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発明の名称 急性及び慢性腎不全の処置のためのプロスタグランジン(PGE2)受容体4(EP4)選択的アゴニストの使用
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−233792(P2001−233792A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2001−21534(P2001−21534)
出願日 平成13年1月30日(2001.1.30)
代理人 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
発明者 ヴィシュワス・マドハヴ・パラルカー / デーヴィッド・デュアン・トンプソン
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 EP4受容体選択的アゴニスト、その異性体、前記アゴニスト若しくは前記異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、前記異性体若しくは前記プロドラッグの医薬として許容しうる塩の、哺乳動物における急性又は慢性の腎不全若しくは腎機能障害、又はそれらに起因する状態を処置するための医薬の製造における使用。
【請求項2】 前記状態が、高血圧、うっ血性心不全、糸球体腎炎、尿毒症及び慢性腎不全からなる群から選ばれる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】 前記EP4選択的アゴニストが、式Iの化合物:【化1】

そのプロドラッグ、又は前記化合物若しくは前記プロドラッグの医薬として許容しうる塩である、請求項1に記載の使用[式中、Qは、COOR3、CONHR4又はテトラゾール−5−イルであり;Aは、単結合又はシス二重結合であり;Bは、単結合又はトランス二重結合であり;Uは、【化2】

であり;R2は、α−チエニル、フェニル、フェノキシ、モノ置換フェニル又はモノ置換フェノキシであり、前記置換基はクロロ、フルオロ、フェニル、メトキシ、トリフルオロメチル及び(C1−C3)アルキルからなる群から選ばれ;R3は、水素、(C1−C5)アルキル、フェニル又はp−ビフェニルであり;R4は、COR5又はSO2R5であり;そしてR5は、フェニル又は(C1−C5)アルキルである。]。
【請求項4】 前記EP4受容体選択的アゴニストが、Qが5−テトラゾリルである式Iの化合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項5】 前記化合物が、5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オンである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】 前記化合物が、5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オンである、請求項4に記載の使用。
【請求項7】 前記EP4受容体選択的アゴニストが、QがCOOHである式Iの化合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項8】 前記化合物が、7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ヘプタン酸である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】 前記化合物が、7−[2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ヘプタン酸である、請求項7に記載の使用。
【請求項10】 哺乳動物における急性又は慢性の腎不全若しくは腎機能障害、又はそれらに起因する状態を処置するための医薬組成物であって、選択的EP4受容体アゴニストである化合物、その異性体、前記アゴニスト若しくは前記異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、前記異性体若しくは前記プロドラッグの医薬として許容しうる塩、及び医薬として許容しうる希釈剤、担体又はビヒクルを含む、前記医薬組成物。
【請求項11】 前記状態が、高血圧、うっ血性心不全、糸球体腎炎、尿毒症及び慢性腎不全からなる群から選ばれる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】 前記EP4選択的アゴニストが、式Iの化合物:【化3】

そのプロドラッグ、又は前記化合物若しくは前記プロドラッグの医薬として許容しうる塩である、請求項10に記載の組成物[式中、Qは、COOR3、CONHR4又はテトラゾール−5−イルであり;Aは、単結合又はシス二重結合であり;Bは、単結合又はトランス二重結合であり;Uは、【化4】

であり;R2は、α−チエニル、フェニル、フェノキシ、モノ置換フェニル又はモノ置換フェノキシであり、前記置換基はクロロ、フルオロ、フェニル、メトキシ、トリフルオロメチル及び(C1−C3)アルキルからなる群から選ばれ;R3は、水素、(C1−C5)アルキル、フェニル又はp−ビフェニルであり;R4は、COR5又はSO2R5であり;そしてR5は、フェニル又は(C1−C5)アルキルである。]。
