請求項12】 金属板を覆っている有機皮膜の構造が2層以上の複層構造となっている請求項1〜11記載の加工性が良好なフィルム表面被覆金属板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体用部材に代表される、伸び・曲げ・張出し成形を含むプレス加工を経て使用される加工用金属板、特に鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体、建材および缶材などの用途に、絞り成形や張出し成形を含むプレス成形用として用いられる鋼板ではその機械的特性として加工性の観点から高い延性が求められる。延性を向上させるために有効な手段としてはこれまでに成分の高純度化が有効とされ例えば特開平2−179822号公報、特公平7−94692号公報などに含有C量が0.010%以下である極低炭素鋼が開示されている。また、成分を高純度化して延性を向上させると素材の強度が低下し成形部材の強度も低下してしまう弊害に対しては成形後の熱処理により高強度化を図るいわゆるBH鋼板が特公平8−3136号公報に開示されている。
【0003】また、一般に強度を上昇すると延性が劣化するが、強度−延性バランスを向上させるため加工誘起変態の効果を利用したいわゆるTRIP鋼板として特願平11−141423号が出願されている。しかし、これらのいわゆるメタラジーに立脚した技術による延性向上は限界に達しており、現状からの大幅な延性向上は期待できない状況である。これにも関わらず、加工部材により製造される商品の差別化を図るためには加工部材の形状の複雑化や加工コスト低減が必要であり、このため素材の加工性の一層の向上が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現在存在する金属板のみならず将来開発されるであろう超加工性金属板の成形性を、将来技術のようにメタラジーに立脚した技術にたよらずさらに向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、材料の複合化を図ることによる延性の向上を検討するうち、金属板の表面を薄い樹脂皮膜で覆うことにより延性が向上することを知見し、本発明を達成したものである。本発明の要旨とするところは、金属板の片面または両面の全面または一部を金属板の板厚の0.5%以上、好ましくは0.5〜20%の厚さを有する有機皮膜で覆うことで延性を向上させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明において皮膜の構造等を限定した理由を鋼板を主たる例としてその作用とともに詳細に説明する。成分の含有量は重量%である。金属板としては鋼板を始めとし、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板など、現在加工用途に利用されているほとんど全ての金属板を対象としている。板厚は例えば、自動車用の鋼板に用いられる0.4〜2.0mmの厚みの板を対象とする。このように板厚がどちらかというと厚めの金属板においての方が、本発明の効果が顕著に発揮される。但し金属板の厚みが2.0mmを超えると本発明の効果は奏さなくなる。
【0007】樹脂皮膜の厚さは金属板の板厚の0.5%以上好ましくは0.5〜30%とする。これは皮膜が薄すぎると本発明の効果が弱くなるばかりでなく加工前または加工中に皮膜に破損部が形成されるとそこに加工の歪が集中し全体の加工性を劣化させる場合が見られるためである。また皮膜が厚すぎる場合は加工形状精度の制御が困難となりあまり好ましくない。また、皮膜は金属板の片面を被覆していれば十分である。用途により両面を被覆することでさらなる延性の向上が可能となる。
【0008】金属板が鋼板の場合の成分としては特に限定しないが、極低炭素鋼、低炭素鋼、中炭素鋼さらにSi、P、Mnなどを添加した高強度鋼板、Ti,Nbなどの微細析出物で強化した高強度鋼板、高耐食性を有するステンレス鋼板、Si、Alを含有する電磁鋼板など複雑な部品形状を成形するための鋼板から、加工性以外の特性が主とする目的特性であるが曲げなどの軽加工を経て利用されるものまでを含有した鋼板の通常の成分範囲を請求項の一つとした。
【0009】その成分範囲はC:0.0002〜0.800%、Si:0.001〜5.00%、Mn:0.01〜5.00%、P:0.001〜1.00%、S:0.001〜0.050%、Al:0.001〜5.00%、N:0.0002〜0.0800%であり、必要に応じTi:0.001〜0.50%、Nb:0.001〜0.50%、Cr:0.001〜30.0%、Ni:0.001〜30.0%、Mo:0.001〜0.50%、B:0.0001〜0.020%、V:0.001〜0.50%を添加する。この他に様々な特性の向上を図るためまたは不可避的に含有されるものを含みV,Sn,Cu,Zn,Ta,Sb,Caなどを含有しても本発明の効果が損なわれるものではない。
【0010】また、樹脂皮膜は金属板の全面を覆っている必要はない。被覆金属板を製造する過程においてはコイル状の金属板とコイル状の樹脂フィルムを張り合わせることが効率的と考えられ、通常は金属板の全面を覆うこととなるが、成形部材のうち、特に加工が厳しくなる部位近傍のみを樹脂フィルムで覆うことで成形部材全体の加工性を向上させることが可能である。ただし、どの程度の範囲を樹脂フィルムで覆うことでどの程度の成形性向上が可能となるかは部材形状、成形条件、素金属板特性などに依存しており、被覆部位が小さすぎると被覆部と未被覆部の境界で変形が集中し、部材全体の成形性を劣化させる場合もあるので注意を要する。
