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発明の名称 鋼板の溶接方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−47107(P2001−47107A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−227443
出願日 平成11年8月11日(1999.8.11)
代理人 【識別番号】100094972
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
【テーマコード(参考)】
4E001
4E068
4E081
【Fターム(参考)】
4E001 AA03 CA01 EA03 EA10 PA02 PA03 
4E068 BD00 CA08 CA15 CE02 DA14 DB01
4E081 AA02 BA02 BA34 DA71 DA72 FA08 YX09 YX17 YX20
発明者 松尾 慎二 / 前田 勝宏 / 麻生 洋祐
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 レーザーまたはアーク溶接により鋼板を接合するに際し、溶接開始初期にレーザーまたはアークによって鋼板溶融部分が下面にまで達し、鋼板を貫通することがないよう初期の溶接速度を定常時の溶接速度より高速としたことを特徴とする鋼板の溶接方法。
【請求項2】 前記鋼板を接合するに際し、高速にすべき溶接速度の区間長さを溶接開始位置から溶接機移動方向に5〜50mmの距離としたことを特徴とする請求項1記載の鋼板の溶接方法。
【請求項3】 前記鋼板を接合するに際し、高速にすべき溶接速度を定常時の溶接速度の1.2倍以上5.0倍までとしたことを特徴とする請求項1または2記載の鋼板の溶接方法。
【請求項4】 前記鋼板を接合するに際し、溶接速度を高速にするためにレーザーまたはアーク照射角度を大きくなるように傾動し、レーザーまたはアークを溶接進行方向に向けて急速に移動することを特徴とする請求項1または2記載の鋼板の溶接方法。
【請求項5】 前記鋼板が熱間粗圧延の高温スラブであることを特徴とする請求項1ないし4記載の鋼板の溶接方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板、例えば熱間圧延分野において、熱間粗圧延後のスラブ(以下、粗バーと称す)を複数本をつなぎ合わせて、仕上げの熱間連続圧延を破断なく連続的に行うための熱間粗バーの接合方法に係り、特に粗バー接合幅エッジ部の溶接法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱延ラインでは、スラブを1本ずつ加熱−粗圧延−仕上げ圧延を行っていたが、この方法では、圧延される材料の先端・後端部分の熱延時の温度制御や冷却制御が困難なため、材質不良や疵発生を起こし易く、歩留りの低下を招いていた。そこで近年では、この問題の解決のため、仕上げ連続圧延の前で、粗バーを接合し、数本から数十本をまとめて仕上げ圧延を行う方式が採用されるようになってきた。
【0003】このための粗バーの接合方法としては、各種の提案がなされており、例えば、特開平4−288906号公報、特開平5−104107号公報では両端部を接触させ、断面は幅両端部より幅中央部が厚くなるバー端面形状を圧延する方法を提案している。特公平5−62035号公報では、長手方向で先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を重ね合わせて切断するため、厚み方向で全面接触する方法を提案している。また、特公平4−6441号公報では端面をプレスによって薄くすることで、接合厚を減らす試みがなされている。
【0004】このような接合手段としてレーザーまたはアーク溶接接合法があり、例えば、本発明者らが先に出願している特開平9−295011号公報、特開平9−314366号公報にレーザー溶接法が開示されており、現在粗バーの接合法として用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】粗バーの接合において重要な点は、接合部分が仕上げ圧延から巻き取られるまでの間で破断を起こさないことである。ここではスタンド間、コイラーまでの間で張力が設定されるため、接合部は圧延を繰り返しながらも張力以上の接合部強度を確保する必要がある。このため、粗バーの端面幅全長にわたって接合する必要上、粗バーのレーザー溶接においては、エッジ部から溶接をスタートさせ、溶接厚みを確保するために所定の溶接速度でレーザーを照射していた。
