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発明の名称 多層樹脂成形品廃材を活用したブロー成形品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−47499(P2001−47499A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願2000−155881(P2000−155881)
出願日 平成5年5月13日(1993.5.13)
代理人 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
発明者 大田 彰 / 今村 伸二 / 金田 勉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 自動車用燃料タンクとして生産され、高分子量高密度ポリエチレン(HMHDPE)及びポリアミド(PA)を含有する多層樹脂吹込成形品の廃材を再生して得られる再生樹脂の割合が70重量%以上含み、HMHDPE成分に対するPA成分の重量比率が3〜10%である熱可塑性樹脂をブロー成形して得られたことを特徴とするブロー成形品。
【請求項2】 養殖用筏のフロートとして使用する請求項1記載のブロー成形品。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用燃料タンク用などの多層樹脂吹込成形品の廃材を活用した成形品に関する。詳しくは牡蛎、帆立貝等の養殖用筏のフロート用成形品および成形品の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の中空容器の成形方法として、吹込成形(ブロー成形)すなわち、押出成形により形成された中空管(パイプ状)になった可塑化プラスチック(パリソンと称する)を、成形型のキャビティに配置した後、このパリソン内に加圧気体を吹き込んで成形を行う成形方法が知られている。
【0003】近年、車両用燃料タンク等においても、ブロー成形により形成された樹脂製のものが提案され実用化されつつある。その材質としては、成形性、強度、コスト等の観点より高分子高密度ポリエチレン樹脂(HMHDPE)が一般に知られている。しかしながら、ポリエチレンはガソリン等に対して親和性を有するため、高密度ポリエチレン樹脂製の燃料タンク等の容器にガソリン等を収容した状態で長期間放置しておくと、ガソリン等が徐々にではあるが容器の周壁に浸透して透過してしまうという問題がある。
【0004】このため、例えば特公昭58−23212号公報、特開昭62−138227号公報に開示されているように、高密度ポリエチレン樹脂により形成される樹脂層と、ガソリン等の透過を阻止することのできるポリアミド樹脂等により形成される樹脂層とを、高密度ポリエチレン樹脂層が両側に位置するようにしてサンドイッチ状に積層してなる多層パリソンを用いてブロー成形することにより多層中空成形容器(燃料タンク)を形成する工夫がなされている。
【0005】このように、複数の樹脂層が積層されてなる多層パリソンを用いてブロー成形を行うようにした場合には、このブロー成形により成形品とともに形成されるバリ等の廃材樹脂も前記複数の樹脂層を形成していた複数の樹脂を含むものとなるため、この廃材樹脂を再生材樹脂として不用意に再利用した場合には、次のような不都合を生ずることとなる。
【0006】すなわち、多層パリソンを構成する各樹脂層はそれぞれ所定の特性を得るべく設けられるものであるため、廃材樹脂を特定の樹脂層内に混入させた場合には、その樹脂層の有すべき特性を低下させることになる。例えば、前記の例において、高密度ポリエチレン樹脂層内に廃材樹脂を混入させた場合には、該廃材樹脂中のポリアミド樹脂等が燃料タンクの外面あるいは内面に出てしまうため、解氷剤(塩化カルシウム)あるいはアルコール含有ガソリン等によって、燃料タンクが劣化してしまうことが考えられる。
