米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 新日本製鐵株式会社

発明の名称 良加工性内面高潤滑鋼管及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−9530(P2001−9530A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−180277
出願日 平成11年6月25日(1999.6.25)
代理人 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4D075
4H104
4K044
【Fターム(参考)】
4D075 BB92Z CA09 DA15 DA19 DB02 DB04 DC01 DC05 DC11 DC18 EB01 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB45 
4H104 AA13A AA20A CB08A CB12A CB13A CE13A FA02 FA03 FA07 FA08 LA03 PA21 PA34 QA12
4K044 AA02 AA03 AB02 AB03 BA04 BA06 BA10 BA12 BA21 BB01 BB03 BC01 BC05 CA04 CA16 CA53
発明者 弘重 逸朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 鋼管の内表面に、膜厚1〜100μmの潤滑用の有機系被膜を有し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めたことを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管。
【請求項2】 鋼管の内表面に、金属元素として生成量1〜1000mg/m2 の潤滑用の無機系被膜を有し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めたことを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管。
【請求項3】 上記請求項1に記載の鋼管の製造方法として、鋼板の片面のみに、膜厚1〜100μmの潤滑用の有機系被膜を施し、この鋼板を素材として、該被膜を施した面が鋼管内面となるように造管、接合して製造することを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管の製造方法。
【請求項4】 上記請求項2に記載の鋼管の製造方法として、鋼板の片面のみに、金属元素として生成量1〜1000mg/m2 の潤滑用の無機系被膜を施し、この鋼板を素材として、該被膜を施した面が鋼管内面となるように造管、接合して製造することを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管の内面に治具を用いて加工し、自動車、家電、建材、土木等の部品に利用する、良加工性内面高潤滑鋼管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管の加工には、曲げ加工、径拡大加工、径絞り加工、液圧バルジ加工等、多くの加工法が存在するが、この内、鋼管内面に、中子、爪、ポンチ、シール等の内面治具を用いて加工する場合が数多く存在する。これらの内面治具は、鋼管の形状を維持したり、変形させたり、加工において重要な役割を果たしている。しかしながら、これらの内面治具は加工において、被加工鋼管と強く接触、摩擦されるため、かじりや焼付きによる表面粗さの劣化や、磨耗の問題が生じやすく、加工精度の低下や、治具寿命が短い等の問題を潜在的に有している。これらの問題を回避する方法として、内面治具と被加工鋼管が接触、摩擦される部位に、塗油を施したり、被加工鋼管に予めペイント塗装や、潤滑被膜を施す方法が知られているが、塗油を施す方法は、かじりや焼付きや磨耗の防止には有効であるが、加工後油を除去する為に洗浄工程を必要としたり、洗浄工程までの間の搬送における油の垂れが、床面汚染の原因と成ったりする為、工程省略や作業環境改善の面から、問題視されつつあるのが現状である。
【0003】被加工鋼管に予めペイント塗装を施す方法は、一般には、鋼管を所定の長さに切断後、脱脂洗浄し、吹き付け、ハケ塗りによって塗装後、十分な乾燥の後に鋼管加工に供せられる。この方法は、塗布に多くの工程を必要とし、手間や費用が掛かるばかりでなく、塗膜厚さのバラ付きが発生し易く、潤滑効果が充分得られなかったり、剥離した塗膜が押し込み疵を発生させる場合もある。また、何よりも本技術範囲のように鋼管内面の潤滑を目的とする場合には、鋼管内面への均一塗布が非常に難しく、採用できない。
【0004】被加工鋼管に予め潤滑被膜を施す方法は、樹脂が溶剤系、水系の場合は、鋼管を溶剤液中に浸漬したり、スプレー塗装したりして塗布し、樹脂が固体系の場合は、静電粉体塗装して塗布するのが一般的であるが、この方法は、上記のペイント塗装と比較して、塗布工程の簡略化が可能であり、塗膜厚さのバラ付きも低減出来る為、有効な対策技術であると言える。(例えば:特開平10−137864号公報)しかしながら、本技術範囲のように鋼管内面の潤滑を目的とする場合には、下記のような問題点を有している。
