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発明の名称 米飯の保温方法および炊飯器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−61646(P2001−61646A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−241537
出願日 平成11年8月27日(1999.8.27)
代理人 【識別番号】100076912
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 好博 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4B054
4B055
【Fターム(参考)】
4B054 AA02 AA16 AA23 AB01 AB11 AB15 BA09 BA12 BA18 BB12 BC01 BC15 CH02 CH04 CH12 CH14 
4B055 AA02 AA04 BA23 BA51 BA62 CA01 CA71 CC18 CD53 CD54 DB02 DB08 DB21 DB22 GA13 GB05 GB12 GC05 GC06 GD02 GD04 GD05
発明者 阿部 真千子 / 大宅 崇史 / 小室 篤史 / 河内 孝博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炊飯時に炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、保温時に前記炊飯釜を加熱する保温加熱器とを具備し、米飯の炊飯終了後、前記保温加熱器によって米飯を約70℃に保温する一方、前記保温加熱器による保温が開始されるまでに長時間保温スイッチを入れると、前記炊飯加熱器を、前記保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に一時的に作動させ、米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で再加熱する米飯の保温方法において、前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記保温加熱器による保温を開始してから前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記炊飯加熱器による再加熱を行い、前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記再加熱を行うことを特徴とする米飯の保温方法。
【請求項2】 請求項1に記載の米飯の保温方法において、前記再加熱時刻は、保温を開始してから6〜8時間後であることを特徴とする米飯の保温方法。
【請求項3】 請求項1または2に記載の米飯の保温方法において、前記再加熱をしてから約4時間毎に2回、前記炊飯加熱器による再加熱を行うことを特徴とする米飯の保温方法。
【請求項4】 炊飯時に炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、保温時に前記炊飯釜を加熱する保温加熱器とを具備する炊飯器において、前記保温加熱器を、炊飯終了後の米飯を約70℃に保温するように作動制御する保温加熱器制御部と、前記炊飯加熱器を、前記保温加熱器による保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に一時的に作動させ、米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で再加熱するように作動制御する炊飯加熱器制御部と、前記炊飯加熱器による前記再加熱動作を行わせるための長時間保温スイッチと、炊飯終了時刻を記憶させる記憶部と、前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記記憶部における炊飯終了時刻から起算して前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記炊飯加熱器に再加熱動作を行わせ、前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記再加熱動作を行わせる保温制御部とを備えたことを特徴とする炊飯器。
