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発明の名称 滅菌システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−327581(P2001−327581A)
公開日 平成13年11月27日(2001.11.27)
出願番号 特願2000−154013(P2000−154013)
出願日 平成12年5月25日(2000.5.25)
代理人
発明者 牧 岳彦 / 中井 哲志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 滅菌手段2と蒸気発生手段3とを備え、前記滅菌手段2の運転状態に応じて、前記蒸気発生手段3の蒸発量を制御することを特徴とする滅菌システム。
【請求項2】 前記蒸気発生手段3が、蒸気を熱源としていることを特徴とする請求項1に記載の滅菌システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気滅菌器やガス滅菌器のような滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムに関し、とくに前記蒸気発生手段から前記滅菌手段への蒸気の供給状態を制御する滅菌システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院,各種医療施設などにおいては、手術衣や患者の使用した衣服,手術用機器などを滅菌処理している。この滅菌処理を行う滅菌手段としては、たとえば蒸気滅菌器が用いられている。この蒸気滅菌器は、被滅菌物を滅菌槽内に密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気(飽和蒸気)を送り込むことによって滅菌処理するものである。この蒸気滅菌器には、蒸気を供給するための蒸気発生手段,たとえばボイラが接続されており、前記蒸気滅菌器と前記ボイラとで蒸気滅菌システムとして構成されている。
【0003】ところで、前記蒸気滅菌器における滅菌作業では、複数の工程が順番に行われるが、これらの各工程における蒸気の使用量は、それぞれ異なっている。一方、前記ボイラは、前記蒸気滅菌器における蒸気の最大使用量に対応する蒸発量とされており、前記蒸気滅菌器の運転状態とは関係なく運転されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、前記滅菌手段の運転状態に応じて、蒸気発生手段を効率よく運転することができるようにした滅菌システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、滅菌手段と蒸気発生手段とを備え、前記滅菌手段の運転状態に応じて、前記蒸気発生手段の蒸発量を制御することを特徴としている。
【0006】さらに、請求項2に記載の発明は、前記蒸気発生手段が、蒸気を熱源としていることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムにおいて好適に実施することができる。
【0008】前記滅菌手段は、蒸気滅菌器のほか、蒸気を用いる滅菌器であればガス滅菌器などの滅菌器も含んでいる。ここにおいて、前記蒸気滅菌器としては、蒸気のみで滅菌を行う通常の蒸気滅菌器のほか、温水(または熱水)や蒸気で被滅菌物を洗浄した後、蒸気で滅菌を行う洗浄滅菌器がある。
【0009】前記蒸気発生手段は、通常の蒸気を発生させる蒸気発生装置または純度の高い水を蒸発させて清浄蒸気を発生させる清浄蒸気発生装置である。前記蒸気発生手段は、バーナや電気ヒータのような加熱手段を熱源とするほか、蒸気や熱媒を熱源としている。ここで、前記蒸気発生手段は、前記滅菌手段と一体的に構成されている場合および前記滅菌手段とは別個に構成されている場合を含んでいる。
【0010】さて、この発明に係る滅菌システムは、前記滅菌手段の運転状態に応じて、前記蒸気発生手段を制御し、前記蒸気発生手段における蒸発量を制御する構成である。すなわち、前記滅菌システムは、前記滅菌手段における滅菌作業の各工程に対応した蒸発量となるように、前記蒸気発生手段を制御する構成である。また、前記滅菌システムは、前記各工程における各処理操作に対応した蒸発量となるように、前記蒸気発生手段を制御する構成とすることもできる。
【0011】したがって、前記滅菌システムにおいては、前記滅菌手段の運転状態に応じて、適切な量の蒸気を発生させることができるため、前記蒸気発生手段を効率よく運転することができ、省エネルギー化を達成することができる。
【0012】前記蒸気発生手段における蒸発量の制御は、加熱量の調整または伝熱面積の調整によって行う。ここで、前記伝熱面積の調整は、蒸発量に応じて加熱する伝熱管の本数を調整することによって行うことができる。
