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発明の名称 滅菌システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−321422(P2001−321422A)
公開日 平成13年11月20日(2001.11.20)
出願番号 特願2000−146014(P2000−146014)
出願日 平成12年5月18日(2000.5.18)
代理人
発明者 牧 岳彦 / 中井 哲志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 滅菌手段2と蒸気発生手段3とを備え、前記滅菌手段への蒸気の供給状態に応じて、前記蒸気発生手段3を制御することを特徴とする滅菌システム。
【請求項2】 前記蒸気発生手段3の制御が、水位制御であることを特徴とする請求項1に記載の滅菌システム。
【請求項3】 前記蒸気発生手段3の制御が、ブロー制御であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の滅菌システム。
【請求項4】 前記ブロー制御による前記蒸気発生手段3のブロー操作が、前記滅菌手段2における蒸気の非使用時に行われることを特徴とする請求項3に記載の滅菌システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気滅菌器やガス滅菌器のような滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムに関し、とくに前記蒸気発生手段から前記滅菌手段への蒸気の供給状態を制御する滅菌システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院,各種医療施設などにおいては、手術衣や患者の使用した衣服,手術用機器などを滅菌処理している。この滅菌処理を行う滅菌手段としては、たとえば蒸気滅菌器が用いられている。この蒸気滅菌器は、被滅菌物を滅菌槽内へ密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気(飽和蒸気)を送り込むことによって滅菌処理するものである。この蒸気滅菌器には、蒸気を供給するための蒸気発生手段,たとえばボイラが接続されており、前記蒸気滅菌器と前記ボイラとで蒸気滅菌システムとして構成されている。
【0003】前記蒸気滅菌システムにおいては、滅菌不良,汚染,乾燥不良を防止し、滅菌品質を一定以上に維持するために、前記蒸気滅菌器へ供給される蒸気の乾き度を所定値以上に維持する必要がある。
【0004】しかし、実際には、前記ボイラからの蒸気が所定の乾き度に維持されているという前提で、前記蒸気滅菌器の運転が行われている。そのため、前記ボイラにキャリオーバが生じ、蒸気の乾き度が低下していたとしても、前記蒸気滅菌器はそのまま滅菌作業を継続してしまう。そのため、前記ボイラへの給水中の水処理薬品や不純物が蒸気とともに前記蒸気滅菌器へ流入し、前記被滅菌物を汚染したり、滅菌状態を確認するためのケミカルインジケータの判定不良を引き起こすことがある。前記ケミカルインジケータに判定不良が生じると、被滅菌物が確実に滅菌されているかどうか分からない。さらに、乾き度の低下は、被滅菌物の乾燥不良の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、前記滅菌手段への蒸気の供給状態を制御することにより、前記滅菌手段において確実な滅菌作業を行うことができるようにした滅菌システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、滅菌手段と蒸気発生手段とを備え、前記滅菌手段への蒸気の供給状態に応じて、前記蒸気発生手段を制御することを特徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、前記蒸気発生手段の制御が、水位制御であることを特徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明は、前記蒸気発生手段の制御が、ブロー制御であることを特徴としている。
