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発明の名称 土壌浄化剤及び土壌浄化方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−38341(P2001−38341A)
公開日 平成13年2月13日(2001.2.13)
出願番号 特願平11−215402
出願日 平成11年7月29日(1999.7.29)
代理人 【識別番号】100061712
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2E191
4D004
【Fターム(参考)】
2E191 BA12 BB01 BC01 BC05 BD11 
4D004 AA41 AB06 AC07 CA34 CA37 CC11 CC15 DA03 DA20
発明者 前田 照信 / 木村 康典 / 井川 順司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び親水性バインダーを含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤。
【請求項2】 該鉄微粒子の平均粒径が1〜500μmの範囲にある請求項1に記載の土壌浄化剤。
【請求項3】 該水性懸濁液が、さらに金属ハロゲン化物を含有している請求項1又は2に記載の土壌浄化剤。
【請求項4】 該水性懸濁液が、さらに還元剤として金属硫酸塩を含有している請求項1〜3のいずれかに記載の土壌浄化剤。
【請求項5】 該水性懸濁液が、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有している請求項1〜4のいずれかに記載の土壌浄化剤。
【請求項6】 該鉄微粒子が、親水性バインダーで被覆されている請求項1〜5のいずれかに記載の土壌浄化剤。
【請求項7】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び金属ハロゲン化物を含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤。
【請求項8】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、表面が親水性バインダーで被覆された鉄微粒子からなる粉末状土壌浄化剤。
【請求項9】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び親水性バインダーからなるペレット状土壌浄化剤。
【請求項10】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、表面が生分解性ポリマーで被覆された鉄微粒子からなる粉末状土壌浄化剤。
【請求項11】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び生分解性ポリマーからなるペレット状土壌浄化剤。
【請求項12】 請求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化剤又は請求項8〜11のいずれかに記載の土壌浄化剤の水性懸濁液を、有機ハロゲン化物で汚染された土壌に浸透させることからなる汚染土壌から有機ハロゲン化物を除去する方法。
【請求項13】 該土壌浄化剤の注入を、土壌浄化剤を土壌表面の略全面に散布することにより行う請求項12に記載の方法。
【請求項14】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌中に、請求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化剤又は請求項8〜11のいずれかに記載の土壌浄化剤の水性懸濁液を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる汚染土壌から有機ハロゲン化物を除去する方法。
【請求項15】 有機ハロゲン化物で汚染された土壌の表面を、更にシートで覆う請求項12又は14に記載の汚染土壌から有機ハロゲン化物を除去する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化物により汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤、及び有機ハロゲン化物により汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械類の油類除去等の工業的な洗浄には、これまでトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物が大量に使用されてきた。環境汚染の観点から、最近ではこのような有機ハロゲン化物の使用が規制されるようになってきている。しかしながら、既に多量の有機ハロゲン化物が使用されており、このためその土壌汚染あるいは水質汚染も進んでいる。即ち、トリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物は、安定で微生物に分解され難く、自然環境に投棄された有機ハロゲン化物は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。
