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発明の名称 遊技機および記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−246134(P2001−246134A)
公開日 平成13年9月11日(2001.9.11)
出願番号 特願2000−203197(P2000−203197)
出願日 平成12年7月5日(2000.7.5)
代理人 【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088 BA32 BC58 CA08 CA19 CA30 CA31 EA10 
発明者 岸 勇夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 制御コマンドを出力する主基板と、この主基板から出力される制御コマンドに基づいて賞媒体の払出しを制御する払出制御基板とを含む複数の基板を備えており、この遊技機に電源が供給された際に、前記主基板に設けられた回路は、前記主基板以外の基板に設けられた回路が制御開始可能となった後に制御開始可能となることを特徴とする遊技機。
【請求項2】 前記主基板および前記払出制御基板は、それぞれ自身に設けられた回路のリセット状態を解除した後にセキュリティチェックを行い、前記主基板よりも前記払出制御基板の方が、前記セキュリティチェックに必要な時間が所定の時間長い場合は、前記主基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングを、前記払出制御基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングから、少なくとも前記所定の時間以上遅らせることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記複数の基板のうちの所定の基板に必要な電源をそれぞれ生成して各基板へ供給する単一の電源供給手段と、この電源供給手段によって前記所定の基板に供給した電源の電圧を監視する単一の電源電圧監視手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】 前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセットの指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセットし、前記電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセットを指示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項5】 前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセット解除の指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセット解除し、前記電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセット解除を指示することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項6】 前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセット解除の指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセット解除し、前記電源電圧監視手段は、前記所定の基板へリセット解除を指示するタイミングになるまでの時間を計測し、その計測時間が所定の時間になった際に、前記所定の基板へリセット解除を指示することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項7】 制御コマンドを出力する主基板と、この主基板から出力される制御コマンドに基づいて賞媒体の払出しを制御する払出制御基板とを含む複数の基板と、前記複数の基板のうちの所定の基板に必要な電源をそれぞれ生成して各基板へ供給する単一の電源供給手段と、この電源供給手段によって前記所定の基板に供給した電源の電圧を監視する単一の電源電圧監視手段とを有しており、この遊技機に電源が供給された際に、前記主基板に設けられた回路は、前記主基板以外の基板に設けられた回路が制御開始可能となった後に制御開始可能となる遊技機に備えられており、コンピュータが読取可能なコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセットを指示し、あるいは前記所定の基板へリセット解除を指示する処理を実行するためのコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パチンコ機に代表されるように、コンピュータによって遊技を制御する遊技機およびその遊技機を機能させるためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の遊技機として、たとえば図15および図16に示すパチンコ機が知られている。図15は従来のパチンコ機の正面説明図であり、図16は図15に示すパチンコ機の裏セットの説明図である。図15に示すように、従来のパチンコ機500には、遊技盤502と、この遊技盤502の遊技領域へ遊技球を発射する発射装置504と、この発射装置504へ供給する遊技球を貯留する上受け皿506と、この上受け皿506に収容仕切れなくなった遊技球を貯留する下受け皿508とが備えられている。また、遊技盤502には、特別図柄表示装置524と、天入賞口510と、右袖入賞口512と、左袖入賞口514と、第1種始動口516と、右下入賞口518と、左下入賞口520と、大入賞口526とが備えられている。そして、発射装置504から発射された遊技球が、第1種始動口516に入賞すると、特別図柄表示装置524が図柄を変動表示し、停止した図柄が所定の図柄(たとえば777)に揃った場合に大当りが発生し、大入賞口526を所定時間開放する。そして、大入賞口526の開放時間が所定時間に達するか、大入賞口526への入賞数が所定数に達すると大入賞口526が閉口する。このとき、大入賞口526に入賞した入賞球が、大入賞口526の内部に設けられた特定領域528を通過すると、連続して大入賞口526が開放する。このように、大入賞口526の開放から閉口までを1ラウンドとして、遊技球が特定領域528を通過することを条件に、所定回数のラウンド(たとえば16ラウンド)を遊技できる。
【0003】また、図16に示すように、パチンコ機500の裏セットには、裏セット機構板530が設けられており、天入賞口510、右袖入賞口512、左袖入賞口514、第1種始動口516、右下入賞口518および左下入賞口520などに入賞した入賞球は、裏球通路532によって図中矢印で示す経路で流下し、入賞球集合樋524に集合し、入賞球検出スイッチ522へ案内される。そして、入賞球検出スイッチ522が入賞球を検出すると、図示しない賞球払出装置により所定数の賞球が払出される。また、入賞球検出スイッチ522によって検出された入賞球は、上記所定数の賞球が払出されるごとに入賞球切りソレノイド534の作動により、1個ずつ下方に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のパチンコ機は、入賞球集合樋524および入賞球切りソレノイド534などの構造物が必要であるため、パチンコ機の裏セットの構造が複雑になるので、製造効率が悪いし、省スペース化を図ることが困難であるという問題があった。また、入賞球切りソレノイド534は、入賞球を1個ずつ排出する動作を頻繁に繰り返すため、動作部分の摩耗や破損などによる故障がつきまとうという問題もあった。さらに、上記構造物の製造コストが、パチンコ機全体の製造コストを高くする要因になっており、そのことがパチンコ機の製造コストを低減する妨げとなっていた。そこで、本発明者は、賞球数と入賞球数とを対応付けて電気的に記憶する構成を考えた。この構成によれば、上記構造物が不要であるため、上記諸問題を解決することができる。