【請求項13】 前記EP4受容体選択的アゴニストが、Qが5−テトラゾリルである式Iの化合物である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】 前記化合物が、5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】 前記化合物が、5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】 前記EP4受容体選択的アゴニストが、QがCOOHである式Iの化合物である、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】 前記化合物が、7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ヘプタン酸である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】 前記化合物が、7−[2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ヘプタン酸である、請求項16に記載の組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物、特に哺乳動物における慢性及び急性の腎不全又は腎機能障害のような腎疾患の処置のための方法及び受容体選択的プロスタグランジン(PGE2)アゴニストを含む医薬組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、そのような方法及び4型(EP4)受容体選択的プロスタグランジン(PGE2)アゴニストを含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】天然のプロスタグランジン類はいくつかの生物学的存在物、例えばPBD、PGE、PGF、PGG、PGH及びPGIを含む。プロスタグランジン類が身体の多くの器官及びシステムに影響を及ぼすことについては文献によく解説されている。
【0003】腎臓においてプロスタグランジン類は腎血流を調節し、腎血管及び尿細管の両方に作用することにより尿生成の調節に役割を果たし得る。臨床研究でPGE1は、慢性腎疾患の患者におけるクレアチニンクリアランスを改善し、腎移植患者における移植片拒絶及びサイクロスポリン毒生を防止し、糖尿病性ネフロパシー患者における尿中アルブミン排泄速度及びN−アセチル−ベータ−D−グルコサミニダーゼ濃度を減少させ、また自発的健常被験者における尿素クリアランスを改善するために使用されてきた。PGE1はまた、腎不全予防のため手術中に静脈内投与されている。
【0004】腎機能障害及び/又は腎不全はいくつかの異なる様式で身体に発現する。以下の症状のいずれか一つ又は組合せの発現は患者における腎機能障害又は腎不全を示しうる。すなわち、正常より低いクレアチニンクリアランス;正常より低い自由水クリアランス;正常より高い血中尿素及び/又は窒素及び/又はカリウム及び/又はクレアチニン濃度;腎酵素、例えばガンマグルタミルシンセターゼ、アラニンホスファチダーゼ、N−アセチル−ベータ−D−グルコサミニダーゼ、又はベータ−2−ミクログロブリンの活性変化;尿の容積モル浸透圧濃度又は体積の変化;正常濃度を超える又は新規に観察されるミクロアルブミン尿又はマクロアルブミン尿;透析の必要性。上述の事象が全く発生しない場合、発生が軽度の場合、腎機能障害又は腎不全の恐れのある患者における発生が少ない場合、又は患者がこれらの問題から通常より迅速に回復する場合に腎機能障害又は腎不全の防止に成功したことが示される。
【0005】造影剤注入によって生ずる急性腎不全は長年そのような造影剤を利用する処置の合併症として認識されてきた。造影剤によって直接誘発される急性腎不全の発生率は10〜15%と推定されている。一方、血清クレアチニンの臨床的に有意の増加によって定義される造影剤関連ネフロパシーの発生率は22%にも上る。PorterのAm.J.Cardiol.,64:22E−26E(1989)参照。米国特許第5,807,895号に、造影剤を利用する医学的処置に起因する腎不全又は腎機能障害を、PGE1、PGE2、PGI2、又はその類似体又はその医薬として許容しうる塩から選ばれるプロスタグランジン化合物の静脈内投与によって防止する方法が開示されている。
【0006】慢性腎不全(CRF)は糸球体ろ過率(GFR)の進行性及び晩発性の永久的減退の結果発生する。これは、機能的ネフロン単位の喪失と関連する。GFRが減退を続けて正常の10%未満(5〜10ml/分)になると、患者は末期の腎不全(ESRD)に進む。R.A.Lafayette,R.D.Perrone及びA.S.Levey:“Laboratory Evaluation of Renal Function”,Diseases of the Kidney(編集者:R.W.Schrier及びC.W.Gottschalk),Little,Brown and Company,Inc.,Vol.6,307−354(1997)収載。この時点で患者が腎代償療法(すなわち、長期的血液透析、持続的腹膜透析又は腎移植)を受けなければ、腎不全は急速に進行して死に至るであろう。ESRDの進行を遅延又は停止される療法は慢性腎疾患の処置の基礎を提供すると考えられている。多様な増殖因子及び分化因子、例えば、上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子−α及び−β(TGF−α及び−β)、インシュリン様増殖因子−1(IGF−1)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)及び骨形成因子(BMP)は、腎組織の成長及び修復の調節に関与することが示されている。M.R.Hammerman及びS.B.Miller,“Therapeutic Use of Growth Factors in Renal Failure,”J.Am.Soc.Nephrolol.,5:1−11(1994);並びにR.C.Harris,“Growth Factors and Cytokines in Acute Renal Failure,”Adv.Renal.Repl.Ther.,4:43−53(1997)。