【0007】特開平2−227210号公報には、このような問題を解決するために、互いに接着性を有する2種類の樹脂により2つの樹脂層を形成し、これらの樹脂層間に廃材樹脂層を形成するようにした多層パリソンの成形方法が開示されている。また、特開平4−341805号公報には、廃材樹脂の重量比率を50%以下、より好ましくは30%以下に制限した上で高密度ポリエチレンと混合したものを成形に供することを特徴とする成形体の製造方法が開示されている。
【0008】一方、一般にフロートと呼ばれるものは、旧来より数多く知られている。その中で、熱可塑性合成樹脂から作られる比較的大型のフロートには次のようなものがある。
【0009】漁網用フロートは沖合に漁網を仕掛けておくためのフロートで、漁網の上端部に多数取り付けられ、それらが水面付近に浮いていることによって、漁網が沈んでしまうのを防いでいる。大きさは30〜100リットル程度、形は略球状でHMHDPEを原料としてブロー成形法で作られた中空体構造のものが多い。この種のフロートには、インジェクション成形法で作った2個の半球状成形品を溶着しているものもある。
【0010】水田用農機具用フロートは、例えば田植え等に用いられる農機具が、水田や沼地等で沈まないように浮かせておくためのフロートである。大きさは様々であるが、形は橇状または略円筒状でHMHDPEを原料としてブロー成形法で作られた中空体構造のものが多い。
【0011】牡蛎や帆立貝等の貝類の養殖は、貝を多数紐に通したものを筏から海中に吊るすか、網籠の中に帆立貝の子貝を入れた籠を筏から海中に吊るすことによって行われる。このフロートは、そうした筏を海面上に浮かせておくためのものである。大きさはさまざまであるが、形は略円筒状で発泡ポリスチレンで作られたものが多い。この発泡ポリスチレン製のフロートは中空体構造ではなく、全体が一つの塊になっているものである。また牡蛎養殖用筏用フロートには、略円筒状をした形状の側面部分と両端の略半球状部分とをそれぞれ別々にポリオレフィン樹脂を原料としてインジェクション成形法でつくってそれらを溶着して作られているものもある。
【0012】フロートは部分的に水面下に沈んで大きな浮力を発生させるのが目的であるから、本来中空体構造であるか、または材料自体が著しく軽い(比重が1よりかなり小さい)ものでなければならない。発泡ポリスチレンは後者に属するものである。しかし、一般に電化製品の梱包等に用いられている発泡ポリスチレンを見ればわかるように、発泡率が高くなればなるほど脆くなり、簡単にポロポロと壊れてしまう。フロートの材料である発泡ポリスチレンはこれほど脆いものではないが、そうした基本的性質は同じで、長い間筏に組付けられて波間に揉まれていると、次第にボロボロになり周りから壊れていってしまう。このことによりフロートの浮力が減少し、養殖筏に随時フロートを追加することが必要となる。またフロートを筏に固定するためのロープが徐々にフロートに食い込んでいくため、随時ロープの増し締めを行なう必要がある等養殖作業を煩雑なものとしていた。さらに発泡ポリスチレンが壊れる際に生じる微粉末が周囲に四散し、環境汚染の問題になりかねない状態にある。また発泡ポリスチレンのフロートは製品寿命自体が他のものに比べてかなり短いという欠点もある。
【0013】牡蛎養殖用筏用として、ブロー成形で作られた円筒状のフロートが試みられたことがある。高分子高密度ポリエチレン(HMHDPE)を原料とするフロートについては、この樹脂はブロー成形性良好で、引張強度もかなり高く、また耐候性も良好で塩水にも弱くなく、更に価格も比較的廉価であるために、これまで、こうしたフロートの材料としてよく使用されている。しかし、HMHDPE樹脂は成形品の表面平滑性が悪く、加えて耐摩耗性及び自己潤滑性に乏しいという欠点を持っている。この欠点のために漁網用フロートの場合、長く波間に揉まれているうちに波との間および網との間で揉まれて削られて薄くなり、ついに潰れてしまうという不具合が発生していた。
【0014】インジェクション成形法では中空体構造のものを同時一体的に作ることは原理的に不可能である。従って上記のように少なくとも2個の部分に分けて製造し、それらを後から溶着しなければならない。これでは著しいコスト高になってしまう。すなわち中空体構造のものをインジェクション成形法で作ることはブロー成形法で作るのに比べて本質的にコスト高になるという欠点がある。また接着部分は一体成形と比べて強度が低下するため、強度を確保するために必要以上の肉厚が必要になり、フロート全体の重量が大きくなり、筏への取り付け作業性が悪く浮力も重量増の分だけ小さくなるという欠点がある。
