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発明の名称 連続鋳造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−1120(P2001−1120A)
公開日 平成13年1月9日(2001.1.9)
出願番号 特願平11−177805
出願日 平成11年6月24日(1999.6.24)
代理人 【識別番号】100094972
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004 MB02 MB17 
発明者 安波 利明 / 井本 健夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の溶鋼鍋による連続鋳造において、溶鋼鍋からタンディッシュへの溶鋼の流入量および、該タンディッシュからモールドへの溶鋼の流出量とからなる理論的モデルに基づく計算式を予め作成しておき、各溶鋼鍋における溶鋼の残り高さおよび、溶鋼の残存量とを鋳造作業中、該計算式により逐次計算し、計算式により得られた溶鋼鍋内の溶鋼の残り高さが所定の高さに達したとき、あるいは溶鋼の残存量が所定の量に達したときに該溶鋼鍋からの溶鋼の排出を終了し、次の溶鋼鍋に移行することを特徴とする連続鋳造方法。
【請求項2】 鋳造作業中、理論的モデルに基づく計算式により得られたタンディッシュ重量の変化と実績の変化とを比較し、その結果が一致するように、前記計算式を調整して、理論的モデルを実績に整合させながら、該計算式から溶鋼鍋内の溶鋼の残存高さを計算し、その値が所定値に達したときに該溶鋼鍋からタンディッシュへの溶鋼の排出を停止することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造方法。
【請求項3】 理論的モデルに基づく計算式が、タンディッシュの重量と溶鋼鍋に設けられたスライディングノズルの開面積および、該タンディッシュからモールドへの溶鋼の流速(鋳造速度)を基準として作成したことを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の連続鋳造において、溶鋼鍋からタンディッシュへのスラグの流入を防止し、厳しい品質要求に対応した製品を製造するための連続鋳造鋳片の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の連続鋳造において、厳しい品質要求に対応したスラブを製造するには、溶鋼鍋内において、溶鋼上に存在するスラグがタンディッシュを経てモールド内に流入しないようにすることが重要である。そのため、溶鋼鍋内に溶鋼が残存している状態でタンディッシュへの流入を中止し、残存する溶鋼をスラグとともに廃棄することが行われている。
【0003】しかしながら、廃棄した溶鋼を収容するための受け皿は、その大きさが限定されているため、該受け皿に収容可能な量のみを残さなければならない。一方、受け皿に廃棄される溶鋼の量を最小限に止めることが、歩留り向上の点から望まれている。
【0004】そこで、溶鋼鍋に残存する溶鋼量を予測することが重要な事項となっており、そのための手段として溶鋼鍋の残存溶鋼量を測定するための方法が種々開発されている。例えば特開昭62−40961号公報に記載された発明では、タンディッシュの液面の高さをレーザー光線あるいはマイクロ波により測定する方法である。しかしながら、この方法はタンディッシュ内の溶鋼の表面にスラグが浮いているため、溶鋼面の高さを正確に測定できない欠点がある。
【0005】また、特開昭53−81433号公報に記載された発明は、鋳型の湯口の溶鋼面の高さを光学的に監視し、湯面高さが所定の高さ以上になったことを注湯完了の指令として注湯を終了する方法である。しかしながら、この方法も、上記発明と同様溶鋼の表面にスラグが存在するため、湯面高さを正確に測定できないという問題点を有する。
【0006】また、溶鋼鍋の重量を測定することも考えられるが、この場合は、回転するスイングタワー上にロードセル等の測定器を設置しなければならず、しかも、該測定器が溶鋼鍋の全重量を支持しなければならないため技術的に困難である。さらに、鋳造されたスラブの距離を測定し、その体積によりタンディッシュから流出した溶鋼重量を求め、残存溶鋼量を計算する方法もあるが、この方法も鋳造中に、鋳造速度の変化等に起因してスラブの厚みが20〜50mm程度も変化することがあるため、操業に適した精度での測定は不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題を解決するもので、溶鋼鍋内の溶鋼の残存高さ及び溶鋼の残存量を直接に測定することなく、予め作成した理論的計算式により正確に知得して鋳造作業を行うことにより、モールドへのスラグの流入を防止し、スラブの品質の向上を図ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは、下記手段にある。
