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発明の名称 摺動面を有する浸漬ノズル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−30047(P2001−30047A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−205991
出願日 平成11年7月21日(1999.7.21)
代理人 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E004
4E014
4G033
【Fターム(参考)】
4E004 FB10 FC02 FC10 
4E014 DA01 DA02 DB03 DD02
4G033 AA02 AB01 AB07 AB08 AB09 AB21
発明者 進 恭彰 / 平岩 義隆 / 溝部 有人 / 三浦 勉 / 金子 俊明 / 祐成 史郎 / 大塚 良朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 上端面に摺動板れんがをモルタルを介して接合し一体化した浸漬ノズルにおいて、前記モルタルが、耐火原料粉末40〜90重量%と、軟化点300℃〜1000℃の低融点ガラス1〜30重量%と、低融点金属粉1〜10重量%と、有機バインダー7〜30重量%からなる摺動面を有する浸漬ノズル。
【請求項2】 耐火原料粉末が、アルミナ含有原料50〜99重量%、粘土1〜10重量%、その他の原料粉末が40重量%以下である請求項1に記載の摺動面を有する浸漬ノズル。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の連続鋳造において使用される上端に摺動板れんがを接合して一体化した摺動面を有する浸漬ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、浸漬ノズルは、タンディッシュからモールドヘ溶鋼を注入する際に、溶鋼の酸化を防止したり、乱流やスプラッシュの発生を抑制したりする目的で使用されており、使用中に損傷が大きくなったり、閉塞したり、割れたりした場合には、鋳造作業の途中で新品と交換される。
【0003】この浸漬ノズルの交換作業は、一般に、鋳造を一旦中断してタンディッシュを上昇した後、モールドから引き上げてから新品と交換する方法が採用されている。従って、この浸漬ノズルの交換作業は、要する時間が長くなればモールド内の溶鋼が凝固し、連続鋳造を再開できなくなるため迅速に行うことが重要である。特表平4−501535号公報には、タンディッシュを上昇することなく浸漬ノズルを短時間内に交換できる可閉式出湯装置が開示されている。この装置は、溶鋼流量を制御する3枚1組のプレー卜れんがの下に、上端に摺動面を有する浸漬ノズルが、プレートれんが側に押圧され、かつ摺動可能に取りつけられる構造となっている。この装置における浸漬ノズルの交換は、鋳造を中断することなく、新しい浸漬ノズルをモールド内溶鋼中に浸漬した状態で装置摺動機構部にセットし、その後、浸漬ノズルの摺動面が一番下のプレートれんが下面を摺動しながら、使用中の浸漬ノズルを瞬時に押し出すことで、新しい浸漬ノズルを鋳造位置にセッ卜するものである。この摺動面を有する浸漬ノズルは、図1のように浸漬ノズル2の上端面に摺動板れんが1をモルタル3を用いて接合し、摺動板れんがの側面と浸漬ノズルの上部側面をメタルケース4で覆って一体化したものである。
【0004】この摺動板れんがと浸漬ノズルの接合に使用するモルタルには、使用中に隙間が発生しないような強接着力と使用中に面間から空気を吸い込まないシール性、さらに溶鋼と接触する部位では耐食性が要求される。
【0005】この用途に適したモルタルとして、従来は、耐火粉末に水ガラス、リン酸アルミニウムあるいは高分子樹脂等のバインダーを添加したものが使用されてきている。
【0006】しかしながら、このモルタルを用いた浸漬ノズルの実炉での使用を重ねてきたが、使用中に浸漬ノズルに亀裂が入り、浸漬ノズルが折れたり、割れたりする事故をしばしば経験している。