【0007】上皮増殖因子(EGF)は尿細管細胞の再生及び修復を増強し、虚血後急性腎不全における腎機能の回復を促進する。H.D.Humes,D.A.Cieslinski,T.Coimbra,J.M.Messana及びC.Galvao,J.Clin.Invest.,84:1757−1761(1989)。インシュリン様増殖因子1(IGF−1)はラットで虚血性急性尿細管壊死からの回復を促進する。S.B.Miller,D.R.Martin,J.Kissane及びM.R.Hammerman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:11876−11880(1994)。肝細胞増殖因子はラットで急性虚血性腎損傷からの回復を促進する。S.B.Miller,D.R.Martin,J.Kissane及びM.R.Hammerman,Am.J.Physiol.,266:129−134(1994)。骨形成タンパク質−1(骨形成因子−7(BMP−7))はラットで虚血性急性腎不全後の損傷の重症度を低減する。S.Vukicevic,V.Basic,D.Rogic,N.Basic,M.S.Shih,A.Shepard,D.Jinら,J.Clin.Invest.,102:202−214(1998)。
【0008】プロスタグランジンという用語は天然プロスタグランジン類PGD1、PGD2、PGE2、PGE1及びPGF2の類似体である化合物のことをいう。これらの化合物はプロスタグランジン受容体に結合する。このような結合は標準のアッセイに従って当業者によって容易に測定される(例えば、S.Anら,Cloning and Expression ofthe EP2 Subtype of Human Receptors for Prostaglandin E2,Biochemical and Biophysical Research Communications,197(1):263−270(1993))。これらの化合物は当該技術分野で公知の方法によって合成できる。例えば、Goodman及びGilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,第8版,Pergamon Press,pp.601−604(1990)参照。
【0009】プロスタグランジン類は基本化合物プロスタン酸に関連する脂環式化合物である。基本プロスタグランジンの炭素原子は、カルボン酸の炭素原子からシクロペンチル環を通って隣接する側鎖上の末端炭素原子まで順に番号が振られている。通常、隣接する側鎖はトランス配向している。シクロペンチル部分のC−9位におけるオキソ基の存在はE類に属するプロスタグランジンを示すが、PGE2はC13−C14にトランス不飽和二重結合とC5−C6位にシス二重結合を含有する。しかしながら、PGE2による処置には深刻な副作用が付随する。W.S.S.Jee及びY.F.Ma,Bone,21:297−304(1997)。
【0010】各種のプロスタグランジン類を以下に記載し引用する、しかしながら、他のプロスタグランジン類も当業者には知られているであろう。米国特許第4,177,346号に、ある種の1,5−二置換−2−ピロリドン類が開示されている。これは化学構造がプロスタグランジン様で、血管拡張活性、抗高血圧活性及び抗分泌活性を有する。
【0011】国際特許出願、公開番号WO99/02164に、選択的EP2又はEP4プロスタノイド受容体アゴニストであるプロスタグランジン類を使用するインポテンス又は勃起障害の処置のための方法及び組成物が開示されている。
【0012】米国特許第4,112,236号に、腎血管拡張活性を有し腎障害の患者の処置に有用なある種のインターフェニレン8−アザ−9−ジオキソチア−11,12−セコプロスタグランジン類が開示されている。米国特許第4,033,996号にはある種の8−アザ−9−オキソ(及びジオキソ)−チア−11,12−セコプロスタグランジン類が開示されており、これは腎血管拡張薬として、血栓形成予防に、成長ホルモン放出の誘発に、及び免疫応答の調節薬として有用である。
【0013】ある種の11,12−セコプロスタグランジン類及びその類似体は、腎血管拡張薬としての用途を含め多様な治療的用途を有しており、例えば以下の文献に開示されている。英国特許第1478281号及び1479156号;米国特許第3,987,091号;3,991,087号;3,991,106号;4,055,596号;4,066,692号;及び4,175,203号;J.B.Bickingら,J.Med.Chem.,1977,Vol.20.No.1,35−43ページ;J.H.Jonesら,J.Med.Chem.,1977,Vol.20,No.1,44−48ページ;J.B.Bickingら,J.Med.Chem.,1983,Vol.26,335−341ページ;及びJ.B.Bickingら,J.Med.Chem.,1983,Vol.26.342−348ページ。