【0009】さらに、請求項4に記載の発明は、前記ブロー制御による前記蒸気発生手段のブロー操作が、前記滅菌手段における蒸気の非使用時に行われることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、滅菌手段と、この滅菌手段へ蒸気を供給するための蒸気発生手段とを備えた滅菌システムにおいて好適に実施することができる。
【0011】前記滅菌手段は、蒸気滅菌器のほか、蒸気を用いる滅菌器であればガス滅菌器やその他の滅菌器を含んでいる。ここにおいて、前記蒸気滅菌器としては、蒸気のみで滅菌を行う通常の蒸気滅菌器のほか、温水(または熱水)や蒸気で被滅菌物を洗浄した後、蒸気で滅菌を行う洗浄滅菌器がある。また、前記ガス滅菌器としては、酸化エチレンの滅菌作用を促進するための湿度の調整用として蒸気を用いるガス滅菌器があり、またホルムアルデヒドと蒸気との混合ガスを用いるガス滅菌器がある。
【0012】前記蒸気発生手段は、通常の蒸気を発生させる蒸気発生装置または純度の高い水を蒸発させて清浄蒸気を発生させる清浄蒸気発生装置である。前記蒸気発生手段は、バーナや電気ヒータのような加熱手段を熱源とするほか、他の蒸気発生手段からの蒸気や熱媒を熱源としている。ここで、前記蒸気発生手段は、前記滅菌手段と一体的に構成されている場合および前記滅菌手段とは別個に構成されている場合がある。
【0013】さて、この発明に係る滅菌システムは、前記滅菌手段への蒸気の供給状態に応じて、前記蒸気発生手段を制御する構成である。すなわち、蒸気の供給状態を監視し、この監視結果に応じて、前記蒸気発生手段を制御する。したがって、前記滅菌システムにおいては、前記滅菌手段への蒸気の供給状態が安定するため、滅菌作業に支障が生じたり、不完全な滅菌作業を行うことが防止でき、確実な滅菌作業を行うことができる。
【0014】蒸気の供給状態の監視は、前記蒸気発生手段から前記滅菌手段への給蒸ラインにおいて、蒸気の乾き度,温度,圧力,pH値,電気伝導度などを適宜の検出手段によって検出することによって行う。または、前記蒸気発生手段において、蒸気の乾き度,温度,圧力,pH値,電気伝導度などを適宜の検出手段によって検出することによって行う。
【0015】前記蒸気発生手段の制御は、蒸気の供給状態に応じて、前記蒸気発生手段内の水位を調整する水位制御である。すなわち、前記滅菌手段への蒸気の乾き度が低下した場合には、前記蒸気発生手段内の水位を低下させるように制御する。この水位制御により、前記蒸気発生手段におけるキャリオーバの発生を防止することができるため、前記滅菌手段への蒸気の乾き度が低下するのを防止することができる。また、このキャリオーバの防止により、前記蒸気発生手段への給水中の水処理薬品や不純物によって被滅菌物が汚染されることも防止することができる。
【0016】また、前記蒸気発生手段の制御は、蒸気の供給状態に応じて、前記蒸気発生手段内の水(缶水)を排出するブロー制御とすることができる。すなわち、前記蒸気発生手段においては、長時間運転すると、缶水が濃縮し、キャリオーバが発生する。そこで、前記滅菌手段への蒸気の乾き度が低下した場合には、前記蒸気発生手段から濃縮した缶水を排出すること(ブロー操作)により、前記蒸気発生手段内における缶水の不純物濃度を低下させるように制御する。前記ブロー制御により、前記水位制御と同様、キャリオーバの発生が防止できるため、前記蒸気発生手段からの蒸気の乾き度の低下を防止できる。また、このキャリオーバの防止により、前記水位制御と同様、前記被滅菌物の汚染を防止することができる。
【0017】前記ブロー操作は、好ましくは前記蒸気発生手段から前記滅菌手段への蒸気の供給のないとき,すなわち前記滅菌手段における蒸気の非使用時に行う。すなわち、前記ブロー操作においては、前記蒸気発生手段から缶水とともに熱が排出されるため、前記蒸気発生手段における蒸発量に影響が生じるためである。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例について、図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る滅菌システムの一実施例の概略構成を示す説明図であり、図2は、図1に示す実施例における水位検出手段の概略構成と、この水位検出手段による制御内容の説明図であり、また図3は、図1に示す実施例における滅菌システムの運転要領の説明図である。この実施例は、清浄蒸気を使用する蒸気滅菌システムである。
