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オーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法 - 新日本製鐵株式会社
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発明の名称 オーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−1004(P2001−1004A)
公開日 平成13年1月9日(2001.1.9)
出願番号 特願平11−170893
出願日 平成11年6月17日(1999.6.17)
代理人 【識別番号】100062421
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弘明 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002 AA07 AB02 AC12 AC14 BB01 BB08 BC05 BD08 CA19 CB07 CB08 
発明者 及川 雄介 / 竹内 和久 / 天藤 恭太郎 / 中村 吉孝 / 那須 英和
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 円形断面のオーステナイト系ステンレス鋼鋳片を鋳片加熱工程で加熱後傾斜圧延にて軽度の圧延を行い、次いで孔型圧延を行うことにより棒線材を製造する方法であって、傾斜圧延における鋼材表層のロール1回あたりの加工率が15%以上となるような表層加工率と平均ロール接触回数で傾斜圧延を行なうことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法。
【請求項2】 高温高速引張試験を行って引張温度と破断絞り値の関係を求め、その結果を基に鋼材表層のロール1回あたりの加工率より破断絞り値が上回る引張温度の範囲を導出し、その温度範囲で傾斜圧延を行なうことを特徴とする請求項1記載のオーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オーステナイト系ステンレス鋼の鋳片を圧延し、棒線材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼棒線材の製造は通常、鋳片等の圧延素材を加熱後孔型圧延機を数機以上連ねた連続圧延ミルによって熱間圧延し、百ないし数百mmサイズの角または円形の素材を数ないし数十mmの径までに成形することによって行われる。この連続圧延ミルでオーステナイト系ステンレス鋼を圧延する際の課題の一つとして割れ疵がある。これは切削性が良好なため摩棒等に用いられる快削オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS303)や、耐溶接割れ性が良好なため溶接棒等に用いられる高デルタフェライト鋼(例えばSUS309)のような難熱間加工性オーステナイトステンレス鋼において、圧延時に熱間加工割れを生じこれが疵となるものである。
【0003】これに対する従来からの対策としては、分塊圧延等によって熱間で歪みを加えることにより鋳片の粗大結晶を再結晶させ微細粒とし、熱間加工性を向上させてから圧延に供することが多い。ただしこの方法は鋳造から圧延までに余分な工程を必要とする上、再加熱に余分なエネルギーがかかる。更にコーナー部等に生じる割れを除去するための研削を必要とし歩留ロスも大きい。
【0004】そのため、分塊圧延を省略する方策が従来から考案されている。例えば特開平2−8320号公報には鋳造後鋼材が冷却しないうちに20%以上の圧下を加えることにより熱間加工性を向上させる方法が開示されている。これにより分塊圧延を省略できるならば(省略可能かどうかの記載は無い)、再結晶前処理工程及び再加熱のエネルギーを省略できる有効な方策であることは確かである。しかしながら、鋳造機が複数ある場合それら全てに圧下機を設けなければならず設備コスト高となるほか、当該明細書に記載されているロール圧下や鍛造では従来通りに熱間加工割れを生じ、それを除去するのに相当量の表面研削を必要とすることには変わりがない。