【0014】欧州特許出願、公開番号EP0911321、及び国際特許出願、公開番号WO99/19300、WO98/28264及びWO98/58911に、骨粗鬆症を含む様々な骨障害及び腎変性の処置のためのある種のプロスタグランジンアゴニストが開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように当該技術分野においては腎不全又は腎機能障害の処置のための療法に対する需要と研究が継続中である。さらに詳しくは、非選択的薬剤によって生ずるような副作用のない受容体選択的プロスタグランジン療法に対する需要がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は特に、哺乳動物における急性又は慢性の腎不全若しくは腎機能障害、又はそれに起因する状態を処置するための方法を提供し、当該方法は、前記哺乳動物にEP4受容体選択的アゴニスト、その異性体、前記アゴニスト又は異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、異性体若しくはプロドラッグの医薬として許容しうる塩を投与することを含む。さらに特定的には、本発明は、前記状態が高血圧、うっ血性心不全、糸球体腎炎、尿毒症及び慢性腎不全からなる群から選ばれる前記方法を提供する。
【0017】また、本発明は特に、選択的EP4受容体アゴニストである化合物、その異性体、前記アゴニスト又は異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、異性体若しくはプロドラッグの医薬として許容しうる塩を生理的に許容しうる希釈剤、担体又はビヒクルと共に含む医薬組成物を、哺乳動物における急性又は慢性の腎不全若しくは腎機能障害、又はそれに起因する状態の処置のために使用する方法を提供する。さらに特定的には、本発明は、前記状態が高血圧、うっ血性心不全、糸球体腎炎、尿毒症及び慢性腎不全からなる群から選ばれる前記方法を提供する。
【0018】“プロスタグランジンアゴニスト”という用語は、EP4などのプロスタグランジン受容体に結合し、インビボでプロスタグランジンの作用を模倣する化合物(その異性体、プロドラッグ及び医薬として許容しうる塩を含む)のことをいう。各種のそのような化合物を上記に記載し引用した。しかしながら他のプロスタグランジンアゴニストも当業者には公知であろう。
【0019】本発明での使用に好適なEP4選択的アゴニストは、式I:【0020】
【化5】

[式中、Qは、COOR3、CONHR4又はテトラゾール−5−イルであり;Aは、単結合又はシス二重結合であり;Bは、単結合又はトランス二重結合であり;Uは、【0021】
【化6】

であり;R2は、α−チエニル、フェニル、フェノキシ、モノ置換フェニル又はモノ置換フェノキシであり、前記置換基はクロロ、フルオロ、フェニル、メトキシ、トリフルオロメチル及び(C1−C3)アルキルからなる群から選ばれ;R3は、水素、(C1−C5)アルキル、フェニル又はp−ビフェニルであり;R4は、COR5又はSO2R5であり;そしてR5は、フェニル又は(C1−C5)アルキルである]の化合物、そのプロドラッグ、又は前記化合物若しくは前記プロドラッグの医薬として許容しうる塩を含む。
【0022】式Iの化合物は同一出願人による米国特許第4,177,346号に開示のように製造できる。前記特許は本明細書に引用することにより援用する。式IのEP4受容体選択的アゴニストの好適な群は式IのQが5−テトラゾリルである化合物である。この群に属する特に好適な化合物は、5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オン及び5−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピロリジン−2−オンを含む。
【0023】式IのEP4受容体選択的アゴニストの別の好適な群は式IのQがCOOHである化合物である。この群に属する特に好適な化合物は、7−[2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ヘプタン酸及び7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ヘプタン酸を含む。
【0024】本明細書で使用している“処置すること(treating)”、“処置する(treat)”又は“処置(treatment)”という用語は、防護的(preventative)(例えば、予防的(prophylactic))、対症的(palliative)及び治癒的(curative)処置を含む。
【0025】“医薬として許容しうる”という用語は、担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、及び/又は塩が製剤の他の成分と適合性があり、またそのレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
【0026】“プロドラッグ”という表現は、薬物の前駆体で、投与後何らかの化学又は生理的プロセスを経由してインビボで薬物を放出する化合物のことである(例えば、生理的pHに到達すると、又は酵素作用を通して、プロドラッグは望ましい薬物形に転換する)。典型的なプロドラッグは開裂すると対応する薬物化合物を放出する。
【0027】“医薬として許容しうる塩”という表現は、アニオンを含有する非毒性のアニオン塩、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩及び4−トルエン−スルホン酸塩などを意味するが、これらに限定されない。当該表現はまた、非毒性のカチオン塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム又はプロトン化ベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグラミン(N−メチル−グルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ピペラジン及びトロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)の各塩なども意味するが、これらに限定されない。