【請求項5】 請求項4に記載の炊飯器において、前記再加熱時刻は、保温を開始してから6〜8時間後であることを特徴とする炊飯器。
【請求項6】 請求項4または5に記載の炊飯器において、前記保温制御部は、前記再加熱をしてから約4時間毎に2回、前記炊飯加熱器による再加熱動作を行わせることを特徴とする炊飯器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米飯の保温方法および炊飯器の技術分野に属し、例えば、通常の保温が開始された後に長時間保温機能がセットされた場合でも18時間、24時間等の長時間にわたり米飯中の好熱性バチルス菌の増殖を抑制し黄変や異臭等の発生を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の炊飯器は、炊飯時に炊飯釜を加熱する加熱器とは別に、炊き上がった米飯を炊飯釜内で一定の温度に保温して長時間にわたり温かい米飯を提供できるように電気ヒータやハロゲンランプ等による保温加熱器を備える。そして、近年、ライフスタイルの多様性から、このような炊飯器として、いつでも美味しい米飯が食べられるように18時間、さらには24時間の長時間保温機能が求められるようになってきた。これまでの知見から、美味しく感じる米飯の最適温度は、炊き上がり直後の90℃以上であるが、保温温度が高ければ高い程、米飯の乾燥が顕著に認められるため、通常は保温温度を70℃程度まで下げている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記保温加熱器によって米飯の保温温度を70℃程度に保っていると、米に混入している好熱菌(好熱性バチルス菌)が増殖し、保温開始から14〜15時間後には前記好熱性バチルス菌の増殖によって米飯から異臭を放ってくる。この好熱性バチルス菌は、炊飯温度の約100℃では死滅せず、炊飯器の保温温度である60℃〜70℃で増殖する。また、この好熱性バチルス菌は、胞子型と栄養型とが存在し、80℃以上にすると栄養型の形態にある好熱性バチルス菌は減少するが、胞子型として生き残る。そのため、保温温度が60〜70℃になると、この胞子が再び発芽し栄養型となって増殖する。しかも、この好熱性バチルス菌は、増殖するにつれて生菌数の約10%という高い割合で胞子型を順次形成する。また、栄養型の好熱性バチルス菌が米飯中で増殖し、その生菌数が約107個/g以上となると異臭を放ってくる。そのため、炊飯終了後18時間、さらには24時間の長時間にわたり米飯を保温するには前記好熱性バチルス菌の増殖を抑制するような温度管理が必要であった。
【0004】特開平9−276134号公報においては、米飯の保温を開始してから約5時間後に炊飯器の加熱器を作動させ、炊飯釜内の米飯を80℃以上に再加熱することにより、栄養型にある好熱性バチルス菌の増殖を抑制させる保温方法が提案された。これは、米に混入していた前記好熱性バチルス菌が、炊飯直後に約70℃で保温を開始した場合に約5時間経過後から増殖が始まることに対応したものである。また、同公報には、米飯の保温を開始してから約5時間毎に炊飯器の加熱器を作動させる保温方法も提案されている。このように保温米飯中の好熱性バチルス菌が増殖し始める時点で再加熱することにより、米飯の長時間保温において好熱性バチルス菌の増殖が抑制されて米飯からの異臭や黄変を防止させることができた。
【0005】しかしながら、前記公報に記載のものにおいて、保温を開始してから5時間後に1回だけ加熱器を作動させるものでは、18時間の長時間保温を考えると、再加熱による米飯の乾燥は防止できるが、保温を開始してから18時間目くらいでは前記好熱性バチルス菌の増殖による異臭や黄変を十分に防止できなかった。
【0006】また、保温を開始してから5時間毎に加熱器を作動させるものでは、24時間保温を考えた場合に加熱器によって5時間目、10時間目、15時間目および20時間目の4回再加熱されるから、炊飯釜内の米飯の乾燥が進み、特に炊飯釜内の底部では米飯の乾燥が顕著でぱりぱりに堅くなることもあった。また、省エネを考えると前記加熱器による加熱回数は少ない程良いが、このものでは24時間保温を実現するためには再加熱を4回以下にすることはできない。
