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発明の名称 グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を用いる糖尿病性心筋症の処置方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−206856(P2001−206856A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2001−14036(P2001−14036)
出願日 平成13年1月23日(2001.1.23)
代理人 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
発明者 ジュディス・リー・トレッドウェイ
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患している患者またはその危険性のある患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む該方法。
【請求項2】 前記グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ-ジメチルカルバモイル-メチル)-2-フェニル-エチル]アミド;5,6-ジクロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(2-ヒドロキシ-エチル)-メチル-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メチル-ピリジン-2-イル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;若しくは5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[メチル-(2-ピリジン-2-イル-エチル)-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグ、若しくはプロドラッグの塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 糖尿病性心筋症の処置方法であって、1)糖尿病、並びに2)心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、冠状動脈硬化症のない鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血症、小血管性疾患、粥状性動脈硬化心血管性疾患若しくは管腔狭窄のない小血管性疾患、凝固障害、心挫傷に罹患している患者、または心筋梗塞症に罹患しているかその危険性のある患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法。
【請求項4】 心筋に対する損傷を予防または低減させる方法であって、心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある糖尿病患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法。
【請求項5】 前記糖尿病患者が、バルーン血管形成術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】 前記糖尿病患者が、バイパス手術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】 前記糖尿病患者が、主に心臓系ではない手術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】 糖尿病性心筋症の発症を予防または遅延させる方法であって、糖尿病であると新規に診断された患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法。
【請求項9】 糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患しているかその危険性のある患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量と追加の化合物とを組み合わせて投与することを含み、前記追加の化合物は、糖尿病、心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血、小血管性疾患、凝固障害、心挫傷、または心筋梗塞症を治療するのに有用なものである、該方法。
【請求項10】 前記追加の化合物が、インスリン及びインスリン類似体;ビグアニド;α2-アンタゴニスト及びイミダゾリン類;グリタゾン類;PPAR-ガンマアゴニスト類;脂肪酸酸化阻害剤;α-グルコシダーゼ阻害剤;β-アゴニスト;ホスホジエステラーゼ阻害剤;脂質-低下剤;抗肥満薬;バナジン酸塩、バナジウム及びペルオキソバナジウム錯体;アミリンアンタゴニスト;グルカゴンアンタゴニスト;糖新生阻害剤;ソマトスタチン類似体及びアンタゴニスト;または抗脂肪分解剤から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】 前記追加の化合物が、アルドースレダクターゼ阻害剤;ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤;糖質コルチコイドレセプターアンタゴニスト;NHE-1阻害剤;または甲状腺ホルモン類似薬から選択される、請求項9に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患しているかその危険性のある患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む該方法に関する。本発明は、糖尿病性心筋症の処置方法であって、1)糖尿病、並びに2)心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、冠状動脈硬化症のない鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血症、小血管性疾患、粥状性動脈硬化心血管性疾患若しくは管腔狭窄のない小血管性疾患、凝固障害、心挫傷に罹患している患者、または心筋梗塞症に罹患しているかその危険性のある患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法にも関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】糖尿病性心筋症、心臓の筋肉(心筋)の疾患は、糖尿病や心臓血管性疾患とは異なる医学的に独立体であるとみなされている。糖尿病性心筋症は、インスリン依存性糖尿病(I型)に罹患している患者と非-インスリン依存性糖尿病(II型)に罹患している患者で発症する。糖尿病性心筋症は、臨床的にはそれ自体鬱血性心不全(CHF)及び左心室肥大として表わされる。糖尿病性心筋症は、高い罹患率及び死亡率も伴う。病的な糖尿病性心筋症は、筋細胞(myocellular)肥大、間質性線維症、心筋脂質付着増大、及び種々の程度の小血管性疾患により特徴付けられる。明らかに環状動脈硬化症や管腔狭窄が起きずに病的な心筋層や、その結果としてCHFが生じるので、糖尿病性心筋症は虚血性心筋症とは異なる。このことは、心筋組織及び/または環状微小循環流動それ自体に存在する高血糖症に関連する主な代謝障害が、糖尿病における心筋機能の損失及び病状の原因であることを示唆している。糖尿病患者で頻繁に発症する、共存性高血圧、微小血管合併症、欠陥的線維素溶解、粥状性動脈硬化性心臓欠陥性疾患、及び/または心筋虚血症は、潜在的な糖尿病性心筋症の重篤度を悪化させる。これらに同時に罹患していると、非代償性心不全、肺水腫、及び患者が死亡することもある不整脈の閾値を下げてしまうことがある。
【0003】糖尿病性心筋症は、大動脈冠動脈バイパス移植手術または血管形成術などの心筋梗塞または特定の心血管介入の後で、糖尿病患者で見られる高い死亡率及び罹患率をある程度説明することができる。例えば、肥厚化動脈内膜(細動脈撮影のヒアリン質化)、心筋細動脈の毛細血管瘤、毛細管底膜肥厚化、内皮代謝の異常、並びに欠陥的線維素溶解などの糖尿病に伴う微小血管性疾患は、心臓における不安定な(compromised)局所血流量の一因となり、「非-閉塞性」虚血及び障害となることがある。
【0004】糖尿病性心筋症には、心臓の機械性機能不全も併発する。肥大心筋線維層が伸展性を失い、弛緩期機能不全となったり左心室充満圧力が高くなったりする。心筋障害プロセスが進行すると、最終的には心筋収縮において障害が起こったり収縮期機能不全が発症することがある。1回心拍出量が減って駆出分画が低下し、心臓予備力が失われて、さらに左心室充満圧力が高くなる。これによって激症心不全が発症することがある。この病態生理学については糖尿病性心筋症の動物モデルで再現し研究することができる。
【0005】糖尿病性心筋症の潜在的な原因は、高血糖症とインスリン抵抗性に関連するものとみられる。症状は同時発症している高血圧によって悪化する。高血糖症は「グルコース毒性:glucose toxicity」の原因となり、この本質は正確には知られていないが、中でも、異常心筋性糖質、脂質、及びアデニンヌクレオチド代謝、修正組織酸素必要量、過剰蛋白質及び組織糖付加、有害な進行グリケーション(glycation)最終生成物の形成、平滑筋増殖の刺激、血小板の接着性及び凝集性の増加、及びPAI-1産生の増加が含まれる。これらの高血糖症に付随する混乱(perturbation)は、糖尿病の心筋の病状で知見される心筋の生化学的変化(例えば、不良細胞代謝、カルシウム輸送、過剰コラーゲン形成)の原因となる。
【0006】糖尿病集団における罹患率及び死亡率の主な原因は、心臓血管疾患(CVD)である。環状動脈疾患(CAD)とも言われ、心筋梗塞症及び心臓発作の主原因である虚血性心疾患(CHD)は、全てCVDの症状が発現したものである。糖尿病はCVDによる死亡率の危険性が高いことはよく認識されており、これは、例えば、肥満、高血圧、アテローム性動脈硬化症及び異常脂質血症(dyslipidemia)などの他の関連する同時に罹患している病気とは関係なく、その疾患に付随する高血糖症に主に起因する。高血糖症による独立の危険性(independent risk)は、これらが通常、上述したような他の同時に罹患する病気を幾つも併発しているため、糖尿病患者によっては識別するのが困難なことが多い。さらにこの高血糖症は他の同時に罹患している病気の重篤度を悪化させ、相乗的な作用を及ぼす。それにもかからわず、幾つかの研究から、存在する他の顕著な危険因子と共に、高血糖症は糖尿病でも強い独立危険因子であることが確認された。高血糖症はグルコース毒性を生じるので、糖尿病患者でのCVDにより、高血糖症はこの超過リスクを発生させ、罹患率を高くする一因となる最も重要な候補である。グルコース毒性を減少させ得る薬剤は、慢性の心筋症の徴候に好都合な作用を及ぼすことができ、即時に心臓を保護することもできる。
【0007】薬理学的に心臓を保護することとは、虚血性障害または再潅流障害から心筋を保護するために薬剤を使用することと定義することができる。薬理学的薬剤は、例えば、自然に起きる、内因性心臓保護を与える生理学的現象である、虚血性プレコンディショニングを模倣することにより、虚血性障害または再潅流障害の間に、損傷、壊死、またはアポトーシスから心臓細胞を保護することができる。使用した薬剤に依存して、心臓保護作用は虚血後即時的(数分〜数時間)であることも、遅効性(24〜72時間)であることもできる。心臓保護薬は手術中の虚血性障害も非-手術中の虚血性障害も減少させるのに有用である。心臓保護薬は、急性心筋梗塞と慢性心筋症の両方の危険性が高い糖尿病患者に特に有用である。
【0008】米国特許第5,990,111号は、アルドースレダクターゼ阻害剤を使用する糖尿病性心筋症の治療について開示する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患しているかその危険性のある患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0010】本発明の好ましい態様では、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ-ジメチルカルバモイル-メチル)-2-フェニル-エチル]アミド;5,6-ジクロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(2-ヒドロキシ-エチル)-メチル-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メチル-ピリジン-2-イル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;若しくは5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[メチル-(2-ピリジン-2-イル-エチル)-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド、またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグ、若しくはプロドラッグの塩である。
【0011】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び心臓血管性疾患に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0012】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び虚血性心臓疾患に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0013】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病に罹患しており且つ心筋梗塞に罹患しているかその危険性のある患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0014】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び鬱血性心不全に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0015】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病と冠状動脈硬化症のない鬱血性心不全とに罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0016】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び高血圧に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0017】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び最小血圧異常症に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0018】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び微小血管糖尿病性合併症に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0019】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び異常左心室機能に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0020】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び心筋線維症に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0021】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び異常心機能に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0022】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び肺鬱血症に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0023】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び小血管性疾患に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0024】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病と粥状性動脈硬化心血管性疾患若しくは管腔狭窄のない小血管性疾患とに罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0025】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び凝固障害に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0026】また、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病及び心挫傷に罹患している患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0027】心筋に対する損傷を予防または低減させる方法であって、心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある糖尿病患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法も提供する。
【0028】心筋に対する損傷を予防または低減させる方法の好ましい態様において、前記糖尿病患者は、バルーン血管形成術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である。
【0029】心筋に対する損傷を予防または低減させる方法の好ましい態様において、前記糖尿病患者は、主に心臓系ではない手術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である。
【0030】心筋に対する損傷を予防または低減させる方法の好ましい態様において、前記糖尿病患者は、バイパス手術を受けたのがもとで心筋虚血症及び再潅流に罹患する危険性のある患者である。
【0031】心筋に対する損傷を予防または低減させる方法では、グリコーゲンホスホリラーゼを心筋虚血症及び再潅流にかかる前に投与すると好ましい。糖尿病性心筋症の発症を予防または遅延させる方法であって、糖尿病であると新規に診断された患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法も提供する。
【0032】糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患しているかその危険性のある患者に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量と追加の化合物とを組み合わせて投与することを含み、前記追加の化合物は、糖尿病、心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管性糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血、小血管性疾患、凝固障害、心挫傷、または心筋梗塞症を治療するのに有用なものである、該方法も提供する。
【0033】好ましい態様では、前記追加の化合物は、インスリン及びインスリン類似体;ビグアニド;α2-アンタゴニスト及びイミダゾリン類;グリタゾン類;PPAR-ガンマアゴニスト類;脂肪酸酸化阻害剤;α-グルコシダーゼ阻害剤;β-アゴニスト;ホスホジエステラーゼ阻害剤;脂質-低下剤;抗肥満薬;バナジン酸塩、バナジウム及びペルオキソバナジウム錯体;アミリンアンタゴニスト;グルカゴンアンタゴニスト;糖新生阻害剤;ソマトスタチン類似体及びアンタゴニスト;または抗脂肪分解剤から選択される。
【0034】別の好ましい態様では、前記追加の化合物は、アルドースレダクターゼ阻害剤;ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤;糖質コルチコイドレセプターアンタゴニスト;NHE-1阻害剤;または甲状腺ホルモン類似薬(thyromimetic)から選択される。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明は、糖尿病性心筋症の処置方法であって、糖尿病性心筋症に罹患しているかその危険性のある患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。本発明は、糖尿病性心筋症の処置方法であって、1)糖尿病、並びに2)心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、冠状動脈硬化症のない鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血症、小血管性疾患、粥状性動脈硬化心血管性疾患若しくは管腔狭窄のない小血管性疾患、凝固障害、心挫傷に罹患している患者、または心筋梗塞症に罹患しているかその危険性のある患者にグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の治療的有効量を投与することを含む、該方法を提供する。
【0036】糖尿病性心筋症の処置においては、糖尿病に罹患し、且つ心臓血管性疾患、虚血性心疾患、鬱血性心不全、冠状動脈硬化症のない鬱血性心不全、高血圧、最小血圧異常症、微小血管糖尿病性合併症、異常左心室機能、心筋線維症、異常心機能、肺鬱血症、小血管性疾患、粥状性動脈硬化心血管性疾患若しくは管腔狭窄のない小血管性疾患、凝固障害、心挫傷などの追加の症状または疾患に罹患している患者、または心筋梗塞症に罹患しているかその危険性のある患者は、糖尿病性心筋症が患者の心臓や心臓血管系にさらに悪影響を及ぼすため死を含む非常に深刻な心不全がおきるという特有の危険性がある。
【0037】「治療的有効量」なる用語は、特定の疾患または容態の一つ以上の症状を改善、緩和若しくは除去するか、特定の疾患または容態の一つ以上の症状の開始を予防若しくは遅延させる所定量の化合物または化合物の組合せを意味する。
【0038】「患者」なる用語は、犬、猫、牛、馬、羊、及びヒトなどの動物を意味する。特に好ましい患者は哺乳類である。患者なる用語は、男性も女性も含む。「医薬的に許容可能な」なる用語は、キャリヤ、希釈剤、賦形剤、及び/または塩が製剤の他の成分と混和可能でなければならず、且つ患者に対して有害でないものでなければならないことを意味する。
【0039】「処置すること」、「処置する」または「処置」なる用語は、予防的な(例えば、予防的)及び軽減的な処置を含む。「グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤」なる句は、グリコーゲンホスホリラーゼの酵素的作用を軽減、遅延、または除去する全ての物質または物質の全ての組合せを指す。グリコーゲンホスホリラーゼの現在公知の酵素的作用は、もとのグリコーゲン高分子よりもグルコシル残基が1個短いグリコーゲン高分子(グリコーゲン分解の前進方向)とグルコース-1-リン酸へのグリコーゲン高分子と無機リン酸塩の可逆反応の触媒作用によるグリコーゲンの分解である。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤なる句としては、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の立体異性体、医薬的に許容可能な塩、プロドラッグ、及びプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を含む。
【0040】「糖尿病に罹患していると新規に診断された」なる句は、1年以内にI型またはII型の糖尿病と診断された患者を意味する。好ましくは、6ヶ月以内、より好ましくは1ヶ月以内に糖尿病と診断された患者であるのが好ましい。
【0041】「主に心臓系でない手術」なる句は、心臓に関するものではないが、病院内または同様の観察下で少なくとも1日滞在が必要な手術を意味する。主に心臓系でない手術の例としては、腫瘍除去、手足の切断、脳手術、移植手術などが挙げられる。
【0042】「心臓血管疾患」なる句は、心臓、血管、及び/または循環系を含むかこれに作用する(単数または複数種類の)疾患を意味する。「虚血性心疾患」(または心筋虚血症)なる句は、酸素が欠乏したり代謝産物がうまく除去されない不適当な心筋血流(再潅流)または心臓の他の症状を意味する。この句は、心筋酸素供給と需要との間が不均衡である全ての症状を含む。
【0043】「最小血圧(拡張血圧)異常」なる句は、American Heart Association(AHA)により記載された試験条件下、90mmHg(American Heart Association's SixthReport of the Joint National Committee on Detection、Evaluation、and Treatment of High Blood Pressure、NIH publication)以下の最小血圧である全ての症状を含む。最小血圧は、例えば、労作時に駆出分画を増加させるために容積を減少させる心臓の症状の原因となることにより、最大血圧異常(機能不全)を導く。AHAにより現在設定されている90mmHgという数字は将来的に変更されるかもしれない。最小血圧異常なる句の意味は、AHAにより提供された基準の範囲に従うものと考えられる。
【0044】「微小血管性糖尿病性心筋症」なる句は、糖尿病性網膜症、腎症、及び腎機能不全、末梢動脈硬化症、または肢切断となることもある神経障害を意味する。「異常左心室機能」なる句は、例えば、心エコー検査または放射性核種心室造影法によって検出されるように、左心室(LV)機能が低下したり異常になる、心臓、血管、及び/または循環器系の状態を意味する。異常LV機能の原因としては、心臓壁硬直化の増大、LV伸展性の減少、及び/または末梢血管抵抗の増大が挙げられる。LVの異常機能は、例えば、正常または運動負荷試験条件下で、自己心筋収縮性(低dP/dT、長い収縮期間、及び遅延弛緩)、LVアシナジー、低いピーク拡張期充満速度、及び/または異常LV駆出分画として明らかにすることができる。LV機能不全は、緩徐で不完全な心臓充満に伴う異常弛緩及び低伸展性の左心室となる心臓、血管、及び/または循環器系の全ての症状である。
【0045】「異常心機能」なる句は、正常心拍数、正常血圧、及び正常ECG(心電図)読み取り値により定義されるように、正常な心機能を妨げたり低下させる心臓の全ての病状及び異常な状態を意味する。糖尿病性心筋症に最も関連するものは、血圧異常、主に高い最小血圧となり、次いで高い最大血圧及び/または収縮期機能不全(例えば、労作時の低い駆出分画)となる心筋層の異常機能である。名目上、正常血圧は、現行のAHAガイドラインにより<140収縮期及び<90拡張期mmHgと定義されている(American Heart Association's Sixth Report of the JointNational Committee on Detection、 Evalutaion、and Treatment ofHigh Blood Pressure、NIH publication、1997年)。現在AHAにより設定されている正常血圧基準は将来的に変更されるかもしれない。異常心機能なる句の意味は、AHAにより提供される基準の範囲に従うものと考えられる。
【0046】「小血管性疾患」(微小血管症ともいう)なる句は、心筋内動脈、細動脈、及び細動脈から遠い血管、即ち、毛細管、細静脈、及び小葉脈の病的状態を意味する。微小血管症は、動脈瘤、微細動脈瘤、変性、壊死(例えば、心筋細胞溶解)、痙攣、反応亢進、漏出、間質性浮腫、血管周囲線維症、硬化症、置換瘢痕化、蛇行、限局性収縮、毛細管底膜肥厚化増大、内皮代謝の異常、または欠陥的線維素溶解により生じた損傷により特徴付けることができる。
【0047】「粥状性心血管疾患」なる句は、粥状状態に伴うかその次の心血管疾患を意味し、例えば、内膜平滑筋細胞の集積、マクロファージとT-リンパ球の集積、結合組織マトリックスの多量形成、主に細胞及び周囲の結合組織内のコレステロールまたはコレステロールエステルの形態の脂質の集積、並びに壊死性残屑の集積により特徴付けられる動脈の病的状態である。
【0048】「微小血管性疾患」なる句は、抵抗血管を含むがこれに限定されない、細動脈から遠い血管及び細動脈の病的状態を意味する。微小血管性疾患は、組織に栄養やホルモンを輸送したり、及び/または排泄物を除去することができる最大細動脈拡大度を弱めてしまう、主に底部膜のIV型コラーゲンまたは細動脈の微小動脈瘤の集積による小細動脈内膜の不規則に分散した肥厚化(ヒアリン質化)によって特徴付けることができる。細動脈から遠い脈管構造は、毛細管底膜肥厚化の増大、内皮代謝の異常、または欠陥的線維素溶解などによっても影響を受け、組織への栄養物及びホルモンの輸送及び/または排泄物の除去が低下する。微小血管性疾患は、微小血管性糖尿病性合併症も引き起こすことがある。
【0049】本発明は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤である全ての化合物を使用することを含む。幾つかの有用なグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の例を以下に示す。
【0050】糖尿病性心筋症の処置に使用することができるグリコーゲンホスホリラーゼの一群としては、式A:【0051】
【化1】

