Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
連続的鳥類細胞株を用いるマレック病ウイルスの製造方法 - ファイザー・プロダクツ・インク
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> ファイザー・プロダクツ・インク

発明の名称 連続的鳥類細胞株を用いるマレック病ウイルスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−206854(P2001−206854A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−371694(P2000−371694)
出願日 平成11年12月9日(1999.12.9)
代理人 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
発明者 シン ロン / マイケル ジョージ シェパード
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 MDVをコードするヌクレオチド配列で感染またはトランスフェクションされているが、MDV血清型2または3を含有するQT35ではない、連続的ウズラ細胞株を培養することにより得られるMDVと適当な薬剤担体とを含むワクチン。
【請求項2】 前記MDVが天然に存在するMDVである、請求項1に記載のワクチン。
【請求項3】 前記MDVが組換えMDVである、請求項1に記載のワクチン。
【請求項4】 前記MDVが、MDVの核酸配列および、該MDVの核酸配列中に挿入された少なくとも1つの異種遺伝子またはその断片を含む組換え分子である、請求項3に記載のワクチン。
【請求項5】 前記MDVが、そこから1つまたはそれより多くの遺伝子、制御遺伝要素、またはその断片が欠失している、MDVの核酸配列を含む組換え分子である、請求項3に記載のワクチン。
【請求項6】 前記欠失遺伝子がgHまたはその断片である、請求項5に記載のワクチン。
【請求項7】 前記MDVが、血清型1、血清型2および血清型3の単独またはこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項1に記載のワクチン。
【請求項8】 前記MDVがMDV-1 株652である、請求項1に記載のワクチン。
【請求項9】 前記細胞株が、ATCC CRL12600 である、請求項4に記載のワクチン。
【請求項10】 動物に請求項1に記載のワクチンを投与することにより疾患に対して動物を防御する方法であって、該ワクチンが、MDV、ニューキャッスル病ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、ニワトリ貧血ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、細網内皮症ウイルス、または鳥類インフルエンザウイルスから選択されるウイルスに対する防御応答を誘導するように操作されている、上記方法。
【請求項11】 動物は鳥類である、請求項10に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高力価のマレック(Marek)病ウイルス(MDV)の増殖 (growth)及び生産性 (productive) 感染を維持する連続的 (confinuous) 鳥類細胞株の使用に関する。本発明は、特にワクチン製造のための多量のマレック病ウイルスを効率的に増殖させるために基質として使用できる細胞株に関する。本発明は、組換えマレック病ウイルスベクター並びに、該ベクターおよびワクチンとして使用される組換えマレック病ウイルスをパッケージングするための細胞株とに関する。マレック病ウイルスベクターおよびワクチンは、マレック病ウイルスによる感染からおよび感染による疾患から鳥類を防御するために使用される。
【0002】
【従来の技術】マレック病 (Marek's Disease)(MD)は、ニワトリの急性の腫瘍疾患であり、リンパ腫、内臓腫瘍、神経病変および免疫抑制を引き起こす。この疾患は世界中のいたるところに分布している。病原体は、ヘルペスウイルスであるマレック病ウイルスである。マレック病は、ブロイラー用鳥類の死亡や不良の主要な原因である[Calnek, B. W. and Witter, R. L., Diseases of Poultry、第9版、Iowa State Press, Ames, Iowa, pp. 342-385 (1991)]。
【0003】マレック病ウイルスには3つの血清型がある。血清型1は、すべての病原性株およびその弱毒化誘導体を含む。血清型2は天然の非病原性ニワトリウイルスからなり、血清型3(七面鳥のヘルペスウイルス(HVT)として知られている)は、ニワトリ中で複製可能な非病原性七面鳥ウイルスを含む。3つの血清型は部分的に交差防御性であるが、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体試験、ポリペプチドパターンおよびDNA解析[Silva, R. F. and Lee, L. F., Virol. vol. 36, pp. 307-320 (1984) ;Payne, L. N., Encyclopedia of Virology, Webster, R. G. & Granoff, A. 編、pp. 832-838 (1994)]並びに他の既知の方法を使用して区別することができる。
【0004】MDV血清型1およびHVTのDNAゲノムは、それぞれ約180および167キロ塩基の線状2本鎖分子である。他のヘルペスウイルスと同様に、MDVのゲノムは、逆方向反復配列に囲まれた長いユニーク領域(UL)と短いユニーク領域(US)からなる。3つのMDV血清型のゲノムは、完全長閉鎖環状DNAの形である。しかしゲノムはコリニアー (colinear) であるが、厳密性条件下ではMDVの3つの血清型の間にはほとんど相同性がない[Payne, L. N., Encyclopedia of Virology), Webster, R. G. & Granoff, A. 編、pp. 832-838 (1994)を参照されたい]。
【0005】マレック病ウイルスは、他のヘルペスウイルスより組換え性(recombinogenic)が小さく、このウイルスの細胞結合性 (cell-associated nature) が、親ウイルスからの組み換え体のプラーク精製をより困難にする。しかし組換えマレック病ウイルスが、血清型1[Sonoda, K. et al., Vaccine V. 14, pp. 277-284 (1996);Parcells, M. S. et al., J. Virol. V. 69, pp. 7888-7898 (1995) ;Parcells, M. S. et al., Virus Genes, V. 9, pp. 5-13 (1994);Parcells, M. S. et al., J. Virol. V. 68, pp. 8239-8253 (1994) ;Sakaguchi, M. VaccineV. 12, pp. 953-957 (1994) ;Reddy, S. K. et al., Vaccine V. 14, pp. 469-477 (1996)]、【0006】血清型2[Marshall, D. R. et al., Virol. V. 195, pp. 638-648 (1993) ;Silva, R. F.、第14回国際ヘルペスウイルスワークショップ(抄録)(1989)];および血清型3[Reddy, S. K. et al., Vaccine V. 14, pp. 469-477 (1996);PCT特許出願WO95/29248 (1995);Silva, R. F.、第14回国際ヘルペスウイルスワークショップ(抄録)(1989);Darteil, R. et al., Virol. V. 211, pp. 481-490 (1995) ;1995年に発行された米国特許第 5,187,087号;Zeinik, V.et al., J. Gen. Virol. V. 76, pp. 2903-2907 (1995) ;PCT特許出願WO93/25665 、公表(1995) ;Ross, L. J. N. et al., J. Gen. Virol., V. 74, pp.371-377 (1993) 、Sondermeijer, P. J. A. et al., Vaccine V. 11, pp. 349-358 (1993);ヨーロッパ特許第 431,668B1号、公表(1995) ;Morgan, R. W. etal., Avian Dis., V. 36, pp. 858-870 (1992) ;Bandyopadhyay, P. K. et al., 第13回国際ヘルペスウイルスワークショップ323(抄録)(1988)]から作成されている。
【0007】上記文献のすべてにおいて、ウイルスは複製コンピテントであり、初代鳥類細胞中で産生された。市販のマレック病ウイルスワクチン(一部の1価HVT製剤を除く)は主に、生きたマレック病ウイルス感染初代ニワトリ胚繊維芽(CEF)細胞からなる。ワクチンに使用するマレック病ウイルスを増殖させるためにマレック病ウイルス感染初代ニワトリ細胞全体を使用することに伴う大きな問題は、CEF細胞が有効であるためには、液体窒素温度で保存し注射により投与する必要があることである。
【0008】マレック病ウイルス血清型は細胞培養物および感染した鳥の多くの組織中で強く細胞に結合しているため、以前から生きた全細胞ワクチンが必要とされてきた。鳥の間での感染の広がりは細胞と細胞の直接の接触により行われ、無細胞ウイルスが放出されることはほとんどまたは全くない。感染性ウイルスは羽嚢上皮(FFE)中でのみ産生され、鳥から鳥への感染に関与している[Calnek, B. W.et al., Avian Dis., V. 14, pp. 219-233 (1970) ;Witter, R. L. et al., J.Natl. Cancer Inst., V. 49, pp. 1121-1130 (1972);Edison, C. S. et al.,J. Natl. Cancer Inst., V. 47, pp. 113-120 (1971)]。
【0009】市販の無細胞マレック病ウイルスワクチンは細胞培養により作製することができる。しかし無細胞マレック病ウイルスワクチンの製造は、これまで血清型3のMDVのみを使用して製造されるワクチンに限定されてきた。これは、血清型3MDVのみが、マレック病ウイルスワクチンの製造のために充分な量の遊離のウイルス粒子を生成するためにである。ウイルス糖タンパク質D(gD)遺伝子の発現の欠如が、無細胞ウイルス粒子の放出の制限に関与しているかも知れないことが示唆されている[PCT特許出願WO95/29248 、公表(1995);Tan, X andVelicer, L. F. 、第18回国際ヘルペスウイルスワークショップA、145(抄録)(1993)]。MDVを増殖させるのにCEF以外に他の初代鳥類細胞(ニワトリ胚腎臓(CEK)および鴨胚繊維芽細胞(DEF)を含む)が使用されている。マレック病ウイルスの非病原性の血清型2と3(ただし血清型1は除く)の基質として、化学的に形質転換したQT35と呼ぶウズラ細胞株が記載されている[Nikura, M., Nanta, T. et al., J. Vet. Med. Sci., V. 53, pp. 439-446 (1991)]。マレック病ウイルス−1の増殖を維持するとして、化学的に形質転換したCHCC-OU2と呼ぶCEF細胞株[Ogura, H. and Fujiwara, T., Acta Med. Okayama, V. 41,pp. 141-143 (1987)]が記載されている[Abujoub, A. and Coussens, P. M., Virol., V. 214, pp. 541-549 (1985) ]。
