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発明の名称 迅速崩壊・急速溶解固形剤形
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−206841(P2001−206841A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2001−11348(P2001−11348)
出願日 平成13年1月19日(2001.1.19)
代理人 【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
発明者 アビナッシュ ゴヴァインド トンブル / ラリー スティーブン ウィッグマン
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 a)製剤学的に許容し得る蒸気押出しポリマー、およびb)薬物を含有してなる固形剤形。
【請求項2】 該ポリマーがデンプン、ゼラチン、デキストラン、デキストリン、アルギン酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびその混合物からなる群から選択される請求項1記載の固形剤形。
【請求項3】 該ポリマーがデンプンである請求項2記載の固形剤形。
【請求項4】 該デンプンが45%重量以上のアミロースを含む請求項3記載の固形剤形。
【請求項5】 該ポリマーがゼラチンである請求項2記載の固形剤形。
【請求項6】 該ゼラチンが水解ゼラチンである請求項5記載の固形剤形。
【請求項7】 錠剤または坐剤の形状である請求項1記載の固形剤形。
【請求項8】 該蒸気押出しポリマーがマトリックスを形成し、該マトリックスが2ないし80mg/ccの密度を有する請求項1記載の固形剤形。
【請求項9】 該マトリックスの密度が2ないし50mg/ccである請求項8記載の固形剤形。
【請求項10】 該マトリックスの密度が2ないし9mg/ccである請求項9記載の固形剤形。
【請求項11】 固形剤形の製造法であって、a)含水率25%重量以下の製剤学的に許容し得るポリマー原料を押出機に供給する工程、b)少なくとも水分の一部が押出しに際し蒸発して膨潤性産物を形成する条件下にポリマー原料を押出す工程、およびc)該膨潤性産物を固形剤形に形状化する工程、を含んでなることを特徴とする製造法。
【請求項12】 固形剤形に薬物を添加する工程をさらに含んでなる請求項11記載の製造法。
【請求項13】 押出しに先立ちポリマー原料に薬物を添加する工程をさらに含んでなる請求項11記載の製造法。
【請求項14】 形状化に先立ち膨潤性産物に薬物を添加する工程をさらに含んでなる請求項11記載の製造法。
【請求項15】 該製剤学的に許容し得るポリマー原料がデンプン、ゼラチン、デキストラン、デキストリン、アルギン酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびその混合物からなる群から選択される物質を含有してなる請求項11記載の製造法。
【請求項16】 該ポリマー原料がデンプンを含有してなる請求項15記載の製造法。
【請求項17】 該デンプンが高アミロースデンプンである請求項16記載の製造法。
【請求項18】 該ポリマー原料がゼラチンを含有してなる請求項15記載の製造法。
【請求項19】 該剤形を錠剤または坐剤に形状化する請求項11記載の製造法。
【請求項20】 該ポリマー原料が10%ないし25%重量の水分を含む請求項11記載の製造法。
【請求項21】 薬物を溶媒中で剤形上に析出させることにより添加する請求項12記載の製造法。
【請求項22】 該溶媒の除去工程をさらに含んでなる請求項21記載の製造法。
【請求項23】 a)製剤学的に許容し得る蒸気押出しポリマー、およびb)薬物を含有してなる迅速崩壊性固形剤形を、それを必要とする被験者に投与することを特徴とする被験者への薬物投与方法。
【請求項24】 該ポリマーがデンプン、ゼラチン、デキストラン、デキストリン、アルギン酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびその混合物からなる群から選択される請求項23記載の方法。
【請求項25】 該ポリマーがデンプンである請求項24記載の方法。
【請求項26】 該デンプンが45%重量以上のアミロースを含む請求項25記載の方法。
【請求項27】 該ポリマーがゼラチンである請求項24記載の方法。
【請求項28】 該ゼラチンが水解ゼラチンである請求項27記載の方法。
【請求項29】 該固形剤形が錠剤または坐剤の形状である請求項23記載の方法。
【請求項30】 該蒸気押出しポリマーがマトリックスを形成し、該マトリックスが2ないし80mg/ccの密度を有する請求項23記載の方法。
【請求項31】 該マトリックスの密度が2ないし50mg/ccである請求項30記載の方法。
【請求項32】 該マトリックスの密度が2ないし9mg/ccである請求項31記載の方法。
【請求項33】 当該薬物が無定形である請求項1記載の固形剤形。
【請求項34】 当該薬物が無定形である請求項12記載の製造法。
【請求項35】 当該薬物が無定形である請求項13記載の製造法。
【請求項36】 当該薬物が無定形である請求項14記載の製造法。
【請求項37】 当該薬物が無定形である請求項23記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製剤学的に許容し得る蒸気押出しポリマーから製造される高多孔性非破砕性の迅速崩壊・急速溶解固形剤形に関する。本発明の固形剤形は口内で溶解し、従って、経口投薬が必要であるかまたは望ましいが、錠剤など標準的経口剤形の嚥下が困難な治療対象(以下、“被験者”という)、あるいは嘔吐のある被験者または急速に作用する治療が必要なもしくは望ましい被験者またはより味覚のよい剤形が必要なもしくは望ましい被験者のために特に有用である。本発明の固形剤形は膣および直腸坐剤としても有用である。
【0002】