【0015】一般に、多層パリソンの各層を構成する樹脂同士はかなり異なる物性を有する組み合わせであることが多い。これは成形品に複数の異なる物性的特徴を持たせるために多層にするという要請が生まれることから必然的な事である。この事が災いして、こうした多層パリソンによる成形品の廃材を再生利用する事は技術的にもかなり困難な事柄になっている。すなわち、再生した樹脂の物性がいわゆる唐っちつかず狽ものになってしまい、結局元のどちらの樹脂の代替としても使用不可能なものになってしまうからである。従って、こうした再生樹脂はいきおい最低グレードの樹脂として二束三文に扱われるのが普通である。(二束三文でも流通すればまだしもいいほうである。)
【0016】こうした不具合を避けるためには、多層製品の廃品をあらかじめそれぞれの層に分離して再生する必要があるが、この事自体現在の技術では不可能に近く、仮に可能であったとしても経済的にとても見合うものではないのが現状である。
【0017】特開平2−227210号公報に開示されている技術はこうした問題の解決方法の一つを示したものであるが、あくまで多層パリソン廃材の再生樹脂を該多層パリソンの中間層だけに入れて結果的に人目に触れる事がないよう、また最終的な製品物性に及ぼす影響が極力少なくなるようにして利用しようとするもので、再生樹脂単独で付加価値の高い一つの製品を生産しようとするものではない。また、特開平4−341805号公報に開示されている技術も廃材樹脂の再生利用の方法の一つを示すものであるが、これはあくまで未使用の高密度ポリエチレンが主体であって、それに廃材樹脂をいわゆる増量剤的に添加混合するもので、廃材樹脂そのものを主体にして積極的に使用しようとするものではない。ブロー成形で作られた円筒状フロートは、成形は容易でコストも低く、発泡ポリスチレンで作られたフロートの様に使用中にボロボロになって行く問題点は起らない。しかし、形状が円筒形のみのため、台風の接近時など養殖筏が大きく揺れてフロートが海中に沈んだ時に、水圧と筏からの荷重に耐えられず大きく変形し、フロートが筏から外れて筏を失ってしまうことがある等の大きな問題点を有し、使用に耐えなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は、多層パリソン廃材の再生樹脂単独でブロー成形して製造した成形品及びその用途を提供することである。本発明の第2の目的は軽量で作業性が良く高剛性、長寿命、低コスト、壊れによる環境破壊のないブロー成形により作ったフロートを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意工夫を重ねた結果、本発明を完成した。
【0020】すなわち本発明は、(1)自動車用燃料タンクとして生産され、高分子量高密度ポリエチレン(HMHDPE)及びポリアミド(PA)を含有する多層樹脂吹込成形品の廃材を再生して得られる原料を70重量%以上含み、HMHDPE成分に対するPA成分の重量比率が3〜10%である熱可塑性樹脂をブロー成形して得られたことを特徴とするブロー成形品。
【0021】(2)養殖用筏のフロートとして使用する請求項1記載のブロー成形品。
【0022】一般に多層パリソン廃材の主要樹脂としては、価格が比較的安価で、しかも強度を有し、極性基を有しない高分子高密度ポリエチレン樹脂が用いられることが多く、その他の配合樹脂としては、これと異なる物性を有する樹脂が用いられることが多い。従ってHMHDPEに対しては有極性で炭化水素系樹脂でない樹脂が配合されることが多い。この様な樹脂の代表としてポリアミド樹脂を考えてみる。
【0023】HMHDPE樹脂の欠点は、成形品の表面平滑性が悪く、耐摩耗性及び自己潤滑性に乏しいことである。一方ポリアミド樹脂は、価格は高いが表面平滑性が良好で、表面硬度も高く、また耐摩耗性及び自己潤滑性に富んでおり、しかも耐熱性が高い。従ってHMHDPEとポリアミド樹脂は欠点を互いに相補う関係にある。