【0005】第1の問題点は、従来技術での上記潤滑被膜塗布鋼管は、その潤滑被膜を鋼管外面のみに持っているか、あるいは鋼管内外面の両面に持っているかである、ということである。潤滑被膜を鋼管外面のみに持っている場合は、当然、本技術範囲のように鋼管内面の潤滑を目的とする場合には、全く効果が無い為、論外である。潤滑被膜を鋼管内外面の両面に持っている場合には、本技術範囲の鋼管内面の潤滑目的には充分な効果を発揮するが、以下の問題点を有している。その問題点とは、鋼管外面に存在する潤滑被膜が、鋼管の搬送、取り扱い工程において、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させるという事実である。この鋼管外表面の不必要な「潤滑」、すなわち「すべり」は、鋼管の搬送、取り扱い工程において、ラインに「すべり」防止対策の機構を新たに必要としたり、クランプ部分にゴム等の「すべり」防止材の取り付けを必要とする為、製造コスト上昇のデメリットを負うことになる。以上の理由から、鋼管外表面に潤滑被膜を有している鋼管は、たとえ内面にも潤滑被膜を有していて、本技術範囲の鋼管内面の潤滑目的には充分な効果を有していても、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させる為、有効な解決手段とは成り得ていなかった。
【0006】第2の問題点は、鋼管形状での上記潤滑被膜塗布において、鋼管内面への塗布は非常に困難であり、塗布工程簡略化の為、鋼管長尺ままでの塗布の場合には、更に困難である、ということである。また、塗膜厚さの均一化という面でも、鋼管形状での鋼管内面潤滑被膜の均一塗布は、その形状から非常に難しいと言えるし、対策手段には多くの費用が必要である。従って、従来技術である、単に鋼管の外表面のみ、あるいは副次的に内面にも潤滑被膜を有する鋼管では、本技術範囲の様に鋼管内面の潤滑を目的とし、且つ、鋼管の搬送、取り扱い工程において、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させない為には、その解決の手段足り得なかったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、需要家において鋼管の内面に治具を用いた加工を行う場合、塗油、ペイント塗装工程等を省略することにより、これらの工程が原因で発生している脱油洗浄工程、乾燥工程をも省略し、かつ搬送工程においてスリップ等の問題を生じないで、内面治具のかじりや焼付き、磨耗を防止できる、内面潤滑性に優れた良加工性内面高潤滑鋼管及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋼管の内面に治具を用いて加工する製造ラインにおいて、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させる事なく、内面治具のかじりや焼付き、磨耗を防止できる、潤滑性に優れた内面潤滑性に優れた良加工性内面高潤滑鋼管を開発すべく、検討、実験、解析を行った結果、鋼管の内表面に、膜厚1〜100μmの潤滑用の有機系被膜を施し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めておくことが、非常に有効であることを見出した。又、鋼管の内表面に、金属元素として生成量1〜1000mg/m2 の潤滑用の無機系被膜を施し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めておくことが非常に有効であることを見出した。本発明の要旨は、以下の通りである。
1)鋼管の内表面に、膜厚1〜100μmの潤滑用の有機系被膜を有し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めたこと特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管。
2)鋼管の内表面に、生成量1〜1000mg/m2 の潤滑用の無機系被膜を有し、外表面よりも内表面の潤滑性を高めたことを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管。
3)上記1)に記載の鋼管の製造方法であって、鋼板の片面のみに、膜厚1〜100μmの潤滑用の有機系被膜を施し、この鋼板を素材として、該被膜を施した面が鋼管内面となるように造管、接合して製造することを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管の製造方法。
4)上記2)に記載の鋼管の製造方法であって、鋼板の片面のみに、生成量1〜1000mg/m2 の潤滑用の無機系被膜を施し、この鋼板を素材として、該被膜を施した面が鋼管内面となるように造管、接合して製造することを特徴とする、良加工性内面高潤滑鋼管の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の、内面治具かじり、焼付き、磨耗防止用、良加工性管内面表面処理鋼管における限定条件について以下に述べる。