の化合物、立体異性体、その医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグ、またはプロドラッグの医薬的に許容可能な塩が挙げられ、式中、Qは、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールであり;ZとXはそれぞれ独立して、(C、CHまたはCH2)、N、OまたはSであり;X1はNRa、-CH2-、OまたはSであり;---はそれぞれ独立して結合であるか存在せず、但し、---は両方が同時に結合であることではなく;R1は水素、ハロゲン、-OC1〜C8アルキル、-SC1〜C8アルキル、-C1〜C8アルキル、-CF3、-NH2、-NHC1〜C8アルキル、-N(C1〜C8アルキル)2、-NO2、-CN、-CO2H、-CO2C1〜C8アルキル、-C2〜C8アルケニル、または-C2〜C8アルキニルであり;RaとRbはそれぞれ独立して水素または-C1〜C8アルキルであり;Yは、【0052】
【化2】

であるか、存在せず;R2及びR3は独立して、水素、ハロゲン、-C1〜C8アルキル、-CN、-C=C-Si(CH3)3、-OC1〜C8アルキル、-SC1〜C8アルキル、-CF3、-NH2、-NHC1〜C8アルキル、-N(C1〜C8アルキル)2、-NO2、-CO2H、-CO2C1〜C8アルキル、-C2〜C8アルケニル、または-C2〜C8アルキニルであるか、R2及びR3はこれらが結合している環の上の原子と一緒になって0〜3個のヘテロ原子と0〜2個の二重結合を含有する5員環または6員環を形成し;R4は-C(=O)-Aであり;Aは-NRdRd、-NRaCH2CH2ORa、【0053】
【化3】

であり;Rdはそれぞれ独立して、水素、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールであり;Rcはそれぞれ独立して、水素、-C(=O)ORa、-ORa、-SRaまたは-NRaRaであり;及びnはそれぞれ独立して1〜3である。
【0054】式Aのグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の好ましい例としては、6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-ブロモ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-メチル-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;(±)-2-メチル-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[1-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2,4-ジクロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソプロピル]-アミド;(±)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[1-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;(±)-2-ブロモ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[1-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2,4-ジクロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-シアノ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ジメチルカルバモイル-2-フェニル-エチル]-アミド;2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(1,1-ジオキソ-1-チアゾリジン-3-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;1-[(2S)-[(2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボニル)-アミノ]-3-フェニル-プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル;2-ブロモ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-メチル-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-トリメチルシラニルエチニル-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-エチニル-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-フルオロ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-シアノ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;1-[(2S)-[(2-クロロ-6H-チエノ[2,3-b]ピロール-5-カルボニル)-アミノ]-3-フェニル-プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボン酸;3-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;3-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;3-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;3-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-クロロ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;3-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;3-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-シアノ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-シアノ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;3-ブロモ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;3-ブロモ-4H-フロ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;4H-1,7-ジチア-4-アザ-シクロペンタ[a]ペンタレン-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;4H-1,7-ジチア-4-アザ-シクロペンタ[a]ペンタレン-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-3-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-クロロ-3-メチル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;2-メチルスルファニル-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(1,1-ジオキソ-1-チアゾリジン-3-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3R,4R)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;2-ブロモ-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-5-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;並びに立体異性体、前記化合物の医薬的に許容可能な塩及びプロドラッグ、及び前記プロドラッグの医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0055】本発明で使用することができるグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の一群としては、式I:【0056】
【化4】

の化合物並びにその医薬的に許容可能な塩及びプロドラッグが挙げられ、ここで点線(---)は任意の結合であり;点線(---)が結合であるとき、Aは-C(H)=、-C((C1〜C4)アルキル)=または-C(ハロ)=であるか、点線(---)が結合ではないとき、Aはメチレンまたは-CH((C1〜C4)アルキル)-であり;R1、R10またはR11はそれぞれ独立して、H、ハロ、4-、6-または7-ニトロ、シアノ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;R2はHであり;R3はHまたは(C1〜C5)アルキルであり;R4は、H、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)アルコキシ(C1〜C3)アルキル、フェニル(C1〜C4)アルキル、フェニルヒドロキシ(C1〜C4)アルキル、フェニル(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキルまたはフル-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキルであり、ここで、前記R4は炭素上でH、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-、二-若しくは三-置換されているか;またはR4は、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C4)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イミダゾール-1-、-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル-(C1〜C4)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イソチアゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、ピリダジン-3-、-4-イル-(C1〜C4)アルキル、ピリミジン-2-、-4-、-5-若しくは-6-イル(C1〜C4)アルキル、ピラジン-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキルまたは1,3,5-トリアジン-2-イル(C1〜C4)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合によりハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており、R5はH、ヒドロキシ、フルオロ、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、(C1〜C6)アルカノイル、アミノ(C1〜C4)アルコキシ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルコキシ、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C5)アルコキシ-カルボニル(C1〜C4)アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル(C1〜C4)アルコキシまたはカルボニルオキシであり、ここで前記カルボニルオキシは、フェニル、チアゾリル、イミダゾリル、1H-インドリル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたは1,3,5-トリアジニルと炭素-炭素結合しており、前記R5環は、場合により、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノまたはトリフルオロメチルで一-置換されており、前記一-置換基は炭素に結合しており;R7はH、フルオロまたは(C1〜C5)アルキルであるか;またはR5とR7は一緒になってオキソとなることができ;R6はカルボキシ、(C1〜C8)アルコキシカルボニル、C(O)NR8R9またはC(O)R12であり、ここで、R8はH、(C1〜C3)アルキル、ヒドロキシまたは(C1〜C3)アルコキシであり;及びR9はH、(C1〜C8)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C8)アルコキシ、メチレン-過フッ素化(C1〜C8)アルキル、フェニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたは1,3,5-トリアジニルであり、ここで前記R9環は炭素-窒素結合しているか;またはR9は一-、二-または三-置換(C1〜C5)アルキルであり、ここで前記置換基は、独立してH、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-またはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノであるか;またはR9は、一-または二-置換(C1〜C5)アルキルであり、ここで前記置換基は独立して、フェニル、ピリジル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル、ピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニルまたは1,3,5-トリアジニルであり、ここで非芳香族窒素-含有R9環は、場合により、(C1〜C6)アルキル、ベンジル、ベンゾイルまたは(C1〜C6)アルコキシカルボニルで窒素上で一置換されており、前記R9環は、場合により、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、またはモノ-N-及びジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノで炭素上で一置換されており、但し、四級化していない窒素が含まれ、窒素-酸素、窒素-窒素または窒素-ハロ結合はなく;R12はピペラジン-1-イル、4-(C1〜C4)アルキルピペラジン-1-イル、4-ホルミルピペラジン-1-イル、モルホリノ、チオモルホリノ、1-オキソチオモルホリノ、1,1-ジオキソ-チオモルホリノ、チアゾリジン-3-イル、1-オキソ-チアゾリジン-3-イル、1,1-ジオキソ-チアゾリジン-3-イル、2-(C1〜C6)アルコキシカルボニルピロリジン-1-イル、オキサゾリジン-3-イルまたは2(R)-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イルであるか;またはR12は、3-及び/または4-一-または二-置換オキサゼチジン-2-イル、2-、4-、及び/または5-一-または二-置換オキサゾリジン-3-イル、2-、4-、及び/または5-一-または二-置換チアゾリジン-3-イル、2-、4-、及び/または5-一-または二-置換1-オキソチアゾリジン-3-イル、2-、4-、及び/または5-一-または二-置換1,1-ジオキサチアゾリジン-3-イル、3-及び/または4-、一-または二-置換ピロリジン-1-イル、3-、4-及び/または5-、一-、二-または三-置換ピペリジン-1-イル、3-、4-及び/または5-一-、二-または三-置換ピペラジン-1-イル、3-置換アゼチジン-1-イル、4-及び/または5-、一-または二-置換1,2-オキサジナン-2-イル、3-及び/または4-一-または二-置換ピラゾリジン-1-イル、4-及び/または5-、一-または二-置換イソキサゾリジン-2-イル、4-及び/または5-、一-及び/または二-置換イソチアゾリジン-2-イルであり、ここで前記R12置換基は、独立して、H、ハロ、(C1〜C5)-アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-またはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、ホルミル、オキソ、ヒドロキシイミノ、(C1〜C5)アルコキシ、カルボキシ、カルバモイル、モノ-N-またはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルカルバモイル、(C1〜C4)アルコキシイミノ、(C1〜C4)アルコキシメトキシ、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1〜C5)アルキルまたはヒドロキシ(C1〜C5)アルキルであり;但し、R4がH、メチル、エチルまたはn-プロピルである場合、R5はOHであり;但し、R5とR7がHである場合、R4はH、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキルまたは(C1〜C3)アルコキシ(C1〜C3)アルキルではなく、且つR6はC(O)NR8R9、C(O)R12または(C1〜C4)アルコキシカルボニルである。
【0057】式Iの好ましい化合物の第一群は、式中、R1は5-H、5-ハロ、5-メチルまたは5-シアノであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はフェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、若しくはハロで独立して一-、二-若しくは三-置換されているか、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-若しくは二-置換されているか;またはR4はチエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-1-、-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合により、ハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はヒドロキシであり;R6はC(O)NR8R9またはC(O)R12であり;及びR7はHである、化合物からなる。
【0058】式Iの好ましい化合物の上記第一群の中でも、炭素原子aが(S)立体化学を持ち;炭素原子bが(R)立体化学を持ち;R4がフェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-イル-(C1〜C2)アルキル、チエン-3-イル-(C1〜C2)アルキル、フル-2-イル-(C1〜C2)アルキルまたはフル-3-イル-(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記環はHまたはフルオロで独立して一-または二-置換されており;R6はC(O)NR8R9であり;R8は(C1〜C3)アルキル、ヒドロキシまたは(C1〜C3)アルコキシであり;及びR9はH、(C1〜C8)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C8)アルコキシ、ピリジル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリル若しくはチアゾリルまたは、ピリジル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリル若しくはチアゾリルで一-置換された(C1〜C4)アルキルであるのが特に好ましい化合物の第一群である。
【0059】特に好ましい化合物上記第一群の中でも、特に好ましい化合物は、以下のものである:5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ-ジメチルカルバモイル-メチル)-2-フェニル-エチル]アミド;5,6-ジクロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[(2-ヒドロキシ-エチル)-メチル-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-[(R)-ヒドロキシ-(メチル-ピリジン-2-イル-カルバモイル)-メチル]-2-フェニル-エチル]-アミド;及び5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-[(R)-ヒドロキシ-[メチル-(2-ピリジン-2-イル-エチル)-カルバモイル]-メチル]-2-フェニル-エチル)-アミド。
【0060】上記第一群の中でも、式中、a.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9はメチルであり;b.R1は5-クロロであり;R11はHであり;R10は6-クロロであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9はメトキシであり;c.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9はメトキシであり;d.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は2-(ヒドロキシ)エチルであり;e.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9はピリジン-2-イルであり;及びf.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は2-(ピリジン-2-イル)エチルである、化合物が特に好ましい。
【0061】式Iの好ましい化合物の上記第一群の中でも、炭素原子aが(S)立体化学であり;炭素原子bが(R)立体化学であり;R4はフェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-イル-(C1〜C2)アルキル、チエン-3-イル-(C1〜C2)アルキル、フル-2-イル-(C1〜C2)アルキルまたはフル-3-イル-(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記環はHまたはフルオロで独立して一-または二-置換されており;R6はC(O)R12であり;及びR12はモルホリノ、4-(C1〜C4)アルキルピペラジン-1-イル、3-置換アゼチジン-1-イル、3-及び/または4-、一-または二-置換ピロリジン-1-イル、4-及び/または5-一-または二-置換イソキサゾリジン-2-イル、4-及び/または5-、一-または二-置換1,2-オキサジナン-2-イルであり、ここで前記置換基はそれぞれ独立してH、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-またはジ-N,N-(C1〜C6)アルキルアミノ、オキソ、ヒドロキシイミノまたはアルコキシであるものが特に好ましい化合物の第二群である。
【0062】特に好ましい上記第二群の中でも、特に好ましい化合物は:5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-3-オキソ-プロピル]-アミド塩酸塩、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-3-オキソ-プロピル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-イソキサゾリジン-2-イル-3-オキソ-プロピル)-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-[1,2]オキサジナン-2-イル-3-オキソ-プロピル)-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-((3S)-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-3-オキソ-プロピル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-(シス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド、及び5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸((1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-モルホリン-4-イル-3-オキソ-プロピル)-アミドである。
【0063】上記第二群の中でも、a.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12は4-メチルピペラジン-1-イルであり;b.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12は3-ヒドロキシアゼチジン-1-イルであり;c.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12はイソキサゾリジン-2-イルであり;d.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12は(1,2)-オキサジナン-2-イルであり;e.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12は3(S)-ヒドロキシピロリジン-1-イルであり;f.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12は(3S,4S)-ジヒドロキシピロリジン-1-イルであり;g.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12はシス-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-イルであり;並びにh.R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;及びR12はモルホリノである化合物が特に好ましい。
【0064】式Iの好ましい化合物の第二群は、式中、R1はH、ハロ、メチルまたはシアノであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はフェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、若しくはハロで独立して一-、二-若しくは三-置換されているか、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-若しくは二-置換されているか;またはR4はチエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-1-、-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合により、ハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はヒドロキシであり;R6はカルボキシまたは(C1〜C8)アルコキシカルボニルであり;及びR7はH、フルオロまたは(C1〜C6)アルキルである、化合物からなる。
【0065】式Iの好ましい化合物の第二群の中でも、炭素原子aが(S)立体化学をもち;炭素原子bが(R)立体化学をもち;R4がフェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-イル-(C1〜C2)アルキル、チエン-3-イル-(C1〜C2)アルキル、フル-2-イル-(C1〜C2)アルキルまたはフル-3-イル-(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記環は独立してHまたはフルオロで一-または二-置換されており;R10及びR11はHであり;R6はカルボキシであり;及びR7はHであるのが特に好ましい化合物群である。
【0066】直前の群のなかで、R1が5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR4はベンジルである化合物が好ましい。式Iの好ましい化合物の第三群は、式中、R1はH、ハロ、メチルまたはシアノであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はフェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、若しくはハロで独立して一-、二-若しくは三-置換されているか、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-若しくは二-置換されているか;またはR4はチエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-1-、-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合により、ハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はフルオロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ(C1〜C4)アルコキシ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルコキシ、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C5)アルコキシ-カルボニル(C1〜C4)アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル(C1〜C4)アルコキシであり;R6はカルボキシまたは(C1〜C8)アルコキシカルボニルであり;及びR7はH、フルオロまたは(C1〜C6)アルキルである、化合物からなる。
【0067】式Iの好ましい化合物の第四の群は、式中、R1はH、ハロ、メチルまたはシアノであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はフェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、若しくはハロで独立して一-、二-若しくは三-置換されているか、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-若しくは二-置換されているか;またはR4はチエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-1-、-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合により、ハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はフルオロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ(C1〜C4)アルコキシ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルコキシ、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C5)アルコキシ-カルボニル(C1〜C4)アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル(C1〜C4)アルコキシであり;R6はC(O)NR8R9またはC(O)R12であり;及びR7はH、フルオロまたは(C1〜C6)アルキルである、化合物からなる。
【0068】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の別の群としては、式IA:【0069】
【化5】