【従来の技術】本発明は小児科、老人性、HIV−腫瘍学、偏頭痛−CNS、抗嘔吐および動物の治療法に広く応用し得る迅速崩壊・急速溶解固形剤形に関する。本明細書に記載した剤形は蒸気押出しポリマー・マトリックスを利用する。非蒸気押出しポリマー・マトリックスを利用する迅速崩壊性製剤形は米国特許第4,371,516号に記載されており、また製剤形に関連する非蒸気押出し迅速崩壊性材料については米国特許第4,305,502号に記載されている。
【0003】包装用の蒸気押出しデンプン組成物およびかかる組成物の製造法は米国特許第4,072,535号;第4,863,655号;第5,035,930号;第5,043,196号;第5,286,769号;第5,405,564号;および第5,849,233号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は蒸気押出しの製剤的に適合するポリマーから製造される薬物送達用迅速崩壊・急速溶解性剤形に関する。
【0005】本発明第二の側面は、高アミロースデンプンから製造される蒸気押出し迅速崩壊・急速溶解性剤形、すなわち、適宜誘導されていてもよい少なくとも約45%重量以上のアミロースを含有してなり、また適宜約2%重量以上の塩を含有してなる剤形にある。
【0006】本発明第三の側面は、ゼラチン、特に加水分解したゼラチンから、あるいは他のポリマー材料、例えば、デキストリン、デキストラン、およびアルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、またはポリマー材料同士の混合物またはポリマー材料と他の担体材料、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンまたはアラビアゴムとの混合物から製造される迅速崩壊・急速溶解性剤形にある。
【0007】本発明の第四の側面は、低密度と低い砕け易さをもち、かつ、良好な弾力性、圧縮性、崩壊性と溶解性を有する均一な閉じられたセル構造をもつ迅速崩壊・急速溶解剤形にある。該迅速崩壊・急速溶解剤形の体積密度は、薬物と他の担体、媒体または賦形剤を除き、約2ないし約80mg/cc、好ましくは、約2ないし約50mg/ccであり、さらに好ましくは、約2ないし約9mg/ccである。薬物を含む剤形の体積密度は、約2ないし約550mg/ccであり、さらに好ましくは、約2ないし約200mg/ccである。
【0008】本発明の第五の側面は、膣または直腸坐剤として使用するための形状構造とした迅速崩壊・急速溶解剤形にある。
【0009】本発明の第六の側面は、迅速崩壊・急速溶解剤形の製造法にあり、該方法は薬物をポリマー材料と他の任意の担体、媒体または賦形剤とを混合し、薬物含有ポリマー物質を該剤形形成のための延伸した産物に蒸気押出しすることからなる。薬物含有押出しポリマー物質はこの蒸気押出し工程に際し最終剤形に形成してもよく、または引続く形状化ステップ、例えば、スタンピング、カッティング、成形、または熱成形に付してもよい。
【0010】本発明の第七の側面は、製剤学的に許容し得るポリマー材料を蒸気押出しし、その後、押出し品に薬物を押し込めることにより迅速崩壊・急速溶解剤形を製造する方法にある。薬物の負荷は、スタンピング、カッティング、成形、または熱形成などの最終形状化または成形ステップに先立ち、またはそれに引続き実施することができる。
【0011】本発明の第八の側面は、製剤学的に許容し得る蒸気押出しポリマーおよび薬物を含有してなる固形剤形を哺乳動物に投与することによる、それを必要とする哺乳動物への薬物投与方法にある。
【0012】本発明の第九の側面は、迅速崩壊・急速溶解剤形を必要とする、または要望する消費者が使用するためのキットを提供することにある。該キットは蒸気押出しポリマーおよび薬物を含有してなる固形剤形を含んでなり、またさらに該剤形と剤形の使用指示書を収納するする容器からなる。
【0013】本発明の第十の側面は、剤形の消費を動物が望むように味覚をマスクし、それによって薬物の投与が容易なものとなるようにした迅速崩壊・急速溶解剤形にある。
【0014】本発明の第十一の側面は、医薬化合物を含有し、その医薬の主要部分が無定形である迅速崩壊・急速溶解剤形にある。本発明にて使用する場合、医薬の“主要部分”という用語は分散体中医薬の少なくとも60%が、結晶形よりもむしろ無定形であることを意味する。好ましくは、無定形の医薬を使用する場合、該迅速崩壊・急速溶解剤形に添加する医薬は実質的に無定形である。本発明にて使用する場合、“実質的に無定形”とは結晶形の医薬の量が、粉末X線回折分析により、または示差走査熱量測定法により、または他の標準的定量法により測定した場合に25%を越えないことを意味する。より好ましくは、無定形の医薬を使用する場合、該迅速崩壊・急速溶解剤形に添加する医薬は本質的に無定形である。本発明にて使用する場合、“本質的に無定形”とは結晶形の医薬の量が、上記の方法により測定した場合に10%を越えないことを意味する。
【0015】
【課題を解決するための手段】迅速崩壊・急速溶解剤形に有用な原料は製剤学的に許容し得るポリマー材料でなければならない。本発明の剤形を製造するために使用するポリマー材料は高度に水溶性であり、加圧下、熱水によりゲル相を形成する。押出し後、水分が急速に気化し、高多孔性固形発泡体を残す。この工程は“蒸気押出し”として知られている。
【0016】“治療対象または被験者”はヒトを含む動物であり、本発明の組成物、方法およびキットにより治療し得るものである。“被験者”または“被験者ら”という用語は、一方の性を特に指定しない限り、男性/オスおよび女性/メスの両性をいうものとする。
【0017】“固形剤形”は迅速崩壊・急速溶解性剤形と定義され、顆粒、ペレット、シート、錠剤、カプセル、成形形状などの形状のものである。
【0018】無定形医薬を迅速崩壊・急速溶解性剤形とともに使用し、結晶形の薬物に対するその溶解率を上昇させることができる。
