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球状リューサイト結晶およびその製造方法 - 山口 明良
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発明の名称 球状リューサイト結晶およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−348220(P2001−348220A)
公開日 平成13年12月18日(2001.12.18)
出願番号 特願2000−164253(P2000−164253)
出願日 平成12年6月1日(2000.6.1)
代理人 【識別番号】100091742
【弁理士】
【氏名又は名称】小玉 秀男 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4G073
【Fターム(参考)】
4G073 AA02 BD01 CM01 FB04 FB11 FB21 FD23 UA08 UB01 UB08 UB41 
発明者 山口 明良 / 橋本 忍
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 リューサイト(KAlSi)結晶であり、その結晶形状が球状又は略球状である球状リューサイト結晶。
【請求項2】 KSOとAl(SOとSiOを、KSO:90〜50mol%、Al(SO:5〜15mol%、SiO:5〜35mol%の比率で混合する工程と、その混合物を900℃〜1200℃の温度範囲に加熱する工程と、その加熱工程後に洗浄する工程を経て球状リューサイト結晶を製造する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ガラスやセラミックや樹脂や金属等のマトリクス中に混合ないし分散させる添加物として好適に利用可能な球状リューサイト結晶とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 リューサイト結晶(KAlSi)は、融点が1693℃と高く、さらに、熱膨張係数が3.1×10−5/度と高いことから、ガラスやセラミック等のマトリクスに混合ないし分散して熱膨張係数を調整する為に好適に利用できる。リューサイト結晶を含有するガラス類が開発され、その一例が特公平6―662号公報等に記載されている。リューサイト結晶を含有するガラス類を生産するためには、SiOやAlやKO等の酸化物を含有するガラス材料を熱処理してガラスマトリクス中にリューサイト結晶を析出させる。あるいは、天然の白榴石を粉砕して作製した不定形のリューサイトの小粒をマトリクス中に混合ないし分散させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 SiOやAlやKO等の酸化物を含有するガラス材料を熱処理してガラスマトリクス中にリューサイト結晶を析出させる技術では、析出するリューサイト結晶の量を正確に調整することが困難であり、ガラス類の物性を意図した状態ないし値に調整することが難しい。また、この方法ではマトリクスの材質が限られ、例えば樹脂中にリューサイト結晶を析出させることはできない。一方、天然の白榴石を粉砕して作製した不定形のリューサイト結晶の小粒をマトリクス中に混合ないし分散させる方法では、リューサイト結晶の小粒が不定形をしている為にマトリクス中に均質に分散させることが難しい。このために、ガラスやセラミックや樹脂等の物性は均質とならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 そこで本発明では、球状のリューサイト結晶を作り出し、マトリクス中に所定の混合量を正確に均質に分散させられるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用と効果】 本発明では、リューサイト(KAlSi)結晶であり、結晶形状が球状又は略球状である球状リューサイト結晶の合成に成功した。この球状リューサイト結晶は、結晶形状が球状又は略球状である。従って、マトリクス中に容易に均質に分散させることができる。また、マトリクス中の分散量ないし混合量を正確に調整することができる。さらには、ガラス類以外のマトリクスにも分散させることができる。
【0006】本発明では、この球状リューサイト結晶の合成方法の創作にも成功した。この合成ないし製造方法は、KSOとAl(SOとSiOを、KSO:90〜50mol%、Al(SO:5〜15mol%、SiO:5〜35mol%の比率で混合する工程と、その混合物を900℃〜1200℃の温度範囲に加熱する工程と、その加熱工程後に洗浄する工程を経て球状リューサイト結晶を製造する。この製造方法によると、結晶形状が球状又は略球状である球状リューサイト結晶を合成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の球状リューサイト結晶の製造方法の好適な実施の形態の1つについて例示する。出発原料として、試薬粉末のKSOとAl(SO・14−18HOとSiOを用いた。ここで、SiOは、平均径約10μmの非晶質フレーク状粒子を用いた。Al(SO・14−18HOは、大気中で300℃で12時間以上加熱して、Al(SOとする。