【0005】一方、孔型圧延に対し、傾斜圧延という圧延法が考案され広く用いられている。これは円形鋼材の回りでロールを鋼材の移動方向でなく円周方向から若干傾斜した方向に回転させつつ圧延する方法で、特に継ぎ目無し管の製造等において2Hi圧延ミル数基を1パス化する高圧下ミルとして使用されてきた。その傾斜圧延機を用い棒線材を圧延する方法として特開平5−277503号公報では棒線材の圧延ラインにおいて孔型圧延の前段に傾斜圧延を置く設備列が開示されているが、これによって上記難熱間加工鋼種を疵なく製造できる方策は示されていない。また、特開平6−88128号公報には継ぎ目無し鋼管の製造法において傾斜圧延を特定温度特定圧延率で圧延することにより細粒組織を得る方策が開示されているが、この特許は普通鋼に関するものである上、熱間加工性を向上させる方法、更には難熱間加工材を疵なく製造する方策については示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために考案されたものである。即ち、孔型圧延の直前に傾斜圧延機による圧延を施しかつ断面減少率、ロール角度等の圧延条件および圧延温度を各鋼種に応じた特定のものとすることにより、オーステナイト系ステンレス鋼の中で多種にわたる難熱間加工鋼種の圧延を鋳造ままで再結晶前処理を行わない鋳片を素材として汎用的に行うことが出来、従来分塊圧延等の前処理に費やしていた時間及びエネルギーを省略することが出来るオーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1) 円形断面のオーステナイト系ステンレス鋼鋳片を鋳片加熱工程で加熱後傾斜圧延にて軽度の圧延を行い、次いで孔型圧延を行うことにより棒線材を製造する方法であって、傾斜圧延における鋼材表層のロール1回あたりの加工率が15%以上となるような表層加工率と平均ロール接触回数で傾斜圧延を行なうことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法。
(2) 高温高速引張試験を行って引張温度と破断絞り値の関係を求め、その結果を基に鋼材表層のロール1回あたりの加工率より破断絞り値が上回る引張温度の範囲を導出し、その温度範囲で傾斜圧延を行なうことを特徴とする前記(1)記載のオーステナイト系ステンレス鋼棒線材の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者らは傾斜圧延と孔型圧延における変形挙動を詳細に検討した。その結果、従来継ぎ目無し管製造に用いていた場合には 大圧下ミル としてだけ見られていた傾斜圧延機を改めて詳細に検討してみると、下記に示す3つの意味で孔型圧延機より熱間加工割れを回避するのに向いており、難熱間加工性のオーステナイト系ステンレスを圧延するのに最適な圧延機である事を見出した。即ち条件を適正に制御することにより割れを生じずに再結晶に必要な加工歪みを加えることが出来るため、微細再結晶組織をインラインで作り出せ、その結果その後の孔型圧延でも割れを生じずに圧延可能となる。
【0009】傾斜圧延機が孔型圧延機より優れているのは下記の3点である。まず第一に、鋼材への歪み分布が均一に近いことが挙げられる。孔型圧延ではロールの当たらない鋼材側面に周方向の歪みが集中するため、断面減少率からみた平均の圧下率は低くても側面で割れ限界歪みを超え割れ発生に到ることがある。一方、傾斜圧延では歪みの与え方が均一に近いため鋼材の持つ割れ限界歪みとほぼ同等まで圧下率を与えることが可能である。
【0010】第二に表層が特に高圧下されることがある。孔型圧延は深さ方向の圧延歪み分布が一様であるが、傾斜圧延は表層に剪断歪みが付加されることにより表層ほど高加工となり、表面割れに関係のない中心部より発生領域である表層を優先して微細再結晶させることが出来る。逆に言えば微細再結晶組織を得るのに必要な圧下率が孔型圧延より小さくてもよい。