【0019】図1において、蒸気滅菌システム1は、滅菌手段としての蒸気滅菌器2と、蒸気発生手段としての清浄蒸気発生手段,すなわちリボイラ3とで構成されている。
【0020】まず、前記蒸気滅菌器2の構成について説明する。前記蒸気滅菌器2は、被滅菌物(図示省略)を収容する滅菌槽4を備えている。前記滅菌槽4は、扉(図示省略)を備えた被滅菌物の出入口を備えており、この扉を閉じることで前記滅菌槽4を完全に密閉することができる。また、前記滅菌槽4の外壁には、蒸気ジャケットや加熱管のような滅菌槽加熱手段(図示省略)が設けられている。
【0021】前記滅菌槽4には、給蒸弁5を備えた給蒸ライン6が接続されており、この給蒸ライン6の上流端は、前記リボイラ3に接続されている。また、前記滅菌槽4には、空気導入弁7およびフィルタ8を備えた空気導入ライン9が接続されており、また第一排出弁10および真空ポンプ11を備えた第一排出ライン12が接続されている。さらに、前記第一排出ライン12における前記滅菌槽4と前記第一排出弁10との間には、第二排出弁13を備えた第二排出ライン14およびスチームトラップ15を備えた第一ドレン排出ライン16がそれぞれ接続されている。そして、前記各排出ライン12,14,16は、それぞれ下流位置で合流させてある。
【0022】つぎに、前記リボイラ3の構成について説明する。前記リボイラ3は、上部ヘッダ17,下部ヘッダ18,前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に接続された複数の伝熱管(図1では、1本のみ図示)19およびこれらの伝熱管19を取り囲むように設けられた蒸気ジャケット20から構成されている。
【0023】前記上部ヘッダ17には、前記給蒸ライン6の上流端が接続されている。前記下部ヘッダ18には、給水ポンプ21を備えた純水供給ライン22が接続されており、この純水供給ライン22の上流端には、適宜の水質調整手段(図示省略)が接続されている。また、前記下部ヘッダ18には、ブロー制御弁23および逆止弁(符号省略)を備えたブローライン24が接続されている。
【0024】前記蒸気ジャケット20には、熱源蒸気ライン25および第二ドレン排出ライン26が接続されている。前記熱源蒸気ライン25の上流端は、適宜の蒸気発生手段(図示省略)に接続されている。また、前記第二ドレン排出ライン26は、前記第一ドレン排出ライン16と同様の構成となっている。
【0025】つぎに、前記蒸気滅菌システム1における制御構成について説明する。まず、前記蒸気滅菌システム1においては、前記蒸気滅菌器2および前記リボイラ3の自動運転を可能とするための各種検出手段が設けられている。
【0026】すなわち、前記滅菌槽4には、前記滅菌槽4内の圧力を検出するために、第一圧力検出手段27が設けられている。また、前記リボイラ3には、第二圧力検出手段28,水位検出手段29および水質検出手段30が設けられている。さらに、前記給蒸ライン6には、清浄蒸気の供給状態としての乾き度を検出するために、乾き度検出手段31が設けられている。
【0027】ここで、前記リボイラ3における各検出手段28〜30について、さらに説明する。まず、前記第二圧力検出手段28は、前記リボイラ3における蒸気発生状況を検出するために、前記上部ヘッダ17に設けられている。また、前記水位検出手段29は、前記リボイラ3における水位制御を行うために、前記上部ヘッダ17と前記下部ヘッダ18との間に設けられている。さらに、前記水質検出手段30は、前記リボイラ3内における缶水の濃縮状態を検出し、ブロー制御を行うために、前記水位検出手段29と前記下部ヘッダ18との間に設けられている。前記水質検出手段30は、たとえば缶水の濃縮状態を電気伝導度に基づいて検出する電気伝導度検出手段である。
