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発明の名称 蒸気滅菌器の運転制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−204798(P2001−204798A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−18125(P2000−18125)
出願日 平成12年1月27日(2000.1.27)
代理人
発明者 東浦 秀樹 / 高橋 裕一 / 吉良 正人 / 加納 克晃
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 滅菌槽2内の空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器1の運転制御方法において、前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
【請求項2】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器1の運転制御方法において、前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
【請求項3】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器1の運転制御方法において、前記第一空気排出工程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中に前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記所定設定回数Mになるまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
【請求項4】 滅菌槽2内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽2内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器1の運転制御方法において、前記第二空気排出工程の運転中に前記滅菌槽2内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記圧力センサ30を用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二空気排出工程を取消して、所定回数Bを追加して前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌器の運転制御方法。
【請求項5】滅菌槽2内の圧力を検出する前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記圧力センサ30とは別の圧力検出手段31により、前記滅菌槽2内の復圧検出を行うことを特徴とする請求項1〜4に記載のいずれか1項に記載の蒸気滅菌器の運転制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸気滅菌器の運転制御方法に関するもので、この発明の蒸気滅菌器は、主として、医療用の器具類等の滅菌を行うのに用いられる。
【0002】
【従来の技術】蒸気滅菌器は、滅菌槽内に被滅菌物を収容した後、前記滅菌槽およびこの滅菌槽の外側に設けた蒸気ジャケットへ蒸気を供給し、蒸気の保有する熱により滅菌処理を行う装置である。この滅菌処理は、つぎの各工程から成っている。まず、前記蒸気ジャケット内へ蒸気を供給して滅菌槽を予熱する予熱工程を行い、つぎに滅菌槽内の空気を排出する空気排出工程を行い、続いて蒸気を滅菌槽内へ供給して被滅菌物の滅菌を行う滅菌工程を行い、さらに滅菌槽内の蒸気を排出し清浄な空気を供給する乾燥工程を行う。
【0003】このような蒸気滅菌器の運転制御においては、各種の検出手段が設けられている。とくに、前記滅菌槽内の圧力を検出するには、電子式等の圧力センサが多く用いられている。また、前記蒸気ジャケット内や前記滅菌槽内の温度を検出する温度センサも設けられている。そして、これらのセンサからの信号を制御器に入力し、前記蒸気滅菌器の運転工程を時間経過も含めて監視および制御を行っている。また、前記制御器では、前記温度センサからの信号を圧力検出として使用する変換処理および前記圧力センサからの信号を温度検出として使用する変換処理等も行われる。しかし、これらのセンサの不良が発生したときには、前記工程を正しい順序で行うことができなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、前記各センサのうち滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が発生したときにも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、確実に滅菌処理を行うことができる蒸気滅菌器の運転制御方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、滅菌槽内の空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサを用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴としている。
