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発明の名称 エストロゲンに反応する状態を治療するための組成物と方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−213776(P2001−213776A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2001−4452(P2001−4452)
出願日 平成13年1月12日(2001.1.12)
代理人 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
発明者 デーヴィッド・デュアン・トンプソン / アンドリュー・ジョージ・リー / ウェズリー・ウォーレン・デイ / ロバート・ルイス・ロサティ
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 エストロゲンに反応する状態を治療する方法であって、それを必要とするヒトに、式(I):【化1】

で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグの有効量を投与することを含む前記方法、上記式において、AはCH2及びNRから選択され;B、D及びEはCH及びNから独立的に選択され;Yは(a)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいフェニル;(b)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいナフチル;(c)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルキル;(d)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルケニル;(e)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員複素環;(f)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員複素環;又は(g)フェニル環に縮合した五員又は六員複素環からなり、前記複素環が−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環系であり;Z1は(a)−(CH2pW(CH2q−;(b)−O(CH2pCR56−;(c)−O(CH2pW(CH2q−;(d)−OCHR2CHR3−;又は(e)−SCHR2CHR3−であり;Gは(a)−NR78;(b)
【化2】

[式中、nは0、1若しくは2であり;mは1、2若しくは3であり;Z2は−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である]、これは1個若しくは2個のフェニル環と隣接炭素原子上で縮合してもよく、また1〜3個の置換基によって炭素上で独立的に置換されてもよく、またR4から選択される化学的に適当な置換基によって窒素上で独立的に置換されてもよい;又は(c)5〜12個の炭素原子を含有し、架橋されているか若しくは縮合しており、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環式アミン;又はZ1とGとは一緒になって、【化3】

であることができ;Wは(a)−CH2−;(b)−CH=CH−;(c)−O−;(d)−NR2−;(e)−S(O)n−;(f)
【化4】

(g)−CR2(OH)−;(h)−CONR2−;(i)−NR2CO−;(j)
【化5】

(式中、Sは飽和を意味する)
又は(k)−C≡C−であり;Rは水素又はC1−C6アルキルであり;R2とR3は独立的に(a)水素;又は(b)C1−C4アルキルであり;R4は独立的に(a)水素;(b)ハロゲン;(c)C1−C6アルキル;(d)C1−C4アルコキシ;(e)C1−C4アシルオキシ;(f)C1−C4アルキルチオ;(g)C1−C4アルキルスルフィニル;(h)C1−C4アルキルスルホニル;(i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル;(j)アリール(C1−C4)アルキル;(k)−CO2H;(l)−CN;(m)−CONHOR;(n)−SO2NHR;(o)−NH2;(p)C1−C4アルキルアミノ;(q)C1−C4ジアルキルアミノ;(r)−NHSO2R;(s)−NO2;(t)−アリール;又は(u)−OHであり;R5とR6は独立的にC1−C8アルキルであるか、又は一緒になってC3−C10炭素環を形成し;R7とR8は独立的に(a)フェニル;(b)飽和若しくは不飽和C3−C10炭素環;(c)−O−、−N−又は−S−から選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環;(d)H;(e)C1−C6アルキルであるか;又は(f)R5若しくはR6と共に三員〜八員窒素含有環を形成する;R7とR8は線状又は環状形として、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ及びカルボキシから独立的に選択される3個までの置換基によって置換されてもよい;R7とR8とによって形成される環はフェニル環と縮合してもよく:eは0、1又は2であり;mは1、2又は3であり;nは0、1又は2であり;pは0、1、2又は3であり;qは0、1、2又は3である。
【請求項2】 状態が慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障から成る群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】 状態が慢性関節リウマチである、請求項1記載の方法。
【請求項4】 状態が結腸癌である、請求項1記載の方法。
【請求項5】 状態が組織創傷である、請求項1記載の方法。
【請求項6】 状態が皮膚のしわである、請求項1記載の方法。
【請求項7】 状態が白内障である、請求項1記載の方法。
【請求項8】 エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが式(IA):【化6】

[式中、Gは【化7】

であり;R4はH、OH、F若しくはClであり;BとEは独立的に、CH及びNから選択される]で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグ。
【請求項9】 エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが、シス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;シス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;及びこれらの光学異性体若しくは幾何異性体;並びにこれらの非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩及びプロドラッグから成る群のメンバーである、請求項1記載の方法。
【請求項10】 化合物がシス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項11】 化合物が(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項12】 化合物がシス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項13】 化合物がシス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項14】 化合物が1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項15】 化合物がシス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項16】 化合物が1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
【請求項17】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストがD−酒石酸塩の形状である、請求項11記載の方法。
【請求項18】 慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚しわ又は白内障を治療するために消費者が用いるためのキットであって、a)式(I):【化8】

[式中、AはCH2及びNRから選択され;B、D及びEはCH及びNから独立的に選択され;Yは(a)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいフェニル;(b)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいナフチル;(c)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルキル;(d)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルケニル;(e)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員複素環;(f)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員複素環;又は(g)フェニル環に縮合した五員又は六員複素環からなり、前記複素環が−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環系であり;Z1は(a)−(CH2pW(CH2q−;(b)−O(CH2pCR56−;(c)−O(CH2pW(CH2q−;(d)−OCHR2CHR3−;又は(e)−SCHR2CHR3−であり;Gは(a)−NR78;(b)
【化9】

(式中、nは0、1若しくは2であり;mは1、2若しくは3であり;Z2は−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)、これは1個若しくは2個のフェニル環と隣接炭素原子上で縮合してもよく、また1〜3個の置換基によって炭素上で独立的に置換されてもよく、またR4から選択される化学的に適当な置換基によって窒素上で独立的に置換されてもよい;又は(c)5〜12個の炭素原子を含有し、架橋されているか若しくは縮合しており、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環式アミン;又はZ1とGとは一緒になって、【化10】

であることができ;Wは(a)−CH2−;(b)−CH=CH−;(c)−O−;(d)−NR2−;(e)−S(O)n−;(f)
【化11】

(g)−CR2(OH)−;(h)−CONR2−;(i)−NR2CO−;(j)
【化12】

(式中、Sは飽和を意味する)
又は(k)−C≡C−であり;Rは水素又はC1−C6アルキルであり;R2とR3は独立的に(a)水素;又は(b)C1−C4アルキルであり;R4は独立的に(a)水素;(b)ハロゲン;(c)C1−C6アルキル;(d)C1−C4アルコキシ;(e)C1−C4アシルオキシ;(f)C1−C4アルキルチオ;(g)C1−C4アルキルスルフィニル;(h)C1−C4アルキルスルホニル;(i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル;(j)アリール(C1−C4)アルキル;(k)−CO2H;(l)−CN;(m)−CONHOR;(n)−SO2NHR;(o)−NH2;(p)C1−C4アルキルアミノ;(q)C1−C4ジアルキルアミノ;(r)−NHSO2R;(s)−NO2;(t)−アリール;又は(u)−OHであり;R5とR6は独立的にC1−C8アルキルであるか、又は一緒になってC3−C10炭素環を形成し;R7とR8は独立的に(a)フェニル;(b)飽和若しくは不飽和C3−C10炭素環;(c)−O−、−N−又は−S−から選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環;(d)H;(e)C1−C6アルキルであるか;又は(f)R5若しくはR6と共に三員〜八員窒素含有環を形成する;R7とR8は線状又は環状形として、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ及びカルボキシから独立的に選択される3個までの置換基によって置換されてもよい;R7とR8とによって形成される環はフェニル環と縮合してもよく:eは0、1又は2であり;mは1、2又は3であり;nは0、1又は2であり;pは0、1、2又は3であり;qは0、1、2又は3である]で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグと、製薬的に受容されるビヒクル、キャリヤー又は希釈剤とを含む薬剤組成物と;
b)慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚しわ又は白内障を治療するために該薬剤組成物を使用する方法を記載する指示書とを含む前記キット。
【請求項19】 エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが式(IA):【化13】

[式中、Gは【化14】

であり;R4はH、OH、F若しくはClであり;BとEは独立的に、CH及びNから選択される]で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項20】 エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが、シス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;シス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;及びこれらの光学異性体若しくは幾何異性体;並びにこれらの非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩及びプロドラッグから成る群のメンバーである、請求項18記載のキット。
【請求項21】 化合物がシス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項22】 化合物が(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項23】 化合物がシス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項24】 化合物がシス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項25】 化合物が1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項26】 化合物がシス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オール又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項27】 化合物が1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン又はその光学異性体若しくは幾何異性体;又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項18記載のキット。
【請求項28】 エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストがD−酒石酸塩の形状である、請求項22記載のキット。
【請求項29】 皮膚のしわを減ずるための局所製剤であって、式(I):【化15】

[式中、AはCH2及びNRから選択され;B、D及びEはCH及びNから独立的に選択され;Yは(a)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいフェニル;(b)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいナフチル;(c)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルキル;(d)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルケニル;(e)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員複素環;(f)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員複素環;又は(g)フェニル環に縮合した五員又は六員複素環からなり、前記複素環が−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環系であり;Z1は(a)−(CH2pW(CH2q−;(b)−O(CH2pCR56−;(c)−O(CH2pW(CH2q−;(d)−OCHR2CHR3−;又は(e)−SCHR2CHR3−であり;Gは(a)−NR78;(b)
【化16】

(式中、nは0、1若しくは2であり;mは1、2若しくは3であり;Z2は−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である)、これは1個若しくは2個のフェニル環と隣接炭素原子上で縮合してもよく、また1〜3個の置換基によって炭素上で独立的に置換されてもよく、またR4から選択される化学的に適当な置換基によって窒素上で独立的に置換されてもよい;又は(c)5〜12個の炭素原子を含有し、架橋されているか若しくは縮合しており、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環式アミン;又はZ1とGとは一緒になって、【化17】

であることができ;Wは(a)−CH2−;(b)−CH=CH−;(c)−O−;(d)−NR2−;(e)−S(O)n−;(f)
【化18】

(g)−CR2(OH)−;(h)−CONR2−;(i)−NR2CO−;(j)
【化19】

(式中、Sは飽和を意味する)
又は(k)−C≡C−であり;Rは水素又はC1−C6アルキルであり;R2とR3は独立的に(a)水素;又は(b)C1−C4アルキルであり;R4は独立的に(a)水素;(b)ハロゲン;(c)C1−C6アルキル;(d)C1−C4アルコキシ;(e)C1−C4アシルオキシ;(f)C1−C4アルキルチオ;(g)C1−C4アルキルスルフィニル;(h)C1−C4アルキルスルホニル;(i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル;(j)アリール(C1−C4)アルキル;(k)−CO2H;(l)−CN;(m)−CONHOR;(n)−SO2NHR;(o)−NH2;(p)C1−C4アルキルアミノ;(q)C1−C4ジアルキルアミノ;(r)−NHSO2R;(s)−NO2;(t)−アリール;又は(u)−OHであり;R5とR6は独立的にC1−C8アルキルであるか、又は一緒になってC3−C10炭素環を形成し;R7とR8は独立的に(a)フェニル;(b)飽和若しくは不飽和C3−C10炭素環;(c)−O−、−N−又は−S−から選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環;(d)H;(e)C1−C6アルキルであるか;又は(f)R5若しくはR6と共に三員〜八員窒素含有環を形成する;R7とR8は線状又は環状形として、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ及びカルボキシから独立的に選択される3個までの置換基によって置換されてもよい;R7とR8とによって形成される環はフェニル環と縮合してもよく:eは0、1又は2であり;mは1、2又は3であり;nは0、1又は2であり;pは0、1、2又は3であり;qは0、1、2又は3である]で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグと、製薬的又はコスメティック的に受容される局所用ビヒクルとを含む前記局所製剤。
【請求項30】 サンスクリーン、サンブロック、抗炎症薬、アンチオキシダント、ラジカル・スカベンジャー、キレート化剤、レチノイド、N−アセチル−L−システイン及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるメンバーをさらに含む、請求項29記載の局所製剤。
【請求項31】 前記エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが式II:【化20】

[式中、R1AとR2Aは同じ又は異なるものでもよい、但し、R1AとR2Aが同じものである場合には、それぞれはメチル又はエチル基であり、R1AとR2Aが異なるものである場合には、それらの一方はメチル又はエチル基であり、他方は水素又はベンジル基である]で示される化合物;又は式III若しくはIV:【化21】

で示される化合物;又は式V若しくはVI:【化22】

[式中、R1BはH、OH、C1−C12エステル(直鎖若しくは分枝鎖)及びこれらのC1−C12(直鎖若しくは分枝鎖若しくは環状)アルキルエーテル、ハロゲン、並びにトリフルオロメチルエーテル及びトリクロロメチルエーテルを含めたC1−C4ハロゲン化エーテルから選択される;2B、R3B、R4B、R5B及びR6BはH、OH、C1−C12エステル(直鎖若しくは分枝鎖)及びこれらのC1−C12アルキルエーテル(直鎖若しくは分枝鎖若しくは環状)、ハロゲン、及びトリフルオロメチルエーテルとトリクロロメチルエーテルとを含めたC1−C4ハロゲン化エーテル、シアノ、C1−C6アルキル(直鎖若しくは分枝鎖)並びにトリフルオロメチルから独立的に選択される;XAはH、C1−C6アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル及びハロゲンから選択される;sは2又は3であり;YAは、a)
【化23】

(式中、R7BとR8BはH、C1−C6アルキル、並びにCN、C1−C6アルキル(直鎖若しくは分枝鎖)、C1−C6アルコキシ(直鎖若しくは分枝鎖)、ハロゲン、−OH、−CF3若しくは−OCF3によって置換されてもよいフェニルから選択される)で示される部分;
b)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;
c)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;
d)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい七員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;及びe)架橋又は縮合した、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有する炭素数6〜12の二環状複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、−N=、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい前記二環状複素環から選択される]で示される化合物;又は式Va:【化24】