【0028】他の特徴及び利点は本発明を説明する記述及び付帯するクレームから明らかとなろう。任意のEP4受容体選択的アゴニストが本発明のEP4受容体選択的アゴニストとして使用できる。EP4選択的アゴニストは、EP1、EP2及びEP3受容体におけるIC50が、EP4受容体サブタイプにおけるIC50より少なくとも10倍以上の化合物である。例えば、7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ヘプタン酸は、EP4受容体結合IC50が16nMのEP4受容体選択的PGE2アゴニストである。EP1、EP2及びEP3受容体サブタイプを含む他のすべてのEP受容体サブタイプにおける7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ヘプタン酸のIC50は3200nMより大である。
【0029】従って、他のプロスタグランジン受容体と比べてEP4受容体に対する高選択性又は特異性が本発明による方法及び組成物に使用される化合物の特徴である。化合物がEP4受容体に対して特異的であればあるほど本発明による方法及び組成物において得られる治療成果は良くなる。また、本発明の方法及び組成物に使用される化合物の受容体選択性は、非選択的薬剤によって生ずる望まざる副作用を削減又は除去することになる。
【0030】本発明の方法で使用されるEP4受容体選択的アゴニストは動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおける治療的用途に適応できる。これらの化合物は腎血管拡張活性を示すため、腎障害の患者の処置に有用である。この群に属するのは、高血圧、腎不全、糖尿病性腎不全、うっ血性心不全、糸球体腎炎、尿毒症、及び慢性腎不全の患者である。これらの化合物の腎血管拡張活性によって腎機能が改善される。
【0031】本発明の方法で使用されるEP4選択的アゴニストの、動物、例えば哺乳動物、特にヒトにおける急性又は慢性の腎不全若しくは腎機能障害の処置における医薬品としての有用性は、従来的アッセイにおけるこれらのアゴニストの活性によって示される。従来的アッセイとは、プロスタグランジン受容体結合アッセイ、サイクリックAMPアッセイ、及び急性腎不全アッセイを含むインビボアッセイのことで、いずれも以下で説明する。これらのアッセイは、EP4選択的アゴニスト類の活性を互いに比較しうる手段、及び他の公知の化合物及び組成物の活性と比較しうる手段をも提供する。これらの比較結果は、動物、例えばヒトを含む哺乳動物におけるそのような疾患の処置のための用量の決定に有用である。
【0032】<組換えヒトEP4受容体を安定的に過剰発現する293−S細胞系におけるcAMP上昇の測定>ヒトEP4受容体の完全オープンリーディングフレームを表すcDNAは、公表された配列(J.W.Regan,T.J.Bailey,D.J.Pepperl,K.L.Pierce,A.M.Bogardus,J.E.Donello,C.E.Fairbairn,K.M.Kedzie,D.F.Woodward及びD.W.Gil,“Cloning of a Novel Human Prostaglandin Receptor withCharacteristics of the Pharmacologically Defined EP2 Subtype,”Mol.Pharmacology 46:213−220(1994))に基づくオリゴヌクレオチドプライマーと、鋳型としてプライマリーヒト肺細胞(EP4)由来のRNAとを用いる逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって作成される。cDNAは、pcDNA3(Invitrogen Corporation,3985B Sorrento Valley Blvd.,San Diego,CA92121)のマルチプルクローニングサイトにクローン化され、リン酸カルシウムとの共沈により293−Sヒト胚性腎細胞に導入するのに使用される。G−418耐性コロニーを拡大し、特異的[3H]PGE2結合について試験する。高レベルの特異的[3H]PGE2結合を示すトランスフェクタントをScatchard分析によってさらに特徴付けし、PGE2についてのBmax及びKdsを測定する。化合物のスクリーニング用に選ばれた系は細胞あたり約256,400個の受容体を有しており、PGE2についてのKd=2.9nMである(EP4)。293−S親細胞における受容体の構成性発現は無視できる。細胞はウシ胎仔血清(10%最終)及びG418(700ug/ml最終)を補充したRPMI中に保つ。
【0033】293−S/EP4系におけるcAMPの応答は、細胞を培養フラスコから激しく叩くことによって1mlのCa++及びMg++除去PBS中に剥離し、血清フリーのRPMIを加えて最終濃度1×106細胞/mlとし、さらに3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加えて最終濃度1mMとすることによって測定する。1mlの細胞懸濁液を直ちに個々の2ml入りスクリューキャップマイクロ遠心管に分取し、蓋をせずに10分間、37℃、5%CO2、相対湿度95%でインキュベートする。次に、DMSO又はエタノール中の試験化合物を最終のDMSO又はエタノール濃度が1%になるように1:100に希釈して細胞に加える。化合物の添加直後、遠心管に蓋をし、2回上下逆さにして混合し、37℃で12分間インキュベートする。次に試料を100℃で10分間インキュベートすることにより溶解させ、直ちに氷上で5分間冷却する。1000×gで5分間遠心分離することにより細胞残屑をペレット化し、清澄溶解産物を新しい管に移す。cAMP濃度は、市販のcAMPラジオイムノアッセイ(RIA)キット(NEK−033;DuPont/NEN Research Products,549 Albany St.,Boston,MA02118)を用い、清澄溶解産物をcAMP RIAアッセイ緩衝液(キットに含まれる)中で1:10に希釈後測定する。通常、細胞は、1対数ずつ増加させた6〜8種類の濃度の試験化合物で処理する。EC50の計算は用量応答曲線の直線部分で線形回帰分析を用いて計算機上で実施する。