の化合物並びにその医薬的に許容可能な塩及びプロドラッグが挙げられ、式中、点線(---)は任意の結合であり;点線(---)が結合であるとき、Aは-C(H)=、-C((C1〜C4)アルキル)=、-C(ハロ)=若しくはN=であるか、または点線(---)が結合ではないとき、Aはメチレン若しくは-CH((C1〜C4)アルキル)-であり;R1、R10及びR11はそれぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、4-、6-、若しくは7-ニトロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;R2はHであり;R3はHまたは(C1〜C5)アルキルであり;R4はH、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)アルコキシ(C1〜C3)アルキル、フェニル(C1〜C4)アルキル、フェニルヒドロキシ(C1〜C4)アルキル、(フェニル)((C1〜C4)-アルコキシ)(C1〜C4)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル-(C1〜C4)アルキルまたはフル-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキルであり、ここで前記R4環は、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、シアノまたは4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルで炭素上で独立して一-、二-または三-置換されているか;またはR4は、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C4)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イミダゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、ピロール-2-、-3-イル(C1〜C4)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、イソチアゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C4)アルキル、ピリダジン-3-若しくは-4-イル(C1〜C4)アルキル、ピリミジン-2-、-4-、-5-若しくは-6-イル(C1〜C4)アルキル、ピラジン-2-若しくは-3-イル(C1〜C4)アルキル、1,3,5-トリアジン-2-イル(C1〜C4)アルキルまたはインドール-2-(C1〜C4)アルキルであり、ここで前記R4複素環はハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシまたはシアノで場合により独立して一-または二-置換されており、前記置換基は炭素に結合しているか;またはR4はR15-カルボニルオキシメチルであり、ここで前記R15はフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、1H-インドリル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたは1,3,5-トリアジニルであり、ここで前記R15環は場合により、ハロ、アミノ、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシまたはトリフルオロメチルで独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はHであり;R6はカルボキシ、(C1〜C8)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、C(O)NR8R9またはC(O)R12であり;ここでR8はH、(C1〜C6)アルキル、シクロ(C3〜C6)アルキル、シクロ(C3〜C6)アルキル(C1〜C5)アルキル、ヒドロキシまたは(C1〜C8)アルコキシであり;及びR9はH、シクロ(C3〜C8)アルキル、シクロ(C3〜C8)アルキル(C1〜C5)アルキル、シクロ(C4〜C7)アルケニル、シクロ(C3〜C7)アルキル(C1〜C5)アルコキシ、シクロ(C3〜C7)アルキルオキシ、ヒドロキシ、メチレン-過フッ素化(C1〜C8)アルキル、フェニル、または複素環であり、ここで前記複素環はピリジル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル、ピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、チオクロマニルまたはテトラヒドロベンゾチアゾリルであり、ここで前記複素環は炭素-窒素結合しているか;またはR9は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C8)アルコキシであり、ここで前記(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C8)アルコキシは場合により、シクロ(C4〜C7)アルケン-1-イル、フェニル、チエニル、ピリジル、フリル、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1-オキソチオモルホリニル、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、1,3,5-トリアジニルまたはインドリルにより一置換されており、ここで前記(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C8)アルコキシは場合によりさらに、ハロ、ヒドロキシ、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、シアノ、カルボキシまたは(C1〜C4)アルコキシカルボニルで独立して一-または二-置換されており;及びここでR9環は、炭素上でハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキル、アミノ(C1〜C4)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、カルバモイル、ホルミルまたはトリフルオロメチルで一-または二-置換されており、前記R9環は場合によりさらに(C1〜C5)アルキルまたはハロにより独立して一-または二-置換されており;但し、任意のR9複素環上に非四級化窒素は含まれず;R12はモルホリノ、チオモルホリノ、1-オキソチオモルホリノ、1,1-ジオキソチオモルホリノ、チアゾリジン-3-イル、1-オキソチアゾリジン-3-イル、1,1-ジオキソチアゾリジン-3-イル、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-4-イル、アゼチジン-1-イル、1,2-オキサジナン-2-イル、ピラゾリジン-1-イル、イソキサゾリジン-2-イル、イソチアゾリジン-2-イル、1,2-オキサゼチジン-2-イル、オキサゾリジン-3-イル、3,4-ジヒドロイソキノリン-2-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル、3,4-ジヒドロ-2H-キノール-1-イル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]オキサジン-4-イル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]-チアジン-4-イル、3,4-ジヒドロ-2H-キノキサリン-1-イル、3,4-ジヒドロ-ベンゾ[c][1,4]オキサジン-1-イル、1,4-ジヒドロ-ベンゾ[d][1,4]オキサジン-3-イル、3,4-ジヒドロ-ベンゾ[e][1,4]-オキサジン-2-イル、3H-ベンゾ[d]イソキサゾール-2-イル、3H-ベンゾ[c]イソキサゾール-1-イルまたはアゼパン-1-イルであり;ここで前記R12環は、場合により、ハロ、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルカルバモイル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C3)アルコキシ、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、(C1〜C5)アルコキシカルボニル(C1〜C5)アルキル、(C1〜C4)アルコキシカルボニルアミノ、カルボキシ(C1〜C5)アルキル、カルバモイル(C1〜C5)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルカルバモイル(C1〜C5)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C5)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、アミノ(C1〜C4)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C6)アルキルイミノで独立して一-、二-または三-置換されており、ここで2個以下の置換基はオキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C6)アルコキシイミノから選択され、オキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C6)アルコキシイミノは非芳香族炭素上にあり;及び前記R12環は場合によりさらに(C1〜C5)アルキルまたはハロで独立して一-または二-置換されており;但しR6が(C1〜C5)アルコキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルであるとき、R1は5-ハロ、5-(C1〜C4)アルキルまたは5-シアノであり、R4は(フェニル)(ヒドロキシ)(C1〜C4)アルキル、(フェニル)((C1〜C4)アルコキシ)(C1〜C4)アルキル、ヒドロキシメチルまたはAr(C1〜C2)アルキルであり、ここでArはチエン-2-若しくは-3-イル、フル-2-若しくは-3-イルまたはフェニルであり、ここで前記Arは場合によりハロにより独立して一-または二-置換されており;但しR1及びR10及びR11がHであるとき、R4はイミダゾール-4-イルメチル、2-フェニルエチルまたは2-ヒドロキシ-2-フェニルエチルではなく;但し、R8がHであり、R9が(C1〜C6)アルキルであるとき、R9は、NHR9の窒素原子Nに結合している炭素上でカルボキシでも(C1〜C4)アルコキシカルボニルでも置換されておらず;但し、R6がカルボキシであり、R1、R10、R11及びR5が全てHであるとき、R4は、ベンジル、H、(フェニル)(ヒドロキシ)メチル、メチル、エチルまたはn-プロピルではなく;及び但しR8及びR9が両方とも同時にn-ペンチルであるとき、R1は5-クロロ、5-ブロモ、5-シアノ、5-(C1〜C5アルキル)、5-(C1〜C5アルコキシ)、または5-トリフルオロメチルである。
【0070】式IAの好ましい化合物の第一群は、式中、R1は5-ハロ、5-メチル、5-シアノまたは5-トリフルオロメチルであり;R10及びR11はそれぞれ独立して、Hまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4は、H、メチル、フェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ若しくはシアノで独立して一-、二-若しくは三-置換されており;前記R4基は、場合によりさらにハロにより一-置換されているか;R4は、チエン-2-若しくは、-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-2-、-4-若しくは--5イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル-(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソチアゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピリダジン-3-、-4-イル-(C1〜C2)アルキル、ピリミジン-2-、-4-若しくは-6-イル(C1〜C2)アルキル、ピラジン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルまたは1,3,5-トリアジン-2-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで、前記R4複素環は、場合によりハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシにより独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており、R5はHであり;及びR6はC(O)NR8R9またはC(O)R12である化合物からなる。
【0071】式IAの好ましい化合物の上記第一の群の中でも、式中、R4は、H、フェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記R4基は、Hまたはフルオロで独立して一-若しくは二-置換されており;R6はC(O)R12であり;及びR12はモルホリノ、チオモルホリノ、1-オキソチオモルホリノ、1,1-ジオキソチオモルホリノ、チアゾリジン-3-イル、1-オキソチアゾリジン-3-イル、1,1-ジオキソチアゾリジン-3-イル、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-4-イル、アゼチジン-1-イル、1,2-オキサジナン-2-イル、イソキサゾリジン-2-イル、イソチアゾリジン-2-イル、1,2-オキサゼチジン-2-イル、オキサゾリジン-3-イル、1,3-ジヒドロイソインドール-2-イルまたはアゼパン-1-イルであり、ここで前記R12環は、場合により、ハロ、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルカルバモイル、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、ヒドロキシ(C1〜C5)アルキル、アミノ(C1〜C4)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C6)アルキルイミノで独立して一-、二-または三-置換されており、但し、R12複素環のチアゾリジン-3-イル、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-4-イル、アゼチジン-1-イル、1,2-オキサジナン-2-イル、イソキサゾリジン-2-イルまたはオキサゾリジン-3-イルだけは、場合によりオキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C6)アルコキシイミノで一-または二-置換されており;及びここで前記R12環は場合によりさらに(C1〜C5)アルキルで独立して一-または二-置換されている化合物が特に好ましい化合物の第一の群である。
【0072】上記群の中でも、以下の化合物が特に好ましい。5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシイミノ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[2-(シス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[2-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(シス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[2-(1,1-ジオキソ-チアゾリジン-3-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(2-オキソ-2-チアゾリジン-3-イル-エチル)-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-(4-フルオロ-ベンジル)-2-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3RS)-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[2-オキソ-2-((1RS)-オキソ-1-チアゾリジン-3-イル)-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-(2-フルオロ-ベンジル)-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシイミノ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(4-ヒドロキシイミノ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、及び5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[1-ベンジル-2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド。
【0073】特に好ましい化合物の上記群の中でも、式中、R4はHであり;R12は、チアゾリジン-3-イル、1-オキソ-チアゾリジン-3-イル、1,1-ジオキソ-チアゾリジン-3-イルまたはオキサゾリジン-3-イルであるか、前記R12置換基は場合により、カルボキシ、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、アミノ(C1〜C3)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C3)アルキルアミノ(C1〜C3)アルキルで独立して一-または二-置換されているか、またはR12は、一-または二-置換ピロリジン-1-イルであり、ここで前記置換基は独立して、カルボキシ、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、(C1〜C5)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、アミノ、アミノ(C1〜C3)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C3)アルキルアミノ(C1〜C3)アルキルまたはモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノであり;及び前記R12環は、場合によりさらに(C1〜C5)アルキルで独立して二置換されている化合物が特に好ましい化合物の第一群である。
【0074】特に好ましい化合物の直前の群の中でも、式中、a.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR12はシス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イルであり;b.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR12は(3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イルであり;c.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR12は1,1-ジオキソ-チアゾリジン-3-イルであり;d.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR12はチアゾリジン-3-イルであり;e.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;及びR12は1-オキソ-チアゾリジン-3-イルである化合物が特に好ましい。
【0075】特に好ましい化合物の上記群の中でも、式中、R4はフェニルメチル、チエン-2-または-3-イルメチルであり、ここで、前記R4環は場合によりフルオロにより一-または二-置換されており;及びR12はチアゾリジン-3-イル、1-オキソ-チアゾリジン-3-イル、1,1-ジオキソ-チアゾリジン-3-イルまたはオキサゾリジン-3-イルであるか、前記R12置換基は場合により、カルボキシまたは(C1〜C5)アルコキシカルボニル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、アミノ(C1〜C3)アルキルまたはモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C3)アルキルアミノ(C1〜C3)アルキルで独立して一-または二-置換されているか、R12は一-若しくは二-置換アゼチジン-1-イルまたは一-若しくは二-置換ピロリジン-1-イルまたは一-若しくは二-置換ピペリジン-1-イルであり、ここで前記置換基は独立して、カルボキシ、(C1〜C5)アルコキシカルボニル、ヒドロキシ(C1〜C3)アルキル、アミノ(C1〜C3)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C3)アルキルアミノ(C1〜C3)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、オキソ、ヒドロキシイミノまたは(C1〜C5)アルコキシイミノであり;及び前記R12環は場合によりさらに、(C1〜C5)アルキルで独立して一-または二-置換されている化合物が特に好ましい化合物の第二群である。
【0076】特に好ましい化合物の直前の群の中でも、式中、a.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4は4-フルオロベンジルであり;R12は4-ヒドロキシピペリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;b.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は3-ヒドロキシピペリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;c.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12はシス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;d.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は3-ヒドロキシイミノ-ピロリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;e.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4は2-フルオロベンジルであり;R12は4-ヒドロキシピペリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;f.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は(3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;g.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;h.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は3-ヒドロキシイミノ-アゼチジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)であり;i.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R12は4-ヒドロキシイミノ-ピペリジン-1-イルであり;及び炭素(a)の立体化学は(S)である化合物が特に好ましい。
【0077】特に好ましい化合物の第二群の中でも、式中、R4はH、フェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルであり、前記R4環は、Hまたはフルオロで独立して一-または二-置換されており;R6はC(O)NR8R9であり;及びR8はH、(C1〜C5)アルキル、ヒドロキシまたは(C1〜C4)アルコキシであり;及びR9はH、シクロ(C4〜C6)アルキル、シクロ(C3〜C6)アルキル(C1〜C5)アルキル、メチレン-過フッ素化(C1〜C3)アルキル、ピリジル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピペリジニル、ベンゾチアゾリルまたはチオクロマニルであるか;またはR9は(C1〜C5)アルキルであり、ここで前記(C1〜C5)アルキルは場合により、シクロ(C4〜C6)アルケニル、フェニル、チエニル、ピリジル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1-オキソチオモルホリニル、または1,1-ジオキソチオモルホリニルで置換されており、ここで前記(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C4)アルコキシは場合によりさらに、ハロ、ヒドロキシ、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、または(C1〜C4)アルコキシカルボニルで独立して一-または二-置換されており;及びここで前記R9環は場合により、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ、カルバモイル、(C1〜C5)アルコキシカルボニルまたはカルバモイルで独立して炭素上で一-または二-置換されている化合物が好ましい化合物の第一群である。
【0078】直前の第二の群の中でも、式中、a.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は3-(ジメチルアミノ)プロピルであり;b.炭素(a)の立体化学は(S)であり;R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は3-ピリジルであり;c.炭素(a)の立体化学は(S)であり;R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は2-ヒドロキシエチルであり;d.炭素(a)の立体化学は(S)であり;R1は5-フルオロであり;R10及びR11はHであり;R4は4-フルオロフェニルメチルであり;R8はメチルであり;及びR9は2-モルホリノエチルである化合物が特に好ましい。
【0079】好ましい化合物の第一の群の中でも、式中、R4はH、フェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記R4環はHまたはフルオロで独立して一-または二-置換されており;R6はC(O)NR8R9であり;及びR8はH、(C1〜C5)アルキル、ヒドロキシまたは(C1〜C4)アルコキシであり;及びR9は(C1〜C4)アルコキシであり、ここで前記(C1〜C4)アルコキシは、場合により、シクロ(C4〜C6)アルケニル、フェニル、チエニル、ピリジル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1-オキソチオモルホリニル、または1,1-ジオキソチオモルホリニルで置換されており、ここで前記(C1〜C5)アルキルまたは(C1〜C4)アルコキシは場合により、さらに、ハロ、ヒドロキシ、(C1〜C5)アルコキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C5)アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、または(C1〜C4)アルコキシカルボニルで独立して一-または二-置換されており;及びここで前記R9環は場合により、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ、カルバモイル、(C1〜C5)アルコキシカルボニルまたはカルバモイルで一-または二-置換されている化合物が特に好ましい化合物の第三群である。
【0080】直前の第三群の中でも、式中、a.R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9は2-ヒドロキシエトキシであり;b.炭素(a)の立体化学は(S)であり;R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4は4-フルオロフェニルメチルであり;R8はメチルであり;及びR9はメトキシであり;c.炭素(a)の立体化学は(S)であり;R1は5-クロロであり;R10及びR11はHであり;R4はベンジルであり;R8はメチルであり;及びR9はメトキシである化合物が特に好ましい。
【0081】式IAの好ましい第二群は、式中、R1は5-ハロ、5-メチル、5-シアノまたはトリフルオロメチルであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はH、フェニル(C1〜C2)アルキル、チエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記環は、Hまたはフルオロで独立して一-または二-置換されており;R5はHであり;及びR6は(C1〜C5)アルコキシカルボニルである化合物である。
【0082】式IAの好ましい化合物の第三群は、式中、R1は5-ハロ、5-メチル、5-シアノまたはトリフルオロメチルであり;R10及びR11はそれぞれ独立してHまたはハロであり;Aは-C(H)=であり;R2及びR3はHであり;R4はH、メチルまたはフェニル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記フェニル基は、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノまたはシアノで独立して一-または二-置換されており、ここで前記フェニル基はさらに、Hまたはハロで独立して一-または二-置換されているか;またはR4はチエン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピリド-2-、-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、チアゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イミダゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、フル-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、ピロール-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキル、オキサゾール-2-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピラゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソキサゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、イソチアゾール-3-、-4-若しくは-5-イル(C1〜C2)アルキル、ピリダジン-3-若しくは-4-イル(C1〜C2)アルキル、ピリミジン-2-、-4-、-5-若しくは-6-イル(C1〜C2)アルキル、ピラジン-2-若しくは-3-イル(C1〜C2)アルキルまたは1,3,5-トリアジン-2-イル(C1〜C2)アルキルであり、ここで前記R4複素環は場合により、ハロ、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、アミノまたはヒドロキシで独立して一-または二-置換されており、前記一-または二-置換基は炭素に結合しており;R5はHであり;及びR6はカルボキシである化合物である。
【0083】好ましい化合物の第三群の中でも、式中、R10及びR11はHであり;及びR4はHである化合物が特に好ましい化合物の第一群である。
【0084】直前の中でも式中、R1は5-クロロである化合物が特に好ましい群である。好ましいグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のもう一つの群としては、以下のものが挙げられる。5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ-ジメチルカルバモイル-メチル)-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-メチル)-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソプロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-((R)-ヒドロキシ[メチル-(2-ヒドロキシエチル)-カルバモイル]-メチル)-2-フェニル-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-((3S)-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-3-オキソプロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-3-オキソプロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-(シス-3,4-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソプロピル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[1-ベンジル-2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(シス-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-(4-フルオロベンジル-2-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸(2-オキソ-2-チアゾリジン-3-イル-エチル)-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-(3-ヒドロキシイミノ-アゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド;及び5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-2-((3S,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-アミド、並びにその医薬的に許容可能な塩、及びプロドラッグ及び塩。
【0085】本発明では全てのグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を化合物(活性剤)として使用することができる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害は、標準アッセイに従って当業者には容易に測定することができる[例えば、Peaceら、(1977年) Clinical Chemistry 23巻:1711〜1717頁]。種々のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が記載されているが、当業者には他にもグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が公知である(例えば、PCT国際公開第95/24391-A及び米国特許第5,952,363号に記載のもの)。以下の文献でも本発明で使用し得るグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤について開示している:米国特許第5,998,463号;Oikanomakosら、Protein Science、19998(10) 1930〜1945、これは特に化合物3-イソプロピル-4-(2-クロロフェニル)-1,4-ジヒドロ-1-エチル-2-メチルピリジンを開示する;PCT国際公開第9524391号;同第9709040号;同第9840353号;同第9850359号;同第9731901号;欧州特許第884050号;及びHooverら、J.Med.Chem.,1998年41巻、2934〜2938頁。
【0086】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、治療的有効量を患者に投与する。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、単独でまたは医薬的に許容可能な組成物若しくは製剤の一部として投与することができる。さらにグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤または組成物は、例えば、丸薬を注入することによって全て一度に、例えば、一連の錠剤によって複数回、または経皮輸送を用いて一定の期間実質的に一様に投与することができる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤投与量は経時で変化させることができる。
【0087】さらに、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、単独で、他のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて、または他の医薬的活性化合物と組み合わせて投与することができる。他の医薬的活性化合物は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤として同じ疾病若しくは容態を、または他の疾患若しくは容態を処置するために用いることができる。患者が複数の医薬的活性化合物を与えられている場合には、その化合物は同時にまたは連続して投与することができる。例えば、錠剤の場合には、活性化合物は一つの錠剤または別個の錠剤とすることができ、これを一度にまたは任意の順で順次投与することができる。さらに、組成物は種々の形態を取ることができると考えるべきである。例えば一種以上の化合物を錠剤によって輸送することができるが、注射によってまたはシロップとして経口的に投与することもできる。全ての組合せ、輸送方法及び投与順が考えられる。