で示される化合物、又はこれらの光学異性体若しくは幾何異性体又はこれらの非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はエストロゲンに反応する状態を治療するための組成物と方法に関する。これらの組成物と方法はエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト化合物を用いる。男性と閉経後の女性の両方において、例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような状態は本発明の組成物及び方法によって治療される。
【0002】
【従来の技術】閉経前の女性では、卵巣によって産生される17β−エストラジオールは主要な循環エストロゲンである。血清エストラジオール濃度は前青年期の女子では低いが、初経時に増加する。女性では、血清エストラジオール濃度は卵胞期における約100pg/ml(367pmol/L)から排卵時における約600pg/ml(2200pmol/L)までの範囲である。血清エストラジオール濃度は妊娠中のほぼ20,000pg/ml(70,000pmol/L)まで上昇しうる。閉経後に、血清エストラジオール濃度は同年齢の男性における値(5〜20pg/ml[18〜74pmol/L])と同じような又はそれより低い値にまで低下する(Yen,S.S.C.とJaffe,R.B.編集、Reproductive Endocrinology:Physiology、Pathophysiology and Clinical Management,第3版、Philadelphia:W.B.Saunders(1991))。
【0003】ステロイダル・エストロゲンは究極的にアンドロステンジオン又はテストステロンから中間先駆体として形成される。この反応はA環の芳香族化を含み、この反応は、補基質としてNADPHと分子状酸素とを用いるモノオキシゲナーゼ酵素複合体(アロマターゼ)によって3工程で触媒される(Miller,W.L.,Endocr.Rev.,9:295−318(1988))。反応の第1工程では、C19(アンドロゲン先駆体のC10に存在する核間メチル基)がヒドロキシル化される。第2ヒドロキシル化は新たに形成されたC19ヒドロキシメチル基の脱離を生じ、C2の最終ヒドロキシル化は、転位してフェノールA環を形成する不安定な中間体の形成を生じる。反応全体は3分子のNADPHを消費する。
【0004】アロマターゼ活性は、モノオキシゲナーゼのシトクロムP450ファミリーと相同であるトランスメンブラン糖タンパク質(P450arom)内に存在する(Nebert,D.W.とGonzalez,F.J.,Annu.Rev.Biochem.56:945−993(1987);Corbin,C.J.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:8948−8952(1988));さらに、偏在するフラボタンパク質、NADPH−シトクロムP450レダクターゼも重要である。両方のタンパク質は卵巣顆粒膜細胞、精巣Sertoli及びLeydig細胞、脂肪細胞、胎盤合胞体栄養細胞、移植前胚盤胞(preimplantation blastocyst)、及び海馬を含めた種々な脳領域内に局在する。
【0005】卵巣は閉経前女性における主要なエストロゲン供給源である。主要な分泌生産物は莢膜細胞(thecal cell)によって供給されるアンドロゲン先駆体から顆粒膜細胞によって合成されるエストラジオールである。分泌されたエストラジオールは可逆的に酸化されて、エストロンになり、これらのエストロゲンの両方は転化して、エストリオールになることができる。これらのトランスフォーメーションは主として肝臓中で行われ、この場合にエストロンとエストラジオールとの間の相互転換は17−ヒドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼによって触媒される。
【0006】男性と閉経後女性では、主要なエストロゲン供給源は脂肪組織である。この組織及び他の末梢組織において、エストロンは、副腎皮質によって分泌されるデヒドロエピアンドロステロンから合成される。したがって、脂肪組織エストロゲンの寄与はアンドロゲン先駆体の利用可能性によってある程度規制される(Mendelson,C.R.とSimpson,E.R.、Mol.Cell Endocrinol.52:169−176(1987))。
【0007】例えば慢性関節リウマチのような自己免疫疾患は細胞及び体液仲介免疫の異常な調節を含み、しばしば自己抗原に対して向けられるT細胞、B細胞及びマクロファージ・エフェクターの機能の異常又は強化を付随する。自己抗原に対するこれらの細胞成分の活性化は自己寛容を付随するフィードバック機構の破壊に関連すると考えられる。自己免疫疾患は臨床的存在の全範囲を包含し、標的器官の相違にも拘わらず、多くの類似点を有する。これらは子供を産む年齢の女性に多く見られ、女性対男性の比率はHashimoto’s甲状腺炎における50:1から全身性エリテマトーデス(SLE)における10:1を経て重症筋無力症における2:1まで変化する(Ahmed等、Am.J.Path.,121:531(1985))。さらに、これらの疾患は全て、充分に理解されない理由からの慢性、臨床的緩解の傾向及び“発赤拡大(flare ups)”並びに他の器官の関与を特徴とする。自己抗体の存在、クラスII抗原の不適当な発現、マクロファージ活性化及び標的器官へのT細胞浸潤が自己免疫疾患の本質的に全てにおいて述べられているが、疾患活性化を生じる誘発機構も疾患進行を生じる誘発機構もたいてい理解されていない。したがって、これらの疾患の治療法はたいてい不充分であり、金塩、メトトレキセート、抗マラリア薬、糖質コルチコイド(メチルプレドニソロン)及び他の免疫抑制剤並びにプラズマフォレシス(plasmaphoresis)の使用を必要とし、耐性の誘導を試みている。自己免疫疾患の治療はこの10年間にわたって有意に改良されていず、疾患の症候群を治療するために非ステロイド系及びステロイド系の抗炎症薬の使用を主に付随する。宿主に対する特異的免疫応答の抑制は明らかに必要であるが、糖質コルチコイドによるような全身的免疫抑制は副作用プロフィルと、免疫抑制された対象が他の感染性及び非感染性疾患の大きい危険性を有する傾向とに関して重要な不利益を有する。
【0008】多形核白血球(PMNL)は炎症性疾患において規制的役割を果たす。これらの細胞は活性化されたときに、酸素を中心に有する分子、化学誘引物質及び加水分解酵素を合成し、放出する。酸素を中心に有する分子(oxygen-centered molecules)が例えば慢性炎症性疾患、慢性関節リウマチ、SLE等のような、多くの疾患において不利な役割を果たすという証拠がある。自己免疫疾患例えばSLEの場合には、炎症性応答の開始は、自己抗原が患者の宿主好中球(one's host neutrophils)又はPMNLsを刺激して、周囲細胞及び組織を損傷する、強力なオキシダントを分泌させることである。
【0009】エストロゲンは自己免疫疾患に関与するように思われるが、疾患の進行又は後退におけるその役割は複雑であり、自己免疫疾患の性質に依存する。エストロゲンは例えば慢性関節リウマチには改善効果を有するように見えるが、全身性狼瘡には増悪効果を及ぼす(Chander & Spector;Ann.Rheum.Dis.50:139)。Jansson(Free Rad.Res.Comms.,14(3):195−208(1991))によって報告されたように、エストロゲンはPMNLSによって産生される酵素、過酸化水素からのオキシダントの産生を調節するミエロペルオキシダーゼの活性を高める。この酵素は過酸化水素を強力なオキシダントである次亜塩素酸に転化させる。この酵素の活性を高める、したがって次亜塩素酸の存在を増加させることによって、慢性炎症性/自己免疫疾患における組織、細胞及び種々なマクロ分子に対する酸化ストレス増大の可能性は強化される。
【0010】EP664125A1は、ミエロペルオキシダーゼの阻害がある一定の3−アロイルベンゾチオフィン類による処置によって達成されうることを報告する。過剰なミエロペルオキシダーゼは全身性エリテマトーデス、Hashimoto’s甲状腺炎、重症筋無力症、慢性関節リウマチ及び多発性硬化症を包含する状態に関与する。
【0011】エストロゲンは、T細胞機能に対して抑制的役割を及ぼし、しかもなおB細胞には免疫刺激効果を及ぼすことが実証されている。それ故、エストロゲン様化合物は慢性関節リウマチ、多発性硬化症、Guillan Barre症候群及びHashimoto’s甲状腺炎を含めた、活性化T細胞に関与する疾患にはT細胞機能の阻害を介して有利であると実証される筈である(Holmadahl,J.,Autoimmun.2:651(1989))。
【0012】T細胞に対するエストロゲンの抑制効果の他に、エストロゲンは付加的な保護役割を有する。Marui等(J.Clin.Invest.92:1866(1993))は最近、アンチオキシダントがVCAM−1の内皮発現を抑制することを報告している。VCAM−1はVLA4、脈管構造から脈管周囲空間及び標的器官中へのT細胞及びマクロファージの輸送(trafficking)に関連したT細胞及びマクロファージ・インテグリンに対するリガンドである。エストロゲンはアンチオキシダントであるので、エストロゲンと関連類似体とが細胞のVLA−4依存性輸送を阻害し、したがって、自己免疫仲介疾患に関連した免疫カスケードを妨害することが予想される。
【0013】エストロゲンは、全身性狼瘡及び糸球体腎炎を含めた他の自己免疫疾患、免疫複合体に関連した疾患では有害な役割を果たす。エストロゲン仲介疾患の進行の原因となる機構(単数又は複数種類)は不明であるが、Fc仲介食作用(Friedman等、J.Clin.Invest.76:162(1985))と、エストロゲン処理げっ歯類からのマクロファージによるクラスII抗原発現及びIL−1産生(Flynn、Life Sci.,38:2455(1986))とを高めるエストロゲンの能力は報告されている。これらのマクロファージ仲介エフェクター機能の強化は、自己破壊に関連した免疫カスケードに寄与すると予想される。
【0014】大腸癌は合衆国における癌死亡の原因として肺癌にのみ次ぐものである。1996年には、約133,500件の新たな症例が発生して、54,900件の死亡を生じた。この非常に一般的な悪性状態の発生率は過去40年間実質的に変化していないが、幾つかの理由から、致死率はこの数年間、特に女性において減少している。結腸直腸癌は一般に50歳以上の個人において生ずる。
【0015】たいていの結腸直腸癌は、病因に拘わらず、腺腫ポリープに由来すると考えられる。ポリープは粘膜表面からの肉眼で見える突起であり、非腫瘍性過誤腫(若年性ポリープ)、過形成粘膜増殖(増殖性ポリープ)又は腺腫ポリープとして病理学的に分類されうる。腺腫のみは明らかに前悪性であり、このような病変のごく小数が常に癌に発展する。集団スクリーニング研究及び剖検サーベイ(autopsysurvey)は、腺腫ポリープが中年又は初老の人々の約30%の結腸に見出されうることを明らかにしている。この罹患率と結腸直腸癌の既知発生率とに基くと、ポリープの1%未満が常に悪性になるように思われる。たいていのポリープは症状を生じず、臨床的に検出されずに留まる。このような病変を有する対象の5%未満において糞便中の潜血が見られる可能性がある。
【0016】腺腫ポリープ、異形成病変、及び顕微鏡的焦点の腫瘍細胞を含有するポリープ(上皮内癌)から得られるDNAでは多くの分子変化が述べられており、このことは正常な結腸粘膜から生命を脅かす侵襲性癌までの発展の多段階プロセスを表すと考えられる。発癌までのこれらの発達段階はK−ras癌原遺伝子における点突然変異;遺伝子活性化を招来するDNAの低メチル化;染色体5の長腕上に局在する腫瘍サプレッサー遺伝子[腺腫結腸ポリポーシス(APC)遺伝子]の部位(5q21)におけるDNA消失(“対立遺伝子消失”);染色体18q上に局在する腫瘍サプレッサー遺伝子の部位における対立遺伝子消失[いわゆる結腸直腸癌における欠失(the deleted in colorectal cancer)(DCC)遺伝子];及びp53腫瘍サプレッサー遺伝子における突然変異と関連した、染色体17pにおける対立遺伝子消失を包含する。したがって、ポリープまで、及び次に癌までの進行を生じる結腸粘膜の増殖パターンの変化は、癌遺伝子の突然変異活性化に、その後の、通常は腫瘍発生を抑制する遺伝子の消失と共に関与しうる。本発明のモデルは5つのこのような分子変化を包含するが、他の変化も発癌プロセスに関与する可能性がある。この遺伝的異常が常に定義された順序で生ずるかどうかはまだ不確実である。しかし、このモデルに基くと、新形成はこれらの突然変異イベントの全てが行われるようなポリープにおいてのみ発達すると考えられる(Mayer,R.J.,Gastrointestinal Tract Cancer,92章,Harrison’s Principles of Internal Medicine,14版,1998)。
【0017】幾つかの経口投与された合成及び天然生成物質が結腸癌の可能な阻害剤として評価されている。これらの化学的防止剤のうちの最も有効なクラスはアスピリンとその他の非ステロイド系抗炎症薬であり、これらはプロスタグランジン合成を阻害することによって細胞増殖を抑制すると考えられる。症例−対照研究は、規則的なアスピリン使用が結腸腺腫と癌腫の危険性並びに大腸癌からの死亡の危険性を軽減する;結腸発癌に対するこの阻害効果は薬物使用期間と共に増大するように思われる。例えばアスコルビン酸、トコフェロール及びβ−カロテンのようなアンチオキシダント ビタミンは、結腸直腸癌の低い率に関連するとされているフルーツ及び野菜に富んだ食物(diet)中に存在するが、これらは見込み無作為化トライアル(prospectively randomized trial)において、結腸腺腫の摘出を受けた対象におけるその後の腺腫の発生率を減ずる手段として無効であることが判明している。エストロゲン代償療法は、見込みコーホート研究(prospective cohort studies)において、恐らく胆汁酸合成及び組成に対する効果によると思われる、女性における結腸直腸癌の危険性低下に関連付けられている。女性における結腸直腸癌致死率の他の方法では説明されない低下は閉経後個人におけるエストロゲン代償の広範囲な使用の結果であると考えられる(Mayer,R.J.,Gastrointestinal Tract Cancer,92章,Harrison’s Principles of Internal Medicine,14版,1998)。
【0018】創傷治癒は通常、(a)組織破壊と正常な組織構造の消失;(b)細胞壊死と出血;止血(血餅形成);(c)セグメント化単核炎症細胞の浸潤、血管うっ血と組織浮腫を付随;(d)血餅と損傷した細胞及び組織との、単核細胞(マクロファージ)による溶解;(e)肉芽組織の形成(線維増殖と脈管形成)を包含するイベントのコーディネートされた型通りのシーケンスである。細胞イベントのこのシーケンスは多数の哺乳動物種において発生した、全ての組織及び器官からの創傷に観察されている(Gailet等、1994、Curr.Opin.Cell.Biol.6:717−725)。
【0019】エストロゲンはin vitro及びin vivoでの内皮細胞増殖を促進する(Morales,D.E.等、Circulation,91:755−63(1995);Krasinski,K.等、Circulation,95:1768−72(1997))。脈管損傷後のエストロゲンによって誘導される迅速な再内皮形成(reendothelialization)はある程度、血管内皮増殖因子の局所発現の増加によると考えられる。エストロゲンはまた、培養ヒト内皮細胞のアポトーシスをエストロゲン受容体−依存的に阻害する(Spyridopoulos,I.等、Circulation,95:1505−14(1997))。エストロゲンによる内皮細胞完全さ(endothelial integrity)の早期復元は、平滑筋細胞の増殖を直接阻害しうる一酸化窒素の利用可能性を高めることによって、損傷に対する応答の緩和に寄与することができる(Cornwell,T.L.等、Am.J.Physiol.,267:C1405−C1413(1994))。invitroにおいて、エストロゲンは直接平滑筋細胞の移動及び増殖を阻害する(Kolodgic,F.D.等、Am.J.Pathol.、148:969−76(1996);Bhalla,R.C.等、Am.J.Physiol.、272:H1996−H2003(1997))。