【0007】一方、摺動板れんがの材質は、その要求特性の厳しさから、結果的に、浸漬ノズル本体材質より熱膨張率が大きいものが選ばれる。そのため、摺動板れんがは、使用中に浸漬ノズル本体部より大きく膨張しようとする。このため浸漬ノズル本体の接合面では大きな引張応力が発生する。つまり、この引張応力によって浸漬ノズル本体に亀裂が発生したり、さらに亀裂が拡大して割れが生じたりすると推定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本願発明において解決すべき課題は、この図1に示すような浸漬ノズル上端部に摺動板れんがを接合した構造の摺動面を有する浸漬ノズルにおいて、使用時の摺動板れんがと浸漬ノズル本体部との熱膨張差に起因する浸漬ノズル本体の亀裂の発生を抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この摺動板れんがの膨張により浸漬ノズル本体に生じる亀裂を防止するために以下の3つの手段が考えられる。
【0010】手段1.摺動板れんがを低熱膨張化すること。
【0011】手段2.モルタルの接着力を低減すること。
【0012】手段3.モルタルに軟化変形性を付加すること。
【0013】このうち、手段1は、摺動板れんがの耐食性を同時に維持することが難しく、手段2はモルタルのシール性を維持することが難しいため、本発明に際しては、手段3のモルタルに軟化変形性を付加する方法について検討した。
【0014】本発明は、その検討の結果得られたものであり、つまり、浸漬ノズルの上端面に摺動板れんがをモルタルを介して接合し、摺動板れんがとをモルタルによって一体化した上端に摺動面を形成した浸漬ノズルにおいて、モルタルの原料が、耐火原料粉末40〜90重量%と、軟化点300℃〜1000℃の低融点ガラス1〜30重量%と、低融点金属粉1〜10重量%と、有機バインダー7〜30重量%とで構成されることを特徴とし、さらに、モルタルの原料中の耐火原料粉末が、アルミナ含有原料50〜99重量%と、粘土1〜10重量%と、その他の原料粉末40重量%以下とで構成されていることを特徴とする。
【0015】本発明のモルタルに使用する耐火原料粉末としてはモルタルに適度な耐火性を付与するものであれば特に限定するものではないが、一般的な例として、酸化物として珪石、珪砂、溶融シリカ、含水無定形シリカ、無水無定形シリカ等のシリカ質、ムライト、ボーキサイト、バン土頁岩、シリマナイト、カイヤナイト、焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナ等のアルミナ質、ロー石、シャモット、陶石、粘土、カオリン、ベントナイト等のアルミナ−シリカ質、ジルコン、ジルコニア、アルミナジルコニア、ジルコニアムライト等のジルコニア質、電融マグネシア、焼結マグネシア、アルミナ−マグネシアスピネル、酸化カルシウム等の塩基性質、酸化クロム、クロム鉄鉱等のクロム質、炭化物としては炭化珪素、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウム等の炭化物、窒化物としては窒化ジルコニウム、窒化珪素、窒化珪素鉄、窒化硼素、窒化アルミニウム等、カーボンを含む原料としてはコークス、天然黒鉛、人造黒鉛、仮焼無煙炭、ピッチ粉、カーボンブラック、カーボンれんが及び電極屑などの炭素質の耐火原料からなる群より選択し、必要に応じて1種又は2種以上を併用することができる。
【0016】耐火粉末原料の含有量は、40〜90重量%が好ましく、40重量%未満だとモルタルとして必要な粘稠度が満たされず、90重量%を越えると可塑性が失われる。
【0017】耐火原料粉末は、融点が低いものを使用すると、一緒に使用している低融点ガラスにより、低融化し耐食性を著しく低下させる場合もある。また、浸漬ノズルの材質はアルミナ−黒鉛質が一般的に使用されており、熱膨張率を同程度に維持する観点から、アルミナを含有する原料を主体的に使用することが望まれ、例えば、アルミナ含有原料50〜99重量%、粘土1〜10重量%、その他の原料粉末が40重量%以下であるものが好ましい。
