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発明の名称 炊飯器及び炊飯方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−145565(P2001−145565A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願平11−332035
出願日 平成11年11月22日(1999.11.22)
代理人 【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055 AA03 AA04 BA63 CA71 DA02 DB01 DB08 DB21 GA07 GC14 GC18 GD02 GD05 
発明者 市川 恵 / 阿部 真千子 / 桑原 和子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炊飯器本体と、この炊飯器本体の収容空間に収容される内釜と、前記内釜を加熱するための加熱手段と、前記加熱手段の作動を制御するための制御手段とを具備する炊飯器であって、前記加熱手段は独立して作動可能な少なくとも2個の加熱源を有し、前記制御手段は炊飯工程の少なくとも一部の期間において前記少なくとも2個の加熱源の作動を切り換え、これによって前記内釜の被加熱領域が変わり、前記内釜内の炊飯水の対流状態が変動することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】 前記炊飯工程は、前記内釜内の炊飯水が沸騰するまで加熱する加熱期と、前記内釜内の炊飯水が実質上沸騰状態にある第1煮込み期と、前記内釜内の炊飯水が無くなって前記内釜内の温度が急激に上昇する第2煮込み期とを含み、前記制御手段は少なくとも前記第1煮込み期において前記少なくとも2個の加熱源の作動を切り換えることを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】 前記加熱手段は独立して作動可能な2個に分割された分割ガスバーナから構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
【請求項4】 前記分割ガスバーナは半円形乃至半リング状に形成され、相互に対向して配置されて実質上連続した円形乃至リング状のガスバーナを構成することを特徴とする請求項3記載の炊飯器。
【請求項5】 前記加熱手段に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系が設けられ、前記燃料ガス供給系は、前記分割ガスバーナに燃料ガスを供給するための主供給流路と、前記分割ガスバーナにそれぞれ接続された第1及び第2分岐流路と、前記主供給流路と前記第1及び第2分岐流路とを所要の通りに連通、遮断するための流路切換弁とを備えていることを特徴とする請求項3又は4記載の炊飯器。
【請求項6】 内釜内に収容された米を炊飯する炊飯方法であって、前記内釜を加熱するための加熱手段は独立して作動可能な少なくとも2個の加熱源を有し、炊飯工程の少なくとも一部の期間において、前記少なくとも2個の加熱源の作動を切り換えて前記内釜内の炊飯水の対流状態を変動させることを特徴とする炊飯方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米を炊飯する炊飯器及び炊飯方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、炊飯器は炊飯器本体を備え、この炊飯器本体の収容空間に内釜が収容される。炊飯器本体には外蓋が開閉自在に装着され、この外蓋の内面には内蓋が着脱自在に装着されている。外蓋を閉状態にすると、内蓋は収容空間に収容され内釜の上面開口を塞ぎ、外蓋は炊飯器本体の上面開口を覆う。この炊飯器本体の底部には、加熱手段としての例えばガスバーナが配設され、ガスバーナからの燃焼火炎が内釜の底面を加熱する。