【0011】本発明の効果の大きさは様々な方法で評価が可能であるが、本発明の対象をJIS 5号引張り試験片による引張り試験での全伸びにより、樹脂皮膜を有する金属板とこの金属板から樹脂皮膜を剥離した金属部だけからなる金属板の特性値の差で評価でき、これが1.0%以上となるものは本発明の効果大とすることができる。これは樹脂フィルム貼付に伴うコスト面での上昇を勘案し、この程度の延性向上は必要と考えたためである。ただし、樹脂フィルム貼付により耐食性など他の特性の向上効果も期待される場合はこの限りではない。
【0012】樹脂皮膜の貼付の方法は特に限定されない。例えば、適当な温度に加熱した金属板の上に樹脂皮膜を直接乗せることで樹脂を溶融させて金属板に直接樹脂皮膜を貼付させただけで本発明の効果を得ることができる。しかし、樹脂皮膜と金属板の密着力が小さいと部材加工において比較的低い歪域で樹脂皮膜が剥離し、それ以降の加工域で延性向上の効果が得られず、結果として全歪域にわたった延性向上効果が小さくなる場合がある。このような場合には接着剤等を用いて強固に密着させることは本発明の効果を増大させる効果がある。
【0013】さらに、金属板と樹脂皮膜の密着性を向上させるために中間層として別の金属、金属酸化物、金属間化合物などを形成しておいても本発明の効果を損なうものではない。また、現在自動車用部材で耐食性を向上させるために用いられる金属皮膜、いわゆるメッキの上に樹脂皮膜を形成しても本発明の効果を得ることができる。
【0014】本発明においては樹脂皮膜の種類は特に限定しない。一般的に入手可能なポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂皮膜であればほとんどの場合に本発明の効果が得られる。本発明の効果を大きくするため、または耐食性、潤滑性、絶縁性など他の特性を付与するため単層のみならず複層の樹脂皮膜で被覆しても本発明の効果が得られる。
【0015】本発明の効果が得られるメカニズムは明確ではないが、以下のように考えられる。一般に金属板の変形時の破壊は均一変形に続く局部変形により金属板の板厚方向および面内方向にくびれが発生し最終的な分断につながっている。本発明では表面に樹脂皮膜を被覆することにより変形の集中を回避させる現象によっていると思われる。
【0016】すなわち、表面のみとはいえ、皮膜により金属板の変形を拘束することで金属板の特定の部位に変形が集中するような事態が発生した際に、この拘束力によりその部位への変形の集中を抑制し他の部位に変形を拡散させているのである。この効果により本発明により引張り試験においては均一伸びの向上とともに局部伸びまでも向上し、全伸びが大きく向上する。もちろん樹脂皮膜の種類や金属板の種類によっては均一伸びのみ、または局部伸びのみの向上となる場合もあるが、本発明による樹脂被覆が伸びを劣化させる原因となることはない。
【0017】
【実施例】(実施例1)図1に各種金属板に厚さの異なるポリエチレンフィルムを貼付したもののJIS5号引張り試験片による引張り試験での全伸びについて、フィルムなしの金属板についての特性値を基準とした変化を示す。フィルム厚さ/金属板厚さ(フィルム厚さ比)が5%以上では顕著な延性向上効果が認められた。フィルム厚み比5%以下の領域の拡大図を図2に示す。フィルム厚さ比が0.5%未満ではばらつきが大きく効果は明確ではないが、0.5%以上では確実な延性効果が認められた。図3には100φの球頭パンチでの張出し成形において破断時の成形高さを、メッキなし鋼板、合金化Znメッキ鋼板、および合金化Znメッキ鋼板にフィルムを貼付したものについて示す。一般的に知られているように合金化Znメッキによって成形性は劣化するが、本発明を適用することで劣化代を上回りメッキなし鋼板以上の成形性を達成することができた。図4はフィルムなしの鋼板、鋼板全面または破断が起きる穴周辺部のみに5mm幅でフィルムが被覆するように25φでフィルムを貼付した鋼板について、20φの穴を有する鋼板の50φの平底円筒パンチによる穴拡げ試験時の穴拡げ限界である。この結果から、部分的にフィルムを貼付したものでも成形性の向上が確認できた。
【0018】(実施例2)鋼成分:0.028%C−0.22%Mn−0.02%Si−0.01%P−0.01%S−0.055%Al−0.0023%N、板厚0.70mmの鋼板にポリプロピレンの厚さ40μmのフィルムを片面に貼付けてJIS5号引張り試験で全伸びを測定した。全伸びは42%であった。比較として、本発明外の4.0μm厚みのポリプロピレンフィルムを用いて同様の測定を行ったら、全伸びは38%にとどまった。
【0019】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、特殊な元素の添加、特殊な熱処理、特殊な工程を経ることなく、加工性が従来材より良好な金属板を得ることができる。




 

 


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