【0020】現在、利用可能な創傷治癒療法は治療用タンパク質の投与を含む。このような治療用タンパク質は、細胞の増殖と分化を調節する、例えば全身性ホルモン、サイトカイン、成長因子及び他のタンパク質のような、正常な治癒プロセスに関与する調節因子を包含しうる。このような創傷治癒能力を有すると報告された成長因子、サイトカイン及びホルモンは、例えばタンパク質のトランスフォーミング増殖因子βスーパーファミリー(TGF−β)(Cox,D.A.,CellBiology International,19:357−371(1995))、酸性線維芽細胞増殖因子(FGF)(Slavin,J.,CellBiology International,19:431−444(1995))、マクロファージ−コロニー刺激因子(M−CSF)及び例えば副甲状腺ホルモン(PTH)のようなカルシウム調節剤を包含する。
【0021】疫学的証拠は、エストロゲンが白内障を防止しうることを示唆する。女性は男性よりも白内障を発病する危険性が高いが、この大きい危険性はエストロゲンが衰えた閉経後に生じる(Livingston,P.M.等、Dev.Ophthalmol.26:1−6(1994);Klein、B.E.等、Arch.Ophthalmol.116:219−225(1998))。544人の女性についてのある研究では、閉経の早期開始が白内障の2.9倍の発病危険性と関連付けられている(Shibata,T.等,Dev.Ophthalmol,26:25−33(1994))。さらに、3つの小規模な疫学的研究の結果は、閉経後のエストロゲン代償療法が白内障の発生率を軽減することを示唆する(Klein,B.E.等、Arch.Ophthalmol.112:85−91(1994);Cumming,R.G.とMitchell,P.、Am.J.Epidemiol.,145:242−249(1997);Benitez del Castillo,J.M.等、Ophthalmology,104:970−973(1997))。年齢関連白内障のin vivoラットモデルは、エストロゲンの保護効果がゲノムの効果であることを示唆する(Bigsby,R.M.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96:9328−9332(1999))。
【0022】胸部癌はホルモン依存性疾患である。エストロゲン代償を決して受けない、機能する卵巣を有さない女性は胸部癌を発病しない。この疾患の女性対男性の比率は約150:1である。多数の研究結果が、ホルモン類がこの疾患のプロモーターとして重要な役割を果たすことを示している。たいていの上皮悪性腫瘍に関して、年齢に対する発生率のlog−logプロットは生活年齢毎による(with every year of life)直線的増加を示す。胸部癌に関する同様なプロットは同じ直線的増加を示すが、勾配の低下が閉経の年齢において開始する。胸部癌発生率に重大な影響を及ぼす女性の生涯における3年代は、初経年齢、最初の完全な妊娠年齢及び閉経年齢である。16歳で初経を経験する女性は12歳で初経を経験する女性の生涯胸部癌危険率(lifetime breast cancer risk)の50〜60%を有するに過ぎない。同様に、メジアン・エージ(52歳)の10年前に生じた閉経は、自然であろうと外科的に誘導されたものであろうと、生涯胸部癌危険率を約35%減ずる。未産の女性に比べて、18歳までに最初の完全な妊娠をする女性は30〜40%の胸部癌危険率を有する。したがって、月経寿命の長さ−特に最初の完全妊娠前に生じる月経寿命部分は胸部癌の総危険率の実質的な構成要素である。この要因は種々な国における胸部癌出現率(frequency)の変動(variation)の70〜80%を占める可能性がある。
【0023】国際的な変化はホルモン的発癌に最も重要な手掛かりを与えている。北アメリカにおける80歳まで生きる女性は侵襲性胸部癌を発病する見込み1/9を有する。アジア人の女性は北アメリカ又は西ヨーロッパにおける女性の胸部癌危険率の1/5〜1/10を有する。アジア人の女性はエストロゲン及びプロゲステロンの実質的に低い濃度を有する。西部環境で生活するアジア人の女性はかれらと同等な西部の女性と同じ危険率を有するので、これらの相違は遺伝的根拠では説明することができない。これらの女性はアジアにおけるアジア人の女性とは身長及び体重においても明らかに異なる;身長及び体重は初経年齢の重要なレギュレーターであり、エストロゲンの血漿濃度に対して実質的な影響を及ぼす(Lippman,M.E.,Breast Cancer,91章,Harrison’s Principles of Internal Medicine,第14版,1998)。
【0024】閉経はアメリカ合衆国では50〜51歳の平均年齢において自然に生じる。卵巣が老化するにつれて、下垂体ゴナドトロピン(濾胞刺激ホルモン[FSH]と黄体形成ホルモン[LH])に対する反応は低下し、最初に濾胞期(follicularphase)の短縮(したがって、月経周期の短縮)、排卵の減少、プロゲステロン産生の減少及び周期のより大きな不規則性を生じる。最終的に、濾胞は反応することができず、エストロゲンを産生しない。女性が生殖期を抜け出る移行期は閉経前に開始する。これは更年期又はペリメノポーズ(perimenopause)と呼ばれるが、多くの人々がこれを閉経と呼ぶ。
【0025】早期閉経は原因不明の卵巣不全を意味し、40歳前に生ずる。これは喫煙、高い高度での生活又は不良な栄養状態に関連付けることもできる。人為的な閉経は卵巣摘出化学療法骨盤の放射線照射又は卵巣血液供給を妨げる何らかのプロセスから生じうる。
【0026】更年期の症状は存在しないから重度までの範囲である。顔面潮紅(のぼせ)及び血管運動不安定性に伴う発汗が75%の女性を侵す。たいていは顔面潮紅を1年間以上にわたって有し、25〜50%は5年間以上にわたって有する。女性は温かさ又は熱さを感じて、発汗し、時にはおびただしく発汗する可能性がある。特に頭及び頚部の皮膚は赤く、温かくなる。30秒から5分間まで続きうる潮紅の後には悪寒がする可能性がある。顔面潮紅の血管運動性症状はLHパルスの開始と一致するが、LHの全ての上昇が顔面潮紅に関連するとは限らず、このことは、LHパルスの視床下部調節が潮紅の調節から独立的であることを示唆する。この独立性は、下垂体不全を有しており、LH及び/又はFSHを分泌しない女性における顔面潮紅の発生によって立証される。
【0027】心理的及び情緒的症状−疲労、被刺激性、不眠、集中できないこと、うつ病、記憶喪失、頭痛、不安と神経質、及び内気を含む−が起こりうる。反復する顔面潮紅による睡眠妨害は疲労と被刺激性の一因になる。断続的なめまい、感覚異常、心悸亢進及び頻脈も生じうる。吐き気、便秘、下痢、関節痛、筋肉痛、手足の冷え、及び体重増加も一般的に生じる。
【0028】エストロゲンの大きな減少は下部生殖管の深い変化をもたらす;例えば、膣粘膜と外陰部皮膚とは薄くなり、正常な細菌フローラは変化し、小陰唇、陰核、子宮及び卵巣はサイズが縮小する。膣粘膜の炎症(萎縮性膣炎)は粘膜にいちご様外観を有させる可能性があり、頻尿と切迫尿(urinary urgency)、膣乾燥及び性交不快症をもたらす可能性がある。女性は骨盤筋肉の緊張を失って、尿失禁、膀胱炎及び膣炎を発病しがちである。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明はエストロゲンに反応する状態の治療に有用な薬剤組成物に関する。これらの組成物は、エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと製薬的に受容されるキャリヤー、ビヒクル又は希釈剤とから構成される。これらの組成物は慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障の治療に有効である。
【0030】本発明の第2態様は、エストロゲンに反応する状態の治療方法に関する。特に、これらの方法は慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障の治療方法に関する。これらの方法は本明細書に記載するようなエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの有効量を投与することを含む。
【0031】本発明の第3態様は、例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態を治療する組成物と方法が、エストロゲン投与に付随する副作用の同時発生傾向を実質的に軽減しながら有効であることである。
【0032】第4態様として、本発明は例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態を治療するために消費者によって用いられるキットを提供する。このキットは(a)本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと製薬的に受容されるキャリヤー、ビヒクル又は希釈剤とを含む薬剤組成物と;(b)例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態を治療するための薬剤組成物の使用方法を説明する指示書とを含む。これらの指示書はまた、このキットがエストロゲン投与に付随する副作用の同時発生傾向を実質的に軽減しながら、例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態の治療用であることも表示することができる。
【0033】第5態様として、本発明は例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態を治療するための薬剤の製造への本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの使用を提供する。これらの適応症はまた、エストロゲン投与に付随する副作用の同時発生傾向を実質的に軽減しながら、この薬剤によって治療される。
【0034】本発明の第6態様は、皮膚のしわの治療用の局所製剤に関する。本発明の局所製薬的及びコスメティック組成物は非常に広範囲な製品種類に製造されることができる。これらは非限定的にローション、クリーム、ビーチオイル(beach oil)、ゲル、スティック、スプレイ、軟膏、ペースト、ムース及びコスメティックを包含する。これらの製品種類は、非限定的に溶液、エマルジョン、ゲル及び固体を含めた数種類のキャリヤー系を含むことができる。この局所製剤は有効量のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを含み、任意に例えばサンスクリーン(sunscreen)及びサンブロック(sunblock)のような他のしわ防止剤(anti-wrinkleagent)、抗炎症薬、アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャー、キレーター、レチノイド及びN−アセチル−L−システインを包含することができる。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、エストロゲンに反応する状態を治療するための組成物と方法に関する。他に指定しない限り、下記用語は以下で定義する意味を有する。本明細書で用いる“治療”は予防的(例えば、予防法)及び緩和的処置を含み、本明細書で用いる“治療する”は予防的及び/又は緩和的処置を与える行為を意味する。
【0036】“対象”は、本発明の組成物方法及びキットによって治療可能である、ヒト種を含めた動物である。“対象”又は“対象(複数)”なる用語は、一方の性を特に指定しない限り、男性と女性の両方の性を意味するように意図される。“エストロゲンに反応する状態”はエストロゲン欠乏によって惹起される状態又はエストロゲン補充若しくは代償によって治療される状態を包含する。これらの状態は慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障を包含する。
【0037】“エストロゲンに付随する副作用”は女性では胸部圧痛、胸部癌、鼓腹、頭痛、血餅増加及び月経出血増加を包含する。抵抗のないエストロゲン療法は子宮内膜癌種の危険性を高める。長期間エストロゲン療法を受けている女性は、同時に作用するプロゲスチンによって逆転されない大きい危険性を有する可能性がある(N.Engl.J.Med.332:1589(1995))。男性では、エストロゲンの副作用は血餅増加、女性化乳房、女性化及び性欲減退を包含する。
【0038】“閉経後女性”なる用語は、閉経を経験した高齢の女性のみを包含するのではなく、子宮摘出された又は何らかの他の理由からエストロゲン産生が抑制された女性、例えばコルチコステロイドの長期間投与を受けた、若しくはCushion’s症候群に罹患した若しくは性器発育異常を有する女性をも包含する。“胸部癌”は胸部の管又は小葉をライニングする上皮細胞の悪性増殖として定義される。
【0039】“エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト”は、エストロゲンが作用するのと同じ受容体の一部に、必ずしも全てではなく、作用し、場合によっては、エストロゲンに拮抗する若しくはエストロゲンをブロックする化合物である。これは“選択的エストロゲン受容体モジュレーター”(SERM)としても知られる。エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは抗エストロゲンと呼ばれることもできるが、これらは一部のエストロゲン受容体に対してある程度のエストロゲン活性を有する。それ故、エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは、“純粋な抗エストロゲン”と一般に呼ばれるものではない。アゴニストとしても作用することができる抗エストロゲンは、I型抗エストロゲンと呼ばれる。I型抗エストロゲンはエストロゲン受容体を活性化して、但し受容体補充の減少を伴って、長時間かけて核に固く結合させる(Clark等、Steroids 22:707,1(1973);Capony等、Mol Cell Endocrinol,3:233(1975))。
【0040】エストロゲンに反応する状態を治療するための上記方法は一般に、長期間の利益及び/又は生残に関する。臨床的利益は数週間内に例えば2〜3週間内に見ることができるが、このことは、対象が実際の臨床的観察前に治療から利益を受けないことを意味するのではない。しかし、投与が長期間、16週間以上、好ましくは6か月間以上行われることが好ましい。
【0041】何らかの単独の理論に縛られるのではないが、本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、これらのエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト含有組成物は例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のような、エストロゲンに反応する状態をエストロゲン受容体に対する活性によって治療すると考えられる。本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障の治療において動物に明確なエストロゲン効果を及ぼす。これらの効果は、例えば胸部組織のような他の組織におけるエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト抗エストロゲン効果による、エストロゲン投与に付随する副作用の同時発生傾向なしに達成される。
【0042】本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは、本明細書にその全体で援用される米国特許第5,552,412号に記載される化合物を包含する。これらの化合物は下記式(I):【化25】

