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発明の名称 滅菌システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−346861(P2001−346861A)
公開日 平成13年12月18日(2001.12.18)
出願番号 特願2000−174783(P2000−174783)
出願日 平成12年6月12日(2000.6.12)
代理人
発明者 露口 省二 / 牧 岳彦 / 中井 哲志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 滅菌手段2と蒸気発生手段3とを備え、前記蒸気発生手段3が、補助加熱手段25を備えていることを特徴とする滅菌システム。
【請求項2】 前記補助加熱手段25が、前記滅菌手段2の運転状態および前記滅菌手段2への給蒸状態のいずれか一方または両方に基づいて制御されることを特徴とする請求項1に記載の滅菌システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気滅菌器やガス滅菌器のような滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムに関し、とくに前記蒸気発生手段から前記滅菌手段への蒸気の供給状態を制御する滅菌システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院,各種医療施設などにおいては、手術衣や患者の使用した衣服,手術用機器などを滅菌処理している。この滅菌処理を行う滅菌手段としては、たとえば蒸気滅菌器が用いられている。この蒸気滅菌器は、被滅菌物を滅菌槽内に密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気(飽和蒸気)を送り込むことによって滅菌処理するものである。この蒸気滅菌器には、蒸気を供給するための蒸気発生手段,たとえばリボイラが接続されており、前記蒸気滅菌器と前記リボイラとで蒸気滅菌システムとして構成されている。ここで、前記リボイラとは、他の蒸気発生手段で発生させた蒸気を熱源とし、この蒸気(以下、「熱源蒸気」という)によって純度の高い水を蒸発させて清浄蒸気を発生させる蒸気発生手段,すなわち清浄蒸気発生手段である。
【0003】ところで、前記蒸気滅菌システムにおいて、前記蒸気滅菌器の運転は、前記リボイラにおける清浄蒸気の圧力が前記蒸気滅菌器における最高運転圧力以上であり、かつ前記リボイラにおける蒸発量が前記蒸気滅菌器における必要量以上確保されているという前提で行われている。すなわち、前記蒸気滅菌器の運転は、前記リボイラへの熱源蒸気が所定の圧力以上となっているという前提で行われている。
【0004】しかし、熱源蒸気は、空調設備などの他の設備の熱源としても用いられているため、このような他の設備において多量に熱源蒸気が消費されると、前記リボイラへの熱源蒸気の圧力が低下することがある。すると、前記リボイラにおける清浄蒸気の蒸発量や蒸気圧が低下するため、前記蒸気滅菌器の運転に支障を来す。たとえば、被滅菌物を蒸気滅菌するための滅菌槽内を所定の滅菌温度まで昇温することができなかったり、前記滅菌槽内を所定の滅菌温度まで昇温することができたとしても、この滅菌温度を維持することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、滅菌手段において必要な蒸気量や蒸気圧の蒸気を確実に供給し、滅菌作業を支障なく行うことができるようにした滅菌システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、滅菌手段と蒸気発生手段とを備え、前記蒸気発生手段が、補助加熱手段を備えたことを特徴としている。
【0007】さらに、請求項2に記載の発明は、前記補助加熱手段が、前記滅菌手段の運転状態および前記滅菌手段の給蒸状態のいずれか一方または両方に基づいて制御されることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムにおいて好適に実施することができる。ここで、前記蒸気発生手段は、前記滅菌手段と一体的に構成されている場合および前記滅菌手段とは別個に構成されている場合を含んでいる。