(1)鋼管内表面潤滑被膜鋼管の内面に治具を用いて加工する場合において、内面治具のかじりや焼付き、磨耗を防止し、安定して鋼管加工を行う為に、鋼管内表面に潤滑皮膜を施す。鋼管の内面に治具を用いて加工する加工には、曲げ加工、径拡大加工、径絞り加工、液圧バルジ加工等、多くの加工法が存在するが、いずれの加工法においても、内面治具と被加工鋼管内面表面との接触、摩擦による内面治具のかじり、焼付き、磨耗が問題である。この内面治具のかじり、焼付き、磨耗防止の為には、鋼管内表面に潤滑被膜を施すことが最適である。この潤滑被膜としては無機系被膜でも有機系被膜(例えば有機樹脂被膜等)のいずれでも良い。無機系被膜としては、リン酸皮膜等の利用が可能である。有機系被膜としては、熱硬化型、熱可塑型、放射線硬化型等、何れの型の有機樹脂も利用可能である。具体的な有機樹脂としては、アクリル、ウレタン、ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。さらに、これらの樹脂を適宜硬化剤を用いて、架橋させたものも利用可能である。硬化剤の種類としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。具体例としては、アクリル酸や、メタクリル酸を主体として重合させたアクリル樹脂をメチルアルコールや、ブチルアルコールで変性したメラミンで熱硬化させた塗料等が挙げられる。鋼管内面の潤滑被膜は、鋼管内面において、被加工鋼管内面と内面加工治具との接触面において、潤滑性を確保することが目的であるから、これに耐える、耐圧性と密着性を有していることが重要であることは言うまでもない。また、かかる潤滑被膜を鋼管内面に施した鋼管を用いても、まだなお潤滑が不足し、内面治具に、かじりや焼付きよる表面粗さの劣化や、摩耗の問題が残る場合には、潤滑被膜中に、有機系潤滑剤(例えばポリエチレン系ワックスやフッ素系樹脂粒子等)を有機被膜固形分重量%で0.5〜20%含有させることもできる。更に、潤滑被膜中に各種顔料を添加することも、被膜物性を向上させる目的であれば何ら限定されるものではない。又、潤滑用の無機系被膜としては、Zn,P,Mn,Ni,Mg,Fe,CO,Al等の金属元素を所定量含有する酸化物を用いることが出来る。無機系であるので、無機材が主体であれば、潤滑用の無機系被膜中には、有機系潤滑剤が二次的に含有していてもかまわない。
【0010】(2)鋼管内面潤滑用被膜厚又は生成量潤滑用被膜の厚さが小さ過ぎると内面治具を用いた鋼管加工時に、内面治具表面に、かじりや焼付きが生じやすくなる。有機系被膜の場合には、通常、膜厚はμ単位で表す。従って、潤滑用の有機系被膜厚は最小でも1μmは必要である。また、潤滑用の有機系被膜厚が100μmを超えると、潤滑被膜の内部応力により被膜剥離しやすくなる。剥離した被膜が内面治具に焼付き堆積すると、被加工鋼管に押し込み疵を発生させることになる。また経済的にも過大な潤滑被膜厚は無駄である為、潤滑被膜厚は最大100μmとした。従って、潤滑用の有機系被膜厚は、1〜100μmとした。好ましくは10〜50μmである。無機系被膜の場合には、通常、生成量はmg/m2 単位で表す。従って、潤滑用の無機系被膜生成量は最小でも1mg/m2 は必要である。また、潤滑用の無機系被膜生成量が1000mg/m2 を超えると、潤滑被膜の内部応力により被膜剥離しやすくなる。剥離した被膜が内面治具に焼付き堆積すると、被加工鋼管に押し込み疵を発生させることになる。また経済的にも過大な潤滑被膜付着量は無駄である為、潤滑被膜生成量は最大1000mg/m2 とした。従って、潤滑用の無機系被膜生成量は、1〜1000mg/m2 とした。好ましくは5〜300mg/m2である。前記のように、無機材が主体であれば、一部、有機系潤滑剤を含有していても本願発明の潤滑用の無機系被膜を逸脱するものではない。潤滑被膜は、できるだけ均一に形成する必要があるので、溶剤系や水系であればスプレー塗装、固体状の樹脂であれば静電粉体塗装等を利用するのが好ましい。溶剤系や水系の場合には、強制乾燥により溶剤や水を乾燥させる。加熱方法としては、熱風あるいは誘導加熱等が利用できる。また、放射線硬化型塗料を利用する場合には、例えば紫外線等の利用により、乾燥時間を短時間化できる。本発明の主旨は、被加工鋼管と内面治具との潤滑を、鋼管内表面に施した、潤滑用の被膜によって達成し、かつ鋼管外表面の潤滑性は、内表面の潤滑性よりも低くして、鋼管の搬送、取り扱い工程において、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させないことにある。従って鋼管外表面の潤滑被膜の如何について内表面の潤滑性よりも低くしておけば、なんら制約を設けるものではなく、更には、外表面に全く潤滑被膜を施さない場合でも、全く問題はない。
【0011】(3)鋼管内面塗装下地処理層下地処理層は、必要により施すもので、潤滑被膜が有機樹脂の場合や、鋼管内表面に強固に密着させておく必要がある場合や、変形抵抗が大きい鋼種や、加工度が大きい場合等に有効である。下地処理層は、燐酸系、クロメート系等、通常の塗装前の処理で施す。この下地処理の厚さは、厚過ぎると有機樹脂被膜の剥離が発生しやすくなる為、燐酸亜鉛処理であれば5g/m2 以下、燐酸鉄処理であれば0.3g/m2 以下、クロメート処理であれば金属クロム換算で500mg/m2 以下が好ましい。燐酸系処理や反応型クロメートの場合には、処理液の入った槽の中に所定時間浸漬した後、水洗、乾燥処理を施す。塗布型クロメート処理の場合には、スプレー処理や、はけ塗り等を行って、100℃程度の温度で強制乾燥を行う。