【0007】一方、前記のような長時間保温機能は、一般に、炊飯開始前に長時間保温スイッチを入れることによりセットされるが、遅くとも保温を開始するまでにセットされてあれば、この長時間保温機能が働く保温動作と同時にタイマーを作動させ、このタイマーにより時間を計測して保温開始時点から所定時間経過した後に加熱器が作動されるものである。
【0008】しかしながら、炊飯を完了して保温が開始された後に、前記長時間保温スイッチが入れられる場合がある。例えば、食事した後に多くの米飯が残ってしまったり、炊飯したもののしばらくの間は食べないという状況になった場合に、保温を開始した後に前記長時間保温スイッチが入れられることがある。このような場合は、長時間保温スイッチが入れられた時点で長時間保温機能が働き出すから、この長時間保温スイッチが入った時点からタイマーが駆動されて所定時間経過した後に前記加熱器を作動させることとなる。そのため、保温を開始してからの前記所定時間をかなりオーバーした時刻で加熱器が作動することとなるから、すでに米飯中の好熱性バチルス菌の増殖が進行し、最悪の場合、18時間目、24時間目の時点で異臭を放つ程に増殖していることがある。
【0009】本発明は、『炊飯時に炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、保温時に前記炊飯釜を加熱する保温加熱器とを具備』するものにおいて、保温が開始された後に長時間保温機能がセットされた場合であっても、長時間にわたり美味しい米飯が食べられるように保温することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために講じた技術的手段は、次のようである。
【0011】米飯の保温方法として、『米飯の炊飯終了後、前記保温加熱器によって米飯を約70℃に保温する一方、前記保温加熱器による保温が開始されるまでに長時間保温スイッチを入れると、前記炊飯加熱器を、前記保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に一時的に作動させ、米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で再加熱する米飯の保温方法において、前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記保温加熱器による保温を開始してから前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記炊飯加熱器による再加熱を行い、前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記再加熱を行うことを特徴とする。』ここで、前記長時間保温スイッチによる長時間保温は、炊飯終了後、18時間〜24時間にわたり米飯を保温することをいう。
【0012】前記技術的手段は、次のように作用する。
【0013】前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記保温加熱器による保温を開始してから前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記炊飯加熱器による再加熱を行う。これにより、前記再加熱は、前記長時間保温スイッチを入れてからの所定時間後に行われることなく、保温加熱器による保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に行われるから、米飯中の好熱性バチルス菌の増殖が最も盛んになる時間帯にあわせて再加熱することができる。
【0014】また、前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記保温加熱器による保温を開始してから前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記炊飯加熱器による再加熱を行う。これにより、前記再加熱は、米飯中の好熱性バチルス菌の増殖が最も盛んになる時間帯から大幅に遅れることなく前記時間帯に近い時刻で再加熱することができる。
【0015】このように、前記長時間保温スイッチを入れた時間に関係なく、米飯中における好熱性バチルス菌の胞子の発芽が盛んになる時間帯、あるいは、この時間帯に近い時刻で再加熱するから、当該好熱性バチルス菌に対する増殖抑制効果が大きい。