で示される化合物又はその光学異性体若しくは幾何異性体又はその非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル第4級アンモニウム塩若しくはプロドラッグである、【0043】上記式において、AはCH2及びNRから選択され;B、D及びEはCH及びNから独立的に選択され;Yは(a)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいフェニル;(b)R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよいナフチル;(c)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルキル;(d)R4から独立的に選択される1〜2個の置換基によって置換されてもよいC3−C8シクロアルケニル;(e)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員複素環;(f)−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員複素環;又は(g)フェニル環に縮合した五員又は六員複素環からなり、前記複素環が−O−、−NR2−及び−S(O)n−から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環系であり;
【0044】Z1は(a)−(CH2pW(CH2q−;(b)−O(CH2pCR56−;(c)−O(CH2pW(CH2q−;(d)−OCHR2CHR3−;又は(e)−SCHR2CHR3−であり;Gは(a)−NR78;(b)
【化26】

[式中、nは0、1若しくは2であり;mは1、2若しくは3であり;Z2は−NH−、−O−、−S−若しくは−CH2−である]、これは1個若しくは2個のフェニル環と隣接炭素原子上で縮合してもよく、また1〜3個の置換基によって炭素上で独立的に置換されてもよく、またR4から選択される化学的に適当な置換基によって窒素上で独立的に置換されてもよい;又は(c)5〜12個の炭素原子を含有し、架橋されているか若しくは縮合しており、R4から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい二環式アミン;又はZ1とGとは一緒になって、【化27】

であることができ;
【0045】Wは(a)−CH2−;(b)−CH=CH−;(c)−O−;(d)−NR2−;(e)−S(O)n−;(f)
【化28】

(g)−CR2(OH)−;(h)−CONR2−;(i)−NR2CO−;(j)
【化29】

(式中、Sは飽和を意味する)
又は(k)−C≡C−であり;Rは水素又はC1−C6アルキルであり;R2とR3は独立的に(a)水素;又は(b)C1−C4アルキルであり;
【0046】R4は独立的に(a)水素;(b)ハロゲン;(c)C1−C6アルキル;(d)C1−C4アルコキシ;(e)C1−C4アシルオキシ;(f)C1−C4アルキルチオ;(g)C1−C4アルキルスルフィニル;(h)C1−C4アルキルスルホニル;(i)ヒドロキシ(C1−C4)アルキル;(j)アリール(C1−C4)アルキル;(k)−CO2H;(l)−CN;(m)−CONHOR;(n)−SO2NHR;(o)−NH2;(p)C1−C4アルキルアミノ;(q)C1−C4ジアルキルアミノ;(r)−NHSO2R;(s)−NO2;(t)−アリール;又は(u)−OHであり;R5とR6は独立的にC1−C8アルキルであるか、又は一緒になってC3−C10炭素環を形成し;
【0047】R7とR8は独立的に(a)フェニル;(b)飽和若しくは不飽和C3−C10炭素環;(c)−O−、−N−又は−S−から選択される2個までのヘテロ原子を含有するC3−C10複素環;(d)H;(e)C1−C6アルキルであるか;又は(f)R5若しくはR6と共に三員〜八員窒素含有環を形成する;R7とR8は線状又は環状形として、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ及びカルボキシから独立的に選択される3個までの置換基によって置換されてもよい;R7とR8とによって形成される環はフェニル環と縮合してもよく:eは0、1又は2であり;mは1、2又は3であり;nは0、1又は2であり;pは0、1、2又は3であり;qは0、1、2又は3である。
【0048】ハロとは、クロロ、ブロモ、ヨード若しくはフルオロを意味し、又はハロゲンとは、塩素、臭素、ヨウ素若しくはフッ素を意味する。アルキルとは、直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素を意味する。このようなアルキル基を例示するのは(指定された長さが特定の例を包含すると仮定して)、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルである。
【0049】アルコキシとはオキシを介して結合した直鎖又は分枝鎖飽和アルキルを意味する。このようなアルコキシ基を例示するのは(指定された長さが特定の例を包含すると仮定して)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ及びイソヘキソキシである。
【0050】命名に本明細書で用いられる挿入的なマイナス又はプラス符号は、特定の立体異性体によって偏光面が回転される方向を意味する。
【0051】米国特許第5,552,412号に同様に開示される、本発明の他の好ましい化合物は式(IA)で示される:【化30】

式中、Gは、【化31】

であり;R4はH、OH、F又はClであり;BとEは独立的にCH及びNから選択される。
【0052】組成物と方法のために特に好ましい本発明の化合物を次に挙げる:シス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;シス−1−[6’−ピロリジノエトキシ−3’−ピリジル]−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;シス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンと、これらの塩。(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オールの特に好ましい塩は酒石酸塩である。
【0053】他の好ましいエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは米国特許第5,047,431号に記載されている。これらの化合物の構造は下記式(II)によって示される:【化32】

上記式中、R1AとR2Aは同じ又は異なるものでもよい、但し、R1AとR2Aが同じものである場合には、それぞれはメチル又はエチル基であり、R1AとR2Aが異なるものである場合には、それらの一方はメチル又はエチル基であり、他方は水素又はベンジル基である;並びにこれらの製薬的に受容される塩及びプロドラッグも好ましい。
【0054】他の好ましいエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,536,516号に開示されるようなタモキシフェン:(エタンアミン、2−[−4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル、(Z)−2−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1))及び他の化合物;米国特許第4,623,660号に開示されるような4−ヒドロキシタモキシフェン(即ち、2−フェニル部分が4−位置にヒドロキシ基を有するタモキシフェン)及び他の化合物;米国特許第4,418,068号、第5,393,763号、第5,457,117号、第5,478,847号及び第5,641,790号に開示されるようなラロキシフェン:(メタノン、[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル][4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−,塩酸塩)及び他の化合物;米国特許第4,696,949号及び第4,996,225号に開示されるようなトレミフェン:(エタンアミン、2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ]−N,N−ジメチル−,(Z)−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1))及び他の化合物;米国特許第3,822,287号に開示されるようなセントクロマン:1−[2−[[4−(−メトキシ−2,2−ジメチル−3−フェニル−クロマン−4−イル)−フェノキシ]−エチル]−ピロリジン及び他の化合物;米国特許第4,839,155号に開示されるようなイドキシフェン:ピロリジン、1−[−[4−[[1−(4−ヨードフェニル)−2−フェニル−1−ブテニル]フェノキシ]エチル]及び他の化合物;米国特許第5,484,795号に開示されるような6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−ナフタレン−2−オール及び他の化合物;並びに公開された国際出願WO95/10513に開示されるような{4−[2−(2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−エトキシ]−フェニル}−[6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−メタノン及び他の化合物である。他の好ましい化合物はGW5638とGW7604を包含する。これらの化合物の合成はWillson等のJ.Med.Chem.,1994;37:1550−1552に開示されている。
【0055】他の好ましいエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストはEM−652(本明細書で式(III)として表示される式で示される)とEM−800(本明細書で式(IV)して表示される式で示される)を包含する。EM−652とEM−800の合成及び種々なエナンチオマーの活性はGauthier等のJ.Med.Chem.,1997;40:2117〜2122に記載されている。
【0056】
【化33】

【0057】他の好ましいエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストは米国特許第5,998,402号、米国特許第5,985,910号、米国特許第5,780,497号、米国特許第5,880,137号及びヨーロッパ特許出願EP0802183A1に開示されるTSE424及び他の化合物を包含し、以下の式VとVIとして本明細書に表示される式によって示される化合物:【0058】
【化34】

【0059】上記式中、R1BはH、OH、C1−C12エステル(直鎖若しくは分枝鎖)及びこれらのC1−C12(直鎖若しくは分枝鎖若しくは環状)アルキルエーテル及びハロゲン、並びにトリフルオロメチルエーテル及びトリクロロメチルエーテルを含めたC1−C4ハロゲン化エーテルから選択される;R2B、R3B、R4B、R5B及びR6BはH、OH、C1−C12エステル(直鎖若しくは分枝鎖)及びこれらのC1−C12アルキルエーテル(直鎖若しくは分枝鎖若しくは環状)、ハロゲン、及びトリフルオロメチルエーテルとトリクロロメチルエーテルとを含めたC1−C4ハロゲン化エーテル、シアノ、C1−C6アルキル(直鎖若しくは分枝鎖)並びにトリフルオロメチルから独立的に選択される;XAはH、C1−C6アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル及びハロゲンから選択される;sは2又は3であり;YAは、a)
【化35】

(式中、R7BとR8BはH、C1−C6アルキル、並びにCN、C1−C6アルキル(直鎖若しくは分枝鎖)、C16アルコキシ(直鎖若しくは分枝鎖)、ハロゲン、−OH、−CF3若しくは−OCF3によって置換されてもよいフェニルから選択される)で示される部分;
b)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい五員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;
c)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい六員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;
d)−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、−N=及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有し、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい七員飽和、不飽和若しくは部分的不飽和複素環;及びe)架橋又は縮合した、−O−、−NH−、−N(C1−C4アルキル)−、及び−S(O)u−(uは0〜2の整数である)から成る群から選択される2個までのヘテロ原子を含有する炭素数6〜12の二環状複素環であって、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アシルオキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONHR1B、−NH2、−N=、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO21B、−NHCOR1B、−NO2、及び1〜3個の(C1−C4)アルキルによって置換されてもよいフェニルから成る群から独立的に選択される1〜3個の置換基によって置換されてもよい前記二環状複素環から選択される;及び前記化合物の光学異性体と幾何異性体;並びに前記化合物の非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル、第4級アンモニウム塩及びプロドラッグを含む。
【0060】本発明のさらに好ましい化合物は上記一般構造式V又はVIにおいて、R1BがH、OH、C1−C12エステルとこれらのC1−C12アルキルエーテル及びハロゲンから選択され;R2B、R3B、R4B、R5B及びR6BがH、OH、C1−C12エステル及びこれらのアルキルエーテル、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル及びトリハロメチル、好ましくはトリフルオロメチルから独立的に選択される、但し、R1BがHであるときに、R2BはOHではない;XAがH、C1−C6アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル及びハロゲンから選択され;YAが、【化36】

[式中、R7BとR8BはH及びC1−C6アルキルから独立的に選択されるか、又は−(CH2w−(この場合、wは2〜6の整数である)と組み合わされて、環を形成し、この環は水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1−C4アルキル)、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、C1−C4ジアルキルアミノ、−NHSO2(C1−C4アルキル)、−NHCO(C1−C4アルキル)及び−NO2の群から選択される3個までの置換基によって置換されてもよい]で示される部分である化合物、及び前記化合物の光学異性体と幾何異性体;並びに前記化合物の非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル、第4級アンモニウム塩及びプロドラッグである。
【0061】連結した上記R7BとR8Bとによって形成される環は、非限定的に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンアミン又はヘプタメチレンアミン環を包含しうる。
【0062】上記構造式VとVIの最も好ましい化合物は、上記式においてR1BがOHであり;R2B〜R6Bが上記で定義した通りであり;XAがCl、NO2、CN、CF3又はCH3の群から選択され;YAが【化37】

であり、R7BとR8Bは−(CH2t−(この場合に、tは4〜6の整数である)として共に連結して、水素、ヒドロキシル、ハロ、C1−C4アルキル、トリハロメチル、C1−C4アルコキシ、トリハロメトキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、−CO2H、−CN、−CONH(C1−C4)アルキル、−NH2、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、−NHSO2(C1−C4)アルキル、−NHCO(C1−C4)アルキル及び−NO2の群から選択される3個までの置換基によって置換されてもよい環を形成する化合物;及び前記化合物の光学異性体と幾何異性体;並びに前記化合物の非毒性の薬理学的に受容される酸付加塩、N−オキシド、エステル、第4級アンモニウム塩及びプロドラッグである。
【0063】他の好ましい化合物は下記式(Va)として本明細書に表示される式によって示されるTSE−424である:【化38】