【0009】前記滅菌手段は、蒸気滅菌器のほか、蒸気を用いる滅菌器であればガス滅菌器などの滅菌器も含んでいる。ここにおいて、前記蒸気滅菌器としては、蒸気のみで滅菌を行う通常の蒸気滅菌器のほか、温水(または熱水)や蒸気で被滅菌物を洗浄した後、蒸気で滅菌を行う洗浄滅菌器がある。
【0010】前記蒸気発生手段は、通常の蒸気を発生させる蒸気発生装置または純度の高い水を蒸発させて清浄蒸気を発生させる清浄蒸気発生装置である。前記蒸気発生手段は、主加熱手段として、バーナや電気ヒータのような加熱手段または蒸気(すなわち熱源蒸気)や熱媒液のような熱源の導入部が設けられている。
【0011】さらに、前記蒸気発生手段は、前記主加熱手段に加えて、補助加熱手段を備えている。この補助加熱手段は、バーナや電気ヒータのような加熱手段または蒸気や熱媒液のような熱源の導入部である。前記補助加熱手段は、前記主加熱手段と同じ形式の加熱手段または前記主加熱手段と異なる形式の加熱手段を用いることができる。ここで、前記補助加熱手段として電気ヒータを用いる場合、前記蒸気発生手段内の水を直接加熱するように設けることもできるし、前記蒸気発生手段の伝熱面を介して間接的に加熱するように設けることもできる。
【0012】以上の構成により、前記主加熱手段の加熱による蒸発量が少なかったり、蒸気圧が低い場合、前記補助加熱手段を作動させることによって、前記蒸気発生手段における蒸発量を増加させ、蒸気圧を上昇させることができるため、前記滅菌手段において必要とする蒸気を安定して供給することができる。
【0013】さらに、この発明に係る滅菌システムは、前記滅菌手段の運転状態および前記滅菌手段への蒸気の供給状態(以下、「給蒸状態」という)のいずれか一方または両方に基づいて、前記補助加熱手段を制御する構成である。まず、前記滅菌手段の運転状態に基づく前記補助加熱手段の制御について説明する。前記滅菌手段における滅菌作業は、通常、複数の工程からなり、各工程のそれぞれによって蒸気の使用量や使用圧力が異なっている。さらに前記各工程における各処理操作によっても蒸気の使用量や使用圧力が異なる場合がある。そこで、これらの各工程や各処理操作における蒸気の使用量や使用圧力に対応した蒸発量や蒸気圧となるように、前記補助加熱手段を制御することにより、前記滅菌手段における滅菌作業に必要な蒸気を供給することができる。
【0014】つぎに、前記滅菌手段への給蒸状態に基づく前記補助加熱手段の制御について説明する。前記滅菌手段への給蒸状態は、前記蒸気発生手段と前記滅菌手段の間の給蒸ラインにおいて検出するほか、前記蒸気発生手段の運転状態に基づいて検出することができる。すなわち、前記蒸気発生手段における蒸気の発生状態や前記蒸気発生手段における水の加熱状態を検出することによって、前記蒸気発生手段の運転状態を検出し、この検出値に基づいて、前記補助加熱手段を制御することができる。また、前記蒸気発生手段における水の加熱状態は、前記主加熱手段が、熱源蒸気を熱源としている場合には、前記主加熱手段への熱源蒸気の圧力や温度などに基づいて検出することができる。そして、前記滅菌手段への給蒸状態に基づいて、前記補助加熱手段を制御することにより、前記蒸気発生手段における蒸発量や蒸気圧を前記滅菌手段において必要な蒸気量や蒸気圧とすることができる。
【0015】つぎに、前記滅菌手段の運転状態および前記滅菌手段への給蒸状態に基づく前記補助加熱手段の制御について説明する。この場合、たとえば前記各工程または前記各処理操作に応じて、前記補助加熱手段を制御し、さらに前記滅菌手段への給蒸状態に応じて、前記蒸気発生手段の加熱量を修正し、所定量の蒸気が前記滅菌手段へ供給されるように制御する。したがって、前記滅菌システムにおいては、前記滅菌手段の運転状況および前記滅菌手段への給蒸状態に応じて、前記滅菌手段において必要な蒸気量および蒸気圧で蒸気を確実に供給することができ、確実な滅菌作業を行うことができる。
【0016】さらに、この発明に係る滅菌システムにおいては、前記主加熱手段の加熱による蒸発量や蒸気圧が、前記滅菌手段において必要とする蒸気量や蒸気圧となっている場合において、前記補助加熱手段を作動させることができる。この場合、前記蒸気発生手段における蒸発量をさらに増加させるとともに、蒸気圧をさらに高圧とすることができるため、前記滅菌手段への蒸気の供給が短時間で行えることとなり、したがって滅菌作業を短縮することができる。