【0019】本明細書に開示された製剤学的に許容し得るポリマーはすべての人工的および天然のポリマーおよびポリマー材料を包含し、これらは本工程に適合し得る。これらに限定されるものではないが、ポリマーの例はゼラチン、特に、例えば、水中で加熱することにより加水分解したゼラチンである。例えば、ゼラチンを水溶液としてオートクレーブ中、約120℃に2時間以内加熱して部分的に加水分解してもよい。他のポリマー材料としては、デキストラン、デキストリン、アルギン酸塩(すなわち、アルギン酸ナトリウム)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはポリマー材料同士の混合物またはポリマー材料と他の担体材料、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンまたはアラビアゴムとの混合物などである。本発明の好適なポリマー材料は高アミロースデンプン、すなわち、少なくとも45%重量のアミロースを含むデンプンである。使用されるデンプンは弾力性であり、脆性ではないという理由で一般的なデンプンとは異なるものである。これらの物質を調製するのに有用な典型的なデンプンはナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニー(ベレ・メッド、ニュージャーシー)が製造し、“ハイロンVII(Hylon VII)”の商品名で販売されている。このデンプンは70%のアミロース(短鎖−分枝なし)および30%のアミロペクチン(大型分枝分子)からなる。この特異な低分枝性が弾力性と非脆性に寄与しており、アミロペクチン(大型分枝分子)が優位を占める一般的なデンプンと異なるものにしている。
【0020】デンプンは2つのフラクションから構成されていることがよく知られており、その分子配列は、一方が直鎖であり、他方が分枝状である。デンプンの直鎖フラクションはアミロースとして知られ、また分枝状フラクションはアミロペクチンとして知られる。異なる起源、例えば、ジャガイモ、トウモロコシ、タピオカ、コメなどからのデンプンはそのアミロースとアミロペクチン成分の相対比が異なるものとして特性化されている。ある種の植物種が遺伝的に開発されており、一方のフラクションが他方よりも大幅に優位であることで特徴づけられる。例えば、ある変種のトウモロコシは、正常では約22〜28%のアミロースを含有するものが、45%を越えるアミロースからなるデンプンを産生するように開発されている。これらのハイブリッド変種は高アミロース種またはアミロトウモロコシといわれている。
【0021】高アミローストウモロコシ雑種は高アミロース含量のデンプンを自然界で供給するために開発されたものであり、1963年頃から市販品として入手し得るものである。本発明にて有用な、アミロース含量の高い適切なデンプンは、少なくとも約45%重量、好ましくは少なくとも約65%重量のアミロース含量を有するものであれば如何なるデンプンであってもよい。高アミローストウモロコシのデンプンが特に適切である一方、有用な他のデンプンとしては、高アミロース含量のデンプンを産生する、あるいは産生するようにし得る植物種、例えば、トウモロコシ、豆、大麦、コメなどから由来するものを包含する。さらに、高アミロースデンプンは本来のデンプン材料の分画など、分離または単離により、あるいは単離したアミロースを本来のデンプンと混ぜ合わせることにより入手してもよい。
【0022】本発明にて使用される高アミロースデンプンは修飾してもしなくてもよく、本明細書にて使用する際のデンプンという用語は両方の型のものを包含する。修飾することが意味するのは、デンプンを技術上既知の一般的な方法、例えば、エステル化、エーテル化、酸化、酸加水分解、架橋形成、および酵素変換などにより誘導化または修飾し得ることである。一般に、修飾したデンプンとは、酢酸エステルおよびジカルボン酸、特にアルケニルコハク酸の半エステルなどのエステル類;ヒドロキシエチル−およびヒドロキシプロピルデンプン、また疎水性カチオン性エポキシドと反応させたデンプンなどのエーテル類;塩酸塩で酸化したデンプン;架橋剤、例えば、オキシ塩化リン、エピクロロヒドリンなど、またオルトリン酸もしくはトリポリリン酸ナトリウムもしくはカリウムとの反応により調製したリン酸誘導体と反応させたデンプン、およびその組合わせである。デンプンのこれらの修飾および他の常套的修飾については、以下の出版物に記載されている:デンプン:化学と技術(Starch: Chemistry and Technology)、第二版、編集:フイッスラー(Roy L. Whistler)ら、第X章;デンプン誘導体:生産と用途、ルーテンベルグ(M.W. Rutenberg)ら、アカデミック・プレス・インク、1984。
【0023】取分け有利な本発明にて使用される高アミロースデンプンの一修飾例は、アルキレンオキシド、特に、炭素数2ないし6、好ましくは2ないし4のアルキレンオキシドによるエーテル化である。エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドが原料のデンプンをエーテル化すのに有用な代表的化合物であり、特に、プロピレンオキシドが好適である。所望の性質と経済性に応じてかかる化合物の量を変化させ、使用することができる。一般に、デンプンの重量に基づき15%重量以下まで、好ましくは約10%までを使用する。このように修飾した押出しデンプンは改善された膨張性、均一性および弾力性を示す。
【0024】製剤学的に許容し得る添加化合物は、ポリマー原料と組合わせるかまたは混合して、強度、柔軟性、弾力性、着色などの性質を改善してもよい。ポリビニルアルコール、モノグリセリド、およびポリエチレンビニル酢酸などの化合物が使用し得る代表的な添加物である。これらはデンプンの押出しと膨潤産物の性質が適切であるならば、如何なる量で使用してもよい。一般的に、かかる添加物の約50%重量まで、好ましくは約10%重量までを使用し得る。添加ポリマー化合物は無定形薬物化合物の固形分散体の形成または安定化に関わる。好適な種類のポリマーとしてはイオン化性および非イオン化性セルロースポリマー(エーテルまたはエステルを有するもの、またはエステル/エーテル置換の混合物およびそのコポリマーを包含し、いわゆる“腸溶性”および“非腸溶性”ポリマーを包含する)、およびヒドロキシ、アルキルアシルオキシおよび環状アミドなどの置換基を有するビニルポリマーとコポリマーを包含する。