【0028】さらに、前記水位検出手段29の構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。前記水位検出手段29は、容器32,この容器32の上部と前記上部ヘッダ17とを接続する上部連結管33,前記容器32の下部と前記下部ヘッダ18とを接続する下部連結管34および前記容器32内に配置された水位検出電極35,36とから構成されている。前記各水位検出電極35,36は、前記容器32に対して電気的に絶縁された状態で取り付けられており、前記各水位検出電極35,36と前記容器32との間の導通状態に基づいて、前記容器32内の水位を検出する。前記各水位検出電極35,36のうち、長いほうの第一水位検出電極35は、低水位を検出し、短いほうの第二水位検出電極36は、高水位を検出する。
【0029】さて、前記各検出手段27〜31は、回線37を介してそれぞれ制御器38に接続されている。また、前記制御器38には、前記各弁5,7,10,13,23が回線37を介してそれぞれ接続されており、また前記真空ポンプ11および前記給水ポンプ21も回線37を介してそれぞれ接続されている。前記制御器38は、予め設定されたプログラムにしたがい、前記各検出手段27〜31からの検出値に基づいて、前記蒸気滅菌システム1を制御する。
【0030】つぎに、前記制御器38の制御内容を前記蒸気滅菌システム1の機能とともに、図1〜図3を参照しながら説明する。ここで、図3においては、滅菌作業中における前記滅菌槽4内の圧力変化を実線で示すとともに、前記リボイラ3内の圧力変化を点線で示している。
【0031】ここで、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記滅菌槽加熱手段(図示省略)への熱源蒸気の供給が開始されており、前記滅菌槽4が加熱されている。また、運転開始時には、前記制御器38は、前記各弁5,7,10,13を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させている。
【0032】さらに、前記蒸気滅菌システム1の運転時には、前記リボイラ3においては、前記純水供給ライン22から純水(または軟水)が供給されるとともに、前記熱源蒸気ライン25から前記蒸気ジャケット20へ熱源蒸気が供給され、清浄蒸気が発生している状態となっている。ここで、前記リボイラ3は、前記リボイラ3内の蒸気圧が、所定圧力,たとえば0.49MPa(5.0kg/cm2G)を維持するように、前記制御器38によって制御されている。ここで、前記リボイラ3の通常時の水位制御は、つぎのように行われる。すなわち、水位が前記第一水位検出電極35の検出端,すなわち低水位検出端39よりも低下すると、前記給水ポンプ21を作動させ、前記リボイラ3へ給水を開始する。この給水により水位が上昇し、前記第二水位検出電極36の検出端,すなわち高水位検出端40に達した後、第一所定時間経過後に前記給水ポンプ21を停止させる。
【0033】さて、前記蒸気滅菌システム1において、前記蒸気滅菌器2における滅菌作業の各工程は、予熱工程,空気排除工程,給蒸工程,滅菌工程,排気工程および乾燥工程からなっている。これらの各工程について、つぎに説明する。
【0034】まず、前記滅菌槽4内へ被滅菌物(図示省略)を収容し、前記予熱工程を行う。前記予熱工程では、予め加熱されている前記滅菌槽4の熱により、前記滅菌槽4内の被滅菌物を加熱する。そして、被滅菌物が十分に加熱されると、前記制御器38は、前記予熱工程を終了し、前記空気排除工程を開始する。
【0035】前記空気排除工程においては、前記制御器38は、前記第一圧力検出手段27からの検出値に基づいて、前記給蒸弁5,前記第一排出弁10および前記真空ポンプ11をつぎのように制御する。
【0036】まず、前記制御器38は、前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開くことによって、前記滅菌槽4内を減圧することにより、前記滅菌槽4内の空気の大半を除去する(減圧操作)。