【0013】ここにおいて、この発明に係る滅菌システムにおいては、前記各工程または前記各処理操作に対応させて前記蒸気発生手段を制御する代わりに、前記滅菌手段の運転状態を圧力検出手段や温度検出手段などの適宜の検出手段によって検出し、この検出値に基づいて、前記蒸気発生手段を制御することができる。さらに、この発明に係る滅菌システムにおいては、前記各工程または前記各処理操作に対応させた前記蒸気発生手段の制御と、前記適宜の検出手段による検出値に基づいた前記蒸気発生手段の制御とを組み合わせて行うことができる。たとえば、前記各工程または前記各処理操作に応じて、前記蒸気発生手段における加熱量を調整し、さらに前記適宜の検出手段による検出値に応じて、前記蒸気発生手段における加熱量を調整し、所定量の蒸気が前記滅菌手段へ供給されるように制御する。
【0014】
【実施例】以下、この発明の第一実施例について、図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る滅菌システムの第一実施例の概略構成を示す説明図,図2は、図1における蒸気発生手段を側面から見た概略構成を示す説明図である。この第一実施例は、清浄蒸気を使用する蒸気滅菌システムである。
【0015】図1において、蒸気滅菌システム1は、滅菌手段としての蒸気滅菌器2と、蒸気発生手段としてのリボイラ3とで構成されている。
【0016】まず、前記蒸気滅菌器2の構成について説明する。前記蒸気滅菌器2は、被滅菌物(図示省略)を収容する滅菌槽4を備えている。前記滅菌槽4は、扉(図示省略)を備えた被滅菌物の出入口を備えており、この扉を閉じることで前記滅菌槽4を完全に密閉することができる。また、前記滅菌槽4の外壁には、蒸気ジャケットや加熱管のような滅菌槽加熱手段(図示省略)が設けられている。
【0017】前記滅菌槽4には、第一給蒸弁5を備えた第一給蒸ライン6が接続されており、この第一給蒸ライン6の上流端は、前記リボイラ3に接続されている。また、前記滅菌槽4には、空気導入弁7およびフィルタ8を備えた清浄空気導入ライン9が接続されており、また第一排出弁10および真空ポンプ11を備えた第一排出ライン12が接続されている。さらに、前記第一排出ライン12における前記滅菌槽4と前記第一排出弁10との間には、第二排出弁13を備えた第二排出ライン14およびスチームトラップ15を備えた第一ドレン排出ライン16がそれぞれ接続されている。そして、前記各排出ライン12,14,16は、それぞれ下流位置で合流させてある。
【0018】つぎに、前記リボイラ3の構成について説明する。前記リボイラ3は、上部ヘッダ17,下部ヘッダ18,前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に接続された複数本(この第一実施例では6本)の伝熱管19,19,…およびこれらの伝熱管19を取り囲むように設けられた蒸気ジャケット20から構成されている。
【0019】前記上部ヘッダ17には、前記第一給蒸ライン6の上流端が接続されている。前記下部ヘッダ18には、給水ポンプ21を備えた純水供給ライン22が接続されており、この純水供給ライン22の上流端には、適宜の水質調整手段(図示省略)が接続されている。また、前記下部ヘッダ18には、ブロー制御弁(符号省略)および逆止弁(符号省略)を備えたブローライン23が接続されている。
【0020】前記蒸気ジャケット20には、第二給蒸ライン24および第二ドレン排出ライン25が接続されている。前記第二給蒸ライン24の上流端は、適宜の熱源蒸気発生手段(図示省略)に接続されている。また、前記第二ドレン排出ライン25は、前記第一ドレン排出ライン16と同様の構成となっている。
【0021】さて、前記第二給蒸ライン24は、その途中で第一分岐ライン26と第二分岐ライン27とに分岐させてある。前記第一分岐ライン26には、上流側から順に、調圧弁28および第二給蒸弁29が設けられており、また前記第二分岐ライン27には、第三給蒸弁30が設けられている。ここで、前記第一分岐ライン26を流れる熱源蒸気の圧力は、前記調圧弁28によって、前記第二分岐ライン27を流れる熱源蒸気の圧力より低く設定されている。したがって、前記第二給蒸弁29および前記第三給蒸弁30を選択的に開閉することにより、前記蒸気ジャケット20へ供給される熱源蒸気の圧力,すなわち前記リボイラ3における加熱量を調整することができる。
【0022】つぎに、前記蒸気滅菌システム1における制御構成について説明する。まず、前記蒸気滅菌システム1においては、前記蒸気滅菌器2および前記リボイラ3の自動運転を可能とするための各種検出手段が設けられている。
