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発明の名称 溶鋼の連続鋳造方法、電磁振動印加装置および連続鋳造鋳片
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−1117(P2001−1117A)
公開日 平成13年1月9日(2001.1.9)
出願番号 特願平11−173910
出願日 平成11年6月21日(1999.6.21)
代理人 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004 AA09 GA05 GA06 MB12 MB13 MB14 NB01 NC04 
発明者 笹井 勝浩 / 長谷川 一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 鋳型内メニスカスから鋳型下10mの間に電磁コイルを有する連続鋳造装置を用いて、取鍋、タンディッシュ或いは鋳型でMgを添加した溶鋼を、該電磁コイルの出力を強−弱変化又はON−OFFすることにより振動させながら鋳造することを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【請求項2】 請求項1において、溶鋼中のAl濃度を0.1%以下、Mg濃度を0.0002〜0.01%としたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【請求項3】 請求項1又は請求項2において、電磁コイルの出力を強−弱変化又はON−OFFさせることにより振動させた振動流の加速度の絶対値の最大値を10cm/s2 以上としたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項において、電磁コイルによる1周期の振動時間を0.2秒以上10秒未満にしたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【請求項5】 移動磁界により連続鋳造機内の溶鋼を振動させる電磁コイルおよび電源からなる電磁振動印加装置において、コイル電流を台形状に周期的に変動させ、この台形状の電流は最小コイル電流を最小電流保持時間維持した後、コイル電流増加時間後に最大コイル電流に達し、最大コイル電流を最大電流保持時間維持した後、コイル電流減少時間後に最小コイル電流に達するように周期的に変動させる手段を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法を実施するための連続鋳造機内の溶鋼の電磁振動印加装置。
【請求項6】 請求項1から4までのいずれか1項に記載の連続鋳造方法により凝固組織を微細にしたことを特徴とする連続鋳造鋳片。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼の連続鋳造方法に関する。通常の連続鋳造鋳片の横断面には、その中心にポロシティを伴う最終凝固部と、この最終凝固部を取り囲むように配された中心近傍の粗い粒状晶部と、粗い粒状晶部を取り囲む粗い柱状晶部とが観察される。この粗い粒状晶と粗い柱状晶とを微細な等軸晶にすることができると、例えばスラブを薄板にした際には成形加工性が顕著に優れた薄板になり、また例えば厚板にした際には低温靱性に優れた厚板になる。本発明は更に詳しくは、この粗い粒状晶と柱状晶を微細な等軸晶にすることができる溶鋼の連続鋳造方法、電磁振動印加装置およびそれを用いて鋳造した微細な凝固組織を有する連続鋳造鋳片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】「鉄鋼便覧」第3版、II製銑・製鋼、p.653には、等軸晶は溶鋼過熱度が低いと増加することから、等軸晶化には低温鋳造が有効であることが示されている。しかし、低温鋳造では、溶融金属の過熱度を液相線に近い温度にし、これを浸漬ノズルから鋳型内に注入する必要があるため、浸漬ノズルの閉塞や鋳型内でのディッケル生成等の凝固異常を招く場合がある。
【0003】特開昭50−23338号公報は、誘導電磁攪拌装置を用いて、凝固界面近傍の溶鋼に流速が変化しない一方向に流れる旋回流を与え、柱状デンドライトを分断することにより柱状晶を等軸晶にする技術を記載している。しかし、本発明者らの知見では、この方法は等軸晶化する力が小さく、例えば等軸晶が生成し難いC含有率が0.1%以下の溶鋼の場合には、柱状晶を十分に等軸晶化する事が難しい。
【0004】特開平3−44858号公報は、円柱または角柱ビレットの際に品質上の問題点となるポロシティを伴う最終凝固部を改善する方法で、例えば鋳型下16m〜27mの最終凝固部近傍に誘導電磁攪拌装置を配し、半サイクルの攪拌時間が5〜30秒の向きが反転する旋回流を用いる。しかし、この方法は最終凝固部を改善する方法であるため、誘導電磁攪拌装置を配する場所が本発明とは異なること、さらにこの方法は旋回流の方向を周期的に反転させるもので、本発明の電磁コイルの出力を強弱変化又はON−OFFすることによる振動付与とは全く異なる技術である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中心近傍の粗い粒状晶とそれを取り囲む粗い柱状晶とが共に微細に等軸晶化した鋳片を製造できる連続鋳造方法、電磁振動印加装置およびそれを用いて鋳造した微細な凝固組織を有する連続鋳造鋳片の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記(1)〜(6)のとおりである。