【0088】本発明の一側面では任意の順で別個に投与することができる医薬的活性成分を組み合わせて、開示された疾患/容態を処置しようとしているので、本発明はさらに別個の医薬組成物をキット形にすることにも関する。本発明のキットは二種の別個の医薬組成物:グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と、第二の医薬化合物を含む。本キットは分割ボトルまたは分割ホイル小包などの別個の組成物を含む容器を含む。容器の別の例としては、シリンジ、箱、バッグなどが挙げられる。通常、本キットは、別個の成分の投与に関する使用法も含む。キット形は特に、それぞれの成分を別々の剤形(例えば、経口及び非経口)で投与するのが好ましい場合、または混合物の個々の成分の滴定が処方する医師により望まれている場合に都合がよい。
【0089】そのようなキットの一例としては、いわゆるブリスターパックがある。ブリスターパックは包装業界では公知であり、医薬単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装用に広く使用されている。ブリスターパックは通常、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルでカバーされた比較的硬質材料のシートから構成される。包装プロセスで、プラスチックホイルにへこみ部分が形成される。へこみ部分はその中に含む錠剤またはカプセルのサイズ及び形と合う。次に、錠剤またはカプセルをへこみ部分に入れ、へこみ部分が形成されているのと反対のホイル面でプラスチックホイルに対して比較的硬質材料のシートをシールする。その結果、プラスチックホイルとシートとの間のへこみに錠剤またはカプセルがシールされる。へこみに指で圧力を与えると、へこみ部分でシートに開口部が形成してブリスターパックから錠剤またはカプセルを取り出すことができるようなシート強度であるのが好ましい。このように形成した開口部から錠剤またはカプセルを取り出すことができる。
【0090】錠剤またはカプセルの隣には、特定の錠剤またはカプセルが摂取される投薬計画の日数に対応する数字の形態でキットにメモリーエイド(記憶の助けになるもの:memory aid)を提供するのもさらに望ましい。そのようなメモリーエイドの別の例としては、カードに例えば、以下のように「第1週、月曜日、火曜日・・・等、第2週、月曜日、火曜日・・・」などを印刷したカレンダーがある。メモリーエイドの他の変形例も明らかである。「1日の投薬量」は、所定の日に摂取されるべき単一錠剤若しくはカプセルまたは複数の錠剤若しくはカプセルであっても良い。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の1日の投薬量が1個の錠剤若しくはカプセルからなっていて、第二の化合物の1日の投薬量が複数の錠剤若しくはカプセルからなっていてもよく、或いはグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の1日の投薬量が複数の錠剤若しくはカプセルからなっていて、第二の化合物の1日の投薬量が1個の錠剤若しくはカプセルからなっていてもよい。メモリーエイドは、この投薬計画を反映していなければならない。
【0091】本発明の別の特定の態様では、使用目的に応じて1回に一つずつ1日分の投与量を分配するように設計されたディスペンサーを提供する。このディスペンサーには、用量投薬計画に従いやすいようにメモリーエイドが備えられていると好ましい。そのようなメモリーエイドの例としては、分配すべき1日の投与量の数を示す機械計数機がある。そのようなメモリーエイドの別の例としては、例えば、1日の投与量を取り出した最後の日を読み出し、及び/または何時、次の投与量を取り出すべきかを患者に催促するような、液晶読み出しまたは聞き取れる催促の信号が備わった電池式のマイクロチップメモリがある。
【0092】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤及び他の医薬的活性剤は、所望により、経口、直腸、非経口(例えば、静脈内、筋肉内若しくは皮下)、嚢内、膣内、腹膜内、膀胱内、局所(例えば、粉末、軟膏若しくはドロップ)、または頬内若しくは鼻腔スプレーとして投与することができる。
【0093】非経口注射に好適な組成物は、生理学的に許容可能な滅菌の水性または非水溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、及び滅菌注射可能な溶液または分散液に再構築可能な滅菌粉末を含む。好適な水性及び非水性キャリヤ、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(例えば、オリーブオイル)及び注射可能な有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。レシチンなどのコーティングを使用して、分散液の場合には所定の粒径を保持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適当な流動性を保持することができる。
【0094】これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントを含むことができる。種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン等)を添加することにより微生物の汚染を予防することができる。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウム等)を配合することも好ましい。例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を使用することによって、注射可能な医薬組成物を長期にわたり吸収させることができる。
【0095】経口投与用の固体投薬形としては、カプセル、錠剤、粉末及び粒子が挙げられる。かかる固体投与形の場合には、活性化合物は、少なくとも一種の不活性慣用の賦形剤(またはキャリヤ)、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムまたは(a)フィラーまたは増量剤、例えば、スターチ、ラクトース、蔗糖、マンニトール、及び珪酸;(b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖及びアカシア;(c)湿潤剤、例えば、グリセロール;(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカスターチ、アルギン酸、特定の錯体珪酸塩、及び炭酸ナトリウム;(e)溶液凝固遅延剤、例えば、パラフィン;(f)吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物;(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート;(f)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト;並びに(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムまたはこれらの混合物と混合することができる。カプセル及び錠剤の場合には、投薬形は緩衝剤を含むこともできる。
【0096】同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して軟質及び硬質充填ゼラチンカプセルとしても使用することができる。
【0097】錠剤、ドラジェ(糖衣錠)、カプセル、ピル、及び粒子などの固体投薬形は、腸溶コーティングや他の当業界で公知のものなどのコーティング及びシェルで製造することができる。これらは不透明化剤を含むことができ、遅延方法で腸管の特定の部位で単数または複数種類の活性化合物を放出するようにすることもできる。使用することができる包埋化合物の例としては、ポリマー性物質及び蝋が挙げられる。活性化合物は、好適な場合には、上記賦形剤の一種以上とのミクロ-カプセル化封入形とすることもできる。
【0098】経口投与用の液体投与形としては、医薬的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられる。単数または複数種類の活性化合物の他に、液体投与形は、当業界で通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、溶解化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル類、またはこれらの混合物を含むことができる。
【0099】このような不活性希釈剤の他に本組成物は、アジュバント、例えば、湿潤化剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、フレーバー剤並びに香料を含むことができる。活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル類、微結晶セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、またはこれらの物質の混合物などを含むことができる。
【0100】直腸または膣内投与用化合物は、好ましくは坐薬であり、これらは、本発明の単数または複数種類の化合物と、通常の室温では固体であるが体内では液体であり、このため直腸または膣内で溶けて活性成分を放出する好適な非-刺激性賦形剤またはキャリヤ(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用蝋)と混合することができる。
【0101】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の局所適用のための投薬形としては、軟膏、粉末、スプレー及び吸入薬が挙げられる。単数または複数種類の活性化合物を滅菌条件下で生理学的に許容可能なキャリヤ、及び任意の防腐剤、緩衝剤または必要とされる噴射剤と混合する。眼科用製剤、目用軟膏、粉末及び溶液も本発明の範囲内に含まれる。
【0102】本発明のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、1日当たり約0.7〜約7,000mgの範囲の投与レベルで患者に投与することができる。約70kgの体重の通常の成人ヒトの場合には、体重1kg当たり約0.01〜約100mgの範囲の投与量が通常十分である。使用し得る特定の投与量及び範囲は、患者の要件、治療すべき容態または疾患の重篤度及び投与する化合物の薬理活性を含む種々の因子に依存することができる。特定の患者に対する投与範囲及び最適投与量は、この開示を考慮に入れて当業者により決定することができる。
【0103】以下の段落は、非-ヒト動物に有用な代表的な製剤、投与形などについて記載する。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の投与は経口または非経口、例えば、注射によっても実施することができる。動物に経口投与したときに、通常一日当たり0.01〜100mg/体重1kg、好ましくは0.1〜50mg/体重1kgの有効投与量を受けられるように、所定量の化合物を投与する。好都合には、薬物療法は、薬剤の治療量を毎日の給水と一緒に摂取するように、飲料水中で実施することができる。薬剤は、好ましくは、液体の水溶性濃縮物(例えば、水溶性塩の水溶液など)の形態で直接飲料水に計量することができる。好都合には、活性成分は、そのまま、またはプレミックス若しくは濃縮物とも言われる動物の栄養補助食品の形態で飼料に添加することもできる。キャリヤ中の治療薬のプレミックスまたは濃縮物は、飼料中に薬剤を含ませるために通常使用される。好適なキャリヤは液体または固体(例えば、水)であり、種々の食物、例えば、アルファルファミール、大豆ミール、綿実油ミール、アマニ油ミール、トウモロコシ穂軸ミール及びコーンミール、糖蜜、尿素、骨ミール、及び鉱物ミックスなどは、家禽用飼料で通常使用されるものである。特に有効なキャリヤはそれ自体個々の動物用飼料、即ちその飼料のほんの一部である。キャリヤによって、プレミックスをブレンドする完成飼料中に活性物質を均一に分散させやすくなる。化合物がプレミックス、そして飼料内にくまなくブレンドされるのが重要である。この点において、薬剤は、好適な油性ビヒクル(例えば、大豆油、コーン油、綿実油など)または揮発性有機溶媒中に分散または溶解させて、キャリヤと混合することができる。完成飼料中の薬剤量は、所望のレベルの治療薬を得るために飼料と好適な割合のプレミックスとをブレンドすることによって調節することができるので、濃縮物中の活性物質の割合は広範囲を変動することができると考えられる。
【0104】高濃度の濃縮物は、飼料製造業者によって、蛋白質様のキャリヤ、例えば、大豆油ミール及び上述の他のミールを混合して、動物に直接給餌するのに好適な濃縮サプリメントを製造することができる。そういった場合には、動物は通常の食事をとることができる。或いはそのような濃縮サプリメントを飼料に直接添加して、本発明の化合物の治療的に有効レベルを含んで、栄養学的にバランスの取れた、完成飼料を製造することができる。この混合物を標準法、例えば、ツインシェルブレンダーによって確実に均一にするためにくまなくブレンドする。
【0105】サプリメントを飼料の最上層として使用する場合には、仕上げた飼料の上部に活性物質を確実に均一分散させやすくする。治療したブタ、ウシ、ヒツジ及び山羊の飼料は飼料1トン当たり活性成分約1〜約400グラムを含み、これらの動物の最適量は、飼料1トン当たり約50〜約300グラムである。
【0106】好ましい家禽及び家畜用飼料は通常、飼料1トン当たり活性成分を約1〜約400グラム含み、好ましくは飼料1トン当たり活性成分を約10〜約400グラム含む。動物で非経口投与する場合には、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、ペーストまたはペレットの形態で製造し、通常動物の頭または耳の皮膚下にインプラントとして投与する。
【0107】通常、非経口投与では、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の十分量を注射して、約0.01〜約100mgの活性成分/体重kg/日で動物に与える。家禽、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ及びペット用の好ましい投薬量は、約0.1〜約50mg/kg/日の範囲である。
【0108】ペースト製剤は、ピーナッツ油、ゴマ油、コーン油などの医薬的に許容可能な油中に活性化合物を分散させることによって製造することができる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の有効量を含有するペレットは、カーボ蝋、カルナウバ蝋等の希釈剤とグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤とを混合することにより製造することができ、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムなどの潤滑剤を添加してペレット化プロセスを改良することができる。
【0109】2種以上のペレットを動物に投与して所望の投与レベルとすることができると考えられる。さらに、動物の体内で適当な活性剤レベルを維持するために、動物の処置期間中、定期的にインプラントを実施できることも知見された。
【0110】医薬的に許容可能な塩、エステル、アミドまたはプロドラッグなる用語は、医学的な判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを与えずに、患者で使用するのが好適で、適度な利益/危険割合で、所望の使用並びに可能な場合にはグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の両性イオン形で有効な、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のカルボン塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミド及びプロドラッグを意味する。
【0111】「塩」なる用語は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の無機及び有機塩を指す。塩は、化合物の最終単離及び精製時にin situで、または好適な有機若しくは無機酸と化合物とを別個に反応させて形成した塩を単離することによって製造することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、ベシレート(besylate)、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メタンスルホン酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオネート(lactobionate)、及びラウリル硫酸塩などが挙げられる。塩は、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)、並びに非毒性アンモニウム、四級アンモニウム等をベースとするカチオン類、及びアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含むがこれらに限定されないアミンカチオン類を含むことができる。例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J Pharm Sci、第66巻:1〜19頁(1977年)を参照されたい。
【0112】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の医薬的に許容可能な、非毒性エステル類の例としては、妥当な場合、C1〜C8アルキルエステル類が挙げられる。許容可能なエステル類としては、C5〜C7シクロアルキルエステル類、並びにベンジルなどのアリールアルキルエステル類も挙げられる。C1〜C4アルキルエステル類が好ましい。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のエステル類は、当業界で公知の方法に従って製造することができる。
【0113】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の医薬的に許容可能な、非毒性アミド類の例としては、アンモニア、一級C1〜C8アルキルアミン類、及び二級C1〜C8ジアルキルアミン類から誘導したアミド類が挙げられる。二級アミン類の場合には、該アミン類は少なくとも1個の窒素原子を含有する5または6員のヘテロシクロアルキル基の形態であることもできる。アンモニア、C1〜C3一級アルキルアミン類、及びC1〜C2ジアルキル二級アミン類から誘導されたアミド類が好ましい。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のアミド類は、当業界で公知の方法に従って製造することができる。
【0114】「プロドラッグ」なる用語は、in-vivoで形質転換してグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を製造する化合物を意味する。形質転換は、種々の機構、例えば、血液中の加水分解によって起きる。プロドラッグの使用の議論は、T.Higuchi及びW.Stellaの「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S.SymposiumSeriesの第14巻及びBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987年により与えられている。
【0115】例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤がカルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、例えば、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1-(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)-エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子の1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1-(N-アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3-フタリジル、4-クロトンラクトニル、ガンマ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N-(C1〜C2)アルキルアミノ(C2〜C3)アルキル(例えば、β-ジメチルアミノエチル)、カルバモイル-(C1〜C2)アルキル、N,N-ジ(C1〜C2)アルキルカルバモイル-(C1〜C2)アルキル及びピペリジノ-、ピロリジノ-またはモルホリノ(C2〜C3)アルキルなどの基で置き換えることによって形成したエステルを含むことができる。
【0116】同様に、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、例えば、(C1〜C6)アルカノイルオキシメチル、1-((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1〜C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N-(C1〜C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1〜C6)アルカノイル、α-アミノ(C1〜C4)アルカノイル、アリールアシル及びα-アミノアシル、またはα-アミノアシル-α-アミノアシル[ここで、それぞれのα-アミノアシル基は、独立して天然L-アミノ酸、P(O)(OH)2、-P(O)(O(C1〜C6)アルキル)2またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形のヒドロキシル基を除去することによって得られる基)から選択される]等の基で置き換えることによって形成することができる。
【0117】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、アミン基中の水素原子と、例えば、R-カルボニル、RO-カルボニル、NRR'-カルボニル[ここで、R及びR'はそれぞれ独立して、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、ベンジルであるか、またR-カルボニルは天然α-アミノアシルまたは天然α-アミノアシル-天然αアミノアシルである]、-C(OH)C(O)Y[ここで、YはH、(C1〜C6)アルキルまたはベンジルである]、-C(OY0)Y1[ここで、Y0は(C1〜C4)アルキルであり、Y1は(C1〜C6)アルキル、カルボキシ(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C4)アルキルまたはモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C6)アルキルアミノアルキルである]、-C(Y2)Y3[ここで、Y2はHまたはメチルであり、Y3はモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C6)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン-1-イルまたはピロリジン-1-イルである]などの基で置き換えることによって形成することができる。
【0118】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、非対称またはキラル中心を含むことができるので、種々の立体異性体形が存在する。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の全ての立体異性体形並びに、ラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の一部を形成すると考えられる。さらに、本発明は、全ての幾何異性体及び位置異性体を含むものとする。例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が二重結合を含む場合、シス形及びトランス形の両方、並びに混合物が含まれる。
【0119】ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー及び/または分別結晶などの公知の方法によってその物理的化学的違いをベースとして個々の立体化学成分に分離することができる。鏡像異性体は、好適な光学活性化合物(例えば、アルコール)と反応させ、ジアステレオマーを分離し、次いで個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に転換(例えば、加水分解)することによって、鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に転換することによって分離することができる。また、本発明の幾つかのグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、アトロープアイソマー(atropisomer)(例えば、置換ビアリール類)であることができ、本発明の一部とみなされる。
【0120】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、非溶媒和形並びに医薬的に許容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)と溶媒和形で存在することができる。本発明は、溶媒和形と非溶媒和形の両方を含む。
【0121】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は種々の互変体形で存在することも可能である。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤の全ての互変形が考えられる。例えば、イミダゾール部分の全ての互変体形が本発明に含まれる。また、本化合物の全てのケト-エノールまたはイミン-エナミン形も本発明に含まれる。
【0122】当業者は本発明に含まれる化合物名は化合物の特定の互変形をベースとすることができると理解するだろう。特定の互変形についての名前しか使用していないが、全ての互変体が特定の互変体の名前によって包含され、本発明の一部として含まれる。
【0123】本明細書に開示される本発明は、合成化学者に公知の研究室方法を使用してin-vitroで;または代謝、発酵、消化などによってin-vivo方法を使用して合成される化合物を包含するものと考えられる。本発明の化合物は、in-vitro及びin-vivo方法の組合せを使用して合成することができると考えられる。
【0124】本発明は、一つ以上の原子が自然界で通常知見される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を持つ原子で置き換わっているという点以外には、本明細書中で引用されたものと同一である同位元素標識化化合物も含む。本発明の化合物に含まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clが挙げられる。上記同位体及び/または他の原子の他の同位体を含有するグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は本発明の範囲内に含まれる。特定の同位体標識化グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、例えば、3H及び14Cなどの放射性同位体が取り込まれているものは、薬剤及び/または基質組織分散アッセイで有用である。三重化、即ち3H及び炭素-14、即ち14C同位体は、製造及び検出が容易なので特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば、重水素、即ち2Hとの置換は、強い代謝安定性、例えば、長期化in-vivo半減期または投薬量の低減化によって治療的に好都合な点が得られるので、特定の条件では好ましい。
【0125】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用し得る代表的な薬剤としては、糖尿病を治療するのに使用する薬剤、例えば、インスリン及びインスリン類似体(例えば、LysProインスリン);GLP-1(7-37)(インスリノトロピン:insulinotropin)及びGLP-1(7-36)-NH2;ビグアニド;メトホルミン、フェノホルミン(phenoformin)、ブホルミン;α2−アンタゴニスト及びイミダゾリン類;ミダグリゾール(midaglizole)、イサグリドール(isaglidole)、デリグリドール(deriglidole)、イダゾキサン(idazoxan)、エファロキサン(efaroxan)、フルパロキサン(fluparoxan);スルホニルウレア類及び類似体;クロロプロパンアミド、グリベンクラミド、トルブタミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリピジド(glypizide)、グリメピリド(glimepiride)、レパグリニド(repaglinide)、メグリチニデ(meglitinide);他のインスリン分泌促進物質;リノグリリド(linogliride)、A-4166;グリタゾン(glytazone);シグリタゾン(ciglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、トログリタゾン(troglitazone)、ダルグリタゾン(darglitazone)、ロシグリタゾン(rosiolitazone);PPAR-ガンマアゴニスト類;脂肪酸酸化阻害剤;クロモキシル(clomoxir);エトモキシル(etomoxir);α-グルコシダーゼ阻害剤:アカーボーセ(acarbose)、ミグリトール(miglitol)、エミグリテート(emiglitate)、ボグリボース(voglibose)、MDL-25,637、カミグリボース(camiglibose)、MDL-73,945;β-アゴニスト類:BRL35135、BRL 37344、Ro 16-8714、ICI D7114、CL 316,243;ホスホジエステラーゼ阻害剤:L-386,398;脂質-低下薬:ベンフルオレックス(benfluorex);抗肥満薬:フェンフルラミン(fenfluramine);バナデート及びバナジウム錯体(例えば、Naglivan:登録商標)及びペルオキソバナジウム錯体;アミリンアンタゴニスト;グルカゴンアンタゴニスト;糖新生阻害剤;ソマトスタチン類似体及びアンタゴニスト;抗脂肪分解薬:ニコチン酸、アシピモックス(acipimox)、WAG994が挙げられる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用が考えられるものとしては、プラムリンチドアセテート(pramlintide acetate)(Symlin:商標)、AC2993、及びナテグリニド(nateglinide)がある。薬剤の任意の組合せを上記の如く投与することができる。
【0126】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤はアルドースレダクターゼ阻害剤と組み合わせても使用することができる。アルドースレダクターゼ阻害剤は、糖尿病の合併症から発生した症状、例えば、糖尿病性神経障害及び腎症の治療に有用であることが広く公知である化合物種を構成する。かかる化合物は当業者には公知であり、標準的な生物学的試験によって直ちに識別される。例えば、アルドースレダクターゼ阻害剤ゾポルレスタット(zopolrestat)、1-フタラジン酢酸、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2-ベンゾチアゾリル]メチル]-、及び関連化合物が、Larsonらの米国特許第4,939,140号に記載されている。
【0127】アルドースレダクターゼ阻害剤は、哺乳類の脂質レベルを低下させる際に使用することが示唆されてきた。例えば、Kallai-sanfaconの米国特許第4,492,706号及び欧州特許第0 310 931 A2(Ethyl Corporation)を参照されたい。
【0128】Goingの米国特許第5,064,830号は、ゾポルレスタットを含む、血中尿酸レベルを低下させるための特定のオキソフタラジニル酢酸アルドースレダクターゼの使用について開示する。
【0129】共に譲渡された米国特許第5,931,551号は、ヒトにおいて脂質レベルを低下させるためのゾポルレスタットを含む特定のアルドースレダクターゼ阻害剤の使用について開示する。この開示では、血中のトリグリセリドが上昇することによって生じた疾患、例えば、心臓血管性障害、例えば、血栓症、動脈硬化症、心筋梗塞及び、狭心症の治療に有用性があると示唆している。好ましいアルドースレダクターゼ阻害剤はゾポルレスタットである。
【0130】アルドースレダクターゼ阻害剤なる用語は、酵素アルドースレダクターゼによって触媒作用されるグルコースのソルビトールへの生物変換反応を阻害する化合物を指す。
【0131】アルドースレダクターゼ阻害剤は、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。アルドースレダクターゼ阻害作用は、標準アッセイ[J.Malone、Diabetes、29巻:861〜864頁(1980年)、Red Cell Sorbitol、an Inhibitor of Diabetic Control]に従って当業者により容易に決定される。該論文では種々のアルドースレダクターゼ阻害剤が記載されているが、本発明の組成物及び方法で有用な他のアルドースレダクターゼ阻害剤が当業者に公知である。
【0132】組織中のアルドースレダクターゼ阻害剤の活性は、(ソルビトールのさらなる産生を阻害してアルドースレダクターゼを遮蔽することにより)組織ソルビトールを低下または(ソルビトール産生を阻害してアルドースレダクターゼ、従ってフルクトース産生を遮蔽することにより)組織フルクトースを低下させるのに必要なアルドースレダクターゼ阻害剤の量を試験することによって決定することができる。
【0133】従って、本発明の組成物、組合せ及び方法で有用なアルドースレダクターゼ阻害剤の例としては、以下のものが挙げられる。
1.3-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1-フタラジン酢酸(ポナルレスタット:ponalrestat、米国特許第4,251,528号);
2.N[[(5-トリフルオロメチル)-6-メトキシ-1-ナフタレニル]チオキソメチル]-N-メチルグリシン(トルレスタット:tolrestat、米国特許第4,600,724号);
3.5-[(Z,E)-β-メチルシンナミリデン]-4-オキソ-2-チオキソ-3-チアゾリデン酢酸(エパルレスタット:epalrestat、米国特許第4,464,382号、米国特許第4,791,126号、米国特許第4,831,045号);
4.3-(4-ブロモ-2-フルオロベンジル)-7-クロロ-3,4-ジヒドロ-2,4-ジオキソ-1(2H)-キナゾリン酢酸(ゼナレスタット:zenarestat、米国特許第4,734,419号及び同第4,883,800号);
5.2R,4R-6,7-ジクロロ-4-ヒドロキシ-2-メチルクロマン-4-酢酸(米国特許第4,883,410号);
6.2R,4R-6,7-ジクロロ-6-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-メチルクロマン-4-酢酸(米国特許第4,883,410号);
7.3,4-ジヒドロ-2,8-ジイソプロピル-3-オキソ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-4-酢酸(米国特許第4,771,050号);
8.3,4-ジヒドロ-3-オキソ-4-[(4,5,7-トリフルオロ-2-ベンゾチアゾリル)メチル]-2H-1,4-ベンゾチアジン-2-酢酸(SPR-210、米国特許第5,252,572号);
9.N-[3,5-ジメチル-4-[(ニトロメチル)スルホニル]フェニル]-2-メチル-ベンゼンアセトアミド(ZD5522、米国特許第5,270,342号及び米国特許第5,430,060号);
10.(S)-6-フルオロスピロ[クロマン-4,4'-イミダゾリジン]-2,5'-ジオン(ソルビニル:sorbinil、米国特許第4,130,724号);
11.d-2-メチル-6-フルオロ-スピロ(クロマン-4',4'-イミダゾリジン)-2',5'-ジオン(米国特許第4,540,704号);
12.2-フルオロ-スピロ(9H-フルオレン-9,4'-イミダゾリジン)-2',5'-ジオン(米国特許第4,438,272号);
13.2,7-ジ-フルオロ-スピロ(9H-フルオレン-9,4'-イミダゾリジン)-2',5'-ジオン(米国特許第4,436,745号、米国特許第4,438,272号);
14.2,7-ジ-フルオロ-5-メトキシ-スピロ(9H-フルオレン-9,4'-イミダゾリジン)-2',5'-ジオン(米国特許第4,436,745号、米国特許第4,438,272号);
15.7-フルオロ-スピロ(5H-インデノール[1,2-b]ピリジン-5,3'-ピロリジン)-2,5'-ジオン(米国特許第4,436,745号、米国特許第4,438,272号);
16.d-cis-6'-クロロ-2',3'-ジヒドロ-2'-メチル-スピロ-(イミダゾリジン-4,4'-4'H-ピラノ(2,3-b)ピリジン)-2,5-ジオン(米国特許第4,980,357号);
17.スピロ[イミダゾリジン-4,5'(6H)-キノリン]-2,5-ジオン-3'-クロロ-7',8'-ジヒドロ-7'-メチル-(5'-cis)(米国特許第5,066,659号);
18.(2S,4S)-6-フルオロ-2',5'-ジオキソスピロ(クロマン-4,4'-イミダゾリジン)-2-カルボキサミド(米国特許第5,447,946号);及び19.2-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-6-フルオロスピロ[イソキノリン-4(1H),3'-ピロリジン]-1,2',3,5'(2H)-テトロン(ARI-509、米国特許第5,037,831号)。
【0134】他のアルドースレダクターゼ阻害剤には、以下の式Ia:【0135】
【化6】