【0023】すなわち、前記滅菌槽4には、前記滅菌槽4内の圧力を検出するために、第一圧力検出手段31が設けられている。また、前記リボイラ3には、第二圧力検出手段32および水位検出手段33が設けられている。前記第二圧力検出手段32は、前記リボイラ3における蒸気発生状況を検出するために、前記上部ヘッダ17に設けられている。また、前記水位検出手段33は、前記リボイラ3における水位制御を行うために、前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に設けられている。
【0024】さて、前記各検出手段31〜33は、回線34を介してそれぞれ制御器35に接続されている。また、前記制御器35には、前記各弁5,7,10,13,29,30が回線34を介してそれぞれ接続されており、また前記真空ポンプ11および前記給水ポンプ21も回線34を介してそれぞれ接続されている。前記制御器35は、予め設定されたプログラムにしたがい、前記各検出手段31〜33からの検出値に基づいて、前記蒸気滅菌システム1を制御する。
【0025】つぎに、前記制御器35の制御内容を前記蒸気滅菌システム1の機能とともに、図1および図2を参照しながら説明する。ここで、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記熱源蒸気発生手段(図示省略)から前記滅菌槽加熱手段(図示省略)への熱源蒸気の供給が開始されており、前記滅菌槽4が加熱されている。また、運転開始時には、前記制御器35は、前記各弁5,7,10,13を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させている。
【0026】さらに、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記リボイラ3においては、前記純水供給ライン22から純水(または軟水)が供給されるとともに、前記第二給蒸ライン24から前記蒸気ジャケット20へ熱源蒸気が供給され、清浄蒸気が発生している状態となっている。ここで、前記制御器35は、前記リボイラ3内の水位が所定の位置または範囲を維持するように、前記給水ポンプ21の運転を制御する。
【0027】さて、前記蒸気滅菌システム1において、前記蒸気滅菌器2における滅菌作業の各工程は、通常、予熱工程,空気排除工程,給蒸工程,滅菌工程,排気工程および乾燥工程からなり、これらの各工程を順番に実行している。前記各工程について、つぎに説明する。
【0028】まず、前記滅菌槽4内へ被滅菌物(図示省略)を収容し、前記予熱工程を行う。前記予熱工程では、予め加熱されている前記滅菌槽4の熱により、前記滅菌槽4内の被滅菌物を加熱する。そして、被滅菌物が十分に加熱されると、前記予熱工程を終了し、前記空気排除工程を開始する。
【0029】前記空気排除工程では、前記制御器35は、まず前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開くことによって、前記滅菌槽4内を減圧し、前記滅菌槽4内の空気の大半を除去する(減圧操作)。そして、前記制御器35は、前記第一圧力検出手段31からの検出値に基づいて、前記減圧操作が終了したと判断すると、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させる。
【0030】つぎに、前記制御器35は、前記第一給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内へ清浄蒸気を加圧状態で供給する(蒸気供給操作)。前記滅菌槽4内が所定圧力に達すると、前記第一給蒸弁5を閉じるとともに、前記第二排出弁13を開くことにより、前記滅菌槽4内の清浄蒸気とともに空気を排出する(蒸気排出操作)。前記滅菌槽4内の圧力がほぼ大気圧となると、前記制御器35は、前記第一給蒸弁5を開くとともに、前記第二排出弁13を閉じることにより、ふたたび前記蒸気供給操作を行う。そして、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作を交互に所定回数繰り返すことによって、前記滅菌槽4および被滅菌物内の空気を排除する。前記空気排除工程が終了すると、前記給蒸工程を開始する。
【0031】前記給蒸工程では、前記制御器35は、前記第一給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内が所定の滅菌温度,たとえば135℃に対応する飽和蒸気圧(0.216MPa)となるまで清浄蒸気を供給する。そして、前記滅菌槽4内の圧力が前記飽和蒸気圧となると、前記給蒸工程を終了し、前記滅菌工程を開始する。
【0032】前記滅菌工程では、前記滅菌槽4内を前記滅菌温度の清浄蒸気で充満させた状態を所定時間維持する。ここで、前記滅菌工程においては、前記制御器35は、前記第一圧力検出手段31からの検出値に基づいて、前記第一給蒸弁5を適宜開閉することにより、清浄蒸気の供給を制御し、前記滅菌槽4内を前記滅菌温度に維持する。前記滅菌工程が終了すると、前記排気工程を開始する。