【0016】また、前記炊飯加熱器の再加熱時における加熱温度と加熱時間との関係は、炊飯釜内の米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で1秒〜5分間とする。これは、胞子型にある好熱性バチルス菌は、炊飯温度の100℃、約20分の加熱でもその数を維持しているが、異臭や黄変の原因となる栄養型の好熱性バチルス菌は、その加熱温度が80℃以上になると数が減少するから、米飯中から異臭や黄変をもたらす好熱性バチルス菌の増殖を確実に抑制することができる。また、米飯の加熱温度の上限を110℃以下とするから、米飯の乾燥を抑制でき、特に炊飯釜内底部の米飯がぱりぱりに乾燥し堅くなってしまうようなこともない。さらに、加熱時間を1秒〜5分間とするのは、1秒間の加熱でも前記栄養型の好熱性バチルス菌を減少させることができる一方、5分間以内の加熱であれば米飯の乾燥を進めることもない。そして、炊飯加熱器の作動を停止するとほぼ1時間半以内に保温温度の約70℃まで低下する(図4参照)。このことから、米飯が乾燥する程の余分な熱が加わらずに好熱性バチルス菌へのダメージに必要な加熱ができる。
【0017】そして、炊飯器として、『前記保温加熱器を、炊飯終了後の米飯を約70℃に保温するように作動制御する保温加熱器制御部と、前記炊飯加熱器を、前記保温加熱器による保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に一時的に作動させ、米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で再加熱するように作動制御する炊飯加熱器制御部と、前記炊飯加熱器による前記再加熱動作を行わせるための長時間保温スイッチと、炊飯終了時刻を記憶させる記憶部と、前記長時間保温スイッチを入れた時間が前記記憶部における炊飯終了時刻から起算して前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記炊飯加熱器に再加熱動作を行わせ、前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記再加熱動作を行わせる保温制御部とを備えた』ものでは、米飯の保温時に前記保温制御部によって炊飯加熱器を作動制御することにより、前記保温方法と同様の作用を奏する。
【0018】前記技術的手段において、『前記再加熱時刻は、保温を開始してから6〜8時間後である』ものでは、米飯の保温を開始してから6〜8時間後、あるいは、この時間後の長時間保温スイッチを入れた時点に炊飯加熱器が作動する。前記6〜8時間後とするのは、米飯の保温時に黄変や異臭を発生させる原因菌の好熱性バチルス菌が、米飯の保温に適した70℃くらいで発芽、増殖し、この好熱性バチルス菌の増殖が最も盛んになる6〜8時間(図5参照)の時間帯にあわせたものである。
【0019】また、前記6〜8時間後に長時間保温スイッチを入れた場合は直ちに炊飯加熱器による再加熱動作が行われるから、再加熱が前記時間帯より大きく遅れることはない。よって、この場合、18時間保温を考えると、好熱性バチルス菌の増殖が始まる5時間後に加熱器を作動させる従来(特開平9−276134号公報)のものと比べて、好熱性バチルス菌の胞子の発芽が盛んになる時間帯で再加熱するから、当該好熱性バチルス菌に対する増殖抑制効果が大きい。
【0020】そして、前記炊飯器において、『前記再加熱時刻は、保温を開始してから6〜8時間後である』ものでも、この保温方法と同様の作用を奏する。
【0021】前記技術的手段において、『前記再加熱をしてから約4時間毎に2回、前記炊飯加熱器による再加熱を行う』ものでは、1回の再加熱でも生存している胞子型の好熱性バチルス菌がその後次々と発芽、増殖する時間帯にあわせてさらに4時間毎に再加熱するから、24時間にわたり栄養型にある好熱性バチルス菌の生菌数を効果的に減少させることができる(図5参照)。そして、最後の再加熱である3回目の加熱時点から24時間目までは前記4時間以上の時間間隔があるが、前記3回の再加熱によって米飯中における全好熱性バチルス菌の個数が減少するから、24時間目の時点においても好熱性バチルス菌が異臭等を放つ程の個数に増殖することはない。