【0003】このような有機ハロゲン化物等の揮発性の有機化合物で汚染された土壌を浄化する方法としては、土壌ガス吸引法、地下水揚水法、土壌掘削法等が知られている。土壌ガス吸引法は、不飽和帯に存在する対象物質を強制的に吸引するものであり、ボーリングにより地盤中に吸引用井戸を設置し、真空ポンプによって吸引用井戸内を減圧にし、気化した有機化合物を吸引井戸内に集め、地下に導いて土壌ガス中の有機化合物を活性炭に吸着させるなどの方法によって処理するものである。上記有機化合物による汚染が帯水層にまで及んでいる場合には、吸引用井戸内に水中ポンプを設置し、土壌ガスと同時に揚水して処理する方法が採用される。
【0004】地下揚水法は、土壌中に揚水井戸を設置し、汚染地下水を揚水して処理する方法である。さらに、土壌掘削法は、汚染土壌を掘削し、掘削した土壌を風力乾燥、加熱処理を施して有機化合物の除去回収を行う方法である。
【0005】上記のような集められた汚染水、あるいは地下水等の汚染水を浄化する方法としては、例えば特許公報第2636171号に、汚染水中の溶存酸素を除去した後、汚染水を鉄等の金属表面に接触させ、汚染水中に含まれる有機ハロゲン化物を還元除去する方法が開示されている。溶存酸素の除去は、酸素により鉄表面が酸化され、不働態化するのを防止するためで、不働態化すると鉄の還元作用が低下する。このような鉄の還元作用を利用した汚染水の浄化方法は、特開平3−106496号公報、特開平3−30895号公報、特表平6−501521号公報、特開平8−257570号公報、特開平10−263522号公報等にも記載されている。これらの方法はいずれも汚染水を、鉄を含む層、フィルター等の一定部分を通過させて処理を行う方法である。
【0006】しかしながら、これらの方法は、土壌を直接浄化する方法ではなく、上記土壌ガス吸引法、地下水揚水法等により集められた汚染水、あるいは河川、地下水等の汚染水を浄化する方法であり、対象は極めて大量であり、処理は長期間を要する場合が多い。また処理工程が複雑となる場合が多いのも欠点である。このため、汚染源である土壌を直接簡便に浄化する方法が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌から、直接、効率よくこの有機ハロゲン化物を除去する土壌浄化方法、及びこの方法に有利に利用することができる土壌浄化剤を提供することにある。
【0008】従来の有機ハロゲン化物で汚染された土壌を浄化する方法は、汚染土壌から汚染水を集め、これを浄化処理するか、土壌そのものを集め浄化処理するものであり、汚染土壌自体を直接、簡便に浄化する方法ではない。
【0009】本発明者等は、有機ハロゲン化物を還元分解する作用を示す鉄に注目し、これを利用して、上記簡便な浄化方法を開発するため研究を重ねてきた。その研究の中から、鉄を微粒化することにより、土壌内への鉄の浸透を図ると共に、微粒化することに伴う鉄表面の不働態化を防止するため、鉄微粒子表面を親水性バインダーで覆って空気中の酸素と接触を抑制することにより、あるいは不働態化した部分を破壊するNaCl等のハロゲン化物を共存させることにより鉄表面の活性を維持することにより、長期に亘って鉄の有機ハロゲン化物の還元分解作用を保持することが可能となる方法を見出し、本発明に到達したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び親水性バインダーを含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤によって達成することができる。この土壌浄化剤は、親水性バインダーが、鉄微粒子の表面にかなり付着しており、汚染土壌に浄化剤を付与した際、酸素との接触が低減され、鉄微粒子の酸化が抑制されるため、鉄微粒子による有機ハロゲン化物の還元作用を長期間発揮することができる。
【0011】上記鉄微粒子の平均粒径は1〜500μmの範囲にあることが好ましく、上記水性懸濁液が、さらに金属ハロゲン化物を含有していることが好ましく、また上記水性懸濁液が、還元剤として金属硫酸塩(特に硫酸第一鉄)を含有することが好ましい。上記水性懸濁液が、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。また、上記鉄微粒子が、親水性バインダーで被覆されていることが好ましい。
【0012】また、前記目的は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、鉄微粒子及び金属ハロゲン化物を含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤によっても達成される。この土壌浄化剤では、不働態化した部分を破壊するNaCl等の金属ハロゲン化物を共存させることにより鉄表面の活性を維持することにより、長期に亘って鉄の有機ハロゲン化物の還元分解作用を保持することができる。