【0017】以上のように、この発明に係る滅菌システムにおいては、前記滅菌手段において必要な蒸気量および蒸気圧の蒸気を確実に供給することができ、とくに前記滅菌手段の運転状態に基づいて、前記補助加熱手段を制御することにより、前記滅菌手段の運転状態に応じた充分な蒸気量および充分な蒸気圧の蒸気を供給することができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の具体的な一実施例について、図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る滅菌システムの一実施例の概略構成を示す説明図である。この実施例は、清浄蒸気を使用する蒸気滅菌システムである。
【0019】図1において、蒸気滅菌システム1は、滅菌手段としての蒸気滅菌器2と、蒸気発生手段としてのリボイラ3とで構成されている。
【0020】まず、前記蒸気滅菌器2の構成について説明する。前記蒸気滅菌器2は、被滅菌物(図示省略)を収容する滅菌槽4を備えている。前記滅菌槽4は、扉(図示省略)を備えた被滅菌物の出入口を備えており、この扉を閉じることで前記滅菌槽4を完全に密閉することができる。また、前記滅菌槽4の外壁には、蒸気ジャケットや加熱管のような滅菌槽加熱手段(図示省略)が設けられている。
【0021】前記滅菌槽4には、給蒸弁5を備えた第一給蒸ライン6が接続されており、この第一給蒸ライン6の上流端は、前記リボイラ3に接続されている。また、前記滅菌槽4には、空気導入弁7およびフィルタ8を備えた清浄空気導入ライン9が接続されており、また第一排出弁10および真空ポンプ11を備えた第一排出ライン12が接続されている。さらに、前記第一排出ライン12における前記滅菌槽4と前記第一排出弁10との間には、第二排出弁13を備えた第二排出ライン14およびスチームトラップ15を備えた第一ドレン排出ライン16がそれぞれ接続されている。そして、前記各排出ライン12,14,16は、それぞれ下流位置で合流させてある。
【0022】つぎに、前記リボイラ3の構成について説明する。前記リボイラ3は、上部ヘッダ17,下部ヘッダ18,前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に接続された複数本(図1においては、1本のみ図示)の伝熱管19およびこれらの伝熱管19を取り囲むように設けられた熱源としての蒸気(以下、「熱源蒸気」という)の導入部,すなわち蒸気ジャケット20から構成されている。この蒸気ジャケット20は、前記リボイラ3の主加熱手段である。
【0023】前記上部ヘッダ17には、前記第一給蒸ライン6の上流端が接続されている。前記下部ヘッダ18には、給水ポンプ21を備えた純水供給ライン22が接続されており、この純水供給ライン22の上流端には、適宜の水質調整手段(図示省略)が接続されている。
【0024】前記蒸気ジャケット20には、第二給蒸ライン23および第二ドレン排出ライン24が接続されている。前記第二給蒸ライン23の上流端は、適宜の熱源蒸気発生手段(図示省略)に接続されている。また、前記第二ドレン排出ライン24は、前記第一ドレン排出ライン16と同様の構成となっている。
【0025】さて、前記リボイラ3には、補助加熱手段としての電気ヒータ25が設けられている。前記電気ヒータ25は、前記伝熱管19の外側下部に巻き付けるようにして設けられている。前記電気ヒータ25には、電源26が接続されている。したがって、前記電源26の制御により、前記電気ヒータ25による加熱のオン−オフおよび加熱量を調整することができる。
【0026】ここで、以上の説明において、前記電気ヒータ25は、前記伝熱管19の外側に設けているが、前記伝熱管19内や前記下部ヘッダ18内に設け、純水を直接加熱するように構成することもできる。
【0027】つぎに、前記蒸気滅菌システム1における制御構成について説明する。まず、前記蒸気滅菌システム1においては、前記蒸気滅菌器2および前記リボイラ3の自動運転を可能とするための各種検出手段が設けられている。
【0028】すなわち、前記滅菌槽4には、前記滅菌槽4内の圧力を検出するために、第一圧力検出手段27が設けられている。また、前記リボイラ3には、第二圧力検出手段28,第三圧力検出手段29および水位検出手段30が設けられている。前記第二圧力検出手段28は、前記リボイラ3における清浄蒸気の発生状態を検出するために、前記上部ヘッダ17に設けられている。また、前記第三圧力検出手段29は、前記リボイラ3への熱源蒸気の供給状態を検出するために、前記第二給蒸ライン23に設けられている。さらに、前記水位検出手段30は、前記リボイラ3における水位制御を行うために、前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に設けられている。