(1)鋳型内メニスカスから鋳型下10mの間に電磁コイルを有する連続鋳造装置を用いて、取鍋、タンディッシュ或いは鋳型でMgを添加した溶鋼を、該電磁コイルの出力を強−弱変化又はON−OFFすることにより振動させながら鋳造することを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【0007】(2)前記(1)において、溶鋼中のAl濃度を0.1%以下、Mg濃度を0.0002〜0.01%としたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
(3)前記(1)又は前記(2)において、電磁コイルの出力を強−弱変化又はON−OFFさせることにより振動させた振動流の加速度の絶対値の最大値を10cm/s2 以上としたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
【0008】(4)前記(1)〜前記(3)において、電磁コイルによる1周期の振動時間を0.2秒以上10秒未満にしたことを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
(5)移動磁界により連続鋳造機内の溶鋼を振動させる電磁コイルおよび電源からなる電磁振動印加装置において、コイル電流を台形状に周期的に変動させ、この台形状の電流は最小コイル電流を最小電流保持時間維持した後、コイル電流増加時間後に最大コイル電流に達し、最大コイル電流を最大電流保持時間維持した後、コイル電流減少時間後に最小コイル電流に達するように周期的に変動させる手段を有することを特徴とする前記(1)から前記(4)記載の方法を実施するための連続鋳造機内の溶鋼の電磁振動印加装置。
【0009】(6)前記(1)から前記(4)の何れかの連続鋳造方法により凝固組織を微細にしたことを特徴とする連続鋳造鋳片。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の基本思想は、微細な酸化物を溶鋼中に分散させ、これに電磁コイルによる振動を加え溶鋼の過熱度を低下させることにより、微細に分散させた酸化物を等軸晶生成の核として効率的に活用し、鋳片内に微細な等軸晶を生成させることにある。この基本思想を実現するためには、■鋳片内で等軸晶の核となり得る微細な酸化物を生成させる方法と、■微細な酸化物を起点に生成した等軸晶核の再溶解を防止できるように溶鋼過熱度を低減させた上で、微細に分散させた酸化物が凝集・合体しない電磁コイルの振動条件を明らかにすることが重要である。
【0011】まず、■の方法について述べる。Al脱酸溶鋼には多数のAl2 3 系介在物が存在するが、この介在物は極めて凝集・合体し易く粗大な酸化物となるため、等軸晶の核として有効に作用しない。これに対し、本発明者らは、溶鋼中にMgを添加し、Al2 3 系介在物をMgO、或いはMgO・Al2 3 に改質することにより、微細な酸化物を溶鋼中に均一に分散できること、さらにこれら酸化物が等軸晶生成の核になり易いことを見いだした。これは、Al2 3 と比較して、MgOやMgO・Al2 3 は溶鋼と濡れ易いためだと考えられる。
【0012】本発明では、溶鋼中のAl濃度は0.1%以下であり、これを超えるAl濃度ではMgを添加してもAl2 3 系介在物をMgO、或いはMgO・Al2 3に改質できず、微細な酸化物を溶鋼中に分散できない。溶鋼中Al濃度の下限値は特に規定するものではないが、0.001%未満になると脱酸の効果が不安定になるため、0.001%以上が望ましい。
【0013】また、Mgの添加量は0.0002〜0.01%に規定した。これは、Mg濃度が0.0002%未満では微細な酸化物の量が少なくなることにより、Mg濃度が0.01%を超えると酸化物が粗大化し易くなることにより、何れも鋳片内の凝固組織を微細な等軸晶にする効果が失われるためである。次に、■について述べる。一般に、電磁攪拌では、凝固界面の溶鋼に一方向の旋回流を付与するため、この旋回流が柱状デンドライトを分断し、等軸晶化を促進すると考えられており、溶鋼の過熱度を低下させる効果は比較的小さい。電磁攪拌による溶鋼過熱度の低減効果を高めていくためには、旋回流速を速くする必要があるが、その場合微細な酸化物が凝集・合体により粗大化し、等軸晶の核として有効に機能しなくなる。これに対し、本発明は凝固シェル前面の溶鋼を電磁コイルに基づく移動磁界により振動させ、凝固シェルと溶鋼間の熱伝達を促進し、溶鋼の過熱度を効果的に低減するものであり、微細な酸化物を起点に生成した等軸晶核の再溶解を防止できる。さらに、電磁コイルの出力を強−弱、又はON−OFFすることによる振動は凝固シェル前面に付与され、内部の溶鋼には伝わりにくいため、酸化物の凝集・合体を抑制する効果も有している。
【0014】電磁コイルの電流を図1のパターンで変動させると、これに対応して凝固シェル前面の溶鋼の振動流速は若干なまりながら追従する。凝固シェル前面の振動流速が一定であるt2またはt4の領域では、振動流による熱伝達促進の効果は電磁攪拌並であるが、電磁コイルによる振動の加速領域t1および減速領域t3では、凝固シェル前面の振動流に加速度が生じており、一定速度の電磁攪拌流に比べて非常に大きな熱伝達促進効果を有することを見いだした。この振動に伴い誘起される加速度の効果により、凝固シェル−溶鋼間の熱伝達が促進され、溶鋼の過熱度を効率的に低下させることができる。合わせて、本発明は旋回流の向きを変えない振動であるため、旋回流の方向を周期的に反転させる電磁攪拌に比べて湯面の安定性を十分確保でき、パウダーの巻き込みに起因する表面欠陥を防止できる。