[式中、ZはOまたはSであり;R1はヒドロキシであるか、式Ia中R1がOHである化合物を製造するためにin-vivoで除去し得る基であり;及びX及びYは同一または異なり、水素、トリフルオロメチル、フルオロ及びクロロから選択される]をもつ化合物またはその医薬的に許容可能な塩若しくはプロドラッグが含まれる。
【0136】上記アルドースレダクターゼ阻害剤の群で好ましいサブグループとしては、1、2、3、4、5、6、9、10及び17の番号の付いた化合物と、式Iaの以下の化合物が挙げられる。
20.3,4-ジヒドロ-3-(5-フルオロベンゾチアゾール-2-イルメチル)-4-オキソフタラジン-1-イル-酢酸[R1=ヒドロキシ;X=F;Y=H];
21.3-(5,7-ジフルオロベンゾチアゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Y=F];
22.3-(5-クロロベンゾチアゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Cl;Y=H];
23.3-(5,7-ジクロロベンゾチアゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Y=Cl];
24.3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-(5-トリフルオロメチルベンゾオキサゾール-2-イルメチル)フタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=CF3;Y=H];
25.3,4-ジヒドロ-3-(5-フルオロベンゾオキサゾール-2-イルメチル)-4-オキソフタラジン-1-イル-酢酸[R1=ヒドロキシ;X=F;Y=H];
26.3-(5,7-ジフルオロベンゾオキサゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキサフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Y=F];
27.3-(5-クロロベンゾオキサゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Cl;Y=H];
28.3-(5,7-ジクロロベンゾオキサゾール-2-イルメチル)-3,4-ジヒドロ-4-オキソフタラジン-1-イル酢酸[R1=ヒドロキシ;X=Y=Cl];及び29.ゾポルレスタット(zopolrestat);1-フタラジン酢酸、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2-ベンゾチアゾリル]メチル]-[R1=ヒドロキシ;X=トリフルオロメチル;Y=H]。
【0137】化合物20〜23及び29では、ZはSである。化合物24〜28では、ZはOである。上記サブグループでは、化合物20〜29がより好ましく、化合物29が特に好ましい。式Iaのアルドースレダクターゼ阻害剤の製造方法は、PCT国際公開第WO99/26659号に開示されている。
【0138】上記アルドースレダクターゼ阻害剤及び他のアルドースレダクターゼ阻害剤のそれぞれは、糖尿病性心筋症を治療するために一種以上のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0139】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤と組み合わせても使用することができる。ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤はフルクトースレベルを低下させ、神経障害、網膜症、腎症、心筋症、細小血管障害、及びマクロ血管障害などの糖尿病性合併症を治療したり予防するために使用されてきた。米国特許第5,728,704号及び同第5,866,578号は、酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼを阻害することにより糖尿病性合併症を治療するための化合物及び方法を開示する。
【0140】上記ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤及び他のソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤のそれぞれを、糖尿病性心筋症を治療するために一種以上のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0141】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、グルココルチコイドレセプターアンタゴニストと組み合わせても使用することができる。グルココルチコイドレセプター(GR)は、グルココルチコイド応答細胞中に存在し、アゴニストによって刺激されるまで不活性状態で細胞質ゾル中に存在する。刺激されると、グルココルチコイドレセプターは細胞核に場所を置き換えて、そこでDNA及び/または(単数または複数種類の)蛋白質と特異的に相互作用して、グルココルチコイド応答法で転写反応を調節する。グルココルチコイドレセプターと相互作用する蛋白質の二つの例は、転写因子、APIとNFκ-βである。かかる相互作用によってAPI-媒介転写とNFκ-β-媒介転写を阻害して、内性投与グルココルチコイドの抗-炎症活性を担うと考えられている。さらに、グルココルチコイドは、核転写反応とは関係なく生理学的な作用も発揮することができる。生物学的に関連するグルココルチコイドレセプターアゴニストとしては、コルチゾル及びコルチコステロンがある。デキサメタゾン、プレドニゾン(prednisone)及びプレドニシロン(prednisilone)を含む多くの合成グルココルチコイドレセプターアゴニストが存在する。定義によると、グルココルチコイドレセプターアンタゴニストはレセプターに結合して、グルココルチコイドレセプターアゴニストが、転写を含むGR媒介事象と結合し誘発するのを防ぐ。RU486は非選択的グルココルチコイドレセプターアンタゴニストの一例である。GRアンタゴニストは、体内でグルココルチコイド過剰または欠乏に関連する疾患の治療に使用することができる。それゆえ、これらは以下の、肥満、糖尿病、心血管疾患、高血圧、X症候群、抑鬱、不安、緑内障、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または後天性免疫不全症候群(AIDS)、神経退化(例えば、アルツハイマー病及びパーキンソン病)、認知強化、クッシング症候群、アジソン病、骨粗鬆症、意志薄弱(frilty)、炎症性疾患(例えば、変形性関節症、リューマチ様動脈炎、喘息及び鼻炎)、副腎機能の試験、ウイルス感染、免疫不全、免疫修飾、自己免疫疾患、アレルギー、創傷治癒、強制的行動、多種薬耐性、嗜癖、精神病、食欲低下、悪液質、外傷後ストレス症候群、外科手術後骨折、医学的異化及び筋肉脆弱予防を治療するのに使用することができる。
【0142】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用し得るGRアンタゴニストの例としては、以下の式Ib:【0143】
【化7】