【0029】さて、前記各検出手段27〜30は、回線31を介してそれぞれ制御器32に接続されている。また、前記制御器32には、前記各弁5,7,10,13が回線31を介してそれぞれ接続されており、また前記真空ポンプ11,前記給水ポンプ21および前記電源26も回線31を介してそれぞれ接続されている。前記制御器32は、予め設定されたプログラムにしたがい、前記各検出手段27〜30からの検出値に基づいて、前記蒸気滅菌システム1を制御する。
【0030】つぎに、前記制御器32の制御内容を前記蒸気滅菌システム1の機能とともに、図1を参照しながら説明する。ここで、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記熱源蒸気発生手段(図示省略)から前記滅菌槽加熱手段(図示省略)への熱源蒸気の供給が開始されており、前記滅菌槽4が加熱されている。また、運転開始時には、前記制御器32は、前記各弁5,7,10,13を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させている。
【0031】さらに、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記リボイラ3においては、前記純水供給ライン22から純水(または軟水)が供給されるとともに、前記第二給蒸ライン23から前記蒸気ジャケット20へ熱源蒸気が供給され、清浄蒸気が発生している状態となっている。ここで、前記制御器32は、前記リボイラ3内の水位が所定の位置または範囲を維持するように、前記給水ポンプ21の運転を制御している。
【0032】さて、前記蒸気滅菌システム1において、前記蒸気滅菌器2における滅菌作業の各工程は、通常、予熱工程,空気排除工程,給蒸工程,滅菌工程,排気工程および乾燥工程からなり、これらの各工程を順番に実行している。前記各工程について、つぎに説明する。
【0033】まず、前記滅菌槽4内へ被滅菌物(図示省略)を収容し、前記予熱工程を行う。前記予熱工程では、予め加熱されている前記滅菌槽4の熱により、前記滅菌槽4内の被滅菌物を充分に加熱する。
【0034】前記空気排除工程では、まず前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開くことによって、前記滅菌槽4内を所定圧力となるまで減圧し、前記滅菌槽4内の空気の大半を除去する(減圧操作)。つぎに、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させ、前記給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内へ清浄蒸気を加圧状態で供給する(蒸気供給操作)。前記滅菌槽4内が所定圧力に達すると、前記給蒸弁5を閉じるとともに、前記第二排出弁13を開くことにより、前記滅菌槽4内の清浄蒸気とともに空気を排出する(蒸気排出操作)。前記滅菌槽4内がほぼ大気圧となると、前記給蒸弁5を開くとともに、前記第二排出弁13を閉じることにより、ふたたび前記蒸気供給操作を行う。そして、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作を交互に所定回数繰り返すことによって、前記滅菌槽4および被滅菌物内の空気を排除する。
【0035】前記給蒸工程では、前記給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内が所定の滅菌温度,たとえば135℃に対応する飽和蒸気圧(0.216MPa)となるまで清浄蒸気を供給する。
【0036】前記滅菌工程では、前記滅菌槽4内を前記滅菌温度の清浄蒸気で充満させた状態を所定時間維持する。ここで、前記滅菌工程においては、前記第一圧力検出手段27からの検出値に基づいて、前記給蒸弁5を適宜開閉することにより、清浄蒸気の供給を制御し、前記滅菌槽4内を前記滅菌温度に維持する。
【0037】前記排気工程では、前記第二排出弁13を開くことにより、前記滅菌槽4内が大気圧近くになるまで、前記滅菌槽4内の清浄蒸気を排出する。