【0011】第三に傾斜圧延1台でも各ロールが数度表面に当たるため、実際には多パス圧延となっていることが挙げられる。そのため、最初のロールと次のロールとの間で再結晶により歪みはほぼ消失しているので、各ロール1パス分の歪みに耐えることが出来れば割れを回避できることとなり、合計としてより高歪みを与えることが出来る。孔型圧延で同様の効果を得るためには軽圧下の(しかも第一の理由より傾斜圧延よりさらに軽圧下の)ミルを多数連ねる必要があり設備コストは膨大である。なおこのような短時間で再結晶するのはオーステナイト組織特有の現象であり、フェライト系ステンレス鋼で本方法を適用することはできない。
【0012】これらの傾斜圧延の特徴を最大限に活用するため、本発明者らは以下に示すように圧延条件を導出した。従来の継ぎ目無し管を製造する場合に於いては、傾斜圧延機における圧下率は例えば断面減少率50%といったように大きいものであった。しかし本発明法では表層を再結晶するのに足るだけの最小限の圧下率を加えることにより難熱間加工材の圧延に活用する。具体的には以下のように加工率を設定する。まず第一に各ロールの1パスにおいて再結晶を完了していなければならない。そのためには動的再結晶あるいはロール間でのごく短時間での静的再結晶により再結晶を完了していなければならないが、割れは表層のみが問題となるので、表層だけが再結晶していればよい。発明者らは種々の実験により15%以上の表層加工率があればこの条件を十分満たすことを見出した。
【0013】ここに示す表層加工率は通常の圧延率、即ち断面減少率とは異なる。前述のように傾斜圧延の場合表層は中心部より高加工となっている。従って、当発明の要件である表層加工率は全断面の平均加工率である断面減少率より大きい。また、傾斜圧延1ミルでも数回ロールに当たっているから、傾斜圧延1ミル全体の加工率ではなく各ロール1パスあたりの加工率を求めなくてはならない。上記の、「各ロールの1パスにおける表層加工率」は以下のようにして求めることが出来る。まず表層加工率は傾斜圧延1ミルでの圧延直後の鋳片を取り出し組織のメタルフローを観察し図1に示す方法により導出することが出来る。次に表層加工率を圧延時に各位置に接触する平均ロール数を用い1ロールあたりの表層加工率に換算する。そのためには表層加工率をε、ロール数をNとすると1−(1−ε)1/N を計算すればよい。なお、傾斜圧延においてはロールがある表面では1回、ある表面では2回当たるというようなことがあるので、その場合はロール数の平均をとる。従って、ロール数は整数でないこともある。
【0014】上記の傾斜圧延において、場合によっては割れを生じ、これが疵となることがある。その疵は孔型圧延によるものよりは遙かに微小ではあるが、それを避けるためには加工率を割れが生じない程度に抑制しなくてはならない。これについては、最も簡単に熱間加工性を測定しうる高温高速引張における破断絞り値と圧延において割れを生じる加工率とはほぼ一致するとみられ、これに基づき各ロールの1パスにおける表層加工率を破断絞り値より小さくすれば割れを回避することが出来る。なお、孔型圧延と異なり傾斜圧延では歪み分布が均一に近いためこのような計算が可能である。
【0015】各鋼材の破断絞り値は温度により変化する。従って上記の試験により引張温度と破断絞り値の関係を求め、その結果を基に「各ロールの1パスにおける表層加工率」より破断絞り値が上回る引張温度の範囲で圧延するように傾斜圧延の加工温度を規定すればよい。一般にオーステナイト系ステンレス鋼材の熱間加工性は高温となるほど良好となることがほとんどであり、難熱間加工材ではある程度高温で圧延する必要がある。但し、高温にし過ぎると溶融脆化により再結晶を行っても抗しがたいほどに熱間加工性が劣化するので必ず上限温度が存在する。
【0016】破断絞り値がどの温度でもロール1回あたりの表層加工率を下回る場合は圧延条件を変更し表層加工率を下げるか平均ロール接触回数を多くすることにより、15%を下回らず破断絞り値を超えない範囲でロール1回あたりの表層加工率を低減する必要がある。その方法としては平均圧下率即ち断面減少率を下げることでも良いし、ロールが鋼材周方向より多く回るように角度を変更し、鋼材がロールに当たる回数を増加させても同様の効果を得ることが出来る。
【0017】