【0003】図10を参照して、このような炊飯器においては、ガスバーナ2がリング状に形成され、炊飯時にガスバーナ2からの燃焼火炎4は内釜6の底面の所定部位(具体的には、内釜6の底面の中心から所定半径離れたリング状領域)に作用し、かかる所定部位が集中的に加熱される。このため、炊飯時に内釜6内の水は、燃焼火炎4からの熱によって内釜6内において温度差対流を発生し、例えば内釜6の底部中央から僅かに離れたリング状部分で加熱された後そこから半径方向外方に上昇して流れ、次いで内釜6の中央内部へ潜り込むように対流する。従って、炊飯される米も同様に矢印8で示すように例えば内釜6の底部中央部から僅かに離れた部分から半径外方に上昇し、次いで内釜6の中央内部に潜り込むように対流するようになる。このように、内釜6が定位置加熱を受け、内釜6内における米の温度差対流も常にほぼ一定の対流軌跡を描くようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図10に示すように内釜6内で米が一定の軌跡を描くような温度差対流運動が生じると、対流の少ない領域10、例えばリング状に発生する燃焼火炎の内側中央部(中央の消火センサーの直上付近の領域)に存在する米は、対流運動が少なくて加熱不足の状態となる。その結果、内釜6内でよく炊けた部分と未だ炊けていない部分とが混在する、いわゆる炊きむら状態の炊き上がりが発生するようになり、このような炊きむら状態は、炊飯量が多くなる程起こり易くなる。
【0005】本発明の目的は、炊きむらを少なくすることができる炊飯器を提供することである。また、本発明の他の目的は、炊きむらを少なくすることができる炊飯方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、炊飯器本体と、この炊飯器本体の収容空間に収容される内釜と、前記内釜を加熱するための加熱手段と、前記加熱手段の作動を制御するための制御手段とを具備する炊飯器であって、前記加熱手段は独立して作動可能な少なくとも2個の加熱源を有し、前記制御手段は炊飯工程の少なくとも一部の期間において前記少なくとも2個の加熱源の作動を切り換え、これによって前記内釜の被加熱領域が変わり、前記内釜内の炊飯水の対流状態が変動することを特徴とする。
【0007】本発明に従えば、内釜を加熱するための加熱手段は少なくとも2個の加熱源を有し、少なくとも2個の加熱源が独立して作動可能なように構成されている。そして、炊飯工程の少なくとも一部の期間において、少なくとも2個の加熱源の作動が切り換えられ、これによって内釜の被加熱領域が変わる。その結果、内釜内の炊飯水の対流状態が変動し、この変動によって炊飯すべき米の滞りがほとんどなくなり、内釜内の炊飯すべき米をほぼ均一に加熱することができ、炊きむらの発生を少なくすることができる。尚、加熱源としてガスバーナ、電気加熱ヒータ等を用いることができる。また全体的な形態として円形状乃至リング状に連なったもの、又は複数個所に離れて配置したもの等にすることができる。
【0008】また、本発明では、前記炊飯工程は、前記内釜内の炊飯水が沸騰するまで加熱する加熱期と、前記内釜内の炊飯水が実質上沸騰状態にある第1煮込み期と、前記内釜内の炊飯水が無くなって前記内釜内の温度が急激に上昇する第2煮込み期とを含み、前記制御手段は少なくとも前記第1煮込み期において前記少なくとも2個の加熱源の作動を切り換えることを特徴とする。本発明に従えば、少なくとも2個の加熱源は少なくとも第1煮込み期においてその作動が切り換えられるので、沸騰状態で米を煮込んでいるときに対流状態の変動が起こる。従って、このときに炊飯すべき米の炊きむら発生を効果的に防止することができる。
【0009】また、本発明では、前記加熱手段は独立して作動可能な2個に分割された分割ガスバーナから構成されていることを特徴とする。本発明に従えば、加熱手段は2個に分割された分割バーナから構成され、これら分割バーナの作動が切り換えるので、比較的簡単な構成でもって対流状態を変えることができる。本発明は、前記分割ガスバーナは半円形乃至半リング状に形成され、相互に対向して配置されて実質上連続した円形乃至リング状のガスバーナを構成することを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、2個の分割ガスバーナは半円形乃至半リング状に形成され、相互に対向配置されて円形乃至リング状のガスバーナを構成するので、一方又は他方の分割ガスバーナの燃焼時には内釜の片側部又は他側部を充分に加熱し、これら分割ガスバーナの燃焼を切り換えることによって、内釜内の炊飯水の対流変動を大きくすることができる。また、ガスバーナ全体として円形乃至リング状となるので、内釜の底面を円形乃至リング状に加熱することができ、これによって加熱むらを少なくして炊きむらの発生を抑えることができる。