【0013】前記目的は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤であって、表面が親水性バインダーで被覆された鉄微粒子からなる粉末状土壌浄化剤、あるいは、鉄微粒子及び親水性バインダーからなるペレット状土壌浄化剤によっても達成することができる。一般にこれらの浄化剤は水に分散あるいは懸濁させて使用される。これらの浄化剤は、鉄粒子の表面がほぼ完全に覆われており、保存中に空気中の酸素で酸化されることがほとんどない。また汚染土壌に付与した際、酸素との接触がほぼ完全に防止され、鉄微粒子表面の酸化が大きく抑制されるため鉄微粒子による有機ハロゲン化物の還元作用を極めて長期間発揮することができる。
【0014】上記親水性バインダーの代わりに生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。
【0015】また、前記目的は、上記いずれかの土壌浄化剤を、有機ハロゲン化物で汚染された土壌に浸透させることからなる汚染土壌から有機ハロゲン化物を除去する方法により達成することができる。好ましくは、土壌浄化剤の浸透を、土壌浄化剤を土壌表面の略全面に散布することにより行う方法;有機ハロゲン化物で汚染された土壌に、上記の土壌浄化剤を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる方法を挙げることができる。このような浄化方法において、有機ハロゲン化物で汚染された土壌の表面を、更にシートで覆うこともできる(一般に、シートの覆いは浄化剤注入後に設置される)。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の、有機ハロゲン化物で汚染された土壌から有機ハロゲン化物を除去するための土壌浄化剤は、鉄微粒子、及び鉄微粒子表面の酸化を阻害する成分として親水性バインダー、金属ハロゲン化物を含有する基本構成を有する。
【0017】本発明の浄化の対象となる汚染源は有機ハロゲン化物であり、例えば1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロジフルオロエタン等を挙げることができる。これらの有機ハロゲン化物は、前述したように鉄の還元作用により、ハロゲンを失って対応する炭化水素となり、土壌より除去されると考えられる。有機ハロゲン化物としては、有機塩化物(有機塩素置換化合物)に特に有効である。
【0018】本発明では土壌浄化剤を、直接汚染土壌に付与できるように、即ち付与後土壌内に浸透できるように鉄粉としては微粒子のものを使用する。鉄微粒子の平均粒径が1〜500μmの範囲が一般的で、1〜200μmの範囲が好ましく、更に1〜50μmの範囲特に1〜15μmの範囲が好ましい。
【0019】また、鉄以外の金属であっても、上記還元作用を有する金属であるMn、Mg、Zn、Al、Ti等は併用することができる。
【0020】微粒子の鉄粉は、表面積が大きく表面に酸化(不働態化)され易いため、本発明ではこれを防止するため親水性バインダー及び/又は金属ハロゲン化物が併用される。
【0021】金属ハロゲン化物は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。金属ハロゲン化物は、鉄の水酸化物、酸化物を金属鉄に還元する働きがある。その使用量は、鉄微粒子に対して10〜200重量%が一般的で、10〜50重量%が好ましい。
【0022】親水性バインダーは、鉄微粒子の表面を覆い、有機ハロゲン化物を還元作用を示すまでに酸化されないように保護する機能を有する。親水性バインダーの例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸;プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルラン(水溶液にした際の粘度が低く特に好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAが好ましい。親水性バインダーとして生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。その使用量は、鉄微粒子に対して10〜200重量%が一般的で、10〜200重量%が好ましい。
【0023】本発明の土壌浄化剤の一態様は、上記鉄微粒子と、金属ハロゲン化物又は水溶性ポリマー、又は金属ハロゲン化物及び親水性バインダーとを水中に懸濁、あるいは分散させて得られるものである。必要により分散時に界面活性剤を使用することもできる。しかしながら、下記の表面が親水性バインダーで被覆された鉄微粒子からなる粉末状土壌浄化剤、あるいは、鉄微粒子及び親水性バインダーからなるペレット状土壌浄化剤も本発明の土壌浄化剤である。これらは土壌の直接処理でなくとも、固定させて汚染水の浄化処理にも使用できる。上記親水性バインダーの代わりに生分解性ポリマー(例、生分解性ポリカプロラクトン)を用いると二次的な環境汚染に対して特に有効であり、これも本発明の土壌浄化剤である。
【0024】粉末状土壌浄化剤は、親水性バインダー及び鉄微粒子を含む水性懸濁液あるいは分散液をスプレードライあるいはフリーズドライ法等の通常粉末化に使用される方法により粉末化することにより得られる。フリーズドライの場合は通常更に粉砕する必要がある。ペレット状土壌浄化剤は、親水性バインダー及び鉄微粒子を溶融混合し、溶融状態のままスプレーノズルから射出成形することにより得ることができる。