【0025】代表的なイオン性セルロース類はカルボキシメチルセルロース(CMC)およびそのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロース(CEC)、酢酸フタル酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース(HPCAP)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース(HPCAS)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAP)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAP)、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースおよびそのナトリウム塩、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、プロピオン酸トリメリト酸セルロース、酪酸トリメリト酸セルロース、およびその混合物である。
【0026】代表的な非イオン性セルロース類はメチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、およびその混合物である。
【0027】分散体ポリマーとして有用な代表的なビニルポリマーおよびコポリマー類は、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、カルボン酸官能基化ポリメタクリル酸エステル、およびアミン官能基化ポリメタクリル酸エステル、ジエチルアミノ酢酸ポリ(ビニルアセタール)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアルコール/酢酸ポリビニル(PVA/PVAc)コポリマー、およびその混合物である。
【0028】他の有用な分散体ポリマーはポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(PEG/PPG)コポリマー、ポリエチレン/ポリビニルアルコール(PE/PVA)コポリマー、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、寒天粉末、ゼラチン、デンプン、加工デンプン、グルコマンナン、キトサン、およびその混合物である。
【0029】特に好適な分散体ポリマーはPVA、PVP、PVA/PVAcコポリマーおよび、少なくともpH範囲が1<pH<8の部分で水溶性であるセルロース・ポリマー、例えば、HPMC、HPMCP、HPMCAS、CAP、CATおよびその混合物を包含する。
【0030】上記のポリマー材料、修飾デンプンおよび添加化合物に加えて、望ましい場合には、デンプンを原料として予めゼラチン化した形状物を使用してもよい。
【0031】修飾したデンプン化合物を使用する場合、修飾したデンプン原料は約2%重量以上の塩を含み、かつ、必要とされる高アミロース含量のものであることが有利である。修飾デンプン中の塩はすでに調製されたデンプン原料に加えてもよいし、あるいは修飾デンプンの調製後に残留する灰分により定量される残渣塩であってもよいが、かかる灰分は例えば、ヒドロキシアルキルデンプンを製造する周知方法においてアルカリ性条件を用い、その場合に、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどの塩が使用される。該デンプン中の残留塩の量は、修飾ポリマー産物を製造した後の洗浄液量によって調整することができる。かかる塩の包含はより均一な閉じられたセル構造を与える。使用される塩は無機の水溶性塩またはその混合物であって、さらに特定するとアルカリ金属またはアルカリ土金属の塩であり、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどのナトリウム塩が好適である。塩の使用量はデンプンの重量に基づき、約2%重量以上、好ましくは約3%重量以上である。この態様のために特に有用な修飾デンプン物質は、アルキレンオキシドでのエーテル化により製造したヒドロキシアルキルデンプンなどのエーテル化物質、および無水酢酸によりアセチル化したエステル化物質などであるが、エーテル化物質が好ましい。
【0032】本発明の固形剤形を調製するに際し、押出し工程は単独でまたは他の形成操作と組合わせて、所望とする最終製品の型に合わせ使用することができる。製剤的に許容し得るポリマー原料は押出し機の供給原料として使用する。押出し機を出た膨潤性ポリマー産物は一般にロープ状または円筒の形状である。押出し機の成形型のサイズと形状を変えることにより、例えば、様々な厚さと幅のシートの異なる形状、不規則な外形および他の成形物が得られる。
【0033】異なる形状と設計の剤形が望ましい場合には、押出し操作に続く他の成形操作を利用してもよい。容易に適用し得る技法の一つは熱成形である。本操作では、材料を加熱して柔軟なとなるまたは形状化し得る温度とし、次いで減圧とするか空気または機械的圧力を加えることにより鋳型に押し込む。膨潤したポリマー産物が押出し機を出たときは、未だ相当に熱く柔軟性であり、従って熱成形に充分適している。錠剤などの形状化剤形は押出しデンプン・シートを熱成形することにより成形することができる。さらに、密度と厚さの増加した剤形は1枚以上の押出しポリマーシートを重ねて加圧することにより得ることができる。
【0034】延伸したポリマー産物を成形する他の方法は、上に検討した押出し/熱成形操作に加えてあるいは置換えて使用してもよい。かかる方法は射出成形、吹込み成形、押出し−吹込み成形、およびスタンピング、並びにこれらのおよび他の方法の組合わせなどである。
【0035】本発明の固形剤形の調製に使用する方法の一つは押出し方法であり、その場合には高アミロースデンプンなどの原料ポリマーを押出し機に取込ませ、選択した条件下に装置へと搬送する。押出し機から出てくる製品は膨潤し、閉じたセルの低密度物質であり、良好な弾力性、圧縮性、溶解性および崩壊性を有し、その低い砕け易さは、特に常套の固形剤形の嚥下が被験者にとって困難であるかまたは望ましくない場合の経口投与に適したものとしている。