【0011】また、本発明では、前記加熱手段に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系が設けられ、前記燃料ガス供給系は、前記分割ガスバーナに燃料ガスを供給するための主供給流路と、前記分割ガスバーナにそれぞれ接続された第1及び第2分岐流路と、前記主供給流路と前記第1及び第2分岐流路とを所要の通りに連通、遮断するための流路切換弁とを備えていることを特徴とする。本発明に従えば、主供給流路からの燃料ガスが流路切換弁を介して第1分岐流路及び/又は第2分岐流路に供給されるので、比較的簡単な構成でもって分割ガスバーナへの燃料ガスの供給を制御することができる。また、燃料ガス供給系の構成を簡単に且つ小さくすることができ、炊飯器の小型化を図ることもできる。
【0012】更に、本発明は、内釜内に収容された米を炊飯する炊飯方法であって、炊飯工程の少なくとも一部の期間において、前記内釜にて加熱される複数の被加熱領域を切り換えて前記内釜内の炊飯水の対流状態を変動させることを特徴とする炊飯方法である。本発明に従えば、炊飯工程の少なくとも一部の期間において内釜の被加熱領域を切り換えて炊飯水の対流状態を変動させるので、炊飯すべき米の滞りがほとんどなくなり、内釜内の米をほぼ均一に加熱して炊きむらの発生を少なくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を参照して、本発明に従う炊飯器(又は本発明の炊飯方法を実施するための炊飯器)の一実施形態について説明する。図1は、本発明に従う炊飯器の一実施形態を一部切り欠いて断面で示す断面図であり、図2は、図1の炊飯器の炊飯器本体を下部と上部とに分離した状態で示す斜視図であり、図3は、図1の炊飯器の温度検知機構及びその近傍を示す部分断面図であり、図4は、図1の炊飯器の燃料ガス供給系及び電気制御系を簡略的に示す簡略図であり、図5は、図4の燃料ガス供給系における流路切換弁を示す断面図であり、図6は、炊飯時間と内釜底面の温度との関係の一例を示す図であり、図7は、加熱手段の燃焼状態とそのときの炊飯水の対流状態とを簡略的に示す図であり、図8は、図1の炊飯器による炊飯動作の流れを示すフローチャートであり、図9は、図8のフローチャートの一部のステップの内容を具体的に示すフローチャートである。
【0014】図1及び図2を参照して、図示の炊飯器は炊飯器本体20を備え、この炊飯器本体20は、例えばテーブル(図示せず)等に載置される下部本体22と、この下部本体22に取り付けられる上部本体24とから構成され、上部本体24は下部本体22の上端部に着脱自在に取り付けられる。下部本体22には、加熱手段26としてのガスバーナ28と、このガスバーナ28に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系30とが配設されている。下部本体22の上面は上プレート32によって覆われ、燃料ガス供給系30は上プレート32の下方に配置され、ガスバーナ28の一部(後述するバーナ炎口)は上プレート32の上方に位置している。また、上部本体24内には内筒部材34によって収容空間36が形成され、この収容空間36に炊飯すべき米及び水が入った内釜38が収容される。上部本体24の収容空間36の上端部には半径方向内方に突出する環状支持部40が設けられ、また内釜38の上端部には半径方向外方に突出する支持フランジ42が設けられ、この支持フランジ42を上部本体24の環状支持部40に載置することによって、内釜38が上部本体24の収容空間36に着脱自在に収容される。