【0005】しかし、その後の検討により、電気的に記憶されている入賞数を不正行為によって書換えられると、賞球を不正に払出されるおそれのあることが分かった。そこで、本発明者は、パチンコ機の駆動電源が投入された際に、賞球の払出しを制御する払出制御基板のセキュリティチェックを実行し、そのセキュリティチェック終了後に払出制御基板を立上げる方式を考えた。また、本発明者は、主基板において入賞を検出し、その主基板から上記払出制御基板へ賞球の払出しを命令するコマンドを送信する構成を考えたが、その主基板を不正に細工され、主基板から払出制御基板へ不正なコマンドを送信し、同様に賞球を不正に払出されるおそれのあることが分かった。そこで、本発明者は、主基板においてもセキュリティチェックを実行し、そのセキュリティチェック終了後に払出制御基板を立上げる方式を考えた。しかし、主基板に搭載されており、コマンドを送信するICチップと、払出制御基板に搭載されており、主基板から送信されたコマンドを受信するICチップとは、種類が異なることに起因して、あるいは同じ種類であっても特性のばらつきに起因して、それぞれセキュリティチェックを実行するために必要な時間が異なることがあり、そのために主基板より遅れて払出制御基板が立上がってしまうおそれのあることが分かった。つまり、電源復帰後、バックアップされた入賞データに基づいて賞球の払出しを行う場合に、払出制御基板が、主基板から送信された払出命令の受信に失敗し、払出されるべき賞球が払出されず、あるいは払出個数が不足するなど、遊技者に不測の不利益を与えるおそれのあることが分かった。
【0006】そこでこの発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、払出制御基板が立上がった後に主基板が立上がることができる遊技機を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、制御コマンドを出力する主基板と、この主基板から出力される制御コマンドに基づいて賞媒体の払出しを制御する払出制御基板とを含む複数の基板を備えており、この遊技機に電源が供給された際に、前記主基板に設けられた回路は、前記主基板以外の基板に設けられた回路が制御開始可能となった後に制御開始可能となるという技術的手段を用いる。
【0008】主基板に設けられた回路は、主基板以外の基板、つまり払出制御基板などの基板に設けられた回路が制御開始可能となった後に制御開始可能となるため、払出制御基板などの基板が、主基板から送信されたコマンドの受信に失敗するおそれがない。したがって、たとえば、遊技機の駆動電源が遮断した場合に入賞データなどをバックアップする機能を有する遊技機にあっては、その後電源が復帰し、バックアップされている入賞データに基づいて賞球の払出しを再開する場合でも、払出制御基板が主基板から送信された払出命令の受信を失敗するおそれがないため、払出されるべき賞球が払出されなかったり、あるいは払出個数が不足するなど、遊技者に不測の不利益を与えるおそれがない。なお、制御開始可能とは、基板に設けられた回路が、リセット状態からリセット解除状態となり、セキュリティチェックおよび初期設定を終了した状態のことを意味する。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記主基板および前記払出制御基板は、それぞれ自身に設けられた回路のリセット状態を解除した後にセキュリティチェックを行い、前記主基板よりも前記払出制御基板の方が、前記セキュリティチェックに必要な時間が所定の時間長い場合は、前記主基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングを、前記払出制御基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングから、少なくとも前記所定の時間以上遅らせるという技術的手段を用いる。
【0010】つまり、主基板よりも払出制御基板の方が、セキュリティチェックに必要な時間が所定の時間長い場合は、たとえば払出制御基板に設けられた回路のリセットが解除された直後に主基板に設けられた回路のリセットが解除された場合であっても、主基板が払出制御基板よりも早くセキュリティチェックを終了し、制御開始可能となることが考えられる。しかし、主基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングを、払出制御基板に設けられた回路のリセット状態が解除されるタイミングから、少なくとも上記所定の時間以上遅らせることにより、主基板が払出制御基板よりも遅れて制御開始可能となるようにすることができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記複数の基板のうちの所定の基板に必要な電源をそれぞれ生成して各基板へ供給する単一の電源供給手段と、この電源供給手段によって前記所定の基板に供給した電源の電圧を監視する単一の電源電圧監視手段とを備えたという技術的手段を用いる。
【0012】つまり、複数の基板のうちの所定の基板に供給された電源の電圧を監視する電源電圧監視手段は単一であるため、所定の基板ごとに電源電圧監視の同一基準化を図ることができるため、各所定の基板の制御タイミングを高精度で制御できる。しかも、各所定の基板ごとに電源電圧監視用ICを設ける必要がないため、その分、各所定の基板の省スペース化を図ることができる。また、各所定の基板に電源を供給する電源供給手段も単一であるため、製造機種ごとに基板構成が異なる場合であっても、電源基板から各所定の基板へ電源供給ラインを配線するだけでよいため、電源の供給経路および各所定の基板の変圧回路などを製造機種ごとに設計する必要がない。したがって、基板設計の自由度を高めることができるため、遊技機(たとえばパチンコ機)の製造歩留まりを良くすることができる。また、各基板ごとに変圧回路を設ける必要がないため基板の省スペース化を図ることができる。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の遊技機において、前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセットの指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセットし、前記電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセットを指示するという技術的手段を用いる。