【実施例】図2に示す圧延設備を用い、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304,SUS303について連続鋳造によって鋳造した丸鋳片(直径170mm)を、3ロール傾斜圧延の加工条件及び温度を変更して圧延し、圧延後の疵の状態を目視評価により判定した。加工条件として以下の4条件を試験した。
1)170mm径鋳片を140mm径に圧延。
2)1)と同様170mm径鋳片を140mm径に圧延するが、傾斜圧延ロールの鋳片に対する角度を小さくし、より周方向に多くロールが回転するように調整したもの。
3)2)と同様のロール角度で170mm径を120mm径に圧延。
4)同様に160mm径に圧延。
これらの条件における深さ方向加工率を図3に示す。傾斜圧延後の鋳片を取り出し組織のメタルフローを観察することにより導出した。この結果から表層0.5mm部の加工率を各々の表層加工率とした。また、2)〜4)の条件ではロールが鋳片全面に2回以上3回未満接触しているが、1)の条件では2回接触しない面がある。平均ロース接触数を計算すると、1);1.3回、2);2.0回、3)2.5回、4);1.8回であった。次に、SUS304,SUS303鋳片の各温度別破断絞り値を次のように測定した。鋳片表層より10φ×120の試験片を採取し、各試験片について急速加熱後それぞれの温度で歪み速度3/秒で引っ張り破断させた。破断部の面積を求め、引張前の面積で割り破断絞り値を求めた。図4に各温度別破断絞り値の測定結果を示す。
【0018】圧延条件及び圧延後の疵結果を表1に示す。SUS304と比べ、高SのSUS303は熱間加工性が極端に悪い。従って比較例に示すように、従来の孔型圧延では鋳造ままの鋳片を用いて圧延するとSUS303では割れ疵を生じる。一方、傾斜圧延を行ってから孔型圧延を行った場合、条件を上手く制御すればSUS303の鋳造まま鋳片でも割れ疵なく圧延可能である。
【0019】
【表1】

【0020】まず、条件1)〜4)について「各ロールの1パスにおける表層加工率」を導出する。条件1)〜4)の断面減少率はそれぞれ約33%,33%,50%,11%であるが、同表層加工率は全く異なる。図3に示すように条件1)〜4)の表層加工率はそれぞれ約67%,75%,90%,22%である。またロールの接触回数はそれぞれ1.3,2.0,2.5,1.8である。従って、1回あたりの表層加工率は、 条件1) 1−(1−0.67)1/1.3 ≒0.57……57% 条件2) 1−(1−0.75)1/2 =0.50……50% 条件3) 1−(1−0.90)1/2.5 ≒0.60……60% 条件4) 1−(1−0.22)1/1.8 ≒0.13……13% となる。
従って条件1)の場合、SUS303の破断絞り値が57%を超える1200℃付近で傾斜圧延をすればよい。1300℃以上では熱間加工性が却って悪化し割れが発生する。一方、2)の場合は50%より大の温度範囲でよいから、1100℃以上1300℃以下の広い範囲で割れの問題なく圧延可能である。条件3)は圧下率が大きいことからSUS303の圧延可能温度域が1200℃付近と狭くなる。従って今回のような用途に使用する場合、傾斜圧延の加工率を従来の鋼管圧延に使用するような高圧下率で使用してもあまりメリットが無いことがわかる。条件4)ではロール1回あたりの表層加工率が15%を割り込むため、未再結晶で孔型圧延機に達し割れを生じる。
【0021】なお、SUS304は熱間加工性が良好のため、同様の圧延を行っても条件1)〜4)全てで問題無く圧延出来る。但し。1350℃と高温では溶融脆化により熱間加工性が急に悪化し割れ疵を生じる。なお、表層加工率、平均ロール接触回数を変更するにはロール取り替え、調整の手間を要するので、圧延条件は難熱間加工性鋼種に合わせた方が効率的である。
【0022】
【発明の効果】本発明によると、オーステナイト系ステンレス鋼難熱間加工鋼種について、再結晶前処理を行わずに鋳造ままで直接圧延することが出来る。従って加熱は圧延のものだけで済み、更に分塊圧延等で発生する加工割れを研削する必要もなくなり、大幅なコスト,時間を省略し、飛躍的に圧延の効率を向上させることが出来る。




 

 


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