【0024】自動車用燃料タンクとして生産され、ポリアミド樹脂を一つの層として含む多層ブロー成形品の廃材は、丁度このHMHDPEにポリアミド樹脂を3〜10重量%程度含む配合になっている。
【0025】ポリアミド樹脂には、一般に加水分解性があることが知られているが、成形品になった場合にはさほどではなく、逆に漁網自体の材料の大半がポリアミド樹脂の繊維(通称ナイロン繊維)であることからもわかる通り塩水に対しては強い樹脂である。
【0026】そこでポリアミド樹脂を一つの層として含む自動車用燃料タンクの多層ブロー成形品の廃材は、HMHDPEの欠点である表面平滑性の悪さ、耐摩耗性、自己潤滑性に乏しい欠点を、ポリアミド樹脂がその表面平滑性が良好で、耐摩耗性及び自己潤滑性に富む性質で補った成形材料である。
【0027】この成形材料でブロー成形した成形品の用途としては、前記の牡蛎、帆立貝用等の養殖用の筏のフロートが挙げられる。この成形品で、製作したフロートは、HMHDPE樹脂単味の場合の表面平滑性の悪さ、耐摩耗性及び自己潤滑性の低さが補われて、従来のフロートの不具合であった擦れて削られて薄くなり潰れてしまうという問題が解決した。またポリアミド樹脂が混入したということが原因で塩水に対して弱くなるという問題は発生しない。
【0028】ポリアミド樹脂の価格は一般的にHMHDPE樹脂より高価である。そのために、いかに性能に優れる樹脂であろうとポリアミド樹脂だけでフロートを生産する事はコスト高になって経済性に合わない。またHMHDPE樹脂に混入するポリアミド樹脂の比率をむやみに増やす事も同じ理由で不可である。本発明によるポリアミド樹脂の混入比率が3〜10%というのは、フロートの表面平滑性を良くし耐摩耗性及び自己潤滑性を高めることで従来発生していた不具合をなくすという技術的要請に応え、しかも製品価格をほとんど上げることなく生産できるという経済的要求をも満たすという二律背反する課題を同時に解決できる最適比率範囲である。
【0029】自動車用燃料タンクとして生産されている多層ブロー成形品は、一般に3種5層の構成で、使用されている樹脂は外層及び内層が高分子量高密度ポリエチレン樹脂(HMHDPE)で、これに対し重量比で、全体の約5%のポリアミド樹脂(PA)がガソリンのバリヤー層として中間層に存在し、外層と中間層の間及び内層と中間層の間にトータルで重量比約2〜3%の接着性樹脂の層が付加されている。
【0030】従って、この自動車用燃料タンクの廃材はまさにそれそのものが本発明の目指すフロート用の原料樹脂に適合している。若干量混在している接着性樹脂はその量が少ないがゆえに成形品であるフロートの物性に影響を及ぼすことはない。すなわち、本発明では自動車用燃料タンクの廃材の再生樹脂をそのまま使用することにより物性的にも全く劣ることのないフロートを極めて廉価な価格で生産する事ができた。ただし、廃材の再生樹脂を70重量%以上使用する限り、再生樹脂でない新しい樹脂や添加剤を配合しても差支えない。(70重量%未満使用して、残りをタルク又はタルク+ポリプロピレンとした場合の図14参照。)
【0031】図1に従って本発明の形状を以下に説明する。円筒状フロートでは水中に沈んだ時に受ける水圧により両端が大きく変形するため、この変形を最小とするために両端の形状を球面を含む曲面とした。この球面の半径は円筒の半径と同じ場合には最も水圧による変形が小さくなるが、フロートの作業性や意匠等のため、球面の半径は円筒の半径以上とした。
【0032】また球面の半径が円筒の半径の3倍以上大きい場合には、球面の丸みが小さくなって来るため圧力に対して極端に弱くなり、図2に示す様に球面を有さない円筒のみで構成されるフロートの場合と同様に水圧により両端が大きく変形する。従って球面の半径Rを円筒の半径rを用いr≦R≦3rとすることにより、変形を抑制することが出来る。
【0033】また球面の半径が円筒の半径より大きくなった場合にはフロートの球面と円筒部分の繋目に角が出来、ブロー成形法でこの様な形状に成形すると角の部分が肉薄になる可能性がある為、両端の球面を含む曲面部分(円筒部分以外)と胴体の円筒部分とは滑らかにつながることが望ましい。従って、球面は両端の曲面の一部となるが、図3に示される様に、球面の大きさは曲面部分(円筒部分以外)の面積の50%以上あれば水圧による変形を抑えるのに十分である。