【0012】(4)鋼管鋼管の材質は、炭素鋼、オーステナイト系ステンレス鋼やフェライト系ステンレス鋼が一般的な材質であり、特にこれらに限定されるものではなく、更に素材が熱間圧延鋼帯であっても、冷間圧延鋼帯であっても、またそれらを熱処理した鋼帯であっても、全く問題ない。更には、それらの表面にZnやAlのメッキが施してある場合も同様に利用可能である。
【0013】(5)内面高潤滑被膜鋼管製造方法本発明の主旨は、被加工鋼管と内面治具との潤滑を、鋼管内表面に施した、潤滑用の被膜によって達成し、且つ、鋼管外表面の潤滑性は、内表面の潤滑性よりも低くして、鋼管の搬送、取り扱い工程において、スリップ、クランプミス等の工程障害を発生させないことにある。従って、本来その内面高潤滑被膜鋼管製造方法に制約は無いのであるが、鋼管の内表面に潤滑用の被膜を、必要な厚さで均一に塗布することは鋼管形状では非常に困難である為、鋼帯の状態で、その片面に潤滑被膜(有機系又は無機系)を施し、次いで、その潤滑被膜が存在する面が鋼管の内表面となるように成形し、高周波溶接や、TIG溶接、レーザー溶接等を行って、鋼管形状とする製造方法が有効である。
【0014】
【実施例】(実施例1)板厚2.9mmの熱間圧延鋼帯(炭素鋼;C:0.08%、Si:0.2%、Mn:0.2%)を酸洗した後、その片面にアクリル系熱硬化型塗料をスプレーで塗布して、10種類の膜厚に造り分け、鋼帯の最高到達温度が150℃となるように、約5分間で焼き付け硬化させ、膜厚を表1に示す、0.4〜145μmの範囲に変化させた、片面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この片面潤滑被膜鋼帯を素材として、潤滑被膜の存在する面が鋼管の内表面となるように成形し、電縫鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。潤滑被膜のガラス転移温度は、粘弾性測定により、約105℃であった。また、鉛筆高度は3Hであった。これらの、管内面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を80本づつ用意し、以下の4種類の内面治具を用いる鋼管の加工を、各20本づつ施した。加工後に、被加工鋼管の破断有無、管内面潤滑被膜の剥離状況と、内面治具のかじり、焼付きの発生状況、剥離被膜の内面治具への堆積状況を観察した。その結果を表1に示す。4種類の内面治具を用いる鋼管加工とは、■曲げ加工:曲げR=152.6mm(2D)で回転引き曲げ加工実施 鋼管の偏防止の為、Φ=70mmの内面治具(マンドレル)を使用■径拡大加工:外形D1=99mm(1.3D)へ爪形状の内面治具を使用して径拡大加工実施■径絞り加工:外形D2=46mm(0.6D)へ押し込みダイスを用いて径絞り加工実施 内面座屈防止の為、内面治具(中子)を使用■液圧バルジ加工:外形D3=114mm(1.5D)へ液圧を用いて径拡大加工実施 両管端のシールの為、内面治具(ポンチ)を使用である。更に、それぞれの膜厚の条件の鋼管を、長さ500mmに切断したもの20本を用いて、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表1に示す。No1、No2の比較例の様に、鋼管内表面の潤滑被膜厚が、1μmより薄い場合には、■曲げ加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■径拡大加工では、被加工鋼管に爪部近傍からの長手方向破断が発生し、■径絞り加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■液圧バルジ加工では、長手方向破断が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、かじり、焼付きの発生が観察された。一方、No9、No10の比較例の様に鋼管内表面の潤滑被膜が、100μmを超えて厚い場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、鋼管内表面潤滑被膜の剥離が発生した。この様な場合には、同時に、内面加工治具に、剥離被膜の堆積が観察された。この剥離被膜の堆積は、加工疵発生の原因となる。鋼管内表面の潤滑被膜厚が1〜100μmの範囲にある、No3〜No8の6種類の鋼管内表面潤滑被膜厚鋼管の場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、20本全数が、良品として加工でき、更に、内面治具には、かじり、焼付きの発生も、剥離被膜の堆積も、全く観察されず、内面治具初期の良好な表面が維持されていた。この結果から明らかなように、鋼管内表面の1〜100μmのアクリル系潤滑被膜は、内面治具と被加工鋼管との潤滑効果において、非常に有効であり、適正であることが判る。また、自動搬送ロボットのハンドによるクランプ試験では、No1〜No10の何れの鋼管も、鋼管内表面のみにしか潤滑被膜を塗布していないことから、クランプミスは全く発生せず、良好なハンドリング性を示した。