【0006】請求項2に記載の発明は、滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサを用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴としている。
【0007】請求項3に記載の発明は、滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、前記第一空気排出工程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中に前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記圧力センサを用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記所定設定回数Mになるまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴としている。
【0008】請求項4に記載の発明は、滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う蒸気滅菌器の運転制御方法において、前記第二空気排出工程の運転中に前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記圧力センサを用いないで工程制御を行うバックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二空気排出工程を取消して、所定回数Bを追加して前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行うことを特徴としている。
【0009】さらに、請求項5に記載の発明は、滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサとは別の圧力検出手段により、前記滅菌槽内の復圧検出を行うことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明は、蒸気を用いて医療用具等を滅菌する蒸気滅菌器において実施することができる。すなわち、この蒸気滅菌器は、密閉可能な滅菌槽を備え、この滅菌槽内に被滅菌物を収容する。この蒸気滅菌器の通常の運転工程は、少なくとも空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程を備え、まず空気排出工程を行う。この空気排出工程は、前記滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程および前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程からなるときもある。この真空引きと、導入した蒸気を前記滅菌槽内から排出することにより、前記滅菌槽内の空気を排出する。
【0011】つぎに、滅菌工程を行う。この滅菌工程は、前記滅菌槽内に蒸気を供給し蒸気を充満させて、設定圧力および設定温度に維持した状態を所定時間継続する。前記滅菌工程終了後、乾燥工程を行う。この乾燥工程は、前記滅菌槽内の蒸気を排出し、さらに前記滅菌槽内を減圧する真空引きと前記滅菌槽への清浄な空気の供給を、1回または複数回繰り返す。なお、前記空気排出工程に先立って、予熱工程を行うこともできる。この予熱工程は、前記滅菌槽の外側に設けた加熱手段を作用させて、前記滅菌槽内を予熱するものである。また、前記被滅菌物の状況によっては、前記乾燥工程を省略するときもある。以上の各工程の制御は、前記滅菌槽内の圧力を検出する電子式等の圧力センサおよび前記蒸気ジャケット内や前記滅菌槽内の温度を検出する温度センサからの出力信号も加えて制御器にて判断し、予め設定したプログラムに従い、前記制御器から指令信号を出力することにより行う。
【0012】そして、通常、被滅菌物は、適当な収納容器に収納された状態で前記滅菌槽内へ収容され滅菌処理を受ける。この収納容器は、頂壁や側壁に開孔を設けたり、本体と蓋との間に隙間を形成して、半閉塞型となっている。したがって、前記空気排出工程時、真空引きを行うことにより、前記収納容器内の空気が排出されて前記収納容器内の残留空気量が減少する。また、前記被滅菌物を前記収納容器に収納しないで、直接、前記滅菌槽内に収容する場合にも適用可能である。
【0013】このような滅菌処理を行う蒸気滅菌器において、前記各センサのうち前記滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が発生したときにも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、確実に滅菌処理を行うために、前記圧力センサを用いないで工程制御を行うバックアップ制御(以下「バックアップ制御」と云う)を行うものである。すなわち、前記圧力センサが不良のとき、前記通常の運転制御とは別の前記バックアップ制御を行うことにより、前記圧力センサの不良を補完するものである。そして、前記圧力センサの不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0014】そして、滅菌槽内を減圧する真空引きと蒸気導入を行い復圧する第一空気排出工程,前記滅菌槽内を加圧する蒸気の導入と排気を行う第二空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う場合に、前記圧力センサの不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0015】ここで、前記圧力センサの不良は通常の運転の各工程のどの工程でも発生する可能性があるので、その不良の発生した時点を判別してバックアップ制御を行うこともできる。