【0037】つぎに、前記制御器38は、前記第一圧力検出手段27からの検出値に基づいて、前記減圧操作が終了したと判断すると、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させる。そして、前記制御器38は、前記給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内へ清浄蒸気を加圧状態で供給する(蒸気供給操作)。
【0038】つぎに、前記滅菌槽4内が所定圧力に達すると、前記給蒸弁5を閉じるとともに、前記第二排出弁13を開くことにより、前記滅菌槽4内の清浄蒸気とともに空気を排出する(蒸気排出操作)。前記滅菌槽4内の圧力がほぼ大気圧となると、前記制御器38は、前記給蒸弁5を開くとともに、前記第二排出弁13を閉じることにより、ふたたび前記蒸気供給操作を行う。そして、前記蒸気供給操作および前記蒸気排出操作を交互に所定回数繰り返すことによって、前記滅菌槽4および被滅菌物内の空気を排除する。前記空気排除工程が終了すると、前記給蒸工程を開始する。
【0039】前記給蒸工程では、前記制御器38は、前記給蒸弁5を開くことにより、前記滅菌槽4内が所定の滅菌温度,たとえば135℃に対応する飽和蒸気圧(0.216MPa)となるまで清浄蒸気を供給する。そして、前記滅菌槽4内の圧力が前記飽和蒸気圧となると、前記給蒸工程を終了し、前記滅菌工程を開始する。
【0040】前記滅菌工程では、前記滅菌槽4内が前記所定の滅菌温度の清浄蒸気で充満した状態を所定時間維持する。ここで、前記滅菌工程において、前記制御器38は、前記第一圧力検出手段27からの検出値に基づいて、前記給蒸弁5を適宜開閉することにより、清浄蒸気の供給を制御し、前記滅菌槽4内を前記所定の滅菌温度に維持する。前記滅菌工程が終了すると、前記排気工程を開始する。
【0041】前記排気工程では、前記第二排出弁13を開いて、前記滅菌槽4内の清浄蒸気を排出する。そして、前記滅菌槽4内の圧力が大気圧近くになると、前記第二排出弁13を閉じて前記排気工程を終了し、前記乾燥工程を開始する。
【0042】前記乾燥工程では、前記制御器38は、前記真空ポンプ11を作動させるとともに、前記第一排出弁10を開いて前記滅菌槽4内を減圧し、この減圧状態を所定時間維持することにより、前記滅菌槽4内の被滅菌物を真空乾燥する。そして、所定時間経過後、前記制御器38は、前記第一排出弁10を閉じるとともに、前記真空ポンプ11を停止させ、前記空気導入弁7を開くことにより、前記フィルタ8を介して雑菌などを除去した清浄空気を前記滅菌槽4内へ導入する。そして、前記滅菌槽4内が大気圧となれば、前記乾燥工程を終了する。この後は、前記滅菌槽4の扉(図示省略)を開き、前記滅菌槽4から被滅菌物を取り出す。
【0043】つぎに、前記乾き度検出手段31の検出値に基づく前記リボイラ3の制御について説明する。まず、前記制御器38は、前記乾き度検出手段31からの検出値に基づいて、前記給蒸ライン6内における清浄蒸気の乾き度を監視している。そして、清浄蒸気の乾き度が低下すると、前記制御器38は、前記リボイラ3内の水位を低下させる制御を行ってキャリオーバを防止する。すなわち、水位が前記低水位検出端39よりも低下したときに前記給水ポンプ21を作動させる。そして水位が上昇し、前記低水位検出端39に達してから第二所定時間経過後、前記給水ポンプ21を停止させる。この第二所定時間は、前記給水ポンプ21の作動により、前記容器32内の水位が前記低水位検出端39から前記高水位検出端40に到達するのに必要な給水時間より短い時間とする。そして、清浄蒸気の乾き度が所定の値または範囲に回復するまで、前記第二設定時間を順次短くしていく。
【0044】以上の水位の調整により、前記リボイラ3におけるキャリオーバが防止できるため、前記蒸気滅菌器2への清浄蒸気の乾き度が低下するのを防止することができる。さらに、キャリオーバの防止によって、前記水質調整手段(図示省略)によって除去しきれなかった不純物が、清浄蒸気とともに前記滅菌槽4内へ流入することが防止できるため、被滅菌物の汚染を防止することができる。