(1) 複数の溶鋼鍋による連続鋳造において、溶鋼鍋からタンディッシュへの溶鋼の流入量および、該タンディッシュからモールドへの溶鋼の流出量とからなる理論的モデルに基づく計算式を予め作成しておき、各溶鋼鍋における溶鋼の残り高さおよび、溶鋼の残存量とを鋳造作業中、該計算式により逐次計算し、計算式により得られた溶鋼鍋内の溶鋼の残り高さが所定の高さに達したとき、あるいは溶鋼の残存量が所定の量に達したときに該溶鋼鍋からの溶鋼の排出を終了し、次の溶鋼鍋に移行する連続鋳造方法。
【0009】(2) 鋳造作業中、理論的モデルに基づく計算式により得られたタンディッシュ重量の変化と実績の変化とを比較し、その結果が一致するように、前記計算式を調整して、理論的モデルを実績に整合させながら、該計算式から溶鋼鍋内の溶鋼の残存高さを計算し、その値が所定値に達したときに該溶鋼鍋からタンディッシュへの溶鋼の排出を停止する(1)記載の連続鋳造方法。
(3) 理論的モデルに基づく計算式が、タンディッシュの重量と溶鋼鍋に設けられたスライディングノズルの開面積および、該タンディッシュからモールドへの溶鋼の流速(鋳造速度)を基準として作成した(1)または(2)記載の連続鋳造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について添付図面に基づき説明する。図1は本発明の原理を示す模式図であり、溶鋼鍋1から排出する溶鋼をタンディッシュ(TD)2によって受容し、該タンディッシュ2の下方に設置されたモールド3へ溶鋼を流出せしめ、鋳片4を鋳造する。また、溶鋼鍋1の下面に設けられているスライディングノズル(LDSN)5aによって、溶鋼鍋2から排出する溶鋼量を制御する。従って、溶鋼鍋1に収容された溶鋼は、該溶鋼鍋1の下面に設けられたスライディングノズル5aを通過して、タンディッシュ2に排出され、さらに該タンディッシュ2の下面からスライディングノズル5bを経て流出し、モールド(MD)3に注入されて鋳造が行われ、鋳片4を製造する。
【0011】本発明は、上記の鋳造作業において、現在使用中の溶鋼鍋1aからタンディッシュ2への溶鋼の流入量および、該タンディッシュ2からモールド3への溶鋼の流出量とからなる理論的モデルに基づく計算式を予め作成しておき、鋳造作業中、該計算式により溶鋼鍋1aにおける溶鋼の残り高さおよび重量を逐次計算し、該計算式により得られた溶鋼鍋内の溶鋼の残り高さが所定の高さに達したとき、あるいは溶鋼の残存量が所定の量に達したときに該溶鋼鍋からの溶鋼排出作業を終了し、次の溶鋼鍋1b(図示せず)に移行することにより、溶鋼上に存在するスラグがモールド3に流入することを防止して、鋳造されるスラブの品質の向上を図るものである。
【0012】また、上記の鋳造作業中、理論的モデルに基づく計算式により得られたタンディッシュ内の溶鋼重量の変化と実績の変化とを比較し、その結果が一致するように、前記計算式を調整して、理論的モデルを実績に整合させながら、該計算式から溶鋼鍋内の溶鋼の残存高さを計算するものである。
【0013】ここで、本発明における理論的モデルに基づく計算式について説明する。先ず、溶鋼鍋1の断面積をSh(m2 )、溶鋼面の高さをH(m)、溶鋼鍋1の下面に設けたスライディングノズル5aの開口面積をSl(m2 )、該スライディングノズル5aからタンディッシュ2への流速をU(m/sec)、タンディッシュ2の下面に設けたスライディングノズル5bの開口面積をSt(m2 )、タンディッシュ2からモールド3への流速をV(m/sec)、タンディッシュ2内の溶鋼重量をW(t)、溶鋼の比重をρ(t/m3 )と置く。
【0014】ところで、上記の連続鋳造操業においては、得られる情報がタンディッシュの重量W(t)、スライディングノズルの開口面積をSl(m2 )、タンディッシュからモールドへの流速(鋳造速度)V(m/sec)しかないため、これらの情報を基準として計算式を作成する。
【0015】先ず、溶鋼鍋からタンディッシュへの溶鋼流速Uと、溶鋼鍋の残湯高さHとの間には、ベルヌイの定理が成立しているとして、 (1+ξ)・ρ・U(t)2 /2=ρ・g・H(t) ・・・・(1)
但し、g:重力加速度(m/sec2
ξ:縮流係数の関係が成立する。
【0016】一方、溶鋼鍋の残湯高さHの変化は、溶鋼鍋の断面積Shを一定とすれば、流入量=流出量であるから、次式で与えられる。
Sh・dH/dt=Sl(t)・U(t) ・・・・(2)
そこで、(1)式および(2)式の関係を整理すると、 dU/dt=−g/(1+ξ)・Sl/Sh ・・・・(3)
となり、これを積分すると、 U=U(0)−∫(g/(1+ξ)・Sl/Sh)dt・・・・(4)
となる。
但し、U(0)=√(2・g・H(0))
H(0)=初期溶鋼重量/ρ/Sh【0017】上記(4)式で得られた流速Uを用いて、溶鋼鍋内の残り溶鋼高さHは、 H=(1+ξ)・U2 /(2g) ・・・・(5)
で求められる。また、溶鋼鍋内の残り溶鋼重量は、 ρ・Sh・H ・・・・(6)