【0064】通常の技術を有する化学者は、本発明のある一定の化合物が特定の立体化学的、互変異性体的又は幾何学的配置でありうる1つ以上の原子を含有して、立体異性体、互変異性体及び立体配置異性体を生じることを理解するであろう。このような異性体とそれらの混合物との全ては本発明に含まれる。本発明の化合物の水和物も含まれる。
【0065】2種類以上のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを投与することも、本発明の一部である。さらに、エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト又はエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの組み合わせを、他の治療的に有効な化合物、特に慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷又は白内障を治療するために用いられる化合物と共に投与することができる。異なる化合物を同じ投与形で又は異なる投与形で同時に又は異なる時点において投与することができる。
【0066】本発明はまた、1つ以上の原子が天然に通常見出される原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子によって置換されているという事実を除いて、式Iに列挙した化合物と同じである同位体標識化合物をも包含する。本発明の化合物に組み込まれることができる同位体の例は、例えば、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体を包含する。上記同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ及び前記化合物又は前記プロドラッグの製薬的に受容される塩も本発明の範囲内である。本発明のある一定の同位体標識化合物、例えば3H及び14Cのような放射性同位体が組み込まれる化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化即ち3Hと炭素−14、即ち14C同位体は、それらの製造の容易さと検出可能性とのために特に好ましい。さらに、例えばジュウテリウム、即ち2Hのような重い同位体による置換は、大きい代謝安定性、例えばin vivo半減期の増加又は必要投与量の減少に起因する、ある一定の治療利益を与えることができるので、ある状況では好ましいと考えられる。本発明の同位体標識式I化合物とそれらのプロドラックは一般に、米国特許第5,552,412号に略述及び/又は例示された方法を実施し、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって製造することができる。
【0067】アクセス可能なヒドロキシ基を有する生理的活性化合物が製薬的に受容されるエステルの形態でしばしば投与されることを、製薬化学者は容易に認識するであろう。このような化合物(例えば、エストラジオール)に関する文献は、このようなエステルの非常に多くの例を提供する。本発明の化合物はこれに関して例外ではなく、製薬化学に熟練した人が丁度予想するように、ヒドロキシ基に形成されたエステルとして効果的に投与されることができる。このようなエステルが体内で代謝によって開裂して、遊離ヒドロキシ基を有する化合物を生じることが考えられる。製薬化学において長い間知られてきたように、エステル基の適当な選択によって化合物の作用速度又は作用期間を調節することが可能である。
【0068】本発明の化合物の構成成分として、ある一定のエステル基が好ましい。式I又はIA化合物は本明細書において上記で定義したように種々な位置においてエステル基を含有することができ、これらの基は−COOR9として表され、R9はC1−C14アルキル、C1−C3クロロアルキル、C1−C3フルオロアルキル、C5−C7シクロアルキル、フェニル、又はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、クロロ、フルオロ若しくはトリ(クロロ若しくはフルオロ)メチルによって一置換若しくは二置換されたフェニルである。
【0069】本発明の化合物の製薬的に受容される酸付加塩は化合物自体から又は任意のそのエステルから形成されることができ、製薬化学においてしばしば用いられる製薬的に受容される塩を包含する。例えば、塩は、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルホン酸(例えばナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸及びトルエンスルホン酸のような作用剤を包含する)、硫酸、硝酸リン酸、酒石酸、ピロ硫酸、メタリン酸、コハク酸、ギ酸、フタル酸、乳酸等のような、無機酸又は有機酸によって形成されることができ、最も好ましくは、塩酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、酢酸及びプロピオン酸によって形成される。
【0070】上記で定義したような、本発明の化合物は酸付加塩として投与することができる。これらの塩は、有機化学において通例であるように、本発明の化合物を上記で定義したような適当な酸と反応させることによって便利に形成される。これらの塩は中程度の温度において高い収率で迅速に形成され、しばしば、合成の最終工程としての適当な酸洗浄から化合物を単に単離することによって製造される。塩形成酸を例えばアルカノール、ケトン又はエステルのような適当な有機溶媒又は水性有機溶媒中に溶解する。他方では、遊離塩基形の本発明の化合物が望ましい場合には、通常の実施に従って、塩基性最終洗浄工程から化合物を単離する。塩酸塩を製造するための好ましい方法は、遊離塩基を適当な溶媒中に溶解し、この溶液をモレキュラーシーブ上でのように完全に乾燥させてから、それに通して塩化水素ガスをバブルさせることである。本発明の好ましい塩はD‐(‐)‐酒石酸塩である。
【0071】ヒトに投与するための本発明の化合物の投与量はかなり広範囲に変動し、主治医の判定を受ける。本発明の化合物を、例えば塩形成部分がかなりの分子量を有するラウリン酸塩のような塩として投与する場合には、化合物の投与量を調節する必要がありうることに注目すべきである。化合物の有効投与速度の一般的な範囲は、約0.001mg/日〜約100mg/日である。好ましい速度範囲は約0.01mg/日〜10mg/日である。もちろん、化合物の1日量を数回分に分けて1日の種々な時間に投与することがしばしば実際的である。しかし、如何なる特定の場合にも、化合物の投与量は例えば有効成分の溶解度、用いられる製剤及び投与経路のような要因に依存する。
【0072】本発明の化合物の投与経路は決定的ではない。これらの化合物は消化管から吸収されることが知られているので、便利さの理由から化合物を経口投与することが通常好ましい。しかし、化合物を経皮投与することも又は特定の場合に望ましいならば、直腸によって吸収するために座薬として投与することも同様に効果的でありうる。錠剤、チュワブル(chewable)錠剤、カプセル剤、溶液非経口溶液、トローチ、座薬及び懸濁液を含めた、組成物の通常のタイプの全てを用いることができる。単一錠剤若しくはカプセル剤又は便利な液体量でありうる投与量単位に1日投与量又は1日投与量の便利な画分(fraction)を含有するように製剤化される。
【0073】一般に、組成物の全ては製薬化学において通常用いられる方法によって及び米国特許第5,552,412号に略述及び/又は例示される方法によって製造される。カプセル剤は、化合物を適当な希釈剤と混合して、混合物の適当量をカプセルに充填することによって製造される。通常用いられる希釈剤は、例えば、多くの異なる種類の澱粉、粉状セルロース、特に結晶質及び微結晶質セルロース、糖(例えば、フルクトース、マンニトール及びスクロース)、穀粉及び同様な食用粉末のような、不活性な粉状物質を包含する。
【0074】錠剤は、直接圧縮によって、湿式造粒によって又は乾式造粒によって製造される。これらの製剤は通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤を化合物と共に組み込む。典型的な希釈剤は、例えば、種々なタイプの澱粉、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム若しくは硫酸カルシウム、例えば塩化ナトリウムのような無機塩及び粉糖を包含する。粉状セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤は例えば澱粉、ゼラチン及び糖(例えばラクトース、フルクトース、グルコース等)のような物質である。アラビアゴム、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジン等を含めた、天然ガム及び合成ガムも便利である。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスも結合剤として役立つことができる。
【0075】滑沢剤は、錠剤とパンチがダイに粘着するのを防止するために、錠剤製剤中に必要であると考えられる。滑沢剤は例えばタルク、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及び水素化植物油のような、滑りやすい固体から選択される。
【0076】錠剤崩壊剤は、錠剤が濡れたときに、錠剤の崩壊を促進して化合物を放出させる物質である。崩壊剤は澱粉、粘土、セルロース、アルギン及びガムを包含し、より詳しくは、例えば、トウモロコシ澱粉とジャガイモ澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉状天然スポンジ、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラス・パルプ(citrus pulp)及びカルボキシメチルセルロースが、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に使用可能である。
【0077】錠剤はしばしば、フレーバー及びシーラントとしての糖によって、又は錠剤の溶解性を修飾するためのフィルム形成保護剤によって被覆される。化合物は、現在当該技術分野において定着しているように、例えばマンニトールのような好ましい味の物質の多量を製剤に用いることによって、チュワブル錠剤として製剤化することもできる。
【0078】化合物を座薬として投与することが望ましい場合には、典型的な基剤を用いることができる。カカオ脂が伝統的な座薬基剤であり、これはワックスの添加によって融点をやや高めるように修飾することができる。特に、種々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性座薬基剤が広く用いられている。
【0079】化合物の効果を適当な製剤によって遅延又は延長させることができる。例えば、化合物の持続溶解性ペレットを製造して、錠剤又はカプセル剤に組み入れることができる。数種類の異なる溶解速度のペレットを製造して、ペレットの混合物をカプセルに充填することによって、この方法を改良することができる。錠剤又はカプセル剤を、予測可能な期間溶解に耐えるフィルムで被覆することができる。非経口製剤さえも、化合物を血清中に徐々にのみ分散させる油性又は乳化ビヒクル中に化合物を溶解又は懸濁させることによって、持続作用性にすることができる。
【0080】“プロドラッグ”なる用語は、in vivoで変換して、本発明の化合物を生じる化合物を意味する。トランスフォーメーションは例えば血液中での加水分解によるような、種々な機構によって生じうる。プロドラッグの使用についての良好な考察はT.HiguchiとW.Stella,“新規な投与系としてのプロドラッグ”,A.C.S.Symposium Seriesの14巻と、Bioreversible Carriers in Drug Design,Edward B.Roche編集,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987によって与えられる。
【0081】例えば、本発明の化合物がカルボン酸官能基を含有する場合には、プロドラッグは酸基の水素原子の、例えば(C1−C8)アルキル、(C2−C12)アルカノイルオキシメチル、炭素数4〜9の1−(アルカノイルオキシ)エチル、炭素数5〜10の1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)エチル、炭素数3〜6のアルコキシカルボニルオキシメチル、炭素数4〜7の1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素数5〜8の1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、炭素数3〜9のN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、炭素数4〜10の1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1−C2)アルキルアミノ(C2−C3)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C1−C2)アルキル、N,N−ジ(C12)アルキルカルバモイル−(C1−C2)アルキル及びピペリジノ−、ピロリジノ−又はモルホリノ(C2−C3)アルキルのような基による置換によって形成されるエステルを含むことができる。
【0082】同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合には、プロドラッグはアルコール基の水素原子の、例えば(C1−C6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1−C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1−C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1−C6)アルカノイル、α−アミノ(C1−C4)アルカノイル、アリールアシル及びα−アミノアシル又はα−アミノアシル−α−アミノアシル(この場合、各α−アミノアシル基は天然生成L−アミノ酸から独立的に選択される)、P(O)(OH)2、−P(O)(O(C1−C6)アルキル)2又はグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形のヒドロキシル基の除去から生成するラジカル)のような基による置換によって形成されることができる。
【0083】本発明の化合物がアミン官能基を含む場合には、プロドラッグはアミン基の水素原子の、例えばRX−カルボニル、RXO−カルボニル、NRXX'−カルボニル(この場合、RXとRX'はそれぞれ独立的に(C1−C10)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、ベンジルであるか、又はRX−カルボニルは天然α−アミノアシル若しくは天然α−アミノアシル−天然α−アミノアシルである)、−C(OH)C(O)OYX(この場合、YXはH、(C1−C6)アルキル若しくはベンジルである)、−C(OYX0)YX1(この場合、YX0は(C1−C4)アルキルであり、YX1は(C1−C6)アルキル、カルボキシ(C1−C6)アルキル、アミノ(C1−C4)アルキル又はモノ−N−若しくはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノアルキルである)、−C(YX2)YX3(この場合、YX2はH若しくはメチルであり、YX3はモノ−N−若しくはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン−1−イル又はピロリジン−1−イルである)のような基による置換によって形成されることができる。
【0084】本明細書で用いる限り、“有効量”なる用語は、前記病的な状態の症状を治療することができる本発明の方法の化合物量を意味する。本発明によって投与される化合物の特定の投与量はもちろん、例えば投与される化合物、投与経路、対象の現在の状態、及び治療すべき病的状態の重症度を含めた、症例を囲む特定の状況によって決定される。
【0085】皮膚のしわの治療のためには、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの好ましい投与方法は局所塗布による方法である。本発明の局所薬剤及びコスメティック組成物は広範囲な製品型に製造することができる。これらの製品型は、非限定的に、ローション、クリーム、ビーチオイル、ゲル、スティック、スプレイ、軟膏、ペースト、ムース及びコスメティック類を包含する。これらの製品型は、非限定的に溶液、エマルジョン、ゲル及び固体を含めた、幾つかのタイプのキャリヤー系を含むことができる。溶液として製剤化された本発明による局所薬剤及びコスメティック組成物は典型的に、製薬的に受容される水性又は有機溶媒を包含する。“製薬的に受容される水性溶媒”と“製薬的に受容される有機溶媒”なる用語は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストをその中に溶解させることができ、許容される安全性(例えば、刺激状態及び感作特性)を有する溶媒を意味する。これらの溶液は約0.00001%〜約20%、より好ましくは約0.001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、約80%〜約99.999%、より好ましくは約90%〜約99.9%の許容される水性又は有機溶媒とを含有する。本発明の局所薬剤及びコスメティック組成物がエーロゾルとして製剤化され、皮膚にスプレイ−オン(spray-on)として施用される場合には、溶液組成物に噴射剤が加えられる。本発明に有用な噴射剤の例は、非限定的に、塩素化、フッ素化及びクロロフッ素化低分子量炭化水素を包含する。本発明に有用な噴射剤についてのより完全な開示はSagarin,Cosmetics Science and Technology,第2版,2巻,443−465頁(1972)に見出すことができる。本発明の局所薬剤及びコスメティック組成物はさらに約2%〜約50%の局所製薬的及びコスメティック的に受容される皮膚緩和薬(emollient)を含む。本明細書で用いる限り、“皮膚緩和薬”は乾燥の防止若しくは軽減又は皮膚の保護に用いられる物質を意味する。非常に広範囲な、適当な皮膚緩和薬が知られ、本発明に用いることができる。Sagarin,osmetics Scienceand Technology,第2版,1巻,32−43頁(1972)は適当な物質の非常に多くの例を含有する。有用な皮膚緩和薬のクラスの例は下記を包含する:【0086】1.炭化水素オイル及びワックス。例は無機油、ペトロラタム、パラフィン、セレシン(ceresin)、オゾケライト(ozokerite)、微結晶質ワックス、ポリエチレン及びペルヒドロスクアレンを包含する。
2.シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、水溶性及びアルコール溶解性シリコーングリコールコポリマー。
3.トリグリセリド・エステル類、例えば植物性及び動物性脂肪及び油。例はひまし油、紅花油、綿実油、コーンオイル、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボガド油、パーム油、胡麻油及び大豆油を包含する。
4.アセトグリセリド・エステル類、例えばアセチル化モノグリセリド。
5.エトキシル化グリセリド類、例えばエトキシル化グリセリルモノステアレート。
【0087】6.炭素数10〜20の脂肪酸のアルキルエステル。脂肪酸のメチル、イソプロピル及びブチルエステルが本発明に特に有用である。他の有用なアルキルエステルの例は、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソヘキシルアジペート、ジヘキシルデシルアジペート、ジイソプロピルセバケート、ラウリルラクテート、メリスチルラクテート及びセチルラクテートを包含する。