【0025】上記水性懸濁液、粉末状、あるいはペレット状の土壌浄化剤は、さらに還元剤として金属硫酸塩(特に硫酸第一鉄)を含有することが好ましい。これは空気中の酸素と反応するため、金属鉄微粒子の表面の酸化を防ぐことができる。
【0026】上記水性懸濁液等は、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。これらの例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。本発明の土壌浄化剤は微粒子の鉄を使用しているため、土壌内の土壌粒子の間隙に注入することが可能である。しかしながら、微粒子にすることにより地下水等に溶出する可能性も高くなることから、本発明では上記炭酸塩を用いて、溶出した鉄イオンを固定し、これを防止することが好ましい。
【0027】本発明の水性懸濁液の土壌浄化剤は、前述のように、上記鉄微粒子と、水溶性ポリマー、金属ハロゲン化物又は又は金属ハロゲン化物及び親水性バインダーとを水中に懸濁、あるいは分散させて得られるものである。その際分散に用いる水としては、鉄の酸化を極力抑制する観点から、還元性電解水(pH=7〜12が好ましい)を用いることが好ましい。分散剤として、ナフタレンスルホン酸系等の界面活性剤を使用しても良い。分散剤の使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜10重量%が一般的で、0.1〜5重量%が好ましい。また酸化防止剤として有機酸(例、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸)を使用しても良い。酸化防止剤の使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜10重量%が一般的で、0.1〜3重量%が好ましい。
【0028】土壌浄化剤を用いる本発明の汚染土壌の浄化方法は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌(地盤)に上記土壌浄化剤を浸透するように付与することにより行われる。好ましくは、土壌浄化剤の浸透を、土壌浄化剤を散布することにより行う方法(1);あるいは有機ハロゲン化物で汚染された土壌に、上記の土壌浄化剤を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる方法(2)を挙げることができる。
【0029】上記方法(2)は、例えば下記のように行うことができる。
【0030】有機ハロゲン化物で汚染されたの表面にボーリングにより土壌浄化剤を供給するための注入管を設ける。注入管は必要により間隔を隔てて複数設けることができる。土壌浄化剤を供給用注入管に注入する。これにより、汚染土壌内に親水性バインダーで表面が保護された鉄微粒子等が浸透し、有機ハロゲン化物と徐々に接触し、有機ハロゲン化物を分解除去する。注入管で注入する前に、注入管から地下水を排出し、その後土壌浄化剤を注入しても良い。注入液が土壌表面からあふれ出ないように土壌表面に不透水性シート(例、ベントナイトシート)で覆っても良い。あるいは土壌内にシートを埋め込んでも良い。
【0031】上記浄化方法を例えば下記のように行うことも好ましい。即ち、図1に示すように、汚染土壌の周囲を、地下の不透水性地盤11に至る不通気層12で遮断し、その内側の土壌中に注入管9、必要により通気性柱状部2及び水平通気層4を設置し、これらの上に不通気性のシート6(例、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の高分子からなるシート)で覆い、その周縁部を不通気層の外側で糊材を混入させた埋め戻し土砂からなる不透気層7によって遮断する。上記水平通気層4内には、通気性材3を透過しない大きさの孔の多数からなる多孔管である吸気管5が埋設されている。
【0032】そして、浄化処理は、例えば、注水管を通して排水し、注入管から本発明の洗浄剤を注入し、必要により減圧して、洗浄剤の拡散と、鉄による還元作用により発生する物質を除去することができる。
【0033】上記の方法のように、有機ハロゲン化物で汚染された土壌の表面を、不通気性のシートで覆うこと(一般に、シートの覆いは浄化剤注入後に設置される)が好ましく、必要により通気性柱状部(上記発生物質の除去に有用)を設けることができる。
【0034】土壌に注入する土壌浄化剤中の鉄微粒子の濃度は一般に0.1〜50重量%であり、1〜10重量%が好ましい。また注入量は、一般に土壌1m3当たり鉄微粒子1〜200kgであり、10〜100kgが好ましい。
【0035】また、上記土壌浄化剤の注入は、鉄微粒子及び親水性バインダーを含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤の注入と、他の材料の注入を分けて行っても良い。またその材料の組合せも適宜行うことができる。例えば、鉄微粒子及び親水性バインダーを含有する水性懸濁液からなる土壌浄化剤を注入後、金属塩化物、還元剤、あるいは炭酸塩等の水溶液、分散液を注入しても良い。
【0036】
【実施例】
[実施例1]
(a)鉄微粒子/親水性バインダー含有水性懸濁液(土壌浄化剤)
(配合)
鉄微粒子粉末(平均粒径=10μm) 100g プルラン 10g 分散剤 10g (ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)