[式中、mは1または2であり;---は任意の結合を表し;Aは、【0144】
【化8】

からなる群から選択され;DはCR7、CR7R16、N、NR7またはOであり;EはC、CR6またはNであり;FはCR4、CR4R5またはOであり;G、H及びIはA-環の2個の炭素原子またはB-環の2個の炭素原子と一緒になって、一個以上のN、O若しくはS原子を含む5員の複素環を形成し;但し、環1つ当たりO及びSは多くても一つであり;J、K、L及びMは、B-環の2個の炭素原子と一緒になって1つ以上のN原子を含む6員の複素環を形成し;Xは、a)存在しない、b)-CH2-、c)-CH(OH)-またはd)-C(O)-であり;R1は、a)-H、b)-Z-CF3、c)-(C1〜C6)アルキル、d)-(C2〜C6)アルケニル、e)-(C2〜C6)アルキニル、f)-CHO、g)-CH=N-OR12、h)-Z-C(O)OR12、i)-Z-C(O)-NR12R13、j)-Z-C(O)-NR12-Z-het、k)-Z-NR12R13、l)-Z-NR12het、m)-Z-het、n)-Z-O-het、o)-Z-アリール'、p)-Z-O-アリール'、q)-CHOH-アリール'、またはr)-C(O)-アリール'であり、ここで置換基o)〜r)中のアリール'は、以下の-Z-OH、-Z-NR12R13、-Z-NR12-het、-C(O)NR12R13、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)OH、-C(O)-het、-NR12-C(O)-(C1〜C6)アルキル、-NR12-C(O)-(C2〜C6)アルケニル、-NR12-C(O)-(C2〜C6)アルキニル、-NR12-C(O)-Z-het、-CN、-Z-het、-O-(C1〜C3)アルキル-C(O)-NR12R13、-O-(C1〜C3)アルキル-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-NR12-Z-C(O)O(C1C6)アルキル、-N(Z-C(O)O(C1〜C6)アルキル)2、-NR12-Z-C(O)-NR12R13、-Z-NR12-SO2-R13、-NR12-SO2-het、-C(O)H、-Z-NR12-Z-O(C1〜C6)アルキル、-Z-NR12-Z-NR12R13、-Z-NR12-(C3〜C6)シクロアルキル、-Z-N(Z-O(C1〜C6)アルキル)2、-SO2R12、-SOR12、-SR12、-SO2NR12R13、-O-C(O)-(C1〜C4)アルキル、-O-SO2-(C1〜C4)アルキル、-ハロまたは-CF3の0、1または2個で独立して置換されており;それぞれの場合に置いてZは独立してa)(C0〜C6)アルキル、b)-(C2〜C6)アルケニルまたはc)-(C2〜C6)アルキニルであり;R2はa)-H、b)-ハロ、c)-OH、d)0または1個の-OHで置換された-(C1〜C6)アルキル、e)-NR12R13、f)-Z-C(O)O(C1〜C6)アルキル、g)-Z-C(O)NR12R13、h)-O-(C1〜C6)アルキル、i)-Z-O-C(O)-(C1〜C6)アルキル、j)-Z-O-(C1〜C3)アルキル-C(O)-NR12R13、k)-Z-O-(C1〜C3)アルキル-C(O)-O(C1〜C6)アルキル、l)-O-(C2〜C6)アルケニル、m)-O-(C2〜C6)アルキニル、n)-O-Z-het、o)-COOH、p)-C(OH)R12R13、またはq)-Z-CNであり;R3は、a)-H、b)-(C1〜C10)アルキルであり、ここで結合している炭素原子以外の1または2個の炭素原子は場合により、S、O及びNから独立して選択される1または2個のヘテロ原子で置換されており、ここでそれぞれの炭素原子は0、1または2個のRyで置換されており、c)0、1または2個のRyで置換された-(C2〜C10)アルケニル、d)-(C2〜C10)アルキニル、ここで結合している炭素原子以外の1個の炭素原子は場合により1個の酸素原子で置換されており、ここでそれぞれの炭素原子は0、1または2個のRyで置換されており、e)-CH=C=CH2、f)-CN、g)-(C3〜C6)シクロアルキル、h)-Z-アリール、i)-Z-het、j)-C(O)O-(C1〜C6)アルキル、k)-O(C1〜C6)アルキル、l)-Z-S-R12、m)-Z-S(O)-R12、n)-Z-S(O)2-R12、o)-CF3、p)-NR12O-(C1〜C6)アルキルまたはq)-CH2ORyであり;但し、C-環のCR2R3(7-位)とF部分(8-位)との間に二重結合がある場合、R2とR3の一方は存在せず;それぞれの場合においてRyは、独立してa)-OH、b)-ハロ、c)-Z-CF3、d)-Z-CF(C1〜C3アルキル)2、e)-CN、f)-NR12R13、g)-(C3〜C6)シクロアルキル、h)-(C3〜C6)シクロアルケニル、i)-(C0〜C3)アルキル-アリール、j)-het、またはk)-N3であり;またはR2及びR3は一緒になって、a)=CHR11、b)=NOR11、c)=O、d)=N-NR12、e)=N-NR12-C(O)-R12、f)オキシラニルまたはg)1,3-ジオキソラン-4-イルを形成し;それぞれの場合においてR4及びR5は、独立して、a)-H、b)-CN、c)0〜3個のハロで置換された-(C1〜C6)アルキル、d)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルケニル、e)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルキニル、f)0〜3個のハロで置換された-O-(C1〜C6)アルキル、g)0〜3個のハロで置換された-O-(C2〜C6)アルケニル、h)0〜3個のハロで置換された-O-(C2〜C6)アルキニル、i)ハロ、j)-OH、k)(C3〜C6)シクロアルキルまたはl)(C3〜C6)シクロアルケニルであり;またはR4及びR5は一緒になって=Oを形成し;R6は、a)-H、b)-CN、c)0〜3個のハロで置換された-(C1〜C6)アルキル、d)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルケニル、e)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルキニル、またはf)-OHであり;それぞれの場合においてR7及びR16は、a)-H、b)-ハロ、c)-CN、d)0〜3個のハロで置換された-(C1〜C6)アルキル、e)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルケニル、またはf)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルキニルであり、但し、DがNR7であるとき、R7は-CNでも-ハロでもないそれ以外のものであり;またはR7及びR16は、一緒になって=Oを形成し;それぞれの場合においてR8、R9、R14及びR15は、独立してa)-H、b)-ハロ、c)0〜3個のハロで置換された(C1〜C6)アルキル、d)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルケニル、e)0〜3個のハロで置換された-(C2〜C6)アルキニル、f)-CN、g)-(C3〜C6)シクロアルキル、h)-(C3〜C6)シクロアルケニル、i)-OH、j)-O-(C1〜C6)アルキル、k)-O-(C1〜C6)アルケニル、l)-O-(C1〜C6)アルキニル、m)-NR12R13、n)-C(O)OR12またはo)-C(O)NR12R13であり;またはR8及びR9は、C-環上で一緒になって=Oを形成し、但し、mが2であるとき、R8及びR9の一組だけが一緒になって=Oを形成し;またはR14及びR15は、一緒になって=Oを形成し、但し、R14及びR15が一緒になって=Oを形成するとき、DはCR7以外のものであり且つEはC以外のものであり;R10は、a)-ハロ、-OH及び-N3から独立して選択された0〜3個の置換基で置換された-(C1〜C10)アルキル、b)-ハロ、-OH及び-N3から独立して選択された0〜3個の置換基で置換された-(C2〜C10)アルケニル、c)-ハロ、-OH及び-N3から独立して選択された0〜3個の置換基で置換された-(C2〜C10)アルキニル、d)-ハロ、e)-Z-CN、f)-OH、g)-Z-het、h)-Z-NR12R13、j)-Z-C(O)-het、i)-Z-C(O)-(C1〜C6)アルキル、k)-Z-C(O)NR12R13、l)-Z-C(O)-NR12-Z-CN、m)-Z-C(O)-NR12-Z-het、n)-Z-C(O)-NR12-Z-アリール、o)-Z-C(O)-NR12-Z-NR12R13、p)-Z-C(O)-NR12-Z-O(C1〜C6)アルキル、q)-(C1〜C6)アルキル-C(O)OH、r)-Z-C(O)O(C1〜C6)アルキル、s)-Z-O-(C1〜C6)アルキル-het、t)-Z-O-(C0〜C6)アルキル-アリール、u)0〜2個のRxで置換された-Z-O-(C1〜C6)アルキル、v)-Z-O-(C1〜C6)アルキル-CH(O)、w)-Z-O-(C1〜C6)アルキル-NR12-het、x)-Z-O-Z-het-Z-het、y)-Z-O-Z-het-Z-NR12R13、z)-Z-O-Z-het-C(O)-het、a1)-Z-O-Z-C(O)-het、b1)-Z-O-Z-C(O)-het-het、c1)-Z-O-Z-C(O)-(C1〜C6)アルキル、d1)-Z-O-Z-C(S)-NR12R13、e1)-Z-O-Z-C(O)-NR12R13、f1)-Z-O-Z-(C1〜C3)アルキル-C(O)-NR12R13、g1)-Z-O-Z-C(O)-O-(C1〜C6)アルキル、h1)-Z-O-Z-C(O)-OH、i1)-Z-O-Z-C(O)-NR12-O-(C1〜C6)アルキル、j1)-Z-O-Z-C(O)-NR12-OH、k1)-Z-O-Z-C(O)-NR12-Z-NR12R13、l1)-Z-O-Z-C(O)-NR12-Z-het、m1)-Z-O-Z-C(O)-NR12-SO2-(C1〜C6)アルキル、n1)-Z-O-Z-C(=NR12)(NR12R13)、o1)-Z-O-Z-C(=NOR12)(NR12R13)、p1)-Z-NR12-C(O)-O-Z-NR12R13、q1)-Z-S-C(O)-NR12R13、r1)-Z-O-SO2-(C1〜C6)アルキル、s1)-Z-O-SO2-アリール、t1)-Z-O-SO2-NR12R13、u1)-Z-O-SO2-CF3、v1)-Z-NR12C(O)OR13またはw1)-Z-NR12C(O)R13であり;またはR9及びR10は式A-5の部分で一緒になってa)=Oまたはb)=NOR12を形成し;R11は、a)-H、b)-(C1〜C5)アルキル、c)-(C3〜C6)シクロアルキルまたはd)-(C0〜C3)アルキル-アリールであり;それぞれの場合において、R12及びR13はそれぞれ独立して、a)-H、b)-(C1〜C6)アルキルであり、ここで結合している炭素以外の1または2個の炭素原子は、場合により、S、O及びNから独立して選択される1または2個のヘテロ原子により置き換わっており、ここでそれぞれの炭素原子は、0〜6個のハロで置換されており、c)0〜6個のハロで置換された-(C2〜C6)アルケニル、またはd)結合している炭素以外の1個の炭素原子は、場合により、1個の酸素原子で置き換わっており、ここでそれぞれの炭素原子は0〜6個のハロで置換されており;またはR12及びR13はNと一緒になってhetを形成し;またはR6とR14またはR15とは一緒になって1,3-ジオキソラニルを形成し;アリールは、a)0〜3個のRxで置換されたフェニル、b)0〜3個のRxで置換されたナフチル、またはc)0〜3個のRxで置換されたビフェニルであり;hetは窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1個〜3個のヘテロ原子を含有する5、6または7員の飽和、一部飽和、または不飽和環であり、上記複素環のどれもがベンゼン環またはもう一つの複素環に融合している任意の二環式基を含み;前記窒素原子は酸化状態でN-オキシド形となっていてもよく;0〜3個のRxで置換されており;それぞれの場合でRxは独立して、a)-ハロ、b)-OH、c)-(C1〜C6)アルキル、d)-(C2〜C6)アルケニル、e)-(C2〜C6)アルキニル、f)-O(C1〜C6)アルキル、g)-O(C2〜C6)アルケニル、h)-O(C2〜C6)アルキニル、i)-(C0〜C6)アルキル-NR12R13、j)-C(O)-NR12R13、k)-Z-SO2R12、l)-Z-SOR12、m)-Z-SR12、n)-NR12-SO2R13、o)-NR12-C(O)-R13、p)-NR12-OR13、q)-SO2-NR12R13、r)-CN、s)-CF3、t)-C(O)(C1〜C6)アルキル、u)=O、v)-Z-SO2-フェニル、またはw)-Z-SO2-hetであり;アリール'はフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり;het'は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1個〜3個のヘテロ原子を含有する5、6または7員の飽和、一部飽和または不飽和環であり、上記複素環のどれもがベンゼン環またはもう一つの複素環に融合している任意の二環式基を含み;但し、1)X-R1は水素でもメチルでもないそれ以外のものであり;
2)R9及びR10がA-環上の置換基であるとき、これらはモノ-メトキシでもジ-メトキシでもないそれ以外のものであり;
3)R2及びR3が一緒になって=CHR11または=Oを形成し、ここでR11が-O-(C1〜C6)アルキルであるとき、-R-X1は(C1〜C4)アルキル以外のものであり;
4)R2及びR3が一緒になってC=Oを形成し、R9がA-環上の水素であるとき;またはR2がヒドロキシであり、R3が水素であり及びR9がA-環上の水素であるとき、R10はA-環上の2-位の-O-(C1〜C6)アルキルでも-O-CH2-フェニルでもないそれ以外のものであり;
5)X-R1が(C1〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニルまたは(C2〜C4)アルキニルであるとき、R9及びR10はモノ-ヒドロキシでも=Oでもないそれ以外のものであり、一緒の場合そのジオール形を含み;
6)Xが存在しないとき、R1はB-環及びC-環の接合点に直接結合したN、OまたはSから独立して選択されたヘテロ原子を含有する部分以外のものである(1999年4月30日出願の米国暫定特許出願番号第60/132,130号参照)]の化合物、その異性体、前記化合物若しくは異性体のプロドラッグ、または前記化合物、異性体若しくはプロドラッグの医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0145】上記グルココルチコイドレセプターアンタゴニスト及び他のグルココルチコイドレセプターアンタゴニストはそれぞれ、糖尿病性心筋症を治療するためにグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0146】グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、ナトリウム-水素交換型1(NHE-1)阻害剤と組み合わせても使用することができる。NHE-1阻害剤の例としては、式Ic:【0147】
【化9】