【0036】本発明の蒸気押出し固形剤形の重要な特性はその比較的低い密度、並びにその弾力性および圧縮性にある。その特徴的な微細泡形成をもつ産物の均一な閉じたセル構造が弾力性に富む非破砕性剤形を与えるが、この剤形は薬物の負荷が容易で、かつ、投与に際して迅速崩壊・急速溶解する。急速溶解性の剤形は快適な口内感触を与え、僅かに泡立ちながら急速に溶解し、美味なシロップとなる。閉じたセル構造は大部分が非接合性のセルをもつものと定義されるが、大部分が互いに接合している開放型セルまたは破壊された、パンクした、または欠損しているセル壁により互いに接合している2個以上のセルと定義される開放型セルとは対照的である。微細泡の形成は一般に、典型的には約100ないし約600ミクロンの小セルサイズに至る。
【0037】所望剤形の延伸した閉鎖セル構造特性を得るために、製剤的に許容し得るポリマー物質供給材料の総水分含量は、ポリマー物質の乾燥重量に基づき、約25%重量以下のレベルとすることが重要である。総水分または含水量が意味するのは、物質の残存水分、すなわち、外界条件に貯蔵したときに取込む量、および押出し機に送り込まれた水分量の両方である。一般にデンプンなどのポリマー物質、特に高アミロースデンプンは約9%ないし約12%の残存水分を含む。該物質を処理加工し、混合し、所望の温度に加熱するためには、十分な水分が存在しなければならない。少量の水を押出し機に加えてもよいが、その加え得る量は総水分レベルが約25%以下となるような量である。これは調製した製品において所望の延伸とセル構造形成を可能とするために必要であると信じられる。従って、この工程を実施するために使用される総含水量は、使用される実際の物質および他の工程変更に依存し幾分変わり得るが、約10%ないし約25%重量、好ましくは約13%ないし約19%重量、さらに好ましくは約14%ないし約17%重量の範囲が一般に適当である。押出し機内の該物質の温度は約150℃ないし約250℃に到達するまで上昇する。この温度は該物質が押出し機を出る直前まで少なくとも鋳型に密接した押出し機の部分で維持されなければならない。鋳型は該押出し物質が装置から外界空間に出るまたは去る押出し機の終末点または位置に装着される。処理加工される特定物質並びに他の工程変更に依存して、この温度は言及した範囲内で幾分変わり得るが、その範囲は、好ましくは、約160℃ないし約210℃である。修飾デンプン、例えばエーテル化物質を使用する場合には、使用する温度は、好ましくは、約160℃ないし約180℃であるが、一方、非修飾デンプンを使用する場合には、好適な温度は少なくとも鋳型に密接する押出し機の部分で約170℃ないし約210℃である。これらの条件を押出し機にて維持することにより、該物質は、鋳型および押出し機出口から開放空間に出る際に、膨潤し、冷却されて膨潤性低密度製品を形成する。
【0038】この工程を実施する際に使用される装置はスクリュー型押出し機である。スクリュー型押出し機は単一型またはツイン型を用い得るが、ツイン型スクリュー押出し機を使用するのが好ましい。かかる押出し機は一般に横方向の円筒状胴内に回転スクリューをもち、該円筒状胴はその一端に装着した取入れ口と放出末端に装着した形状化鋳型を備える。ツイン型スクリューを使用する場合、それらは同時回転し、互いに噛み合っても噛み合わなくてもよい。各スクリューはらせん階段状部分またはねじれ部分からなり、一般に比較的深い給送部分とそれに続いて先を細くした通過部分と比較的浅い一定の深さの計器部分を有する。該スクリューはモーター駆動であるが、一般には円筒または胴体内に擦り合って嵌合しており、該物質が押出し機内を通過するときに、混合、加熱およびせん断を可能とする。
【0039】押出し機胴体全体の温度調整は重要であり、スクリュー全長区分で調整する。熱交換手段、一般的には胴体壁に位置したチャンネル、チャンバーまたは穿孔などのオイルなどの加熱媒体を循環させるための通路、またはカルロッドまたはコイル型ヒーターなどの電気ヒーターを多くの場合使用する。さらに、熱交換手段はスクリュー装置内またはそれに沿わせて設置してもよい。
【0040】この押出し機に使用される構成部分の変更は、この分野での通常の設計慣行に従って所望どおりに実施し得る。押出し機と一般的な設計変更のさらに詳しい説明は、「ポリマー科学と工学の事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」Vol.6、1986、571〜631頁に見出し得る。膨潤したポリマー製品は鋳型開口部のサイズと形状を変えることにより異なる形状に成形することができる。このように、この生産物はそれを使用するタイプの外形に膨潤させ、シート、錠剤、顆粒、または膣もしくは直腸坐剤を意図した形状などの形態で入手し得る。
【0041】本発明の形状化製品の調製に使用し得る熱成形並びに他の成形操作は技術上周知である。熱成形操作を実施するに際しての装置は、一般に、作業すべきシートまたは物品の温度を維持/制御/調節するためのヒーター(要すれば)または手段、鋳型、加圧手段(すなわち、空気、真空または機械的)、並びに物品を保持および輸送する補助手段、および裁断、縁取りなどの選択手段などを備える。本発明に使用される熱成形操作および装置の図解説明は、「ポリマー科学と工学の事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」Vol.13、1976、832〜843頁に見出し得る。この操作および使用し得る他の既知成形操作については、「化学技術事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」Vol.18、1982、184〜206頁にさらに記載されている。
【0042】本発明の急速溶解剤形に含まれる薬物は押出しに先立ちポリマー物質に添加してもよい。薬物を押出しに先立ちポリマー物質に添加する場合には、該薬物をポリマー物質(供給物質)と均一に混合し、その混合物を上記のように押出しに付す。該薬物は無定形であてもよく、また他の添加物により安定化してもよく、または無定形分散体の形状であってもよい。本発明の剤形は薬物に加えて他の成分を併合してもよく、それもまた押出しに先立ちポリマー材料に添加することができる。例えば、本発明の固形剤形は製剤的に許容し得る佐剤を併合させてもよい。かかる佐剤は、例えば、着色剤、矯味剤、保存剤(すなわち、静菌剤)などである。該薬物は微小カプセルに詰めるか被覆してもよく、特定の単位操作を該薬物に基づき実施し急速溶解剤形に添加する粒子サイズを調整する。急速溶解剤形は苦味を呈する薬物の経口送達のために味覚をマスクすることもできる。動物用医薬品の場合には、急速溶解剤形は所望の味覚をもつように製剤し、動物への薬物投与を容易に実施し得るようにする。