【0022】また、次の再加熱は、1回目の再加熱から約4時間毎に2回行うだけであり、炊飯加熱器による再加熱が3回で済む。このように次の再加熱は約4時間毎に2回再加熱するから、24時間保温に際しては炊飯加熱器による再加熱が3回で済むため、従来方法(特開平9−276134号公報)の5時間毎に4回再加熱するものと比べ、再加熱1回分の省エネとなると共に、米飯の乾燥も抑えられる。
【0023】なお、前記2回目、3回目の再加熱は、前回の再加熱の開始時から終了時のいずれかの時点から約4時間毎に行えば良い。
【0024】そして、前記炊飯器において、『前記保温制御部は、前記再加熱をしてから約4時間毎に2回、前記炊飯加熱器による再加熱動作を行わせる』ものでも、前記保温方法と同様の作用を奏する。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、保温が開始された後に長時間保温機能がセットされた場合でも、米飯の保温中に好熱性バチルス菌の発芽、増殖が最も盛んになる時点で炊飯加熱器を動作させるから、前記長時間保温スイッチを入れた時間に関係なく、米飯中の好熱性バチルス菌の増殖を効果的に抑制することができ、その結果、炊飯終了後長時間にわたり美味しい米飯が食べられるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1によるガス炊飯器の構成を示す断面図である。図1に示すように、実施の形態1によるガス炊飯器1は、米等を収容して加熱調理する炊飯釜2と、この炊飯釜2を収容する外容器3と、前記外容器3に開閉可能に取付けられた蓋体4と、前記炊飯釜2の底部下方に設けられる炊飯加熱器としてのガス加熱器5と、このガス加熱器5を構成するガスバーナ6を囲むようにして設けられる電気ヒータ7と、炊飯釜2の底面に接触するように設けられた温度センサ8とを備える。また、前記ガスバーナ6の近傍には、点火装置9が配置されており、上部には炊飯を実行させる炊飯スイッチ16と、炊飯終了後に長時間の保温を実行させる長時間保温スイッチ17とが配置されている。
【0027】前記ガス加熱器5及び電気ヒータ7は、マイクロコンピュータを備える制御装置10によって作動が制御される。この制御装置10は、炊飯制御部11と、保温加熱器制御部12と、ガス加熱器制御部13と、炊飯終了時刻を記憶するメモリ14と、保温制御部15とを備える。
【0028】前記炊飯制御部11によって、設定された炊飯パターンに従って前記ガス加熱器5の作動を制御して、点火時期、消火時期、火力等をコントロールしながら炊飯動作を行う。
【0029】前記保温加熱器制御部12によって、炊飯動作終了後、前記電気ヒータ7を作動制御して、炊飯釜2内を一定温度に保温制御する。本実施の形態1においては、保温温度を約70℃に設定している。
【0030】前記ガス加熱器制御部13によって、前記ガス加熱器5を、前記電気ヒータ7による保温を開始してから所定時間後の再加熱時刻に一時的に作動させ、米飯を80℃〜110℃の温度範囲内で再加熱するように作動制御する。本実施の形態1においては、前記所定時間を7時間に設定している。
【0031】前記保温制御部15によって、前記長時間保温スイッチ17を入れた時間が前記メモリー14における炊飯終了時刻から起算して前記再加熱時刻以前であれば再加熱時刻に前記ガス加熱器5に再加熱動作を行わせ、前記再加熱時刻以後であれば直ちに前記再加熱動作を行わせる。
【0032】なお、本実施の形態1では、保温加熱器として、前記電気ヒータ7を用いるが、ハロゲンランプ等他熱源を採用しても良い。
【0033】次に、本実施の形態1によるガス炊飯器1の保温動作を説明する。
【0034】図2は、保温動作開始後の制御の流れを示したフローチャートである。
【0035】本実施の形態1においては、炊飯動作を行う際に、炊飯釜2内が所定の温度に達する加熱時間等から米量を検出し、これを保温動作時の情報として利用する。この米量検出は、前記制御装置10の炊飯制御部11が行う。まず、炊飯動作を終了した後、保温動作に入る。この保温は、前記保温加熱器制御部12において温度センサ8によって炊飯釜2の底部の温度を検出しながら電気ヒータ7に間欠的に通電して、炊飯釜2内を約70℃に保持する。なお、この電気ヒータ7による保温は、以下に説明するガス加熱器5の動作中においても有効に働いている。