【0038】前記乾燥工程では、前記第二排出弁13を閉じ、前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開いて前記滅菌槽4内を減圧し、この減圧状態を所定時間維持することにより、前記滅菌槽4内の被滅菌物を真空乾燥する。そして、所定時間経過後、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させ、前記空気導入弁7を開くことにより、前記滅菌槽4内が大気圧となるまで前記滅菌槽4内へ清浄空気を導入する。そして、前記滅菌槽4内が大気圧となれば、前記滅菌槽4の扉(図示省略)を開き、前記滅菌槽4から被滅菌物を取り出す。
【0039】つぎに、前記蒸気滅菌システム1における前記電気ヒータ25の制御について説明する。前記電気ヒータ25の制御は、前記第三圧力検出手段29からの検出値に基づいて行う。すなわち、前記第二給蒸ライン23における熱源蒸気の圧力を検出し、この検出値が、前記リボイラ3において所定の蒸発量および所定の蒸気圧を得るために必要な所定圧力以上かどうかを判断する。
【0040】そして、熱源蒸気が前記所定圧力以下の場合には、前記制御器32は、前記電源26から前記電気ヒータ25へ電力を供給することによって、前記電気ヒータ25を作動させる。すると、前記リボイラ3における加熱量は、前記電気ヒータ25による加熱量の分、増加するため、前記リボイラ3における蒸発量が増加し、蒸気圧も上昇する。したがって、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気の圧力が低くても、前記蒸気滅菌器2において必要とする清浄蒸気を安定して供給することができる。一方、熱源蒸気が前記所定圧力以上の場合には、前記蒸気ジャケット20による加熱量のみで、前記蒸気滅菌器2において必要とする清浄蒸気を安定して供給することができるため、前記制御器32は、前記電源26をオフ状態とする。
【0041】つぎに、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気の圧力に応じた前記電気ヒータ25の制御に代えて、前記蒸気滅菌器2の運転状態に応じて、前記電気ヒータ25を制御する場合について説明する。ここで、前記制御器32は、前記各工程や前記各処理操作の開始からの経過時間と、前記第一圧力検出手段27における検出値とに基づいて、前記各工程および前記各処理操作を制御している。そこで、前記制御器32は、前記各工程や前記各処理操作の開始タイミングに合わせて前記電源26を制御することにより、前記電気ヒータ25を制御し、前記リボイラ3における蒸発量および蒸気圧を前記各工程や前記各処理操作に応じて調整する。
【0042】まず、前記予熱工程では、清浄蒸気を使用しないため、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気が前記所定圧力となっていたとしても、前記予熱工程の実行には支障がない。そこで、前記電源26をオフ状態とし、前記電気ヒータ25による加熱を行わない。
【0043】つぎに、前記空気排除工程では、清浄蒸気を使用しない減圧操作の後、清浄蒸気の使用量の多い蒸気供給操作および清浄蒸気を使用しない蒸気排出操作が所定回数繰り返し行われる。また、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作はそれぞれ比較的短時間で行われる。そこで、少なくとも前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作が繰り返し行われている間は、前記電源26から前記電気ヒータ25へ電力を供給し、前記電気ヒータ25による加熱を行う。したがって、前記リボイラ3内の純水は、前記蒸気ジャケット20および前記電気ヒータ25によって加熱されるため、熱源蒸気の圧力に関係なく、前記蒸気滅菌器2へ必要な蒸気量および蒸気圧の清浄蒸気を供給することができる。
【0044】つぎに、前記給蒸工程では、清浄蒸気の使用量が多いため、前記空気排除工程に引き続き、前記電気ヒータ25を作動させることにより、前記リボイラ3における蒸発量が増加し、蒸気圧が上昇した状態を維持する。
【0045】つぎに、前記滅菌工程では、前記滅菌槽4内が前記滅菌温度に対応する飽和蒸気温度を維持するように清浄蒸気を供給しているため、清浄蒸気の使用量が少ない。そのため、前記電源26をオフ状態とし、前記電気ヒータ25による加熱を停止する。
【0046】つぎに、前記排気工程および前記乾燥工程においては、清浄蒸気を使用しないため、前記滅菌工程に引き続き、前記電気ヒータ25による加熱を停止した状態を維持する。