【0010】マレック病ウイルスを産生するための他の既知の方法には、腫瘍形成性または発癌性の細胞株の使用がある。マレック病ウイルスで形質転換したリンパ芽球細胞株[Nazerian, K. Avian Pathol. V. 16, pp. 527-544 (1987)]は、発癌性マレック病ウイルス−1に感染したニワトリのリンパ腫から得られる。ウイルスゲノムは、これらの細胞中で潜伏性または半潜伏性状態で維持され、同時に培養されたCEF細胞またはDEF細胞への感染の伝搬は、あったとしても低い頻度でしか起きない。さらにこれらのリンパ芽球株は、他のマレック病ウイルスとの重複感染に対して抵抗性である。さらにマレック病ウイルスで形質転換したリンパ芽球細胞株は、非組換え(従来の)マレック病ウイルスワクチンの産生または組換えマレック病ウイルスワクチンもしくは遺伝的に改変したマレック病ウイルスワクチンもしくはベクターの調製において、有用性を示さなかった。
【0011】同様に、レトロウイルスの放出、リンパ芽球細胞の遅い増殖特性、および生産性マレック病ウイルス感染の低レベルのために、発癌性鳥類レトロウイルス(鳥類白血病ウイルスおよび細網内皮症ウイルス)から得られるリンパ芽球細胞株[Nazerian, K. Avian Pathol. V. 16, pp. 527-544 (1987)]は、市販のマレック病ウイルスワクチンの産生または組換えマレック病ウイルスの生成に有用ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】すなわちワクチンの目的のためにマレック病ウイルスを高力価まで増殖させるための適当な基質に対するニーズがある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、高力価のマレック病ウイルス(MDV)の増殖および生産性感染を効率的に維持する鳥類細胞株に関する。本発明はまた、高力価の天然に存在するマレック病ウイルスおよび組換えマレック病ウイルスの両方の増殖および生産性感染を維持するように操作した鳥類細胞株に関する。本発明は、ワクチン目的に適した量のマレック病ウイルスの製造方法に関する。本発明は、一部は高力価のマレック病ウイルス(MDV)の増殖および生産性感染を維持する連続的鳥類細胞株の発見に基づく。特に高力価のウイルスの増殖を維持する鳥類細胞株は、ウズラ筋肉の筋原細胞株であることが発見された。
【0014】本発明において、用語「MDV」は、天然に存在するMDVウイルス粒子(例えば、野生型MDVまたは天然に存在する突然変異体MDV)または組換えMDVウイルス粒子に対応するMDVウイルス粒子を意味する。天然に存在するMDVウイルス粒子は、野生型MDVゲノムまたは天然に存在するMDVのゲノムによりコードされる。組換えMDVウイルス粒子は、組換えMDVゲノムによりコードされる。組換えMDVゲノムは、MDVゲノムのヌクレオチド配列またはその断片を含む。そのような断片は、遺伝子産物の断片が遺伝子の活性を保持するように、少なくとも1つの遺伝子産物またはそのような遺伝子産物の断片をコードするのに充分な長さでなければならない。
【0015】例えば組換えMDVゲノムは、その遺伝子産物がウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須である遺伝子が欠失しているMDVのヌクレオチド配列を含む。さらに組換えMDVゲノムは、異種遺伝子または異種断片をコードするヌクレオチド配列をさらに含有することができる。そのような断片は、抗原性エピトープ(例えば鳥類白血病ウイルス(ALV)のエピトープ)、制御配列(例えば、プロモーター配列)、またはそのような断片によりコードされるポリペプチドが遺伝子産物の活性を保持するように充分な断片を保持する遺伝子の断片を、コードするヌクレオチド配列を含有する。
【0016】本発明は、天然に存在するMDVまたは組換えMDVをコードするDNA(例えば、MDVのヌクレオチド配列)、または異種制御要素の制御下でMDVのヌクレオチド配列をコードするDNA、または少なくとも1つの異種遺伝子またはその断片を含有するMDVのヌクレオチド配列をコードするDNA、を含有する連続的鳥類細胞株を包含する。好適な実施態様において、本発明はまた、天然に存在するMDVまたは組換えMDVを発現するように操作されたウズラ (quail)細胞株を包含する。
【0017】本発明はまた、その遺伝子産物がウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須である遺伝子またはその断片が欠失しているMDVのヌクレオチド配列をコードするDNAでトランスフェクションされた連続的鳥類細胞株を包含する。さらに別の実施態様において、本発明は、ウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須であるMDV遺伝子またはその断片をコードするDNAを含有し発現する連続的鳥類細胞株を包含する。そのようなヌクレオチド配列は、細胞自身の制御要素または異種制御要素の制御下で、構成的に (constitutively) または一時的に (transiently)発現されてもよい。本発明はさらに、構成的に活性な制御要素または誘導性制御要素の制御下で、MDVのヌクレオチド配列またはその断片を安定に発現するように操作した連続的鳥類細胞株を包含する。
【0018】本発明はまた、天然に存在するMDVもしくは組換えMDV、またはMDVで感染した細胞の溶解物もしくは成分、で感染した連続的鳥類細胞株を包含する。MDVは、血清型1、血清型2、血清型3の単独またはこれらの組合せよりなる群から選択されてよい。別の面において本発明は、鳥類の疾患に対する防御を誘導することができるワクチンの製造のためのMDVの使用に関する。
【0019】好ましくは使用される連続的鳥類細胞株はウズラ細胞株であり、例えば1998年11月24日にATCCに寄託されたATCC-CRL12599 と呼ぶQM7細胞があり、これはMDVの652株で感染されてもよい(例えば、1998年11月24日にATCCに寄託されたATCC-CRL12600 と命名された652-QM7 細胞)。好適な実施態様において、本発明は、MDV血清型2または3を培養するための、QT35と呼ぶ化学的に形質転換されたウズラ細胞株の使用を包含しない。
【0020】本発明はまた、MDV、MDVで感染した細胞もしくはその溶解物で細胞株を感染させることにより、天然に存在するMDVまたは組換えMDVを連続的鳥類細胞株に導入し、感染細胞株を培養し、そしてそこから細胞成分を採取することを含んでなるMDVの増殖方法を包含する。本発明はさらに、該細胞または成分から、鳥類の疾患に対する防御を誘導することができるワクチンの製剤化を包含する。
【0021】本発明はまた、連続的鳥類細胞株を天然に存在するMDVまたは組換えMDVの核酸配列をコードするDNAで感染させ、細胞株を培養し、そしてそこから成分を採取することを含んでなる、MDVの増殖方法を包含する。本発明のこの面において、DNAは、天然に存在するMDVのヌクレオチド配列;MDVゲノムのヌクレオチド配列またはその断片を含む組換えMDVのヌクレオチド配列をコードしてもよい。そのような断片は、遺伝子産物の断片が遺伝子の活性を保持するように、少なくとも1つのMDV遺伝子産物またはそのような遺伝子産物の断片をコードするのに充分な長さでなければならない。さらに組換えMDVは、異種制御要素に機能的に結合するか、または少なくとも1つの異種遺伝子もしくは断片を含有してもよい。
【0022】本発明はまた、その遺伝子産物がウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須である遺伝子またはその断片が欠失している組換えMDVをコードするDNAでトランスフェクションされた、連続的鳥類細胞株を包含する。別の実施態様において本発明は、ウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須であるMDV遺伝子またはその断片をコードするDNAを含有し発現する、連続的鳥類細胞株を包含する。そのようなヌクレオチド配列は、細胞自身の制御要素または異種制御要素の制御下で、構成的にまたは一時的に発現されてもよい。
【0023】そのような細胞株は、マレック病ウイルスの核酸配列をコードするDNAでそのような操作した鳥類細胞株を感染させ培養して、組換えMDVを産生するのに使用してもよい。例えば、欠失遺伝子は、複製の1つの必須物質であり得る。さらに詳しくは、欠失遺伝子は、マレック病ウイルスまたはその断片のgH遺伝子であり得る。本発明の別の実施態様において、MDVで感染したかMDVを発現するように操作した細胞から得られた細胞溶解物またはその成分で、鳥類細胞株を感染させ培養することにより、第2世代MDVが産生される。
【0024】本発明において、鳥類細胞株は、天然に存在するかもしくは組換えMDVをコードするDNAを一時的に発現するように操作されるか、または天然に存在するかもしくは組換えMDVをコードするDNAを安定して発現するように操作されてもよい。本発明の別の好適な実施態様において、鳥類細胞株はウズラ筋肉の筋原 (myoblast) 細胞株である。MDVは、血清型1、血清型2、血清型3の単独またはこれらの組合せよりなる群から選択されてよい。
【0025】別の面において本発明は、MDVが、鳥類の疾患に対する防御を誘導することができるワクチンの製造のために使用されるウイルスである上記方法に関する。好ましくは使用される連続的鳥類細胞株はウズラ筋肉の筋原細胞株であり、例えば1998年11月24日にATCCに寄託された細胞株ATCC番号ATCC-CRL12599 のような、MDVの625株で感染したウズラ筋肉の筋原細胞株である。他の適切な株の例には、MDV−1株584AおよびMd5がある。MDV−1株652は、1998年11月24日にATCCに寄託された細胞株ATCC番号ATCC-CRL12600 のような652株で感染したウズラ筋肉の筋原細胞株がある。
【0026】本発明は、無細胞にするためにMDV−1ウイルスの極端な細胞結合性を改変するためにワクチンとして使用するのに安全な弱毒化MDV−1組換え体の作成、およびウイルスを産生するための連続的細胞株の作成に関する。別の実施態様において本発明は、ワクチンとして使用するための組換えマレック病ウイルスおよびウイルスベクターの操作に関する。さらに別の実施態様において本発明は、組換えマレック病ウイルスベクター、および突然変異マレック病ウイルス遺伝子をコードするかまたはマレック病ウイルスの血清型からの遺伝子の組合せをコードするように操作されたウイルスに関する。
【0027】得られた発現生成物および/またはキメラウイルス粒子は、ワクチン製剤で使用することが有利である。本発明の発現生成物およびキメラウイルス粒子は、鳥類を悩ます広範囲の病原体に対するワクチンを作製するために操作される。特に本発明のキメラウイルス粒子は、抗ALV(鳥類白血病ウイルス)を作製するように操作され、ここでALVからの免疫原性ポリペプチドは、MDVとALVの両方に対する免疫応答を誘発することができるワクチンを作製するためにMDVのゲノム中に操作される。
【0028】さらに、ワクチンで使用するための本発明のキメラベクター中に作製することができる異種遺伝子配列には、特に限定されないが、MDVの他の血清型、ニューキャッスル病ウイルス(NDV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニワトリ貧血ウイルス(CAV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILV)、細網内皮症ウイルス(RV)、および鳥類インフルエンザウイルス(AIV)から得られる配列がある(Fields et al. (編)、1981, Fundamental Virology, 第2版、Raven Press, New York 、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)。