【0036】図2に示すように、保温動作に入ると制御装置10内のメモリー14に炊飯終了時刻を記憶させ(S101)、次いで前記保温制御部15において長時間保温スイッチ17がONされたか否かを監視する(S102)。長時間保温スイッチ17がONされると、前記メモリー14において記憶させた炊飯完了時刻から起算して7時間が経過したか否かを判別する(S103)。まだ7時間が経過していない場合は前記ステップS103の監視動作を繰り返し、7時間が経過するまで待機状態が続く。そして、この待機状態を続けながら保温を開始してから7時間が経過するか、前記ステップS102で長時間保温スイッチ17がONされた時点で既に7時間が経過していると、保温制御部15にてガス加熱器5を作動させて炊飯釜2の温度を急激に上昇させる。このとき、本実施の形態1においては、まず、炊飯制御部11が炊飯動作で検出した米量に応じて、ガス加熱器制御部13によって加熱時間を決定する(S104,S105)。その後、ガス加熱器5を作動させて(S106,S107,S108)、米量「小」の場合には1分間加熱し(S109)、米量「中」の場合には2分間加熱し(S110)、米量「大」の場合には3分間加熱するように制御する(S111)。本実施の形態1では、この米量が「大」の場合を説明し、また、長時間保温スイッチ17は保温を開始してからまだ7時間経過していないときにONされて、しばらく待機して保温開始から7時間後に再加熱された場合とする。すると、米飯温度は、米飯上部が約85℃で、米飯下部(炊飯釜2の底付近)が約100℃となり(図4の7時間目参照)、炊飯釜2内の米飯の温度は80℃〜110℃の範囲になる。このときの米飯中における好熱性バチルス菌の生菌数は、再加熱直前に約104個/gであったものが、再加熱により100個/g以下に減少する(図5の7時間目参照)。
【0037】なお、米量「小」および「中」の場合にも、各々の加熱時間によって米飯の温度が80℃〜110℃の範囲内となるように構成している。このように保温時の米飯の温度を80℃〜110℃の範囲内とするのは、110℃を超えると、炊飯釜2内の米飯の下部の方ではぱりぱりに乾燥し、一方、80℃未満であれば、米飯中に混入し異臭や黄変の原因となる栄養型の好熱性バチルス菌を減少させることができない。すなわち、好熱性バチルス菌の生菌数を減少させて、増殖の停止時間を長くするには、米飯の加熱温度を高めるとともに、その加熱温度に保持する時間を長く設定するのが望ましい。しかしながら、米飯の加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎると、米飯の乾燥を早め、却って食味を低下させることになる。一方、米飯からの異臭や黄変を防止するには、栄養型にある好熱性バチルス菌の生菌数を少なくとも106個/g以下に減少させれば足りる。したがって、米飯の温度を80℃まで上昇させて、前記好熱性バチルス菌の生菌数を減少させれば、米飯からの異臭や黄変を停止することができる。また、加熱時間も1秒〜5分間で好熱性バチルス菌の生菌数を減少させることが期待できる。特に本実施の形態1の如くガス加熱器5によると、電気加熱に対するガス加熱の特性として、ガス火によると短時間で設定温度に昇温することができ、例えば、3分間の加熱によって最も熱の加わりやすい炊飯釜内底部の米飯で約100℃まで昇温し、熱の加わりにくい米飯上部で約85℃まで昇温する(図4参照)。これにより、米飯中から異臭や黄変をもたらす好熱性バチルス菌の増殖を抑制することができる。このことから、米飯が乾燥する程の余分な熱が加わらずに好熱性バチルス菌へのダメージに必要な加熱ができる。
【0038】そして、前記ガス加熱器5による再加熱が所定時間(本例では、3分間)経過すると(S111)、ガスバーナ6を消火してガス加熱器5の作動を終了させる(S112)。また、ガス加熱器5の作動を終了させた後、前記メモリー14の記憶を消去し(S122)、電気ヒータ7による通常の保温動作に戻る。すると、ガス加熱器5による再加熱を終了して約1時間半経過後の8時間半経過時点には炊飯釜2内の米飯が約70℃に保持される。
【0039】以上のように、本実施の形態1においては、70℃保温によって米飯中の好熱性バチルス菌の胞子の発芽が最も盛んになる7時間目の時間帯にあわせてガス加熱器5を作動させるから、18時間保温を考えると、好熱性バチルス菌の増殖が始まる5時間後に加熱器を作動させる従来(特開平9−276134号公報)のものと比べて、保温米飯の乾燥を防止し、且つ、保温開始後18時間は栄養型の好熱性バチルス菌の増殖を抑えて異臭や黄変の問題も生じさせることはない。