【0043】本発明の固形剤形は先ずポリマー材料を押出し、押出した物質を所望のサイズと形状に裁断または成形し、次いで、該剤形に薬物を添加または“負荷”することにより製造してもよい。該剤形に対する薬物の負荷は、先ず該薬物を溶媒、好ましくは非水溶媒に溶かし、溶解した薬物を含有する溶媒を該剤形に添加することにより実施してもよい。溶解した薬物を含有する溶媒は該剤形に吸収させるかまたは該剤形に沈殿させ、次いで蒸発させて剤形内に薬物を残存させる。沈殿または負荷した薬物は無定形であてもよく、また他の添加物により安定化してもよく、または無定形分散体の形状であってもよい。薬物の負荷前または負荷後に他の製剤的に許容し得る佐剤を同様に押出し剤形に溶液として添加してもよい。あるいは、佐剤は押出しに先立ちポリマー材料に加えることが可能であり、それによって薬物の負荷に先立ち、押出して形状化した剤形に含有させる。これらに限定されるものではないが、適切な溶媒の例としては、メタノール、エタノール、アセトン、および酢酸エチル、並びにその混合物である。
【0044】本発明の製剤的固形剤形は多様な医薬物質を投与するために採用し得る。本明細書において“医薬物質”とはヒトおよび非ヒト動物へ投与するための薬物のみならず避妊薬(特に、経口避妊薬)をも包含する。本発明により投与し得る代表的な医薬は、例えば、冠状動脈疾患治療用医薬、例えば、ジゴキシン、ドフェチリド;抗ヒスタミン剤、例えば、セチリジン;経口ワクチン;酵素類;抗狭心症薬、例えば、トリニトログリセリン;末梢血管拡張剤および降圧剤、例えば、インドラミン、アムロジピン、ニフェジピン;血管収縮薬、例えば、エルゴタミン;鎮痛剤、例えば、メプタジノール、ペンタゾシン;催眠薬;メジャーおよびマイナー・トランキライザー、例えば、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム;抗うつ剤、例えば、シクラジンドール、セルトラリン;抗痙攣薬、例えば、クロナゼパム;抗生物質、例えば、アジスロマイシン、トロバフロキサシン、スルバクタム;抗かび剤、例えば、フルコナゾール、ボリコナゾール;CNS刺激薬、例えば、ペモリン;アルツハイマー病治療剤、例えば、ドネペジル;尿失禁治療剤、例えば、ダリフェナシン;骨粗鬆症治療薬、例えば、ドロロキシフェン;筋弛緩剤、例えば、オルフェナドリン;アルドース・レダクターゼ阻害剤、例えば、ゾポルレスタット;神経筋薬、例えば、ピリドスチグミン;性腺ホルモンおよび経口避妊薬、例えば、エチニルエストラジオール、ノルゲストレル;コルチコステロイド、例えば、プレドニソロン;局所麻酔剤;抗精神病薬、例えば、ジプラシドン;HGM−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、アトルバサチン;抗炎症剤、例えば、オキサプロジン、セレコキシブ、バルデコキシブ;子宮作用薬、例えば、ヒヨスチン臭化ブチル;抗アレルギー薬、例えば、トリプロリジン、および中毒軽減剤;代謝機能不全剤、例えば、メチルセルギドおよび男性勃起機能不全治療剤、例えば、シルデニフィル;糖尿病治療薬、例えば、グリピジド;偏頭痛治療薬、例えば、エレトリプタン、スマトリプタン;アドレナリン作動アンタゴニスト、例えば、ドキサゾシン、などである。本製剤形は特に医薬品の経口投与に有用である。本投与形態は正常に胃腸管から吸収される医薬品の投与用に用いることができるばかりでなく、口腔内経路の医薬(例えば、ニトログリセリン)投与にも有用であるが、その理由はかかる薬物が本発明の使用により極めて迅速に吸収され得るからである。
【0045】本明細書に引用した文献はすべて参照により取込む。引用文献と本明細書との間に矛盾のある場合には、本明細書が主体となる。
【0046】
【発明を実施するための好適な態様】以下の実施例は本発明の様々な態様の単なる説明である。特に断りのない限り、すべての部とパーセントは重量で、また、温度は摂氏で表す。
【0047】以下の手法は評価すべき物質の特性を決定するために用いられものであり、発明の詳細な説明および特許請求の範囲に明記されているとおりである。
【0048】体積密度体積密度は複数の異なる方法で測定することができる。一つの方法は蒸気押出しポリマー生産物の大きさを単純に測定し、測定した生産物の体積を計算することである。サンプルとなる蒸気押出しポリマー生産物は次いで重量測定し、産物の重量を計算した体積で割って密度を決定する。別法として、恐らくより正確であるが、体積密度はファンおよび早川の記載した体積置換え法により測定する(M. Hwang and K. Hayakawa,“工業用焼成工程を受けるクッキーの容積密度”、Journal of Food Science, Vol.45, 1980, pp.1400-1407)。本質的には、本方法では既知容量、すなわち、500mlのビーカーをとり、ビーカーを満杯にするのに必要な量のガラスビーズ(直径0.15−0.16mm)重量を測定し、確立すべきガラスビーズの密度を確立する(等式II(下記))。サンプルの重量を測定し、そのサンプルの容量を置換える必要のあるガラスビーズ重量を測定することにより、以下の等式を用いサンプルの密度を計算した。
【0049】d=W/Wgr×d (等式I)
=Wgb/V (等式II)
【0050】ただし、式中d=サンプル密度W=サンプル重量Wgr=サンプル容量と置換え必要なガラスビーズの重量d=ガラスビーズ密度Wgb=ビーカーを満杯にするのに必要なガラスビーズの重量V=ビーカー容量【0051】弾力性弾力性(反撥弾性または緩和ともいう)は物体に力を加えて変形させた後にその物体が元の形に復元する能力をいう。弾力性は組織分析器、例えば、スティーブン(Stevens)LFRAテクスチャー・アナライザーを用いて測定することができるが、該アナライザーはプローブ速度0.5mm/秒、プローブ距離0.1mmで走行する円筒状プローブ(TA−6、0.25”直径)を採用している。