【0006】しかし、レーザー溶接の場合では、溶接開始の初期において貫通力が大きいこと、さらに、粗バーも1100℃程度の高温であるため、溶接開始初期のレーザー照射部分の溶融深さが局部的に深くなり、粗バーのエッジ部で粗バーの下面までレーザーの照射が行われ、その部分の溶融が進行し、板厚を貫通するような事態を生ずることがある。
【0007】このような状態になると溶融した金属は、粗バー下面の貫通孔から下方へ落下する現象が発生し、溶接の進行と共に溶融した金属が、前記貫通孔を通り流出する金属の溶け落ち状態が継続する。このような事態が生じると金属の溶け落ちによりその部分には、金属の存在しない空隙部分が残留する結果、粗バー同士の接合がその部分においては行われない状態となる。
【0008】このような状態の1例を図1に示した。レーザー溶接に当たっては、粗バー1の端部2から適宜離れた位置からレーザー5の照射を開始する。開始初期においてはレーザー貫通力が過大となり、レーザー照射部分の金属を瞬時にして溶解し、特に粗バー厚が薄い場合には全板厚部分の金属を溶解するため、レーザー光が粗バー厚を貫通し、貫通孔3を形成しその貫通部分から溶融した金属が流れ出し、溶接の進行と共に溶接により溶融した他の金属もその部分から流出することになり、適当の距離まで溶接(溶解)が進めば、溶融金属の流動性と金属の凝固速度との関係で金属の流出は停止するが、金属の流出した部分は空隙4となって粗バーに残存することになる。なお図中6は凝固金属(接合部)を示す。
【0009】このため粗バー1の端部においては、必要な溶接部を確保できずに、仕上げスタンド間で未溶接部分の存在が原因となり、溶接部が破断または耳割れするトラブルが発生することがあった。
【0010】このような溶融金属の溶け落ちを防止するため、溶接開始の粗バーエッジ部ではレーザーの照射力を最初は少なく、徐々にその照射力を増していくスローイン方式を採用し、また溶接終了の粗バーエッジ部ではエッジに行くに従い照射力を低下させるスローダウン方式を採用してその対策を講じていた。この結果、エッジ部からの溶融金属の流れ落ちるのを防止することはできたが、エッジ部での溶接厚み(破断防止のための所定値)が確保できず、溶接厚み不足のため仕上圧延時に接合部が破断すると言った障害の発生をみることがあり、その解決方法が強く要望されていた。
【0011】本発明は上記の問題を解決し、粗バー幅エッジ部の溶接接合する際、該エッジ部からの溶融金属の溶け落ちを防止する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その手段は、下記の通りである。
(1) レーザーまたはアーク溶接により鋼板を接合するに際し、溶接開始初期にレーザーまたはアークによって鋼板溶融部分が下面にまで達し、鋼板を貫通することがないよう初期の溶接速度を定常時の溶接速度より高速とした鋼板の溶接方法。
(2) 前記鋼板を接合するに際し、高速にすべき溶接速度の区間長さを溶接開始位置から溶接機移動方向に5〜50mmの距離とした(1)記載の鋼板の溶接方法。
【0013】(3) 前記鋼板を接合するに際し、高速にすべき溶接速度を定常時の溶接速度の1.2倍以上5.0倍までとした(1)または(2)記載の鋼板の溶接方法。
(4) 前記鋼板を接合するに際し、溶接速度を高速にするためにレーザーまたはアーク照射角度を大きくなるように傾動し、レーザーまたはアークを溶接進行方向に向けて急速に移動する(1)または(2)記載の鋼板の溶接方法。
(5) 前記鋼板が熱間粗圧延の高温スラブである(1)ないし(4)記載の鋼板の溶接方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは先に述べた如き問題点の有しないレーザー溶接方法について、鋭意検討を重ね種々の実験を行い、試行錯誤の結果、新規な方法として、本発明のごとき最適な溶接方法の開発をみるに至った。レーザー溶接は、溶接トーチをある溶接速度で横行させながら、レーザー発振器側のシャッターを開き、レーザーをトーチまで伝送してから接合を開始する。