【0040】また、本実施の形態1では、長時間保温スイッチ17が保温を開始してからまだ7時間経過していないときにONされた場合を示すが、すでに7時間経過していた場合であっても直ちに前記ガス加熱器5による再加熱を行うから、再加熱は、米飯中の好熱性バチルス菌の増殖が最も盛んになる時間帯より大きく遅れることなく前記時間帯に近い時刻で再加熱することができる。このように、前記長時間保温スイッチ17を入れた時間に関係なく、米飯中における好熱性バチルス菌の胞子の発芽が盛んになる時間帯、あるいは、この時間帯に近い時刻で再加熱するから、当該好熱性バチルス菌に対する増殖抑制効果が大きい。その結果、炊飯終了後18時間の長時間にわたり美味しい米飯が食べられるようになる。実施の形態2.24時間保温を考えると、1回の再加熱でも生存している胞子型の好熱性バチルス菌がその後に次々と発芽、増殖するため、その時間帯にあわせて再加熱し、これにより、24時間にわたり栄養型にある好熱性バチルス菌の生菌数を減少させる必要がある。
【0041】本実施の形態2によるガス炊飯器は、前記実施の形態1のものにおいて、前記ガス加熱器制御部13によって前記1回の再加熱をしてから約4時間毎に2回、前記ガス加熱器5による再加熱を行わせるようにしたものである。また、このガス炊飯器1は、保温時間を計測するためのタイマーを備えている(図示せず)。なお、その他の構成は前記実施の形態1のものと同様である。
【0042】次に、本実施の形態2によるガス炊飯器の保温動作を説明する。
【0043】図3は、保温動作開始後の制御の流れを示したフローチャートである。図4は、炊飯釜2の再加熱を3分間行った場合の温度変化を示し、実線は炊飯釜2内の米飯下部の温度変化、鎖線は炊飯釜2内の米飯上部の温度変化をそれぞれ示している。図5は、再加熱による好熱性バチルス菌の生菌数(個/g)の変化を示している。
【0044】図3に示すように、保温動作に入ると、図2に示す実施の形態1の場合と同様にステップS101〜S112の動作が行われ、長時間保温スイッチ17をONした時間が保温を開始してから7時間経過していなければ待機して7時間経過した時点でガス加熱器5を動作させ、また、長時間保温スイッチ17をONした時間が保温を開始してからすでに7時間経過していれば直ちにガス加熱器5を動作させ、1回目の再加熱が行われる。ただし、本実施の形態2では、前記再加熱の開始時にタイマーを作動させる(S103a)。
【0045】次に、2回目の再加熱として、前記タイマーで計測している時間を監視し、1回目の再加熱を開始してから4時間が経過すると(S113)、再びガス加熱器5を作動させて炊飯釜2の温度を急激に上昇させる(S114)。このときの加熱時間として、前記1回目の再加熱のときと同じく3分間作動させる(S115)。本例では、前記1回目の再加熱が保温を開始してから7時間目に行われた場合とし、よって、この2回目の再加熱は保温を開始してから11時間目に行われたこととなる。すると、図4中、11時間目の米飯温度を見ると、7時間経過時点の1回目の再加熱のときと同様に、炊飯釜2内の米飯は、80℃〜110℃の温度範囲内に昇温される。このとき、米飯中の好熱性バチルス菌は、図5中の11時間目付近を見ると、1回目の再加熱終了後から徐々に増殖し、この2回目の再加熱直前には103個/g近くに増えていたが、再加熱によって再び10個/g以下に減少したことが判る。この2回目の再加熱が所定時間(本例では3分間)経過すると(S115)、ガス加熱器5の作動を終了させ(S116)、通常の保温動作に戻る。
【0046】さらに、3回目の再加熱として、前記タイマーで計測している時間を監視し、1回目の再加熱を開始してから8時間が経過すると(S117)、再びガス加熱器5を作動させて炊飯釜2の温度を急激に上昇させる(S118)。このときの加熱時間として、前記1回目の再加熱のときと同じく3分間作動させる(S119)。この3回目の再加熱は、前記1回目の再加熱が保温を開始してから7時間目に行われるので、保温を開始してから15時間目となる。すると、図4中、7時間経過時点の1回目の再加熱、それから4時間後の11時間経過時点の2回目の再加熱のときと同様に、炊飯釜2内の米飯は、80℃〜110℃の温度範囲内に昇温される。これにより、米飯中の好熱性バチルス菌は、図5中、15時間目付近を見ると、2回目の再加熱終了後から徐々に増殖し、この3回目の再加熱直前には102個/g近くに増えていたが、再加熱によって10個/g以下に減少したことが判る。そして、この3回目の再加熱が所定時間(本例では3分間)経過すると(S119)、ガス加熱器5の作動を終了させる(S120)。その後、この3回目の再加熱として、ガス加熱器5の作動を終了させた後は、タイマーをOFFし(S121)、続いて炊飯完了時間を記憶したメモリー14の記憶も消去して(S122)、電気ヒータ7による通常の保温動作に戻る。