【0088】7.炭素数10〜20の脂肪酸のアルケニルエステル。例はオレイルミリステート、オレイルステアレート及びオレイルオレエートを包含する。
8.炭素数10〜20の脂肪酸。適当な例はペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸及びエルカ酸を包含する。
【0089】9.炭素数10〜20の脂肪アルコール。ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、ベヘニルアルコール及びエルシルアルコール並びに2−オクチルドデカノールが満足できる脂肪アルコールの例である。
10.脂肪アルコールエーテル類。炭素数10〜20のエトキシル化脂肪アルコールは、それに結合した1〜50エチレンオキシド基又は1〜50プロピレンオキシド基を有する、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール及びコレステロール・アルコールを包含する。
【0090】11.エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテル−エステル類。
12.ラノリンと誘導体。ラノリン、ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、イソプロピルラノレート、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリンアルコール・リノレエート、ラノリンアルコール・レシノレエート、ラノリンアルコール・レシノレエートのアセテート、ラノリンアルコール・レシノレエートのアセテート、エトキシル化アルコールエステルのアセテート、ラノリンの水素化分解、エトキシル化水素化ラノリン、エトキシル化ソルビトール・ラノリン、並びに液体及び半固体のラノリン吸収塩基(lanolin absorption bases)がラノリン由来の皮膚緩和薬の具体例である。
【0091】13.多価アルコールとポリエーテル誘導体。プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール2000と4000、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、エトキシル化ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチレングリコール200〜6000、メトキシポリエチレングリコール350,550,750,2000及び5000、ポリ[エチレンオキシド]ホモポリマー(100,000〜5,000,000)、ポリアルキレングリコールと誘導体、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトヘキサジオールUSP(2−エチル、3−ヘキサンジオール)、C15−C18ビシナルグリコール、及びトリメチロールプロパンのポリオキシプロピレン誘導体がこの場合の物質の例である。
【0092】14.多価アルコールエステル類。エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200〜6000)モノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ−脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、本発明に用いるための満足できる多価アルコールエステルである。
【0093】15.例えばみつろう、鯨ろう、ミリスチルミリステート及びステアリルステアレートのようなワックスエステル類。
16.例えばポリオキシエチレンソルビトールみつろうのようなみつろう誘導体。これらは、みつろうと、種々なエチレンオキシド含量のエトキシル化ソルビトールとの反応生成物であり、エーテル−エステル類の混合物を形成する。
17.カルナウバワックスとカンデリラ・ワックスとを包含する植物性ワックス。
【0094】18.例えばレシチンと誘導体のようなリン脂質。
19.ステロール類。コレステロールと、コレステロール脂肪酸エステルとがこの例である。
20.例えば脂肪酸アミド、エトキシル化脂肪酸アミド及び固体脂肪酸アルカノールアミドのようなアミド類。
【0095】皮膚コンディショニングを与える特に有用な皮膚緩和薬はグリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、乳酸とその塩、尿素、ピロリドンカルボン酸とその塩、アミノ酸、グアニジン、ジグリセロール及びトリグリセロールである。ローションは溶液キャリヤー系から製造することができる。ローションは典型的に約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと;約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約10%の皮膚緩和薬と;約50%〜約90%、好ましくは約60%〜約80%の水とを含む。溶液キャリヤー系から製剤化されうる他のタイプの製品はクリームである。本発明のクリームは約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと;約5%〜約50%、好ましくは約10%〜約20%の皮膚緩和薬と;約45%〜約85%、好ましくは約50%〜約75%の水とを含む。溶液キャリヤー系から製剤化されうるさらに他のタイプの製品は軟膏である。軟膏は動物油若しくは植物油又は半固体炭化水素(油性)の単純基剤(simple base)を含みうる。軟膏はまた、水を吸収してエマルジョンを形成する吸収性軟膏基剤をも含むことができる。軟膏キャリヤーは水溶性であることも可能である。軟膏はさらに、約2%〜約10%の皮膚緩和薬を、約0.1%〜約2%の増粘剤(thickening agent)と共に含むことができる。適当な増粘剤の例は:セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロース)、合成高分子量ポリマー(例えば、カルボキシビニルポリマーとポリビニルアルコール)、植物ヒドロコロイド(例えば、カラヤガムとトラガントガム)、粘土増粘剤(例えば、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウムとベントナイト)、及びカルボキシビニルポリマー(CARBOPOLS(登録商標);B.F.Goodrich Companyによって販売、このようなポリマーは米国特許第2,798,053号、Brown、1975年7月2日発行に詳述されている)を包含する。本発明に有用な増粘剤についてのさらに完全な開示は、Sagarin,Cosmetics Science and Technology,第2版,1巻,72−73頁(1972)に見出すことができる。キャリヤーがエマルジョンとして製剤化される場合には、キャリヤー系の約1%〜約10%、好ましくは約2%〜約5%は乳化剤を含む。乳化剤は非イオン性、アニオン性又はカチオン性であることができる。適当な乳化剤は例えばMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,317−324頁(1986)に開示されている。好ましい乳化剤はアニオン性又は非イオン性であるが、他のタイプも用いることができる。
【0096】ローションとクリームはエマルジョン並びに溶液として製剤化されることができる。典型的に、このようなローションは、約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.0001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと;約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約10%の皮膚緩和薬と;約25%〜約75%、好ましくは約45%〜約95%の水と;約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%の乳化剤とを含む。このようなクリームは、典型的に、約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.0001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと;約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約10%の皮膚緩和薬と;約20%〜約80%、好ましくは約30%〜約70%の水と;約1%〜約10%、好ましくは約2%〜約5%の乳化剤とを含む。
【0097】水中油型及び油中水型の単純エマルジョンスキンケア製剤、例えば、ローション及びクリームは、コスメチック業界において周知であり、本発明に有用である。多相エマルジョン組成物、例えば水中油中水型もまた、本発明に有用である。一般的にこのような単純又は多相エマルジョンは、本質的な成分として、水、皮膚緩和薬及び乳化剤を含む。シリコン流体中水中油エマルジョン組成物を含む三重エマルジョンキャリヤー系もまた、本発明に有用である。
【0098】本発明の局所製薬及びコスメチック組成物に有用である他のエマルジョンキャリヤー系はマイクロエマルジョンキャリヤー系である。このような系は、好ましくは、約9%〜約15%のスクアレンと;約25%〜約40%のシリコーン油と;約8%〜約20%の脂肪アルコールと;約15%〜約30%のポリオキシエチレンスルビタンモノ脂肪酸(商標名Tweensとして商業的に入手可能)又は他の非イオン性剤と;約7%〜約20%の水とを含む。このキャリヤー系は、約0.00001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと一緒にする。
【0099】本発明の局所製薬及びコスメチック組成物がゲル又はコスメチックスチックとして製剤化される場合には、上記のような増粘剤の適当量を、クリーム又はローション製剤に加える。本発明の局所製薬的及びコスメチック的組成物は、メーキャップ製品、例えばファンデーションとしても製剤化することができる。ファンデーションは、適当量の増粘剤、顔料及びフレグランスを有する、溶液又はローションベースである。本発明の局所製薬及びコスメチック組成物は、上記成分の他に、局所組成物に慣用的に使用される多様な他の油溶性物質及び/又は水溶性物質をそれらの確立されたレベルで含有することができる。多様な水溶性物質もまた、本発明の組成物中に存在することができる。これらは、保湿剤、例えば、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、アルコキシル化グルコース及びヘキサントリオール、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、植物性ガム及び粘土、例えばVEEGUM(登録商標)(ケイ酸アルミニウムマグネシウム、R.T.Vanderbilt社);タンパク質及びポリペプチド、保存剤、例えば、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピル及びブチルエステル(Parabens(登録商標−Mallinckrodt Chemical社)、EDTA、メチルイソチアゾリノン及びイミダゾリジニル尿素(Germall 115(登録商標)−SuttonLaboratories);及び必要な場合には、存在しうる脂肪酸又は増粘剤の一部を中和するためのアルカリ剤、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを包含する。さらに、本発明における局所組成物は、慣用的なコスメチック補助剤、例えば、染料、不透明剤(例えば、二酸化チタン)、顔料及び香料を含有することができる。本発明の局所製薬及びコスメチック組成物は、安全で有効な量の浸透強化剤も含有することができる。浸透強化剤の好ましい量は、組成物の約1%〜約5%である。他の慣用的なスキンケア製品添加剤もまた、本発明の組成物中に含有することができる。例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、加水分解物、プリムローズ油、ホホバ油、上皮増殖因子、大豆サポニン、ムコ多糖類、及びこれらの混合物を用いることができる。種々なビタミンも本発明の組成物中に含有することができる。例えば、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB2、ビオチン、パントテン酸、ビタミンD及びその混合物を用いることができる。
【0100】エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストはまた、抗しわ皮膚清浄組成物に加えることができる。本発明の皮膚清浄組成物は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの他に、コスメチック的に許容可能な界面活性剤を含む。”コスメチック的に許容可能な界面活性剤”なる用語は、有効な皮膚清浄剤であるだけでなく、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしに用いることができる界面活性剤を意味する。さらに、界面活性剤は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、哺乳動物の皮膚のしわを治療する組成物の効力を実質的に減ずるような相互作用がないようなやり方で混合することができる。本発明の皮膚清浄組成物は、約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.0001%〜約10%の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、約1%〜約90%、好ましくは約5%〜約10%のコスメチック的に許容可能な界面活性剤とを含む。皮膚清浄組成物の物理的形態は重要ではない。この組成物は、例えば、トイレットバー(toilet bar)、リキッド、ペースト又はムースとして製剤化することができる。トイレットバーは、皮膚を洗浄するために最も一般に用いられる清浄剤の形なので最も好ましい。本発明の組成物の界面活性剤成分は、アニオン、非イオン、双性イオン、両性イオン、両性電解質(ampholytic)界面活性剤、並びにこれらの界面活性剤の混合物から選択される。このような界面活性剤は、洗浄剤技術分野の当業者に周知である。本発明の清浄組成物は、任意に皮膚清浄組成物に慣用的に用いられる物質を、それらの業界で確立されたレベルで含有することができる。
【0101】”コスメチック的に許容可能な”ビヒクル及び製剤は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしに用いることができるビヒクル及び製剤を意味する。さらに、ビヒクル及び製剤は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、哺乳動物の皮膚のしわを治療する組成物の効力を実質的に減ずるような相互作用がないようなやり方で混合することができるべきである。
【0102】皮膚のしわを治療するための他の皮膚ケア製品は、有効成分の組み合わせを含有することができる。このような組み合わせは以下のものを包含する:A.サンスクリーン及びサンブロック: U.V.光への暴露から生じる皮膚しわの最適の制御は、本発明の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストとサンスクリーン又はサンブロックとの組み合わせを用いることによって得ることができる。有用なサンブロックは例えば酸化亜鉛及び二酸化チタンを包含する。光損傷は皮膚のしわの主要な原因である。したがって、しわ予防のために、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストとUVA及び/又はUVBサンスクリーンとの組み合わせが最も望ましいと考えられる。本発明の組成物にサンスクリーンを含めることは、急性UV損傷に対する直接の保護を与える。したがって、サンスクリーンはUV照射によって惹起される、さらなるしわ形成を予防し、抗しわ剤は既存のしわと皮膚萎縮とを治療する。多様な慣用的なサンスクリーン剤が抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて用いるために適切である。Segarin等は、Cosmetics Science and TechnologyのVIII章、189頁以降に非常に多くの適当な作用剤を開示している。特定の適当なサンスクリーン剤は例えばp−アミノ安息香酸、その塩及びその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニレート(即ち、o−アミノベンゾエート;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル及びシクロヘキセニルエステル);サリチレート(アミル、フェニル、ベンジル、メンチル、グリセリル、及びジプロピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メチル及びベンジル誘導体、α−フェニルシンナモニトリル、ブチルシンナモイルピルベート);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセトウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、及びグルコシド類、エスクリンとダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトンとベンザルアセトフェノン;ナフトールスルホネート類(2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のナトリウム塩と、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシナフトエ酸とその塩;o−及びp−ヒドロキシビフェニルジスルホネート類(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール類(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、種々なアリールベンゾチアゾール);キニン塩(硫酸水素塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩及びタンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩、2−フェニルキノリン);ヒドロキシ−又はメトキシ−置換ベンゾフェノン;尿酸とビロ尿酸;タンニン酸とその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルボトール)(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン類(オキシベンゼン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’,4,4’テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン);4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;並びに4−イソプロピルジベンゾイルメタンを包含する。製剤の所望のサンスクリーン特性を最適化するために、サンスクリーン化合物の混合物を用いることができる。サンスクリーンの安全で有効な量を本発明の組成物中に用いることができる。サンスクリーン剤は抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと相容性でなければならない。一般に、組成物は約1%〜約20%、好ましくは約2%〜約10%のサンスクリーン剤を含むことができる。正確な量は選択されたサンスクリーンと所望のサン・プロテクション・ファクター(SPF)とに依存して変動する。本発明の組成物のいずれかに、これらの組成物の皮膚存在性を改良するために、特に水による洗い流し又はこすり落としに対する耐性を強化するために作用剤を加えることもできる。