【0015】本発明者らはレーザー照射開始以降の溶融深さを詳細に調査した結果、レーザー照射開始位置で溶融深さが一時的に深くなり、それ以降は安定的な溶融深さが得られることを見出した。そこで溶け落ちを防止するためには、この一時的な溶融深さの増加を防止する必要があり、その対策としてレーザー照射開始直後に接合速度を早めることに思い至った。
【0016】本発明者らはレーザー開始時の接合速度及びその距離を変化させて、溶融深さの影響を調査した。その結果、溶接開始位置から接合速度を速くする距離(L)を5〜50mm確保する必要性があることを確認した。すなわち、図2に示すように、溶接開始位置から接合速度を速くする距離(L)が適切な値であれば、前記したような溶接初期のレーザー貫通力が過大となり、粗バーを貫通するようなことはなく、溶融金属の流れ落ちるのを防止することができ、溶融した金属は逐次凝固し、接合金属の役割を充分果たし接合部を強化する。
【0017】ここで、上記したLの値が5mm未満であると接合速度を早くする意味合いがなく、前記した溶融深さが深くなる現象を防止できず、貫通孔の発生を完全に阻止することができない。また、Lが50mmを超えるとその長さが長くなり過ぎるため、この部分での金属溶融量を減少し、所定板厚の50%程度の接合深さが得られなく接合強度を弱める惧れがあり、圧延時の接合部強度が不足する。
【0018】さらに、上記したLの距離範囲内での接合速度は、上記距離以降の定常時の接合速度の1.2〜5.0倍程度が最適であることを突き止めた。上記接合速度が1.2未満であると接合速度を速くする意味合いがなく、接合速度を早くする距離(L)と同様、前記した溶融深さを深くする現象を防止できず、貫通孔の発生を完全に阻止することはできない。また、接合速度が5.0を超えるとその速さが早くなり過ぎ、レーザー照射開始初期部分の金属溶融量を減少し、接合強度を弱める惧れがあり、この部分での金属溶融量を減少し、所定の接合深さが得られなく接合強度を弱める惧れがあり、圧延時の接合部強度不足が生ずる。このような知見を得るために調査した結果を表1に示す。
【0019】
【表1】

【0020】なお、表1に示した記号の意味は、図3に対応させてそのときの状態をしめしたが、×印はレーザー照射開始初期の改善効果がなく、レーザー照射力が過大で粗バーを貫通したことを表す(図3a)。○印はレーザー照射開始初期の改善効果が発揮され、適切な金属の溶融状態を得ることができたもので、エッジ部の接合強度が確保できたことを表す(図3b)。●印はレーザー照射開始初期の接合速度を早くする距離の長さが長過ぎ、金属を溶融する量が不足したため、エッジ部の接合強度を確保できなかったことを表す(図3c)。
【0021】初期の溶接速度を早める方法としてレーザー照射角度を傾動する方法も考えられる。溶接機の進行速度は定常溶接時のままとし、溶接初期のみ照射角度を直下への照射から溶接進行方向に向けて急速に傾動するもので、その角度は前述のLの長さを確保できる程度であればよい。この方法であれば溶接機の進行速度を一定にでき、溶接操作上簡単に行える利点を有する。
【0022】
【実施例】以下本発明における実施例について説明する。40mmの板厚を有する粗バーをレーザー溶接するに際して、定常3m/minの溶接速度で溶接機の走行速度を設定していたが、粗バーエッジ部から10mmの位置から、初期のレーザー照射を板幅進行方向で30mm(L)までを6m/minの速度で高速溶接を行った。これらの溶接を30本行ったが、何れも仕上げ圧延スタンドを通り破断することはなかった。
【0023】従来方法としてこれと同様の板厚を有し、同様の溶接状態でレーザー照射を行い、初期速度を変えることなく溶接を行ったところ30本中8本が溶接不良(破断)を発生し、圧延トラブルを起こし、その処理に多くの時間を要し、生産性を低下させた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、粗バーのエッジ部の接合時に問題となっていた溶融金属の溶け落ちが解決され、粗バーを確実に接合することができ、接合部の破断がなく完全連続圧延が可能となり、熱延鋼板の製造における有利性を確保でき、その経済的効果は大きく産業上有用な発明である。




 

 


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