すなわち、前記第一空気排出工程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中に前記圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記所定設定回数Mになるまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0016】そして、前記第二空気排出工程の運転中に前記圧力センサの不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数Mと、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入の所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二空気排出工程を取消して、前記所定回数Bを追加して前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0017】そして、滅菌槽内の圧力を検出する前記圧力センサの不良が判定されたとき、前記圧力センサとは別の圧力検出手段により、前記滅菌槽内圧力が大気圧と略同圧力となっているか検出(以下「復圧検出」と云う)を行う運転制御方法である。すなわち、通常の蒸気滅菌器の運転制御では、前記圧力センサの信号により、前記滅菌槽内の圧力を検出して、前記滅菌槽内圧力が大気圧と略同圧力となっているか検出し、制御している。前記圧力センサ不良のとき、前記圧力センサとは別に設けられている圧力検出手段と切り換えて前記復圧検出を行い、前記バックアップ制御を行うものである。
【0018】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明における蒸気滅菌器1の説明図である。滅菌槽2は、扉3を備えた被滅菌物の出入口があり、この扉3を閉じることで前記滅菌槽2を完全に密閉することができるようになっている。被滅菌物は、カスト等の収納容器(図示省略)に収納して、前記滅菌槽2内へ収容される。前記滅菌槽2を二重缶状に形成して前記滅菌槽2の外側に蒸気ジャケット4を設け、この蒸気ジャケット4へ蒸気を供給して、前記滅菌槽2を外側から加熱する。また、前記滅菌槽2の周囲には、加熱管(図示省略)を設け、この加熱管内へ蒸気を供給することにより、前記滅菌槽2を外側から加熱することもできる。
【0019】前記蒸気ジャケット4には、第一蒸気供給弁5および圧力調整弁6を設けた第一蒸気供給管7を接続している。前記蒸気ジャケット4の上部位置から、第二蒸気供給管8を分岐させ、その先端を前記滅菌槽2の側壁上部に設けた蒸気導入口9と接続している。前記第二蒸気供給管8には、第二蒸気供給弁10および前記蒸気ジャケット4の温度を検出する第一温度センサ11を設けている。したがって、前記第一蒸気供給弁5および前記第二蒸気供給弁10の開閉を制御することにより、前記蒸気ジャケット4および前記滅菌槽2への蒸気の供給を制御する。
【0020】また、前記滅菌槽2に接続した空気供給管12には、上流側より順に、エアフィルタ13,空気供給弁14および第一逆止弁15を設けている。この空気供給管12は、前記第二蒸気供給弁10の出口側と合流し、前記蒸気導入口9と接続している。したがって、前記エアフィルタ13を通して細菌やほこり等を除去した清浄な空気を前記滅菌槽2へ供給するようになっている。
【0021】前記蒸気ジャケット4の下部に接続した第一排出管16には、スチームトラップ17および第二逆止弁18を設けている。前記滅菌槽2の底壁の排出口19に接続した第二排出管20には、第一排出弁21,第三逆止弁22,真空ポンプ23および第四逆止弁24を設けている。前記第二排出管20から、第三排出管25を分岐し、この第三排出管25には、第二排出弁26および第五逆止弁27を設けている。これらの第一排出管16,第二排出管20および第三排出管25は、下流位置で排出管28とそれぞれ合流している。
【0022】そして、前記滅菌槽2には、前記第二排出管20に接続され、前記滅菌槽2の内部温度を検出する第二温度センサ29,前記滅菌槽2内部の圧力を検出する電子式の圧力センサ30,機械式の圧力検出手段31および前記滅菌槽2の内部の圧力を表示する圧力計32をそれぞれ設けている。なお、図1において、以下に説明する各機器の制御を行う制御器とその接続回線は、ともに図示を省略している。
【0023】つぎに、前記構成の作用を、図2に基づいて説明する。図2は、通常の各工程における前記滅菌槽2内の圧力変化を示している。そして、各工程は、予め設定したプログラムに従い、制御器(図示省略)により制御されている。
【0024】まず、被滅菌物を前記滅菌槽2内へ搬入後、前記扉3を閉め、前記蒸気ジャケット4内へ前記第一蒸気供給管7を通して蒸気を供給し(前記第一蒸気供給弁5:開,前記第二蒸気供給弁10:閉)、前記滅菌槽2を加温する予熱工程を行う。前記蒸気ジャケット4内で生じたドレンは、前記第一排出管16より外部へ排出する。また、運転中の空気排出工程,滅菌工程および乾燥工程においても、前記蒸気ジャケット4内には蒸気の供給を継続するように制御する。