【0015】上部本体24の上端部には、その上面を覆うように外蓋44が支持軸46を中心として開閉自在に装着されている。外蓋44の内面には取付部材48が取り付けられ、この取付部材48に内蓋50が着脱自在に装着されている。かく構成されているので、外蓋44を図1に示す閉状態にロックすると、この外蓋44は上部本体24の収容空間36の上面を覆い、それに装着された内蓋50は内釜38の上面開口を覆う。炊飯するとき、また炊飯したご飯を保存するとき、外蓋44はこの閉状態に保持される。また、外蓋44を支持軸46を中心として図1において時計方向に回動して開状態にすると、内釜38の上面開口及びその上方が開放され、内釜38内のご飯をよそうことができる。
【0016】この実施形態では、下部本体22の上端部には接続手段52が設けられ、また上部本体24の下端部には、上記接続手段52に対応して接続手段(図示せず)が設けられ、これら接続手段52を着脱自在にロックすることによって上部本体24が下部本体22に装着される。この装着状態では、上部本体24に設けられた電気制御系54と下部本体22に設けられた燃料ガス供給系30の電気系部品(例えば、後述する元電磁開閉弁、第1及び第2電磁開閉弁、電磁比例弁、流路切換弁等)とが電気的に接続される。電気制御系54は、上部本体24の前面上部に配設された操作パネル56を含み、この操作パネル56には各種操作スイッチ(後述する)及びディスプレイパネル58が設けられている。この操作パネル56からの操作信号が入力される制御手段60も上部本体24に設けられ、この制御手段60からの制御信号によって燃料ガス供給系30の電気系部品が後述する如く作動制御される。尚、制御手段60は、例えばマイクロコンピュータから構成される。
【0017】次に、主として図1とともに図4を参照して、この実施形態におけるガスバーナ28及びこのガスバーナ28に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給系30について説明する。図示のガスバーナ28は、独立して作動可能な2個の分割ガスバーナ62,64(それぞれが加熱源を構成する)から構成されている。この形態では、分割ガスバーナ62,64は半円形乃至半リング状であり、相互に対向配置して組み合わされて円形乃至リング状のガスバーナを構成する。各分割ガスバーナ62,64は分割バーナ炎口66,68を備えており、分割バーナ炎口66,68は略半リング状であり、両者が組み合わさってリング状のバーナ炎口を構成する。分割バーナ炎口66,68に関連して種火用バーナ70が設けられ、この種火用バーナ70からの火炎によって分割バーナ炎口66,68をそれぞれ単独で、又は双方を同時に点火燃焼させることができる。
【0018】図示の燃料ガス供給系30は、分割ガスバーナ62,64に燃料ガスを供給するための主供給流路72と、種火用バーナ70に燃料ガスを供給するための種火用供給流路74と、これら主供給流路72及び種火用供給流路74を燃料供給源(図示せず)に接続するための燃料ガス供給流路76とを備え、燃料ガス供給流路76が、燃料ガスとして例えば都市ガスを用いる場合には地中埋設管に、また燃料ガスとして例えばLPガスを用いる場合にはガスボンベ(図示せず)に接続され、かかる燃料ガス供給源からの燃料ガスが燃料ガス供給流路76に供給される。
【0019】燃料ガス供給流路76には元電磁開閉弁78が配設され、この元電磁開閉弁78は燃料ガス供給流路76を開閉する。また、主供給流路72には第1電磁開閉弁80及び電磁比例弁82が配設されている。第1電磁開閉弁80は主供給流路72を開閉し、電磁比例弁82は主供給流路72を流れる燃料ガスの流量を制御する。種火用供給流路74には第2電磁開閉弁84が配設され、第2電磁開閉弁84は種火用供給流路74を開閉する。
【0020】図5をも参照して、主供給流路72は流路切換弁86の流入側部88に接続されている。また、一方の分割ガスバーナ62には第1分岐流路90が接続され、この第1分岐流路90の上流側が流路切換弁86の一方の出力側部92に接続されている。更に、他方の分割ガスバーナ64には第2分岐流路94が接続され、この第2分岐流路94の上流側部が流路切換弁86の他方の出力側部96に接続されている。流路切換弁86は弁ハウジング98を有し、入力側部88はこの弁ハウジング98の片側に設けられ、出力側部92,96は弁ハウジングの他側に設けられている。弁ハウジング98内には弁体100が図5において上下方向に移動可能に配設されている。図示の弁体100は軸部102を有し、この軸部102の両端部に弁部104,106が設けられている。