【0103】B.抗炎症薬: 本発明の好ましいしわ治療用組成物には、抗炎症薬が抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含される。抗炎症薬を含めることは、組成物のしわ治療効果を強化する。抗炎症薬はUVA照射範囲を強力に保護し(ある程度のUVB保護も与えるが)、それによってUV照射によって惹起されるさらなるしわ形成を防止し、同時に抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが既存のしわを治療する。したがって、この組み合わせは広範囲な保護を与える。抗炎症薬の局所使用はUV照射への慢性的暴露に起因する皮膚の光老化を軽減する。抗炎症薬の安全で有効な量を本発明の組成物に、組成物の好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%で加えることができる。組成物中への抗炎症薬の正確な使用量は、このような抗炎症薬は効力が広範囲に変動するので、用いられる特定の抗炎症薬に依存する。ステロイド系抗炎症薬は、非限定的に、コルチコステロイド類、例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド(desonide)、デスオキシメタゾン、酢酸デスオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、ジフロラゾン・二酢酸、ジフルコルトロン・吉草酸、フルラドレノロン、フルクロロロン・アセトニド、フルドロコルチゾン、フルメタゾン・ピバル酸、フルオシノロン・アセトニド、フルオシノニド、フルコルチン・ブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)酢酸、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン・アセトニド、コニゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、ジフルオロゾン・二酢酸、フルアドレノロン・アセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アミシナフィド、ベタメタゾンとそのエステルの残部(the balance of its esters)、クロロプレドニゾン、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン、クレスシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドネート(difluprednate)、フルクロロニド、フルニゾリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン・吉草酸、ヒドロコルチゾン・シクロペンチルプロピオン酸、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ベクロメタゾン・ジプロピオン酸、トリアムシノロン並びにこれらの混合物を包含し、使用可能である。
【0104】本発明の組成物に有用である抗炎症薬の第2クラスは非ステロイド系抗炎症薬を包含する。このグループに包含される多様な化合物は当業者に周知である。非ステロイド系抗炎症薬の化学構造、合成、副作用等の詳細な開示に関しては、Anti−inflammatory and Anti−RheumaticDrugs,K.D.Rainsford,I−III巻,CRC Press,Boca Raton(1985)と、Anti−inflammatoryAgents,Chemistry and Pharmacology,1,R.A.Scherrer等,Academic Press,New York(1974)を含めた、標準テキストを参照することができる。本発明の組成物に有用な特定の非ステロイド系抗炎症薬は、非限定的に、1)オキシカム類、例えばピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム及びスドキシカム;2)サリチレート類、例えばアスピリン、ジサルシド、ベノリラート(benorylate)、トリリセート(trilisate)、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサール及びフェンドサール;3)酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパック(isoxepac)、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン(acematacin)、フェンチアザク、ゾメピラクト、クリダナク、オキセピナク及びフェルビナク;4)フェナメート類、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸;5)プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン及びチアプロフェニク(tiaprofenic);及び6)ピラゾール類、例えばフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン及びトリメタゾンを包含する。これらの非ステロイド系抗炎症薬の混合物も、これらの抗炎症薬の製薬的に受容される塩及びエステルと同様に、使用可能である。例えば、エトフェナメート、フルフェナム酸誘導体は局所施用のために特に有用である。非ステロイド系抗炎症薬のうちでも、イブプロフェン、ナプロキセン、フルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、ピロキシカム及びフェルビナクが好ましく;イブプロフェン、ナプロキセン及びフルフェナム酸が最も好ましい。本発明に有用であるさらに他のクラスの抗炎症薬は米国特許第4,912,248号、Mueller、1990年5月27日発行に開示される抗炎症薬である。この特許は、2つ以上のキラル中心を有する、特定の2−ナフチル含有エステル化合物、特にナプロキセンエステル及びナプロキソールエステル化合物の、化合物とジアステレオマー混合物とを開示する。例えば、(S)−ナプロキセン−(S)−2−ブチルエステル、(S)−ナプロキセン−(R)−2−ブチルエステル、(S)−ナプロキソール−(R)−2−メチルブチレート、(S)−ナプロキソール−(S)−2−メチルブチレートから選択される化合物、(S)−ナプロキセン−(S)−2−ブチルエステルと(S)−ナプロキセン−(R)−2−ブチルエステルとのジアステレオマー混合物、及び(S)−ナプロキソール−(R)−2−メチルブチレートと(S)−ナプロキソール−(S)−2−メチルブチレートとのジアステレオマー混合物が本発明に有用である。最後に、いわゆる“天然”抗炎症薬も本発明に有用である。例えば、カンデリラ・ワックス、α−ビサボロール、アロエベラ、Manjistha(Rubia属の植物、特にRubia cordifoliaから抽出)及びGuggal(Commiphora属の植物、特にCommiphoramukulから抽出)が使用可能である。本発明の他の好ましい組成物は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト、サンスクリーン及び抗炎症薬をしわ治療のために一緒に含む。
【0105】C.アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャー: 本発明の好ましいしわ治療用組成物には、アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーが抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含される。アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーを含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーの安全で有効な量を本発明の組成物に、組成物の好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%で加えることができる。例えばアスコルビン酸(ビタミンC)とその塩、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロール・ソルビン酸、トコフェロールの他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸とそれらの塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商品名Trolox(登録商標)で商業的に入手可能)、没食子酸とそのアルキルエステル、特にプロピルガレート、尿酸とその塩及びアルキルエステル、ソルビン酸とその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、並びにジヒドロキシフマル酸及びその塩のようなアンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーが使用可能である。本発明の好ましいしわ治療用組成物では、組成物は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含されるサンスクリーン剤、抗炎症薬及び/又はアンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーの1種類、任意の2種類又は3種類の全てを含む。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共にこれらの作用剤の2種類又は3種類全てを含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。
【0106】D.キレート化剤: 本発明の好ましいしわ治療用組成物には、キレート化剤が抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含される。本明細書で用いる限り、“キレート化剤”は、金属イオンが化学反応に容易に参加する又は化学反応を触媒することができないように錯体を形成することによって系から金属イオンを除去することができる活性剤を意味する。キレート化剤を含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。キレート化剤の安全で有効な量を本発明の組成物に組成物の好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%で加えることができる。本発明の組成物に有用な好ましいキレート化剤はフリルジオキシムとその誘導体、より好ましくはアンフィ−2−フリルジオキシム(amphi-2-furildioxime)である。本発明の好ましいしわ及び萎縮治療用組成物では、組成物は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含されるサンスクリーン剤、抗炎症薬、アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャー及び/又はキレート化剤のうちの1種類、任意の2種類、任意の3種類又は4種類全てを含む。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共にこれらの活性剤の2種類、3種類又は4種類を含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。
【0107】E.レチノイド: 本発明の好ましいしわ及び萎縮治療用組成物には、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として、レチノイド、好ましくはレチノイン酸が包含される。レチノイドを含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。レチノイドの安全で有効な量を本発明の組成物に組成物の好ましくは約0.001%〜約2%、より好ましくは約0.01%〜約1%で加えることができる。本明細書で用いる限り、“レチノイド”はビタミンAの全ての天然及び/又は合成類似体又は皮膚においてビタミンAの生物学的活性を有するレチノール様化合物並びにこれらの化合物の幾何異性体と立体異性体、例えば全てのトランス−レチノイン酸と13−シス−レチノイン酸を包含する。
【0108】F.N−アセチル−L−システイン: 本発明の好ましい抗しわ組成物には、N−アセチル−L−システイン(NAC)が活性剤として抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に包含される。NACを含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。NACの安全で有効な量を本発明の組成物に組成物の好ましくは約0.1%〜約50%で加えることができる。本発明の好ましい抗しわ組成物では、組成物は抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共に活性剤として包含されるサンスクリーン剤、抗炎症薬、アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャー、キレート化剤、レチノイド及び/又はNACのうちの1種類、任意の2種類、任意の3種類、任意の4種類、任意の5種類及び/又は6種類の全てを含む。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと共にこれらの作用剤の2、3、4、5又は6種類を含めることは、組成物のしわ治療効果を高める。
【0109】哺乳動物皮膚におけるしわ治療方法: 本発明はさらに、哺乳動物皮膚におけるしわ治療方法に関する。このような方法は、有効量の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストによって皮膚を治療することを含む。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの量と、治療頻度とは対象に既に存在するしわのレベル、さらなるしわの形成速度及び所望の制御レベルに依存して広範囲に変動する。皮膚の好ましい治療方法は、哺乳動物皮膚のしわを治療するための安全で有効な量の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを皮膚から注射することである。抗しわ剤の注射投与のためのキャリヤーは好ましくは水又は生理食塩溶液を含む。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの量と皮膚注射の頻度とは、個人的必要性に依存して広範囲に変動しうる。
【0110】皮膚のさらに好ましい治療方法は、哺乳動物皮膚のしわを治療するための安全で有効な量の抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの局所施用である。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの量と、皮膚への局所施用頻度とは個人的必要性に依存して広範囲に変動しうるが、局所施用頻度が約1回/週〜約10回/日、好ましくは約2回/週〜約4回/日、より好ましくは約3回/週〜約2回/日、最も好ましくは約1回/日の範囲であることが、例として提案されている。局所施用のための組成物は約0.00001%〜約20%、好ましくは約0.0001%〜約10%のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを含む。局所施用期間は好ましくは約1か月間〜約10年間にわたる。哺乳動物皮膚のしわを治療するための本発明の好ましい方法は、抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの安全で有効量と、サンスクリーン剤、抗炎症薬、アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャー、キレート化剤及び/又はレチノイドのうちの1種類以上の安全で有効量の両方を皮膚に同時に施用することを包含する。本明細書で用いる限り、“同時施用”又は“同時に”は作用剤を身体の同じ部位にほぼ同時に施用することを意味する。これは作用剤を別々に施用することによっても達成されうるが、混合された全ての望ましい作用剤を含む組成物を皮膚に施用することが好ましい。サンスクリーン剤の施用量は一般に皮膚1cm2につき約0.02mg〜約1.0mgである。抗炎症薬の施用量は皮膚1cm2につき一般に約0.005mg〜約0.5mg、好ましくは約0.01mg〜約0.1mgである。アンチオキシダント/ラジカル・スカベンジャーの施用量は皮膚1cm2につき一般に約0.001mg〜約1.0mg、好ましくは約0.05mg〜約0.5mgである。キレート化剤の施用量は皮膚1cm2につき一般に約0.001mg〜約1.0mg、好ましくは約0.01mg〜約0.5mg、より好ましくは約0.05mg〜約0.1mgである。レチノイドの施用量は皮膚1cm2につき一般に約0.00001mg〜約0.02mg、好ましくは約0.001mg〜約0.01mgである。抗しわエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの施用量は1回の施用につき皮膚1cm2につき一般に約0.00001mg〜約2mg、好ましくは約0.0001mg〜約1mgである。
【0111】便利なことには、本発明は、消費者が例えば慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障のようなエストロゲンに反応する状態の治療に用いるためのキットをも提供する。このキットはa)エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストと、製薬的に受容されるキャリヤー、ビヒクル又は希釈剤とを含む薬剤組成物と;b)エストロゲンに反応する状態を治療するため及び/又は特に慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障を治療するための薬剤組成物の使用方法を記載する指示書とを含む。この指示書はまた、このキットが、エストロゲン投与に付随する副作用の同時発生傾向を実質的に軽減しながら、エストロゲンに反応する状態を治療するため及び/又は特に慢性関節リウマチ、結腸癌、組織創傷、皮膚のしわ及び白内障を治療するためのものであることをも表示することができる。
【0112】本出願で用いる“キット”は、薬剤組成物を含有する容器を包含し、例えば分割型ボトル又は分割型ホイルパケット(divided foil packet)のような分割型容器を包含することもできる。容器は製薬的に受容される材料から製造された、当該技術分野で知られた、任意の慣用的な形状又は形、例えば紙若しくは厚紙のボックス、ガラス若しくはプラスチック・ボトル若しくはジャー、再シール可能なバッグ(例えば、異なる容器に入れる錠剤の“再充填”を維持するため)又は、治療計画に従ってパックから押し出すように個別投与量を含むブリスターパックであることができる。容器の使用は含まれる正確な投与形に依存することができ、例えば慣用的な厚紙ボックスは一般に、液体懸濁液を保持するために用いられない。単一投与形を販売するための単一パッケージ内で2つ以上の容器を一緒に用いることができることも考えられる。例えば、錠剤をボトルに入れて、このボトルを次にボックスに入れることができる。