【0025】つぎに、空気排出工程を行う。この実施例における空気排出工程においては、まず第一空気排出工程を行う。すなわち、前記第一排出弁21を開くとともに、前記真空ポンプ23を稼動させて、前記滅菌槽2内を略−0.08MPaまで、減圧するように真空引きする。そして、前記第一排出弁21を閉じるとともに、前記真空ポンプ23を停止させる。つぎに、前記第二蒸気供給弁10を開いて、略大気圧まで復圧するように、前記滅菌槽2内へ蒸気を導入する。この真空引きと蒸気導入の操作を3回繰り返す。前記第一空気排出工程時の真空引きの圧力レベルは、前記被滅菌物の種類や前記収納容器の形状,熱容量および熱伝導性等を考慮して設定する。具体的な設定範囲としては、好ましくは圧力レベルを−0.08〜−0.03MPaの範囲に設定する。また、この第一空気排出工程時の復圧の蒸気導入の圧力レベルは、好ましくは圧力レベルを+0.0〜+0.02MPaの範囲に設定する。
【0026】つぎに、第二空気排出工程を行う。すなわち、前記第二排出弁26を閉じ、前記滅菌槽2内へ前記第二蒸気供給弁10を開いて、略0.21MPaとなるまで蒸気を導入する。そして、前記第二蒸気供給弁10を閉じるとともに、前記第二排出弁26を開き、前記滅菌槽2内から前記蒸気の排気を行い、略大気圧まで排出する。この蒸気の導入と排出を4回繰り返す。この第二空気排出工程時の蒸気導入の圧力レベルは、好ましくは圧力レベルを+0.2〜+0.22MPaの範囲に設定する。この第二空気排出工程時の蒸気排気の圧力レベルは、好ましくは圧力レベルを+0.0〜+0.02MPaの範囲に設定する。
【0027】前記空気排出工程での真空引きおよび前記蒸気の導入と排出において、その回数および圧力の設定は、前記被滅菌物の状況等により適宜変更可能になっている。
【0028】前記空気排出工程時、前記滅菌槽2内へ蒸気を導入すると、空気と蒸気の比重差により、前記滅菌槽2内の上部に蒸気が充満し、前記滅菌槽2内の下部に空気が充満する。したがって、蒸気を前記滅菌槽2の上部の前記蒸気導入口9から導入して下部の前記排出口19から排出することにより、前記滅菌槽2内の空気を下方へ向かって蒸気により押し出すことができ、前記滅菌槽2内の空気の排出を確実にかつ短時間で行うことができる。
【0029】そして、前記空気排出工程終了後、滅菌工程へ移る。前記第二排出弁26を閉じるとともに、前記第二蒸気供給管8を通して(前記第二蒸気供給弁10:開)、前記滅菌槽2内へ加熱滅菌用の蒸気を供給し、前記滅菌槽2内に蒸気を充満させた状態を所定時間継続する。前記滅菌槽2内の温度は、滅菌温度135℃に対応する飽和蒸気圧力0.22MPaに維持される。蒸気の保有する熱により、被滅菌物に付着している黴菌を加熱滅菌処理する。前記滅菌温度は、前記被滅菌物の状態により115℃〜135℃に適宜設定される。
【0030】つぎに、滅菌工程が終了すると、前記第二蒸気供給弁10を閉じて前記滅菌槽2への蒸気の供給を停止し、乾燥工程へ移る。この乾燥工程では、前記第一排出弁21を開くとともに、前記真空ポンプ23を駆動して前記滅菌槽2内を略−0.095MPaまで減圧する。そして、所定時間経過後、前記空気供給弁14を開き、前記エアフィルタ13を通して清浄空気を前記滅菌槽2内へ供給する。これらの減圧動作と清浄空気供給動作は、交互に複数回繰り返して行うこともできる。この乾燥工程終了後、前記滅菌槽2内の圧力が略大気圧になっているか前記圧力センサ30により検出確認し、また前記滅菌槽2内の温度の確認も前記第二温度センサ29により行ない、所定の温度以下なら前記扉3を開き、前記被滅菌物を取り出す。
【0031】このような滅菌処理を行う蒸気滅菌器において、前記圧力センサ30が不良となると、前記通常の運転制御における空気排出が不完全になり、滅菌処理自体が不完全になることはもちろん、制御ができなくなり、運転が停止してしまうことがある。ここにおいて、前記各センサのうち前記圧力センサ30の不良が発生したときにも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、確実に滅菌処理を行うために、前記バックアップ制御を行うものである。前記圧力センサ30は感度は良いが、経年経過等により不良となるときもある。前記圧力センサ30の不良の判定は、前記扉3が開放されているときの前記圧力センサ30の出力が略大気圧である範囲を示す(−0.01〜+0.01MPa以内)範囲でないとき、またこのセンサ出力信号電圧が所定の範囲をはずれて、かつ所定時間経過したとき等の判定基準と比較することにより、運転中は常に行われている。
【0032】そして、前記圧力センサ30が不良のとき、前記通常の運転制御とは別の前記バックアップ制御を行うことにより、前記圧力センサ30の不良を補完するものである。すなわち、前記圧力センサ30の不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0033】前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を行う工程とは、すなわち不良と判定された前記圧力センサ30での検出による制御に変えて、前記圧力検出手段31の信号を略大気圧を示す復圧検出信号として用いるものである。さらに、これに時間経過を組み合わせる制御である。すなわち、一回目の真空引きは、所定の時間前記第一排出弁21と前記真空ポンプ23を稼動させたのち停止し、つぎに前記圧力検出手段31の信号が略大気圧を示す復圧検出信号となるまで、前記滅菌槽2へ蒸気を供給し、前記滅菌槽2内を復圧する。つぎに、二回目を同様に繰り返す。そして、前記バックアップ制御による所定回数Bになるまで繰り返す制御である。