【0014】つまり、各基板がそれぞれ自身に供給されている電源電圧を独自に監視し、その監視電圧が所定の電圧になったときに自身をリセットするのではなく、単一の電源電圧監視手段が監視している電圧が所定の電圧になった際に、各基板へリセットの指示を出す構成であるため、各基板がリセットするタイミングがずれてしまうおそれがない。したがって、たとえば各基板は、リセットした後に自身に供給されている電圧が所定の電圧に達したときにリセットを解除して立上がる構成の場合は、リセットしたタイミングがリセット解除のタイミングに影響するため、リセットしたタイミングにずれがないことが重要であるが、そのタイミングにずれがないため、その後のリセット解除のタイミングがずれる可能性を小さくすることができる。このため、たとえば、制御コマンドを出力する主基板が受信する基板よりも後で立上がることにより、制御コマンドの受信誤りが発生しないようにすることが重要であるが、上記のように、各基板のリセット解除のタイミングがずれる可能性が小さいため、制御コマンドの受信誤りが発生する可能性を小さくすることができる。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機において、前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセット解除の指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセット解除し、前記電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセット解除を指示するという技術的手段を用いる。
【0016】つまり、各基板がそれぞれ自身に供給されている電源電圧を独自に監視し、その監視電圧が所定の電圧になったときに自身をリセット解除するのではなく、単一の電源電圧監視手段が監視している電圧が所定の電圧になった際に、各基板へリセット解除の指示を出す構成であるため、各基板がリセット解除するタイミングがずれてしまうおそれがない。したがって、たとえば各基板は、自身に供給されている電圧が所定の電圧に達したときにリセットする構成の場合は、リセットしたタイミングがリセット解除のタイミングに影響するため、リセットしたタイミングにずれがないことが重要であるが、リセットしたタイミングがずれてしまった場合であっても、電源電圧監視手段が各基板のリセット解除を制御するため、リセット解除のタイミングがずれるおそれがない。このため、たとえば、主基板から制御コマンドを他の基板へ送信することにより、遊技を制御する遊技機にあっては、主基板が他の基板よりも後で立上がることにより、制御コマンドの受信誤りが発生しないようにすることが重要であるが、上記のように、各基板のリセット解除のタイミングがずれるおそれがないため、制御コマンドの受信誤りが発生するおそれがない。特に、電源電圧監視手段が、各基板へリセットおよびリセット解除の双方を指示するようにすれば、各基板のリセットおよびリセット解除の双方を統一して制御することができるため、各基板のリセットおよびリセット解除のタイミングのずれをなくし、リセットおよびリセット解除の順序を高精度で制御することができる。
【0017】請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の遊技機において、前記複数の基板のうちの所定の基板は、リセット解除の指示を受けた際に、自身が有する回路をそれぞれリセット解除し、前記電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になったときからの経過時間を計測し、その計測時間が所定の時間になった際に、前記所定の基板へリセット解除を指示するという技術的手段を用いる。
【0018】つまり、電源電圧監視手段は、各基板へリセット解除を指示するタイミングを時間に基づいて判断するため、電源電圧監視手段の動作電圧が変動した場合であっても、その変動の影響を受けることなく、リセット解除の指示を各基板へ正確なタイミングで行うことができる。
【0019】請求項7に記載の発明では、制御コマンドを出力する主基板と、この主基板から出力される制御コマンドに基づいて賞媒体の払出しを制御する払出制御基板とを含む複数の基板と、前記複数の基板のうちの所定の基板に必要な電源をそれぞれ生成して各基板へ供給する単一の電源供給手段と、この電源供給手段によって前記所定の基板に供給した電源の電圧を監視する単一の電源電圧監視手段とを有しており、この遊技機に電源が供給された際に、前記主基板に設けられた回路は、前記主基板以外の基板に設けられた回路がリセット解除となった後にリセット解除となる遊技機に備えられており、コンピュータが読取可能なコンピュータプログラムが記録された記録媒体であって、電源電圧監視手段は、監視している電圧が所定の電圧になった際に、前記所定の基板へリセットを指示し、あるいは前記所定の基板へリセット解除を指示する処理を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体という技術的手段を用いる。
【0020】つまり、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、遊技機(たとえばパチンコ機)は、CPUがROMなどの記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより機能するため、上記処理を実行するためのコンピュータプログラムが記録されたROMなどの記録媒体を使用することにより、請求項1ないし請求項6に記載の遊技機を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る遊技機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、この発明に係る遊技機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]まず、この実施形態のパチンコ機の全体の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、この実施形態のパチンコ機を正面から見た説明図である。パチンコ機10には、前枠11が開閉可能に備えられており、その前枠11には、金枠12が開閉可能に取付けられており、さらに金枠12には、ガラス枠13が開閉可能に取付けられている。ガラス枠13の内部には、遊技盤14が設けられている。前枠11の右下には、遊技球を遊技盤14へ発射する発射モータ(図3に符号15eで示す)を操作するための発射ハンドル15aが回動可能に取付けられており、遊技盤14の左方には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイドレール16が設けられている。発射ハンドル15aには、発射操作を停止するための発射停止ボタン15bが設けられている。
【0022】前枠11の右側には、ガラス枠13開閉用の鍵を差し込む鍵穴15を備えた鍵穴飾り17が設けられおり、前枠11の上方には、枠ランプ18aが設けられている。ガラス枠13の下には、前面板19が設けられており、この前面板19の左側上部には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口20aが形成されており、この賞球・貸球供給口20aの供給側には、その賞球・貸球供給口20aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿20が取り付けられている。上受け皿20の下方には、上受け皿20の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー20bの操作により上受け皿20から排出された遊技球などを排出する排出口21aが形成されている。排出口21aの排出側には、その排出口21aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿21が設けられている。また、前枠11の左側には、プリペイドカードを挿入するスリット22aを有するプリペイドカードユニットなどの遊技機外装置部分22が設けられている。