【0018】粘土は、作業性、特にこて伸び性を与えるために必要であり、耐火物に一般に使用している粘土が使用できる。しかしながら、添加量が10重量%を越えると有機バインダーの添加量の増加を招き、モルタルの諸物性の低下を引き起こす。ここでいうアルミナ含有原料とは、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、スピネル、ムライト、アルミナジルコニア、ジルコニアムライト、ボーキサイト、バン土頁岩、シリマナイト、カイヤナイト等である。
【0019】このアルミナ含有原料のAl23含有量は、60重量%以上が好ましい。60重量%より少ないと、同時に含有するSiO2成分の量が増えて低融点ガラスと反応し低融物となりやすいので、耐食性やシール性が低下してくる問題がある。また、アルミナ含有原料は、添加する低融点金属粉と反応しモルタル組織を緻密化するため、シール性が向上する効果もある。
【0020】また、耐火原料粉末中、上記アルミナ含有原料及び粘土を除くその他の原料粉末を、モルタルの耐食性に大きな影響を生じさせないように40重量%までであれば許容できる。
【0021】その他の原料粉末としては、例えば、使用時の膨張性付与のために、珪石等を添加することもできる。
【0022】モルタルに低融点ガラスを添加することで、使用時に熱を受けてモルタルが軟化変形しやすくなり、摺動板れんがの膨張によって発生する浸漬ノズルの接合面への引張応力を緩和することができ、浸漬ノズル本体部への影響が少なくなる。つまり、摺動板が膨張した場合には、軟化したモルタルが摺動板とともに延びることで浸漬ノズルの接合面へ及ぼされる引張応力が吸収されるのである。
【0023】低融点ガラスとしては、ホウケイ酸系ガラスやリン酸系ガラス、ジルコンフリット等が使用できる。
【0024】使用時に摺動板れんがと浸漬ノズル間の接合面の温度は500〜1400℃の範囲になることが考えられ、この温度域で接合面間のモルタルが軟化変形しやすくなればよく、従って低融点ガラスの軟化点は300℃以上あればよい。
【0025】但し、軟化点が1000℃を越える場合には、この温度の領域はノズル孔周囲となるため狭い範囲でしか応力吸収効果がないため効果が少なく、300℃未満の場合には、ガラス成分とアルミナ含有原料中のアルミナとが反応して低融物を生成するために、耐食性が低下したり、シール性が低下してしまう問題がある。従って、使用する低融点ガラスの軟化点は300〜1000℃が好ましい。
【0026】低融点ガラスの添加量については、1〜30重量%である。1重量%未満ではモルタルを軟化させることができないため効果がなく、30重量%を越えると、溶鋼中の成分と低融点物質を生成して、耐食性が低下するため好ましくない。
【0027】本発明における低融点金属は、例えばアルミニウムを1〜10重量%の範囲で配合中に添加することで、使用中にアルミニウムが溶融して、モルタル中に浸透してきた空気中の酸素と反応してAl23となる。この反応は、体積膨張を伴うため、モルタルの気孔を充填して緻密化するためシール性が向上する。また、この反応によって耐酸化性も良好となる。
【0028】低融点金属としては、アルミニウムの他にマグネシウム、銅、ジルコニウム等やその合金等が考えられるが、量的問題、取り扱いの問題、酸化物になってからの耐食性等を考慮するとアルミニウムやその合金が最適である。
【0029】低融点金属の添加量については、1重量%未満では効果がなく、10重量%を越えると熱間での軟化性が低下するので好ましくない。
【0030】つぎに有機バインダーは、接着力を得るために使用するもので高分子樹脂が使用でき、例えば、フェノール樹脂、アクリル酸樹脂、シリコン樹脂、ピッチ等が使用できる。また、フェノール樹脂を使用した場合、作業性、可使時間等の観点から、溶媒で任意に薄めてもよい。また高分子のエマルジョンも使用できる。
【0031】有機バインダーの添加量については、7〜30重量%である。7重量%未満では、接着力が不十分であり、30重量%を越えると使用中に有機物が分解し揮発するため、組織がポーラスとなり耐食性が低下する。
【0032】このモルタルには、通常のモルタルに使用する消泡剤、発泡剤、作業性付与剤等の添加剤を使用することができる。更に、これらと同様な効果が得られる物質から1種又は2種以上を選択して使用できる。
【0033】