【0045】以上のように、前記蒸気滅菌システム1においては、前記リボイラ3からの清浄蒸気の供給状態に応じて、前記リボイラ3を制御することにより、所定の乾き度の清浄蒸気を前記蒸気滅菌器2へ供給することができる。したがって、前記空気排除工程において、前記滅菌槽4および被滅菌物内の空気を確実に排除することができるため、前記滅菌工程において、清浄蒸気から被滅菌物への伝熱が残留空気によって阻害されることなく行われることとなり、確実な滅菌を行うことができる。また、前記滅菌工程においても、被滅菌物への供給熱量の低下を防止することができるため、確実な滅菌を行うことができる。さらに、前記空気排除工程および前記滅菌工程において、被滅菌物に余分な水滴が付着することが防止できるため、前記乾燥工程において、乾燥不良が発生することが防止することができる。
【0046】ここにおいて、前記水位制御における水位を調整する方法としては、前記のように、2本の水位検出電極の切り替えと、タイミングの切り替えによる代わりに、1本の水位検出電極におけるタイミングの切り替えや3本以上の水位検出電極の切り替えによって水位を調整することができる。
【0047】ここで、前記蒸気滅菌システム1において、清浄蒸気の乾き度の低下を防止する制御は、前記リボイラ3における水位制御の代わりに、前記リボイラ3におけるブロー制御によって行うことができる。すなわち、前記リボイラ3には、前記水質調整手段によって除去しきれなかった不純物が流入するため、前記リボイラ3においても、通常のボイラと同様、缶水の濃縮が生じる。そして、缶水が過剰に濃縮すると、キャリオーバが生じ易くなる。そこで、前記水質検出手段30によって、前記リボイラ3内の缶水の電気伝導度を検出し、この電気伝導度が所定の値以上になった場合、前記ブロー制御弁23を所定時間開いて濃縮した缶水を排出する(ブロー操作)。このブロー操作によって排出された缶水の量に応じて、前記リボイラ3内へ純水が供給されるため、前記リボイラ3内の缶水の電気伝導度が低下する。したがって、前記ブロー制御により、前記リボイラ3内の缶水の濃縮度が低下するため、前記キャリオーバの発生を防止することができる。
【0048】ここで、前記ブロー操作は、前記蒸気滅菌器2が清浄蒸気を使用していないとき,すなわち前記空気排除工程における前記減圧操作時または前記蒸気排出操作時に行う。また、前記ブロー操作は、前記蒸気滅菌器2において清浄蒸気の使用量が少ないとき,すなわち前記滅菌工程時に行う。
【0049】また、前記ブロー操作は、前記のように、前記蒸気滅菌器2の運転中に行うほか、前記蒸気滅菌器2における滅菌作業終了時、前記リボイラ3内の圧力が所定圧力(たとえば、0.1MPa)以上のときに前記ブロー制御弁23を開いて前記リボイラ3内の缶水全部を排出する(全ブロー)ことができる。この全ブローを行う場合には、前記蒸気滅菌器2の運転ごとに、缶水が濃縮していない状態で前記リボイラ3の運転を開始することができる。
【0050】また、前記蒸気滅菌システム1において、清浄蒸気の乾き度の低下を防止する制御は、前記リボイラ3における水位と、前記リボイラ3におけるブロー制御を組み合わせて行うことができる。
【0051】さらに、前記蒸気滅菌システム1においては、前記乾き度検出手段31によって清浄蒸気の乾き度を直接検出する代わりに、電気伝導度検出手段やpH値検出手段によって乾き度を間接的に検出することができる。すなわち、前記給蒸ライン6中の清浄蒸気の一部を連続的に採集するとともに、この清浄蒸気を凝縮させる。そして、この凝縮水の電気伝導度を電気伝導度検出手段によって検出し、この検出値が設定値,たとえば20μs/cm以上のとき、前記リボイラ3においてキャリオーバが発生していると判断する。また、前記凝縮水のpH値をpH値検出手段によって検出し、この検出値が設定値,たとえば8.0以上のとき、前記リボイラ3においてキャリオーバが発生していると判断する。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、滅菌手段への蒸気の供給状態に応じて、蒸気発生手段を制御することにより、前記滅菌手段へ所定の蒸気を安定して供給することができるため、確実な滅菌作業を行うことができる。




 

 


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