【0023】[遊技盤14の主要構成]次に、遊技盤14の主要構成についてそれを示す図2を参照して説明する。遊技盤14の略中央には、センターケース30が備えられている。センターケース30には、天入賞口31と、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の作動される回数を表示する4個のLEDからなる普通図柄記憶表示LED35と、液晶表示で複数の図柄、たとえば0〜9の特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置32と、この特別図柄表示装置32の始動回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED36とが備えられている。
【0024】センターケース30の左右には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動ゲート26,26が設けられている。センターケース30の下方には、特別図柄表示装置32を作動させる機能を有する第1種始動口27が設けられており、この第1種始動口27の下方には普通図柄表示装置34の停止図柄が当たり図柄となった場合に両翼を開放する普通電動役物28が設けられている。開放された普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に、特別図柄表示装置32を作動開始させる機能を備えている。普通電動役物28の下方には、特別図柄表示装置32の停止図柄が当たり図柄となった場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。
【0025】この変動入賞装置40には、当たりの発生時に開放される扉形式の大入賞口41が開閉可能に取り付けられており、この大入賞口41の両側には、下入賞口29,29がそれぞれ設けられている。また、大入賞口41の内部には、大入賞口41を連続して開放する機能を有する特定領域42と、この特定領域42を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図3に符号42aで示す)と、大入賞口41に入賞した遊技球の数Pをカウントする大入賞口スイッチ(図3に符号43aで示す)とが設けられている。
【0026】その他、遊技盤14には、風車23,23と、袖入賞口24,24と、コーナー飾りランプ18b,18bと、入賞時に点灯する入賞ランプ18cと、球切れ時に点灯する球切れランプ18dと、サイド飾りランプ18e,18eと、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45とが設けられている。また、遊技盤14には、多くの釘25が打ち込まれており、遊技盤14に発射された遊技球は、釘25間を乱舞しながら落下する。
【0027】[パチンコ機10の電気的構成]次に、パチンコ機10の電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。パチンコ機10には、主基板100が設けられており、この主基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読出された制御プログラムや遊技中に発生する大当りに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。
【0028】主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基盤200、特別図柄表示装置32、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生する音声再生装置(図示省略)を制御する音声制御装置79、遊技球の第1種始動口27の通過を検出する第1種始動口スイッチ27a、入賞や大当りなどに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたコンピュータ(図示省略)へ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板55である。
【0029】払出制御基盤200には、主基板100から送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。また、払出制御基盤200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0030】遊技枠中継基板53には、下受け皿21が賞球で満杯になったことを検出する満杯検出スイッチ21bおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。賞球の払出機構は、賞球の払出しを効率良く行うために2カ所設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の機構に設けられている。賞球払出センサ62a,62bによる検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送出され、その信号に基づいてCPU120は、払い出された賞球数をカウントする。
【0031】払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出する貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。普通電動役物28を開閉させる普通電動役物ソレノイド28a、普通図柄表示装置34、図柄作動口スイッチ26a、大入賞口スイッチ43a、袖入賞口24への入賞を検出する袖入賞口スイッチ24a、下入賞口29への入賞を検出する下入賞口スイッチ29a、天入賞口31への入賞を検出する天入賞口スイッチ31aおよび大入賞口中継基板50である。
【0032】大入賞口中継基板50には、特定領域ソレノイド42b、大入賞口ソレノイド43bおよび特定領域スイッチ42aが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読取る装置などを備える遊技機外装置部分22と電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受ける。
【0033】[主なハードウエア構成]次に、パチンコ機10の主なハードウエア構成についてそれを示す図4を参照して説明する。なお、ここでは、主基板100のメインCPU112および払出制御基板200のサブCPU212間のインターフェースにおけるハードウエア構成を例に挙げて説明する。主基板100のメインCPU112から出力された各種制御コマンドは、メインCPUバス118を介して出力ポート120へ出力され、その出力された各種制御コマンドは、メインCPUパラレル出力ポート124を介して出力バッファ126に一時的に蓄積された後、サブCPU212に接続された入力バッファ220に蓄積される。そして、メインCPU112から出力された転送信号が、メインCPUバス118から出力ポート122、出力バッファ128および入力バッファ222を介してサブCPU212のトリガ入力(TRG2)226に入力されると、入力バッファ220に蓄積されている各種制御コマンドがサブCPUパラレル入力ポート228を介してサブCPU212の入力ポート224に取り込まれる。そして、サブCPU212は、取込んだ各種制御コマンドが何を意味する制御コマンドであるかなどの解析を行い、その解析結果に基づいて賞球ユニット62に賞球払出命令を出力するなどの制御を行う。なお、主基板100のメインCPU112と払出制御基板200以外の基板に搭載されたサブCPUとの間のハードウエア構成も上述した構成と同じ構成である。