の化合物、そのプロドラッグまたは前記化合物若しくは前記プロドラッグの医薬的に許容可能な塩が挙げられ、ここで、Zは、結合した炭素であり、2個の隣接する窒素を有する5員の、ジアザ、二不飽和環であり、前記環は場合により、R1、R2及びR3から独立して選択された3個以下の置換基で一-、二-または三-置換されているか;またはZは、結合した炭素であり、5員の、トリアザ、二不飽和環であり、前記環は場合により、R4及びR5から独立して選択された2個以下の置換基で一-または二-置換されており;ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルキルチオ、(C3〜C4)シクロアルキル、(C3〜C7)シクロアルキル(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルカルバモイル、M若しくはM(C1〜C4)アルキルであり、前記(C1〜C4)アルキル部分のいずれもが場合により、1〜9個のフッ素を含み;前記(C1〜C4)アルキルまたは(C3〜C4)シクロアルキルは場合によりヒドロキシ、(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルキルチオ、(C1〜C4)アルキルスルフィニル、(C1〜C4)アルキルスルホニル、(C1〜C4)アルキル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルカルバモイルまたはモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノスルホニルで独立して一-または二-置換されており;及び前記(C3〜C4)シクロアルキルは場合により1〜7個のフッ素を含み;ここでMは、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を場合により有する一部飽和、完全飽和または完全不飽和の5〜8員環であるか、または窒素、硫黄及び酸素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を場合により有する、2個の融合した一部飽和、完全飽和または完全不飽和の3〜6員環からなる二環式環であり;前記Mは、その部分が単環式の場合には1個の環上で、その部分が二環式の場合には一方または両方の環上の炭素または窒素上で、R6、R7及びR8から独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されており、ここでR6、R7及びR8の一つは、(C1〜C4)アルキルで場合により置換された酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1〜3個のへテロ原子を場合により含む一部飽和、完全飽和、または完全不飽和の3〜7員環であり、さらにR6、R7及びR8は場合によりヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルコキシカルボニル、(C1〜C4)アルキル、ホルミル、(C1〜C4)アルカノイル、(C1〜C4)アルカノイルオキシ、(C1〜C4)アルカノイルアミノ、(C1〜C4)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C1〜C4)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C1〜C4)アルキルチオ、(C1〜C4)アルキルスルフィニル、(C1〜C4)アルキルスルホニル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノスルホニル、(C2〜C4)アルケニル、(C2〜C4)アルキニルまたは(C5〜C7)シクロアルケニルであり;ここで前記(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C7)アルカノイル、(C1〜C4)アルキルチオ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノまたは(C3〜C7)シクロアルキルR6、R7及びR8置換基は場合により、ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシカルボニル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C1〜C4)アルカノイル、(C1〜C4)アルカノイルアミノ、(C1〜C4)アルカノイルオキシ、(C1〜C4)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C1〜C4)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、ニトロ、(C1〜C4)アルキルチオ、(C1〜C4)アルキルスルフィニル、(C1〜C4)アルキルスルホニルまたはモノ-N-若しくはジ-N,N-(C1〜C4)アルキルアミノスルホニルで独立して一-置換されているか、場合により1〜9個のフッ素で置換されている(PCT国際公開第WO99/43663号参照)。
【0148】上記NHE-1阻害剤及び他のNHE-1阻害剤はそれぞれ、糖尿病性心筋症を治療するためにグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0149】さらに、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、甲状腺ホルモン模擬薬(thyromimetic)と組み合わせて使用することができる。甲状腺ホルモン類、特に生物学的に活性なヨードチオニン類は正常な発育及び代謝ホメオスタシスを維持するのに重要であることが容認されている。甲状腺ホルモン類はコレステロールの胆汁酸への代謝を刺激し、脂肪細胞の他のホルモンへの脂肪分解応答を強める。米国特許第4,766,121号;同第4,826,876号;同第4,910,305号;及び同第5,061,798号は、特定の甲状腺ホルモン模擬薬(thyroid hormone mimetics)、即ち、3,5-ジブロモ-3'-[6-オキソ-3(1H)-ピリダジニルメチル]-チロニン類を開示する。米国特許第5,284,971号は、特定の甲状腺ホルモン模擬コレステロール低下薬、即ち、4-(3-シクロヘキシル)-4-ヒドロキシまたは-メトキシフェニルスルホニル)-3,5-ジブロモ-フェニル酢酸化合物を開示する。米国特許第5,401,772号;同第5,654,468号;及び同第5,569,674号は、脂質低下薬である特定の甲状腺ホルモン模擬薬、即ち、ヘテロ酢酸誘導体を開示する。さらに、甲状腺ホルモン類の特定のオキサミド酸誘導体は当業界で公知である。例えば、N.YokoyamaらのJournal ofMedicinal Chemistry、38(4):695〜707頁(1995)で発表された論文では、T3の天然の代謝産物中の-CH2基を-NH基で置き換えて、-HNCOCO2Hを形成することを記載する。同様に、International Congressional Service(Atherosclerosis X)1066:321〜324(1995)で発行された論文でR.E.Steeleらと、Atherosclerosis、126:53〜63(1996)で発行されたZ.F.Stephanらは、脂質-低下性甲状腺ホルモン模擬薬として有用で、不都合な心臓活性のない、特定のオキサミド酸誘導体について記載している。
【0150】上記甲状腺ホルモン模擬性化合物及び他の甲状腺ホルモン模擬性化合物はそれぞれ、糖尿病性心筋症を治療するのに一種以上のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0151】糖尿病性心筋症を治療するための本発明の別の側面では、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、高血圧を治療するために使用し得る化合物と組み合わせて使用することができる。高血圧を治療することができる化合物種の例としては、カルシウム遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、アンギオテンシンIIレセプター遮断薬、β-遮断薬、及びα-アドレナリン作動遮断薬が挙げられる。さらに、上記種類の化合物の組合せは、高血圧を治療するのに使用されており、抗-高血圧薬のこれらの組合せは、一種以上のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。糖尿病性心筋症を治療するためにグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる高血圧を治療するために使用する特定の化合物の例としては、Cardizem、Adalat、Calan、Cardene、Covera、Dilacor、DynaCirc、Procardia XL、Sular、Tiazac、Vascor、Verelan、Isoptin、Nimotop、Norvasc、Plendil、Accupril、Altace、Captopril、Lotensin、Mavik、Monopril、Prinivil、Univasc、Vasotec及びZestril(いずれも登録商標)が挙げられる。
【0152】以下に示す実施例は、本発明の特定の態様を説明するためのものであり、請求の範囲を含む本明細書の範囲を限定するものではない。本出願中で引用する全ての特許、特許出願及び他の文献は、本明細書中、参照として含まれる。
【0153】
【実施例】動物、特に哺乳類(例えば、ヒト)における疾患(例えば、本明細書中に詳細が記載されているもの)を処置したり予防する際の薬剤としての本発明の化合物の有用性は、以下に記載するin-vitro及びin-vivoアッセイ並びに慣用のアッセイにおける化合物の活性により示される。そのようなアッセイは、本発明の化合物の活性が他の公知の化合物の活性と比べることができる手段も提供する。これらの比較の結果は、動物、特にヒトを含む哺乳類において、そのような疾患を処置するための投薬レベルを決定するのに有用である。
グリコーゲンホスホリラーゼ産生及びアッセイグリコーゲンホスホリラーゼが「a」状態(グリコーゲンホスホリラーゼaまたは略号GPAと参照される)であり、本明細書中、ヒト肝臓グリコーゲンホスホリラーゼa(HLGPa)、ヒト筋肉グリコーゲンホスホリラーゼa(HMGPa)、及びヒト脳グリコーゲンホスホリラーゼa(HBGPa)と参照される三種類の純化グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)同位酵素は、以下の方法により得ることができる。
発現及び発酵HLGP及びcDNA(それぞれNewgardら、Proc.Natl.Acad.Sci.,83巻:8132〜8136頁(1986)、及びNewgardら、Proc.Natl.Acad.Sci.,263巻:3850〜3857頁(1988)に記載されているようにして得た)並びにHMGP及びcDNA[Kubischら、Center for Molecular Neurobiology、University of Hamburg、Martinistrasse 85, Hamburg、20246、ドイツ;Genbank(National Center for Biotechnology Information,National Institutes of Health、米国)取得番号 U94774、U94775、U94776及びU94777、1997年3月20日提出;Burkeら、Proteins、2巻:177〜187頁(1987);及びHwangら、Eur.J.Biochem.,152巻,267〜274頁(1985)によりヒト骨格筋グリコーゲンホスホリラーゼ遺伝子及び部分cDNA配列を単離するための情報及び方法をもとにして、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)-産生cDNAフラグメントでStratagene(Stratagene Cloning System.La Jolla、CA)ヒト筋肉cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより得た]を大腸菌株XL-1ブルー(Stratagene Cloning Systems、LaJolla、CA)中のプラスミドpKK233-2(Pharmacia Biotech.Inc., Piscataway、New Jersey)から発現させた。株をLB培地(10gトリプトン、5g酵母抽出物、5g NaCl及び1ml NaOH/lからなる)+100mg/Lアンピシリン、100mg/Lピリドキシン及び600mg/L MnCl2に接種し、37℃で生長させて細胞密度OD550=1.0とした。この時点で、細胞を1mM イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシダーゼ(IPTG)で誘発した。誘発3時間後、細胞を遠心分離により集め、精製が必要になるまで細胞ペレットを−70℃で凍結させた。
【0154】HBGP cDNAは、幾つかの方法、例えば、Crearら(J.Biol.Chem.270:13748〜13756頁(1995))により記載の方法により発現させることができる。HBGPの発現に関する、Crearらにより記載された方法(J.Biol.Chem.270巻:13748〜13756頁(1995))は、以下の通りである:HBGP cDNAは大腸菌株25A6中プラスミドpTACTACから発現させることができる。株をLB培地(10gトリプトン、5g酵母抽出物、5g NaCl、及び1ml 1N NaOH/lからなる)+50mg/Lアンピシリンに接種して一晩生長させ、次いで新しいLB培地+50mg/Lアンピシリンに再懸濁させ、250μMイソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド(IPTG)、0.5mMピリドキシン及び3mM MnCl2を含有するLB/amp媒質の40倍容量中に再び接種し、22℃で48〜50時間増殖させた。細胞は遠心分離により集め、精製する必要があるまで細胞ペレットを−70℃で凍結させた。
【0155】HLGP cDNAは、プラスミドpBlueBacIII(Invitrogen Corp., San Diego,CA)から発現させ、これをSf9細胞にBaculoGold Linear Viral DNA(Pharmingen、San Diego、CA)で同時形質導入した。続いて、組換体ウイルスをプラーク-精製した。蛋白質の産生に関しては、血清を含まない培地で増殖させたSf9細胞(Sf-900 II血清非含有培地、Gibco BRL、Life Technologies、Grand Island、NY)をmoi(多重感染度)0.5及び細胞密度2×106個/mlで感染させた。27℃で72時間増殖させた後、細胞を遠心分離し、精製する必要があるまで細胞ペレットを−70℃で凍結させた。
大腸菌中で発現させたグリコーゲンホスホリラーゼの精上記ペレット中の大腸菌を、0.2mM DTT、1mM MgCl2と以下のプロテアーゼ阻害剤:0.7μg/mlペプスタチンA、0.5μg/mlロイペプチン、0.2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、及び0.5mmEDTAと共に25mM β-グリセロホスフェート(pH7.0)中に再懸濁させ、200μg/mlリゾチーム及び3μg/mlDNAase中で予備処理し、続いて250mlバッチでBranson Model 450超音波細胞破壊機(BransonSonic Power Co.,Danbury CT)を使用して氷上で5×1.5分間超音波処理することにより溶解させた。大腸菌細胞溶解物を35,000×gで1時間遠心分離し、次いで0.45ミクロンフィルターを通して濾過することによってきれいにした。溶解物の溶解性画分中のGP(全蛋白質の1%未満と見積もられる)を、以下に記載する一連のクロマトグラフィー段階から(以下、GPa活性アッセイで記載するように)酵素活性をモニターすることによって精製した。
固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)この段階は、Luongらの方法(Luongら、Jouranl of Chromatography 584巻:77〜84頁(1992年))をベースとした。(原細胞ペレット約160〜250gから製造した)細胞溶解物の濾過した溶解性画分500mlを、50mM CuCl2及び25mM β-グリセロホスフェート、250mM NaCl及び1mM イミダゾール(pH7)(平衡緩衝液)を充填したIMAC Chelating-Sepharose(Pharmacia LKB Biotechnology、Piscataway、New Jersey)の130mlカラムに設置した。A280がベースラインに戻るまでカラムを平衡緩衝液で洗浄した。次いでサンプルを100mMイミダゾールを含有する同一緩衝液でカラムから溶出させて結合GP及び他の結合蛋白質を除去した。GP活性を含有する画分をプール(約600ml)し、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、DL-ジチオトレイトール(DTT)、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、ロイペプチン及びペプスタチンAを添加して、それぞれ0.3mM、0.2mM、0.2mM、0.5μg/ml及び0.7μg/ml濃度を得た。プールしておいたGPを25mM トリス-HCl(pH7.3)、3mM DTT緩衝液(緩衝液A)で平衡化させたSephadex G-25カラム(Sigma ChemicalCo., St.Louis, Missouri)で脱塩してイミダゾールを除去し、氷上で貯蔵し、必要により第二のクロマトグラフィー段階(以下に示す)にかけた。
5'-AMP-セファロースクロマトグラフィー次に脱塩しプールしておいたGPサンプル(約600ml)を、上記緩衝液A(上記参照)で平衡化した5'-AMPセファロース(Pharmacia LKB Biotechnology、Piscataway、New Jersey)70mlと混合した。混合物を22℃で1時間、緩やかに撹拌し、次いでカラムに充填し、A280がベースラインに戻るまで緩衝液Aで洗浄した。GP及び他の蛋白質を25mM トリス-HCl、0.2mM DTT及び10mM アデノシン5'-一リン酸(AMP)pH7.3(緩衝液B)でカラムから溶離した。GP-含有画分を以下に記載する酵素活性を検出しMr約97kdal GP蛋白質バンドを、ナトリウムドデシルサルフェートポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)により視覚化し、次いで銀染色法(2D-silver Stain II、「Daiichi Kit」、Daiichi Pure Chemicals Co., LTD., 東京、日本)により確認してからプールした。プールしたGPを25mMβ-グリセロホスフェート、0.2mM DTT、0.3mM EDTA、200mM NaCl、pH7.0緩衝液(緩衝液C)中で透析し、使用するまで氷上で貯蔵した。
【0156】GP酵素を使用する前に、酵素を大腸菌株XL-1 Blue(Stragene Cloning Systems、LaJolla、カリフォルニア)で発現したように不活性形(GPbという)から活性形(GPaという)に、以下のセクション(A)GPの活性化に記載の方法により転換した。
Sf9細胞で発現したグリコーゲンホスホリラーゼの精製上記ペレット中のSf9細胞を、25mM β-グリセロホスフェート(pH7.0)と0.2mMDTT、1mM MgCl2と以下のプロテアーゼ阻害剤:0.7μg/ml ペプスタチンA、0.5μg/ml ロイペプチン、0.2mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、及び0.5mM EDTAに再懸濁し、3μg/mlDNAase中で予備処理し、続いてBranson Model 450超音波細胞破壊機(Branson Sonic Power Co.,Danbury CT)を使用して氷上で3×1分間超音波処理することにより溶解させた。次いで、Sf9細胞溶解物を35,000×gで1時間遠心分離し、次いで0.45ミクロンフィルターを通して濾過することによってきれいにした。溶解物の溶解性画分中のGP(全蛋白質の1%未満と見積もられる)を、以下に記載する一連のクロマトグラフィー段階から(以下、GPa活性アッセイで記載するように)酵素活性をモニターすることによって精製した。
固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)固定化金属親和性クロマトグラフィーを、以下のセクションに記載の如く実施した。次いでプールしておいた、脱塩したGPをさらに処理するまで氷上で貯蔵した。
GPの活性化さらにクロマトグラフィーにかける前に、Sf9細胞中で発現させた不活性酵素の画分(GPbという)を以下のセクション(A)GPの活性化に記載の方法により活性形(GPaという)に転換した。
アニオン交換クロマトグラフィー以下に記載の如く、固定化ホスホリラーゼキナーゼとの反応によってIMAC精製GPbをGPaに活性化した後、プールしておいたGPa画分を、0.5mM DTT、0.2mM EDTA、1.0mM フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、1.0μg/mlロイペプチン及び1.0μg/mlペプスタチンAを含有する25mM トリス-HCl、pH7.5に対して透析した。次いで画分をMonoQ Anion Exchange Chromatographyカラム(Pharmacia Biotech.Inc., Piscataway、New Jersey)上に装填した。A280がベースラインに戻るまで、カラムを平衡緩衝液で洗浄した。次いでサンプルを0〜0.25MNaClの直線勾配液でカラムから溶出し結合GP及び他の結合蛋白質を除去した。GP-含有画分は、A280におけるピーク蛋白質吸収に関して溶離液をモニターすることにより検出するように、0.1〜0.2M NaCl範囲で溶離した。次いで、GP蛋白質をナトリウムドデシルサルフェートポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)によりMr約97kdal GP蛋白質バンドを視覚化し、次いで銀染色法(2D-silverStain II、「Daiichi Kit」、Daiichi Pure Chemicals Co., LTD., 東京、日本)で確認してからプールした。プールしたGPを25mM N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、1.0mM DTT、0.5mM EDTA、5mMNaCl、pH6.8緩衝液中に透析し、使用するまで氷上で貯蔵した。
GP酵素活性の検出A) GPの活性化:GPbのGpaへの転換GP酵素活性を検出する前に、酵素を大腸菌株XL-1 Blue中で発現した不活性形(GPbという)(Stragene Cloning Systems、LaJolla、California)から活性形(GPaという)へ、以下のホスホリラーゼキナーゼを使用するGPのホスホリル化により転換した。Sf9細胞中で発現した不活性酵素(GPbという)の画分を以下の方法により活性形(GPaという)に転換した。
固定化ホスホリラーゼキナーゼとのGP反応ホスホリラーゼキナーゼ(Sigma Chemical Company、St.Louis, MO)を製造業者の説示に従ってAffi-Gel(登録商標)10(BioRad Corp.,Melvile,NY)上に固定化した。要するに、ホスホリラーゼキナーゼ酵素(10mg)を、100mM HEPES及び80mM CaCl2 pH7.4の2.5mL中4℃で4時間、洗浄したAffi-Gel(登録商標)ビーズ(1ml)でインキュベートした。次いでAffi-Gel(登録商標)ビーズを同一緩衝液で一回洗浄してから、50mM HEPESと1Mグリシンメチルエステル、pH8.0で室温で1時間、遮断した。遮断緩衝液を除去し、貯蔵用に50mM HEPES(pH7.4)、1mM β-メルカプトエタノール及び0.2% NaN3と置き換えた。GPbをGPaに転換させるために使用する前に、Affi-Gel(登録商標)固定化ホスホリラーゼキナーゼビーズを、25mM β-グリセロホスフェート、0.3mM DTT、及び0.3mM EDTA、pH7.8からなる、キナーゼ反応を実施するのに使用する緩衝液(キナーゼアッセイ緩衝液)中で洗浄することによって平衡化した。
【0157】上記5'-AMP-セファロースクロマトグラフィー(大腸菌由来)から得た一部精製した、不活性GPbまたは上記IMAC(SF9細胞由来)から得たGPaとGPbとの混合物をキナーゼアッセイ緩衝液で1:10に希釈し、次いで、Affi-Gel(登録商標)ビーズ上に固定化した上記ホスホリラーゼキナーゼ酵素と混合した。NaATPを添加して5mMとし、MgCl2を添加して6mMとした。得られた混合物を25℃で30〜60分間緩やかに混合した。活性化サンプルをビーズから取り出し、GPaへ転換することによるGPbの活性化率を、3.3mM AMPの有無におけるGP酵素活性を検出することにより評価した。GPa酵素活性(AMP-依存性)による全GP酵素活性のパーセントは、以下のように計算した。
【0158】
【数1】