【0047】このようにして炊飯終了後24時間保温した米飯の24時間目のものについて評価したところ、堅くなっていたり、炊飯釜2の底にくっつく等の不具合も見られなかった。しかも、米飯のにおい、色、味のいずれも特に気にかかる点はなかった。この点は好熱性バチルス菌の生菌数が約107個/g以上になると異臭等を放つが、本例の場合、図5中の24時間目を見ると、10個/g程度であったことからも米飯の品質保持が裏付けられる。
【0048】以上のように、本実施の形態2においては、炊飯終了後、保温を開始してから長時間にわたって米飯の乾燥を抑えつつ、好熱性バチルス菌の増殖を阻止して、米飯からの異臭や黄変の発生を防止できる。また、米飯中では好熱性バチルス菌の増殖に伴ってその生菌数の約10%が胞子型となって存在しており、この胞子型のものが次々と発芽して栄養型となるから、2回目と、3回目の再加熱の時間間隔を4時間毎とし、1回目の7時間後に比べ短くすることにより、好熱性バチルス菌の急激な増殖を抑制することができる。その結果、24時間にわたって食味の低下を防止することが可能となる。また、保温中のガス加熱器5による再加熱は、24時間保温において3回で済み(7時間後、11時間後、15時間後)、5時間毎に4回の再加熱が行われる従来方法(特開平9−276134号公報)と比べ、米飯の乾燥を防止でき、且つ、再加熱1回分の省エネを図ることができる。
【0049】なお、前記各実施の形態1,2においては、ガス加熱器5による再加熱時間として、1分間、2分間または3分間とするが、1秒から5分間の間で適宜に決定しても良い。また、1回目の再加熱として、保温を開始してから7時間後をこの1回目の再加熱時刻とするが、6〜8時間後の間で適宜に決定しても良い。
【0050】また、前述の如く再加熱時間を規定しているが、米量により炊飯釜2底の米飯が焦げるような場合もあり得るので、再加熱時間内に設定温度(炊飯消火温度、または炊飯消火温度より低い温度たとえば110℃)に達した場合は設定温度を優先して、加熱動作を終了させれば良い。
【0051】また、米量を大中小の3段階に分けてガス加熱器5の加熱時間を選択するように制御したが、炊飯器の容量、米量、ガス加熱器の容量等に応じてさらに細かく分けたり、あるいは、米量大と小の2段階に分ける等、適宜に決定しても良い。
【0052】また、前記のような米量によってガス加熱器5の加熱時間を選択することなく、炊飯釜2内下部の米飯温度が110℃に達した時点でガス加熱器5の動作が終了するように制御しても良い。これは、下部の米飯温度が110℃に達していれば上部の米飯温度も80℃以上に達していると推定され、炊飯釜2内の米飯温度としては、全体として80℃〜110℃の範囲内に収まるからである。
【0053】また、前記再加熱は、ガス加熱器5を用いているが、この再加熱用に電気ヒータを使用しても良く、この場合、通常保温を行わせていた前記電気ヒータ7と兼用しても良いし、これとは別個に専用の電気ヒータを備え付けても良い。さらには、本例の如くガス炊飯器ではなく、電気炊飯器において適用しても良く、この電気炊飯器の場合は炊飯を行わせる電気ヒータや通常保温を行わせる電気ヒータを前記再加熱に兼用しても良いし、また、別個に再加熱専用の電気ヒータを備え付けても良い。ただし、電気加熱よれば、ガス加熱に比べて昇温速度や米飯に対する熱の廻りの点でやや劣るものの米飯中の好熱性バチルス菌の増殖を抑えるには十分である。
【0054】一方、前記実施の形態2においては、2回目、3回目の再加熱時間を1回目と同じ再加熱時間となるように設定しているが、1回目の再加熱のときの炊飯釜2底における最高温度を制御装置10内等のメモリに一時記憶し、2回目、3回目の再加熱は、この一時記憶した最高温度に達したときに終了するように制御しても良い。




 

 


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