そこで更に、比較例として、同板厚2.9mmの熱間圧延鋼帯を酸洗した後、その両面にアクリル系熱硬化型塗料をスプレーで塗布して、10種類の膜厚に造り分け、鋼帯の最高到達温度が150℃となるように、約5分間で焼き付け硬化させ、膜厚を表2に示す、0.5〜141μmの範囲に変化させた、両面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この内外両面潤滑被膜鋼帯を素材として、内外表面両面に潤滑被膜を有する電縫鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの、内外表面両面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を20本づつ用意し、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表2に示す。No13〜No20の何れの鋼管も、鋼管外表面にも内面と同等の潤滑性を有する膜厚1μm以上の潤滑被膜が存在している為に、クランプミスが発生しており、ハンドリング性が悪いことが判る。以上の結果から、本発明の管内面高潤滑鋼管のみが、内面治具との良好な潤滑性と、クランプミスの無い良好なハンドリング性の両立を、達成できる手段であることが判る。
【0015】(実施例2)板厚2.9mmのオーステナイト系ステンレス鋼帯(Cr:18%、Ni:8%)を酸洗、ブラスト処理した後、一部の鋼帯にはクロメート処理を施し、また一部の鋼帯にはクロメート処理を施す事なく、スプレーで鋼帯の片面にのみ樹脂塗装を行い、片面潤滑被膜鋼帯を製造した。使用した潤滑被膜の膜厚、クロメート処理の塗布量を表3に示す。次いで、この片面潤滑被膜鋼帯を素材として、潤滑被膜の存在する面が鋼管の内表面となるように成形し、TIG溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの、管内面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の潤滑被膜、クロメート処理の500mm短尺鋼管を80本づつ用意し、実施例1と同様な4種類の内面治具を用いる鋼管の加工を、各20本づつ施した。加工後に、被加工鋼管の破断有無、管内面潤滑被膜の剥離状況と、内面治具のかじり、焼付きの発生状況、剥離被膜の内面治具への堆積状況を観察した。その結果を表3に示す。更に、それぞれの膜厚の条件の鋼管を、長さ500mmに切断したもの20本を用いて、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表3に示す。No21、No22の比較例の様に、鋼管内表面の潤滑被膜厚が、1μmより薄い場合には、■曲げ加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■径拡大加工では、被加工鋼管に爪部近傍からの長手方向破断が発生し、■径絞り加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■液圧バルジ加工では、長手方向破断が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、かじり、焼付きの発生が観察された。一方、No29、No30の比較例の様に鋼管内表面の潤滑被膜が、100μmを超えて厚い場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、鋼管内表面潤滑被膜の剥離が発生した。この様な場合には、同時に、内面加工治具に、剥離被膜の堆積が観察された。この剥離被膜の堆積は、加工疵発生の原因となる。鋼管内表面の潤滑被膜厚が1〜100μmの範囲にある、No23〜No28の6種類の管内表面樹脂被膜厚鋼管の場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、20本全数が、良品として加工でき、更に、内面治具には、かじり、焼付きの発生も、剥離被膜の堆積も、全く観察されず、内面治具初期の良好な表面が維持されていた。この結果から明らかな様に、鋼管内表面の1〜100μmのポリエステル系潤滑被膜は、内面治具と被加工鋼管との潤滑効果において、非常に有効であり、適正であることが判る。また、自動搬送ロボットのハンドによるクランプ試験では、No21〜No30の何れの鋼管も、鋼管内表面のみにしか潤滑被膜を塗布していないことから、クランプミスは全く発生せず、良好なハンドリング性を示した。そこで更に、比較例として、同板厚2.9mmのオーステナイト系ステンレス鋼帯を酸洗、ブラスト処理した後、その両面にポリエステル系樹脂をスプレーで塗布して、10種類の潤滑被膜、クロメート処理鋼帯に造り分け、両面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この両面潤滑被膜鋼帯を素材として、内外表面両面に潤滑被膜を有するTIG溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの、内外表面両面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の潤滑被膜、クロメート処理の500mm短尺鋼管を20本づつ用意し、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表4に示す。No33〜No40の何れの鋼管も、鋼管外表面にも膜厚1μm以上の潤滑被膜が存在している為に、クランプミスが発生しており、ハンドリング性が悪いことが判る。以上の結果から、本発明の管内表面高潤滑鋼管のみが、内面治具との良好な潤滑性と、クランプミスの無い良好なハンドリング性を両立できていることが判る。