【0034】<プロスタグランジンE2に対する結合アッセイ>膜の調製:すべての操作は4℃で実施する。プロスタグランジンE2タイプ1受容体(EP1)、タイプ2(EP2)、タイプ3(EP3)又はタイプ4(EP4)受容体を発現している遺伝子導入細胞を採取し、緩衝液A中に1ml当たり200万個の細胞で懸濁させる。[緩衝液Aの組成は次の通り:50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、1mMのEDTA、1mMのPefablocペプチド(Boehringer Mannheim Corp.,インジアナ州インジアナポリス)、10μMのPhosporamidonペプチド(Sigma,ミズーリ州セントルイス)、1μMのペプスタチンAペプチド(Sigma,ミズーリ州セントルイス)、10μMのエラスタチナールペプチド(Sigma,ミズーリ州セントルイス)、及び100μMのアンチパインペプチド(Sigma,ミズーリ州セントルイス)]。細胞はBranson Sonifier(Model#250,Branson Ultrasonics Corporation,コネチカット州Danbury)を用いて2回の15秒間バーストで溶解させる。溶解されなかった細胞及び残屑は100×gで10分間の遠心分離によって除去する。次に、45,000×gで30分間の遠心分離により膜を採取する。ペレット化した膜を1mlの緩衝液A当たり3〜10mgのタンパク質となるように再懸濁させる。タンパク質濃度はBradfordの方法[M.Bradford,Anal.Biochem.,72,248(1976)]によって測定する。次に、再懸濁させた膜は使用するまで−80℃で凍結保存する。
【0035】結合アッセイ:上述のように調製した凍結膜を解凍し、上述の緩衝液A1ml中1mgのタンパク質となるように希釈する。1体積の膜調製物を0.05体積の試験化合物又は緩衝液及び1体積の緩衝液A中3nMの3H−プロスタグランジンE2(#TRK431,Amersham,イリノイ州Arlington Heights)と合わせる。該混合物(総体積205μL)を25℃で1時間インキュベートする。次に、膜をTomtecハーベスター(Model Mach II/96,Tomtec,コネチカット州Orange)を用い、タイプGF/Cガラス繊維フィルタ(#1205−401,Wallac,メリーランド州Gaithersburg)を通すろ過により回収する。結合3H−プロスタグランジンE2を有する膜はフィルタによって捕獲されるが、緩衝液及び非結合3H−プロスタグランジンE2はフィルタを通過して廃液に入る。次に各試料を3mlの50mMトリス−HCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、及び1mMのEDTAで3回洗浄する。次に、フィルタを電子レンジでの加熱により乾燥させる。膜に結合した3H−プロスタグランジンの量を測定するには、乾燥フィルタをシンチレーション液入りのプラスチックバッグに入れ、LKB 1205 Betaplateリーダー(Wallac,メリーランド州Gaithersburg)中でカウントする。IC50は、特異的に結合した3H−プロスタグランジンE2の50%を置換するのに要する試験化合物の濃度から決定する。
【0036】EP1受容体についての全長コード配列はFunkらのJournal of Biological Chemistry,1993,268,26767−26772に開示されているように作成する。EP2受容体についての全長コード配列はReganらのMolecular Pharmacology,1994,46,213−220に開示されているように作成する。EP3受容体についての全長コード配列はReganらのBritish Journal of Pharmacology,1994,112,377−385に開示されているように作成する。EP4受容体についての全長コード配列はBastien,Journal of Biological Chemistry,269:11873−11877(1994)に開示されているように作成する。これらの全長受容体は、EP1、EP2、EP3及びEP4受容体を発現する293S細胞の調製に使用される。ヒトEP2及びヒトEP4プロスタグランジン受容体に関する追加の情報は、米国特許第5,605,814号;5,716,835号;及び5,759,789号に開示されており、これらはいずれも本明細書にに引用することにより援用する。
【0037】ヒトEP1、EP2、EP3又はEP4プロスタグランジンE2受容体の一つを発現する293S細胞は当業者に公知の方法に従って作成する。通常、公表された全長受容体の5’及び3’末端に対応するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)プライマーは上に開示の周知法に従って製造され、ヒト腎(EP1)、ヒト肺(EP2)、ヒト肺(EP3)又はヒトリンパ球(EP4)由来の全RNAを原料として用いるRT−PCR反応に使用される。PCR生成物はTAオーバーハング法によってpCR2.1(Invitrogen,カリフォルニア州Carlsbad)にクローン化される。クローン化された受容体のアイデンティティーはDNA配列によって確認される。