で計算することが可能である。
【0018】本発明においては、上記に示したようにスライディングノズルの開口面積Slを用いて上記(4)式にて溶鋼鍋からタンディッシュへの流速Uを計算し、その値から溶鋼鍋の溶鋼面の高さHを上記(5)式により求め、さらに、その時々刻々の計算から溶鋼鍋の残湯高さHの変化を求めることを特徴とするものである。
【0019】そこで、前記の連続鋳造操業を実施するに際し、上記(5)式および(6)式により、逐次溶鋼鍋の残湯高さおよび残湯重量を計算し、その値が所定値に達したときに、使用中の溶鋼鍋1aからの溶鋼の供給を停止し、次の溶鋼鍋1bからの溶鋼の供給を開始する。
【0020】なお、上記の計算を行うに際して、実操業では様々な外乱によって計算値と実績値との乖離が発生する。その計算値の修正の考え方と計算式を以下に示す。タンディッシュ内の溶鋼重量Wの変化は、溶鋼鍋からの溶鋼の流入量とタンディッシュからモールドへの溶鋼の流出量との差であり、 dW/dt=ρ・Sl・U−ρ・St・V ・・・・(7)
であるので、上記(4)式を代入すると、 dW/dt=ρ・Sl・(U(0)−∫(g/(1+ξ)
・Sl/Sh)dt)−ρ・St・V ・・・・(8)
となる。
【0021】実際の計算では、初期溶鋼重量は連続鋳造工程より前の工程で測定した値を用い、スライディングノズル5bの開口面積をStとタンディッシュ2からモールド3への流速Vが測定できないため、 St・V=鋳造速度×鋳片厚×鋳片幅 ・・・・(9)
とした。
【0022】なお、(9)式において、複数のストランドから構成される連続鋳造機の場合は、St・Vは各ストランドにおける鋳造速度、鋳片厚、鋳片幅の積の合計した値となる。
【0023】上記(8)式にて求められたタンディッシュ内の溶鋼重量変化の計算値と、実績のタンディッシュ内溶鋼重量変化とを比較し、計算値と実績値との間に差がある場合には、上記の計算式におけるタンディッシュ2の開口面積Slを逐次変化させて、計算値が実績値と合うように調整する。
【0024】この変化したタンディッシュ2の開口面積Slを用いて、上記(4)式、(5)式により、溶鋼鍋内の残り溶鋼高さH求めることで、実操業での変化を反映させることができる。
【0025】この調整法の考え方を図2示した。すなわち、図2は本発明における計算値と実績値との調整法を示す説明図であり、スライディングノズルの開度(開口面積)の実績値を計算式中に取込み、上記(8)式を用いて計算したタンディッシュ内の溶鋼重量変化のモデル値と、タンディッシュ内溶鋼重量の変化の実績値の変化とを比較し、その比較値に差があれば、計算式中のスライディングノズルの開口面積の値を変化させて、モデル値が実績値と一致するように調整する。
【0026】なお、ここで本発明の考え方の理解を容易とするために、本発明における操作工程の流れをフローチャートで表してみたので、それを図3〜5に示す。図3は本発明の工程全体での操作状況を示した図である。また、図4は溶鋼鍋のスライディングノズルから溶鋼表面までの高さを求める算出方法の考え方を示した図であり、図5はスライディングノズルの開口面積の補正(モデルの補正)の考え方を示した図である。
【0027】
【実施例】溶鋼鍋容量:330tタンディッシュ容量:70tタンディッシュへの注入速度:平均8t/min鋳造速度:最大1.1m/min鋼種:低炭アルミキルド鋼鋳造サイズ:厚さ282mm×幅1550mm上記の鋳造条件で本発明による鋳造を実施した。
【0028】上記の計算により求めた溶鋼鍋の溶鋼の残り高さが850mmになった時点で、タンディッシュへの溶鋼排出を停止した。(なお、このとき、溶鋼鍋底からスライディングノズルまでの距離は750mmであった。溶鋼鍋底の面積と溶鋼の比重を掛けると溶鋼の高さ100mmが10tに相当する。)
【0029】一方、従来法として、オペレーターが溶鋼鍋残存溶鋼量を計算して、その値が10tになったときにタンディッシュへの溶鋼排出を停止した。実施例における本発明と従来法での溶鋼中の介在物の分析結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】表1の結果から明らかなように、本発明方法によれば、溶鋼中の介在物は、従来法による操業の場合よりはるかに少ない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は連続鋳造操業に際して、タンディッシュの重量及び溶鋼鍋内の溶鋼の残り高さを逐次計算して、その値を知得することができるので、溶鋼の注入停止を確実に行うことが可能となり、その結果、鋳造されたスラブに溶鋼上に浮遊するスラグが混入して、スラブの品質を低下させることがなく、品質の高い製品を得ることができる。また、溶鋼鍋に残存し、スラグとともに捨てられる溶鋼の量を少なくすることができ、歩留りの向上を図ることもできる。




 

 


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