【0016】(実施例3)板厚2.9mmのフェライト系ステンレス鋼帯(Cr:11%)を酸洗した後、その片面に水性のウレタン系樹脂をスプレーで塗布して、被膜厚みを、10種類の膜厚に造り分け、鋼帯を熱風乾燥により約100℃まで昇温させ被膜を乾燥させ、表5に示す、0.3〜115μmの範囲に変化させた、片面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この片面潤滑被膜鋼帯を素材として、潤滑被膜の存在する面が鋼管の内表面となるように成形し、レーザー溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。塗膜のガラス転移温度は、80℃、鉛筆高度はHであった。これらの、管内面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を80本づつ用意し、実施例1と同様な4種類の内面治具を用いる鋼管の加工を、各20本づつ施した。加工後に、被加工鋼管の破断有無、管内面潤滑被膜の剥離状況と、内面治具のかじり、焼付きの発生状況、剥離被膜の内面治具への堆積状況を観察した。その結果を表5に示す。更に、それぞれの膜厚の条件の鋼管を、長さ500mmに切断したもの20本を用いて、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表5に示す。No41、No42の比較例の様に、鋼管内表面の潤滑被膜厚が、1μmより薄い場合には、■曲げ加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■径拡大加工では、被加工鋼管に爪部近傍からの長手方向破断が発生し、■径絞り加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■液圧バルジ加工では、長手方向破断が発生した。この様な場合には、同時に、内面加工治具に、かじり、焼付きの発生が観察された。一方、No49、No50の比較例の様に鋼管内表面の潤滑被膜が、100μmを超えて厚い場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、鋼管内表面潤滑被膜の剥離が発生した。この様な場合には、同時に、内面加工治具に、剥離被膜の堆積が観察された。この剥離被膜の堆積は、加工疵発生の原因となる。鋼管内表面の潤滑被膜厚が1〜100μmの範囲にある、No43〜No48の6種類の鋼管内表面潤滑被膜厚鋼管の場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、20本全数が、良品として加工でき、更に、内面治具には、かじり、焼付きの発生も、剥離被膜の堆積も、全く観察されず、内面治具初期の良好な表面が維持されていた。この結果から明らかなように、鋼管内表面の1〜100μmのウレタン系潤滑被膜は、内面治具と被加工鋼管との潤滑効果において非常に有効であり、適正であることが判る。また、自動搬送ロボットのハンドによるクランプ試験では、No41〜No50の何れの鋼管も、鋼管内表面のみにしか潤滑被膜を塗布していないことから、クランプミスは全く発生せず、良好なハンドリング性を示した。そこで更に、比較例として、同板厚2.9mmのフェライト系ステンレス鋼帯を酸洗した後、その両面にウレタン系樹脂をスプレーで塗布して、10種類の膜厚に造り分け、鋼帯を熱風乾燥により約100℃まで昇温させ被膜を乾燥させ、膜厚を表6に示す、0.4〜114μmの範囲に変化させた、両面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この両面潤滑被膜鋼帯を素材として、内外表面両面に潤滑被膜を有するレーザー溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの、内外表面両面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を20本づつ用意し、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表6に示す。No53〜No60の何れの鋼管も、鋼管外表面にも膜厚1μm以上の潤滑被膜が存在している為に、クランプミスが発生しており、ハンドリング性が悪いことが判る。以上の結果から、本発明の管内表面高潤滑鋼管のみが、内面治具との良好な潤滑性と、クランプミスの無い良好なハンドリング性の両立を、達成できる手段であることが判る。