【0034】[電源基板80の主要構成、電源基板80と各基板との接続関係]次に、電源基板80の主要構成、電源基板80と各基板との接続関係について図5および図6を参照して説明する。図5は、電源基板80の主要構成を各基板との接続関係と共に示す説明図であり、図6は、電源基板80と各基板との接続関係の詳細を示す説明図である。図5に示すように、主電源70から供給された24Vの交流電流は、フューズF1を介して整流回路81によって32Vの直流に変換され、主基板100および払出制御基板200にそれぞれ供給される。また、32Vの直流は、DC/DCコンバータ82によって12Vに変圧される。この12Vの直流は、主基板100、特別図柄表示装置32、ランプ制御装置75、音声制御装置79および払出制御基板200へそれぞれ供給される。また、主電源70の交流24Vは、フューズF2を介して24Vライン85によってCR接続基板56に供給される。
【0035】主基板100に供給された32Vの直流は、盤面中継基板51(図3)に供給され、普通電動役物ソレノイド28aを駆動する。特別図柄表示装置32に供給された12Vの直流は、特別図柄表示器の液晶などを駆動し、ランプ制御装置75に供給された12Vの直流は、コーナー飾りランプ18bや入賞ランプ18cなどのランプ類を点灯または点滅させる。音声制御装置79に供給された12Vの直流は、音声回路を介してスピーカを駆動し、払出制御基板200に供給された12Vの直流は、払出中継基板55を介して賞球ユニット62や貸球ユニット63に供給され、賞球払出モータ62cなどを駆動する。また、払出制御基板200に供給された32Vの直流は、払出中継基板69を介して貸球ユニット63(図3)に供給され、供給する貸球を所定数で区切るシャッター部材を動作させるソレノイドを駆動する。
【0036】また、DC/DCコンバータ82によって12Vに変圧された直流電流は、DC/DCコンバータ83によって5Vに変圧され、この5Vの直流は、主基板100、特別図柄表示装置32、ランプ制御装置75、音声制御装置79および払出制御基板200へそれぞれ供給される。主基板100に供給された5Vの直流は、マイクロプロセッサ110(図3)の駆動電源となり、払出制御基板200に供給された5Vの直流は、マイクロプロセッサ210(図3)の駆動電源となる。また、特別図柄表示装置32、ランプ制御装置75および音声制御装置79に供給された5Vの直流は、各装置に設けられたマイクロプロセッサ(図示せず)の駆動電源となる。
【0037】つまり、各基板の電源は、総て単一の電源基板80から供給されており、電源基板80が各基板の電源を制御する。このため、製造機種ごとに基板構成が異なる場合であっても、電源基板80から各基板へ電源供給ラインを配線するだけでよいため、電源の供給経路および各基板の変圧回路などを製造機種ごとに設計する必要がない。したがって、基板設計の自由度を高めることができるため、パチンコ機の製造歩留まりを良くすることができる。また、各基板ごとに変圧回路を設ける必要がないため基板の省スペース化を図ることができる。
【0038】図6に示すように、電源基板80には、主基板100へ電源を供給するためのNo.1〜6の6ピンのコネクタCN2aが取付けられており、このコネクタCN2aは、ケーブルL1によって主基板100に取付けられたコネクタCN1と接続される。ケーブルL1の一端には、コネクタCN2aと接続するための端子CN2bが取付けられており、他端には主基板100側のコネクタCN1と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。また、電源基板80には、払出制御基板200へ電源を供給するためのNo.1〜8の8ピンのコネクタCN3aが取付けられており、このコネクタCN3aは、ケーブルL2によって払出制御基板200に取付けられたコネクタCN1と接続される。ケーブルL2の一端には、コネクタCN3aと接続するための端子CN3bが取付けられており、他端には払出制御基板200側のコネクタCN1と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。
【0039】さらに、電源基板80には、コネクタCN7a,CN4a,CN5a,CN6a,CN1aが取付けられている。コネクタCN7aは、ケーブルL3によってCR接続基板56と接続されており、ケーブルL3の一端にはコネクタCN7aと接続するための端子CN7bが取付けられており、他端にはCR接続基板56側のコネクタCN2と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。コネクタCN4aは、ケーブルL4によって特別図柄表示装置32に設けられた特別図柄制御基板32aと接続されており、ケーブルL4の一端にはコネクタCN4aと接続するための端子CN4bが取付けられており、他端には特別図柄制御基板32a側のコネクタCN1と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。
【0040】コネクタCN5aは、ケーブルL5によってランプ制御装置75に設けられたランプ制御基板75aと接続されており、ケーブルL5の一端にはコネクタCN5aと接続するための端子CN5bが取付けられており、他端にはランプ制御基板75a側のコネクタCN1と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。コネクタCN6aは、ケーブルL6によって音声制御装置79に設けられた音声制御基板79aと接続されており、ケーブルL6の一端にはコネクタCN6aと接続するための端子CN6bが取付けられており、他端には音声制御基板79a側のコネクタCN1と接続するための端子(図示せず)が取付けられている。コネクタCN1aは、電源コードL7によって主電源70と接続されており、電源コードL7の一端にはコネクタCN1aと接続するための端子CN1bが取付けられている。
【0041】また、ケーブルL4〜L6は端子のピンの数が同じであるため、共通のケーブルを用いることができる。したがって、端子のピンの数がそれぞれ異なるケーブルを用いる場合よりもケーブルを選択する手間を省くことができるため、ケーブルの接続処理を容易かつ短時間で行うことができる。また、共通で用いることができるケーブルの数が多いため、端子のピンの数が異なるケーブルを何種類も製造する場合よりも製造コストを低減することができる。
【0042】[電圧監視機能]次に、電源基板80から各基板へ供給されている電源の電圧を監視する機能について図5、図6および図7(B)を参照して説明する。図7(B)は、電源電圧監視用ICの主要構成を示す説明図である。図5に示すように、電源基板80には、各基板に供給される電源の電圧を監視する電源電圧監視用IC84が設けられている。電源電圧監視用IC84は、電圧検出ラインA1,A2およびA3から、それぞれ32Vライン86,12Vライン87,5Vライン88の電圧を検出する。電源電圧監視用IC84は、図7(B)に示すように、32Vライン86から検出した電圧をデジタル信号に変換するA/D変換回路84aと、12Vライン87から検出した電圧をデジタル信号に変換するA/D変換回路84bと、5Vライン88から検出した電圧をデジタル信号に変換するA/D変換回路84cと、CPU84eとを備える。
【0043】CPU84eは、ROM84hおよびRAM84iを内蔵する。ROM84hは、CPU84eが実行するコンピュータプログラムが記憶されており、RAM84iは、CPU84eの演算結果や処理結果を一時的に記憶する。各A/D変換回路は、CPU84eに接続されており、CPU84eは、各A/D変換回路から出力されたデジタル信号を取り込み、ROM84hに記憶されている電圧演算用プログラムに従って電圧を演算するとともに、その演算値に基づいて所定の電圧に上昇したか、あるいは低下したかなどの判定を行う。また、CPU84eは、上記判定の時点からの経過時間をクロック信号を用いて計測する。そしてCPU84eは、各基板と接続されており、上記判定結果によって各基板へRESET信号を出力し、あるいはRESET信号を解除する。