【0033】前記排気工程では、前記第二排出弁13を開いて、前記滅菌槽4内の清浄蒸気を排出する。そして、前記滅菌槽4内の圧力が大気圧近くになると、前記第二排出弁13を閉じて前記排気工程を終了し、前記乾燥工程を開始する。
【0034】前記乾燥工程では、前記制御器35は、前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開いて前記滅菌槽4内を減圧し、この減圧状態を所定時間維持することにより、前記滅菌槽4内の被滅菌物を真空乾燥する。そして、所定時間経過後、前記制御器35は、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させ、前記空気導入弁7を開くことにより、前記フィルタ8を介して雑菌などを除去した清浄空気を前記滅菌槽4内へ導入する。そして、前記滅菌槽4内が大気圧となれば、前記乾燥工程を終了する。この後は、前記滅菌槽4の扉(図示省略)を開き、前記滅菌槽4から被滅菌物を取り出す。
【0035】つぎに、前記蒸気滅菌器2の運転状態に応じた前記リボイラ3の制御について説明する。ここで、前記制御器35は、前記各工程の開始からの経過時間と、前記第一圧力検出手段31における検出値とに基づいて、前記各工程および前記各処理操作を制御している。そこで、前記制御器35は、前記各工程の開始タイミングに合わせて、前記第二給蒸弁29および前記第三給蒸弁30を選択的に開閉し、前記リボイラ3における加熱量を調整することにより、前記各工程に応じて前記リボイラ3の蒸発量を制御する。
【0036】まず、前記予熱工程では、清浄蒸気を使用しないため、前記第二給蒸弁29を開くとともに、前記第三給蒸弁30を閉じることにより、低圧の熱源蒸気を前記蒸気ジャケット20へ供給し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させる。
【0037】つぎに、前記空気排除工程では、清浄蒸気を使用しない減圧操作の後、清浄蒸気の使用量の多い蒸気供給操作および清浄蒸気を使用しない蒸気排出操作が所定回数繰り返し行われる。また、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作はそれぞれ比較的短時間で行われる。そこで、前記空気排除工程では、少なくとも前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作が繰り返し行われている間は、前記リボイラ3の蒸発量を増加させる。すなわち、前記第二給蒸弁29を閉じるとともに、前記第三給蒸弁30を開くことにより、高圧の熱源蒸気を前記蒸気ジャケット20へ供給する。
【0038】つぎに、前記給蒸工程では、清浄蒸気の使用量が多いため、前記空気排除工程に引き続き、高圧の熱源蒸気を前記蒸気ジャケット20へ供給し、前記リボイラ3の蒸発量を増加させた状態を維持する。
【0039】つぎに、前記滅菌工程では、前記滅菌槽4内が前記滅菌温度に対応する飽和蒸気温度を維持するように清浄蒸気を供給しているため、清浄蒸気の使用量が少ない。そのため、前記第二給蒸弁29を開くとともに、前記第三給蒸弁30を閉じることにより、低圧の熱源蒸気を前記蒸気ジャケット20へ供給し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させる。
【0040】つぎに、前記排気工程および前記乾燥工程においては、清浄蒸気を使用しないため、前記滅菌工程に引き続き、低圧の熱源蒸気を前記蒸気ジャケット20へ供給し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させた状態を維持する。
【0041】以上のように、前記蒸気滅菌器2における運転状態に応じて、前記リボイラ3の蒸発量を制御することにより、前記各工程や前記各処理操作に応じた適切な量の清浄蒸気を過不足なく供給することができる。また、前記蒸気滅菌器2の運転状態に応じて、前記リボイラ3の蒸発量を制御しているため、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気の供給量を節約でき、省エネルギー化が達成できる。
【0042】ここで、以上の説明において、前記空気排除工程は、前記減圧操作の後、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作を所定回数繰り返すことによって行われているが、真空吸引を継続したまま、減圧状態で蒸気の供給を断続的に繰り返すことによって行われる場合がある。この場合には、清浄蒸気の使用量が少ないので、前記第三給蒸弁30を閉じ、前記第二給蒸弁29を開いて、前記リボイラ3の蒸発量を低下させることができる。