【0008】図1にKSOとAl(SOとSiOの混合物を1000℃で3時間保持したときの略三元状態図を示す。図1中大丸で示される組成では、リューサイト結晶のみが生成された。図1中小丸で示される組成では、リューサイト結晶のみならず、ムライト(AlSi13)結晶やアモルファスシリカ(非晶質SiO)も存在することが確認された。本実施の形態では、リューサイト結晶のみを生成させるために、混合比の一例ではあるが、KSO:Al(SO:SiO=5.9:1.0:1.1のモル比を用いる。この混合比は、図1に示されるように、実線で囲んだ範囲、すなわち、KSO:90〜50mol%、Al(SO:5〜15mol%、SiO:5〜35mol%の比率の領域内である。
【0009】上記混合比の混合物(20グラム)を、アルミナ坩堝(高さ:70mm、直径:50mm)中に入れ、アルミナの蓋をして、所定温度(900〜1200℃)に至るまで、加熱速度10℃/分で加熱する。以下、混合物とは、KSOとAl(SOとSiOを混合したものをいう。アルミナ坩堝とそのアルミナ坩堝に入れた混合物を、所定時間の間、前述した所定温度に保持する。例えば、1000℃まで加熱したときは3時間の間、1000℃に保持する。加熱保持後の生成物を室温まで炉冷して、溶解処理を行う。溶解処理では、その生成物を70〜80℃の塩酸溶液(1mol/l)に0.5〜1時間浸して球状リューサイト結晶に付着しているフラックスを除去する。その後、水で洗浄し、乾燥させると白粒状となった球状リューサイト結晶が得られる。
【0010】上記方法で得られた球状リューサイト結晶の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示す。図2中写真aと写真bは倍率が異なる写真である。写真aでは球状又は略球状の球状リューサイト結晶が多数見られる。写真aと写真bとからわかるように、大部分の球状リューサイト結晶の直径は70〜110μmであり、平均粒径は84μmである。写真aでは、単一の球状リューサイト結晶が互いに密着したものも観察される。写真aよりも高倍率の写真bでは、球状リューサイト結晶の表面は滑らかに見える。また、表面に「段」があることがわかる。図2中写真c(写真bと等倍)は、破断した球状リューサイト結晶を観察したものである。球状リューサイト結晶は、密な構造であることがわかる。
【0011】なお、図1において実線で囲んだ範囲、すなわち、KSO:90〜50mol%、Al(SO:5〜15mol%、SiO:5〜35mol%の範囲において、生成されたリューサイト結晶は球状を示す。上記説明では、加熱温度を1000℃としたが、900℃〜1200℃の温度範囲で、球状リューサイト結晶が得られる。
【0012】混合比の一例である、KSO:Al(SO:SiO=5.9:1.0:1.1のモル比の混合物を用いて、上記1000℃以外の加熱温度でも、球状リューサイト結晶が生成されることを示す。
【0013】上記モル比の混合物を3試料用意し、室温から加熱速度10℃/分でそれぞれ900℃、1000℃、1100℃まで昇温して、その温度に3時間保持した場合のX線回折(XRD)パターンを、図3に示す。縦軸は回折強度、横軸は回折角である。図3中、X線回折パターンは下から順に、900、1000、1100℃にそれぞれ3時間保持したものの、X線回折パターンである。図中星印はリューサイト結晶、三角はムライト結晶の回折ピークであることをそれぞれ示す。なお、3時間保持後の生成物にX線回折を行うにあたって、熱塩酸で溶解処理済み(70〜80℃、0.5〜1時間)のものを用いている。
【0014】900℃に3時間保持したものの結晶相は、リューサイト結晶相のみであるが、ピーク強度が比較的弱い。1000℃に3時間保持したものは、リューサイト結晶相のみであることを示している。1100℃に3時間保持したものは、リューサイト結晶相のみならず、ムライト結晶相も存在していることを示している。従って、混合比の一例である、KSO:Al(S:SiO=5.9:1.0:1.1のモル比の組成では、加熱温度が高くなるほど、リューサイトのみならず、ムライトも生成し易くなることがわかる。
【0015】次に、混合比の一例である、KSO:Al(SO:SiO=5.9:1.0:1.1のモル比の混合物を、加熱温度の1例である1000℃に保持したときの、その保持時間が与える球状リューサイト結晶の生成への影響を説明する。
【0016】図4に走査電子顕微鏡写真を示す。図4中写真aの被写体は小さいため、写真aのみ、写真b〜dよりも1.5倍程度高倍率で撮影されている。図5にX線回折パターンを示す。縦軸は回折強度、横軸は回折角である。図5中において、X線回折パターンは下から順に、上記モル比の混合物を0、1、2、12時間だけ1000℃に保持したものの、X線回折パターンである。図中星印はリューサイト結晶の回折ピークであることを示す。なお、1000℃に保持後の生成物にX線回折を行うにあたって、熱塩酸で溶解処理済み(70〜80℃、0.5〜1時間)のものを用いている。
【0017】図4中写真aは、混合物を室温から加熱速度10℃/分で1000℃まで昇温後、1000℃に保持することなく(以下0時間保持という)室温まで急冷したものを撮影した写真である。微粒が凝集したものが見られる。球状物は見られない。図5中最も下に示されている0時間保持したもののX線回折パターンでは、非晶質を示すハロー回折ピークのみが見られ、リューサイト結晶の回折ピークは見られない。従って、図4中写真aの微粒は、出発原料に起因する未反応の非晶質SiOである。