【0034】養殖筏にフロートを取り付ける際には、筏を構成する柱に対して平行にフロートを接触させて固定する場合が多い。この状態でフロートが水中に沈んだ場合には、フロートに発生する浮力に対抗してフロートと接触しているフロートと平行な柱から力を受ける。このとき、フロートの胴体の両端に近い部分が最も変形が大きくなる。本発明においては変形を小さくするために、最も変形が大きくなる胴体の両端に近い部分に円周に沿った溝構造を設けた。図4、図5に示す様に溝の深さdはフロートの平均肉厚をtとしてt≦d≦10tとし、溝の幅wはw≦3dとすることにより筏からの荷重によるフロートの変形を最小限に抑えることが可能となる。
【0035】また、溝の位置は円筒と球面を含む曲面の境から離れすぎるとその効果は小さくなることから、曲面と円筒の境から溝の中心までの距離Lを円筒の半径をrとして0≦L≦r/5の範囲とすることにより有効な溝の補強効果を保つことが図6の実験結果から明らかになった。
【0036】溝の個数は上記の条件を満足すれば図7に示す様に1個以上あれば良い。尚、溝の替わりに同じ深さdで肉厚2tのリブで代用することも可能である。また、意匠上やロープ架けの目標等の目的で上記範囲以外に溝やリブを付けてもかまわない。
【0037】図2〜図7の基準データは、球面のRは、1.25rであり、球面の面積は両側の閉じられた曲面(円筒部分以外)の80%、溝については、肉厚t=5mmで溝深さd=3tで、溝の幅w=2.7d、曲面と円筒の境から溝の中心までの距離L=0rでそれぞれの条件を変更したものである。
【0038】
【作用】これまでに存在したフロートでは発泡成形品であれ、射出成形品であれ、ブロー成形品であれ、軽量で高剛性、長寿命、低コストの全ての条件を満足するフロートは、存在しなかった。本発明では、自動車用燃料タンクの廃材の再生樹脂をそのまま使用し、円筒形の両端を円筒の半径の1倍以上3倍以下の半径の球面を円筒部分以外の部分の面積の50%以上含む曲面で閉じられた形状により水圧によって大きく変形したり、壊れたりしない様にした。これに加え、円筒部分に両端の曲面との接合部から円筒の半径の1/5以内の所に深さが肉厚の1倍以上10倍以下で幅が深さの3倍以下の円周にそった溝を円筒部分の両端に1個以上設けることにより筏による荷重と浮力に対して剛性の向上を図り、大きく変形したり、壊れたりしない様にした。これらの構造を持つフロートをブロー成形により作った。
【0039】これにより、剛性を大幅に向上でき、一体成形に加え、上記の構造のため高剛性のための肉厚を薄く出来て、軽量化出来、低コスト化が図れ、更に作業性にも優れる。又、寿命についても変形が小さくなる様にしたため、応力が分散して架かるので、長寿命になる。又、発泡成形品の様な屑も発生せず環境的にもクリーンである。これに加え、細かな発泡品の凹凸のある発泡成形品より貝等の付着は少なく、貝落とし作業も少なくなる。
【0040】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。
(実施例1)図8は、円筒部分両端に本発明に基づく溝と半球で閉じられた曲面を有するブロー成形によるフロートの実施例である。この時、球面のRは1.25rであり、球面の面積は、両側の閉じられた曲面(円筒部分以外)の80%であった。尚、中心部分の3本の溝はロープ架けの目標として取り付けたもので剛性上は無くても良い。
【0041】溝については、肉厚t=5mmで溝深さd=3tで、溝の幅w=2.7d、曲面と円筒の境から溝の中心までの距離L=0rであった。この実施例では、同一強度の従来の射出成形品が27Kg、ブロー成形品が25Kgであったものを15Kgまで軽量化出来た。また、本実施例では、従来品の発泡成形品やブロー成形品の寿命が2〜3年程度、射出成形品で5〜6年程度であったものが10年と2〜3倍に延ばすことが出来た。尚、この10年間屑等の発生もなかった。
【0042】(実施例2)図9は図8の溝の深さdを3tから8tに変更したものであり、図4に示した様な剛性の上昇(変位が小さくなる)があった実施例である。