【0029】ワクチンは、血清型1、血清型2、血清型3の単独またはこれらの組合せよりなる群から選択されるMDVから構成されてよい。好ましくはワクチンは、マレック病ウイルスにより感染したかまたはトランスフェクションされた鳥類細胞株を使用して産生される。
【0030】本発明のさらに別の面は、上記方法を使用して産生される組換えMDVである。組換えMDVは、例えばウイルス複製に必要な遺伝子のような1つまたはそれ以上の遺伝子が欠失している、天然に存在するMDVの核酸配列を含む。そのような必須の遺伝子の例としては、MDVゲノムの糖タンパク質H(gH)遺伝子またはその断片がある。得られる障害された(複製欠陥)ウイルスは、ウイルス複製に必須の遺伝子を含有するように従って欠失遺伝子の発現生成物を含有するように遺伝子操作した相補的な細胞株が、障害されたウイルスを増殖させるのに利用できるなら、単一のサイクルについて感染性である。障害ウイルスの産生およワクチンとしてのその利用は、PCT出願GB91/01632 (公報番号WO92/05263)に記載されている(これはその全体を参照することにより本明細書の一部とする)。
【0031】本発明のさらに別の面は、複製に必須の天然に存在するMDVの遺伝子(例えばgH)を発現することができる遺伝子操作した鳥類細胞株を含有し、そして障害されたMDVウイルスを複製することができる細胞株である。本発明のさらに別の面は、上記方法を使用して産生されるMDVベクターである。MDVベクターは、組換えMDVおよび1つまたはそれ以上の異種遺伝子もしくはその断片を含む。MDVベクターは任意に、配列番号2に記載の核酸配列を含む3’フランキング領域を有する。
【0032】またMDVベクターは任意に、配列番号1に記載の核酸配列を含む5’フランキング領域を有することができる。さらにMDVベクターは、配列番号2に記載の核酸配列を含む3フランキング領域と配列番号1に記載の核酸配列を含む5フランキング領域との両方を有することができる。本発明のさらに別の面は、上記方法により産生されたMDVを含むワクチンを動物に投与することにより、疾患に対して動物を防御する方法に関する。好ましくは動物は鳥類である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明は、天然に存在するマレック病ウイルス(MDV)および組換えマレック病ウイルスの産生、遺伝子操作したMDVおよびMDVベクターの産生のための連続的鳥類細胞株の使用、MDVで感染またはトランスフェクションさせた連続的鳥類細胞株、およびそのような方法を使用して産生されたMDVおよび/または他の疾患を引き起こす物質による疾患に対して動物を防御することができるワクチン、の産生のための連続的鳥類細胞株の使用法を提供する。また、MDVによる感染に対して防御するために、MDVワクチンおよびMDVベクターで産生したワクチンを動物に投与する方法が提供される。
【0034】本発明のMDVワクチンの製造は、説明のためであって、決して限定目的でないが、以下の段階に分類される:(a)組換えMDV鋳型の作製;(b)天然に存在するMDVおよび組換えMDVの生産性感染を維持するための鳥類細胞株の操作;並びに(c)ワクチンとして製剤化されるMDV、細胞培養物、溶解物または溶解物の成分のレスキュー。本発明はまた、組換えMDVをコードするヌクレオチド配列を含むワクチン製剤を包含する。説明を明瞭にするために本発明を、MDV株652血清型1を使用して実施例で説明するが、MDVの任意の血清型が使用できる。
【0035】本発明において用語「MDV」は、天然に存在するMDVウイルス粒子(例えば、野生型MDVまたは天然に存在する突然変異体MDV)、または組換えMDVウイルス粒子に対応するMDVウイルス粒子を意味する。天然に存在するMDVウイルス粒子は、野生型MDVゲノムまたは天然に存在するMDVのゲノムによりコードされる。組換えMDVウイルス粒子は、組換えMDVゲノムによりコードされる。組換えMDVゲノムは、MDVゲノムのヌクレオチド配列またはその断片を含む。そのような断片は、遺伝子産物の断片が遺伝子の活性を保持するように、少なくとも1つの遺伝子産物またはそのような遺伝子産物の断片をコードするのに充分な長さでなければならない。
【0036】例えば組換えMDVゲノムは、その遺伝子産物がウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階に必須である遺伝子が欠失している、MDVのヌクレオチド配列を含む。さらに組換えMDVゲノムは、異種遺伝子または異種断片をコードするヌクレオチド配列をさらに含有することができる。そのような断片は、抗原性エピトープ、制御配列、またはそのような断片によりコードされるポリペプチドが遺伝子産物の活性を保持するように充分な断片を保持する遺伝子の断片をコードするヌクレオチド配列を含有する。MDVはまた、組換え法で産生したマレック病ウイルス(組換えマレック病ウイルス)またはその断片を含む。
【0037】本発明は、ウイルス複製またはウイルスの生活環のある別の段階(感染の開始、およびウイルス粒子のパッケージングを含む)に必須である遺伝子および遺伝子領域中の欠失および/または突然変異を含有する、組換えマレック病ウイルスを包含する。本発明のこの面において、MDVゲノムの欠失および/または突然変異は、必須の遺伝子産物の発現を排除または低下させるのに、および/または必須の遺伝子産物の活性を排除または低下させるのに充分である。標的となるMDV遺伝子の例は、特に限定されないが、gH、gB、gDおよびキャプシド遺伝子を含む。本発明のこの面において、MDVゲノムの必須領域は、弱毒化表現型を有する組換えMDVを作成するために標的とされる。
【0038】本発明の別の実施態様は、MDVゲノムの必須または非必須領域の欠失および/または突然変異を含有する組換えマレック病ウイルスを包含する。MDVゲノム中のそのような領域は、キメラMDVベクターを作成するために任意の異種ヌクレオチド配列で置換されてよい。実質的に任意の異種遺伝子配列を、ワクチンで使用するためのMDVベクター中に作製することができる。本発明のこの面において、異種遺伝子配列は、宿主の細胞性および/または体液性免疫応答を増強または活性化するのに役立つ遺伝子産物、または種々の病原体に対する防御性免疫応答を誘導するエピトープまたは中和抗体に結合する抗原をコードする遺伝子産物を包含してもよい。
【0039】例えばワクチンで使用するための本発明のキメラベクター中に作製することができる異種遺伝子配列は、特に限定されないが、MDVの他の血清型、ニューキャッスル病ウイルス(NDV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニワトリ貧血ウイルス(CAV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILV)、鳥類白血病ウイルス(ALV)、細網内皮症ウイルス(RV)、および鳥類インフルエンザウイルス(AIV)から得られる配列がある(Fields et al. (編)、1981, Fundamental Virology, 第2版、Raven Press, New York 、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)。
【0040】MDVゲノムへの外来遺伝子配列の挿入は、外来遺伝子によるウイルスコード領域の完全な置換または部分的置換により行われる。完全な置換は、おそらくPCR指令突然変異誘発を介して行うことが最適であろう。簡単に説明すると、PCR−プライマーAは、5’から3’末端に:ユニークな制限酵素部位、例えばクラスIIS 制限酵素部位(すなわち、「シフター(shifter )」酵素;これは特異的配列を認識するが、その配列の上流または下流でDNAを切断する);MDV遺伝子の領域に相補的なヌクレオチドのストレッチ;および外来遺伝子産物のカルボキシ末端コード断片に相補的なヌクレオチドのストレッチを含有するであろう。
【0041】PCR−プライマーBは、5’から3’末端に:ユニークな制限酵素部位;MDV遺伝子に相補的なヌクレオチドのストレッチ;および外来遺伝子産物の5’コード断片に対応するヌクレオチドのストレッチを含有するであろう。外来遺伝子のクローン化コピーを有するこれらのプライマーを使用してPCR反応を行なった後、ユニークな制限部位を使用して生成物を切り出しクローン化してもよい。クラスIIS 酵素による消化と精製したファージポリメラーゼによる転写により、外来遺伝子挿入を有するMDV遺伝子の正確な非翻訳末端を含有する分子が作成されるであろう。
【0042】組換えMDVは、マレック病ウイルスの核酸配列の例えば置換、挿入、反転、付加、および欠失、並びにこれらの任意の組合せ(例えば、MDVゲノムの非必須領域または必須領域が、これらの領域が発現されないように欠失または突然変異しているマレック病ウイルスの欠失突然変異体、例えば遺伝子ノックアウトまたはミスセンス突然変異体)を含むことは理解されている。このような変化は、自然界でも起き、またはそのような変化を引き起こすための従来の組換え法を使用して遺伝子操作される。
【0043】組換えマレック病ウイルスまたはその断片の産生および操作は、当該分野の技術内にあり、特にManiatiset al., 1989、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press 、Cold Spring Harbor、ニューヨーク;Ausubel et al., 1989、Current Protocols in Molecular Biology、Green publishing Associates and Wiley Interscience、ニューヨーク;Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press 、Cold Spring Harbor、ニューヨーク;Innis et al.(編)、1995、PCR Strategies、Academic Press Inc. 、サンジエゴ;およびErlich(編)、1992、PCR Technology、Oxford University Press 、ニューヨーク(これらのすべてはその全体を参照することにより本明細書の一部とする)に記載の組換え技術に従って行うことができる。
【0044】組換え法を使用する種々の組換えマレック病ウイルスおよびマレック病ウイルスベクターの調製は公知である。例えば1993年7月27日発行の米国特許第5,231,023号は、MDVのDNAゲノムの非必須領域中への異種遺伝子の挿入により調製されるマレック病ウイルスウイルスベクターを記載している。本発明はまた、コード配列の発現を指令する制御要素に機能的に結合した前記の任意のコード配列を含有するDNA発現ベクター、および宿主細胞中でコード配列の発現を指令する制御要素に機能的に結合した前記の任意のコード配列を含有する遺伝子操作した宿主細胞を包含する。
【0045】本明細書において制御要素は、特に限定されないが、非誘導性プロモーター、エンハンサー、オペレーター、および発現を指令し制御する当業者に公知の他の要素を含む。本発明の好適な実施態様において、ウズラ細胞株中で活性であるかまたはMDVにより誘導される制御要素が使用され、これは本出願人により証明されるように、単純ヘルペスウイルス-1 (HSV-1)のgDのプロモーター要素、ILTVのgGプロモーター要素、ILTVのgCプロモーター要素、PRVのgXプロモーター要素、SV40プロモーター、CMVプロモーターおよびRSVプロモーターを含む。