還元性電解水 880g上記配合の混合物を、容量0.6Lのジルコニアビーズ充填サンドミルで3時間循環させて分散した。これにより鉄微粒子/親水性バインダー含有水性懸濁液を得た。
【0037】
(b)鉄微粒子/親水性バインダー含有水性懸濁液(土壌浄化剤)
(配合)
鉄微粒子粉末(平均粒径=50μm) 100g ヒドロキシエチルセルロース 10g 還元性電解水 890g上記配合の混合物を、容量0.6Lのジルコニアビーズ充填サンドミルで3時間循環させて分散した。これにより鉄微粒子/親水性バインダー含有水性懸濁液を得た。
【0038】
(c)鉄微粒子/親水性バインダー含有粒子状土壌浄化剤(配合)
鉄微粒子粉末(平均粒径=50μm) 100g ヒドロキシエチルセルロース 20g 還元性電解水 880g上記配合の混合物を、容量0.6Lのジルコニアビーズ充填サンドミルで3時間循環させて分散した。分散液を凍結乾燥機によりフリーズドライさせる。得られたものをミキサーで粉砕し、鉄微粒子/親水性バインダー含有粒子状土壌浄化剤を得た。
【0039】
(d)鉄微粒子/親水性バインダー含有ペレット状土壌浄化剤(配合)
鉄微粒子粉末(平均粒径=150μm) 100g スクロース高級脂肪酸エステル 50g上記配合の混合物を、ミキサー中で65℃に加熱溶融して30分間攪拌、分散させた。溶融状態のままスプレーノズルから射出成形し、鉄微粒子/親水性バインダー含有ペレット状土壌浄化剤を得た。
【0040】
(e)鉄微粒子/親水性バインダー含有粉末状土壌浄化剤(配合)
鉄微粒子粉末(平均粒径=100μm) 100g 生分解性ポリカプロラクトン 50g (プラクセルH7、ダイセル化学工業(株)製)
上記配合の混合物を、ミキサー中で90℃で加熱溶融して30分間攪拌、分散させた。溶融状態のままスプレーノズルから射出成形し、次いで粉砕して鉄微粒子/親水性バインダー含有粉末状土壌浄化剤を得た。
【0041】[実施例2]実施例1で得た土壌浄化剤(a)〜(e)を、ホモジナイザーで強制的に攪拌しながら還元性電解水で稀釈して、水性懸濁液とした。
【0042】上記懸濁液をそれぞれ、汚染土壌に注入した。即ち、注入は、汚染土壌100m3、懸濁液の注入量40m3、注入ピッチ(注入管の間隔)1mの条件で行った。この結果、土壌中の4カ所のトリクロロエチレンの濃度が、注入後2週間後に下記のように変化した。
【0043】土壌浄化剤(a):(原液)0.18→0.0005未満、0.29→0.0005未満、0.073→0.0005未満、0.031→0.0005未満(単位:ppm)
(原液の2倍濃度液)0.28→0.0005未満、0.014→0.0005未満、0.80→0.0005未満、0.56→0.0005未満(単位:ppm)
土壌浄化剤(b):(原液)0.29→0.0005未満、0.022→0.0005未満、0.72→0.0005未満、0.67→0.0005未満(単位:ppm)
土壌浄化剤(c):(原液)1.08→0.0005未満、0.093→0.0005未満、2.30→0.0005未満、1.00→0.0005未満、(単位:ppm)
土壌浄化剤(d):(原液の10%濃度液)2.11→0.0005未満、0.98→0.0005未満、0.051→0.0005未満、0.008→0.0005未満(単位:ppm)
土壌浄化剤(e):(原液の10%濃度液)1.77→0.0005未満、0.035→0.0005未満、0.020→0.0005未満、1.29→0.0005未満(単位:ppm)
比較用の土壌浄化剤として鉄粉(平均粒径=10μmのもの)の10%液:(原液の10%濃度液)0.15→0.0005未満、0.87→0.0008、0.29→0.0005未満、1.03→0.0012(単位:ppm)
【0044】また、上記土壌中の4カ所のうち最も遠い位置が水平距離2m、深さ2mで、この位置でも浄化剤が有効に作用していたことから、本発明の浄化剤は土壌に対して良好な浸透性を有することが分かる。
【0045】[実施例3]70mlのバイアルビンに1200mg/Lの濃度のトリクロロエチレンを含む水を60ml入れ、その上に更に実施例1の(a)又は(b)、又は(a)、(b)それぞれに使用された鉄粉のみを、それぞれ表記の濃度となるように加えた。168時間振とう後のトリクロロエチレンの濃度を下記に示す。
____________________________________浄化洗浄剤 洗浄剤の鉄粉濃度 トリクロロエチレン濃度____________________________________実施例1の(a) 5000ppm 35ppm 10000ppm 2ppm実施例1の(a) 5000ppm 410ppmに使用鉄粉の液 10000ppm 14ppm____________________________________実施例1の(b) 5000ppm 343ppm 10000ppm 11ppm実施例1の(b) 5000ppm 750ppmに使用鉄粉の液 10000ppm 640ppm____________________________________



 

 


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