【0043】(実施例3)図10は図8の溝の剛性に関係ない本発明の曲面と円筒の境から溝の中心までの距離Lの範囲外の溝(ロープ架けの目標溝)を省略したもので、曲面と円筒の境から溝の中心までの距離Lを0rから0.17rに変更したもので、図6に示される様に図10の製品の剛性は図8の製品の剛性より、低下した(変位が大きくなる)が、寿命等の性能は、図8の製品と大差はなかった。
【0044】(実施例4)図11は図8の球面の半径Rを2rにし、溝の剛性に関係ない本発明の曲面と円筒の境から溝の中心までの距離Lの範囲外の溝(ロープ架けの目標等)の位置を変更したもので、図2に従って、図8の製品に比べ図11の製品の剛性は低下していた(変位が大きくなる)が、寿命等の性能は、図8の製品と大差はなかった実施例である。
【0045】(実施例5)図12は図8の溝の剛性に関係ない本発明の曲面と円筒の境から溝の中心までの距離Lの範囲外の溝(ロープ架けの目標等)の位置を本発明の範囲内で変更したものであるが、図7に示される様に溝は、片側に1個以上あれば剛性に関係しないので剛性は図12の製品と図8の製品と差がなかった実施例である。
【0046】(実施例6)図13に本発明の牡蛎養殖用筏用フロートの斜視図が示されている。
■原料は100%自動車用燃料タンクの廃材を再生した樹脂である。
■形状は両端が略半球状をした中空円筒状である。
■寸法は長さが1250mm、直径が700mmで、平均肉厚5mmである。原料自体の比重がほぼ1g/cm3であるので、製品としてのNET重量は約15kgで、最大浮力は約400kgである。
■強度は水深5mの水圧に耐えるよう計算されている。
■製品の胴体部分に円周状に設けられている3本の溝は、両端の2本が剛性を向上するための溝であり、真中の1本が本フロートを筏に縛り付けて固定するためのロープをかけるためのものである。
【0047】(実施例7)ガソリンタンク再生材の重量割合を変えて、図13に示された実施例の形状の成形品を5年間使用した結果を図14に示す。図に示される様に再生材の重量割合が70%以下になると割れや破れが発生し、フロートが使用できなくなる割合、即ち不良率が急激に上昇する。このことから、再生材の重量割合は、70%以上が望ましい。なお、図14の●は、タルクのみを混ぜた場合で、□は、タルクとPPを2対1の重量比で混ぜた場合であり、ほぼ同様に再生材の重量割合が70%以下になると不良率が急激に上昇する。例えば、ガソリンタンク再生材の割合(wt%)が65%となった場合残りの35wt%をタルク(●印)とした場合、不良率が1.5%、3%、5.5%の場合があり、タルク+ポリプロピレン(PP)とした場合、不良率が0.5%と2.5%の場合があったことを示す。
【0048】
【発明の効果】ポリアミド樹脂を一つの層として含むHMHDPEを主成分とする自動車用燃料タンクの多層吹込成形品の廃材は丁度ポリアミド樹脂を3〜10重量%含み、HMHDPE樹脂の表面平滑性、耐摩耗性及び自己潤滑性の低いことが、補われて、表面平滑性、耐摩耗性及び自己潤滑性に優れた成形品を作ることができた。特に貝類の養殖用筏のフロートとして用いると最適である。これにより生産コストを著しく軽減することができると共に、これまで再利用の困難であった自動車用燃料タンクの廃材の有効利用を可能にした。これはプラスチック廃棄物による地球環境汚染を防止することにも貢献するもので一石二鳥の効果をもたらす。
【0049】円筒部分と球面を含む曲面構造により水圧に対し高剛性となり、溝構造により浮力と筏等の荷重に対して高剛性となるフロートをブロー成形により作れるため、従来品に比べて、高剛性で一体成形のため肉厚を薄く出来軽量化出来、低コスト化が図れ、更に作業性にも優れる。又、寿命についても変形が小さくなる様にしたため、応力が分散して架かるので、長寿命となる。又、発泡成形品の様な屑も発生せず環境的にもクリーンである。これに加え、細かな発泡品の凹凸のある発泡成形品より貝等の付着は少なく、貝落とし作業も少なくできる。




 

 


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