【0046】MDVゲノムまたはその断片は、当該分野で公知の方法を使用して組換えDNA技術により産生される。MDVコード配列および適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを作製するのに、当業者に公知の方法を使用することができる。これらの方法には、例えば組換えDNA技術、合成法、およびインビボ遺伝子組換えがある。例えばSambrook et al., 1989 (前述)およびAusubel et al., 1989(前述)に記載の方法を参照されたい。あるいは、例えばシンセサイザーを使用して、MDV遺伝子産物配列をコードすることができるRNAを化学的に合成してもよい。例えば"Olygonucleotide Synthesis" 、1984、Gait, M. J. 編、IRL Press 、オックスフォード(これはその全体を参照することにより本明細書の一部とする)に記載の方法を参照されたい。
【0047】本発明において、用語「MDVベクター」は、1つまたはそれ以上の機能性ペプチド(例えば抗原)の発現に必要な適当な制御配列を含有する発現ベクターを包含する。本発明のMDVベクターの例には、パッケージング細胞株中のMDVゲノムの発現を増強するように設計されたMDV制御要素または異種制御要素の制御下で、MDVゲノムまたはその断片を発現するものがある。本発明の好適な実施態様において、ウズラ細胞株中で活性であるかまたはMDVにより誘導される制御要素が使用され、これは本出願人により証明されるように、単純ヘルペスウイルス-1 (HSV-1)のgD遺伝子のプロモーター要素、ILTVのgGプロモーター要素、ILTVのgCプロモーター要素、PRVのgXプロモーター要素、SV40プロモーター、CMVプロモーターおよびRSVプロモーターを含む。
【0048】本発明はまた、弱毒化表現型を有するウイルス粒子を与える組換えMDVベクターを包含し、その1例は、必須の遺伝子が突然変異されているかおよび/または欠失しており、その結果複製欠陥MDVを与える組換えMDVである。MDVゲノムまたはその断片は、野生型MDVのヌクレオチド配列、遺伝子が改変されたMDVまたはその断片(必須遺伝子領域の欠失または異種配列の挿入を含む)のヌクレオチド配列を包含してもよい。
【0049】本発明のこの面の好適な実施態様は、gH遺伝子全体が欠失しているかまたはgH遺伝子産物の発現を防ぐのに充分な大きさのその断片、またはgH遺伝子が突然変異を受けている(例えば、gH遺伝子産物の発現を防ぐようなミスセンス突然変異体)組換えMDVゲノムである。本発明のこの面のさらに別の好適な実施態様は、キャプシド遺伝子全体が欠失しているかまたはキャプシド遺伝子産物の発現を防ぐのに充分な大きさのその断片、またはキャプシド遺伝子が突然変異を受けている(例えば、キャプシド遺伝子産物の発現を防ぐようなミスセンス突然変異体)組換えMDVゲノムである。
【0050】MDVはまた、MDVのゲノムの核酸配列内に位置する挿入領域内に取り込まれた異種遺伝子を含む組換えMDVを包含することが理解される。本発明のこの面の好適な実施態様において、MDVゲノムは、MDVによる感染に対してより完全な防御作用を付与するために鳥類に投与される多価ワクチンを与えるように、MDVの3つの血清型の1つまたはそれ以上の抗原性ペプチドを発現するように操作される。例えば、MDVの血清型1のMDVゲノムは、血清型MDV2および3のgB遺伝子産物の抗原決定基をさらにコードするように操作されてよい。さらに別の実施態様において、異種遺伝子および遺伝子断片は、他の鳥類の疾患を引き起こす物質の抗原をコードしてもよい。異種遺伝子および断片を含有する組換えマレック病ウイルスの調製法は、当該分野の技術の範囲内にあり、Maniatiset al. および前記の他の文献に記載の組換え法に従って行われる。
【0051】本発明のさらに別の実施態様において、MDVベクターは、組換えMDVのヌクレオチド配列と、MDVもしくは他の鳥類の疾患を引き起こす物質(例えば、ALV)の抗原をコードする1つまたはそれ以上の異種遺伝子とを、含有するように操作されてよい。さらに別の実施態様において、異種遺伝子および遺伝子断片は、他の鳥類の疾患を引き起こす物質の抗原をコードしてもよい。さらに別の実施態様において、本発明のMDVベクターは、鳥類の細胞性免疫応答を増強して、投与されたワクチンの全体的な防御作用を増強することが知られている異種タンパク質をコードするように操作されてよい。
【0052】本発明のMDVベクター中に操作されるMDVおよび異種遺伝子は、当業者の技術範囲の組換え法を使用して操作され、本発明の連続的鳥類細胞株中で発現することができ、そして適当な形に製剤化され鳥類に投与されると、組換えマレック病ウイルスおよび/または異種遺伝子産物の両方に対する免疫応答を誘発する。充分に機能性のプロモーターは、MDVベクターが異種遺伝子を発現できるように、異種遺伝子に結合すべきである。プロモーターは、組換えMDVベクターに感染した細胞中で転写を指令することができる任意の真核生物、原核生物、またはウイルスプロモーターである。このようなプロモーターの調製と使用は公知であり、Maniatis et al. および前記の他の文献に記載の組換え法に従って行われる。
【0053】本発明は、MDVを産生することができるかまたはMDVベクターの産生に有用な連続的鳥類細胞株(例えば、ネコ腎細胞およびウズラ細胞株)を感染およびトランスフェクションし、かつ培養することによる、MDVおよびMDVベクターの製造法を包含する。このような細胞株中で産生されたMDVは、次に当業者に公知の単離法を使用して単離することができる。「感染」または「トランスフェクション」とは、細胞へのウイルスのDNAまたはその断片の移動を意味する。遺伝子移動法は、当該分野の範囲内にあり、例えばWatson et al., 1992 、Recombinant DNA 、第2版、W. H. Freeman and Company N. Y. に記載されている。
【0054】本発明は、高力価のマレック病ウイルス(MDV)の増殖および生産性感染を効率的に維持する連続的鳥類細胞株、特にウズラ筋肉筋原細胞に関する。本発明はまた、ウイルスの複製に必要なMDV遺伝子産物を発現するように操作されたウズラ筋肉筋原細胞を包含する。本発明のこの面において、このような細胞株は、組換えMDVベクター中の欠失されたかまたは突然変異された必須のウイルス遺伝子および遺伝子領域を補足するために、「補足細胞株」と呼ばれる。
【0055】本発明の補足細胞株は、組換えMDVベクターから欠失している遺伝子または遺伝子領域を発現するように操作されてよい。本発明のこの面において、細胞株は、特に限定されないが、gH、gB、gDまたはキャプシドタンパク質を含むMDV遺伝子産物を発現するように操作されてよい。細胞株は、構成的に活性なまたは誘導性の制御要素の制御下で、一時的にまたは安定にMDV遺伝子産物を発現するように操作される。本発明の好適な実施態様において、ウズラ細胞株中で活性であるかまたはMDVにより誘導される制御要素が使用され、これは本出願人により証明されるように、HSV−1のgDのプロモーター要素、ILTVのgGおよびgCのプロモーター要素、PRVのgXのプロモーター要素、SV40プロモーター要素、CMVプロモーター要素およびRSVプロモーター要素を含む。
【0056】特に好適なアプローチにおいて、MDVウイルス遺伝子を発現するように操作された細胞は、所望の遺伝子型を含有する感染性キメラウイルスを産生するようになり、こうして選択系の必要性を排除する。理論的には、MDVの遺伝子の任意の1つを外来配列により置換することができる。しかしこの同一視の必要な部分は、欠陥ウイルス(正常なウイルス遺伝子産物が欠失しているかまたは変化しているため欠陥を有する)を増殖させる能力である。この問題を避けるために多くの可能なアプローチが存在する。1つのアプローチでは、突然変異タンパク質を有するウイルスは、同じタンパク質の野生型を構成的に発現するように限定されている細胞株中で増殖することができる。
【0057】こうして細胞株はウイルス中の突然変異を補完する。任意のMDV遺伝子を構成的に発現する形質転換された細胞株を作製するのに、同様の方法を使用することができる。ウイルスタンパク質を発現するように作製されるこれらの細胞株は、組換えウイルス中の欠陥を補完するために使用でき、従ってこれを増殖させることができる。あるいは組換えウイルス(すなわち、鳥類細胞株)を増殖させるのに、ある天然の宿主範囲系が利用できる。組換えウイルスを増殖させる第3のアプローチは、野生型ウイルスとの同時培養である。これは、単に組換えウイルスを取り、これと別の野生型MDVウイルス(好ましくはワクチン株)とにより細胞を同時感染させることにより行われる。野生型ウイルスは、欠陥のあるウイルスの遺伝子産物を補完し、野生型と組換えウイルスの両方の増殖を可能にする。
【0058】長期の高収率の組換えタンパク質の産生のために、安定な発現が好ましい。例えばMDV遺伝子産物を安定に発現する鳥類細胞株が操作される。ウイルスの複製開始点を含有する発現ベクターを使用する代わりに、適切な発現制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)および選択マーカーにより制御されるDNAで、宿主細胞を形質転換することができる。外来DNAの導入後、操作した細胞を補強された (enriched) 培地中で1〜2日間増殖させ、次に選択培地に交換する。
【0059】組換えプラスミド中の選択マーカーは、選択に対して耐性を提供し、細胞が、その染色体中にプラスミドが安定に組み込まれ、増殖して増殖巣を生成し、これを次にクローン化し拡張して細胞株にすることを可能にする。この方法は、本明細書に記載のgDおよびgH発現細胞株のような細胞株を操作するのに使用するのに有利である。本発明のさらに別の実施態様において、組換えMDVおよび制御要素をコードするDNA配列が宿主細胞に提供され、当業者に公知でかつChappel の米国特許第 4,215,051号;Skoultchi のWO91/06667(これらはその全体を参照することにより本明細書の一部とする)に記載の相同的組換えにより宿主ゲノム中に導入される。
【0060】多くの選択系が利用でき、特に限定されないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler, et al., 1977, Cell 11:223 )、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalski & Szybalski, 1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:2026 )、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al., 1980, Cell 22:817)遺伝子が、それぞれtk−、hgprt−またはaprt−細胞中で使用できる。
【0061】また抗代謝物耐性を以下の遺伝子の選択の基礎として使用することができる:dhfr、これはメソトレキセートに対する耐性を付与する(Wigler et al., 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:3567 ;O'Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1537 );gpt、これはミコフェノール酸に対する耐性を付与する(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:2072 );neo、これはアミノグリコシドG418に対する耐性を付与する(Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mo. Biol. 150:1 );およびhygro、これはヒグロマイシンに対する耐性を付与する(Santerre et al., 1984, Gene 30:147)。本発明の別の実施態様において、標的遺伝子の発現を検出するために本明細書に記載の緑の蛍光遺伝子を使用することができる。