【0113】このようなキットの1例はいわゆるブリスターパックを含む。ブリスターパックはパッケージング業界において周知であり、薬剤の単位投与形(錠剤、カプセル等)のパッケージングに広く用いられている。ブリスターバックは一般に好ましくは透明なプラスチック材料のホイルによって覆われた比較的硬質材料のシートから成る。パッケージング・プロセス中に、該プラスチックホイル中に凹みが形成される。これらの凹みはその中にパックされる個々の錠剤又はカプセルのサイズ及び形状を有する、又はパックされる複数の錠剤及び/又はカプセルを収容するようなサイズ及び形状を有することができる。次に、錠剤又はカプセルをそれに応じた凹み中に入れて、凹みが形成された方向とは逆であるホイル面において、比較的硬質材料のシートをプラスチックホイルに対してシールする。その結果、錠剤又はカプセルが該プラスチックホイルと該シートとの間の凹み中に、必要に応じて、個別にシールされる又は集合的にシールされる。好ましくは、シートの強度は、凹みの場所においてシートに開口が形成されるように手で圧力を凹みに加えることによって錠剤又はカプセルをブリスターバックから取り出すことができるような強度である。次に、錠剤又はカプセルを前記開口から取り出すことができる。
【0114】このように特性化された錠剤又はカプセルが摂取される予定である計画日数と数字が一致するように、該パック上に錠剤又はカプセルの近くに例えば数字として、又は同じ種類の情報を含有するカードとして、書かれたメモリーエイド(memory aid)を与えることが望ましいと考えられ、この書かれたメモリーエイドは医師、薬剤師又は対象に対する情報及び/又は指示を含有するタイプのものである。このようなメモリーエイドの他の例は、カードに例えば、次のように“第1週、月曜日火曜日”、・・・等・・・“第2週、月曜日火曜日”・・・等、印刷されたカレンダーである。メモリーエイドの他の変形は容易に明らかであろう。“1日量”とは特定の1日に摂取されるべき単一錠剤若しくはカプセル又は幾つかの錠剤若しくはカプセルであることができる。キットが別々の組成物を含有する場合には、キットの1種類以上の組成物の1日量が1個の錠剤又はカプセルから成ることができ、キットの他の1種類以上の組成物の1日量が数個の錠剤又はカプセルから成ることができる。
【0115】キットの他の特定の実施態様は、1日量をそれらの予定された使用順序で1度に1つ分配するように設計されたディスペンサーである。投与計画への応諾をさらに容易にするために、ディスペンサーにメモリーエイドを備えることが好ましい。このようなメモリーエイドの例は、既に分配された1日量の番号を表示するメカニカルカウンター(mechanical counter)である。このようなメモリーエイドの他の例は例えば、最後の1日量が摂取された日付を表示し及び/又は患者に次の投与量を摂取すべきときを思い出させる液晶表示又は可聴性リマインダー・シグナル(reminder signal)と結合した電池動力マイクロチップ・メモリー(battery-powered micro-chip memory)である。
【0116】本明細書及び特許請求の範囲からの知識に基いて、本明細書に記載した組成物及び方法に対するある一定の変更が当業者に自明であると考えられる。本明細書の特許請求の範囲はこれらの変更を包含するように意図される。本明細書に引用された参考文献及び特許の全ては本明細書に援用される。
【0117】
【実施例】実施例1:エストロゲン受容体結合エストロゲンと、エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストとの結合アフィニティを下記プロトコールによって測定した:【0118】ヒトERαのcDNAクローニング: ExpandTM High Fidelity PCR Systemを用いて、製造者の指示に従って(Boehringer−Mannheim,Indianapolis,IN)ヒト胸部癌細胞mRNAからのRT−PCRによって、ヒトERαのコーディング領域をクローン化した。PCR生成物をpCR2.1TA Cloning Kit(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローン化して、配列決定した。各受容体のコーディング領域を哺乳動物発現ベクターpcDNA3(Invitrogen,Carlsbad,CA)にサブクローン化した。
【0119】哺乳動物細胞発現: 受容体タンパク質を293T細胞に過度発現させた。HEK293細胞(ATCC,Manassas,VA)に由来するこれらの細胞は大きいT抗原を安定に発現するように改変されているので、SV40複製起点を含有するプラスミドを高度なコピー数まで複製することができる。293T細胞をhERα−pcDNA3又はhERβ−pcDNA3によって、製造者(Gibco/BRL,Bethesda,MD)が述べているようにリポフェクタミンを用いてトランスフェクトした。トランスフェクション後48時間目に細胞を0.5mM EDTA含有リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に回収した。細胞ペレットをPBS/EDTAによって1回洗浄した。全細胞リゼイト(wholecell lysates)をダウンス・ホモジナイザー(dounce homogenizor)を用いてTEG緩衝液(50mM Tris pH7.4、1.5mM EDTA、50mMNaCl、10%グリセロール、5mM DTT、5μg/ml アプロチニン、10μg/ml ロイペプチン、0.1mg/ml Pefabloc)中でのホモジナイゼーションによって調製した。抽出物を100,000xgで4℃において2時間遠心分離し、上澄み液を回収した。総タンパク質濃度をBioRad試薬(BioRad,Hercules,CA)を用いて測定した。
【0120】競合結合分析: [3H]−エストラジオール結合を阻害する種々な化合物の能力を、既に述べられているように(Leake RE,Habib F 1987 ステロイドホルモン受容体:分析と特性化、B.GreenとR.E.Leake(編集)、Steroid Hormones a Practical Approach.IRL Press Ltd,Oxford,67−92)、デキストラン被覆木炭を用いて競合結合分析によって測定した。hERα又はhERβのいずれかを発現した293T細胞抽出物を最終量0.2ml中の50mM Tris HCl pH7.4、1.5mM EDTA、50mMNaCl、10%グリセロール、5mM DTT、0.5mg/ml β−ラクトグロブリン中において上昇する濃度の競合物と一定濃度の[3H]−エストラジオール(141μCi/mmol,New England Nuclear,Boston,MA)との存在下でインキュベートした。全ての競合物をジメチルスルホキシド中に溶解した。0.5nMの[3H]−エストラジオールによって、受容体の最終濃度は50pMであった。4℃における16時間後に、デキストラン被覆木炭(20μl)を加えた。室温における15分間後に、木炭を遠心分離によって取り出し、上澄み液中に存在する放射性リガンドをシンチレーション計数によって測定した。全ての試薬は、他に指示しない限り、Sigma(St.Louis,MO)から入手した。
【0121】(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(PPTN)と17β−エストラジオールとの結合アフィニティを組換えヒトエストロゲン受容体(ER)を用いて測定した。図1は、PPTNの結合が17β−エストラジオールの結合と同様であることが判明した結合実験の結果を示す。
【0122】実施例2:in vitroヒト胸部癌腫瘍細胞増殖の阻害(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(PPTN)のin vitro抗増殖効果を2種類のヒト胸部癌細胞系:第一に、ERと、プロゲステロン受容体(PgR)とを含有するMCF−7細胞と、第二に、ERとPgRを有さず、ER機構とは独立した効果の測定を可能にするMDA−MB−231細胞を用いて試験した。これらの異なる細胞系の増殖に対するPPTNの効果を、種々な化合物濃度によって細胞を6日間インキュベートすることによって測定した。
【0123】次に、直接の細胞計数によって抗増殖効果を測定した。PPTNはER陽性細胞系MCF−7の増殖を阻害した。増殖阻害のIC50は約3〜5x10-11Mであった。MDA−MB−231、ER陰性細胞系では、化合物は細胞増殖を阻害しなかった。これらの結果は、化合物がER陰性細胞系には測定可能な結果を有さなかったので、増殖阻害がER特異的であり、細胞傷害性によるものでないことを示す。
【0124】実施例3:自己免疫疾患の治療本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの投与による、MRL/Mp−lpr/lprマウスの自然発症自己免疫疾患の治療この実験には、生後8週間の雌MRL/Mp−lpr/lprマウス(Clea Japan,Inc.)を用いる。本明細書に述べたエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストをカルボキシメチルセルロース中に懸濁させて、0.5%懸濁液を調製する。この化合物を各マウスに0.01〜50μg/日の用量で1日1回、13週間経口投与する。
【0125】MRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓とリンパ節とは、リンパ増殖遺伝子(lymphoproliferation gene)(lpr)の存在のために年齢と共に重度に腫脹する。lprは各マウスにおけるFas抗原をコードする。しかし、MRL/Mp−lpr/lprマウスでは、遺伝子の異常がFas抗原の発現を妨げる。その結果、自己反応性T細胞は胸腺中のFas抗原による負の選択にさらされず、末梢組織に出現して、リンパ系器官の腫脹と自己免疫症状とを惹起する。自己反応性T細胞の存在は例えば慢性関節リウマチのようなヒトの自己免疫疾患においても確認された。MRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓とリンパ節との腫脹の軽減は、本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストが自己反応性T細胞の出現を阻害することができることを示す。
【0126】実施例4:培養内皮細胞による一酸化窒素形成NO形成は培養内皮細胞における細胞内環状GMPの測定によって評価し、これらの細胞からのNO放出は溶解性グアニリルシクラーゼの活性に対するNOの刺激効果によって測定する(Lueckhoff等、Br J Pharmacol.95:189(1988);Wiemer等、Hypertension,18:558(1991);Linz等、J Mol Cell Cardiol.24:909(1992))。
【0127】ウシ又はブタの大動脈を入手して、ディスパーゼによる消化によって、内皮細胞を単離する。これらの細胞を6穴プレート又は24穴プレートに接種して、全面増殖(confluence)まで増殖させる。20%ウシ胎児血清を含有するダルベッコ改変イーグル/ハムF−12培地に、ペニシリン(10U/ml)と、ストレプトマイシン(10mg/ml)と、L−グルタメート(1mM/l)、グルタチオン(5mg/ml)と、L(+)アスコルビン酸(5mg/ml)とを補充する。
【0128】内皮細胞の一次培養物を用いる。培養培地を吸引によって除去した後に、単層を2mlのHEPES−Tyrode溶液によって2回洗浄する(37℃)。その後に、細胞を3−イソブチル−1−メチル−キサンチン(IBMX)(10-4M)と共に37℃において5分間プレインキュベートする。この時間後に、化合物又は溶媒を加える。予め定められた期間後に、インキュベーション培地を迅速に除去する。次に、細胞を直ちに0.6mlの6%トリクロロ酢酸によって抽出して、ゴムスクレーパーによってこすり落とす。細胞懸濁液を10秒間音波処理してから、4,000gにおいて5分間遠心分離する。上澄み液を4倍量の水飽和ジエチルエーテルによって抽出して、分析するまでサンプルを凍結する(−20℃)。サンプルのタンパク質含量をLowry等(J Biol Chem,193:265(1951))に従って測定する。アセチル化サンプルにおいて環状GMPを種々な方法(Heath等、Which Cyclic GMPAssay?,Moncada,S.等(編集)The Biology ofNitric Oxide:2 Enzymology,Biochemistry and Immunology.Portland Press,London,98頁(1992))によって、例えば、商業的に入手可能なラジオ−イムノアッセイ(New England Nuclear)を用いて測定することができる。環状GMP含量はタンパク質1mg当りのGMPピコモルとして表現する。
【0129】内皮細胞からのNO放出は溶解性グアニリルシクラーゼ(ウシの肺から精製)(Gerzer等、Eur J Biochem.116:479(1981))の活性に対するNOの刺激効果に基いて評価する。酵素の活性をα−[32P]GTPからの環状[32P]GMPの形成として評価する。30mM トリエタノールアミンHCl(pH7.4)と、1mM 還元グルタチオンと、4mM MgCl2と、1mM cGMPと、0.1mg/mlのウシg−グロブリンとを含有する反応混合物(総量0.18ml)中、α−[32P]GTP(0.03mM;0.2mCi)と溶解性グアニリルシクラーゼ(4mg)との存在下で37℃において反応が行われる。10mlサンプルを反応混合物に迅速に移す。cGMPの酵素による形成を60秒間進行させてから、450mlの酢酸亜鉛(120mM)と500mlの炭酸ナトリウム(120mM)との添加によって停止させる。単層をNOシンターゼの立体特異的阻害剤、NG−ニトロ−L−アルギニンと共に30分間プレインキュベーションすることによって、cGMP形成の完全な阻害を達成することができる。
【0130】本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの添加後に、時間−反応曲線と用量−反応曲線を得る。データはcGMPの平均値±SEM(pmol/mgタンパク質)又はグアニリルシクラーゼ活性(nmol/mg/分)として報告する。
【0131】実施例5:ヒト皮膚の弾力性のin vivo測定改変Shade機器(Kirk,E.とKoorning,S.A.,J.Gerontol.4:273(1969))を用いて、Bioengineering and The Skin,Marks,R.とPayne,P.A.編集、1981,MTP Press Ltd.,Lancaster,England中の6章、ヒト皮膚の弾力性のin vivo測定にDiksteinとHartzshtarkが述べているように、対象に対する本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの効果を測定する。
【0132】この機器の測定領域は0.2cm2の表面積を有する1片のプラスチック物質(Teflon(登録商標)から製造)である。これを、系の正味の圧力が1g/cm2未満であるようにつり合わされた軽金属測定ロッドに接続する。測定ロッドに錘を負荷して、それによって圧力を任意の所望の値に高めることができる。測定ロッドを線形可変差動変圧器(LVDT)に結合させる。LVDTの出力をグラフに記録するか、又は後の分析のために電子的に記憶する。顔面皮膚の標準領域(例えば、ひたいの中央)を測定のために選択する。
【0133】対象は眼を閉じてあおむけに横たわる。測定ロッドを皮膚に接触するように調節し、LVDT変換器系の基準出力を安定化するまで記録する。基準出力が安定化した後に、標準錘(10g/cm2圧力を及ぼすために充分な)を加える。測定ロッドの圧痕を10秒間記録してから、測定ロッドから錘を除去して、リバウンド(rebound)をさらに10秒間記録する。リバウンド距離を総圧痕によって除することによって、リバウンド%を算出する。10〜100g/cm2の圧力範囲を得るように測定ロッド上のある範囲の錘を用いて、皮膚の試験領域に関して、圧痕の深さ対圧力曲線を算出する。リバウンド及び圧痕対圧力の測定を対象に対して行ってから、本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを投与する。次に、対象にエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを投与するか、又は本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを含む局所組成物を毎日施用するように指示する。皮膚弾力の測定を1、3及び6か月間投与したときに繰り返す。しわの減少を付随する皮膚弾力の上昇がリバウンドスコアの上昇と、急勾配の浸透深さ対圧力関係とによって確認される。
【0134】実施例6:白内障発生の阻害本発明のエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストの効果を雌Sprague−Dawleyラットで評価する。生後45〜60日間において、ラットから卵巣摘出する。各動物に50mg/kgのメチルニトロ尿素(MNU)の単回静脈内注射を行い(リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に溶解して、調製の15分間以内に尾静脈から注射する)、エストロゲン・アゴニスト/アンタゴニストを含有する治療用Silasitic(登録商標)カプセルを背中に皮下注入する。プラセボ群には空のSilasitic(登録商標)カプセルを与える。非卵巣摘出ラットにもMNUを注射して、これらのラットを正常動物対照として用いる。
【0135】各動物の眼を肉眼的変化と異常に関して毎日検査する。MNU注射後40週間目に、動物を安楽死させる。安楽死した動物から眼全体を摘出し、Roy等、Hiroshima J. Med. Sci.,38:95−98(1989)が述べているように、角膜を横切って切り開き、固定液(中性ホルマリン/エタノール/酢酸/水 2:3:1:3)中に2週間浸漬する。次に眼を加工処理して、パラフィンに包埋する。6μm切片を調製して、水晶体組織学の検査のためにヘマトキシリンとエオシンによって染色する。
【0136】角膜混濁の測定のために、安楽死したエストロゲン・アゴニスト/アンタゴニスト処理動物と安楽死した卵巣摘出プラセボ対照動物との眼を押し出し、角膜周囲を切り開き、水晶体を注意深く摘出する。各眼からの水晶体を、PBSを含有する浅い培養皿に入れる。この皿をそのズーム対物レンズを1.5Xにセットした解剖顕微鏡のステージに載せ、荷電結合デバイス・カラービデオカメラ(モデル DXC−960MD,Sony)を各眼球に取り付ける。水晶体を透過光によって目視検査し、イメージング・プログラム(IPLAB SPECTRUM,Signal Analytics,Vienna,VA)を用いて捕捉した画像をコンピューター上で処理する。不透明な白色テフロン(登録商標)の2mm厚さ片(1cm平方)を透過光の測定のために顕微鏡の視野に含める。水晶体の中心を透過した透過光の強度(任意単位)をイメージング・プログラムによって測定する。同様に、培養皿を通って水晶体の外部の位置まで透過した光の強度を100%透過を確認するために測定する。Teflon(登録商標)片から測定された光の単位をバックグラウンドと見なして、水晶体及び水晶体外部に関して行った光透過測定を修正するために用いる。水晶体を通過する光を透過%として算出する。




 

 


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