弁体100が図5に実線で示す中立位置にあるとき、弁部104,106は流出側部92,96の流出口の両側に位置して流出側部92,96が開放され、主供給流路72からの燃料ガスは流路切換弁86の流出側部92,96を通して第1及び第2分岐流路90,94に送給される。この中立位置から弁体100が図5において上側(又は下側)に図5に二点鎖線で示す(又は図示しない)第1作動位置(又は第2作動位置)に移動すると、弁体100の弁部106(又は104)が流出側部96(又は92)を塞ぎ、主供給流路72からの燃料ガスは流路切換弁86の流出側部92(又は96)を通して第1分岐流路90(又は第2分岐流路94)に送給され、燃料ガスは分割ガスバーナ64(又は62)に送給されることはない。尚、この弁体100は制御手段60からの作動信号によって中立位置、第1作動位置及び第2作動位置のいずれかに選択的に位置付けられる。
【0021】この実施形態では、図2〜図4に示すように、温度センサ112が設けられている。ガスバーナ28の中央部には昇降軸114が配設され、この昇降軸114が上下方向に昇降動自在に下部本体22に支持され、かく支持された昇降軸114の先端部に温度センサ112が取り付けられている。この昇降軸114を被嵌してコイルばね116が配設され、このコイルばね116によって昇降軸114が上方に弾性的に偏倚されている。このように構成されているので、下部本体22に上部本体24を着脱自在に装着すると、図1に示すように、上部本体24に収容された内釜38は下部本体22のガスバーナ28の上方に、即ち分割ガスバーナ62,64の分割バーナ炎口66,68の上方に位置する。また、内釜38の底部は温度センサ112に作用してコイルばね116の弾性偏倚力に抗して昇降軸114を下方に移動し、温度センサ112は内釜38の底面中央部に弾性的に圧接される。
【0022】この実施形態では、内釜38に関連して、更に、内釜38並びにそれに収容された米及び炊飯水の重量を検知するための重量センサ118(図4)が設けられる。この重量センサ118からの重量検出信号及び温度センサ112からの温度検出信号は制御手段60に送給される。主として図4を参照して、図示の制御パネル56のディスプレイパネル58は、月日、炊飯開始予約時間、炊き上がり時間等を表示する。この制御パネル58には、更に、電源スイッチ120、炊飯スイッチ122、保温スイッチ124、取消スイッチ126及び時間設定スイッチ128等が設けられている。電源スイッチ120は炊飯器への電気の供給、供給停止を行うためのスイッチであり、炊飯スイッチ122は炊飯器による炊飯を開始するためのスイッチであり、保温スイッチ124は炊飯したご飯を保温するためのスイッチであり、取消スイッチ126は操作設定した内容を取り消すためのスイッチであり、また時間設定スイッチ128は炊飯開始時間等を設定するためのスイッチである。これら各種スイッチ120〜128による入力信号は制御手段60に送給される。
【0023】炊飯時の炊飯時間と内釜38の底部の温度(温度センサ112の検出温度)との関係は、例えば図6に示すように変化する。当業者に明らかなように、炊飯作業は着火時(ガスバーナ28の燃焼開始時)から順次温度が上昇することにより開始される。そして、内釜38内の炊飯水が沸騰状態になる(実質上100℃に上昇する)までが加熱期(S1)であり、例えば10〜13分程度である。その後、この沸騰状態が維持され(温度センサ112は内釜38の底部の温度を検知するので、その検出温度は100℃より幾分高くなる)、この沸騰状態にて米が炊き込まれ、内釜38内の炊飯水が実質上無くなるまでこの状態が続く。この沸騰状態の期間が第1煮込み期(S2)であり、例えば4〜6分程度である。内釜38内の炊飯水が実質上無くなると、内釜38の底部の温度が急激に上昇し、このように急激に例えば約160℃まで上昇すると、ガスバーナ28による加熱が終了する。沸騰状態が終了して内釜38の温度が急激に上昇する期間が第2煮込み期(S3)であり、例えば30〜60秒程度である。これら加熱期(S1)、第1煮込み期(S2)及び第2煮込み期(S3)が炊飯工程に含まれる。