また、GPbのGPaへの転換は、GPbのGPaへの転換後の電気泳動移動度におけるシフトをベースとした等電点電気泳動によりモニターすることができる。GPサンプルはプレキャストゲル(pI範囲4〜6.5)を用いるPharmacia PfastGel System(Pharmacia Biotech,Inc., Piscataway、New Jersey)と製造業者の推奨法を使用して等電点電気泳動(IEF)により分析した。次いで溶解させたGPaとGPbのバンドを銀染色法(2D-silver StainII「Daiichi Kit」、Daiichi Pure Chemicals Co.,LTD,東京,日本)によりゲル上で視覚化した。GPaとGPbの識別は、実験サンプルとして同一ゲル上で平行実施した大腸菌から誘導したGPb及びGPbの標準と比較することにより実施した。
【0159】B)GPa活性アッセイ本発明の化合物の本明細書中で記載した疾患/容態処置活性は、2種の方法のうちの一方によってグリコーゲンホスホリラーゼの活性形(GPa)の活性における本発明の化合物の効果を評価することによって間接的に決定することができ、グリコーゲンホスホリラーゼa活性は、グリコーゲンからグルコース-1-リン酸の産生をモニターすることによってまたは無機リン酸塩の放出によるグルコース-1-リン酸からのグリコーゲン合成を測定する逆反応に従って前進方向で測定する。全ての反応は96-ウエルミクロ滴定プレート中、三重に実施し、反応生成物の形成による吸収の変化は、Titertech Microplate Stacker(ICN BiomedicalCo, Huntsville,Alabama)に接続した、MCC/340 MKII Elisa Reader(Lab Systems,Finland)で以下に特定する波長で測定した。
【0160】前進方向でGPs酵素活性を測定するためには、グリコーゲンからのグルコース-1-リン酸の産生を、以下のように変形したPesceらの多酵素結合一般方法[Pesce,M.A.,Bodourian,S.H.,Harris,R.C.及びNicholson,J.F. Clinical Chemistry23巻:1711〜1717頁(1977)]によりモニターした。1〜100μgのGpa、10単位のホスホグルコムターゼ及び15単位のグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals,Indianapolis,IN)を緩衝液D(pH7.2、50mM HEPES、100mM KCl、2.5mM エチレングリコール四酢酸(EGTA)、2.5mM MgCl2、3.5mM KH2PO4、及び0.5mM ジチオトレイトール)中1mLに希釈した。このストック溶液20μlを、0.47mg/mlグリコーゲン、9.4mMグルコース、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP+)の酸化形0.63mMを含有する緩衝液D80μlに添加した。試験すべき化合物を14%ジメチルスルホキシド(DMSO)中の溶液5μlとして添加してから、酵素を添加した。阻害剤(例えば、本発明の化合物)の非存在下におけるGPa酵素活性の基底速度を、14%DMSO5μlを添加することにより決定し、GPa酵素活性の完全-阻害速度を正の制御試験物質、カフェイン50mMの20μlを添加することにより得た。340nmにおける酸化NADP+の還元NADPHへの転換率を測定して反応を室温で実施した。
【0161】逆方向でGPa酵素活性を測定するためには、グリコーゲン+無機リン酸塩へのグルコース-1-リン酸の転換を、以下のように変形したEngersらにより記載された一般的な方法[Engers,H.D.,Shechosky,S.及びMadsen,N.B., Can.J.Biochem.48巻:746〜754頁(1970)]により測定した。1〜100μgのGPaを緩衝液E(pH7.2、50mM HEPES、100mM KCl、2.5mM EGTA、2.5mM MgCl2及び0.5mM ジチオトレイトール)中1mlに希釈した。このストック溶液20μlを、1.25mg/mlのグリコーゲン、9.4mMグルコース及び0.63mMグルコース-1-リン酸と一緒に緩衝液E80μlに転換した。試験すべき化合物は、14%DMSO中溶液5μlとして添加してから、酵素を添加した。添加した阻害剤(例えば、本発明の化合物)の有無におけるGPa酵素活性の基底速度を14%DMSO5μlを添加して決定し、GPa酵素活性の完全-阻害速度は、50mMカフェイン20μlを添加することにより得た。この混合物を室温で1時間インキュベートし、グルコース-1-リン酸から放出された無機リン酸塩を、以下のように変形したLanzettaらの一般的な方法[Lanzetta,P.A.,Alvarez,L.J.,Reinach,P.S.,及びCandia,O.A. Anal.Biochem.100:95〜97頁(1979)]により測定した。10mg/mlアンモニウムモリブデート150μl、1N HCl中の0.38mg/mlマラカイトグリーンを酵素混合物100μlに添加した。室温で20分インキュベーションした後、620nmにおける吸収を測定した。
【0162】種々の濃度範囲の試験化合物で上記アッセイを実施することにより、試験化合物によるGPa酵素活性のin-vitro阻害に関するIC50(50%阻害率に必要な試験化合物濃度)を決定することができた。
【0163】5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド[化合物1]は、表1のデータに示されているようにグリコーゲンホスホリラーゼの三種類のヒトイソ形の重要な阻害剤である。上記方法を使用してデータを得た。
【0164】
【表1】

本発明の化合物は、血糖降下薬として臨床使用に直ちに適用できる。本発明の化合物の血糖降下活性は、オスob/obマウスにおいて試験化合物を含まない賦形剤と比較してグルコースレベルを低下させる試験化合物量によって決定することができる。この試験によって、試験化合物に関するそのようなマウスにおける血漿グルコース濃度のin-vivo低下に関する大体の最小有効量(MED)値を決定することもできる。
【0165】血中グルコース濃度は糖尿病性疾患の発症に密接に関連しているので、本発明の化合物は、その血糖降下作用によって糖尿病性疾患を予防、阻止し及び/または後退させる。
【0166】5〜8週齢のオスC57BL/6J-ob/obマウス(Jackson Laboratory、Bar Harbor、ME)を標準的なアニマルケア習慣下でケージ当たり5匹を収容した。1週間の順化期間後、動物の体重を計り、全ての処置前に眼窩洞から血液25マイクロリットルを採取した。血液サンプルを0.025%ナトリウムヘパリンを含有する塩水で1:5に直ちに希釈し、代謝物分析用に氷上に保持した。それぞれの群が同様の血漿グルコース濃度平均を持つように、動物を処置群に割り当てた。群に割り当てた後、(1)pH調節剤を含まない水中0.25%w/vメチルセルロース;または(2)pH調節剤を含まない0.1%塩水中0.1%Pluronic(登録商標)P105ブロックコポリマー界面活性剤(BASF Corporation, Parisppany,NJ)のいずれかからなるビヒクルを4日間毎日経口投与した。5日目に、動物の体重を再び計り、次いで試験化合物かビヒクルだけを経口投与した。全ての化合物を、(1)水中0.25%w/vメチルセルロース;または3)pH調節剤を含まないニートPEG400;(2)pH調節剤を含まない0.1%塩水中10%DMSO/0.1%Pluronic(登録商標);または3)pH調節剤を含まないニートPEG400のいずれかからなるビヒクル中で投与した。次いで動物を血中代謝物レベルを検出するために3時間後に眼窩洞から採血した。新しく集めたサンプルを室温で10,000×gで2分間遠心分離した。上清をグルコースに関して、例えば、Abbott VP(商標)(Abbott Labotarotries、Diagnostics Division、Irving、TX)及びVPスーパーシステム(登録商標)オートアナライザー(Abbott Laboratories、Irving、TX)により、または100mg/dl標準を用いるA-Gent(商標)グルコース-UV試薬システム(Abbott Laboratories、Irving、TX)(Richterich及びDauwalder、Schweizerische Medizinische Wochenschrift、101巻:860頁(1970)の方法の変形)(ヘキソキナーゼ法)を使用するAbbott Spectrum CCX(商標)(Abbott Laboratories、Irving、TX)により分析した。次いで血漿グルコースを等式:血漿グルコース(mg/dl)=サンプル値×8.14(ここで、8.14は、血漿ヘマトクリットに関して調節した希釈因子である:ヘマトクリットは44%と仮定)によって計算した。
【0167】ビヒクルを投与した動物は実質的に血糖上昇グルコースレベル(例えば、250mg/dl以上)で変わらず、好適な投与量の血糖低下活性を持つ化合物で処置した動物はグルコースレベルが顕著に低下した。試験化合物の血糖低下活性は、5日目で試験化合物群とビヒクル処置群との間での平均血漿グルコース濃度の統計的分析(不対t-検定)により評価した。試験化合物の投与量範囲で実施した上記アッセイにより、血漿グルコース濃度のin-vivo低下に関する大体の最小有効量(MED)を決定することができた。
【0168】5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-3-((3R,4S)-ジヒドロキシピロリジン-1-イル)-(2R)-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-アミド[化合物1]は、表2のデータに示されているように、ヒトII型糖尿病のモデルである、糖尿病のob/obマウスにおいて効果的なグルコース-低下薬である。このデータは、上記方法を使用して得た。
【0169】
【表2】

動物モデル糖尿病性心筋症の処置研究に関する実験モデルとしては、ワンクリップ腎性高血圧症のストレプトゾチン(streptozocin)誘発糖尿病ラット、またはシリアンハムスター、Nagano.M.,及びDhalla,N.S. The Diabetic Heart. Raven Press,NY 1991,94〜96頁に参照される鬱血性心筋症の遺伝性モデルがある。通常、ワンクリップ腎性高血圧症のストレプトゾチン-糖尿病ラットで実施する研究に関しては、ラットを処置せずに放置するか、7ヶ月までグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(GPI)で処置する。糖尿病性心筋症における効果は、GPI処置群と非処置群とを比較し、以下のパラメーター:死亡率、肺浮腫(鬱血性心不全のマーカーとして)、心筋線維症、乳頭筋の収縮性機能、及び、糖尿病性心筋症の組織学的心筋組織マーカー[例えば、小血管損傷(微小血管症)、再潅流壊死、瘢痕化、蛇行、限局性収縮、及び微細動脈瘤]における改善点を探索することにより決定することができる。GPI治療の正の効果は、GPI処置群と非処置群との統計的に顕著な違いにより識別することができる。これらの分析を実施する方法は、当業者に公知である。例えば、Nagano,M.,及びDhalla,N.S., The Diabetic Heart、Raven Press,NY 1991,94〜96頁を参照されたい。
in-vivo実験ヒトの糖尿病性心筋症の処置におけるグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のin-vivo有用性は、任意抽出した、二重盲式、偽薬-制御臨床試験を使用して証明することができる。
【0170】研究において、世界保健機構基準(W.H.O. 1980/85 Technical Report Series、第646/727)により定義された糖尿病を示す18〜65歳の男性及び女性患者の両方を、糖尿病性心筋症の欠陥心機能が明白かについて最初に評価した。
【0171】それで、偽薬-制御した、単純盲検ベースライン評価を、制御呼吸時、バルサルバ試験の間、心拍数の変化を測定し、マルチゲート化獲得(multi-gated acquisition:MUGA)法(B.L.Holman,Heart Disease,第三版、第11章)を使用する放射性核種脳室造影法を使用して4週間にわたって予定患者で実施した。
【0172】放射性脳室造影(RVG)決定法は、脳室造影時、使用するのに好適な自転車システムを使用する選択した活動時と安静時とで実施した。最も重要な指標は、左心室からの血液の充填及び送出速度、左心室の収縮期容積と弛緩期容積、計算上の一回心拍出量、駆出分画及び心送出量を含むものである。左心室容積評価は、収縮期機能と弛緩期機能の測定に重要な情報を与える。絶対心室容積は、Massardoら、J.Nucl.Med.,第31巻、450〜456頁、1990年の方法に従って計算した。二重盲式期に入るのが認められるには、それぞれの患者は、3EDV(拡張終期容積)/秒未満の最高充満速度、EDVの50%未満の駆出分画(EF)または、安静時と最大レベルの労作時との間の左心室駆出分画における増加が正常以下であることを示さなければならない。これらは、現在の診断標準であって、将来的には改訂されるだろう。本発明の方法は、最新の診断基準に従うものと考えられる。
【0173】心臓の自立活性の欠陥の程度は、最も明白には、呼吸時のEKG(心電図)R-R間隔の正常の可変性の低下によって示すことができる。静止呼吸時の5分間での平均R-R間隔の標準偏差は、主に副交感神経系の活性の尺度である、R-R変動を決定するのに一般的に使用される方法である。例えば、T.Royら、Am.J.Med.,第87巻、382〜388頁、1989年を参照されたい。バルサルバ試験(Gorlinら、Am,J.Med.,第22巻、197〜203頁、1957年)は、胸腔内圧中の標準増加時及びその後の心臓応答の評価を基にする心血管試験(バルサルバ操作)である。異常に低いバルサルバ比(バルサルバ操作後の最も遅い心拍数で割ったバルサルバ操作時の最も早い心拍数)は、心臓の副交感神経が低下しているか、心臓または血管の交感神経の調子が低下しているためである。かくして、一般的な自律性試験として機能する。
【0174】冠状動脈疾患の曖昧な証拠を示す全ての患者の関与を防ぐために、EKG(心電図)変化を同時に測定して、ストレスタリウム試験も実施した。かかる徴候を示す見込みのある患者をこの研究から取り除いた。
【0175】単純盲検偽薬ベースライン評価を52週の二重盲式期間で実施し、この間、患者を偽薬かグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤のいずれかからなる処置養生法に無作為に割り当てた。この研究は、1種以上のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を試験するために設計することができる。
【0176】放射性核脳室造影法により決定した心機能終点の評価は、4〜16週間及び二重盲式期間の52週目で実施した。




 

 


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