【0017】(実施例4)板厚2.9mmの鋼板両表面にZnメッキを施した鋼帯(C:0.08%、Si:0.2%、Mn:0.2%)の片面にスプレーにより、リン酸被膜を施し、厚みを10種類の膜厚に造り分け、表7に示す、0.2〜103μmの範囲に変化させた、片面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この片面潤滑被膜鋼帯の逆面にもスプレーにより0.8μmのリン酸被膜を施して、片面の潤滑性が優れる、片面高潤滑鋼帯を製造した。この片面高潤滑鋼帯を素材として、潤滑性の優れる面が鋼管の内表面となるように成形し、電縫溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。但しこの鋼管の場合、鋼管の外表面にも0.8μmのごく薄い被膜が、当然存在していることになる。これらの、内面高潤滑鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を80本づつ用意し、実施例1と同様な4種類の内面治具を用いる鋼管の加工を、各20本づつ施した。加工後に、被加工鋼管の破断有無、管内面潤滑被膜の剥離状況と、内面治具のかじり、焼付きの発生状況、剥離被膜の内面治具への堆積状況を観察した。その結果を表7に示す。更に、それぞれの膜厚の条件の鋼管を、長さ500mmに切断したもの20本を用いて、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表7に示す。No61、No62の比較例のように、鋼管内表面の潤滑被膜厚が、1μmより薄い場合には、■曲げ加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■径拡大加工では、被加工鋼管に爪部近傍からの長手方向破断が発生し、■径絞り加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■液圧バルジ加工では、長手方向破断が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、かじり、焼付きの発生が観察された。一方、No69、No70の比較例の様に鋼管内表面の潤滑被膜が、100μmを超えて厚い場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、鋼管内表面潤滑被膜の剥離が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、剥離被膜の堆積が観察された。この剥離被膜の堆積は、加工疵発生の原因となる。鋼管内表面の潤滑被膜厚が1〜100μmの範囲にある、No63〜No68の6種類の鋼管内表面潤滑被膜厚鋼管の場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、20本全数が、良品として加工でき、更に、内面治具には、かじり、焼付きの発生も、剥離被膜の堆積も、全く観察されず、内面治具初期の良好な表面が維持されていた。この結果から明らかなように、鋼管内表面の1〜100μmのリン酸潤滑被膜は、内面治具と被加工鋼管との潤滑効果において、非常に有効であり、適正であることが判る。また、自動搬送ロボットのハンドによるクランプ試験では、No61〜No70の何れの鋼管も、鋼管外表面の潤滑被膜は薄く、不必要な潤滑性、「すべり」性は付与されていない為、クランプミスは全く発生せず、良好なハンドリング性を示した。そこで更に、比較例として、同板厚2.9mmの両表面Znメッキ鋼帯にスプレーで両表面にリン酸被膜を施して、10種類の膜厚に造り分け、膜厚を表8に示す、0.3〜105μmの範囲に変化させた、両面潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この両面潤滑被膜鋼帯を素材として、内外表面両面に潤滑被膜を有する電縫溶接鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの内外表面両面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を20本づつ用意し、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表8に示す。No73〜No80の何れの鋼管も、鋼管外表面に存在する膜厚1μm以上の潤滑被膜の潤滑、「スベリ」効果の為に、クランプミスが発生しており、ハンドリング性が悪いことが判る。以上の結果から、本発明の管内表面高潤滑鋼管のみが、内面治具との良好な潤滑性と、クランプミスの無い良好なハンドリング性の両立を、達成できる手段であることが判る。
【0018】(実施例5)板厚2.9mmの熱間圧延鋼帯(炭素鋼;C:0.08%、Si:0.2%、Mn:0.2%)を酸洗した後、その片面にA,B,Cの三種類の無機系被膜形成液をスプレーで塗布して、その後乾燥して10種類の生成量に造り分けた。AはMn酸化物又はP酸化物、BはMn,Pに第二元素群(Ni,Mg,Fe,Co,Al)の1種又は2種又は3種からなる酸化物、Cは、Ni,Fe,Co,Alの4種からなる酸化物。生成量はいづれも化学分析した測定元素量である。無機系被膜の金属元素としての生成量(含有金属元素合計値)は、表9に示す、0.4〜1750mg/m2 の範囲である片面無機系潤滑被膜鋼帯を製造した。次いで、この片面潤滑被膜鋼帯を素材として、この無機系潤滑被膜の存在する面が鋼管の内表面となるように成形し、電縫鋼管(外形76.3mm、肉厚2.9mm、長さ5.4m)を製造した。これらの、管内面潤滑被膜鋼管を長さ500mmに切断して、それぞれの10種類の膜厚の500mm短尺鋼管を80本づつ用意し、以下の4種類の内面治具を用いる鋼管の加工を、各20本づつ施した。