【0044】[データのバックアップ機能]次に、マイクロプロセッサ210に内蔵のRAM216に格納されたデータをバックアップする機能について図5および図7(A)を参照して説明する。図7(A)は、電源基板80とマイクロプロセッサ210との接続関係を示す説明図である。なお、以下の説明においてサブ化基板とは、主基板100および払出制御基板200以外の各基板をいう。図5に示すように、DC/DCコンバータ83と払出制御基板200とを接続する電源供給ライン83aには、ダイオードD1が直列接続されており、そのダイオードD1の出力側にはバックアップ電源たるコンデンサC1が並列接続されている。このコンデンサC1は、DC/DCコンバータ83から供給される5Vの直流電流によって充電される。そのコンデンサC1の放電電流は、図7に示すようにケーブルL2の中のバックアップ電源供給ラインL2aを介してマイクロプロセッサ210の内蔵RAMバックアップ用電源端子VBBに供給される。
【0045】また、図7(A)に示すように、電圧監視用IC84の出力の1つは、マイクロプロセッサ210のNMI(ノン・マスカブル・インタラプト)端子に接続されている。ここで、ケーブルL2の一端に取付けられたコネクタCN3b(図6)を電源基板80に設けられたコネクタCN3aから外すか、あるいは、ケーブルL2の他端に取付けられたコネクタ(図示せず)を払出制御基板200側のコネクタCN1(図6)から外すことにより、コンデンサC1からのバックアップ電源の供給を停止させることができる。これにより、RAM216に格納されている賞球の払出しに重要なデータが静電気ノイズや不正行為などによって書換えられた場合であっても、迅速かつ容易にバックアップ電源の供給を停止させることができるため、データの書換えによる損失を最小限にくい止めることができる。なお、この実施形態では、コンデンサC1は、電気二重層コンデンサであり、公称静電容量は0.1F、定格電圧5.5Vである。また、ケーブルL1〜L6は、FPC(フレキシブル・プリント・サーキット)である。
【0046】[電源および払出制御基板の主な制御]次に、各基板の電源の制御および払出制御基板200の主な制御について図8ないし図12および図14を参照して説明する。図8はサブCPU212が実行するプログラムスタート処理の流れを示すフローチャートであり、図9はサブCPU212が実行するメインプログラム処理の流れを示すフローチャートである。図10はサブCPU212が実行するコマンド入力処理の流れを示すフローチャートであり、図11はサブCPU212が実行するNMI割込み処理の流れを示すフローチャートである。図12は、各基板の電源の立上げから立下がりを示すタイミングチャートである。図14は電源電圧監視用IC84のCPU84eが実行する回路動作開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】(電源の立上げ)主電源70(図5)を立上げると、DC/DCコンバータ83(図5)から電源電圧監視用IC84へ5V電源が供給されるとともに、DC/DCコンバータ82から電源電圧監視用IC84へ12V電源が供給される。その供給された5V電源はA/D変換回路84c(図7(B))によって、12V電源はA/D変換回路84bによってそれぞれデジタル信号に変換される。それらのデジタル信号は、それぞれ出力ライン84fを介してCPU84eに取込まれ、CPU84eは取込んだデジタル信号に基づいて電圧を演算する。そしてCPU84eは、A/D変換回路84cから取込んだデジタル信号に基づいて演算した電圧V5 が、電源電圧監視用ICの最低動作電圧として予め設定されている電圧Vmin 以上であるか否かを判定する(ステップ(以下、Sと略す)100)。
【0048】続いてCPU84eは、電圧V5 が電圧Vmin 以上であると判定すると(S100:Yes)、RESET信号1〜5(ローレベル)を対応する基板へ出力する(S102)。RESET信号1はランプ制御基板75a(図6)へ、RESET信号2は音声制御基板79aへ、RESET信号3は特別図柄制御基板32aへ、RESET信号4は払出制御基板200へ、RESET信号5は主基板100へそれぞれ出力する。続いてCPU84eは、電圧V5 が、サブ化基板上昇検出電圧Vus以上になったか否かを判定する(S104)。サブ化基板上昇検出電圧Vusは、サブ化基板をリセット解除するタイミングになるまでの時間Trsを計測する基準タイミングを検出するための電圧である(図12)。そしてCPU84eは、電圧V5 が、電圧Vus以上になったと判定すると(S104:Yes)、時間Trsの計測を開始し、その計測時間Tが時間Trs以上になったと判定すると(S106:Yes)、RESET信号1〜3を解除する(S108)。これにより、ランプ制御基板75a、音声制御基板79aおよび特別図柄制御基板32aがリセット解除し、主基板100から送信される制御コマンドを受信可能状態になる(ローレベル→ハイレベル)。
【0049】続いてCPU84eは、A/D変換回路84bから取込んだデジタル信号に基づいて演算した電圧V12が、払出制御基板上昇検出電圧Vuh以上であるか否かを判定する(S110)。払出制御基板上昇検出電圧Vuhは、サブ化基板をリセット解除したときの電圧V12であり、サブ化基板をリセット解除してから払出制御基板200をリセット解除するまでの時間Trhを計測する基準タイミングを検出するための電圧である(図12)。そしてCPU84eは、電圧V12が、電圧Vuh以上になったと判定すると(S110:Yes)、サブ化基板をリセット解除したときからの経過時間Trhの計測を開始し、その計測時間Tが時間Trh以上になったと判定すると(S112:Yes)、RESET信号4を解除する(S114)。これにより、払出制御基板200がリセット解除し、主基板100から送信される制御コマンドを受信可能状態になる(ローレベル→ハイレベル)。このとき、払出制御基板200のサブCPU212(図7(A))は、セキュリティチェックを実行する。このセキュリティチェックでは、ROM214に記録されているコンピュータプログラムに異常が存在しないかなどのチェックを行う。続いてセキュリティチェックが終了すると、サブCPU212は動作を開始する。
【0050】続いてCPU84eは、電圧V12が、主基板上昇検出電圧Vum以上であるか否かを判定する(S116)。主基板上昇検出電圧Vumは、払出制御基板200をリセット解除したときの電圧V12であり、払出制御基板200をリセット解除してから主基板100をリセット解除するまでの時間Trmを計測する基準タイミングを検出するための電圧である(図12)。そしてCPU84eは、電圧V12が、電圧Vum以上になったと判定すると(S116:Yes)、払出制御基板200をリセット解除したときからの経過時間Trmの計測を開始し、その計測時間Tが時間Trm以上になったと判定すると(S118:Yes)、RESET信号5を解除する(S120)。これにより、主基板100がリセット解除し、メインCPU112(図4)は、セキュリティチェックを実行する。このセキュリティチェックでは、ROM114に記録されているコンピュータプログラムに異常が存在しないかなどのチェックを行う。続いてセキュリティチェックが終了すると、サブCPU212は動作を開始し、払出制御基板200およびサブ化基板へ制御コマンドを送信可能状態になる(ローレベル→ハイレベル)。