【0062】本発明はまた、MDVまたはMDVベクターで感染した連続的鳥類細胞株を包含する。MDVで感染またはトランスフェクションするための鳥類細胞株は、鳥類ウイルスを含まない連続的細胞株が特徴である。好ましくは鳥類細胞株は、ウズラ細胞株である。これらの細胞株は、Celis, Julio編、1984, Cell Biology Laboratory Handbook, Academic Press、ニューヨーク、に記載の既知の細胞培養法を使用して培養し維持してもよい。当業者は、これらの細胞の種々の培養条件(具体的な栄養物質についての培地の調製、酸素、圧力、二酸化炭素、および血清レベルの低下を含む)を選択し最適化することができる。
【0063】本発明の好適な鳥類細胞株はウズラ細胞株であり、より好ましくはウズラ筋肉の筋原 (myoblast) 細胞株である。本発明において任意のウズラ筋肉の筋原細胞株が使用でき、例えば1998年11月24日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託されたウズラ細胞株ATCC CRL12599 がある。好適な実施態様において本発明は、MDV血清型2または3を培養するための、QT35と呼ぶウズラ細胞株を包含しない。好適な実施態様において、QM7と呼ぶ細胞株が、本発明のMDVベクターおよびウイルスを培養するために使用される。本発明のさらに別の好適な実施態様において、1998年11月24日にATCCに寄託された細胞株ATCC-CRL12600 と呼ぶ、MDV株652で感染させたウズラ細胞株QM7が使用される。
【0064】本発明で使用するための鳥類細胞株は、当業者に公知の既知の細胞培養法を使用してクローン化することができる。細胞を培養し、市販の培地を使用して細胞の増殖に適した既知の条件下で単一の細胞から拡張することができる。例えば、使用するまで凍結した本発明の細胞株は、約37℃の温度で加熱し、次に3%胎児牛血清(FBS)を含有するDMEM/F-12(Life Technologies Inc.)のような適当な増殖培地に添加することができる。細胞は、約5%の二酸化炭素を含有する加湿インキュベーター中で約37℃の温度で、コンフルエントになるまでインキュベートすることができる。
【0065】細胞を継代するために、増殖培地を除去し、次に0.05%トリプシンおよび0.53mM EDTAを細胞に加えることができる。細胞は離れ、遠心分離管中に細胞懸濁液が採取され、遠心分離して細胞ペレットにされる。トリプシン溶液を除去し、細胞ペレットを新しい増殖培地に再度懸濁することができる。次に細胞は、追加の増殖容器中でさらに増殖させて所望の密度にすることができる。本発明において連続的細胞株は、インビトロで少なくとも15継代維持することができる不死化細胞を包含する。
【0066】感染とトランスフェクションは、MDVにより感染した細胞と共に同時培養することにより起こり、ここでMDVは、非組換え、組換え、遺伝子操作したまたはMDVベクターである同時培養に使用される細胞は、MDV感染細胞(例えば、CEF細胞またはDEF細胞)、リンパ芽球細胞、末梢血単核細胞、CHCC-OU2細胞、ウズラ細胞、および実施例に記載のウズラ細胞のクローンでもよい。あるいは鳥類細胞株は、当業者に公知の方法(例えば、リン酸カルシウム沈殿、DEAEデキストラン、ポリブレン、リポフェクチン、および電気穿孔法)を使用して、鳥類細胞株中に、精製MDV DNAまたはMDV感染細胞からのDNAを導入することにより、MDVで感染させることができる。好ましくはDEFまたはCEF MDV感染細胞が、本発明の連続的鳥類細胞株を感染させるために使用される。MDV感染したCEF、DEF、リンパ芽球、末梢血単核細胞、CHCC-OU2細胞およびウズラ細胞は、当業者に公知である。
【0067】例えば、次に鳥類細胞株を、約50〜約80%コンフルエンスになるまで増殖させて、そしてMDVで感染した細胞を半コンフルエントな細胞に加えて、MDVで感染させることができる。次に、培地を2〜3日毎に交換して細胞を約37℃の温度で1週間インキュベートすることができる。次に細胞を、上記のようにトリプシン処理して分離することができる。感染細胞は、細胞変性作用(CPE)、感染細胞増殖巣の生成、およびMDV特異抗体を用いる間接蛍光抗体(IFA)により追跡することができる。MDV特異抗体は、既知のモノクローナルハイブリドーマ法[Goding, James W., Monoclonal Antibodies: Principals andPractice、第2版、Academic Press(1986);Harlow et al., Antibodies a Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory (1988)]を使用して産生することができる。次に、MDV感染細胞の凍結ストックは使用するまで保存することができる。
【0068】本発明はまた、連続的細胞株(例えば、ウズラ細胞株)を感染させ、感染した細胞株を培養してMDVに対するワクチンとして有用な抗原を生成させることにより産生されるMDVを含む、ワクチンの製造法に関する。次にMDV感染細胞は、MDVに対するワクチンとして使用するか、またはこれらの細胞から単離された無細胞MDVをワクチンとして使用することができる。
【0069】本発明はさらに、MDVと、MDV以外の鳥類の疾患を引き起こす物質に対して有用な、MDV以外の異種遺伝子を発現することができる、1つまたはそれ以上の異種タンパク質またはポリペプチドとを含むMDVベクターで、連続的鳥類細胞株(例えば、ウズラ細胞株)をトランスフェクションまたは感染することにより産生されるMDVを含むワクチンの製造法に関する。
【0070】さらに本発明は、複製欠陥MDVと、MDV以外の鳥類の疾患を引き起こす物質に対して有用な、MDV以外の異種遺伝子を発現することができる、1つまたはそれ以上の異種タンパク質またはポリペプチドの遺伝子もしくはその一部とを含むMDVベクターで、連続的鳥類細胞株をトランスフェクションすることにより産生されるワクチンの製造法に関する。
【0071】さらに本発明は、複製欠陥MDVと、MDV以外の鳥類の疾患を引き起こす物質に対して有用な、MDV以外の異種遺伝子を発現することができる、1つまたはそれ以上の異種タンパク質またはポリペプチドの遺伝子もしくはその一部とを含むMDVベクターで、連続的鳥類細胞株をトランスフェクションすることにより産生されるワクチンの製造法に関する。
【0072】ワクチンの製造に有用なかつ本発明の方法を使用して製造される、他の鳥類の疾患を引き起こす物質の例には、ニューキャッスル病ウイルス(NDV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニワトリ貧血ウイルス(CAV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILV)、鳥類白血病ウイルス(ALV)、細網内皮症ウイルス(RV)、および鳥類インフルエンザウイルス(AIV)がある(Fields et al. (編)、1981, Fundamental Virology, 第2版、Raven Press, New York 、を参照されたい。その全体を参照することにより本明細書の一部とする)。1つまたはそれ以上の異種タンパク質およびポリペプチドを含有する本発明の方法を使用して産生されたMDVは、1価または多価ワクチンとして役立つ。このようなワクチンは、ワクチンの製造の分野で当業者に公知の方法により製造される。
【0073】本発明において、細胞株またはその一部(例えば細胞溶解物)を含むワクチン調製物は、細胞株が他のウイルスや病原体を含まないことを確認するために試験すべきである。特に、動物(例えば鳥類)に投与されるワクチンとして処方される細胞株は、レトロウイルスの存在について試験すべきであり、そのような測定法は当業者に公知の方法(例えば、逆転写酵素測定法(Boehringer Mannheim )を使用して行うことができる。さらに細胞株は、市販の測定法を使用して鳥類病原体の存在について測定すべきである。
【0074】本発明はさらに、MDVによる感染に対する防御のために、動物にMDVワクチンおよびMDVベクター産生ワクチンを投与する方法を含む。MDV発現MDVおよび/または1つまたはそれ以上の異種タンパク質もしくはポリペプチド(鳥類免疫応答を増強するのに役立つものを含む)または鳥類の疾患を引き起こす物質のタンパク質もしくはポリペプチドは、動物(例えば、そのような疾患を引き起こす物質に対して感受性のニワトリや七面鳥)を予防接種するのに使用することができる。本発明の方法を使用して産生されるMDVまたは他の抗原による予防接種により、防御性免疫応答が得られ、その結果接種された動物は、これらの疾患を引き起こす物質による以後の感染から防御されるであろう。
【0075】組換えウイルス生ワクチンまたは不活性化組換えウイルスワクチンを製剤にすることができる。宿主中での増殖により、自然の感染で起きるものと同様の種類と程度の刺激が延長され、従って実質的に長期の免疫を付与するため、生きたワクチンが好ましい。そのような組換えウイルス生ワクチン製剤の製造は、ニワトリ胚の細胞培養物または尿膜中でウイルスを増殖させ次に精製する従来法を使用して行われる。
【0076】この点で、ワクチンを目的とする遺伝子操作したMDV(ベクター)の使用は、これらの株の弱毒化特性の存在が好ましい。トランスフェクションに使用される鋳型中への適当な突然変異(例えば欠失)の導入は、弱毒化特性を有する新規ウイルスを提供することがある。例えば欠失突然変異体に、温度感受性または低温適応に関連する特異的ミスセンス突然変異を作成することができる。これらの突然変異は、低温または感受性突然変異に関連する点突然変異より安定であり、復帰変異は極めて低いであろう。
【0077】あるいは、「自殺」性を有するキメラウイルスを作製してもよい。そのようなウイルスは、宿主内でわずかに1回または数回の複製をするのみであろう。ワクチンとして使用される時、この組換えウイルスは限定された複製サイクルを行い、充分なレベルの免疫応答を誘導するが、動物宿主ではそれ以上進まず疾患を引き起こさないであろう。1つまたはそれ以上のMDV遺伝子が欠如しているかまたは突然変異MDV遺伝子を有する組換えウイルスは連続的に複製されないであろう。欠陥ウイルスは、そのような遺伝子を永久に発現する細胞株中で産生することができる。必須遺伝子が欠如したウイルスはこれらの細胞株中で複製されるが、動物宿主に投与された時、1ラウンドの複製を完成することができない。
【0078】産生される非感染性ウイルス粒子以外に、そのような調製物は、(このうまくいかないサイクル中で)充分な数の遺伝子を転写および翻訳して免疫応答を誘導することができる。あるいは、これらの調製物が不活性化(死滅)ウイルスワクチンとして作用するように、多量の株を投与することができる。不活性化ワクチンについて、ウイルス成分として発現される異種遺伝子産物を発現して、遺伝子産物がウイルス粒子と結合することが好ましい。本発明のさらに別の実施態様において、MDVの抗原決定基または異種ウイルス抗原決定基を含むサブユニットワクチンが、ワクチンとして製剤化される。そのような調製物の利点は、これらは未変性のタンパク質を含有し、死滅ウイルスワクチンの製造に使用されるホルマリンまたは他の物質を用いる処理による不活性化を受けないことである。
【0079】本発明のこの面の別の実施態様において、不活性化ワクチン製剤は、キメラウイルスを「死滅」させるための従来法を使用して調製される。不活性化ワクチンは、感染性が破壊されているという点で「死んでいる」。理想的にはウイルスの感染性は、その免疫原性を損なうことなく破壊される。不活性化ワクチンを調製するために、キメラウイルスはニワトリ胚の細胞培養物または尿膜中で増殖され、ゾーン超遠心分離により精製され、ホルムアルデヒドまたはプロピオラクトンにより不活性化され、プールされる。得られるワクチンは通常筋肉内に接種される。