【0018】図4中写真bは、混合物を室温から加熱速度10℃/分で1000℃まで昇温して1000℃に1時間保持後、室温まで急冷したものを撮影した写真である。球状物が見られる。しかしその球状物の数は少ない。図5中下から2番目に示されている1時間保持したもののX線回折パターンでは、リューサイト結晶の回折ピークは見られるが、その回折ピーク強度は弱い。非晶質を示すハロー回折ピークも見られる。従って、図4中写真bの微粒は、出発原料に起因する未反応の非晶質SiOであり、球状物が球状リューサイト結晶である。
【0019】図4中写真cは、混合物を室温から加熱速度10℃/分で1000℃まで昇温して1000℃に2時間保持後、室温まで急冷したものを撮影した写真である。数多くの球状物が見られる。図5中下から3番目に示されている2時間保持したもののX線回折パターンでは、リューサイト結晶の回折ピークが見られ、ハロー回折ピークは見られない。従って、図4中写真cでは、出発原料に起因する未反応の非晶質SiOの微粒も見られるが、数多くの球状物である球状リューサイトが生成しているのがわかる。
【0020】図4中写真dは、混合物を室温から加熱速度10℃/分で1000℃まで昇温して1000℃に12時間保持後、室温まで急冷したものを撮影した写真である。球状物の形状は、1000℃に2時間保持したものと同様であるが、大きさが異なる。図5中下最も上に示されている12時間保持したもののX線回折パターンでは、リューサイト結晶の回折ピークのみが見られる。従って、図4中写真dでは、1000℃に2時間保持したものと大きさが異なる球状リューサイトのみが生成しているのがわかる。写真dでは、1000℃に2時間保持したものよりも粒径が大きい球状リューサイト結晶が生成している。
【0021】以上より、図1の実線で囲んだ範囲、すなわち、KSO:90〜50mol%、Al(SO:5〜15mol%、SiO:5〜35mol%の比率の領域内の一例であるKSO:Al(SO:SiO=5.9:1.0:1.1のモル比の混合物から球状リューサイト結晶を得るには、2時間以上、加熱温度1000℃に保持すればよいことがわかる。
【0022】図6に、加熱温度1000℃における保持時間(2〜12時間)と球状リューサイト結晶の平均粒径との関係を示す。縦軸は平均粒径、横軸は保持時間である。保持時間の増加に伴い、平均粒径も増加することがわかる。12時間保持したものは、平均粒径は115μmに達する。
【0023】本方法を用いると、混合物の加熱保持時間を制御することによって、球状リューサイト結晶の粒径を制御することができる。保持時間を短くすれば(加熱温度1000℃では2時間以上の保持時間要)、粒径の小さい球状リューサイト結晶を得ることができる。また、加熱温度が異なれば、反応速度も異なるので、加熱温度を制御(900〜1200℃)することによって、球状リューサイト結晶の粒径を制御することもできる。加熱温度が900℃でも、保持時間をかければ球状リューサイト結晶が得られる。加熱温度が高ければ、速く所望の粒径の球状リューサイト結晶を得ることができる。なお、1200℃より高い加熱温度では、ムライトの生成量が多くなるので、本方法では1200℃より高い加熱温度を用いていない。
【0024】以上より、本発明により、結晶形状が球状又は略球状である球状のリューサイト結晶を合成することができることがわかる。従って、本発明により製造された球状リューサイト結晶により、マトリクス中の分散量ないし混合量を正確に調整することができる。また、本発明により製造された球状リューサイト結晶は、ガラス類以外のマトリクスにも分散させることができる。
【0025】なお、本形態のAl(SOは、A(SO・14−18HOを300度で12時間以上、大気中で加熱したものを用いるが、18水塩に限られない。また、Al(SOは、室温では含水塩状態が安定なので、混合前に加熱脱水して無水塩とするが、加熱脱水の温度や時間は上記条件に限られない。混合前にAl(SOとして無水塩状態になっていればよい。本実施の形態では、試薬粉末としてAl(SO・14−18HOが一般的に出回っているので、Al(SOの前駆体としてAl(SO・14−18HOを用いているにすぎない。
【0026】本実施の形態では、SiOとして、非晶質粒子を用いる。この形態のSiOは反応活性に富むので、好適に球状リューサイト結晶を生成させ易いが、その形状及び大きさに限られない。
【0027】本実施の形態における所定温度に至るまでの加熱速度は、10℃/分であるが、この加熱速度に限られない。
【0028】また、本実施の形態で用いたアルミナの蓋は、ゴミ混入防止のためであり、その材質はアルミナに限らない。ゴミ混入を防止でき、アルミナ坩堝中の混合物と反応を起こさなければ良い。
【0029】本実施の形態では、溶解処理において、70〜80℃の塩酸溶液(1mol/l)に0.5〜1時間浸しているが、これらの温度、時間に限られない。加熱後に生成した球状リューサイト結晶に付着しているフラックスが適切に除去できればよく、塩酸以外の他の酸でも構わない。充分に時間をかけて洗浄すれば、酸洗する代わりに、水洗するだけでもよい。




 

 


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