【0047】以上のように、前記蒸気滅菌器2における運転状態に応じて、前記電気ヒータ25を制御することにより、前記リボイラ3の蒸発量を調整し、前記各工程や前記各処理操作に応じた適切な量の清浄蒸気を不足なく供給することができる。
【0048】ここで、以上の説明において、前記空気排除工程は、前記減圧操作の後、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作を所定回数繰り返すことによって行われているが、真空吸引を継続したまま、減圧状態で蒸気の供給を断続的に繰り返すことによって行われる場合がある。この場合には、清浄蒸気の使用量が少ないので、前記電源26のオフ状態を維持し、前記電気ヒータ25によって過剰に加熱することを防止することができる。
【0049】また、以上の説明においては、前記各工程や前記各処理操作の開始タイミングに基づいて、前記電気ヒータ25への電力の供給をオンオフ制御しているが、電力の供給開始に対する前記リボイラ3における蒸発量の変化の遅れを考慮し、前記開始タイミングに先立って、前記電気ヒータ25への電力の供給を開始するように制御することができる。さらに、前記電源26による電力の供給を行っている間において、前記第二給蒸ライン23における熱源蒸気の圧力や、前記第一給蒸ライン6における清浄蒸気の圧力に応じて、前記電源26を比例制御し、前記リボイラ3における清浄蒸気の圧力が所定の範囲を維持するように制御することができる。
【0050】つぎに、前記各工程や前記各処理操作の開始タイミングに基づく前記電気ヒータ25の制御に代えて、前記第一圧力検出手段27による前記滅菌槽4内の圧力の検出値やこの検出値の変化に応じて、前記電気ヒータ25を制御する場合について説明する。
【0051】まず、前記減圧操作時や前記乾燥工程時のように、前記滅菌槽4内が負圧のときには、清浄蒸気が使用されていないか、または清浄蒸気の使用量が少ないと判断し、前記電気ヒータ25を停止させる。つぎに、前記蒸気供給操作時や前記給蒸工程時のように、前記滅菌槽4内が所定圧力以上のときには、清浄蒸気の使用量が多いと判断し、前記電気ヒータ25を作動させる。また、前記滅菌工程時のように、前記滅菌槽4内が所定圧力以上であっても、ほとんど変化しないときには、清浄蒸気の使用量が少ないと判断し、前記電気ヒータ25を停止させる。さらに、前記空気排除工程における蒸気排除工程時や前記排気工程時のように、前記滅菌槽4内が所定圧力以上であっても、減少傾向にあるときには、清浄蒸気の使用量が少ないか、または清浄蒸気が使用されていないと判断し、前記電気ヒータ25を停止させる。
【0052】以上の説明において、前記電気ヒータ25は、前記蒸気ジャケット20による加熱量のバックアップとして用いているが、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気が前記所定圧力以上であっても前記各工程に応じて前記電気ヒータ25を作動させることができる。すなわち、前記各工程のうち、清浄蒸気の使用量が多い前記空気排除工程(とくに前記蒸気供給工程)および前記給蒸工程において、前記電気ヒータ25を作動させる。すると、前記空気排除工程および前記給蒸工程においては、前記リボイラ3における蒸発量がさらに増加し、また蒸気圧もさらに上昇する。そのため、前記蒸気供給操作や前記給蒸工程において前記滅菌槽4内へ清浄蒸気を短時間で導入することができ、前記空気排除工程や前記給蒸工程の所要時間を短縮することができる。したがって、このように前記電気ヒータ25を制御することにより、滅菌作業全体の時間短縮を図ることができる。
【0053】さらに、前記蒸気滅菌システム1においては、蒸気供給手段としてリボイラを用いているが、前記蒸気供給手段はリボイラに限らず、通常のボイラ給水を使用するボイラとすることができる。また、前記蒸気滅菌システム1において、リボイラまたはボイラのような蒸気供給手段は、前記蒸気滅菌器2と別個に構成しているが、前記蒸気滅菌器2と一体的に構成することができる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、蒸気発生手段に補助加熱手段を設けたので、滅菌手段において必要な蒸気量や蒸気圧の蒸気を確実に供給することができ、滅菌作業を支障なく行うことができる。




 

 


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