【0052】サンプル押出し体を1インチの長さの断片に切断し、テクスチャー・アナライザーのサンプル・テーブル上に載置し、ピンで固定する。上記条件によりプローブを自動的に降下させる。プローブを完全に降下させた後、当該距離に1分間保持し、開放する。当初サンプルを圧縮するのに必要とする力と1分後にサンプルを圧縮するのに必要とする力を測定する。サンプルのパーセント復元は、1分後の圧縮力を当初圧縮力で割り、100を掛けることにより求める。パーセント復元が高い程、物質はより良好な弾力性を有することになる。
【0053】圧縮性圧縮性、すなわち、サンプル物質を変形させるのに必要な力は、上記の弾力性測定における条件を採用して、テクスチャー・アナライザーを用いて測定する。
【0054】1インチの長さの断片に切断したサンプル押出し体をアナライザーのサンプル・テーブル上に載置し、ピンで固定する。プローブを自動的に上下させ、サンプルを圧縮するのに要する力を加え、g/cmで測定する。この分析はさらに2回繰り返すが、各回ごとにサンプル押出し体の新たな断片を使用する。3回の測定値の平均をとり、圧縮性値とする。値が高い場合はサンプルが比較的硬いこと、すなわち、圧縮性の低いことを意味し、低い値はサンプルが容易に圧縮し得ることを意味する。
【0055】剤形の砕け易さ剤形の砕け易さは米国薬局方/国民医薬品集(USP/NF)法1261(米国薬局方、ロックビル、メリーランド、USA)により測定し、以下に要約する。錠剤の砕け易さ測定が他の物理的強度測定値、例えば、錠剤破砕強度などを補完する。
【0056】砕け易さ測定のために、内径283mmないし291mm、深さ36mmないし40mmのドラムを使用する。このドラムは内面を磨いた透明な合成ポリマー製であり、静電気を蓄積し難い。(この仕様に合致する装置は実験室供給会社、例えば、バンケル・インダストリー・インク(VanKel Industries, Inc.)、36メリダン・ロード、エディソン、NJ08820、またはエルベカ・インストルーメント・インク(Erweka Instruments, Inc.)、56クアーク・ロード、ミルフォード、CT06460から入手可能である)。ドラムの片側は取り外し可能である。錠剤はドラムが一回転するごとにドラムの中央から外壁に伸び出した内径75.5mmないし85.5mmの湾曲した突出物により反転される。ドラムは25±1rpmで回転する装置の横軸に固着している。このように、錠剤は一回転ごとに転倒するか滑走してドラム壁に衝突するか互いにぶつかり合う。
【0057】650mgに等しいかそれ以下の単位質量をもつ錠剤については、総量6.5g相当の錠剤サンプルを用いる。650mgを越える単位質量をもつ錠剤については、総数10個の錠剤サンプルを用いる。試験開始に先立ち錠剤は注意深く塵を除く。錠剤サンプルは正確に重量測定し、ドラム内に置く。ドラムを100回回転し、錠剤を取出す。ばらばらになった塵を錠剤から除き、錠剤を正確に重量測定する。
【0058】一般に試験は一回実施する。もし明瞭なひび割れ、裂け目または破損のある錠剤が反転処理後の錠剤サンプル中に存在するならば、そのサンプルは試験に失敗したことになる。もし結果が疑わしいか、または重量損失が目標値よりも大きいならば、試験は二度繰返すべきであり、三回の試験の平均で決める。最大重量損失が試験する錠剤重量の1%を越えないときは殆どの製品について受け入れ可能であると見なす。新しい製剤の場合には、十分な包装データが得られ、1%の目標値に限度を広げ得るまで、0.8%の当初重量損失が許容限度である。
【0059】もし錠剤のサイズまたは形状が不規則な反転を引起すならば、ドラム基板を調節し、基板が卓上と約10度の角度を形成するようにして、錠剤が互いに隣接したときに結合しないようにするが、これは錠剤が自由にぶつかり合うのを妨げるからである。
【0060】剤形崩壊剤形崩壊は米国薬局方/国民医薬品集(USP/NF)法701(米国薬局方、ロックビル、メリーランド、USA)により測定し、以下に要約する。
【0061】この試験の目的にとて、崩壊とは単位量またはその活性成分の完全溶解を意味するものではない。完全崩壊とは、不溶性の被覆またはカプセル外皮のフラグメントを除き、試験装置のスクリーン上に残る単位量の残分が、明らかに堅いコアを持たない柔らかな塊である状態と定義される。
【0062】装置−装置はバスケット−ラック・アッセンブリー、浸液用1000mL−低型ビーカー(高さ142〜148mm、外径103〜108mm)、該液を35℃ないし39℃に加熱する恒温装置、およびバスケットを浸液中で上下させる装置であってその一定頻度が1分間に29ないし32サイクル、その移動距離が5.3cm以上であって5.7cm以下である装置から構成される。容器中の液容量は、上方ストロークの最高点で金網が液面下少なくとも2.5cmに位置し、また下方ストロークで容器底面から2.5cm以下までは降下しないようにする。上方ストロークに要する時間は下方ストロークに要する時間と等しくし、ストローク方向の変化は作動の突然の逆転とはならず、むしろスムーズに移行する。バスケット−ラック・アッセンブリーはその軸に沿って縦方向に移動する。軸の縦方向から横方向への認知し得る動揺またはずれはない。
【0063】バスケット−ラック・アッセンブリー−バスケット−ラック・アッセンブリーは一端が開口した6個の透明なチューブ(それぞれ長さ7.75±0.25cm、内径20.7ないし23mm、壁の厚さ1.0ないし2.8mm)からなる;これらのチューブは2枚のプラスティック・プレートにより縦方向の位置に保持される;各プレートは直径8.8ないし9.2cm、厚さ5ないし7mmであり、6個の穿孔を有し、各穿孔は直径22ないし26mmであり、プレート中心から等距離にあって、各穿孔同士等間隔にある。下方プレートの下面にはステンレスワイヤで織り上げた布を取りつけてある;この布は普通の方形織であり、1.8−ないし2.2−mmメッシュの間隙を有し、ワイヤ径は0.60ないし0.655mmである。この装置の部品を組上げ、2枚のプラスティック・プレートを通して3個のボルトでしっかりと保持させる。適切な手段により、バスケット−ラック・アッセンブリーを上下動装置からその軸の一点を用い宙づりとする。