【0051】ところで、払出制御基板200のマイクロプロセッサ210を構成するICチップと、主基板100のマイクロプロセッサ110を構成するICチップとの種類が異なることに起因して、あるいは同じICチップであっても特性のばらつきに起因して、自身のセキュリティチェックを実行するために必要な時間が、両マイクロプロセッサ間で異なる場合がある。たとえば、マイクロプロセッサ110の方がマイクロプロセッサ210よりも自身のセキュリティチェックを実行するために必要な時間が短い場合は、払出制御基板200がセキュリティチェックを実行している最中に主基板100がセキュリティチェックおよび初期設定を終了してしまい、主基板100から出力されたコマンドを払出制御基板200が受信できないという事態が発生するおそれがある。このような事態が発生すると、たとえば停電後に電源が復帰した場合に、バックアップされた入賞データに基づいて賞球を払出す場合に、払出制御基板200が、基板100から送信された払出制御コマンドの受信に失敗してしまい、賞球を払出すことができなかったり、あるいは賞球数の払出個数が不正確になったりするおそれがある。しかし、払出制御基板200が自身のセキュリティチェックを実行するために必要な時間から、主基板100が自身のセキュリティチェックを実行するために必要な時間を減算した値以上の時間を時間Trmに設定しておけば、払出制御基板200が制御開始可能となった後に主基板100が制御開始可能となるため、払出制御基板200が主基板100から送信された制御コマンドの受信を失敗するおそれがない。したがって、電源復帰後に正確な払出個数の賞球を払出すことができる。なお、マイクロプロセッサ110,210の両者がセキュリティチェックに要する時間が同一であるが、セキュリティチェック後に行う初期設定に要する時間が、マイクロプロセッサ110よりもマイクロプロセッサ210の方が長い場合は、その初期設定の時間差以上の時間を時間Trmに設定しておけば、払出制御基板200が制御開始可能となった後に主基板100が制御開始可能となるため、払出制御基板200が主基板100から送信された制御コマンドの受信を失敗するおそれがない。つまり、基板のリセット解除から制御開始可能になるまでに要する時間(セキュリティチェックおよび初期設定などを行うための時間)が、主基板100よりも払出制御基板200の方が長い場合は、その時間差以上を時間Trmに設定する。
【0052】(サブCPU212のプログラムスタート処理)ここで、サブCPU212が実行するプログラムスタート処理について図8を参照して説明する。サブCPU212は、割込み禁止を設定し(S10)、メインルーチンからサブルーチンへ移行するときにメインルーチンのアドレスを保持するためのスタックポインタをアドレスのボトムに設定する(S12)。続いてサブCPU212は、RAM216へのアクセス許可を設定し(S14)、割込みモードにモード2を設定する(S16)。続いてサブCPU212は、インタラプトレジスタにモード2で使用するアドレスを設定し(S18)、RAM216のチェックデータが正しいか否か、たとえばA5A5Hであるか否かを判定し(S20)、チェックデータが正しい場合は(S20:Yes)、RAM216内のバックアップ領域以外を0クリア(初期化)し、チェックデータが正しくない場合は(S20:No)、RAM216の全領域(たとえば256バイト)を総て0クリア(初期化)するとともにチェックデータ(たとえばA5A5H)をストアする(S24)。続いてサブCPU212は、サブCPU212の暴走を監視するタイマであるウオッチドッグタイマなどの内蔵ディバイスの初期設定を行い(S26)、作業領域の初期設定を行う(S28)。続いてサブCPU212は、割込み許可を設定し(S30)、このS30を繰り返す無限ループに移行する。そして12V電源が電圧Vumに達してから時間Trm後に主基板100のシステムリセット信号が解除され、主基板100のメインCPU112はセキュリティチェックを実行した後に動作を開始する。この段階で、パチンコ機10が遊技可能な状態になる。以上のように、サブ化基板、払出制御基板200、主基板100の順序で制御を開始することができるため、主基板100が管理する総ての基板において主基板100からのコマンド受信漏れが発生することがない。
【0053】(サブCPU212のメインプログラム処理)ここで、払出制御基板200のサブCPU212が実行するメインプログラム処理の流れについて図9を参照して説明する。このメインプログラム処理は、CTC(タイマカウンタ)218(図7)のチャンネル3割込みによって実行される。サブCPU212は、割込み許可を設定し(S100)、ウオッチドッグタイマをリスタートさせる(S200)。続いてサブCPU212は、データやコマンドの出力処理(S300)、入力処理(S400)、払い出す賞球数の記憶や払出命令などの賞球処理(S500)、CR接続基板56(図3)からのデータに基づいて貸球ユニット63を制御する貸球処理(S600)を実行する。
【0054】(サブCPU212のコマンド入力処理)次に、サブCPU212が実行するコマンド入力処理の流れについて図10を参照して説明する。このコマンド入力処理は、CTC218のチャンネル2割込みによって実行される。サブCPU212は、主基板100から送出された払出コマンドなどの制御コマンドを入力し(S50)、その入力した制御コマンドをチェックする(S52)。たとえば、制御コマンドは8ビットの信号で構成された2バイトであり、それを1バイトずつに振り分ける。続いてサブCPU212は、その入力した制御コマンドが何を意味する制御コマンドであるか、たとえば5個の賞球の払出命令を示すものか、15個の賞球の払出命令を示すものかなどを解析し(S54)、割込み許可を設定する(S56)。このように、コマンド入力処理はチャンネル2割込みに割り当てられており、後述するNMI割込み処理に続く優先順位第2位で実行されるため、たとえばサブCPU212が賞球払出モータ62cへパルス出力を行っているときに主基板から賞球払出の制御コマンドが送信された場合であっても、その制御コマンドの解析を優先して行うことができる。したがって、主基板100からの制御コマンド受信の取りこぼしによる賞球払出ミスや賞球払出の遅れなどをなくすことができる。
【0055】(電源の立下げ)パチンコホールの営業終了時の電源遮断、停電、あるいは電源の異常などにより、主電源70が遮断され、12V電源が電圧Vdmに達すると、主基板100にシステムリセット信号が発生する(ハイレベル→ローレベル)。続いて12V電源が電圧Vdh(たとえば10.3V)に達するとNMI信号が生成され、このNMI信号は時間Tnmiの期間継続する。この時間Tnmiの期間内に賞球数などのデータがRAM216にバックアップされる。このとき、コンデンサC1(図5)の放電電流がマイクロプロセッサ210のバックアップ用電源端子VBB(図7)に供給されるため、RAM216は賞球データなどのデータの記憶を維持することができる。
(サブCPU212のNMI割込み処理)ここで、サブCPU212が実行するNMI割込み処理について図11を参照して説明する。サブCPU212は、NMI信号が生成されると、RAM216に対するアクセスレジスタにアクセス禁止を設定する(S70)。この割込み処理は、他の割込み処理よりも最優先で実行される。つまり、RAM216へのアクセスを禁止することにより、RAM216に格納されている賞球データが書き換えられてしまうのを防止する。