【0034】前記バックアップ制御による滅菌工程とは、前記第二排出弁26を閉じるとともに、前記第二蒸気供給管8を通して(前記第二蒸気供給弁10:開)、前記滅菌槽2内へ加熱滅菌用の蒸気を供給し、前記滅菌槽2内に蒸気を充満させた状態を所定時間継続する。すなわち、前記滅菌槽2内の温度は、滅菌温度135℃に所定の時間維持し、蒸気の保有する熱により、被滅菌物に付着している黴菌を加熱滅菌処理する。前記滅菌温度は、前記被滅菌物の状態により115℃〜135℃に適宜設定される。そして、不良と判定された前記圧力センサ30での検出による制御に変えて、前記圧力検出手段31の信号が略大気圧を示す復圧検出信号を出力するまで、前記滅菌槽2内の蒸気を排気し、滅菌工程を終了する。
【0035】前記バックアップ制御による乾燥工程とは、前記第二蒸気供給弁10を閉じて前記滅菌槽2への蒸気の供給を停止し、前記第一排出弁21を開くとともに、前記真空ポンプ23を所定の時間稼動させたのち停止し、そして所定時間経過後、前記空気供給弁14を開き、前記エアフィルタ13を通して清浄空気を前記滅菌槽2内へ供給する。これらの減圧動作と清浄空気供給動作は、交互に複数回繰り返して行うこともできる。この乾燥工程終了後、前記滅菌槽2内の圧力が略大気圧になっているか前記圧力検出手段31により検出確認し、また前記滅菌槽2内の温度の確認も前記第二温度センサ29により行い、所定の温度以下なら前記扉3を開き、前記被滅菌物を取り出す。
【0036】そして、前記第一空気排出工程,前記第二空気排出工程,前記滅菌工程および前記乾燥工程の各工程により滅菌処理を行う場合に、前記圧力センサ30の不良が判定されたときの制御は、前記バックアップ制御による真空引きおよび蒸気導入を所定回数B行った後、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0037】ここで、前記圧力センサ30の不良は、通常の運転のいずれの工程でも発生する可能性があり、そのときは、前記通常の各工程のある部分の状態で停止したり、また滅菌不良となる。すなわち、前記両空気排出工程時における前記真空引きおよび前記蒸気の導入と排出において、その回数および圧力の設定は、適宜変更可能になっている。そして、滅菌処理時間を早くするため、少ない回数の設定を選択しているときには、滅菌処理不良が起こる。その不良の発生した時点を判別して、その状況に応じて前記バックアップ制御を行うことは有効である。
【0038】すなわち、これらの各工程のある部分の状態での停止や滅菌不良の防止には、前記第一空気排出工程に移行するまでまたは前記第一空気排出工程の運転中に前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における通常の真空引きおよび蒸気導入の所定設定回数M(通常1〜10回)と、前記バックアップ制御による所定回数B(通常3回以上)とを比較し、M≧Bならば前記所定設定回数Mになるまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行い、M<Bならば前記所定回数Bまで前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記第二空気排出工程を行わずに、前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。ここで、前記所定回数Bは、機器毎に試験した蒸気滅菌器の性能結果により、適宜決定される。すなわち、前記第二空気排出工程を行わずに処理したときをも補完する回数として決定される。
【0039】そして、前記第二空気排出工程の運転中に前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記第一空気排出工程における前記所定設定回数Mと、前記所定回数Bとを比較し、M≧Bならば前記第二空気排出工程を取消して前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行い、M<Bならば前記第二空気排出工程を取消して、前記所定回数Bを追加して確実に前記バックアップ制御による真空引きと蒸気導入を行った後、前記第二空気排出工程を行わずに前記バックアップ制御による滅菌工程および乾燥工程を行う。
【0040】そして、前記圧力センサ30の不良が判定されたとき、前記圧力センサ30とは別の圧力検出手段31により、前記滅菌槽2内の前記復圧検出を行う運転制御方法である。すなわち、通常の蒸気滅菌器の運転制御方法では、前記圧力センサ30の信号により、前記滅菌槽2内の圧力を検出して、前記滅菌槽2内圧力が大気圧と略同圧力となっているか検出し、この検出値に基づいて制御している。前記圧力センサ30の不良のとき、別に設けられている圧力検出手段31へ切り換え、前記復圧検出を行い、前記バックアップ制御を行うものである。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、滅菌槽内の圧力を検出する工程制御用の圧力センサの不良が発生したときにも、滅菌作業を継続させ、かつ空気排出を十分に行い、確実に滅菌処理を行うことができる。




 

 


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