【0038】293S細胞(Mayo,ノースウェスタン大学生化学科)に、pcDNA3(InvitrogenCorporation,3985B Sorrento Valley Blvd.,San Diego,CA92121)中にクローン化された受容体をエレクトロポレーションによって導入する。受容体を発現する安定な細胞系はG418による遺伝子導入細胞の選択後、確立される。
【0039】最大数の受容体を発現するクローン細胞系は、非標識PGE2を競合相手として用いる全細胞3H−PGE2結合アッセイの後選択される。
<急性腎不全ラットモデル>使用した残遺腎(5/6腎摘出)ラットモデルは本質的に文献に以前記載のとおりであった(Vukicevicら、Journal of Bone and Mineral Research,2:533−545(1987))。簡潔にいうと、雄ラット(4月齢、体重約400g)をケタミン(20mg/kg)の腹腔内投与により麻酔をかけ、片側腎摘出(左腎)をした。すべての動物に対して手術中の何らかの体液損失を補うために予め温めた1〜3mlの食塩液を腹腔内投与した。1週間後、残りの腎の2/3を外科的に取り出した。ラットは1又は2週間回復させてから疾患予防のための治療を開始した。ラットは対照及び処置動物について同規模の体重になるように対にして飼育した。5/6腎摘出モデルはヒトの進行性腎疾患のいくつかの特徴、すなわち糸球体硬化症、尿細管間質疾患、タンパク尿、腎機能の進行性の減退、及び全身性高血圧の発症を再現するようになった。
【0040】血液試料(0.5ml)を眼窩叢(orbital plexus)から取り、血清クレアチニン、BUN(血中尿素窒素)、カルシウム、ホスフェート及び他の血液化学を研究中モニタした。尿は代謝ケージから24時間回収した。クレアチニンはJaffe法によって測定した。A.W.Whelton,A.J.Watson及びR.C.Rock:“Nitrogen Metabolites and Renal Function”,Clinical Chemistry(編集者:C.A.Burtis及びE.R.Ashwood)W.B.Saunders,ペンシルバニア州フィラデルフィア,1513−1575(1994)収載。BUNはグルタメートデヒドロゲナーゼ紫外法によって、リンはモリブデート法によって、カルシウムはo−クレゾールフタレイン法によって測定した。R.A.Lafayette,R.D.Perrone及びA.S.Levey:“Laboratory Evaluation of Renal Function”,Diseases of the Kidney(編集者:R.W.Schrier及びC.W.Gottschalk),Little,Brown and Company,Inc.,Vol.6,307−354(1997)収載。GFRは尿クレアチニン(24時間採取)に対する血清クレアチニンを用いて算出し、体重に適合させた。累積生存率も観察し、対照と実験群の両方について記録した。腎臓の組織形態計測分析をし、組織病理について採点した。
【0041】結果:本発明のEP4受容体選択的PGE2アゴニストである7−(2−(3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)ヘプタン酸の薬効を急性腎不全の前臨床モデルで試験した。2種類の異なる急性腎不全モデルを使用した。すなわち、前述の腎毒性急性腎不全モデルと、両方の腎動脈を60分間鉗子で留めた再灌流腎損傷モデルである(K.J.Kelly,W.W.Williams,R.B.Colvin及びJ.V.Bonventure,“Intercellular Adhesion Molecule 1 Protects the Kidney Against Ischemic Injury”,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:812−816(1994);並びにS.Vukicevic,V.Basic,D.Rogic,N.Basic,M.S.Shih,A.Shepard,D.Jin,D.Bosukonda,W.Jones,H.Dorai,S.Ryan,D.Griffiths,J.Maliakal,M.Jelic,M.Pastorcic,A.Stavljenic及びK.Sampath,“Osteogenic Protein−1(Bone Morphogenetic Protein−7) Reduces Severity of Injury After Ischemic Acute Renal Failure in Rat”,J.Clin.Invest.,102:202−214(1998))。
【0042】腎毒性急性腎不全モデルでは、EP4アゴニストは、血清パラメータに基づくと腎損傷に対する保護に有効で、動物の生存時間を用量依存的に増加させた。用量は10mg/kgのほうが1mg/kgよりも良好であった。この研究では7日後に対照群で10匹中4匹の動物が生き残ったのに対し、10mg/kgの処置群では10匹中9匹が生き残った。再灌流腎損傷モデルでは、EP4アゴニストは再灌流後24時間有効であった。EP4アゴニストは動物に腎毒性傷害を与える直前に投与した。
【0043】本発明の方法によるEP4受容体選択的アゴニストの投与は、EP4受容体選択的アゴニストを全身的又は局所的に送達する任意の利用可能な様式で行える。これらの方法には経口経路、非経口、十二指腸内経路などが含まれる。一般的に、本発明の化合物は経口投与されるが、例えば経口投与が標的に対して不適切な場合や患者が薬物を摂取できない場合は非経口投与(例えば静脈内、筋肉内、経皮、皮下、直腸又は脊髄内)も利用できる。