【0024】炊飯工程に続いてむらし工程(T)が行われる。むらし工程では、ガスバーナ28による加熱が実質上終了し、外蓋44を閉状態に保持したまま炊きあがったご飯がそのままの状態に保持され、内釜38の底部の温度が徐々に低下しつつその状態が保持される。この期間がむらし期であり、このむらし期がむらし工程(T)に対応し、例えば15〜20分程度である。炊飯工程の開始からむらし工程(T)が終了するまでの間が、炊飯作業が行われる期間であり、このむらし工程(T)が終了することによって炊飯作業が終了する。
【0025】この実施形態では、後述するように、加熱期(S1)においては分割ガスバーナ62,64の分割バーナ炎口66,68が同時に燃焼され、第1煮込み期(S2)においては分割ガスバーナ62,64の分割バーナ炎口66,68が選択的に切り換え燃焼され、第2煮込み期(S3)においては分割ガスバーナ62,64の分割バーナ炎口66,68が再び同時に燃焼され、その後のむらし工程(T)では分割ガスバーナ62,64の分割バーナ炎口66,68が消火する。尚、種火用バーナ70の燃焼は加熱期(S1)からむらし工程(T)が終了するまで行われ、むらし工程(T)が終了すると消火する。
【0026】次に、図4及び図6とともに、図7〜図9を参照して、図示の炊飯器による炊飯動作、換言すると本発明の炊飯方法について説明する。尚、この炊飯動作は、制御手段60からの作動信号、制御信号によって行われる。炊飯を行うには、まず、制御パネル56の電源スイッチ120を閉(ON)にし(ステップS−1)、次いで炊飯スイッチ128を閉(ON)にする(ステップS−2)。かくすると、ステップS−3に進み、元電磁開閉弁78が開状態になり、次いで第2電磁開閉弁84が開状態になり(ステップS−4)、燃料ガス供給流路76からの燃料ガスが種火用供給流路74を通して種火用バーナ70に供給される。次いで、図示していない点火手段(圧電素子等から構成される)によるスパークが発生し(ステップS−5)、種火用バーナ70からの燃料ガスが点火して燃焼する(ステップS−6)。
【0027】次に、第1電磁開閉弁80が開状態になり(ステップS−7)、流路切換弁86が中立位置に保持される(ステップS−8)。かくすると、燃料ガス供給流路76からの燃料ガスが主供給流路72並びに第1及び第2分岐流路90,94を通して分割ガスバーナ62,64に送給され、種火用バーナ70からの種火用燃焼が分割ガスバーナ62,64からの燃料ガスに移って燃焼し(ステップS−9)、炊飯工程の加熱期(S1)が開始する。この加熱期(S1)においては、分割ガスバーナ62,64の双方が燃焼するので、ガスバーナ28からの燃焼火炎は図7(a)で示すように、内釜38の底面の中央部近傍をリング状に作用してその底面のほぼ全域を加熱し、内釜38内の加熱された炊飯水及び米は、図7(a)に矢印で示すように、主として内釜38の底部から半径方向外方に上昇した後その中央底部に潜り込むように対流する。尚、この加熱期(S1)では、分割ガスバーナ62,64が燃焼するので、ガスバーナ28の燃焼火力は強く、内釜38内の炊飯水は沸騰状態になるまで除々に上昇する。
【0028】このようにして内釜38内の炊飯水が沸騰状態になる(例えば温度センサ112の検出温度が例えば102℃に達する)と、加熱期(S1)が終了し、第1煮込み期(S2)が開始する。かくすると、ステップS−10からステップS−11に進み、流路切換弁86が切換制御され、分割ガスバーナ62,64が選択的に作動される。図9を参照して、このステップS−11における加熱について詳述すると、まずステップS11−1において流路切換弁86の弁体110が中立位置(図5に実線で示す位置)から第1作動位置(図5に二点鎖線で示す位置)に切り換えられる。かく第1作動位置に移動すると、弁体100の弁部106が流出側部96を閉塞し、主供給流路72と第2分岐流路94との連通が遮断され、一方の分割ガスバーナ62が燃焼を継続し、他方の分割ガスバーナ64が消火する。このとき、ガスバーナ28は図7(b)で示すように燃焼し、内釜38の底部はその中心部から一方に、この形態では図7において左側にずれた領域において半円弧状に加熱される。そのため、内釜38内の炊飯水及び米は、図7(b)に示すように、内釜38の一方にずれた状態で温度差対流を発生し、内釜38内の右部では比較的大きな対流の渦が生じるのに対し、その左部では比較的小さい対流の渦が生じる。このような対流状態は、所定時間、例えば30秒間程度継続して行われ、所定時間経過すると、ステップS11−3からステップS11−4に進む。