【0080】本発明のさらに別の実施態様において、弱毒化表現型を有する組み換え体MDVをコードするヌクレオチド配列、またはMDVおよび/または異種抗原決定基を含有する組み換え体をコードするヌクレオチド配列が、ワクチンとして製剤化されてよい。この実施態様において、ワクチン組成物は、弱毒化表現型を有するか、および/またはMDVおよび/もしくは制御配列に機能的に結合した異種抗原決定基を含有する組み換え体MDVをコードするDNAを含むことができる。本発明のこの面において目的のDNAは、DNAの発現を促進する制御要素(すなわち、プロモーターまたは増強要素)の制御下で発現ベクター中に操作される。
【0081】ある好適な実施態様において、プロモーター要素は細胞特異的であり、あらかじめ決められた細胞中でのみDNAの実質的な転写を可能にする。DNAは裸のDNA(米国特許第 5,679,647号、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)として直接宿主中に導入されるか、またはDNAの取り込みを促進する他の物質(ウイルスベクターを含む)、免疫化を促進する物質(例えば、ブピビカイン(bupivicaine )および他の局所麻酔薬(米国特許第 5,593,972号、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)、サポニン(米国特許第 5,739,118号、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)、および陽イオン性ポリアミン(国際出願公報WO96/10038 号、その全体を参照することにより本明細書の一部とする)との組成物中で製剤化される。
【0082】不活性化ウイルスは、免疫学的応答を増強するために適当なアジュバントとともに製剤化される。そのようなアジュバントには、特に限定されないが、ミネラルゲル、例えば水酸化アルミニウム;界面活性剤、例えばリソレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン;ペプチド;オイルエマルジョン;および有用な可能性のあるアジュバント、例えばBCGおよびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)がある。
【0083】本発明の細胞株およびその成分は、中性または塩の形でワクチン中に処方されてよい。薬剤学的に許容される塩には、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基と形成される)および無機酸(例えば、HClまたはリン酸)、または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸など)と形成される塩がある。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは第2鉄)および有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなど)から得られる。
【0084】ワクチンが投与される患者は、好ましくは鳥類、最も好ましくは家禽(例えば、ニワトリまたは七面鳥)、鳥類ではない動物(ウシ、ウマを含むがこれらに限定されない) である。本発明のワクチン製剤は、本発明の有効な免疫量の細胞株およびその成分および薬剤学的に許容される担体または賦形剤を含む。ワクチン調製物は、有効免疫量の1つまたはそれ以上の抗原、および薬剤学的に許容される担体または賦形剤を含む。
【0085】薬剤学的に許容される担体は当該分野で公知であり、特に限定されないが、食塩水、緩衝化食塩水、デキストロース、水、グリセロール、無菌等張水性緩衝液、およびこれらの組合せを含む。そのような許容される担体の1つの例は、1つまたはそれ以上の安定剤(例えば、安定化した加水分解したタンパク質、乳糖など)を含有する生理的にバランスした培地である。担体はより好ましくは無菌である。製剤は投与型に分割できるべきである。
【0086】所望であれば組成物はまた、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝化剤を含有してもよい。この組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、除放性製剤、または散剤であってよい。経口製剤は、薬剤学的グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的担体を含有してもよい。一般的に成分は、例えば密封容器(例えば、活性物質の量を示すアンプルまたは袋)中の凍結乾燥粉末または無水濃縮物のような単位投与型で、別々にまたは混合して提供してもよい。組成物が注射により投与される場合、投与前に成分が混合されるように無菌希釈剤のアンプルを提供することができる。
【0087】上記のワクチン製剤を導入するために多くの方法が使用でき、これらには特に限定されないが、経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、および鼻内経路がある。ワクチンが設計される病原体の自然の感染経路を介してキメラウイルスワクチン製剤を導入することが好ましい。MDVワクチンの免疫力価は、ワクチンで免疫後に試験動物中の免疫応答を追跡することにより測定することができ、例えば、体液性(抗体)応答および/または細胞性免疫は免疫応答の指標と見なされる。本発明のワクチンの有効用量(免疫量)は、動物モデル試験系で得られた用量応答曲線から外挿される。以下の例は、本発明をさらに例示するが、決してこれを限定するものではない。
【0088】実施例1MDV感染を効率的に維持するQM7細胞この試験ではQM7細胞は、高力価でMDV−1増殖を維持することができる細胞株として同定された、QT6繊維肉腫細胞株から得られたジャパニーズウズラ筋肉筋原細胞(ATCC CRL12599)である。MDVの652および584A単離株は、非常に悪性のMDV単離体である[Witter, R. L., Avian Dis., V. 41, pp 149-163 (1997) ]。QM7細胞を、継代11でMDVで感染させたDEF接種物である652/DEFで感染させた。
【0089】MDV−1の生産性感染(株652)を、増殖巣の形成を定量してCPE(細胞変性作用)と、IFA測定法でMDVウイルスタンパク質(gBおよびpp38)を検出することにより追跡した(図1)。大きな強く染色した感染巣を検出した。感染は、652/QM7感染細胞を、それぞれ接種された(50〜60%コンフルエンス)非感染QM7細胞に接種することにより維持される。
【0090】652/QM7感染巣は視覚的に検出できるほど充分大きく、抗体染色を必要としなかった。QT6繊維肉腫細胞株もまた、生産性MDV感染を維持する能力について試験した。しかしQT6細胞株は、MDVの増殖のためのあまり効率的な宿主ではなかった。この結果は、QM7細胞はMDV−1による感染を効率的に維持することを示すが、QM7細胞のMDV−1感染をさらに性状解析し最適化するために、6つの異なる増殖条件(2つの血清濃度、3つの分離比)を試験した。結果を以下に要約する。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】これらの結果は、 652/QM7 感染の最適な増殖条件が、分離比1:10で3%胎児牛血清を有するDMEM/F-12中で感染細胞を培養することであることを示す。分離比が1:20に拡大すると力価は明らかに落ちた。継代7〜継代10まで力価は一定であった。
【0094】QM7と 652/QM7 細胞での逆転写酵素測定法市販の非放射性逆転写酵素(RT)アッセイ(Boehringer Mannheim )を使用して、逆転写酵素活性について細胞株を試験した。細胞溶解物、清澄化上清、およびゲルろ過ペレットを、DEF、 652/DEF、QM7、 652/QM7 およびNYU細胞(陽性対照として)から調製した。すべて試料は三重測定で行い、結果は2つのRT測定を示す。HIV−1 RTを使用して標準曲線を作成した。
【0095】
【表3】

【0096】NYU細胞を、既知のレトロウイルスRT活性について内部陽性対照として選択した。これらの結果が証明するように、NYU細胞から得られた超遠心分離ペレットおよび細胞溶解物は、RT活性について強い陽性結果を与える。QM7、652/QM7 、DEFおよび 652/DEF 細胞は、この測定法(感度は少なくとも20ピコグラム)で逆転写酵素活性について明らかに陰性であった。これらの結果は、すべての4つの細胞株はレトロウイルス粒子を持たないことを示している。
【0097】鳥類外来ウイルス試験米国農務省試験9CFR113.37「ニワトリ胚接種試験による病原体の検出」を使用して、QM7細胞を鳥類病原体の存在についても試験し、鳥類病原体が無いことがわかった。簡単に説明すると、QM7細胞懸濁液をニワトリ胚で感染させた。鳥類の外来ウイルスが存在すれば、ニワトリ胚が障害されるであろう。
【0098】MDV-1 (652) DNA のトランスフェクションはQM7細胞中の生産性溶解性感染を導く652/QM7 感染細胞から裸のDNAを単離し、CaPO4 トランスフェクション法(Clontechキット)を使用して非感染QM7細胞でトランスフェクションした。2〜3日毎に培地を交換して7日間インキュベート後、トランスフェクションプレート上に多くの感染巣が見られる。これらの増殖巣は、652/QM7感染細胞と同時培養して確立した増殖巣から区別できない。この結果は、MDV−1がQM7細胞中で複製および生産性に増殖することができることを明瞭に証明し、652/QM7 増殖巣が汚染された接種物に由来する可能性を排除している。
【0099】実施例2QM7細胞中の異なるプロモーター活性QM7細胞中で活性のあるプロモーターを証明するために、およびさらにMDV感染の過程で活性化または誘導されるプロモーターを同定するために、以下の実験を行なった。異なるプロモーター(pSV40+エンハンサー、PSV40、pCMV、pRSV)を含有するルシフェラーゼレポーター作製体(pGl3ベース、Promega )を、それぞれQM7およびDEF細胞にトランスフェクションした。72時間後、細胞溶解物を採取し、ルシフェラーゼ活性を異なる希釈で測定した。
【0100】
【表4】

【0101】これらの結果は、これらの異なるプロモーター(pCMV、pRSV、pSV40およびpSV40+エンハンサー)がQM7細胞中で非常に活性があることを示唆する。さらにpRSVはこれらの鳥類細胞中で特に強いプロモーターである。
【0102】誘導性条件下でプロモーターの強さを試験するために、種々のMDV−1ウイルス誘導性プロモーター作製体を 652/QM7 にトランスフェクションした。ルシフェラーゼレポーター遺伝子から発生したルシフェラーゼ活性を測定した。対照として使用したpCMVプロモーター以外に、5つの異なるウイルスプロモーターを試験した:MDV−1のgH遺伝子プロモーター要素(MD5株);ILTVのgGおよびgC遺伝子のプロモーター要素;PRVのgX遺伝子プロモーター要素、並びにHSV−1のgDプロモーター。
【0103】
【表5】

【0104】これらの結果は、HSV−1からのプロモーターpgDは高度に誘導され、QM7細胞のMDV感染においてウイルス誘導性プロモーターとして活性があることを示唆した。pCMVプロモーターはまた、ウイルス感染QM7細胞中で活性である。
【0105】実施例3インビボ病原性試験652/QM7 感染細胞を、インビボ病原性試験でニワトリのマレック病を引き起こす能力について試験した。各群30羽の1日令のヒヨコに、(1)非感染QM7細胞混合物;(2)細胞培養継代3の652感染QM7細胞;(3)細胞培養継代3の652感染QM7細胞;(4)細胞培養継代7の652感染QM7細胞;(5)細胞培養継代7の652感染QM7細胞を、腹腔内に接種した。鳥に、1羽当たり 250〜750 TCID50のMDVを接種した。ウイルスの力価を、80%アセトンで固定した2次DEF細胞の単層について感染の6〜8日後にTCID50法を使用して測定し、上記のIFAにより調べた。