【0043】また、以上の説明においては、前記滅菌作業の各工程や各処理操作の開始タイミングに基づいて、前記第二,第三給蒸弁29,30を交互に開閉制御しているが、一方の給蒸弁を常時開いた状態とし、他方の給蒸弁を開閉制御することによって蒸発量を制御することもできる。また、この実施例では、前記各工程や前記各処理操作の開始タイミングに基づいて、前記リボイラ3の加熱量を調整しているが、加熱量の調整に対する前記リボイラ3による蒸発量の変化の遅れを考慮し、前記開始タイミングに先立って、前記リボイラ3の加熱量を調整するように制御することもできる。
【0044】また、以上の説明においては、前記各工程や前記各処理操作の開始タイミングに基づいて、前記リボイラ3の蒸発量を制御しているが、前記第一圧力検出手段31による前記滅菌槽4内の圧力の検出値やこの検出値の変化に応じて、前記リボイラ3の蒸発量を制御するように構成することができる。この場合の制御内容について、つぎに説明する。
【0045】まず、前記減圧操作時や前記乾燥工程時のように、前記滅菌槽4内の圧力が負圧のときには、清浄蒸気が使用されていないか、または清浄蒸気の使用量が少ないと判断し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させる。
【0046】つぎに、前記蒸気供給操作時や前記給蒸工程時のように、前記滅菌槽4内の圧力が所定圧力以上のときには、清浄蒸気の使用量が多いと判断し、前記リボイラ3の蒸発量を増加させる。また、前記滅菌工程時のように、前記滅菌槽4内の圧力が所定圧力以上であっても、ほとんど変化しないときには、清浄蒸気の使用量が少ないと判断し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させる。さらに、前記空気排除工程における蒸気排除工程時や前記排気工程時のように、前記滅菌槽4内の圧力が所定圧力以上であっても、減少傾向にあるときには、清浄蒸気の使用量が少ないか、または清浄蒸気が使用されていないと判断し、前記リボイラ3の蒸発量を低下させる。
【0047】ここで、以上の説明においては、前記リボイラ3における加熱量の調整は、前記第二,第三給蒸弁29,30の開閉制御によって行っているが、このような複数の給蒸弁を用いる代わりに、前記第二給蒸ライン24に開度を調整し得る制御弁を設け、この制御弁の開度の調整によって加熱量を調整する構成とすることもできる。
【0048】さらに、以上の説明においては、前記リボイラ3における蒸発量の制御は、前記蒸気ジャケット20への熱源蒸気の供給圧力の調整,すなわち加熱量の調整によって行っているが、前記リボイラ3における蒸発量の制御は、伝熱面積の調整によって行うこともできる。この場合の第二実施例について、図3を参照しながら、つぎに説明する。ここで、図3は、この発明に係る滅菌システムの第二実施例における蒸気発生手段,すなわちリボイラ3を側面から見た概略構成を示す説明図であって、前記第一実施例を示す図2に対応する箇所の図面である。また、この第二実施例を示す図3において、前記第一実施例を示す図2と同一の符号は、同一の部材を示し、それらの詳細な説明は省略する。
【0049】図3において、前記リボイラ3は、二つの蒸気ジャケット36,36を備えている。前記各蒸気ジャケット36は、それぞれ3本の伝熱管19を取り囲むように設けられている。前記各蒸気ジャケット36には、第二給蒸ライン24から分岐させた第一分岐ライン26および第二分岐ライン27がそれぞれ接続されている。前記第二給蒸ライン24における前記各分岐ライン26,27への分岐箇所より上流側には、調圧弁28が設けられており、また前記各分岐ライン26,27には、それぞれ第二給蒸弁29および第三給蒸弁30が設けられている。また、前記各蒸気ジャケット36には、それぞれ第二ドレン排出ライン25,25が接続されている。
【0050】この第二実施例においては、前記各分岐ライン26,27から前記各蒸気ジャケット36へ流れる熱源蒸気の圧力は同じとなっている。そして、前記蒸気滅菌器2の運転状態に応じて、前記第二,第三給蒸弁29,30を選択的に開閉制御すると、前記各蒸気ジャケット36のいずれか一方または両方へ熱源蒸気を供給することができるため、熱源蒸気によって加熱する伝熱管19の本数を3本または6本に調整することができる。したがって、この第二実施例においては、清浄蒸気の発生に使用する伝熱管の本数,すなわち伝熱面積を調整することにより、清浄蒸気の蒸発量を制御することができる。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、滅菌手段の運転状態に応じて、蒸気発生手段の蒸発量を制御するようにしたので、前記滅菌手段の運転状態に応じた適切な量の蒸気を過不足なく供給することができる。また、前記滅菌手段の運転状態に応じた適切な量の蒸気を発生するように、前記蒸気発生手段を制御するため、省エネルギー化が達成できる。




 

 


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