【0029】ステップS11−4では、流路切換弁86の弁体110が上記第1作動位置から第2作動位置(図5に実線で示す中立位置から下方に移動した位置)に切り換えられる。かく第2作動位置に移動すると、弁体100の弁部104が流出側部92を閉塞し、上述したとは反対に、主供給流路72と第1分岐流路90との連通が遮断され、他方の分割ガスバーナ64の燃焼が開始される一方、燃焼いていた一方の分割ガスバーナ62が消火する。このとき、ガスバーナ28は図7(c)で示すように燃焼し、内釜38の底部はその中心部から他方に、この形態では図7において右側にずれた領域において半円弧状に加熱される。そのため、内釜38内の炊飯水は、図7(c)に示すように、内釜38の他方にずれた状態で温度差対流を発生し、内釜38内の左部では比較的大きな対流の渦が生じるのに対し、その右部では比較的小さい対流の渦が生じる。このような対流状態は、所定時間、例えば30秒間程度継続して行われ、所定時間経過すると、ステップS11−6からステップS11−1に戻る。そして、このような燃焼状態が第1煮込み期(S2)が終了するまで繰り返し遂行される。
【0030】このように、第1煮込み期(S2)においては分割ガスバーナ62,64が交互に燃焼して内釜38の底部の被加熱領域を変えて加熱するので、内釜38内の炊飯水は対流状態が変動して不規則な対流運動を形成する。それ故に、炊飯すべき米の溜まりの発生を防止し、炊きむらを解消することができる。特に、この第1煮込み期(S2)では、内釜38内の炊飯水は沸騰状態にあり、この沸騰状態にある炊飯水の対流を不規則にすることによって炊きむらの発生を防止することができる。
【0031】尚、この実施形態では、第1煮込み期(S2)においては、分割ガスバーナ62,64を選択的に燃焼している、即ち一方の分割ガスバーナ62を燃焼させる状態と、他方の分割ガスバーナ64を燃焼させる状態とのいずれかを選択しているが、このような燃焼状態の制御に代えて、一方の分割ガスバーナ62を燃焼させる状態と、他方の分割ガスバーナ64を燃焼させる状態と、双方の分割ガスバーナ62,64を同時に燃焼させる状態とのいずれかを選択するように燃焼状態を切り換えるようにしてもよい。
【0032】また、第1煮込み期(S2)における分割ガスバーナ62,64の燃焼の切り換え、即ち流路切換弁86の切り換えのタイミングを、重量センサ118からの重量検出信号に基づいて調整するようにしてもよい。即ち、炊飯量が多くなると加熱時間も長くなるので、このことに関連して炊飯量が多くなるに伴ってステップS11−3及びステップS11−6の所定時間を長くするようにしてもよい。例えば、内釜38にて炊飯する炊飯量が少ないときには、上述した実施形態のように、上記の所定時間を例えば30秒に設定し、この炊飯量が多いときには上記所定時間を例えば60秒に設定するように構成してもよい。尚、この所定時間の設定を、重量センサ118からの重量検出信号に基づいて直線状に又はステップ状に調整するようにしてもよく、或いは2段階又は3段階に調整するようにしてもよい。上述した加熱状態において内釜38内の炊飯水が実質上無くなる(温度センサ112の検出温度が約102℃から急激に上昇し始める)と、第1煮込み期(S2)が終了して、第2煮込み期(S3)が開始する。かくすると、ステップSー12からステップS−13に進み、流路切換弁86が再び上記中立位置に保持される。かくすると、上述したと同様に、分割ガスバーナ62,64が再度一緒に燃焼し、リング状の燃焼火炎による加熱が開始する。そして、内釜38底部の温度が所定の温度、例えば約160°Cに達する(温度センサ112がこの温度を検出する)と、第2煮込み期(S3)が終了し、ステップS−14からステップS−15に進み、第1電磁開閉弁80が閉状態になり、分割ガスバーナ62,64による燃焼加熱が終了し、炊飯工程が終了する。このとき、第2電磁開閉弁84は開状態に維持されているので、種火用バーナ70は点火燃焼し続けており、これによりむらし工程が実行される。