【0106】感染および非感染細胞を、約5%二酸化炭素を有する加湿インキュベーター中で約37℃の温度で、抗生物質と適量の胎児牛血清(感染細胞については3%、非感染細胞については10%)を補足したDMEM/F-12(Life Technologies )中で増殖させた。鳥が試験中に死んだ場合は鳥を剖検して、MDV感染の症候について調べた。生存している鳥から組織学的試験のために、腎臓、脾臓、肝臓および脳を採取した。652感染細胞を注射したすべてのヒヨコは、非常に病原性の強いMDVの古典的な症候を示し、これらの鳥の大部分はMDで死んだ。非感染細胞群は、実験の期間中(8週令)MDの症候を示さなかった。結果を表6に示す。
【0107】
【表6】

【0108】組織(腎臓、脾臓、肝臓、心臓および脳)の組織学的評価は、感染群の生存している鳥のマレック病と一致した病変を明らかにした。細胞対照群または陰性群の鳥ではそのような病変は見られなかった。これらのインビボ実験は、QM7細胞中で増殖させたMDV-1 (652) は非常に病原性が強いことを証明し、QM7細胞が高力価のMDV−1ウイルスの感染を増殖させるための良好な宿主であることを確認した。
【0109】実施例4pCR3.1gH作製体の調製マレック病ウイルス株MD5から2.6kbの糖タンパク質H(gH)遺伝子をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により単離し、市販のPCR試薬系(GIBCO-Life Technologies 、カタログ番号10198-018)を使用して、上方PCRプライマー5'-GGGGG TACCA AGUG CATTG GATGG CTACA TA-3' (配列番号:3)および下方プライマー5'-GGGGC TAGCT TAAAG ATCGT CGTAC AGGCT CAA-3' (配列番号:4)を使用して、ポリメラーゼチェイン反応(PCR)によりpCR2 TAクローニングベクター(TAクローニングベクター、Invitrogen Inc., 米国、から入手できる、カタログ番号K2000-1)中にクローン化した。gH遺伝子を既知の方法を使用して配列決定した。gH遺伝子の配列は、Scottet al., J. Gen. Virol. 第70巻、pp. 1185-1190 (1993)により記載されている。
【0110】次にMDV gH遺伝子を、複クローニング部位中のKpnIとXhoI部位を使用してpCR3.1ベクター(Invitrogen Inc. 、米国、カタログ番号K3000-01) 中にサブクローニングした。ベクターpCR3.1は、効率的な哺乳動物発現のためのサイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーターと、ベクターを含有する細胞の陽性選択を可能にするネオマイシン耐性遺伝子とを含有する真核生物発現ベクターである。
【0111】ベクターpCR3.1は、以下の特徴を有する:CMVプロモーター塩基1〜596;推定転写開始塩基520〜625;17プロモーター/プライミング部位塩基638〜657;複クローニング部位塩基670〜785;pCR3.1逆プライミング部位塩基797415;BGHポリアデニル化部位塩基796〜1010;ColE1開始塩基1100〜1773;SV40プロモーターと開始塩基3178〜3515;pGreenlantern-2 プラスミド、GIBCO-Life Technologies.米国、から入手できる(図5を参照)。
【0112】MDV-1 gHの5’フランキング領域は、GeneBank, 米国、から入手でき、894〜1925位にTK遺伝子を含有する。pGreenlantern-2 プラスミドは、クラゲのグリーンフルオレセンスプロテイン(gfp)(これは、gH欠失組換えウイルスの作成プロセス中でマーカータンパク質として使用される)をコードする遺伝子を有する。グリーンフルオレセンスプロテイン遺伝子のCMVプロモーターの上流にある、pGreenlantern-2 プラスミドのNsi1部位は、T4ポリメラーゼで処理されて、Pme1末端を含有する5’gHフランキング領域と結合するための平滑末端を形成する。
【0113】MDV-1 BamHI 断片F(これはgH3’フランキング領域を含む[Fukuchi et al., J. Virol. 102-109 (1984)])を含有するプラスミドを、Tampa Bay Research insititute (米国フロリダ州)のMeihan Nonoyama 博士から得た。約2.4kbの領域(以後「3’フランキング領域」と呼ぶ)のDNA配列を配列番号2に示す。MDV-1 gH3’フランキング領域を、PCRクローニング(上のプライマー:5'-AAGAT TTTTC CCAAG TCC-3' (配列番号:5)、下のプライマー:5'-TCGTCGAATA ATGTG ATC-3')(配列番号:6)により得て、上記pGreenlantern-2 プラスミド(Nsi1部位に挿入されたMDV.1 5’フランキング領域を有する)中にクローン化した。3フランキング領域をNaeI部位(全グリーンフルオレセンスプロテイン遺伝子の下流)に挿入した(図6)。
【0114】QM7細胞中のgHおよびgDタンパク質の安定な発現以下に説明するように、MDV gHまたはMDV gDを安定に発現するQM7細胞を作成した。プラスミド作製体pCR3 gH-HAおよびpCR3gD-HA (容易に検出できるようにHA標識をgHとgD遺伝子のC末端に結合した)を、一時的にQM7細胞中にトランスフェクションした。各糖タンパク質の発現を、抗HAモノクローナル抗体を使用して免疫蛍光測定法(IFA)により証明した(図3)。
【0115】さらにプラスミド作製体:pCR3gH-HA 、pCR3gD-HA をQM7細胞中に安定にトランスフェクションし、g418耐性細胞のプールを得た。96ウェルプレートを使用して希釈することにより単一の細胞クローンを得た。gH-HA およびgD-HAタンパク質の両方の発現を、HAモノクローナル抗体を使用して免疫蛍光測定法で視覚化した。さらに細胞を35S(TransLabel、ICN )で代謝的に標識し、細胞溶解物をHA抗体で免疫沈降させた。pCR3gH-HA 作製体でトランスフェクションした細胞から得られた溶解物中にのみ、約90kDのバンドが存在した。
【0116】pCR3gD-HA 作製体でトランスフェクションした細胞から得られた溶解物中にのみ、約50kDのバンドが存在した(図4)。QM7細胞中のgHとpCR3ベクターから発現されたgdタンパク質のサイズは、その予測されるサイズと良く一致する。すなわちこれらの結果は、QM7細胞が操作されて、ウイルス複製に必要なMDVタンパク質を発現することを証明する。いくつかの単一の細胞クローンは非常に豊富なgH-HA タンパク質発現を有する。これらの細胞株はgH機能を補足させるのに良好な候補である。さらにQM7細胞中にpCR3gH-HA およびpCR3gD-HA をQM7細胞中に同時トランスフェクションすることにより、gHとgDタンパク質を同時に発現するQM7細胞を樹立した。
【0117】実施例5gH欠失を有する組み換えMDgH gfp+MDV-1 組み換え体の予備的同定プラスミド作製体pGL2/5'-3'gfpは、選択マーカーとしてgfp(グリーンフルオレセンスプロテイン)を含有する(図6)。これはまた、gfpをgH遺伝子で置換するための相同的組換えのための、gH遺伝子の5’および3’フランキング領域を含有する。
【0118】pGL2/5'-3'gfpを、 652/QM7 で感染したgH-HA 産生細胞中にトランスフェクションした。トランスフェクションの4日後、培養物を2回継代し、毎回新鮮なgH-HA 産生細胞を加えた。感染した全培養物を、FACSによりgfpを発現する細胞についてソートした。ソートした細胞(これはgfp+である)を2ウェルプレート中で培養した。6日間インキュベーション後、数個の表現型増殖巣が見られた。さらにこれらの増殖巣は紫外線下で緑色であり、これらが gfp+g-MDV-1 候補であることを示唆していた。
【0119】MDV-1 の細胞結合性のために、 gfp+gH組み換え体をその野生型から精製することはむずかしいことである。しかし2回の培養継代後、多くのものが緑でなくなり、野生型ウイルスが分離されたことを示していた。選択マーカーを使用して培養物をもう一度FACSでソートすると、緑の増殖巣がソートされ、陽性の gfp+gH-MDV-1クローンを示していた。 gfp+gH組み換え体は精製されており、PCRとサザン解析によりさらに解析されるであろう。
【0120】gH遺伝子欠失ウイルスからグリーンフルオレセンスプロテイン遺伝子を除去するための第2の組換え工程で、MDV以外のウイルスからの異種遺伝子を随時挿入してもよい。例えば、ニワトリインターフェロン遺伝子、ニューキャッスル病ウイルス、または伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスなどがあり、これらはグリーンフルオレセンスプロテイン遺伝子を置換することができる。親の緑色の増殖巣に対して白色のウイルスプラークの存在は、gH遺伝子が欠失しておりグリーンフルオレセンスプロテイン遺伝子が除去されている新しい組換えMDV−1ウイルスを含有する。
【0121】多くの文献が引用されており、その全開示内容は参照することにより本明細書の一部とする。本発明の具体的な実施態様は、その範囲を限定することはなく、本発明の個々の面の単純な例示であり、機能的に同等の方法および成分は本発明の範囲内である。前記説明と添付の図面から、本明細書に記載したもの以外の本発明の種々の修飾は当業者に明らかであろう。そのような修飾は、添付の請求の範囲の範囲内にあると考えられる。
【0122】
【配列表】
SEQUENCE LISTING<110> PFIZER PRODUCTS INC.<120> PROCESSES FOR PREPARATION OF MAREK'S DISEASE VIRUS USING CONTINUOUS AVIAN CELL LINES<130> PC10483A<140><141><160> 8<170> PatentIn Ver. 2.0<210> 1<211> 2023<212> DNA<213> Marek's disease virus<400> 1acggtctctg aacaagacgg gcgataatat tagccatgtt tcgcatagcc gtacctcccg 60ttctctcctg attatttgaa aatgataaag tagccgtttt attacaagct atatgattcc 120tcaaatccgt tacgttagca gacgcctttc cactgcgtcg ttgtatatgt atcgtgtttg 180tattatgacg ttttaaaatt ttatgagtgt cagttatccg tgctttatag tcagacgcgg 240tcgccaatat agagcatagt ctatgaaaat cagtcactat gtgccttttc tttaggcaca 300tcacatgtag aacagacagt tttcgtcttg ctacaaatac taacattgga caaataacga 360tacaatctga tccttgaggc gcaatttgcc caatcagaga tttggaatcc aataactgct 420ttatgccggt gagtctttgt tcatgtttac tgcgtgtctt caggttacga gaaaatttgc 480aagtttttag ttctagaatg acgcatactc catcacagcc tacttcccac aaatcacgag 540gcaacttaaa