【0064】バスケット−ラック・アッセンブリーの設計は、ガラスチューブとスクリーン網目サイズの仕様が維持されるという条件下で幾分変更してもよい。
【0065】手法−1剤形をバスケットの6本のチューブそれぞれに入れ、該装置は浸液として37±2℃に維持した脱イオン水を用い操作する。固形剤形を柔らかい塊とするのに必要な装置の操作時間を記録する。
【0066】剤形溶解剤形溶解は米国薬局方/国民医薬品集(USP/NF)法711(米国薬局方、ロックビル、メリーランド、USA)により測定し、以下に要約する。
【0067】装置1−該アッセンブリーは以下の部品からなる:ガラスまたは他の不活性な透明材料でできた蓋付き容器;モーター;金属製駆動シャフト;および円筒状バスケット。該容器は適当な大きさの適切な水浴に部分的に浸漬するか、または加熱ジャケット内に入れる。水浴または加熱ジャケットは試験の間、容器の内温を37±0.5℃に維持し、浴液を一定のスムーズな動きに保つことを可能とする。アッセンブリーの部品は、アッセンブリーの置かれた環境を含め、影響のある作動、攪拌、または潤滑に回転する攪拌部品によるもの以外の振動をもたらすものではない。試験の間、試料と攪拌部品の観察を可能とする装置が好ましい。容器は円筒状であって、半球状の底をもち、以下の大きさと容積の一つを有する:1リットルの名目容積の場合、高さ160mmないし210mm、その内径は98mmないし106mmである;2リットルの名目容積の場合、その高さは280mmないし300mm、その内径は98mmないし106mmである;4リットルの名目容積の場合、その高さは280mmないし300mm、その内径は145mmないし155mmである。その側壁は上端にフランジがついている。嵌合する蓋は蒸発を防ぐために使用する。シャフトはその軸が容器の垂直軸からいずれの点でも2mm以内にあり、スムーズに大きな動揺なしに回転するように設置する。速度調節装置を用いて、シャフトの回転速度を選択し得るように、また個々のモノグラフに特定された、±4%以内の速度に維持し得るようにする。
【0068】攪拌部品のシャフトとバスケット部分は、USP/NF法711に記載された仕様に従い、ステンレス鋼タイプ316または等価品で作製する。0.0001インチ(2.5μm)の厚さの金コーティングを施したバスケットを使用してもよい。剤形単位量を各試験の開始時に乾燥バスケットに入れる。容器内底とバスケットの距離は試験の間25±2mmに維持する。
【0069】装置2−羽根とシャフトから形成したパドルを攪拌部品として使用する以外、装置1からの部品を使用する。シャフトはその軸が容器の垂直軸からいずれの点でも2mm以内にあり、スムーズに大きな動揺なしに回転するように設置する。羽根の垂直中心線がシャフトの軸を通るようにして、羽根の底部がシャフトの底部と同一平面にくるようにする。羽根と容器内底部との距離は試験の間25±2mmに維持する。金属製または適切な不活性の剛性羽根とシャフトは適切な不活性のコーティングで被覆されていてもよい単一要素からなる。剤形単位量は羽根の回転開始前に容器の底部に沈下するようにする。非反応性材料の結びのない小片、例えば、ワイヤを二三回まいたラセンを剤形単位が浮上しないように付着させる。他の有効な沈下させる仕組みを使用してもよい。
【0070】溶解媒体−溶解媒体としては脱イオン水を使用する。手法−溶解媒体の所定の容量(±1%)を装置の容器に入れる。溶解媒体は37±0.5℃に平衡させ、温度計を取除く。1固形剤形を装置内に入れるが、その際、剤形表面から空気の泡を除くように注意し、装置は直ちに50rpmで作動させる。溶解媒体中に溶解した薬物の濃度を経時的に紫外線分光光度計により測定し、溶解速度を計算する。
【0071】
【実施例】実施例1固形剤形組成と形状蒸気押出しデンプンベースの製品(“エコ・パック”包装ピーナッツ、CPI包装インク、マールボロ、NJ、USA)を入手し、無作為に取出した10個のピーナッツに基づき製品の形状を測定した。表1に示すように、その形状は比較的均一であることが判明した。
【0072】
【表1】

【0073】薬物を含有しない固形剤形は蒸気押出しデンプンベースの製品を長さ1cmに切断することにより調製し、その結果、直径1cm×1.9cmの円筒状剤形を創製した。不活性成分は最初に蒸気押出したデンプンであり、これには少なくとも75mgの医薬物質を負荷することが可能である(1cm厚×1.9cm直径の円筒状錠剤として)。
【0074】薬物は50/50v/vのメタノール/エタノールに溶解し、その一部をピペットで採り剤形に負荷した。このタイプの蒸気押出しデンプンベースの製品は殆どの非水溶媒に不溶であり、安定であることが判明した。これらの錠剤を投与するために使用した医薬物質とそのレベルを表2に示し、常套の市販錠剤の剤形に匹敵するように設計した。使用した医薬の範囲とレベルはこの剤形の幅広い応用性を証明しており、一方で小児科、老人性、HIV−腫瘍学および動物の健康療法への使用を強調している。
【0075】
【表2】

【0076】実施例2剤形の砕け易さ試験未医薬添加剤形は上記のUSP/NF法1261を用い砕け易さについて試験したが、パーセント損失は1%未満であった。このように、錠剤は非破砕性であった。
【0077】実施例3剤形の崩壊性試験サンプル剤形は実施例1同様に調製し、上記のUSP/NF法701により崩壊性につき試験した。試験したサンプル剤形の崩壊時間は21秒の迅速なものであった。サンプル剤形の崩壊時間をヒト・ボランティア口内で測定し、平均4秒と判定した。
【0078】実施例4溶解試験薬物添加錠剤を50rpmでの装置2により、USP/NF法711に従い溶解した。放出された薬物レベルをUV吸収により定量した。錠剤は急速に崩壊することが観察された。溶解速度は平均して1分後に61%の薬物放出、5分後に80%の薬物放出と迅速であった。結果を表3に示す。
【0079】
【表3】

【0080】本明細書の通読に基づいて当業者が本発明を改良・改変し得ることは明瞭である。かかる改良・改変は上記の特許請求の範囲により包含されるものとする。




 

 


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