【0015】図2はスラブの連続鋳造における本発明の説明図で、(A)は装置の縦断面の説明図で(B)及び(C)は矢印イ−イの横断面の説明図である。図中1は凝固シェル、2は未凝固溶鋼、3,3’は電磁コイルである。電磁コイルはスラブの幅広面の両側の対応する位置に配され、電磁コイルに基づく移動磁界により図2(B)の如くに未凝固溶鋼2を矢印4方向又は4’方向に振動させる。本発明では、凝固シェル前面の溶鋼を振動させ、凝固シェルと溶鋼間の熱伝達を促進させるものであるから、図2(B)の如く振動時に溶鋼を旋回させる必要はなく、図2(C)の5又は5’の如く振動させても良い。
【0016】上記説明はスラブを例に行ったが、本発明の実施はスラブに限られたものではなく、ブルーム、ビレット、丸ブルーム等でも同様の効果が得られる。また、鋳型下10mよりもさらに下方では、既に鋳片表層から数10mmまで凝固が完了しているので、鋳片全面の凝固組織をできるだけ微細化するためには電磁コイルは凝固の始まる鋳型内メニスカスから鋳型下10mの位置に設置することが有効である。なお、Mg添加は、取鍋、タンディッシュ或いは鋳型に限定されるものではく、鋳型までの過程で溶鋼にMgを添加する手段であれば良いことは言うまでもない。
【0017】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について説明する。
実施例1炭素含有量が0.11%の溶鋼50kgを高周波溶解炉で溶製し、これにMgを0.003〜0.005%含有せしめて本発明の溶鋼とした。また、上記と同様でMgを含有せしめなかった比較例の溶鋼を作成した。本発明の溶鋼及び比較例の溶鋼は、温度1600℃で横200mm、縦100mm、高さ300mmの水冷銅製鋳型に注入した。注入後直ちに所定の振動パターンで鋳型内の溶鋼を振動させながら凝固させた。
【0018】振動パターンは、図1で電磁コイルの電流を最大100アンペア(旋回流速で40cm/s)、最小0アンペア(旋回流速で0cm/s)とし、コイル電流増加時間t1、最大コイル電流保持時間t2、コイル電流減少時間t3、最小コイル電流保持時間t4を所定の値に設定することにより変化させた。鋳造後の鋼塊は横断面で切断し、凝固組織を顕出した後、等軸晶の円相当径(面全体の平均値)を評価した。なお、柱状晶の場合の粒径も同時に評価できるように等軸晶粒径は2(a・b)0.5と定義した(aは結晶粒の長径、bは結晶粒の短径である。)。鋳片横断面の平均等軸晶粒径と電磁コイルの振動周期との関係を図3に示す。
【0019】図3から分かるように、Mgを添加した鋳片の平均等軸晶粒径は、振動流の加速度の絶対値の最大値が10cm/s2 以上で、且つ振動周期が0.2秒以上10秒未満の領域で小さくなることが分かる。なお、振動流の加速度は、鋳型に水銀を充満させ、電磁コイルにより水銀を振動させた場合の流速をプロペラ流速計で測定した結果から算出したものである。これは、振動流の加速度の絶対値の最大値を10cm/s2 とすることにより溶鋼過熱度が低下し、微細な酸化物を起点に生成した等軸晶核の再溶解が抑制されたためである。また、振動周期が10秒以上では、単なる電磁攪拌と同じ流動状態になるため、また0.2秒未満では凝固シェル前面の溶鋼が電磁コイルの電流変化に追従し難くなるため、何れも振動による過熱度低減効果が損なわれ、等軸晶核が再溶解した結果、等軸晶粒径が細かくならなかったものと考えられる。
【0020】したがって、凝固組織を微細化するためには、振動流の加速度の絶対値の最大値を10cm/s2 以上とし、その上で振動の周期を0.2s以上10秒未満にする必要がある。
実施例2炭素含有量が0.12%でタンディッシュ内の温度が1550℃の溶鋼を鋳造速度1.8m/分で、250mm×1500mmの鋳型に鋳造するに際して、鋳型内に電磁攪拌装置を配し、この電磁コイルに500A、周波数2Hzの電流を流して凝固界面に40cm/sの旋回流を形成した。この従来法で得られたスラブを調査したが、横断面の平均等軸晶粒径は3.5mmであり、凝固組織は微細化しなかった。
【0021】一方、炭素含有量が0.12%の取鍋内の溶鋼に、10%Mg−Ni合金を添加してMgを0.002%含有せしめ、この溶鋼をタンディッシュ内で温度1550℃に調整すると共に、鋳造速度1.8m/分で、上記と同じ鋳型に鋳造した。その際、鋳型内に電磁コイルを配し、この電磁コイル電流の振動周期を2秒(最大コイル電流500A、最小コイル電流0A、コイル電流増加時間0.5秒、コイル電流減少時間0.5秒、最大電流保持時間0.5秒、最小電流保持時間0.5秒)、振動流の加速度を80cm/s2 の条件で凝固シェル前面の溶鋼を振動させた。本発明の方法で得られたスラブを調査すると、横断面の平均等軸晶粒径は1.3mmであり、凝固組織は微細化していた。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によると、鋳片の凝固組織を微細に等軸晶化した連続鋳造鋳片を製造することができるため、薄板では成形加工性に、厚板では低温靱性に優れた材料を製造することが可能となる。




 

 


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