catgcaaata caatccggtc tacgtcgttc taggtttact tcgaagacca 600atcgaaaatc cgtcaactgt ttaaatacat ctaataccat gaccttccca aaaattttgg 660caaagcttct ccccggccaa tcatacacct gagatcctag acacatcgct tctgcataaa 720gccgtttgta aaagcgatcg tgacatcgaa caccagccgc taaacgtcgc tttctaagga 780cattcgtatt tacatgccgt ttgaaatttc gagtgctact aacctgtctg cgatatcttt 840tgagtacgtt cttctctccc attgaacatg tcggagccac aatcgtggtc ggtaatggca 900tctcagatga catctgcaca gctcatacgt gtatacctcg atggatcaat gggtataggt 960aaaacgtcaa tgttgaatga gataccgacg cactctttaa tgggagtacc cgtactaaag 1020gttttcgaac ctatgaaata ctggcggtat tattttactg atttggtcac gaccgtaaat 1080gatacatgtg atcgtcgtcg caggggagag ttttctttat ttcaatctag catgattgta 1140acagctttac aatcaaagtt tgcagatccc tatcttgtat ttcatgagcg cttatcgtcg 1200aagtgtcatc gcataacagg aacacgtggc aatccatcgc ttatattaat tctagatcga 1260catcccatat ccgctaccgt atgttttccc attgctcgac atttaactgg agattgttcc 1320ttggagatgc taattagtat gataataagg ttgccccagg aaccgccagg atgcaacttg 1380gtgattgtcg atctacatga cgaaaaggag catgttagcc gtctatcttc acggaatagg 1440accggcgaga aaacagatct actaatgctc agggcactta atgcagtgta ttcctgttta 1500gtagacacta ttatgtacgc aaatcatatt tgtccctaca gtaaggatga atgggaatct 1560gaatggttgg atctaccatg gtttgataca tctttggcca caacgtttat aaacgaacct 1620cgtactgatt atcgcggtag tagggtgtca ttacaccata cgcttttagc gatatttaag 1680cggcgagaat tatgtgccga agatggtagc ttatcaacaa cgcatgcatg gatattgtgg 1740ggattattaa tgaaactgcg gaacattaac gtcgaacgat ttaatattac tggcctgtcc 1800acaacaaagt gtgtagaatc gttcatggat actatgtcgg agagattggt aacacatagt 1860agctggaatg atgccttcga gattgaagct gatgtactag cctataataa agagatggct 1920atgtaaaact acccattcat atcgcgcttc tataattagc ttgcccacat cacaatgatg 1980cggcaatatt gacttatatt aagatagtaa tttggcgtcc tta 2023【0123】
<210> 2<211> 2236<212> DNA<213> Marek's disease virus<400> 2taaataaaga actttgggaa taacaagcta tgtatagaat ttatttcgcg tgaagatttt 60tcccaagtcc gatcacattt caggtattac agcggtaata gatccatgca ttatgagggt 120ttgacgtatt atctcgatta agaacatatt gtaatacacc cactgtttct caaacgagtg 180tctatcaatg atataataca ttgatgtatc gactataata cccccaatgt tcaaaggctg 240ataaaactga tatatctatg gccgcgcata gcaattctgc cgtatcttct cccaccgatt 300ctcgtaacgc gacgtctatg ggatcaatgt ctttatatag accgtctaga ataagagcca 360gtttacgtat cttgaggtcc tgtatagatt ttggtgcaga tgtttctgcc acatccaata 420aagtagtctc gtctgcaaag gctgatggac taagaactcc atgttgctct tccaatgaag 480aagtccagtt cacaactaat ttcagtaacc atgccaagaa ataaaatcct ctgaataaac 540tgtttgtttc tgcaagacaa gtcggcatgg agtaggcatt ccccctcaat ggtagaggta 600tgatgatcgc acaactcgcg aattaagtca taacaatttg gcagacgatt taatatatgt 660atatactgaa gcaacaaaaa cttctgactg ggcgatatat ttttgttttc tggtccaact 720ccaacaaaca tggatgcgtg tcttccaaat aaagcatttg aaatcatccc caactcactt 780tgtataattt ccaggtcgga ttgagatcca ttctccgtat aagattagaa tttaaattga 840gcatgttcat attaaaaacc gagtctactt tccagaagat ttcccataac ttatttagag 900aagtagaggg tatacaagag ctggtatcgc aactccatat cttaaatacg ggtggtatat 960atttgatttg taccaaagaa ctgaaccgag catgtttttt ccgttgtact ggatttgttt 1020gttactgttc acgttcaatt taccccggct ccagccgtca tatcccatgc gcgttgcaca 1080gtcgtcgtgt ttgcagcttt ctttgctgta actataacat cgactcgcct gccgaatatc 1140tctgatgata atgcttctct aggagtggga atgccatcaa ataatccttc aacgaggtca 1200ctcaaagact taggtaattc agtcaatctt gcacaagtta gcacaaatgc atcacgactg 1260cactcatata ctaaatctga atatatgtcc gtgattatag ggaattcggg tatatgaatt 1320gtacgatcat gtggaaaatc gtatgcggcc tgtatcgtta acccagaaat tgcatttgtc 1380ggtaccatat actttgctat atccggatca tacgtttcca gacagagaag cccacaaagc 1440tcacgttcac tgcatatacc atcacgactt aacacagcta tactatcgat gaacaattca 1500tcttcatcgg aagaaaaagc ccacttcata cctctgcgaa gtaattctcg gcgaacatga 1560gctgccaatg gtttggactg accaccacgt agaaccaacc caatttttgc gagctctggt 1620aataccatca tctatacagc ctgcctacag caaaaaacaa ccgccgcaaa aaaatacctt 1680tatatcccat tccgatacat aaaactggac attctataac gaaaacatgt ccgtatttaa 1740tatccattga ctgtcctctc tggacgtaac ctatatcact gtagcgcaaa tccaatcctt 1800gataacagca ttgcgttaat cactgggtgc acggattaac gtgtacgtat ttactgtcgc 1860gtcatatgaa cgacaatgag cttgggtatg cagctcgtca ttgaacgcca tttgtggcaa 1920agcaataagg gtctcagacc atcacattat tcgacgaatt gtactacata ggccacccct 1980tgtttaacta tgtcaagcat ggatttggat actatgtcaa cagaagctaa tgaatatacc 2040atccccctca tgaattgatg atggacgatc ggatacatgc gaaaactctt gggtcgtatt 2100gaccactatc tgaggaatta gattgggatg atattatgca ctttctctta tttaggcgat 2160atattttaca atccaacagc tatgacatac atcctcaaat cacccgtatg tttactcttt 2220ggctatctac tttgtc 2236【0124】
<210> 3<211> 31<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: Primer<400> 3gggggtacca agugcattgg atggctacat a 31【0125】
<210> 4<211> 33<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: Primer<400> 4ggggctagct taaagatcgt cgtacaggct caa 33【0126】
<210> 5<211> 18<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: Primer<400> 5aagatttttc ccaagtcc 18【0127】
<210> 6<211> 18<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: Primer<400> 6tcgtcgaata atgtgatc 18【0128】
<210> 7<211> 59<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: pCR 3.1 vector<400> 7taatacgact cactataggg agacccaagc tggctagcgt ttaaacttaa gcttggtac 59【0129】
<210> 8<211> 54<212> DNA<213> Artificial Sequence<220><223> Description of Artificial Sequence: pCR 3.1 vector<400> 8tcgagtctag agggcccgtt taaacccgct gatcagcctc gactgtgcct tcta 54



 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013