【0056】たとえば、RAM216をバックアップするタイミングのときに、既に他の割込み処理が実行されており、新たな割込みを禁止していた場合に前記他の割込み処理の処理時間が長くなると、その後に割込み処理が許可され、RAM216へのアクセスを禁止しようとしても間に合わず、RAM216の記憶内容の一部または全部を破壊してしまうおそれがある。そこで、NMI割込み処理によってRAM216へのアクセスを禁止することにより、RAM216の記憶内容の破壊を防止する。そして、時間Tnmiが経過するとNMI信号が停止し、払出制御基板200にシステムリセット信号が発生し、払出制御基板200がリセットされる。続いて、5V電源が電圧Vdsに達すると、サブ化基板にシステムリセット信号が発生し、サブ化基板がリセットされる。なお、RAM216がバックアップされている期間中に電源が立ち上がった場合は、サブCPU212は、RAM216に格納されている賞球数を参照し、賞球払出モータ62c(図3)を駆動し、上記賞球数に対応する賞球を払出す。
【0057】(電源監視処理)次に、電源電圧監視用IC84に設けられたCPU84eが実行する電源電圧監視処理の流れについて、それを示す図13のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、12Vライン87の電圧を監視する場合を例に挙げて説明する。CPU84eは、図示しないタイマからのタイミング信号を取り込んで、電源電圧を検出するタイミングであると判定すると(S80:Yes)、制御ライン84g(図7(B))を介して各A/D変換回路へ制御信号を送出する(S82)。この制御信号を取込んだ各A/D変換回路は、それぞれの電圧ラインから電流を取込み、その取込んだ電流の電圧値をデジタル信号に変換し、CPU84eへ送出する。
【0058】そしてCPU84eは、取込んだデジタル信号をカウントして電圧V1を演算し、その電圧V1が所定電圧以下であるかを判定する(S86)。ここで、所定電圧とは、たとえば基板が機能するために最低限必要な動作電圧であり、12V電源の基板では、たとえば、10.3Vである。続いてCPU84eは、電圧V1が10.3V以下である場合は(S86:Yes)、12Vの電源によって機能している各基板へRESET信号を送出し(S88)、パチンコ機10の所定箇所(たとえば、RESET信号を送出する基板上、あるいはパチンコ機10の外部から視認可能な箇所など)に設けられた報知LED89(図5)を点灯させる(S90)。この報知LED89の点灯により、電源電圧の低下により、機能しなくなった基板が発生したことを報知することができる。このため、基板の機能を復活させるための処置を早期に行うことができる。また、電源電圧が正常な電圧に復活すると、電源電圧監視用IC84から上記リセットされた各基板へリセット解除信号が送出され、各基板のリセット状態が解除され、各基板が制御を再開する。
【0059】[実施形態の効果]
(1)以上のように、この実施形態のパチンコ機10を使用すれば、各基板がそれぞれ自身に供給されている電源電圧を独自に監視し、その監視電圧が所定の電圧になったときに自身をリセットするのではなく、電源電圧監視用IC84が監視している電圧が所定の電圧になったときに電源電圧監視用IC84から各基板へRESET信号を送信する構成であるため、各基板を同時にリセットすることができる。しかも、RESET信号の解除も電源電圧監視用IC84が統一して行い、サブ化基板、払出制御基板200、主基板100の順序で各基板をリセット解除し、主基板100が最も遅いタイミングでリセット解除するため、主基板100から送信した制御コマンドを払出制御基板200およびサブ化基板が受信できなくなるおそれもない。したがって、主電源70が遮断後に復帰し、RAM216にバックアップされている入賞データに基づいて賞球の払出しを再開する場合でも、払出制御基板200は主基板100から送信された払出命令の受信を失敗するおそれがないため、払出されるべき賞球が払出されなかったり、あるいは払出個数が不足するなど、遊技者に不測の不利益を与えるおそれがない。
【0060】(2)また、前述の実施形態では、サブ化基板上昇検出電圧Vus、払出制御基板上昇検出電圧Vuhおよび主基板上昇検出電圧Vumの各電圧値がそれぞれ異なる場合を説明したが、電源電圧監視用IC84の制御によって、サブ化基板、払出制御基板200および主基板100のリセット解除を指示するため、上記各電圧値を同一に設定した場合であっても、サブ化基板、払出制御基板200、主基板100の順序で立上がるように規定することができる。つまり、ソフトウエア的処理によって各基板の立上順序を規定できる。したがって、各基板間にセキュリティチェックに必要な時間や回路動作時間などに多少のばらつきが存在している場合であっても、それとは無関係に各基板の立上順序を規定できるため、各基板の立上がりタイミングの精度を高めることができる。さらに、電源電圧監視用IC84は、各基板へリセット解除を指示するタイミングを時間に基づいて判断するため、電源電圧監視用IC84の動作電圧が変動した場合であっても、その変動の影響を受けることなく、リセット解除の指示を各基板へ正確なタイミングで行うことができる。
【0061】(3)さらに、1つの電源電圧監視用IC84が各基板の電源電圧を監視し、ある電圧の異常を検出すると、その電圧が供給されている各基板を同時にリセットし、あるいは、リセット状態を解除できるため、各基板の制御タイミングを高精度で制御できる。しかも、各基板ごとに電源電圧監視用ICを設ける必要がないため、その分、各基板の省スペース化を図ることができる。
【0062】(4)またさらに、各基板に電源を供給する電源供給手段も単一であるため、製造機種ごとに基板構成が異なる場合であっても、電源基板から各基板へ電源供給ラインを配線するだけでよいため、電源の供給経路および各基板の変圧回路などを製造機種ごとに設計する必要がない。したがって、基板設計の自由度を高めることができるため、パチンコ機の製造歩留まりを良くすることができる。また、各基板ごとに変圧回路を設ける必要がないため基板の省スペース化を図ることができる。なお、メインCPU112またはサブCPU212によって電圧監視を行うようにすることもできる。この場合、電圧監視を他の処理と独立させてもよいし、割込み処理にすることもできる。
【0063】[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、CPU84eが各基板のリセットおよびリセット解除の双方を行う場合を説明したが、リセットのみを行い、リセット解除については、各基板が自己の電圧上昇を検出し、その検出電圧が所定の電圧になったときに自己をリセット解除するように構成することもできる。
(2)また、CPU84eが各基板のリセット解除のみを行い、リセットについては、各基板が自己の電圧上昇を検出し、その検出電圧が所定の電圧になったときに自己をリセットするように構成することもできる。
(3)さらに、前述の各実施形態では、この発明に係る遊技機として第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第2種パチンコ機、第3種パチンコ機、それら以外の種類のパチンコ機、あるいは、スロットマシンなどの他の遊技機にもこの発明を適用できることは勿論である。
【0064】[各請求項と実施形態との対応関係]電源基板80が、電源供給手段として機能し、電源電圧監視用IC84が電源電圧監視手段として機能する。また、ROM84hが請求項6に係る記録媒体として機能する。そして、CPU84eが実行するS100〜S120が、請求項2に係る電源電圧監視手段として機能するとともに、請求項6に係る処理に対応する。




 

 


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