【0033】むらし工程が開始して内釜38の底部の温度が徐々に下がり、所定時間経過後にむらし工程が終了し、ステップS−16からステップS−17に進む。ステップS−17では、第2電磁開閉弁84が閉状態となり、種火用バーナ70への燃料ガスの供給が停止し、種火用バーナ70が消火する。次いで、ステップS−18にて元電磁開閉弁78が閉状態となり、燃料ガス供給流路76を通しての燃料ガスの供給が終了し、かくして炊飯器による炊飯作業が完全に終了し、このようにして内釜38内の米が所要の通りにして炊飯される。
【0034】以上、本発明に従う炊飯器の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。例えば、図示の実施形態では、ガスバーナ28を約180度(周方向角度)づつの2個の分割ガスバーナ62,64から構成しているが、これに限定されることなく、例えば約120度づつの3個の分割ガスバーナ、或いは例えば約90度づつの4個の分割ガスバーナ等から構成するようにしてもよい。また、上述のように構成することに代えて、複数個の加熱源を直径の異なる複数個のリング状の同心ガスバーナから構成し、これら同心ガスバーナを同心状に複数個設けて加熱手段を構成するようにしてもよく、このように構成した場合にも、複数個の同心ガスバーナの作動を切り換えることによって、内釜38内の炊飯水の対流状態を変動させることができる。
【0035】また、図示の実施形態では、加熱手段をガスバーナ28から構成したが、ガスバーナ28に代えて電気加熱ヒータから構成するようにしてもい。この場合、電気加熱ヒータを例えば約180度(周方向角度)づつの2個の分割加熱ヒータ(加熱源を構成する)、例えば約120度づつの3個の分割加熱ヒータ、又は例えば約90度づつの4個の分割加熱ヒータから構成するようにしてもよい。また、このような構成に代えて、複数個の加熱源を直径の異なる複数個のリング状の同心加熱ヒータから構成し、これら同心状加熱ヒータを同心状に複数個設けて加熱手段を構成するようにしてもよい。
【0036】更に、図示の実施形態では、炊飯工程の第1煮込み期(S2)にて加熱手段26(この形態ではガスバーナ28)の加熱源(この形態では分割ガスバーナ62,64)の作動を切り換えているが、これに限定されず、例えば炊飯工程の全期間にわたって、或いは加熱期(S1)から第1煮込み期(S2)にわたって又は第1煮込み期(S1)から第2煮込み期(S3)にわたって上記加熱源の作動を切り換えるようにしてもよく、また加熱期(S1)又は第2煮込み期(S3)において加熱源の作動を切り換えるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1の炊飯器によれば、炊飯工程の少なくとも一部の期間において、少なくとも2個の加熱源の作動が切り換えられるので、加熱源が加熱する内釜の被加熱領域が変わる。この結果、内釜内の炊飯水の対流状態が変動し、この変動によって炊飯すべき米の滞りがほとんどなくなり、内釜内の炊飯すべき米をほぼ均一に加熱することができ、炊きむらの発生を少なくすることができる。
【0038】また、本発明の請求項2の炊飯器によれば、少なくとも2個の加熱源は少なくとも第1煮込み期においてその作動が切り換えられるので、沸騰状態で米を煮込んでいるときに対流状態の変動が起こり、このときに炊飯すべき米をほぼ均一に加熱して炊きむらの発生を防止することができる。また、本発明の請求項3の炊飯器によれば、比較的簡単な構成でもって内釜内の炊飯水の対流状態を変えることができる。また、本発明の請求項4の炊飯器によれば、内釜内の炊飯水の対流変動を大きくして炊飯すべき米を均一に加熱することができる。また、ガスバーナ全体として円形乃至リング状となるので、加熱むらをなくすことができる。
【0039】また、本発明の請求項5の炊飯器によれば、主供給流路からの燃料ガスが流路切換弁を介して第1分岐流路及び/又は第2分岐流路に供給されるので、比較的簡単な構成でもって分割バーナへの燃料ガスの供給を制御することができる。更に、本発明の請求項6の炊飯方法によれば、内釜の被加熱領域を切り換えて炊飯水の対流を変動させているので炊飯すべき米の滞りをなくしてほぼ均一に加熱することができる。




 

 


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