加工後に、被加工鋼管の破断有無、管内面潤滑被膜の剥離状況と、内面治具のかじり、焼付きの発生状況、剥離被膜の内面治具への堆積状況を観察した。その結果を表9に示す。4種類の内面治具を用いる鋼管加工とは、実施例1と同様の■曲げ加工:曲げR=152.6mm(2D)で回転引き曲げ加工実施 鋼管の偏防止の為、Φ=70mmの内面治具(マンドレル)を使用■径拡大加工:外形D1=99mm(1.3D)へ爪形状の内面治具を使用して径拡大加工実施■径絞り加工:外形D2=46mm(0.6D)へ押し込みダイスを用いて径絞り加工実施 内面座屈防止の為、内面治具(中子)を使用■液圧バルジ加工:外形D3=114mm(1.5D)へ液圧を用いて径拡大加工実施 両管端のシールの為、内面治具(ポンチ)を使用である。更に、それぞれの膜厚の条件の鋼管を、長さ500mmに切断したもの20本を用いて、自動搬送ロボットのハンドでクランプ試験を実施し、クランプミスの発生回数をカウントした。その結果を表9に示す。No81、No82の比較例の様に、鋼管内表面の無機系潤滑被膜の生成量が、1mg/m2 より薄い場合には、■曲げ加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■径拡大加工では、被加工鋼管に爪部近傍からの長手方向破断が発生し、■径絞り加工では、被加工鋼管に周方向破断が発生し、■液圧バルジ加工では、長手方向破断が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、かじり、焼付きの発生が観察された。一方、No89、No90の比較例のように鋼管内表面の無機系潤滑被膜の生成量が、1000mg/m2 を超えて厚い場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、鋼管内表面潤滑被膜の剥離が発生した。このような場合には、同時に、内面加工治具に、剥離被膜の堆積が観察された。この剥離被膜の堆積は、加工疵発生の原因となる。鋼管内表面の無機系潤滑被膜の生成量が1〜1000mg/m2 の範囲にある、No83〜No88の6種類の鋼管内表面潤滑被膜厚鋼管の場合には、■曲げ加工■径拡大加工■径絞り加工■液圧バルジ加工の、何れの加工においても、20本全数が、良品として加工でき、更に、内面治具には、かじり、焼付きの発生も、剥離被膜の堆積も、全く観察されず、内面治具初期の良好な表面が維持されていた。この結果から明らかなように、鋼管内表面の生成量が金属元素として1〜1000mg/m2 の無機系潤滑被膜は、内面治具と被加工鋼管との潤滑効果において、非常に有効であり、適正であることが判る。また、自動搬送ロボットのハンドによるクランプ試験では、No81〜No90の何れの鋼管も、鋼管内表面のみにしか潤滑被膜を塗布していない事から、クランプミスは全く発生せず、良好なハンドリング性を示した。以上の結果から、本発明の管内面高潤滑鋼管のみが、内面治具との良好な潤滑性と、クランプミスの無い良好なハンドリング性の両立を達成できる手段であることが判る。
【0019】
【表1】

【0020】
【表2】

【0021】
【表3】

【0022】
【表4】

【0023】
【表5】

【0024】
【表6】

【0025】
【表7】

【0026】
【表8】

【0027】
【表9】

【0028】
【発明の効果】本発明の管内面高潤滑鋼管を素材として、曲げ加工、径拡大加工、径絞り加工、液圧バルジ加工等の内面治具を用いる加工を行うことにより、内面治具のかじり、焼付き、摩耗の問題を回避しながら、従来の塗油、脱脂洗浄、塗装乾燥工程等を省略できる為、大幅な工程省略効果が得られる。また、塗油を省略できる事で、油垂れによる床面の汚染を防止できる為、作業環境の向上にも寄与する。しかも、鋼帯状態で潤滑被膜を塗布することから、膜厚1〜100μm又は金属元素として生成量1〜1000mg/m2 の潤滑被膜を非常に均一に安定的に形成する事ができるので、内面治具のかじり、焼付き、摩耗防止効果は絶大であり、鋼管の加工における破断、座屈等の加工不良防止効果を安定的に得られる。また、内面治具のかじり、焼付き、摩耗の低減・防止効果は、この内面治具表面の手入れ、交換の頻度・手間を大幅に低減できる事から、生産性を向上できる効果をも有している。更に、鋼管外表面の潤滑性は内表面より低くし、場合によっては、外表面には潤滑被膜を施さない事で、ライン内でのハンドリング性においても、従来の潤滑被膜を施していない鋼管と、同等あるいは何ら変わること無くハンドリングできる為、ラインやロボットハンドに改造を加えること無く、従来のラインで問題無く製造できるという、メリットも併せ持っている。よって、本発明は、需要家において鋼管の内面に治具を用いた加工を行う場合、塗油、ペイント塗装工程等を省略することにより、これらの工程が原因で発生している脱油洗浄工程、乾燥工程をも省略し、且つ、搬送工程においてスリップ等の問題を生じないで、内面治具のかじりや焼付き、磨耗を防止できる、内面潤滑性に優れた良加工性内面高潤滑鋼管及びその製造方法として業界の発展に寄与するところ大きいものがある。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013