【発明の実施の形態】表1は、本発明のモルタルの実施例を比較例とともに示す。実施例及び比較例ともに使用した耐火原料の粒度は全て1mm以下である。
【0034】
【表1】

アルミナ含有原料としてのアルミナ粉末としては、Al23含有量97%の焼結アルミナを使用した。その他の原料粉末としては、珪石、ジルコニア、カーボンから選択して使用した。低融点金属粉としては、アルミニウム粉末を使用し、低融点ガラスとしては、フリットA,B,Cから選択して使用した。
【0035】これらの配合物にフェノール樹脂を加え、卓上ミキサーで20分間混練してモルタルを得た。このモルタルを図1のように、摺動板れんが1と浸漬ノズル本体2との間の接合部のモルタル3として使用した。
【0036】このモルタルの評価は、図2に示す加熱試験装置を使用して行った。この装置は、炉5の下部にバーナー6を備え、炉の上部には貫通孔7があり、この貫通孔と摺動面を有する浸漬ノズルの溶鋼流通内孔の軸心を合致させて、ノズルの内孔部を加熱するものであり、実炉使用時の溶鋼通過による加熱状態に試験条件を近づけたものである。モルタルは接着面に厚み1mmで使用し、両側から1tの圧力で締め付けた後、上プレート側から内孔部が1400℃になるまで、バーナーで加熱し、加熱中及び加熱後の浸漬ノズルの外表面に達する亀裂の有無を観察し評価するものである。
【0037】また、別途作製したサンプルを用いて、熱間気密性、接着強さ、熱間軟化性及び耐食性についても評価した。熱間気密性については、特開平4−12239号公報に記載の実使用条件と同じ温度、圧力の設定が可能でサンプルの気密性が数値的に評価される試験装置を使用して、0.5気圧に減圧した状態から1気圧の大気圧に戻るまでの時間を測定したものであり、時間が長いほど気密性に優れるということになる。
【0038】接着強さについては、20×20×40mmの形状に加工した摺動板れんがを各モルタルを用いて、約1mmの目地で接合し、室温での接合部の曲げ強さを測定し、接着強さの指標とした。
【0039】熱間軟化性については、モルタル材質にて40×40×40mmの形状のサンプルを作製し、1000℃での圧縮強さを測定した。
【0040】耐食性については、所定の形状に加工した摺動板れんが間に各モルタルを用いて、約1mmの目地で接着し、内張試験法によって、その減寸率を指数化したもので、数値が小さいほど良好なことを示す。
【0041】実施例1は、アルミナ粉末、粘土、カーボンからなる耐火原料粉末を72重量%、低融点金属であるアルミニウム粉末を5重量%と、軟化点500℃の低融点ガラスであるフリットA3重量%と、フェノール樹脂20重量%からなるモルタルである。加熱試験後、浸漬ノズル外表面には亀裂の発生は認められず、また接着強さ、熱間気密性及び耐食性も良好であった。
【0042】実施例2から実施例4にかけては、低融点ガラスの添加量を増やしていったものであるが、加熱試験では浸漬ノズルには亀裂が生じることがなく良好であった。
【0043】実施例5は異なる軟化点の低融点ガラスを組み合わせたもので、フリットAのみを多く使用するよりも耐食性の低下が少ない。
【0044】実施例6はその他の原料粉末として珪石を、実施例7は同様にジルコニアを使用しているが、いずれも良好な結果である。
【0045】これに対して、比較例1は低融点ガラスを含有しない例であり、加熱中に浸漬ノズルに亀裂が発生した。
【0046】比較例2は、低融点ガラスの添加量が35重量%と本発明の範囲外であり、耐食性が低下し、使用に問題がある。
【0047】比較例3は、低融点ガラスの軟化点が1100℃と本発明の範囲外のものを使用したが、モルタル軟化が不十分であり、加熱テスト後の浸漬ノズルに亀裂が見られた。
【0048】
【発明の効果】本発明のモルタルを使用して、浸漬ノズル上端部に摺動板れんがを接合、一体化した摺動面を有する浸漬ノズルは、使用中において、浸漬ノズルへの亀裂の発生がなくなり、かつ、摺動板れんがの接合面における目地部の溶損がなくなったことにより、浸漬ノズルの耐用性が向上する。さらに浸漬ノズル亀裂部からの空気吸い込みに起因する鋼品質の劣化を生じることがなく、操業の安定度を増すことができる。




 

 


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