【0044】いずれにしても投与される化合物の量及びタイミングは、処置される患者、疾患の重症度、投与様式、及び処方医の判断によって当然異なるであろう。このように患者によって変動があるために本明細書に提示した用量はガイドラインであって、医師がその患者にとって適切と考える処置を達成するために薬物化合物の用量を決定することになろう。所望の処置の程度を考慮するに当たって、医師は患者の年齢、既存の疾患、並びに他の疾患の存在(例えば心臓血管疾患)といった多様な要因のバランスを取る必要がある。
【0045】本発明の方法で使用されるEP4受容体選択的アゴニスト化合物は、一般的に本発明の少なくとも一つの化合物を医薬として許容しうるビヒクル又は希釈剤と共に含む医薬組成物の形態で投与される。従って、EP4受容体選択的アゴニスト化合物は、経口、鼻腔内、非経口、直腸又は経皮投与形態といった任意の便宜的形態で個々に投与できる。
【0046】経口投与の場合、医薬組成物は溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、散剤などの形態をとることができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような種々の賦形剤を含有する錠剤は、デンプン、好ましくはジャガイモ又はタピオカデンプン及びある種の複合ケイ酸塩などの種々の崩壊剤と、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチン及びアカシアなどの結合剤と共に使用される。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクなどの潤滑剤も錠剤化の目的に非常に有用であることが多い。同様の種類の固体組成物も軟質及び硬質ゼラチンカプセルの充填剤として使用される。これに関する好適な材料にはラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール類も含まれる。経口投与用に水性懸濁液及び/又はエリキシルが所望の場合、本発明の組成物は種々の甘味剤、香味剤、着色剤、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの種々の類似の組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。
【0047】当該化合物はコレステロールアセテートのような脂質と共に固溶体で経口投与することもできる。製剤中に脂質を封入すると化合物又は類似体の吸収が著しく増加する。そのような製剤の製造はRudelの米国特許第3,828,106号に詳細が説明されており、前記特許は本明細書に引用することにより援用する。
【0048】非経口投与のためにはゴマ若しくはピーナツ油中、又は水性プロピレングリコール中の溶液、並びに対応する水溶性塩の無菌水溶液が使用できる。このような水溶液は必要であれば適切に緩衝され、液体の希釈剤は十分な食塩液又はブドウ糖でまず等張にされる。これらの水溶液は特に静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内注射用に適切である。これに関連して、使用される無菌水性媒体はいずれも当業者に周知の標準技術によって容易に得ることが可能である。
【0049】静脈内又は注射によって投与される組成物は、例えば等張水溶液、アルコール溶液、エタノール−食塩液溶液、又はエタノール−デキストロース溶液中の化合物溶液として製造できる。エタノールは溶解度を増すために溶液に添加することができ、メチルパラベンのような他の添加剤、又は充填剤、着色剤、香味剤、希釈剤などの他の成分も包含されうる。当該組成物は水性又は非水性媒体中の化合物又は類似体の懸濁液として投与することもできる。
【0050】静脈内又は注射による投与のための好適な製剤の中にα−シクロデキストリンと活性成分の複合体がある。化合物及び類似体とα−シクロデキストリン包接体との複合体の製造は、Hayashiらの米国特許第4,054,736号に詳細が説明されており、前記特許は本明細書に引用することにより援用する。α−シクロデキストリン対本発明の化合物の比率が97:3の複合体が特に好適である。
【0051】経皮(例えば局所)投与用には、希釈無菌の水溶液又は部分水溶液(通常約0.1%〜5%の濃度)で、他の点は上記非経口溶液と同様のものが好適である。ある量の活性成分を含む種々の医薬組成物の製造法は、当業者には公知であるか又は本開示に鑑みて明らかとなろう。医薬組成物の製造法の例については、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,第19版(1995)参照。従って、前述の通りではあるが本発明の化合物は患者に任意の公知製剤又は投与様式で投与することができる。
【0052】本発明の方法及び組成物のための好適な用量は、約0.001〜約100mg/kg/日のEP4受容体選択的アゴニスト、その異性体、前記アゴニスト又は異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、異性体若しくはプロドラッグの医薬として許容しうる塩である。特に好適な用量は、約0.01〜約10mg/kg/日のEP4受容体選択的アゴニスト、その異性体、前記アゴニスト又は異性体のプロドラッグ、又は前記アゴニスト、異性体若しくはプロドラッグの医薬として許容しうる塩である。
【0053】より具体的には、静脈内又は注射による投与のためには、本発明の方法及び組成物に使用される化合物の用量は、約5〜約60ng/分/kg体重の範囲、好適な用量範囲は約10ng/kg/分〜約30ng/kg/分であり得る。静脈内注射によって投与する場合、用量は1日当たり約100μg/kg体重を超えてはならない。




 

 


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